JPH10162342A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10162342A
JPH10162342A JP33281896A JP33281896A JPH10162342A JP H10162342 A JPH10162342 A JP H10162342A JP 33281896 A JP33281896 A JP 33281896A JP 33281896 A JP33281896 A JP 33281896A JP H10162342 A JPH10162342 A JP H10162342A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetization
recording medium
magnetic layer
magnetic recording
Prior art date
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Pending
Application number
JP33281896A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshikazu Nishihara
敏和 西原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高密度、高S/Nな磁気記録媒体が必要
となった。 【解決手段】 磁気記録媒体5は、ベースフィルム4上
に磁性層1,2,3を順に蒸着したものである。そし
て、磁性層1,2,3の成膜時酸素流量を順次小さくし
て磁化を順次大きくすることにより、再生出力、C/
N、信号孤立信号半値幅の全てにおいて極めて良好な特
性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク、磁
気テ−プ等の磁気記録媒体に係り、特に蒸着磁気テープ
等の磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、8mmビデオと呼ばれるアナロ
グVTR(ビデオテープレコーダ)やDVCと呼ばれる
デジタルVTRには、蒸着(ME)テ−プと呼ばれる磁
気テープが用いられている。
【0003】この蒸着テープの製造方法を図2と共に簡
単に説明すると、まず、巻きだしロール12に巻回され
ているテープのベースフィルム13を冷却したキャン1
1の周囲に添って走行させ、キャン11の下部に設置さ
れているルツボ15内のCo(コバルト)に電子ビ−ム
16を当てて溶融、蒸発させてベ−スフィルム13上に
被着させて磁性層を成膜する。この時キャン11の近傍
に酸素ガス(O2)を吹き付けてCoを酸化させる。そ
して、酸化されたCoはキャン11によって冷却されて
ベ−スフィルム13上に定着し、磁気テープとなって巻
き取りロール14に巻き取られる。このようにして製造
される磁気テ−プの磁性層は、その必要とする特性に応
じて単層であったり複数の層を積層したものであったり
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして得ら
れた蒸着テープは、塗付型の磁気テープに比較してより
高密度の記録が可能であるが、記録される情報量の増加
やより小型の記録媒体の要望が強く、絶えずより高密度
記録が可能な磁気記録媒体が求められている。
【0005】そこで本発明は、従来技術では着目されて
いなかった磁性層の膜厚方向の酸素濃度の分布に着目
し、これを適正化することにより、より高密度、高S/
Nな磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、多階層構造のCoO斜め蒸着磁気記録媒
体において、ベ−ス面側の磁性層の酸素濃度が表層側の
磁性層の酸素濃度よりも大きいことを特徴とする磁気記
録媒体、及び、単層構造のCoO斜め蒸着磁気記録媒体
において、磁性層中のベ−ス面側の酸素濃度が表層側よ
りも大きいことを特徴とする磁気記録媒体を提供しよう
とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、従来技術では着目され
ていなかった磁性層の膜厚方向の酸素濃度の分布に着目
し、これを適正化することにより、より高密度、高S/
Nな磁気記録媒体を提供する。従来は、磁性層の酸素濃
度を適正化するという発想はなく、酸素濃度分布のデー
タも一般にはない。しかし、ESCA等による分析では
多層構造の磁性層を有する磁気テープでは、磁性層の層
間や表層近傍の酸素濃度が高くなっている。
【0008】そこで、本発明者は、より高密度、高S/
Nな磁気記録媒体を得るために最初に本発明者らが開発
した3次元の磁化モデル解析手法によるシミュレーショ
ンを行った。まず、記録による磁化モデルを求めるにあ
たり単位粒子を以下のように定めた。すなわち、1つの
平面上に41x25個の粒子があるとしてこれを平面上
に3層重ねた。各磁性層の磁化容易軸(以下、単に容易
軸と記載する)は実際の斜め蒸着磁気記録媒体を模し
て、断面から観察した容易軸方向が図1に示すようにな
っているとした。この図1に示す磁気記録媒体5は、ベ
ースフィルム4上に磁性層1,2,3を順に蒸着したも
のであり、図中、最下段の磁性層3はヘッド6に接する
表層側の磁性層3であり、容易軸は膜面に対して最も立
った状態である。そして、ヘッド6から遠ざかるに従っ
て、容易軸の傾斜は小さくなり、最上段のベースフィル
ム4の近接面側の磁性層1の容易軸が最も小さな傾斜と
なっている。そして、シミュレ−ションではこの磁性層
1,2,3の磁化をそれぞれ変化させ、表1に示す磁気
記録媒体α,β,γを想定して、その時の磁化パタ−ン
を求めた。その結果を図3〜図8に示す。
【0009】
【表1】
【0010】磁気記録媒体αは、磁性層1,2,3の磁
化をそれぞれ1000,2000,3000[Gauss]
と、順次大きくしたものであり、方形波を記録したとき
の磁気記録媒体αの表面の磁化方向ベクトルを図3に示
す。図中、左向きベクトルは白丸(図4中、Mx=−1
付近の値に相当)、右向きベクトルは黒丸(図4中、M
x=1付近の値に相当)で示している。また、そのとき
の磁化パターンの大きさMxのx成分を図4に示す。な
お、この測定は、ヘッドギャップ長Tg=0.15[μ
m]、ヘッド媒体スペーシングFH=0.06[μm]、抗磁
力Hc=1600[Oe]、IS=1000〜3000[Gaus
s]、異方性定数Ku=1×106〜3×106[erg/cc]
という条件の下で行った。そして、図3から判るよう
に、この磁気記録媒体αはベクトルの分離性が良く、ま
た、図4から判るように、磁化パターンMx分布の角型
性が良いので、出力が大きく雑音が小さいことが判る。
【0011】同様に、各磁性層1,2,3の磁化を同じ
にした磁気記録媒体βの表面の磁化方向ベクトルを図5
に示し、そのときの磁化パターンの大きさMxのx成分
を図6に示す。なお、この測定は、IS=2000[Gaus
s]、異方性定数Ku=2×106[erg/cc]とし、他は磁
気記録媒体αと同じ条件の下で行った。この場合、磁気
記録媒体αよりも特性が悪く、下記の磁気記録媒体γと
の中間的な値となっている。
【0012】また、磁気記録媒体γの表面の磁化方向ベ
クトルを図7に示し、そのときの磁化パターンの大きさ
Mxのx成分を図8に示す。磁気記録媒体γの各磁性層
1,2,3の磁化は磁気記録媒体αとは、全く逆であ
り、表層側の磁化が小さくなっている。この場合、図7
から判るようにベクトルの分離性が非常に悪く、また、
図8から判るように磁化パターンMx分布の角型性も良
くないので、磁気記録媒体としての特性が悪くなってい
る。
【0013】以上の結果からヘッド6に近い磁性層の磁
化をベースフィルムに近接する側の磁性層の磁化よりも
大きくすることにより、クリアな記録パタ−ンが得られ
ることが判る。したがって、磁性層によって磁化の大き
さを変化させることにより、より高性能な磁気記録媒体
を開発することができると考えるに至った。そして、こ
の磁化は、Co蒸着時の酸素濃度を変えることにより変
化するので、磁性層に含まれる酸素濃度を調節すること
により、優れた特性を持つ磁気記録媒体を製造すること
ができる。
【0014】
【実施例】本発明の磁気記録媒体の各実施例を図面と共
に説明する。まず、図1に示し、従来技術の欄で説明し
た水冷キャン11及び電子ビ−ム溶解装置を用いた連続
斜め蒸着装置により、多層構造の磁気テ−プを製造し
た。
【0015】この評価用磁気記録テ−プは、磁性層成膜
時の酸素流量を変えて酸素濃度を磁性層毎に変えた2層
及び3層の磁性層からなるものである。そして、作製し
た磁気記録テ−プの各磁性層を合わせた膜厚が180nm
になるように、それぞれの磁性層の膜厚を3層の場合に
は各60nm、2層の場合には各90nmに調整した。ま
た、各磁性層を成膜する際に、シミュレーション結果を
再現するために、キャン11に沿わせて設けられた防着
板17の位置を各磁性層毎に制御して、Co原子の入射
角度を変えている。このようにして作成された6種類の
評価用磁気記録テ−プについて、各磁性層成膜時のCo
原子の入射角度の最大値(θmax)と最小値(θmin)、
磁性層成膜時の酸素流量と磁化Msの組み合わせを表2
(3層構造の磁気記録テープ)及び表3(2層構造の磁
気記録テープ)に示す。
【0016】なお、表2及び表3において、#1と#2は
本願発明の実施例であり、表層側の磁性層3がベースフ
ィルム近接面側の磁性層1よりも磁化Msを大きく(成
膜時酸素濃度を小さく)したものである。そして、#5
と#6は#1,#2とは逆に磁性層3の磁化Msを磁性
層1の磁化Msよりも小さく(成膜時酸素濃度を大き
く)した比較例であり、#3と#4は各磁性層の磁化M
s及び成膜時酸素濃度を同じにした(従来技術を組み合
わせた)比較例である。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】これら#1〜#6の6種類の磁気記録テ−
プの電気特性を当社性ドラムテスタ−にて評価した。実
際には、233kHz,5.25MHz,10.5MHzの3種
類の方形波を記録し、それぞれの再生出力を測定すると
共に10.5MHzのときのキャリア/ノイズ(C/N)を
測定した。また、信号孤立信号半値幅W50を合わせて
測定した。このとき、使用したヘッドはギャップ長0.17
um、トラック幅16.6umのFeTaN積層MIGである。ま
た、ヘッドと磁気記録テープとの相対速度は5.1m/
sとした。この測定結果を表4に示す。
【0020】
【表4】
【0021】表4において、再生出力は大きい方が良
く、キャリア/ノイズ(C/N)は大きい方がノイズの影
響が少ないといえる。そして、信号孤立信号半値幅W5
0は小さい方が特性が良くなることから、ベ−スフィル
ム近接面側の磁性層の酸素濃度が大きい#1,#2は再
生出力、C/N、W50の全てにおいて比較例である#
3〜#6よりも極めて良好な特性を有していることが判
る。
【0022】そして、以上説明した各実施例では、2層
または3層構造の多階層構造の磁気記録媒体について説
明したが、磁性層が一層である単層構造の磁気記録媒体
においても、磁性層中のベ−スフィルムに近いところの
酸素濃度を表層側に対して大きくすることにより、実質
的に磁化が小さくなってキャリア/ノイズ(C/N)が
向上し信号孤立信号半値幅W50が小さくなる。
【0023】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、ベ−スフィル
ムに近い磁性層の酸素濃度を表層に対して大きくしてい
るので、ベ−スフィルム近接面側の磁性層の磁化が実質
的に小さくなってキャリア/ノイズ(C/N)が向上
し、信号孤立信号半値幅W50が小さくなる。これは密
度特性が向上することを意味しており、高密度記録が可
能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一実施例を示す構成図
である。
【図2】斜め蒸着磁気記録テープの製造装置の例を示す
構成図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の磁化パターン例を示す
平面図である。
【図4】本発明の磁気記録媒体の磁化パターンの大きさ
Mxの例を示すグラフである。
【図5】比較用磁気記録媒体の磁化パターン例を示す平
面図である。
【図6】比較用磁気記録媒体の磁化パターンの大きさM
xの例を示すグラフである。
【図7】比較用磁気記録媒体の磁化パターン例を示す平
面図である。
【図8】比較用磁気記録媒体の磁化パターンの大きさM
xの例を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2,3 磁性層 4 ベースフィルム 5 磁気記録媒体 6 ヘッド 11 キャン 12 巻だしロール 13 ベースフィルム 14 巻き取りロール 15 ルツボ 16 電子ビーム 17 防着板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多階層構造のCoO斜め蒸着磁気記録媒体
    において、ベ−ス面側の磁性層の酸素濃度が表層側の磁
    性層の酸素濃度よりも大きいことを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】単層構造のCoO斜め蒸着磁気記録媒体に
    おいて、磁性層中のベ−ス面側の酸素濃度が表層側より
    も大きいことを特徴とする磁気記録媒体。
JP33281896A 1996-11-28 1996-11-28 磁気記録媒体 Pending JPH10162342A (ja)

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JP33281896A JPH10162342A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 磁気記録媒体

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JP33281896A JPH10162342A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 磁気記録媒体

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