JPH10192340A - 使いすておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】漏れ及びムレ防止に効果的であり、必要な素材
が少量化されるので大幅なコスト低減を図ることができ
る使いすておむつを提供する。 【解決手段】サイドフラップは、表面シートが吸収体の
長手方向両側縁から外側へ延出することにより形成され
ており、背側部と股下部のサイドフラップの間でサイド
フラップ両側縁から吸収体側縁近傍へ達する切り込み線
を設けることによって形成され、背側部のサイドフラッ
プは広幅の状態で配置されており、股下部及び腹側部の
サイドフラップは吸収体近傍で内側に折り返され、その
長手方向に沿う側縁に伸縮性弾性体が伸長状態で配設さ
れて、その長手方向両端部は表面シートに接着され、立
体ギャザーが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使いすておむつに
関し、漏れ及びムレ防止に効果的であり、大幅なコスト
低減を図ることができる使いすておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】使いすておむつは、液透過性の表面シー
トと液不透過性裏面シートの間に、親水性シート、綿状
パルプ、高吸水性高分子物質等からなる吸収体を配置し
た構成になっている。近年、紙おむつの吸収体中に高吸
水性高分子物質を使用するようになってから、尿及び軟
便等の漏れや逆戻り等に対して絶大な効果をあげること
になっていた。しかし、高吸水性高分子物質は、綿状パ
ルプに比べて尿の吸収速度が極端に遅いため、一時的に
尿や軟便等が***された場合漏れる可能性がある。この
ため、多量の尿や軟便に対しても漏れないような対策が
必要となってきている。

【０００３】これらの点を解決するために吸収体の外側
に立体ギャザーを配置することが提案されてきた。すな
わち、特公平６−９３９０１号公報に、伸縮性弾性体を
含有するサイドフラップを有し、かつ、防漏部として機
能する立体ギャザーは伸縮性弾性体を含み、おむつの内
側に倒されて設置され、吸収体上の表面シートとの間に
ポケット部を形成し、漏れ防止を図ったおむつが知られ
ている。しかし、これに代表されるおむつは、漏れ防止
に効果があるものの、立体ギャザーを形成するために表
面シートとは違う別の素材が必要になるため、表面シー
トが多く必要にならなくなり、製造コストが上がる。ま
た、一般に知られているおむつのほとんどは、股下のフ
ィット性向上のために股下部の幅を狭くするためにサイ
ドフラップが切除されているため、素材が無駄になる。
また、サイドフラップは、裏面シートと表面シートが貼
り合わされ、表面シートの下側に吸収体が配置されてい
ないため、汗が吸収されずにたまりやすく、ムレやす
い。さらに、装着時に着用者の腹脇で、腹側部と背側部
のサイドフラップは重なるため、よりムレが生じる。ム
レ防止として、裏面シートに公知の透湿性フィルムを使
用している場合もあるが、わずかな効果が認められるに
とどまっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
状況に鑑み、サイドフラップが表面シートから形成さ
れ、さらに背側部と股下部のサイドフラップの間でサイ
ドフラップ両側縁から吸収体側縁近傍へ達する切り込み
線が形成され、股下部と腹側部のサイドフラップが内側
に折り返されて形成される立体ギャザーを有する使いす
ておむつは、漏れ及びムレ防止に効果的であり、製造に
必要となる素材量が減少し、大幅なコスト低減を図るこ
とができることを見いだした。本発明の目的は、漏れ及
びムレ防止に効果的であり、さらに大幅なコスト低減を
図ることができる使いすておむつを提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性の表
面シートと液不透過性の裏面シートと、これら両シート
の間に配置された吸収体と、表面シートが吸収体の長手
方向両側縁から外側へ延出することによって形成される
サイドフラップと、吸収体の両側縁近傍に形成されてい
る立体ギャザーを有する使いすておむつにおいて、背側
部サイドフラップは、表面シート上において背側部と股
下部のサイドフラップの間でサイドフラップ両側縁から
吸収体側縁近傍へ達する切り込み線を設けることによっ
て形成され、広幅の状態で配置されており、股下部及び
腹側部のサイドフラップは吸収体近傍で内側に折り返さ
れ、その長手方向に沿う側縁に伸縮性弾性体が伸長状態
で配設されて、その長手方向両端部は表面シートに接着
され、立体ギャザーが形成されていることを特徴とする
使いすておむつに存する。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明において使用される表面シ
ートはポリエステル、ポリプロピレン等からなる液透過
性の不織布、織布が用いられる。また、天然繊維でもよ
く、合成繊維と天然繊維との組み合わせ等、広い範囲の
材料から製造することができる。いずれにしても、表面
シートは、直接肌に接触する部分であるため、柔らか
く、肌触りのよいものであれば良く、通気性であれば良
い。表面シートの中央領域は、吸収体上に配置されるた
め、速やかに液を透過させることができるように、親水
性繊維であることが好ましい。また、表面シートの縦方
向両端領域は、液を吸収した吸収体から、外側にしみ出
さないように撥水性であることが好ましい。また、表面
シートは、単一のシートで構成される必要はなく、中央
部表面シートや側部表面シートといった複数枚のシート
で構成されても良い。また、複数枚のシートで表面シー
トを構成する際、各シートは別の素材を使っても良い
が、同一の素材でも良い。

【０００７】本発明において使用される裏面シートは、
ポリエチレン等の液不透過性フィルム、液不透過性フィ
ルムに不織布または織布を貼り合わせてある素材等から
なり、特に制限はなく、吸収体中の水分がおむつ外側に
しみ出さないものであれば良い。また、布状外観を与え
るために模様状にエンボス処理されたり、さらに艶消し
仕上げされていても構わない。また、フィルムを使用す
る場合は、不透過性でありながら、水蒸気だけを透過さ
せる公知の透湿性フィルムを使用しても構わず、ムレを
防止することから好ましい。

【０００８】本発明において使用される吸収体は、綿状
パルプ、高吸水性高分子物質、親水性シート等によって
形成され、吸水性の性質をもっていれば特に制限を受け
るものではない。本発明において使用される吸収体は従
来の使いすておむつその他の吸収性物品の通常使用され
る公知の吸収性材料から作られている。すなわち、綿状
パルプ、レーヨン等の吸収性繊維からなる単層もしくは
多層のマットから形成され、さらに親水性シートによっ
てくるまれており、そして、高吸水性高分子物質が各マ
ット中に均一に混合もしくは各マット間に層状に配置さ
れている。また、高吸水性高分子物質を均一に混合され
た吸収体は、綿状パルプに対して３〜６０重量％の熱融
着性物質を混合した後、熱圧着してもよいし、もしくは
高吸水性高分子物質のみが親水性シートによりくるまれ
ているものであっても良い。

【０００９】綿状パルプとしては、化学パルプシート、
古紙パルプシート、機械パルプシートを粉砕機で解繊す
ることにより得られる繊維長５ｍｍ以下のものである。
パルプ原料としては、針葉樹に限らず、広葉樹、わら、
竹及びケナフも適用される。このパルプの使用量は、目
的とする吸収体により、例えば、単独に用いるか、複数
積層して用いるか、他の吸収材を併用するか等により異
なるが、一般には、５０〜４００ｇ／ｍ²である。

【００１０】高吸水性高分子物質としては、デンプン
系、セルロース系、合成ポリマー系があげられる。すな
わち、デンプン−アクリル酸（塩）グラフト重合体、デ
ンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化
物、デンプン−メタクル酸メチルグラフト共重合体のケ
ン化物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体
のケン化物、デンプン−アクリルアミドグラフト共重合
体のケン化物、デンプン−アクリロニトリル−２−アク
リルアミド−２−メチルプロパンスルホン酸グラフト共
重合体のケン化物、アクリル酸（塩）重合体、アクリル
酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカル
ボキシメチルセルロースの架橋物、ポリビニルアルコー
ル−無水マレイン酸反応物架橋物などである。

【００１１】自重の２０倍以上の尿、体液及び水を吸収
するもので、ポリアクリル酸ナトリウム系のものが吸収
性能の点から最も適当である。高吸水性高分子物質の分
布量は、乾燥した綿状パルプ１００重量部に対して１０
〜５００重量部、好ましくは１５〜３００重量部であ
り、かかる量の高吸水性高分子物質が綿状パルプに実質
的に均一に分布している。高吸水性高分子物質が吸水し
膨潤したとき、その粒子は相互の干渉が最小にとどめら
れ、連続的に接触して透過障壁が少なく、尿や体液を３
次元方向に透過吸水する。

【００１２】本発明に使用される吸収体の形状は、砂時
計型、矩型、Ｔ字型等特に制限はなく、股下にフィット
する形状であれば良い。一般的に着用感を向上させるた
めに、砂時計型やＴ字型等股下部を狭くした形状である
ことが特に好ましい。

【００１３】

【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の使いすておむ
つをより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらによ
って限定されるものではない。図１は、本発明の使いす
ておむつの展開斜視図を示し、図２は、使いすておむつ
の平面図を示しいる。図３は、図２におけるｘ−ｘ’線
断面図、すなわちおむつの股下部の断面図を示してい
る。図４は、図２におけるｙ−ｙ’線断面図、すなわち
おむつの背側部の断面図を示している。図５は、図２に
おけるｚ−ｚ’線断面図、すなわちおむつの腹側部の断
面図を示している。図６は、図２におけるｘ−ｘ’線断
面図、すなわちおむつの股下部の断面図を示し、図３と
は別の実施例を示しているている。

【００１４】また、符号１は液透過性表面シート（以下
表面シートと呼ぶ場合もある）、２は液不透過性裏面シ
ート（以下裏面シートと呼ぶ場合もある）、３は吸収
体、４はテープファスナー、５はサイドフラップ、６は
背側部、７は股下部、８は腹側部、９は切り込み線、１
０は伸縮性弾性体、１１は立体ギャザー、１２は脚周り
ギャザー、１３は接着領域を示している。

【００１５】本発明の使いすておむつの構造は、図１〜
図５に示すように、表面シート１と裏面シート２とその
間に吸収体３を有し、吸収体３の横方向両側縁から外側
へ延出したサイドフラップ５を有している。裏面シート
２の横方向長さは、吸収体３より長く、少なくとも吸収
体３下面全体を覆える大きさであればよい。また、サイ
ドフラップ５は、表面シート１が吸収体３の長手方向両
側縁から外側へ延出することによって形成されている。
すなわち、サイドフラップ５を形成する表面シート１の
横方向長さは、裏面シート２より長い。

【００１６】本発明の使いすておむつは、背側部６、股
下部７、腹側部８の３つの領域が存在する。背側部６は
着用者の背中に接触する領域であり、股下部７は股下に
接触する領域であり、腹側部８は腹に接触する領域であ
る。背側部６と股下部７のサイドフラップ５の間でサイ
ドフラップ５両側縁から吸収体３側縁近傍へ達する切り
込み線９が形成されている。切り込み線９は直線でも良
いが、脚にフィットするように曲線又は弧状線であるこ
とが好ましい。背側部６のサイドフラップ５は広幅の状
態で配置されており、その側縁にはテープファスナー４
が取り付けられおむつ着用時に使用される。

【００１７】股下部７及び腹側部８のサイドフラップ５
は吸収体３近傍で内側に折り返されている。さらに折り
返されたサイドフラップ５の長手方向に沿う側縁は折り
曲げられることによって、伸長状態の伸縮性弾性体１０
が内側に包み込まれ、袋状に形成されている。伸縮性弾
性体１０としてはエラストマーフィルム、ポリウレタン
フィルム、天然糸ゴム、ウレタン糸ゴム、平ゴム、熱収
縮性フィルム等が使用されているが、伸縮性のある素材
であれば特に限定されない。サイドフラップ５内に配置
される伸縮性弾性体１０は１本でも数本配置されていて
も良い。また、サイドフラップ５内の伸縮性弾性体１０
の長さは股下部７領域を覆う長さ以上であれば良く、腹
側部８には伸縮性弾性体１０は配置されていないことが
好ましい。腹側部８は直接着用者の体に接触する部分で
あるため、伸縮性弾性体１０が配置されて収縮すると着
用感が著しく劣ることになる。

【００１８】折り返された股下部７及び腹側部８のサイ
ドフラップ５の長手方向両端部は、表面シート１上で接
着領域１３が形成され、両者はしっかりと固定されてい
る。接着方法は、ホットメルト接着、熱による接着、超
音波接着等が考えられ、特に制限はない。この結果、サ
イドフラップ５中に配設されている伸縮性弾性体１０の
収縮にともなって股下部７のサイドフラップ５は上方に
起立し、立体ギャザー１１が形成される。立体ギャザー
１１の固定方法としては、ホットメルト接着剤による方
法、ヒートシール溶着法、超音波溶着法等の単独又は、
これらの組み合わせによる方法があるが、尿等で濡れて
もはがれないような方法であればいずれの方法でも良
い。

【００１９】また、図６に示すようにフィット性を向上
させるために吸収体３側縁近傍には伸縮性弾性体１０が
配置されて、脚周りギャザー１２が形成されていても良
い。脚周りギャザー１２を形成する伸縮性弾性体１０
は、１本の線または相互に平行、または平行でない数本
の線からなり、あるいは曲線とすることが考えられ、股
部がフィットするように配置してあることが好ましい。

【００２０】一般に知られている使いすておむつは、サ
イドフラップ５が表面シート１と裏面シート２が貼り合
わされて形成されているため、ムレが生じる。液不透過
性である裏面シート２は一般にフィルム状であり、表面
シート１よりもムレが生じやすい。このため、本発明の
おむつのようにサイドフラップ５が表面シート１のみで
形成されていることは、ムレ防止に効果的である。さら
に腹側部８のサイドフラップ５が内側に折り返されてい
るので、装着時に着用者の脇腹には表面シート１で形成
された背側部６のサイドフラップ５のみが存在している
ことになる。このため、着用時に、おむつ内で上昇した
湿度は、着用者の脇腹に存在する背側部６のサイドフラ
ップ５から外側へ排出される。それゆえ、ムレに絶大な
効果を上げることができる。また、通常使いすておむつ
は、股下のフィット性向上のために股下部７の幅を狭く
するためにサイドフラップ５を切除しているため、素材
が無駄になっている。この点本発明のおむつは本来切除
されるサイドフラップ５の部分で立体ギャザー１１を形
成しているため、必要となる素材が少量化される。さら
に、裏面シート２は吸収体３の下面全体を覆う大きさだ
け配置されているため、一般的なおむつより必要な素材
が少量化され、低コストでのおむつ製造が可能である。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の使いすて
おむつは、背側部のサイドフラップが表面シートから形
成され、さらに腹側部のサイドフラップが内側に折り返
されているため、着用者の脇腹には背側部のサイドフラ
ップのみが存在するので、ムレ防止に効果的である。ま
た、股下部と腹側部のサイドフラップが内側に折り返さ
れて形成される立体ギャザーを有し、裏面シートも吸収
体の下のみに配置されるため、漏れに効果的である他、
製造に必要な素材量が少量化され、大幅なコスト低減を
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の使いすておむつの展開斜視図を示す。

【図２】本発明の使いすておむつの平面図を示す。

【図３】図２におけるｘ−ｘ’線断面図、すなわちおむ
つの股下部の断面図を示す。

【図４】図２におけるｙ−ｙ’線断面図、すなわちおむ
つの背側部の断面図を示す。

【図５】図２におけるｚ−ｚ’線断面図、すなわちおむ
つの腹側部の断面図を示す。

【図６】図２におけるｘ−ｘ’線断面図、すなわちおむ
つの股下部の断面図を示し、図３とは別の実施例を示
す。

【符号の説明】

１.液透過性表面シート ２.液不透過性裏面シート ３.吸収体 ４.テープファスナー ５.サイドフラップ ６.背側部 ７.股下部 ８.腹側部 ９.切り込み線 １０.伸縮性弾性体 １１.立体ギャザー １２.脚周りギャザー １３.接着領域

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液透過性の表面シートと液不透過性の裏面
   シートと、これら両シートの間に配置された吸収体と、
   表面シートが吸収体の長手方向両側縁から外側へ延出す
   ることによって形成されるサイドフラップと、吸収体の
   両側縁近傍に形成されている立体ギャザーを有する使い
   すておむつにおいて、 背側部サイドフラップは、表面シート上において背側部
   と股下部のサイドフラップの間でサイドフラップ両側縁
   から吸収体側縁近傍へ達する切り込み線を設けることに
   よって形成され、広幅の状態で配置されており、 股下部及び腹側部のサイドフラップは吸収体近傍で内側
   に折り返され、その長手方向に沿う側縁に伸縮性弾性体
   が伸長状態で配設されて、その長手方向両端部は表面シ
   ートに接着され、立体ギャザーが形成されていることを
   特徴とする使いすておむつ。