JPH10166156A - プラズマ切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＦＲＰなどの非金属製の被切断物をプラズマ
ジェットを用いて切断する際には、排ガス（ヒューム）
が発生するが、従来のプラズマ切断装置では、排ガスを
除去する手段を有しないので、作業者がこれらのものを
吸引すると危険である。 【解決手段】 ノズル２と電極３の間に所定の電圧を印
加するための電源部４と、被切断物５の切断時に発生す
る排ガス６の飛散を防止するカバー７と、排ガス６を吸
引する吸引管８と、排ガス処理装置９および吸引ポンプ
１０とから構成し、被切断物５を切断する際に、カバー
７の端面７ａを被切断物５の表面に当接させ、電源部４
かノズル２と電極３の間に所定の電圧を印加し、作動ガ
ス１５を流出孔に送給することにより、流出孔１４から
プラズマジェットが発生し、被切断物５を切断し、発生
した排ガス６は、カバー７により飛散が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ切断装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ＦＲＰ製の廃船など、非金属の
被切断物４０を粗切断する際には、プラズマ切断装置、
特に非移行式（ノントランスファープラズマ式ともい
う）のプラズマ切断装置４１が用いられる。

【０００３】従来、図４に示すように、この種のプラズ
マ切断装置４１は、ノズル（例えば銅製）４２およびこ
のノズル４２の先端部に形成した小径の流出孔４３に対
向するようノズル４２内に設けた電極（例えばタングス
テン製）４４を備え、電源部４５からノズル４２と電極
４４の間に所定の電圧を印加し、アルゴンなどの作動ガ
ス４６を流出孔４３に送給することにより、流出孔４３
からプラズマジェットを発生させ、これにより被切断物
４０を切断するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記プラズマ切断装置
４１において、ＦＲＰなどの非金属製の被切断物４０を
プラズマジェットを用いて切断する際には、排ガス（ヒ
ューム）が発生する。

【０００５】しかし、上記プラズマ切断装置４１では、
排ガスを除去する手段を有しないので、作業者がこれら
のものを吸引すると危険である。そこで本発明は、上記
課題を解決し得るプラズマ切断装置の提供を目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明における課題を解
決するための手段は、金属製のノズルおよびこのノズル
の先端部に設けた流出孔に対向するようノズル内に設け
た電極を備え、ノズルと電極の間に所定の電圧を印加
し、作動ガスを流出孔に送給することにより、流出孔か
らプラズマジェットを発生させるようにし、ノズルに、
被切断物の切断時に発生する排ガスの飛散を防止するカ
バーが設けられ、このカバーに、排ガスを吸引して所定
の場所に導く吸引管が取付けられている。

【０００７】この構成によれば、被切断物の切断時に、
ノズルと電極の間に所定の電圧を印加し、作動ガスを流
出孔に送給することにより、流出孔からプラズマジェッ
トが発生し、被切断物の切断時に発生した排ガスは、カ
バーによって飛散が防止され、吸引管によって吸引され
て所定の場所に排出される。

【０００８】また、カバーに、被切断物の表面に当接し
て転動する車輪を取付けることにより、ノズルを被切断
物の表面に沿って自由に移動させることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
プラズマ切断装置を、図面に基づいて説明する。

【００１０】まず、本発明の実施の第一形態を図１の断
面図に基づいて説明する。本発明の実施の第一形態に係
るプラズマ切断装置１は、銅製のノズル２と、このノズ
ル２内に設けられた電極３と、ノズル２と電極３の間に
所定の電圧を印加するための電源部４と、被切断物５の
切断時に発生する排ガス（ヒューム）６の飛散を防止す
るカバー７と、排ガス６を吸引して所定の場所に導く吸
引管８と、この吸引管８に接続された排ガス処理装置
（フィルタや活性炭を備えている）９および吸引ポンプ
１０とから構成されている。

【００１１】ノズル２は、外壁部１１が二重構造となっ
ており、その内部には、冷却水１２の通る冷却通路１３
が形成され、ノズル２の先端部中央には小径の流出孔１
４が形成され、ノズル２の内部には、前記電極３を配置
するとともにアルゴンガスなどの作動ガス１５を流出孔
１４に向けて送給するためのガス通路１６が形成されて
いる。

【００１２】また電極３は、流出孔１４にわずかな隙間
を介して対向するようガス通路１６に配置されている。
前記カバー７はノズル２の途中に摺動（昇降）自在に取
付けられ、切断作業時に、その端面７ａが被切断物５の
表面に当接するよう一側開放の箱型に形成されている。

【００１３】上記構成において、被切断物５を切断する
際には、まず、カバー７を適宜の位置に摺動させてその
端面７ａを被切断物５の表面に当接させ、電源部４によ
って、ノズル２と電極３の間に所定の電圧を印加し、作
動ガス１５を流出孔１４に送給することにより、流出孔
１４からプラズマジェットが発生し、これにより被切断
物５が切断される。

【００１４】このとき、排ガス６が発生するが、カバー
７により排ガス６が飛散するのが防止され、また吸引ポ
ンプ１０の駆動により、排ガス６が吸引管８に移行して
排ガス処理装置９で処理され、所定の場所に排出され
る。

【００１５】また、カバー７によって切断時に発生する
切断粉の飛散も防止できる。このように、本発明の実施
の第一形態によれば、被切断物５の切断時に、排ガス６
や切断粉が飛散するのを防止するカバー７を設けたの
で、切断作業時に作業者がこれらのものを吸引するのを
防止でき、安全である。

【００１６】次に図２に基づいて、本発明の実施の第二
形態を説明する。本発明の実施の第二形態に係るプラズ
マ切断装置１は、カバー７の端面７ａにキャスタ２０が
取付けられたものである。他の構成は上記実施の第一形
態と同様である。

【００１７】この構成によれば、被切断物５の切断時
に、キャスタ２０が被切断物５の表面に当接するように
することにより、ノズル２を被切断物５の表面に沿って
自由に移動させることができる。他の作用効果は上記実
施の第一形態と同様である。

【００１８】次に図３の断面図に基づいて、本発明の実
施の第三形態を説明する。本発明の実施の第三形態に係
るプラズマ切断装置１は、カバー７の端面７ａ全周に、
ウレタンなどの弾性材料からなる当接部材３０を設けた
ものである。

【００１９】この構成によれば、被切断物５の切断時
に、当接部材３０が被切断物５の表面に当接するように
すると、当接部材３０は弾性材料かなっているので、被
切断物５の表面に密着し、従って、確実に排ガス６の飛
散を防止することができる。他の作用効果は、上記実施
の第一形態と同様である。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明
は、金属製のノズルに、被切断物の切断時に発生する排
ガスの飛散を防止するカバーが設けられ、このカバー
に、排ガスを吸引して所定の場所に導く吸引管が取付け
られたので、ノズルおよびこのノズルに設けた流出孔に
対向するよう設けた電極の間に所定の電圧を印加し、作
動ガスを流出孔に送給して流出孔からプラズマジェット
を発生させて被切断物を切断する際に、排ガスの飛散を
防ぐことができ、作業者にとって安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の第一形態を示すプラズマ切断装
置の全体構成を示す断面図である。

【図２】本発明の実施の第二形態を示すプラズマ切断装
置の全体構成を示す断面図である。

【図３】本発明の実施の第三形態を示すプラズマ切断装
置の全体構成を示す断面図である。

【図４】従来のプラズマ切断装置の断面図である。

【符号の説明】

１ プラズマ切断装置 ２ ノズル ３ 電極 ４ 電源部 ５ 被切断物 ６ 排ガス ７ カバー ８ 吸引管 ９ 排ガス処理装置 １０ 吸引ポンプ

フロントページの続き (72)発明者 前畑 英彦 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 加藤 剛 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28号 日立造船株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製のノズルおよびこのノズルの先端
   部に設けた流出孔に対向するようノズル内に設けた電極
   を備え、ノズルと電極の間に所定の電圧を印加し、作動
   ガスを流出孔に送給することにより、流出孔からプラズ
   マジェットを発生させ、これにより被切断物を切断する
   プラズマ切断装置であって、ノズルに、被切断物の切断
   時に発生する排ガスの飛散を防止するカバーが設けら
   れ、このカバーに、排ガスを吸引して所定の場所に導く
   吸引管が取付けられたことを特徴とするプラズマ切断装
   置。
2. 【請求項２】 カバーに、被切断物の表面に当接して転
   動する車輪が取付けられたことを特徴とする請求項１記
   載のプラズマ切断装置。