JP3561396B2 - トラクタのトランスミッション - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトラクタのトランスミッションに関するものであり、より具体的には、PTO系ミッションと走行系にミッションを有し、大出力で多段変速を可能としたトラクタのトランスミッションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンに直結されている独立PTOクラッチの出力側にPTO変速部を備えているPTO系ミッションと;主変速装置、副変速装置、クリープ変速装置およびシャトル変速装置を備えていて後輪デフ装置を駆動する走行系ミッションと;をトラクタ車体に内装しているトラクタのトランスミッションは公知であり、例えば特公平7−25272号公報にあっては、後輪デフ装置の前側(入力側)に2次変速装置(副変速装置)を配置し、後輪デフ装置の後側上部にPTO変速装置を配置している車両用(トラクタ用)のトランスミッションが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の技術では、後輪デフ装置の前側に副変速装置を配置しているため、PTO変速装置は後輪デフ装置の後側でトラクタ車体の最後部に内装しなければならず、これでは車体重心位置が後方側寄りとなって、走行動力車であるトラクタの前後重量バランスが悪くなっているという課題があった。
【0004】
すなわち、トラクタは、この後部に三点リンク等のリンク方式でロータリ耕耘機等の作業機を昇降自在に装着して各種農作業を実施するものであることから、前後重量バランスが崩れ、前輪側が浮上し易くなることから、前部ウェイト等を装着しなければならず、これで車体重が過大となって圃場を荒す要因となるだけでなくハンドル操作も重くなるという課題があった。
【0005】
また、トラクタは走行動力車であって作業の豊富化が要望されており、これ故に走行系ミッションにおいては例えば前・後進24段等の極め細かな多段ミッションが大出力の下で必要となり、このため、クリープ変速装置、シャトル変速装置を付帯させる必要があるが、狭小なミッションケース(実質的にトラクタ車体)にこれら変速装置を組付けることは相当な無理があるという課題があった。
【0006】
一方、走行動力車であるトラクタのトランスミッションにおいては、走行系ミッションとともにPTO系ミッションを組込むことが必要であり、狭小なトラクタ車体であることから、該PTO系ミッションについての変速段数も少なくなり、これでは作業の豊富化によるニーズに対応でき難いという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、大出力で走行系ミッションおよびPTO系ミッションの豊富な変速を得ることができながらも前後重量バランスも良好なトラクタのトランスミッションを提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エンジンに直結されている独立PTOクラッチの出力側にPTO変速部を備えているPTO系ミッションと;主変速装置、副変速装置、クリープ変速装置およびシャトル変速装置を備えていて後輪デフ装置を駆動する走行系ミッションと;をトラクタ車体に内装しているトラクタのトランスミッションにおいて、前述の目的を達成するために次の技術的手段を講じている。
【0008】
すなわち、本発明に係るトラクタのトランスミッションは、前記PTO変速部を後輪デフ装置の前方側に配置し、該PTO変速部の前方側上部に前記シャトル変速装置を配置し、該シャトル変速装置の下方側に前記副変速装置およびクリープ変速装置を配置することで車体重心位置を前方側寄りとしていることを特徴とするものである(請求項1)。
【0009】
このような構成を採用したことにより、走行系ミッションとしては、主変速装置、副変速装置の他に、クリープ変速装置およびシャトル変速装置を狭小なトラクタ車体であっても効率よく配備することができ、例えば前進24段、後進24段の多段変速ができて極め細かにして豊富な変速を約束できるとともに、前後重量バランスが良好となって、圃場を極度に荒すこともなくハンドル操作も軽快になったのである。
【0010】
また、PTO系ミッションについても例えば前進(正転)3段、後進(逆転)1段の4段変速が可能となり、作業内容の豊富化にマッチしたPTO変速を得ることが可能となり、しかもPTO変速パターンが所謂I形パターンにできて変速操作が楽になるとともにシフターの個数も少なくなったのである。
また、本発明に係るトラクタのトランスミッションは、請求項1において、前記副変速装置のカウンター軸を後輪デフ装置の駆動軸系に被せて備え、クリープ変速装置の出力側を副変速装置の前方側で前記駆動軸系に入力していることを特徴とするものである(請求項2)。
【0011】
このような構成を採用したことにより、狭小なトラクタ車体であっても副変速装置とクリープ変速装置の組込みが可能でしかも、部品点数が少なくなってトラクタの重量も軽量化できて水田用トラクタのミッションとして採用することでその意義が倍加できたのである。
更に、本発明に係るトラクタのトランスミッションは、請求項1において、前記PTO変速装置のカウンター軸は後輪デフ装置の駆動軸系に被せて備えていることを特徴とするものである(請求項3)
このような構成を採用したことにより、走行系ミッションによる変速段数の豊富化とともにPTO系ミッションの変速段数も豊富化となり、作業内容に対応したPTO変速が可能となったのである。
【0012】
また、本発明に係るトラクタのトランスミッションは、請求項1において、シャトル変速装置のシャトルギアと副変速装置の低速ギアとを共通の伝動ギアに噛み合せていることを特徴とするものである(請求項4)。
このような構成を採用したことによってギアの兼用化が図れて重量の軽量化につながるのは勿論、回転数の低いギアであることから、変速操作も楽にできるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係るトランスミッションを採用したキャビン付トラクタを示しており、該トラクタ1は、左右の前輪2、左右の後輪3を備えている2軸4車輪形であり、トラクタ車体4はエンジン5にクラッチハウジングおよびミッションケース6を連設することで構成されており、エンジン5はラジエータ等のエンジン補器とともにボンネット7で被われている。
【0014】
トラクタ車体4の後部上面には左右一対のリフトアーム8を有する油圧昇降装置9が搭載されており、該油圧昇降装置9に、三点リンク10を介してロータリ耕耘機で示す作業機11が昇降自在に装着されている。
キャビン12は左右の後輪フェンダ13とこのフェンダ13を連結しているフロアーシート14と箱形キャビン体15とで主構成されており、操縦ハンドル16と運転席17とを取囲んでおり、左右に開閉自在なドア18を備えている。
【0015】
図2を参照すると本発明に係るトランスミッションの全体が一部展開した状態で示してあり、該トランスミッションはエンジン5に直結されている独立PTOクラッチ19の出力側にPTO変速部(PTO変速装置)20を備えているPTO系ミッションと;主変速装置21、副変速装置22、クリープ変速装置23およびシャトル変速装置24を備えていて後輪デフ装置25を駆動する走行系ミッションと;をトラクタ車体4に内装することで構成されていて、トラクタ車体4の最後尾にはギア減速装置26が備えられていてPTO軸27に伝動されている。
【0016】
図2を参照して具体的に説明すると、エンジンクランク軸(出力軸)28には走行系の主クラッチ29を介して走行系入力軸30が断続自在に接合されており、該入力軸30は筒軸構造とされていてこの入力軸30にPTO系の推進軸(入力軸)31が内挿されていてエンジンクランク軸28に直結されている。
主変速装置21は入力軸30に軸方向間隔をおいて固着又は固設している等1速〜第4速の伝動ギア群32と、入力軸30の上部又は上側部に平行として架設されているカウンター軸33に、前記伝動ギヤ群32に噛合している第1速〜第4速度の変速ギア群34と変速シフタ35とを備えて構成されていて、図では図3でも示すように変速シフタ35の軸方向摺動切換で、1F(1速)から4F(4速)に変速可能なシンクロメッシュ式常時噛合変速とされている。
【0017】
主変速装置21の出側(カウンター軸33)にはシャトル変速装置24の入力軸36が油圧式クラッチ(イナーシャ用ブレーキともなる)37を介して接合されており、両軸33,37は同一軸心上に位置している。
入力軸36に正転用伝動ギア38と逆転用伝動ギア39が軸方向の間隔をおいて空転自在に備えられており、両ギア38,39間にはこれらを入切するシフタ40が摺動自在に備えられていて、該シフタ40はシンクロメッシュ(同期咬合式)とされている。
【0018】
入力軸36の下方に筒軸構造とされている副変速装置22の変速軸41が架設されており、該変速軸41には正転用伝動ギア38に噛合している連動ギア42とこのギア42に並設している副変速高速用の伝動ギア43と、シャトルギア44を介して逆転用伝動ギア39に噛合している副変速低速用の伝動ギア45がそれぞれ固設されている。
【0019】
副変速装置22の変速軸41にはPTO系の推進軸31が内挿されており、これ故に、主変速装置21の入力軸30と副変速装置22の変速軸41は実質的に同一軸心上で前後に架設されている。
副変速装置22のカウンター軸46は変速軸41の下方にて平行に架設されていて、該カウンター軸46は実質的に筒軸構造とされていて後輪デフ装置25の駆動系軸47に被せられている。
【0020】
カウンター軸46には伝動ギア43に噛合している副変速高速用ギア48と伝動ギア45に噛合している副変速低速用ギア49とが空転自在(相対回転自在)に備えられており、両高低速ギア48,49は軸方向に摺動自在なシフタ50によって入切自在とされている。
すなわち、図3及び図5においてシャトル変速装置24のシフタ40を矢符Fの方向に摺動してギア38に同期咬合すると正転となり、矢符Rの方向に摺動してギア39に同期咬合すると逆転となり、また、副変速装置22のシフタ50を矢符Hの方向に摺動してギア48に同期咬合すると高速となり、シフタ50を矢符Lの方向に摺動してギア49に同期咬合すると低速となるのであり、ここに、シャトル変速装置24のシャトルギア44と副変速装置22の低速ギア49とを共通の伝動ギア45に噛み合せているのである。
【0021】
図2〜図5に参照すると、副変速装置22の前方下段(下位)にクリープ変速装置23を配設した第1の実施形態が示してあり、副変速装置22におけるカウンター軸46の前端にクリープ駆動ギア51が刻成されており、このギア51の前方にクリープ最終ギア(クリープにおける伝動終端をいう)52がデフ駆動系軸47上にニードル、ブシュ等を介して回転自在(空転自在)に備えられており、デフ駆動系軸47上には両ギア51,52をデフ駆動系軸47に対して入切するシフタ53が備えられている。
【0022】
デフ駆動系軸47の下方にはこの軸と平行として第1クリープ軸54および第2クリープ軸55が架設されていて、第1クリープ軸54上には駆動ギア51に咬合する連動ギア56がスプライン等で固設されているとともに、ギア52に咬合する連動ギア57がニードル又はブシュ等を介して相対回転自在(空転自在)として套嵌されており、該ギア57上には両連動ギア56,57を入切するシフタギア58がスプライン等によって套嵌され、第1クリープ軸54の前端にはクリープ伝動ギア59が刻成されている。
【0023】
第2クリープ軸55にはギア59に咬合するクリープギア60とシフタギア58が係脱されるクリープ伝動ギア61が固設されている。
従って、この第1実施形態によれば、シフタ53の矢符Aの方向に摺動してカウンター軸46上のギア51を介してデフ駆動系軸47に咬合すると、クリープ変速装置23を経由しないで副変速装置22を経由してデフ駆動系軸47を介しての後輪デフ装置25の駆動が可能であり、一方、シフタ53を矢符Bの方向に摺動してギア52とデフ駆動系軸47を接合することによって、第1段クリープ変速と第2段クリープ変速が可能とされている。
【0024】
第1段クリープ変速はシフトギア58を矢符Cの方向に摺動して連動ギア56に接合することにより、ギア51→ギア56→シフトギア58→ギア57→ギア52を経由してのデフ駆動系軸47に伝動されるのであり、一方、第2段クリープ変速はシフトギア58を図示のようにギア61に咬合することによって、ギア51→ギア56→第1クリープ軸54→ギア59→ギア60→ギア61→シフトギア58→59→ギア52を経由してのシフタ53を介してのデフ駆動理軸47の伝動をしているのである。
【0025】
図6はクリープ変速装置23の第2実施形態を示しており、第1クリープ軸54にはギア51に咬合している連動ギア56をニードル等で空転自在に備えているとともに該ギア56に並設して小径の伝動ギア59が備えられている。
第2クリープ軸55にはギア59に咬合するクリープギア60およびシフトギア58が入切するギア61がスプライン等によって固設されている。
【0026】
この第2実施形態によれば、シフタ53を矢符Aにすると第1実施形態と同様にクリープ変速装置23を経由しないのでデフ駆動系軸47が伝動され、シフタ53を矢符Bにしてシフトギア58を矢符Cにすると第1実施形態と同様な経路で第1段クリープ変速となり、シフトギア58を図示の状態にすると第1実施形態と同様な経路で第2段クリープ変速となるのである。
【0027】
前述した第1・2実施形態のいずれの構成においても、副変速装置22のカウンター軸46を後輪デフ装置25の駆動軸系(駆動系軸)47に被せて備え、クリープ変速装置23の出力側を副変速装置22に前方側で前記駆動軸系47に迂回して入力させているのである。
図2及び図4を参照すると、デフ駆動系軸47には主変速装置21の下方部位にて前輪駆動ギア62が固設されていて該ギア62を介して油圧クラッチ装置63を有するクラッチ軸64と前輪駆動軸65が備えられ、油圧クラッチ装置63はクラッチボディ66に背合わせ状として2個の油圧ピストン67を有し、該油圧ピストン67にてクラッチ板68を断接することにより、後輪3と同期して前輪2を駆動するDTギア群69と後輪3に対して前輪2を増進駆動する倍速ギア群70とに切換自在とされている。
【0028】
図2を参照すると、デフ駆動系軸47はカップリング71を介してデフ駆動軸72に接合されており、該デフ駆動軸72はベベルピニオン73を有して後輪デフ装置25のクラウンギア74に連動されており、該ベベルピニオン73等を焼入れ(熱処理)することで該ピニオン73を小径にして軽量化に寄与するようになっている。
【0029】
図2及び図7を参照すると、独立PTOクラッチ19は油圧式であり、油圧を供給してクラッチ板74を圧接すると接となり、油圧を解放するとバネ75にて断となるものであり、該クラッチ19の出力側にはブレーキ手段76が備えられていて、クラッチ接(入)からクラッチ断(切)に切替え操作したとき油圧ピストンの動きに連動してブレーキを作用して慣性空転を防止している。
【0030】
独立PTOクラッチ19は推進軸31を介してエンジン、つまり、クランク軸28に直結されていて、推進軸31と同一軸心上にクラッチ出軸77が架設され、該クラッチ出軸77の端部(後端)にはPTO変速部(PTO変速装置)20の入力ギア78が刻成され、該入力ギア78には咬合部78Aが形成されている。
【0031】
PTO変速装置20は、図7及び図8で示すようにクラッチ出軸77と同一軸心上に架設されているPTO変速軸79に、大小ギヤ80A,80Bを有するシフトギヤ80を内外スプラインを介して軸方向に矢符Xで示すように摺動自在に套嵌しており、PTO変速軸79の下方にはこれと平行としてPTO系の変速カウンター軸81が架設されており、この図示した実施形態ではカウンター軸81はデフ駆動軸72上に相対回転自在(空転自在)として套嵌されている。
【0032】
カウンター軸81には、入力ギア78に咬合している伝動ギア82とPTO2速(2P)用の変速ギア83とPTO1速(1P)用の変速ギア84およびPTO逆転用(PR)のギア85とが前方から後方にかけて上記した順で軸方向間隔を有して備えられており、ギア85に咬合するアイドルギア86はバック軸87に備えられている。
【0033】
すなわち、図2を参照すれば明らかな通り、前記PTO変速部20を後輪デフ装置25の前方側に配置し、該PTO変速部20の前方側上部に前記シャトル変速装置24を配置し、該シャトル変速装置24の下方側に前記副変速装置22およびクリープ変速装置23を配置することで車体重心位置を前方側寄りとしているとともに図示の実施形態では、主変速装置21の下方部位に前輪駆動効果の油圧クラッチ装置63等を配置することで車体重心位置を相対的に前方側寄りとして図1に示している作業機11を装着しての作業においての前後重量バランスを良好にしているのである。
【0034】
図7及び図8を参照してPTO変速装置20の変速態様を概説すると、シフトギア80の大ギア80Aをアイドルギア86を介してギア85に連係すると(図8のPR参照)、入力ギア78→ギア82→ギア85→ギア86→ギアAを経由してシフトギア80が変速軸79にスプライン結合されている故に、変速軸79はPTO逆転となり、図では変速軸79にカップリング88で連結した伝動軸89を介してPTO減速装置26を経由してPTO軸27を逆転駆動するのであり、この逆転駆動は例えば作業機11がロータリ耕耘機のときは爪軸(耕耘軸)をアップカットするのに利用されるのである。
【0035】
次に、シフトギア80を摺動して下ギア80Aをギア84に咬合させると(図8の1P参照)、入力ギア78→ギア82→ギア84→下ギア80Aを経由してPTO系ミッションは正転第1速(1P)となって変速軸79を駆動する。
更に、シフトギア80を摺動してその大小ギア80A、80Bをいずれのギア83,84に咬合させない位置(図8のNP参照)にすると、PTO変速装置20は中立状態となり、シフトギア80を摺動してその小ギア80Bをギア83 に咬合させると(図8の2P参照)、ギア78→ギア82→ギア83→80Bを経由して変速軸79は正転第2速(2P)となり、更に、シフトギヤ80を摺動してその内歯スプラインを咬合部78Aに係合して出力軸77と変速軸79とを直結することで(図8の3P参照)、正転第3速(3P)となるのである。
【0036】
前述の説明でも明らかな通り、PTOの変速パターンは、前から後にかけて3P,2P,NP,1P,PRの順で所謂I形パターンとなり、操作性が向上するとともにシフトフォークんどもひとつで済みコストダウンが図れるだけでなく組立分解およびメンテナンスも容易となるのである。
更に、図示の実施形態においては、シフトギア80の内スプラインは軸方向前後に形成されていて軸方向中間部位はくり抜き部80Cとされており、一方、変速軸79の外スプラインについては軸方向前後に形成されていて軸方向中間部位はくり抜き部79Aとされており、このような構成にすることで1Pおよび2Pのとき内外スプラインの一方(1Pではシフトギア80の後側内スプラインと変速軸79の後側外スプラインの咬合、2Pではシフトギア80の前側内スプラインと変速軸79の前側外スプラインの咬合)となって、シフトギア80の変速抜け(変速位置1P,2Pからの軸方向摺動)を防止しているのである。
【0037】
なお、前述した実施態様において、後輪デフ装置25の左右ヨーク軸(出力軸)は、終減速装置を介して後輪3に連動されているとともに、この後輪伝動系にはブレーキ装置が具備される。また、前輪駆動軸65は前輪デフ装置に入力されるものである。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば大出力で走行系およびPTO系のミッションは多段変速可能でありながら、前後重量バランスが良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトランスミッションが採用されるトラクタの側面図である。
【図2】本発明に係るトランスミッションの全体を一部展開して示す側面図である。
【図3】走行系ミッションのうち主変速装置、シャトル変速装置を示す側面図である。
【図4】走行系ミッションのうち、主変速装置、クリープ変速装置および前輪駆動装置を示す側面図である。
【図5】走行系ミッションのうち、シャトル変速装置、副変速装置、クリープ変速装置を示す第1実施形態の側面図である。
【図6】走行系ミッションのうち、副変速装置、クリープ変速装置を示す第2実施形態の側面図である。
【図7】PTO変速装置と後輪デフ装置を示す側面図である。
【図8】PTO変速装置の断面図である。
【符号の説明】
1 トラクタ
4 トラクタ車体
5 エンジン
19 独立PTOクラッチ
20 PTO変速装置
21 主変速装置
22 副変速装置
23 クリープ変速装置
24 シャトル変速装置
25 後輪デフ装置

Claims (3)

  1. エンジンからの動力が伝達される筒軸構造の走行系入力軸に、エンジンに直結されたPTO系の推進軸を挿入すると共に、このPTO系推進軸の下側に、後輪デフ装置に動力を伝達するデフ駆動軸を平行状に備え、主変速装置の後方に、この主変速装置を介して前記走行系入力軸からの動力が伝達される入力軸をPTO系推進軸と略平行状として有するシャトル装置を配置し、このシャトル装置の下側に、このシャトル装置を介してシャトル装置の入力軸から動力が入力される筒軸状の変速軸をPTO系推進軸に外嵌状として有する副変速装置を配置し、この副変速装置は、この副変速装置から動力を出力するカウンタ軸をデフ駆動系軸に外嵌状として備え、副変速装置の前側に、前記カウンター軸から出力を前記デフ駆動系軸に伝達可能なクリープ変速装置を配置し、副変速装置の変速軸は、シャトル装置の入力軸に備えられた逆転用伝動ギアに噛合するシャトルギアと、副変速装置のカウンタ軸に備えられた低速ギアとに噛合する伝動ギアとを有し、副変速装置と後輪デフ装置との間に、PTO系推進軸からの動力が独立PTOクラッチを介して伝達されて多段に変速するPTO変速部を介装したことを特徴とするトラクタのトランスミッション。
  2. 前記デフ駆動系軸には前記主変速装置の下方部位にて前輪駆動ギアが固設され、前記クリープ変速装置の前側に、後輪と同期して前輪を駆動するように前輪駆動ギアから動力を伝達する状態と、後輪に対して前輪を増進駆動するように前輪駆動ギアから動力伝達する状態と、に切り替える油圧クラッチ装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトラクタのトランスミッション。
  3. 前記主変速装置から動力を出力する出力軸は、シャトル装置の入力軸にクラッチを介して断続自在に接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトラクタのトランスミッション。
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