JPH10165093A - 改質マーガリン・ショートニングおよび焼菓子類 - Google Patents

改質マーガリン・ショートニングおよび焼菓子類

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JPH10165093A
JPH10165093A JP8352847A JP35284796A JPH10165093A JP H10165093 A JPH10165093 A JP H10165093A JP 8352847 A JP8352847 A JP 8352847A JP 35284796 A JP35284796 A JP 35284796A JP H10165093 A JPH10165093 A JP H10165093A
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fats
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弘典 根岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製菓・製パン適性に優れた改質マーガリン・
ショートニングおよびこれを用いてなる焼菓子類を提供
する。 【解決手段】 パーム系固体脂を主成分とし、少なくと
もラウリン系油脂を含む原料油脂、より好ましくはパー
ム系固体脂/ラウリン系油脂=65/35〜90/10
(重量比)、かつパーム系固体脂およびラウリン系油脂
の合計量が75〜100重量%である前記原料油脂を、
グリセリドの1,3位に特異性のあるリパーゼ製剤を用
いてエステル交換した改質油脂が、油分中30重量%以
上配合され、製菓・製パン適性の強化された改質マーガ
リン・ショートニング。また、該改質マーガリン・ショ
ートニングを用いてなる焼菓子類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製菓・製パン適性
が強化された改質マーガリン・ショートニングおよびこ
れを用いてなる焼菓子類に関する。
【0002】
【従来の技術】マーガリンやショートニング(以下、両
者をあわせてM/Sと記載することがある)といった加
工油脂製品には種々の動植物性油脂、これに分別、水素
添加(硬化)、エステル交換等の処理を施した加工油脂
が利用されている。M/Sに配合される油脂類として、
従来、ラードやパーム系油脂が用いられていたが、この
ような油脂を配合したものは、油脂の構造すなわち対称
型グリセリド(例えば2飽和脂肪酸1不飽和脂肪酸型)
に起因して粗大結晶を生成しやすく、組織がザラつく欠
点があった。
【0003】このため、ラードやパーム系油脂、硬化油
脂といった常温で固体状を呈する油脂類と液状油脂との
混合油脂類を、金属アルコラート等を用いて化学的にラ
ンダムにエステル交換した改質油脂を配合することによ
って前記欠点を解消している。また、パーム核油やヤシ
油等のラウリン系油脂をブレンドした混合油脂を同様に
化学的ランダムエステル交換処理することも知られてい
るが、かかる処理を施した改質油脂に対する関心は、主
に該油脂自体の起泡性を向上させることに注がれてき
た。
【0004】このように、化学的にランダムにエステル
交換した改質油脂は、M/Sの既知物性そのものを改良
したり、製菓・製パン用途に利用する際の作業性を改善
する点においては有効であるが、前記改質油脂を配合し
たM/Sを使用して得られるベーカリー製品等の焼菓子
類の品質、性状に及ぼす改善効果は、ラード、植物性硬
化油やパーム系油脂を単に配合したM/Sの場合と比べ
て何ら変わりのないものであった。
【0005】ところで、リパーゼ酵素を用いてグリセリ
ド類をエステル交換する技術が、近年注目され、該技術
を利用した改質油脂の製造が工業生産レベルで可能とな
り、加工油脂製品の領域においても様々な提案がなされ
ている。例えば特開昭52−104506号公報には、
パーム油またはその中間画分とステアリン酸とをリパー
ゼを用いてエステル交換し、カカオ代用脂を製造するこ
とが開示されている。特開昭61−293389号公報
では、パーム油と液状油脂との混合原料を1,3位特異
性リパーゼを用いてエステル交換し、サラダ油を製造す
る方法が提案されている。また、綿実油やパーム油等の
植物性油脂を原料とし、これに1,3位特異性リパーゼ
を作用させてエステル交換反応を行わせ、マーガリン、
ショートニングに適した改質油脂を製造することも提案
されている(特公平3−54557号、特開平2−21
9581号各公報等)。
【0006】しかしながら、これらの提案は従来既知の
油脂類あるいは加工油脂類それ自体の品質や性状を同等
もしくはそれ以上に改良するものであり、かかる改質油
脂またはそれを配合した加工油脂類を用いて得られる食
品(例えばベーカリー製品)の品質には何ら言及されて
いない。
【0007】なお、特開平4−296397号公報に
は、ラウリン系油脂と他の動植物性油脂類とを用い、リ
パーゼによるエステル交換処理によって、アイスクリー
ム等の凍結起泡性食品用改質油脂を得ることが開示さ
れ、また、特開平6−86636号公報には、パーム系
油脂と飽和脂肪酸含量の少ない油脂との混合原料をリパ
ーゼでエステル交換後、異性化水素添加処理してシャー
プメルティング性に優れたチョコレート用改質油脂を製
造する方法が提案されている。しかし、アイスクリーム
やチョコレートは含有油脂それ自体がいわば骨格となり
最終製品を形づくる食品類であり、製菓・製パン類、ベ
ーカリー製品類、焼菓子類とは異なる食品群である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる実情に鑑み、本
発明では、製菓・製パン適性に優れた改質マーガリン・
ショートニングおよびこれを用いた焼菓子類を提供する
ことを目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1
に、パーム系固体脂を主成分とし、少なくともラウリン
系油脂を含む原料油脂を、グリセリドの1,3位に特異
性のあるリパーゼ製剤を用いてエステル交換して得られ
る改質油脂が油分中30重量%以上配合され、製菓・製
パン適性の強化された改質マーガリン・ショートニン
グ、が提供される。
【0010】ここで、パーム系固体脂はパーム油、パー
ムステアリンおよびこれらの硬化油脂からなる群から選
ばれる1種または2種以上であるものが好ましく、ラウ
リン系油脂はパーム核油および/またはヤシ油が好まし
い。原料油脂中のパーム系固体脂とラウリン系油脂との
混合比率は、パーム系固体脂/ラウリン系油脂=65/
35〜90/10(重量比)であることが望ましく、ま
た、パーム系固体脂およびラウリン系油脂の合計量は原
料油脂中75〜100重量%であることが望ましい。
【0011】本発明によれば、第2に、パーム系固体脂
を主成分とし、少なくともラウリン系油脂を含む原料油
脂を、グリセリドの1,3位に特異性のあるリパーゼ製
剤を用いてエステル交換して得られる改質油脂が油分中
30重量%以上配合され、製菓・製パン適性の強化され
た改質マーガリン・ショートニングを用いてなることを
特徴とする焼菓子類、が提供される。
【0012】ここで、パーム系固体脂、ラウリン系油
脂、原料油脂中のパーム系固体脂とラウリン系油脂との
混合比率および合計量は前記と同様のものが好ましい。
また、焼菓子としてはケーキ、クッキー、ビスケット、
パイまたはパンが好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明の改質マーガリン・
ショートニング(M/S)について詳細に説明する。本
発明のM/Sを製造するための出発原料は、少なくとも
パーム系固体脂およびラウリン系油脂を必須とする。パ
ーム系固体脂としては、パーム油、パーム中融点画分、
パームオレイン、パームステアリンおよびこれらの硬化
油脂等があるが、これらのうちパーム油、パームステア
リンおよびこれらの硬化油からなる群より選ばれる1種
または2種以上の任意割合の混合物がよい。また、ラウ
リン系油脂としては、パーム核油、ヤシ油またはこれら
の任意の割合の混合物がよい。
【0014】かかるパーム系固体脂およびラウリン系油
脂のほかに必要に応じて公知の動植物性油脂を混合して
本発明で用いる原料油脂とする。この動植物性油脂とし
て、大豆油、菜種油、コーン油、サフラワー油、ヒマワ
リ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、牛脂、ラード、魚
硬化油等またはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル
交換油脂の単独あるいは混合物を例示できる。
【0015】前記原料油脂は、パーム系固体脂を主成分
とし、少なくともラウリン系油脂を含む混合油脂とする
ことが重要である。パーム系固体脂とラウリン系油脂と
がほぼ同比率であったり、ラウリン系油脂が多かったり
すると、本発明でいう製菓・製パン適性の強化されたM
/Sは得られない。パーム系固体脂/ラウリン系油脂=
65/35〜90/10(重量比)が好適であり、70
/30〜85/15が最適である。
【0016】前記原料油脂では、また、パーム系固体脂
およびラウリン系油脂の合計量は原料油脂中75〜10
0重量%であることが望ましい。75重量%未満では、
従来のM/Sと同程度の製菓・製パン適性のものしか得
られない。
【0017】ついで、原料油脂を溶解させて均質にした
後、リパーゼ製剤を用いてエステル交換処理する。リパ
ーゼ製剤は、アスペルギルス(Aspergillus )属、アル
カリゲネス(Alcaligenes )属、キャンディダ(Candid
a )属、ムコール(Mucor )属、シュードモナス(Pseu
domonus )属、リゾプス(Rhizopus)属等の微生物、牛
や豚の膵臓由来のリパーゼ、より好ましくは特公昭58
−36953号公報に記載のアルカリゲネス エスピー
(Alcaligenes sp)由来のリパーゼ、例えば微工研菌寄
第3187号として寄託されているリパーゼ生産菌名糖
PL−266号が生産するリパーゼQL(名糖産業
(株)製)や、これとは別のアルカリゲネスエスピー
(Alcaligenes sp)起源のリパーゼPL(名糖産業
(株)製)で、グリセリドの1位および3位に選択的に
作用する特異性を有するリパーゼを使用することが必須
である。この1,3位特異性リパーゼは粉末のまま、あ
るいはケイソウ土、活性炭、合成樹脂、イオン交換樹脂
等の公知の担体に固定化して用いることができる。
【0018】エステル交換反応は、原料油脂にリパーゼ
製剤を加えバッチ方式で、またはリパーゼ製剤を充填し
た容器に原料油脂を流入させるカラム方式で行うことが
できる。原料油脂中の水分量は、副反応としての加水分
解を抑制し、かつある程度のエステル交換反応速度およ
びリパーゼ製剤の活性を維持するために、約0.05〜
約0.5重量%に保持する必要がある。反応温度は、通
常、室温程度〜約80℃に設定すればよい。なお、前記
アルカリゲネス エスピー由来のリパーゼでは約80〜
約120℃の高温でエステル交換反応を行わせることが
できるため、該リパーゼを用いることは好適である。反
応時間は、バッチ方式の場合には概ね1〜20時間であ
る。
【0019】エステル交換反応物は、リパーゼ酵素を加
熱処理等で失活させ、一般的な精製処理すなわちアルカ
リ脱酸、活性白土や活性炭による脱色、および減圧脱臭
の処理を施して、本発明に係る改質油脂を得ることがで
きる。
【0020】本発明の改質M/Sを製造するには、一般
のM/Sの油分の30〜100重量%、より好ましくは
50〜100重量%、最も好ましくは70〜100重量
%を前記改質油脂で置き換えて公知の方法でM/Sを製
造することができる。30重量%未満の置き換えでは本
発明の所望の効果を奏することができない。
【0021】本発明の改質M/Sは、従来の油脂類を配
合して調製したM/Sに比べて起泡性および吸水性に優
れる特徴を有し、また、後述するように、製菓・製パン
適性が強化された特徴をもつ。すなわち、本発明の改質
M/Sを使用してケーキ類を製造すると、作業性が改善
され、口溶け性およびしっとり感の優れた食感を有する
ケーキ類生地を作成できる。クッキー類の製造では、保
型性およびクリスピー感を付与することができる。パイ
類やパン類(クロワッサン、デニッシュペストリー等)
の製造においては、生地の伸展性、口溶け性およびボリ
ュームを付与することができる。
【0022】次に、本発明の焼菓子類は、パーム系固体
脂を主成分とし、少なくともラウリン系油脂を含む原料
油脂を、グリセリドの1,3位に特異性のあるリパーゼ
製剤を用いてエステル交換して得られる改質油脂が油分
中30重量%以上配合され、製菓・製パン適性の強化さ
れた改質マーガリン・ショートニングを用いてなること
を特徴とするものである。
【0023】ここに、改質M/Sの原料油脂の種類や配
合割合、エステル交換処理、製造法等は上述した内容の
ものが採用される。本発明の焼菓子類は、ケーキ、クッ
キー、ビスケット、パイ類またはパン類を対象とするの
が好ましく、これらの製造にあたっては、公知の方法を
採用でき、その際に使用する油脂類あるいはM/Sのの
一部または全部を本発明の改質M/Sに置き換えること
ができる。
【0024】本発明の焼菓子類は、例えばケーキ類で
は、従来のM/Sを使用した場合には得られなかったし
っとり感と口溶け性を兼ね備えた優れた食感を有する。
また、クッキーやビスケット類では、従来のM/Sを使
用した場合のものに比べて、保型性およびクリスピー感
の点で顕著な差がある。さらに、パイ類やパン類(クロ
ワッサン、デニッシュペストリー等)では、従来のM/
Sを使用したものと比較して伸展性、口溶け性およびボ
リュームが優れる。
【0025】
【実施例】
実施例1〜4および比較例1、2 パーム油:パームステアリン(パーム油を分別した高融
点部、融点:45〜56℃):パーム核油=40:3
5:25(重量比)の混合原料油脂に、アルカリゲネス
エスピー由来の1,3位特異性リパーゼ(名糖産業
(株)製、商品名:リパーゼPL)を対原料油脂0.3
重量%添加し、60〜70℃にて10時間ゆるやかに攪
拌してエステル交換反応を行わせた。ついで、該反応物
にカセイソーダによる脱酸、活性炭による脱色、および
減圧脱臭の各処理を施して精製処理し、改質油脂を調製
した。次に、この改質油脂を用いて表1に示す組成で常
法により各原料を混合し、コンビネーターを用いて急冷
混捏処理してマーガリンを試作した(実施例1〜4、試
料記号:M−1〜M−4)。なお、比較のため、本発明
に係る前記改質油脂を使用しないマーガリンを表1に示
す組成で同様に作成した(比較例1および2、試料記
号:A−1、B−1)。
【0026】
【表1】 (注)1):パーム油:パームステアリン:パーム核油=40:35:25 (重量比)、実施例1〜4の混合原料油脂。 2):菜種油分解脂肪酸モノグリセリド(理研ビタミン(株)製、エ マルジーHRO)。
【0027】試料記号M−1〜M−4、A−1およびB
−1の各マーガリンの起泡力、吸水能を以下の方法で試
験し評価した。この結果(表2参照)から、本発明品で
は起泡力および吸水能ともに比較品より優れており、ま
た改質油脂の配合量が増えるにともなって前記両機能が
増大することが明らかになった。
【0028】(起泡力)製菓用ミキサーで500gの各
試作マーガリンを攪拌してクリームを調製し、そのとき
の容積を測定し、比容積(ml/g)で示した。 (吸水能)起泡力の評価における方法と同様にクリーム
を調製し、これに毎分50mlの速度で水を添加し、油
中水型乳化物が水を吐き出すに至るまでの添加水量を測
定した。この水のマーガリン重量に対する割合(重量
%)で示した。
【0029】
【表2】
【0030】実施例5〜8および比較例3、4 実施例1〜4で使用した改質油脂を用い、表3に示す組
成で各原料を混合し、コンビネーターを用いて窒素ガス
を注入しながら急冷混捏処理してショートニングを試作
した(実施例5〜8、試料記号:S−1〜S−4)。な
お、比較のため、本発明に係る前記改質油脂を使用しな
いショートニングを表3に示す組成で同様に作成した
(比較例3および4、試料記号:A−2、B−2)。
【0031】
【表3】 (注)1)および2):表1の(注)1)および2)と同じ。
【0032】試料記号S−1〜S−4、A−2およびB
−2の各ショートニングの起泡力、吸水能を前記マーガ
リンの場合と同様に試験し評価した。この結果(表4)
から、ショートニングにおいても、本発明品の起泡力お
よび吸水能はともに比較品のものより優れており、また
改質油脂の配合量が増えるにともなって前記両機能が増
大することが明確になった。
【0033】
【表4】
【0034】実施例9〜16および比較例5〜8 試料記号M−1〜M−4、A−1およびB−1の各マー
ガリン、また試料記号S−1〜S−4、A−2およびB
−2の各ショートニングを用い、表5に示す配合原料お
よび製法でバターケーキを試作し、10名のパネラーで
試食評価した。この結果につき、マーガリン配合の場合
を表6に、またショートニング配合の場合を表7にそれ
ぞれ示した。表6および表7から、マーガリンおよびシ
ョートニングのいずれを使用した場合においても、それ
らに本発明に係る改質油脂を配合したものが、ケーキ生
地の起泡性の強さ、焼成ケーキのボリューム、ソフト性
およびしっとり感の各評価項目で優れること、また、前
記改質油脂の配合比率が高くなるにつれて製菓機能が向
上することが明らかになった。すなわち、本発明に係る
改質油脂を配合することによって、マーガリンおよびシ
ョートニングの製菓機能が向上し、ケーキに新たな食感
を付与できる。
【0035】
【表5】 注):マーガリン又はショートニング、砂糖および食塩からなる生地。 :および全卵からなる生地。 :および薄力粉、ベーキングパウダーからなる生地。
【0036】
【表6】 注)1):表5の注釈と同じ。
【0037】
【表7】 注)1):表5の注釈と同じ
【0038】実施例17〜24および比較例9〜12 試料記号M−1〜M−4、A−1およびB−1の各マー
ガリン、また試料記号S−1〜S−4、A−2およびB
−2の各ショートニングを用い、表8に示す配合原料お
よび製法でクッキーを試作し、10名のパネラーで試食
評価した。この結果につき、マーガリン配合の場合を表
9に、またショートニング配合の場合を表10にそれぞ
れ示した。表9および表10から、マーガリンおよびシ
ョートニングのいずれを使用した場合においても、焼成
クッキーの厚みは、本発明に係る改質油脂を配合したも
のが厚く、その配合量が多いほど顕著であり、また、焼
成クッキーの直径は、比較品(A−1、A−2、B−
1、B−2)が幅広く、本発明に係る改質油脂の配合量
が多いものほど小径となる傾向が認められた。すなわ
ち、本発明に係る改質油脂の配合比率が高くなるにつれ
て、クッキーの保型性は向上した。さらに、クリスピー
感を強化する効果も認められた。
【0039】
【表8】
【0040】
【表9】
【0041】
【表10】
【0042】実施例25〜28および比較例13、14 パーム油:パームステアリン(実施例1と同じ):パー
ム核油/ヤシ油(1/1):大豆油=30:50:1
0:10(重量比)の混合原料油脂を、実施例1と同様
の条件でエステル交換反応を行わせ、精製処理して改質
油脂を調製した。次に、この改質油脂を用いて表11に
示す組成で各原料を混合し、前記の方法に準じてシート
状マーガリンを試作した(実施例25〜28、試料記
号:M−5〜M−8)。なお、比較のため、本発明に係
る前記改質油脂を使用しないシート状マーガリンを表1
1に示す組成で同様に作成した(比較例13および1
4、試料記号:A−3、B−3)。
【0043】
【表11】 (注)1)および2):表1の(注)1)および2)と同じ。
【0044】実施例29〜32および比較例15、16 試料記号:M−5〜M−8、A−3およびB−3の各シ
ート状マーガリンを用い、表12に示す配合原料および
製法でパイを試作し、10名のパネラーで試食評価し
た。この結果を表13に示す。表13から、本発明に係
る改質油脂を配合したシート状マーガリンの場合には、
焼成前のパイの重量が軽く、また焼成パイの浮きが良好
であった。とりわけ、前記改質油脂の配合比率が高くな
るにつれてこの傾向が顕著に発現した。すなわち、本発
明に係る改質油脂を配合することによって、シート状マ
ーガリンの製菓機能が向上し、パイ生地の縮みが少な
く、パイに新たな食感を付与できることが明らかになっ
た。
【0045】
【表12】
【0046】
【表13】
【0047】実施例33〜36および比較例17、18 試料記号:M−5〜M−8、A−3およびB−3の各シ
ート状マーガリンを用い、表14に示す配合原料および
製法でクロワッサンを試作し、10名のパネラーで試食
評価した。この結果を表15に示す。表15から、本発
明に係る改質油脂を配合したシート状マーガリンの場合
には、焼成前のクロワッサンの重量が軽く、また焼成品
の浮きが良好であった。とりわけ、前記改質油脂の配合
比率がシート状マーガリン中50重量%以上に高くなる
につれてこの傾向が顕著に発現した。すなわち、本発明
に係る改質油脂を配合することによって、シート状マー
ガリンの製パン機能が向上し、クロワッサン生地の縮み
が少なく、該製品に新たな食感を付与できることが明ら
かになった。
【0048】
【表14】
【0049】
【表15】
【0050】実施例37〜40および比較例19、20 試料番号:M−5〜M−8、A−3およびB−3の各シ
ート状マーガリンを用いてデニッシュペストリーを試作
し、評価した。その配合原料および製法を表16に、ま
た試食評価の結果を表17に示す。本発明に係る改質油
脂を配合したシート状マーガリンの場合には、クロワッ
サンのときと同様の効果(製パン機能の向上、生地の非
収縮性、新たな食感等)が認められた。
【0051】
【表16】
【0052】
【表17】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、起泡性や吸水性が良好
で、製菓・製パン適性に優れた、すなわち、ケーキ類の
製造では、作業性を改善でき、製品に口溶け性およびし
っとり感の優れた食感を付与でき、クッキー類の製造で
は、保型性およびクリスピー感を付与でき、またパイ類
やパン類の製造では、生地の伸展性、口溶け性およびボ
リュームを付与できる改質マーガリン・ショートニング
を提供できる。また、本発明の改質マーガリン・ショー
トニングを使用することによって前述のような特徴をも
つ焼菓子類を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11C 3/10 C11C 3/10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーム系固体脂を主成分とし、少なくと
    もラウリン系油脂を含む原料油脂を、グリセリドの1,
    3位に特異性のあるリパーゼ製剤を用いてエステル交換
    して得られる改質油脂が油分中30重量%以上配合さ
    れ、製菓・製パン適性の強化された改質マーガリン・シ
    ョートニング。
  2. 【請求項2】 パーム系固体脂/ラウリン系油脂=65
    /35〜90/10(重量比)である請求項1に記載の
    改質マーガリン・ショートニング。
  3. 【請求項3】 原料油脂中のパーム系固体脂およびラウ
    リン系油脂の合計量が75〜100重量%である請求項
    1または2に記載の改質マーガリン・ショートニング。
  4. 【請求項4】 パーム系固体脂がパーム油、パームステ
    アリンおよびこれらの硬化油脂からなる群から選ばれる
    1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の改質マーガリン・ショートニング。
  5. 【請求項5】 ラウリン系油脂がパーム核油および/ま
    たはヤシ油である請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    改質マーガリン・ショートニング。
  6. 【請求項6】 パーム系固体脂を主成分とし、少なくと
    もラウリン系油脂を含む原料油脂を、グリセリドの1,
    3位に特異性のあるリパーゼ製剤を用いてエステル交換
    して得られる改質油脂が油分中30重量%以上配合さ
    れ、製菓・製パン適性の強化された改質マーガリン・シ
    ョートニングを用いてなることを特徴とする焼菓子類。
  7. 【請求項7】 ケーキ、クッキー、ビスケット、パイま
    たはパンである請求項6に記載の焼菓子類。
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