JPH1016587A - 作業車両のトランスミッション - Google Patents

作業車両のトランスミッション

Info

Publication number
JPH1016587A
JPH1016587A JP17795096A JP17795096A JPH1016587A JP H1016587 A JPH1016587 A JP H1016587A JP 17795096 A JP17795096 A JP 17795096A JP 17795096 A JP17795096 A JP 17795096A JP H1016587 A JPH1016587 A JP H1016587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pto
transmission
shaft
mid
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17795096A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Ishimaru
義孝 石丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd filed Critical Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP17795096A priority Critical patent/JPH1016587A/ja
Priority to US08/888,402 priority patent/US5947218A/en
Publication of JPH1016587A publication Critical patent/JPH1016587A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機体下腹部の作業機を駆動できるようにミッ
ションケースの下面にミッドPTO軸付の動力取出ケー
スを配置した従来のミッションケースは大きく、伝動機
構は複雑であった。 【解決手段】 エンジンからの動力が伝達される入力軸
と、車両の左右走行輪を装着する車軸と、該車軸と前記
入力軸との間を連動連結する車速変速装置と、車両の下
腹部に搭載した作業機を駆動するミッドPTO軸と、該
ミッドPTO軸と前記入力軸との間を連動連結するミッ
ドPTOドライブトレーンと、を収容したミッションケ
ースの下部に膨出部を一体形成して設け、この膨出部に
前記ミッドPTO軸を配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行車両の下腹部
及び後部に作業機を装着し、該作業機を駆動するための
トランスミッションの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から車両の下腹部及び後部に配置さ
れた作業機を駆動するトランスミッションの構成は例え
ば実公平7−15784号で公知となっている。この技
術はミッションケースとは別体に構成したミッドPTO
軸を配設した動力取出ケースがミッションケース下面に
設けられ、また、ミッションケース内の走行変速装置の
後部にリアPTOドライブトレーンを配置して、その下
方でミッドPTO軸を駆動する構成としており、リアP
TO駆動用クラッチ機構とミッドPTO駆動用クラッチ
機構は別々に設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術のように、ミ
ッドPTO軸を配設したケースがミッションケースとは
別体で専用の動力取出ケースとする構成であると、ミッ
ションケースと動力取出ケースとの各々の合わせ面は、
機械加工で平滑にする必要があり、また、その合わせ面
にはシール部を構成して密閉する必要があり部品点数が
増加して組立工数が増え、コストアップの原因となって
いた。また、PTO伝動装置が、走行変速装置から完全
に独立してミッションケースの後方に配設され、PTO
伝動装置を構成するリアPTOドライブトレーンの一部
がミッドPTOドライブトレーンの一部を兼ねていたた
めに、ミッドPTO軸の位置がミッションケース後ろ側
に寄ってしまい、ミッド作業機への伝動機構が長くな
り、また、ミッションケース下部に動力取出ケースが配
置されるために地上高が低くなっていた。また、リアP
TO車軸駆動用のクラッチ機構とミッドPTO車軸駆動
用のクラッチ機構は別々の位置に配設されていたので、
夫々専用のPTOクラッチレバーが必要になりオペレー
ターの操作に混乱を招き易かったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は次のように構成されている。エンジンから
の動力が伝達される入力軸と、車両の左右走行輪を装着
する車軸と、該車軸と前記入力軸との間を連動連結する
車速変速装置と、車両の下腹部に搭載した作業機を駆動
するミッドPTO軸と、該ミッドPTO軸と前記入力軸
との間を連動連結するミッドPTOドライブトレーン
と、を収容したミッションケースの下部に膨出部を一体
形成して設け、この膨出部に前記ミッドPTO軸を配設
した。
【0005】前記膨出部を前記ミッションケースの下部
から斜め下方へ延伸させて前記ミッドPTO軸を車両の
中心から左右一方側へ偏心配置した。
【0006】前記ミッションケースを、前記ミッドPT
O軸に対して直交する平面上で接合可能な前ケースと後
ケースとで構成した。
【0007】ミッションケースに、エンジンからの動力
が伝達される入力軸と、車両の左右走行輪を装着する車
軸と、該車軸と前記入力軸との間を連動連結する走行変
速装置と、前記入力軸によって駆動されるPTO伝動軸
と、車両の下腹部に搭載した作業機を駆動するミッドP
TO軸と、該PTO伝動軸と前記ミッドPTO軸との間
を連動連結するミッドPTOドライブトレーンと、を備
えたトランスミッションであって、前記走行変速装置
を、機体前後方向に沿って直列に連結された第一変速部
と第二変速部とで構成すると共に、この第一変速部と第
二変速部との間に前記ミッドPTOドライブトレーンを
配設した。
【0008】前記走行変速装置の後進歯車列に備わって
常時駆動するアイドル歯車を前記PTO伝動軸に支持さ
せ該アイドル歯車を介して前記入力軸からの動力を前記
PTO伝動軸へ伝達するように構成した。
【0009】前記ミッドPTOドライブトレーンを構成
する少なくとも1つの伝動回転体を、前記第一変速部か
ら前記第二変速部へ動力を伝える走行軸上に遊嵌配置し
た。
【0010】前記トランスミッションは更に、車両の後
部に搭載した作業機を駆動するリアPTO軸と、該リア
PTOと前記PTO伝動軸との間を連動連結するリアP
TOドライブトレーンを備え、前記PTO伝動軸には、
前記ミッドPTOドライブトレーンの入力回転体と、前
記リアPTOドライブトレーンの入力回転体と、をそれ
ぞれ遊嵌支持させ、両入力回転体と前記PTO伝動軸と
の間に、ミッドOTO軸駆動状態、リアPTO軸駆動状
態、両PTO軸駆動状態、両PTO軸が駆動されない中
立状態の、各状態を現出可能なPTOクラッチ機構を構
成した。
【0011】前記PTO伝動軸に、前記入力軸によって
駆動されるPTO伝動歯車を遊嵌支持して設け、このP
TO伝動歯車と前記PTO伝動軸との間を一方向クラッ
チを介して連結した。
【0012】前記走行変速装置の後進歯車列に備わって
常時駆動するアイドル歯車を前記PTO伝動軸に遊嵌支
持させると共に、前記アイドル歯車と前記PTO伝動軸
とを一方向クラッチを介して連結した。
【0013】エンジンからの動力が伝達されるPTO伝
動軸と、車両の下腹部に搭載した作業機を駆動するミッ
ドPTO軸と、該ミッドPTO軸と前記PTO伝動軸と
の間を連動連結するミッドPTOドライブトレーンと、
機体の後部に搭載した作業機を駆動するリアPTO軸
と、該リアPTO軸と前記PTO伝動軸の間を連動連結
するリアPTOドライブトレーンとを備えたトランスミ
ッションであって、前記PTO伝動軸上に、ミッドPT
O軸駆動状態、リアPTO軸駆動状態、両PTO軸駆動
状態、両PTO軸が駆動されない中立状態の、各状態を
現出可能なPTOクラッチ機構を設けると共に、ミッド
PTOドライブトレーンにミッドPTO軸を制動可能な
慣性空転防止ブレーキ装置を設けた。
【0014】前記慣性空転防止ブレーキ装置を、前記ク
ラッチ機構がリアPTO軸駆動状態、及び、中立状態の
少なくともいずれかに操作された場合には作動している
よう構成した。
【0015】前記PTO伝動軸上には前記エンジンから
の動力を受けて駆動されるPTO伝動歯車を遊嵌支持し
て設け、該PTO伝動歯車と前記PTO伝動軸とを一方
向クラッチを介して連結した。
【0016】前記トランスミッションは更に、機体前後
方向に沿って直列に連結された第一変速部と第二変速部
とで構成された走行変速装置を備え、前記ミッドPTO
ドライブトレーンは前記第一変速部と前記第二変速部と
の間を通過するように配設した。
【0017】前記PTO伝動軸上に、前記ミッドPTO
ドライブトレーンの入力回転体と、前記リアPTOドラ
イブトレーンの入力回転体とをそれぞれ遊嵌して並設
し、両入力回転体に対して各別に係脱自在なクラッチシ
フターを前記PTO伝動軸上に相対回転不能でかつ、軸
方向へ摺動自在に設けて、前記PTOクラッチ機構を構
成した。
【0018】前記第一変速部の後進歯車列に備わって常
時駆動するアイドル歯車を前記PTO伝動軸に支持させ
該アイドル歯車を介して前記入力軸からの動力を前記P
TO伝動軸へ伝達するように構成した。
【0019】前記アイドル歯車を前記PTO伝動軸に遊
嵌させて、該PTO軸と前記アイドル歯車とを一方向ク
ラッチを介して連結した。
【0020】
【発明の実施の形態】次に添付の図面に示した本発明の
実施例の構成を説明する。図1は作業車両の全体側面
図、図2はミッションケースの前部斜視図、図3はトラ
ンスミッションの側面展開断面図、図4は図3の上部の
拡大断面図、図5はトランスミッションの正面断面図、
図6はトランスミッションのスケルトン図、図7は慣性
空転防止ブレーキ装置と牽制装置の一部側面断面図、図
8は牽制装置の正面断面図、図9は牽制装置の斜視図、
図10から図13は牽制装置の動作説明図である。
【0021】図1において、本発明のトランスミッショ
ンを搭載した作業車両の全体構成から説明する。機体前
方のボンネット1内にエンジンEを収納し、該ボンネッ
ト1後部にダッシュボード2を配置し、該ダッシュボー
ド2上方にハンドル3を配置している。該ダッシュボー
ド2下部に乗降用のステップ4を配置し、該ステップ4
の左側にクラッチペダル5を配置し、右側より上方に図
示しないブレーキペダルを配置している。前記ステップ
4の後部上方には座席6を配置し、該座席6の側方に主
変速レバー7、副変速レバー8、PTO切換レバー9が
配置されている。
【0022】前記座席6下方に本発明のトランスミッシ
ョンが配置されており、該トランスミッションは、前ケ
ース10と後ケース11とを接合してなるミッションケ
ース内に走行変速装置とPTO伝動装置を収納してい
る。該前ケース10の前面には入力軸12と前輪駆動軸
13とミッドPTO軸14が前方へ突出し、入力軸12
は前記エンジンEのクランク軸に対しクラッチケース1
5内の主クラッチ39、伝動軸16を介して連動連結さ
れている。前記前輪駆動軸13から出力される動力はユ
ニバーサルジョイント17を介してフロントアクスルケ
ース18より突出した入力軸19に伝えられて、フロン
トアクスルケース18の両側に軸支した前輪20を駆動
する。22はパワーステアリング用のシリンダーであ
る。前記ミッドPTO軸14はユニバーサルジョイント
23を介して、モア24のギアボックス25より突出し
た入力軸26と連動連結されている。該モア24は図示
しない昇降装置によって、前輪20と後輪21の間の機
体下腹部空間内で昇降可能に吊持されている。
【0023】前記後ケース11の後部の左右両側面から
は車軸27が突出して後輪21を軸支し、また、後ケー
ス11上面には、機体後方に向くリフトアーム30の一
対を備えた油圧ケース29が載置されている。後ケース
11の後端下部にはロアリンク31・31とドローバー
ヒッチ32を装着している。そして、前記リフトアーム
30とロアリンク31とトップリンク(図示せず)に作
業機を昇降自在に装着できるようにし、あるいは、ドロ
ーバーヒッチ32に牽引作業機を装着できるようにして
いる。後ケース11の後面にはリアPTO軸36が後方
へ突出し、機体後部に搭載した作業機を駆動可能として
いる。
【0024】前記ミッションケースは、図2、図3に示
すように、前壁10aを有し後端が開口された前ケース
10と、その内部に仕切壁11aを有し前端が開口され
た後ケース11とを備え、その各々との開口部を相互に
接合して成り、前ケース10の前壁10a上部に入力軸
12を支持し、該前壁10aと後ケース11内の前後中
央部に設けた仕切壁11aとの間には、PTO伝動軸3
3、走行第三軸43、走行第四軸44、中間伝動軸34
及びミッドPTO軸14が軸受を介して回転自在に機体
前後方向に沿って互いに平行に横架されている。そし
て、図5に示すように、正面視において、ミッションケ
ースの上部中央に入力軸12を配置し、その下方にPT
O伝動軸33と走行第三軸43とを左右方向で略等レベ
ルに並置し、走行第三軸43の下方に走行第四軸44を
配置し、その左右一方側で斜め下方に向かって中間伝動
軸34、ミッドPTO軸14を順に配置している。前記
ミッションケースの接合面は、前記ミッドPTO軸14
が直交する仮想平面を境にして前ケース10と後ケース
11とに分離接合されるように規定している。前ケース
10には、ミッドPTO軸14の前端を支持する前壁を
有し後端が開放された膨出部10bを一体形成し、ま
た、後ケース11には、ミッドPTO軸14の後端を支
持する後壁を有し前端が開放された膨出部10b・11
bを一体形成している。両膨出部10b・11bは、前
ケース10と後ケース11とを接合する際にその各々の
開放部が相互に接合されてその内部を閉空間に形成し、
ミッドPTO軸14を回転自在に収容し支持すると共
に、前ケース10及び後ケース11の下腹部から斜め下
方に延伸させることによりミッドPTO軸14を前述し
たような左右一方側に位置させることが可能となってい
る。また、この膨出部10b・11bの外側方に前記ド
ローバーヒッチ32の収納部を構成することにより、最
低地上高を高くすることができるようになっている。
【0025】また、前記後ケース11に設けた仕切壁1
1aは、ミッションケース内を前後に仕切り、仕切壁1
1aの前方の前ケース10内に前部室Fが形成されて、
走行変速装置と、PTO伝動装置の後述するミッドPT
OドライブトレーンMDと、PTOクラッチ機構C1と
を収納し、仕切壁11aと後ケース11の後壁11cの
間に後部室Rが形成されて、リアPTOドライブトレー
ンRDとデフ装置Dを収納している。リアPTOドライ
ブトレーンRDは、仕切壁11aと後壁11cの間の上
部にリアPTO入力軸35を前後方向に横架し、該リア
PTO入力軸35の後部には歯車35aを設けて、後壁
11cより後方へ突出したリアPTO軸36に固設した
歯車37と常時噛合させることにより構成している。
【0026】前記入力軸12の前端には前述のようにエ
ンジンEより主クラッチ39、伝動軸16を介して動力
が伝えられる。該入力軸12の後端には前部室F内にお
いて入力歯車45が固設されている。該入力歯車45
は、前記走行第三軸43の外周に相対回転自在に遊嵌し
た中空の走行第一軸41上の歯車41aと常時噛合して
いる。図4に示すように該走行第一軸41の外周には三
連の歯車41a・41b・41cが一体形成されてい
る。
【0027】前記走行第一軸41上の歯車41aは、走
行第一軸41に平行な中空の走行第二軸42上に遊嵌し
た高速歯車46と常時噛合し、歯車41bは走行第二軸
42と一体回転するボス49の外周にスプライン嵌合し
て軸方向摺動自在な低速歯車47と噛合可能とし、歯車
41cは前記PTO伝動軸33上に遊嵌したPTO伝動
歯車50と常時噛合し、該PTO伝動歯車50は幅広に
形成され、前記走行第二軸42上に遊嵌した後進歯車5
1と常時噛合している。
【0028】以上が前記走行変速装置の第一変速部の構
成である。そして、前述の主変速レバー7は『高速位
置』・『低速位置』・『後進位置』の3位置にシフト操
作ができるように構成されていて、このシフト操作に連
動して前記低速歯車47がボス49上を摺動するように
主変速レバー7と低速歯車47とを連係している。主変
速レバー7を『高速位置』にシフトしたときには、低速
歯車47の内歯が前記高速歯車46の係合子52と噛合
し、前記入力歯車45の動力が、歯車41a→高速歯車
46→低速歯車47→ボス49→走行第二軸42と伝え
られる。
【0029】また、主変速レバー7を『低速位置』にシ
フトしたときには、低速歯車47が歯車41bと噛合
し、前記入力歯車45の動力が、歯車41a→歯車41
b→低速歯車47→ボス49→走行第二軸42と伝えら
れる。主変速レバー7を『後進位置』にシフトしたとき
には、低速歯車47の内歯が後進歯車51の係合子53
と噛合して、前記入力歯車45の動力が、歯車41a→
歯車41c→PTO伝動歯車50→後進歯車51→低速
歯車47→ボス49→走行第二軸42と伝えられ、PT
O伝動歯車50が後進歯車列におけるアイドル歯車の役
目を果している。
【0030】前記中空の、走行第一軸41,走行第二軸
42の各々は、前記ミッションケースに支持された走行
第三軸43,走行第四軸44の各々の前側上に設置して
その間に前述の第一変速部を構成する一方、走行第四軸
44と走行第三軸43の各々の後側箇所でその両軸4
4,43間には第二変速部を次のように構成してある。
即ち、前記走行第三軸43の後部外周上には異径の歯車
55・56・57・58が固設され、走行第四軸44の
後部外周上にはスプラインが形成されて、二つの摺動歯
車60・61が軸方向摺動自在に係合されている。摺動
歯車60には、前記歯車58に噛合可能な外歯60aと
前記歯車57に噛合可能な外歯60bとが設けられ、ま
た、摺動歯車61には、前記歯車56に噛合可能な外歯
61aと、前記走行第二軸42の後端外周上に刻設した
歯車54に噛合可能な内歯61bとが設けられている。
また、この歯車54は前記歯車55に常時噛合してい
る。
【0031】そして、前述の副変速レバー8は『1速位
置』・『2速位置』・『3速位置』・『4速位置』にシ
フト操作ができるように構成されていて、このシフト操
作に連動して前記摺動歯車60・61が走行第四軸44
上を摺動するように副変速レバー8と摺動歯車60・6
1とを連係している。副変速レバー8を『1速位置』に
シフトすると、摺動歯車60の外歯60aが歯車58と
噛合して前記走行第二軸42の速度が、歯車54→歯車
55→歯車58→外歯60aを通る間に大幅に減速され
て走行第四軸44に伝えられる。
【0032】副変速レバー8を『2速位置』にシフトす
ると、摺動歯車60の外歯60bが歯車57と噛合し
て、走行第二軸42の速度が、歯車54→歯車55→歯
車57→外歯60bを通る間に減速されて走行第四軸4
4に伝えられる。副変速レバー8を『3速位置』にシフ
トすると、歯車58・57に対する摺動歯車60の係合
が外れるとともに、前記摺動歯車61の外歯61aが歯
車56と噛合して、走行第二軸42の速度が、歯車54
→歯車55→歯車56→外歯61aを通る間にやや減速
されて走行第四軸44に伝えられる。副変速レバー8を
『4速位置』にシフトすると、摺動歯車61の内歯61
bが歯車54と噛合して、走行第二軸42の速度が、歯
車54→内歯61bから直接に走行第四軸44に伝えら
れる。このように走行変速位置を、高速・低速・後進が
得られる第一変速部と、4段の変速が得られる第二変速
部とを直列に接続して成るので、走行変速装置は全体と
して、前進側で8段、後進側で4段の、計12段の多段
変速が可能になっている。
【0033】前記走行第四軸44の後端にはピニオン4
4aを形成して、前記デフ装置Dのリングギア62と噛
合させてある。デフ装置Dは図6に示す左右のデフヨー
ク軸27a・27aを差動的に結合し、このデフヨーク
軸27a・27aからそれぞれ減速歯車列を介して左右
の車軸27・27が駆動されるように構成されている。
また、前記走行第四軸44の前端は前ケース10の前壁
10aを突き抜けて外方へ突出し、そこに、互いの回転
軸線を一致するように配置した前記前輪駆動軸13の後
部を遊嵌支持している。前輪駆動軸13は前ケース10
の前壁10aに装着した支持ケース13a内に回転自在
に支持され収容されている。
【0034】前輪駆動軸13の後端外周上には、クラッ
チスライダー63を摺動自在にスプライン嵌合し、クラ
ッチスライダー63を走行第四軸44の前端に係合した
ときには、前輪20と後輪21とが同時に駆動されて四
輪駆動状態となり、また、走行第四軸44に係合させな
いときには後輪21のみの2輪駆動状態となる。前記ク
ラッチスライダー63は、作業車両に備えられた、図外
の四輪駆動選択レバーによってシフト操作されるように
操作されている。
【0035】次にPTO伝動装置について説明する。前
記PTO伝動軸33の前部上に遊嵌したPTO伝動歯車
50の一側部にはクラッチ歯50aを形成し、前記PT
O伝動軸33上の前部にはクラッチ体64をスプライン
嵌合して、該クラッチ体64の一側部にはクラッチ歯6
4aを形成して、バネ65によってPTO伝動歯車50
側へ付勢し、該クラッチ歯50a・64aは、一方向の
回転のみ係合し、逆回転は非係合となる一方向クラッチ
C2を構成してPTO伝動歯車50とPTO伝動軸33
との間を連動連結している。
【0036】そして、PTO伝動軸33の中途部上には
ミッドPTO入力歯車66を遊嵌配置し、その後部にP
TO伝動軸33に固着されたボス67を配置し、PTO
伝動軸33の後端に軸心を一致させてリアPTO入力軸
35の前端を遊嵌支持している。そして、ミッドPTO
入力歯車66は第一中間歯車73と常時歯合されてい
る。該第一中間歯車73は、走行第二軸42の後部の前
記歯車51と外歯54との間にベアリング72を介して
遊嵌設置され、中間伝動軸34上に固設した第二中間歯
車74と常時噛合し、該第二中間歯車74はミッドPT
O軸14上に固設した歯車75と常時噛合して、ミッド
PTO軸14に動力を伝達するためのミッドPTOドラ
イブトレーンMDを構成している。このように図3に示
す如く、ミッドPTO軸14に動力を伝達するためのミ
ッドPTOドライブトレーンMD(ミッドPTO入力歯
車66、第一中間歯車73、第二中間歯車74、歯車7
5)は、ミッションケース内の前部室Fに位置し、第一
変速部(主変速装置)と、第二変速部(副変速装置)の
間に位置しているので、リアPTOドライブトレーンR
Dとは無関係にリアPTO軸14をミッションケースの
下腹部の最適な位置に配置することが可能となるうえ
に、ミッションケース内に走行変速装置とPTO伝動装
置とが合理的に収容されてコンパクトな構成が得られ
る。また、第一中間歯車73が走行系の軸を利用してそ
の上に配置しているので、更にコンパクトな構成にでき
るのである。
【0037】PTO伝動軸33上にはPTOクラッチ機
構C1が次のように構成されている。即ち、ミッドPT
O入力歯車66の一側面上に係合子69を形成し、リア
PTO入力軸35の一側面上にも係合子70を形成し、
ボス67の外周にはスプラインを形成して単一のクラッ
チシフター71が軸方向摺動自在にスプライン嵌合され
ている。前記PTO切換レバー9は『リアPTO軸駆動
位置(R)』・『中立位置(N)』・『両PTO軸駆動
位置(B)』・『ミッドPTO軸駆動位置(M)』の4
位置に直線的にシフト操作ができるように構成されてい
て、このシフト操作に連動し前記クラッチシフター71
がボス67上を摺動するようにPTO切換レバー9とク
ラッチシフター71とを連係している。
【0038】PTO切換レバー9を『リアPTO軸駆動
位置(R)』にシフトするとクラッチシフター71が図
4に示した位置から紙面右方向へ摺動してリアPTO入
力軸35の係合子70のみに係合し、PTO伝動軸33
からの動力が、ボス67からクラッチシフター71を介
してリアPTO入力軸35へ伝えられ、歯車35a・3
7を介してリアPTO軸36のみが駆動される。PTO
切換レバー9を『中立位置(N)』にシフトするとクラ
ッチシフター71が図4に示した位置に置かれ、リアP
TO入力軸35の係合子70やミッドPTO入力歯車6
6の係合子69のいずれにも係合せず、リアPTO軸3
6、ミッドPTO軸14は駆動されない。PTO切換レ
バー9を『両PTO軸駆動位置(B)』にシフトすると
クラッチシフター71が図4に示した位置から紙面左方
へ摺動してリアPTO入力軸35の係合子70とミッド
PTO入力歯車66の係合子69とに同時係合し、PT
O伝動軸33からの動力が、ボス67からクラッチシフ
ター71を介してミッドPTO入力歯車66とリアPT
O入力軸35へ同時に伝えられ、ミッドPTO軸14と
リアPTO軸36の両方が駆動される。更にPTO切換
レバー9を『ミッドPTO軸駆動位置(M)』にシフト
するとクラッチシフター71が紙面左方へ更に摺動して
ミッドPTO入力歯車66の係合子69のみに係合し、
PTO伝動軸33からの動力が、ボス67からクラッチ
シフター71を介してミッドPTO入力歯車66へ伝え
られ、ミッドPTO軸14のみが駆動される。
【0039】そして、前記PTO切換レバー9を『中立
位置(N)』と『リアPTO軸駆動位置(R)』にシフ
トした時には、ミッドPTO軸14は回転しないので、
ミッドPTOドライブトレーンMDの中間伝動軸34の
前部上に、図6に示すような、慣性空転防止ブレーキ装
置Gを設けて、ミッドPTO軸14に制動付与可能に構
成している。そして、PTO切換レバー9が、『両PT
O軸駆動位置(B)』及び『ミッドPTO軸駆動位置
(M)』では、慣性空転防止ブレーキ装置Gを作動させ
ないように、牽制機構が設けられている。
【0040】前記慣性空転防止ブレーキ装置Gは、次の
ように構成されている。即ち、図7の前ケース10の前
壁10a下部に設けた蓋体78と後ケース11の下部の
間に中間伝動軸34の両端がベアリングを介して回転自
在に軸支され、前記前ケース10の前壁10aに中空円
筒状のブレーキ室10cを形成し、該ブレーキ室10c
の内周とカウンター軸34の前端外周にはそれぞれ摩擦
板76・76・・・を係合して、交互に配置し、該摩擦
板76・76・・・の前後両側には押圧プレート77・
77を配置し、この一側の押圧プレート77と蓋体78
との間にはバネ79を介装し、他側の押圧プレート77
には押圧アーム80の先端を当接させている。
【0041】慣性空転防止ブレーキ装置Gの牽制機構
は、図7、図8、図9に示すように構成されている。即
ち、前記中間伝動軸34の下方に略直交する向きの支持
軸81を、その両側が前ケース10の両側壁にそれぞれ
支持されて、左右軸心まわりに回動自在にミッションケ
ース内に横架している。この支持軸81の一端部はケー
ス外に延伸してアーム84が固着され、該アーム84に
は図9に示す円弧状の長穴84aを介してロッド85の
一端が接続されている。該ロッド85の前端は前記クラ
ッチペダル5の回動基部に設けたアーム86に連結して
いる。前記支持軸81の外周には筒軸82が固定され、
この筒軸82に前記押圧アーム80を上向きに延伸させ
て設ける一方、当接アーム83を後ろ向きに延伸させて
設けている。
【0042】また、前記支持軸81の下方には略直交す
る向きの牽制軸88を、その両端が前ケース10の膨出
部10bと後ケース11の膨出部11bにそれぞれ支持
されて、前後軸心まわりに回動自在にミッションケース
内に横架している。この牽制軸88の後部外周には、小
径部87aと大径部87bとを連続させて扇状を成す牽
制カム87を固着し、該牽制カム87に前記当接アーム
83の先端を当接させている。また、該牽制軸88の前
部にはアーム89を固設し、該アーム89に連結ロッド
90の一端が枢結され、該連結ロッド90の他端は図8
に示すように前ケース10の側壁内側面に沿って上方へ
延伸し、ベルクランク91の一端に枢結されている。該
ベルクランク91は前ケース10の側壁に回転自在に軸
支した操作軸92の内端部に固設され、該操作軸92の
外端部は前ケース10より外方へ突出してアーム93を
固定し、該アーム93と前記PTO切換レバー9の回動
基部に設けたアーム9aとをロッド94を介して連係し
ている。また、前記ベルクランク91の他端にはピン9
1aを突設し、該ピン91aは、前ケース10と後ケー
ス11との間に支持され前後方向に摺動自在なPTO切
換軸95の外周に設けた嵌合孔95aに挿入している。
該PTO切換軸95の後端側にはシフトフォーク96を
固着し、該シフトフォーク96を前記クラッチシフター
71に嵌合している。
【0043】図9において前記PTO切換レバー9を前
後方向に回動操作すると操作軸92まわりにベルクラン
ク91が回動して、その一端が連結ロッド90を介して
牽制軸88を回転操作して牽制カム87を変位させると
同時に、その他端がピン91aを介してPTO切換軸9
5を前後方向に摺動させてシフトフォーク96が図外の
クラッチシフター71を前述した4位置のいずれかへシ
フトする。
【0044】前記PTO切換レバー9が『ミッドPTO
軸駆動位置(M)』・『両PTO軸駆動位置(B)』に
あるときには、図10・図11に示すように、牽制カム
87の小径部87a上に当接アーム83が位置し、PT
O切換レバー9が『中立位置(N)』・『リアPTO軸
駆動位置(R)』にあるときには、図12・図13に示
すように、牽制カム87の大径部87b上に当接アーム
83が位置するように、牽制カム87の形状、及び、牽
制軸88の回動量を設定してある。そして、当接アーム
83が牽制カム87の小径部87a上に位置するときに
は前記押圧アーム80は押圧プレート77より退避する
ように、牽制アーム87の大径部87b上に位置すると
きに押圧アーム80が押圧プレート77を押し付けて慣
性空転防止ブレーキ装置Gが作動するように、支持軸8
1の回動操作量及び、当接アーム83、押圧アーム80
の長さを設定している。
【0045】前記PTO切換レバー9を前記4位置のそ
れぞれに切換操作するに先立っては、前記クラッチペダ
ル5を踏み込んで主クラッチ9を切り、エンジンEから
入力軸12への動力伝達を断つ。ここで、図9に示すよ
うにクラッチペダル5が踏み込み解除された状態で、か
つ、PTO切換レバー9が図示の『中立位置(N)』や
『リアPTO軸駆動位置(R)』にあって牽制カム87
の大径部87b上に当接アーム83が位置して慣性空転
防止ブレーキ装置Gが作動しているときには、クラッチ
ペダル5に連係したロッド85の一端は前記アーム84
に設けた長孔84aの始端(図示右端)に位置してい
る。PTO切換レバー9を他の位置に切換操作するため
にクラッチペダル5を踏み込むとロッド85の一端は長
孔84a内を終端(図示左端)に向かって自由に移動す
るだけで、クラッチペダル5の踏み込み力はアーム84
へ伝達されない。つまり、PTO切換レバー9が『中立
位置(N)』や『リアPTO軸駆動位置(R)』にある
場合にはクラッチペダル5の踏み込みにかかわらず、常
に慣性空転防止ブレーキ装置Gが作動し続けてミッドP
TO軸14が制動されるように構成されている。
【0046】前記長孔84aの円弧長さは、クラッチペ
ダル5が踏み込み解除された状態で、かつ、牽制カム8
7の小径部87a上に当接アーム83が位置して押圧ア
ーム80が押圧プレート77より退避した状態、即ち、
PTO切換レバー9が『ミッドPTO軸駆動位置
(M)』又は『両PTO軸駆動位置(B)』にあって前
記慣性空転防止ブレーキ装置Gの作動が解除された状態
のときに、ロッド85の一端をその終端に位置させるよ
うな長さに設定してあり、これにより、PTO切換レバ
ー9が『ミッドPTO軸駆動位置(M)』又は『両PT
O軸駆動位置(B)』にあってクラッチペダル5を踏み
込んだときには、その力はアーム84、前記支持軸81
を介して押圧アーム80に伝達されて押圧プレート77
に押し付け、慣性空転防止ブレーキ装置Gを作動させ、
作業機側の慣性により空転を続けようとするミッドPT
O軸14に対して制動力を付与することができる。
【0047】このような構成において、PTO切換レバ
ー9を『ミッドPTO軸駆動位置(M)』にすると、ロ
ッド94、アーム93を介してベルクランク91が揺動
され、PTO切換軸95、シフトフォーク96を介して
クラッチシフター71を前述の如くミッドPTO軸14
のみに動力が伝達される位置に置くと同時に、連結ロッ
ド90、アーム89を介して牽制軸88を回動させて、
牽制カム87が図10の如く回動されて、その小径部8
7a上に当接アーム83が位置し、ここでクラッチペダ
ル5の踏み込みを解除して主クラッチ39を接続状態に
すると、当接アーム83が小径部87aに落ち込み、押
圧アーム80が押圧プレート77から離間して、慣性空
転防止ブレーキ装置Gの作動が解除されて、ミッドPT
O軸14を駆動させることができる。またPTO切換レ
バー9を『両PTO軸駆動位置(B)』に切り換えた場
合には、牽制カム87は図11の如く回動され、小径部
87aの上方に当接アーム83が位置する状態が継続
し、前記同様に慣性空転防止ブレーキ装置Gの作動が解
除されて、ミッドPTO軸14、並びにリアPTO軸3
6を駆動させることができる。
【0048】前記PTO切換レバー9を『ミッドPTO
軸駆動位置(M)』・『両PTO軸駆動位置(B)』か
ら『中立位置(N)』・『リアPTO軸駆動位置
(R)』へ切り換える前にはクラッチペダル5が踏み込
まれる。このときに、支持軸81は押圧アーム80を押
圧プレート77に押し付ける向きに回動して前記慣性空
転防止ブレーキ装置Gを作動させつつ、当接アーム83
を牽制カム87から退避するよう上方へ持ち上げる。そ
して、PTO切換レバー9が『中立位置(N)』では牽
制カム87は図12の如く位置し、『リアPTO軸駆動
位置(R)』では、牽制カム87は図12の如く位置
し、いずれも牽制カム87の大径部87b上に当接アー
ム83が位置するので、当接アーム83は持ち上げられ
た状態のままとなり、押圧アーム80が押圧プレート7
7を押し続け慣性空転防止ブレーキ装置Gの作動が継続
して、ミッドPTO軸14は回転できない。そして、こ
の状態でクラッチペダル5の踏み込みを解除すると、連
結ロッド85は回動アーム84の長孔84aを摺動して
始端側に戻り、この長孔84aはリアPTO軸36の駆
動を断接する際のクラッチペダル5の踏み込み操作を許
容しつつ慣性空転防止ブレーキ装置Gの作動を継続させ
る。
【0049】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、エンジンからの動
力が伝達される入力軸と、車両の左右走行輪を装着する
車軸と、該車軸と前記入力軸との間を連動連結する車速
変更装置と、車両の下腹部に搭載した作業機を駆動する
ミッドPTO軸と、該ミッドPTO軸と前記入力軸との
間を連動連結するミッドPTOドライブトレーンと、を
収容したミッションケースの下部に膨出部を一体形成し
て設け、この膨出部に前記ミッドPTO軸を配設するこ
とにより、従来用いられていたミッドPTO軸専用の動
力取出ケースが不要となって部品点数の削減、製作コス
トの低減が図れると共に、従来の動力取出ケースとミッ
ションケースとの合わせ面を機械加工してそこにシール
部を構成する必要がなくなるのである。
【0050】また、前記膨出部を前記ミッションケース
の下部から斜め下方へ延伸させて前記ミッドPTO軸を
車両の中心から左右一方側へ偏心配置することにより、
ミッドPTO軸に対する上下高さを抑えることができ最
低地上高を挙げてコンパクトなトランスミッションとす
ることができる。
【0051】また、前記ミッションケースを、前記ミッ
ドPTO軸に対して直交する平面上で接合可能な前ケー
スと後ケースとで構成することにより、ミッションケー
ス内に、ミッドPTO軸や、ミッドPTOギアトレー
ン、並びに、各種動力伝達部品を簡単に収容することが
でき組立が簡単に行えるようになった。
【0052】ミッションケースに、エンジンからの動力
が伝達される入力軸と、車両の左右走行輪を装着する車
軸と、該車軸と前記入力軸との間を連動連結する走行変
速装置と、前記入力軸によって駆動されるPTO伝動軸
と、車両の下腹部に搭載した作業機を駆動するミッドP
TO軸と、該PTO伝動軸と前記ミッドPTO軸との間
を連動連結するミッドPTOドライブトレーンと、を備
えたトランスミッションであって、前記走行変速装置
を、機体前後方向に沿って直列に連結された第一変速部
と第二変速部とで構成すると共に、この第一変速部と第
二変速部との間に前記ミッドPTOドライブトレーンを
配設することにより、ミッドPTOドライブトレーンが
ミッションケース内の上下方向に沿うシンプルな構成と
なり、更に、該ミッドPTOドライブトレーンは、走行
変速装置を構成する第一変速部と第二変速部との間に合
理的に配設されてこれらを複合してコンパクトにミッシ
ョンケース内に収納でき、また、ミッドPTO軸をミッ
ションケースの下方の最適な場所に配設することができ
るようになる。
【0053】また、前記走行変速装置の後進歯車列に備
わって常時駆動するアイドル歯車を前記PTO伝動軸に
支持させ該アイドル歯車を介して前記入力軸からの動力
を前記PTO伝動軸へ伝達するように構成することによ
り、走行変速装置の後進歯車列に備わって常時駆動する
アイドル歯車PTO伝動軸に対する入力歯車として兼用
できると共に、該アイドル歯車を設置する専用の軸が不
要となり、トランスミッション全体のコンパクト化が図
れ、コスト低減化も図ることができる。
【0054】また、前記ミッドPTOドライブトレーン
を構成する少なくとも一つの伝動回転体を、前記第一変
速部から前記第二変速部へ動力を伝える走行軸上に遊嵌
配置することにより、ミッドPTOドライブトレーンを
構成する伝動回転体を配置するための支持軸が不要とな
り、ミッドPTOドライブトレーンをシンプルに構成す
ることができる。
【0055】また、前記トランスミッションに更に、車
両の後部に搭載した作業機を駆動するリアPTO軸と、
該PTOと前記PTO伝動軸との間を連動連結するリア
PTOドライブトレーンを備えさせ、前記PTO伝動軸
には、前記ミッドPTOドライブトレーンの入力回転体
と、前記リアPTOドライブトレーンの入力回転体と、
をそれぞれ遊嵌支持させ、両入力回転体と前記PTO伝
動軸との間に、ミッドPTO軸駆動状態、リアPTO軸
駆動状態、両PTO軸駆動状態、両PTO軸が駆動され
ない中立状態の、各状態を現出可能なPTOクラッチ機
構を構成することにより、ミッドPTO軸やリアPTO
軸を選択駆動するクラッチ機構を一軸上に構成でき、そ
れを選択するPTO切換レバーが1本で済み、オペレー
ターの操作性を向上することができる。
【0056】また、前記PTO伝動軸に、前記入力軸に
よって駆動されるPTO伝動歯車を遊嵌支持して設け、
このPTO伝動歯車と前記PTO伝動軸との間を、一方
向クラッチを介して連結することにより、リアPTO軸
に接続された作業機による慣性回転が生じても一方向ク
ラッチが空転するので入力軸への逆伝達を阻止すること
ができ、エンジントラブルを防止することができる。
【0057】ミッドPTOドライブトレーンに設けた、
ミッドPTO軸を制動可能な慣性空転防止ブレーキ装置
は、機体下腹部に搭載された作業機の不要な慣性回転を
確実に阻止すると共に、前記慣性空転防止ブレーキ装置
を、前記クラッチ機構がリアPTO軸駆動状態、及び中
立状態の少なくともいずれかに操作された場合には作動
しているよう構成することによっては、この作業機が使
用されない状態の時には必ず止められているようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】作業車両の全体側面図である。
【図2】ミッションケースの前部斜視図である。
【図3】トランスミッションの側面展開断面図である。
【図4】図3の上部の拡大断面図である。
【図5】トランスミッションの正面断面図である。
【図6】トランスミッションのスケルトン図である。
【図7】慣性空転防止ブレーキ装置と牽制装置の一部側
面断面図である。
【図8】牽制装置の正面断面図である。
【図9】牽制装置の斜視図である。
【図10】牽制装置の動作説明図である。
【図11】牽制装置の動作説明図である。
【図12】牽制装置の動作説明図である。
【図13】牽制装置の動作説明図である。
【符号の説明】
C1 PTOクラッチ機構 C2 一方向クラッチ G 慣性空転防止ブレーキ装置 10 前ケース 11 後ケース 10b・11b 膨出部 12 入力軸 14 ミッドPTO軸 33 PTO伝動軸 41 走行第一軸 42 走行第二軸 43 走行第三軸 44 走行第四軸 50 PTO伝動歯車 87 牽制カム

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの動力が伝達される入力軸
    と、車両の左右走行輪を装着する車軸と、該車軸と前記
    入力軸との間を連動連結する車速変速装置と、車両の下
    腹部に搭載した作業機を駆動するミッドPTO軸と、該
    ミッドPTO軸と前記入力軸との間を連動連結するミッ
    ドPTOドライブトレーンと、を収容したミッションケ
    ースの下部に膨出部を一体形成して設け、この膨出部に
    前記ミッドPTO軸を配設したことを特徴とする作業車
    両のトランスミッション。
  2. 【請求項2】 前記膨出部を前記ミッションケースの下
    部から斜め下方へ延伸させて前記ミッドPTO軸を車両
    の中心から左右一方側へ偏心配置してある請求項1記載
    の作業車両のトランスミッション。
  3. 【請求項3】 前記ミッションケースを、前記ミッドP
    TO軸に対して直交する平面上で接合可能な前ケースと
    後ケースとで構成してある請求項1または請求項2の何
    れか一項記載の作業車両のトランスミッション。
  4. 【請求項4】 ミッションケースに、エンジンからの動
    力が伝達される入力軸と、車両の左右走行輪を装着する
    車軸と、該車軸と前記入力軸との間を連動連結する走行
    変速装置と、前記入力軸によって駆動されるPTO伝動
    軸と、車両の下腹部に搭載した作業機を駆動するミッド
    PTO軸と、該PTO伝動軸と前記ミッドPTO軸との
    間を連動連結するミッドPTOドライブトレーンと、を
    備えたトランスミッションであって、前記走行変速装置
    を、機体前後方向に沿って直列に連結された第一変速部
    と第二変速部とで構成すると共に、この第一変速部と第
    二変速部との間に前記ミッドPTOドライブトレーンを
    配設してあることを特徴とする作業車両のトランスミッ
    ション。
  5. 【請求項5】 前記走行変速装置の後進歯車列に備わっ
    て常時駆動するアイドル歯車を前記PTO伝動軸に支持
    させ、該アイドル歯車を介して前記入力軸からの動力を
    前記PTO伝動軸へ伝達するように構成してある請求項
    4記載の作業車両のトランスミッション。
  6. 【請求項6】 前記ミッドPTOドライブトレーンを構
    成する少なくとも1つの伝動回転体を、前記第一変速部
    から前記第二変速部へ動力を伝える走行軸上に遊嵌配置
    してある請求項4記載の作業車両のトランスミッショ
    ン。
  7. 【請求項7】 前記トランスミッションは更に、車両の
    後部に搭載した作業機を駆動するリアPTO軸と、該リ
    アPTOと前記PTO伝動軸との間を連動連結するリア
    PTOドライブトレーンを備え、前記PTO伝動軸に
    は、前記ミッドPTOドライブトレーンの入力回転体
    と、前記リアPTOドライブトレーンの入力回転体と、
    をそれぞれ遊嵌支持させ、両入力回転体と前記PTO伝
    動軸との間に、ミッドOTO軸駆動状態、リアPTO軸
    駆動状態、両PTO軸駆動状態、両PTO軸が駆動され
    ない中立状態の、各状態を現出可能なPTOクラッチ機
    構を構成してある請求項4記載の作業車両のトランスミ
    ッション。
  8. 【請求項8】 前記PTO伝動軸に、前記入力軸によっ
    て駆動されるPTO伝動歯車を遊嵌支持して設け、この
    PTO伝動歯車と前記PTO伝動軸との間を一方向クラ
    ッチを介して連結してある請求項7記載の作業車両のト
    ランスミッション。
  9. 【請求項9】 前記走行変速装置の後進歯車列に備わっ
    て常時駆動するアイドル歯車を前記PTO伝動軸に遊嵌
    支持させると共に、前記アイドル歯車と前記PTO伝動
    軸とを、一方向クラッチを介して連結してある請求項7
    記載の作業車両のトランスミッション。
  10. 【請求項10】 エンジンからの動力が伝達されるPT
    O伝動軸と、車両の下腹部に搭載した作業機を駆動する
    ミッドPTO軸と、該ミッドPTO軸と前記PTO伝動
    軸との間を連動連結するミッドPTOドライブトレーン
    と、機体の後部に搭載した作業機を駆動するリアPTO
    軸と、該リアPTO軸と前記PTO伝動軸の間を連動連
    結するリアPTOドライブトレーンとを備えたトランス
    ミッションであって、前記PTO伝動軸上に、ミッドP
    TO軸駆動状態、リアPTO軸駆動状態、両PTO軸駆
    動状態、両PTO軸が駆動されない中立状態の、各状態
    を現出可能なPTOクラッチ機構を設けると共に、ミッ
    ドPTOドライブトレーンにミッドPTO軸を制動可能
    な慣性空転防止ブレーキ装置を設けてあることを特徴と
    する作業車両のトランスミッション。
  11. 【請求項11】 前記慣性空転防止ブレーキ装置を、前
    記クラッチ機構がリアPTO軸駆動状態、及び、中立状
    態の少なくともいずれかに操作された場合には作動して
    いるよう構成した請求項10記載の作業車両のトランス
    ミッション。
  12. 【請求項12】 前記PTO伝動軸上には前記エンジン
    からの動力を受けて駆動されるPTO伝動歯車を遊嵌支
    持して設け、該PTO伝動歯車と前記PTO伝動軸とを
    一方向クラッチを介して連結してある請求項10記載の
    作業車両のトランスミッション。
  13. 【請求項13】 前記トランスミッションは更に、機体
    前後方向に沿って直列に連結された第一変速部と第二変
    速部とで構成された走行変速装置を備え、前記ミッドP
    TOドライブトレーンは前記第一変速部と前記第二変速
    部との間を通過するように配設している請求項10記載
    の作業車両のトランスミッション。
  14. 【請求項14】 前記PTO伝動軸上に、前記ミッドP
    TOドライブトレーンの入力回転体と、前記リアPTO
    ドライブトレーンの入力回転体とをそれぞれ遊嵌して並
    設し、両入力回転体に対して各別に係脱自在なクラッチ
    シフターを前記PTO伝動軸上に相対回転不能でかつ、
    軸方向へ摺動自在に設けて、前記PTOクラッチ機構を
    構成してある請求項10記載の作業車両のトランスミッ
    ション。
  15. 【請求項15】 前記第一変速部の後進歯車列に備わっ
    て常時駆動するアイドル歯車を前記PTO伝動軸に支持
    させ該アイドル歯車を介して前記入力軸からの動力を前
    記PTO伝動軸へ伝達するように構成している請求項1
    3記載の作業車両のトランスミッション。
  16. 【請求項16】 前記アイドル歯車を前記PTO伝動軸
    に遊嵌させて、該PTO軸と前記アイドル歯車とを一方
    向クラッチを介して連結してある請求項15記載の作業
    車両のトランスミッション。
JP17795096A 1996-07-08 1996-07-08 作業車両のトランスミッション Pending JPH1016587A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17795096A JPH1016587A (ja) 1996-07-08 1996-07-08 作業車両のトランスミッション
US08/888,402 US5947218A (en) 1996-07-08 1997-07-07 Power take-off transmission for a working vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17795096A JPH1016587A (ja) 1996-07-08 1996-07-08 作業車両のトランスミッション

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1016587A true JPH1016587A (ja) 1998-01-20

Family

ID=16039923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17795096A Pending JPH1016587A (ja) 1996-07-08 1996-07-08 作業車両のトランスミッション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1016587A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005297673A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 車両伝動装置
US7047839B2 (en) 2001-03-26 2006-05-23 Norihiro Ishii Power transmission arrangement of a working vehicle and transmission for the working vehicle
JP2014034384A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Iseki & Co Ltd 作業車両の伝動装置
CN113677555A (zh) * 2019-05-13 2021-11-19 株式会社爱信 车用电动驱动装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7047839B2 (en) 2001-03-26 2006-05-23 Norihiro Ishii Power transmission arrangement of a working vehicle and transmission for the working vehicle
US7225704B2 (en) 2001-03-26 2007-06-05 Norihiro Ishii Transmission for a working vehicle
JP2005297673A (ja) * 2004-04-08 2005-10-27 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 車両伝動装置
JP2014034384A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Iseki & Co Ltd 作業車両の伝動装置
CN113677555A (zh) * 2019-05-13 2021-11-19 株式会社爱信 车用电动驱动装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10744867B2 (en) Hybrid utility vehicle
US5947218A (en) Power take-off transmission for a working vehicle
WO2020050216A1 (ja) トラクタ、トラクタの走行用伝動装置、及びそのトラクタの走行用伝動装置を備えたトラクタ
JPH1016587A (ja) 作業車両のトランスミッション
KR20140118673A (ko) 작업차의 동력 전달 장치 및 작업차
JPH1024746A (ja) 作業車両のトランスミッション
JP4390673B2 (ja) トラクタの変速装置
JP3387111B2 (ja) トラクタの伝動装置
JP5244154B2 (ja) トラクタ
JP3993669B2 (ja) 作業車両の変速操作機構
JP4242755B2 (ja) トラクタ
JP4368283B2 (ja) 走行車両
JP4666743B2 (ja) トランスミッション
JP3561396B2 (ja) トラクタのトランスミッション
JPH1182642A (ja) 作業車両のトランスミッション
JP4213647B2 (ja) トラクタの動力伝動装置
JPH0744500Y2 (ja) 走行作業車におけるミツシヨン装置
JP3155410B2 (ja) トラクタの動力伝達装置
JP7206077B2 (ja) トラクタの走行用伝動装置とこのトラクタの走行用伝動装置を備えるトラクタ
JPS621473Y2 (ja)
JPH1194031A (ja) 作業車両のトランスミッション
JP3561397B2 (ja) トラクタのトランスミッション
JPH062061Y2 (ja) 走行作業車のトランスミツシヨン
JP4184866B2 (ja) トラクタ
JP2004345474A (ja) トラクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050909

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060905

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070109