JPH10160482A - 外力検出装置の製造方法 - Google Patents

外力検出装置の製造方法

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JPH10160482A
JPH10160482A JP8338887A JP33888796A JPH10160482A JP H10160482 A JPH10160482 A JP H10160482A JP 8338887 A JP8338887 A JP 8338887A JP 33888796 A JP33888796 A JP 33888796A JP H10160482 A JPH10160482 A JP H10160482A
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glass substrate
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Masaya Tamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極接合時にガラス基板から発生する酸素ガ
スの量を減少させ、外力検出装置の検出部を減圧雰囲気
中に収容する。 【解決手段】 ガラス基板10を検出部が形成されたシ
リコン基板に減圧雰囲気中で陽極接合する前に、電圧印
加板21とガラス基板10を密接させた状態で、これら
に加熱条件下で高電圧を付与し、ガラス基板10から酸
素ガスを放出させ、脱ガスを行う。これにより、陽極接
合時にガラス基板10から発生する酸素ガスの量を減少
させることができる。ここで、電圧印加板21は、導電
性材料からなる板体22と、難酸化材料からなる薄膜2
3とから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば加速度、角
速度等の外力を検出する外力検出装置の製造方法に関
し、特に、ガラス材料からなる基板と導電性材料からな
る基板とを減圧雰囲気中で陽極接合することにより、各
基板の間に検出部を収容するようにした外力検出装置の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両等に作用する加速度、角速
度の検出や、カメラの手ぶれ検出等を行う外力検出装置
は、例えば、特開昭62−118260号、特開平4−
242114号、特開平7−245416号公報等によ
り知られている。
【0003】このような外力検出装置の多くは、例え
ば、シリコン基板と、該シリコン基板上に設けられた検
出部と、該検出部を上側から覆うように前記シリコン基
板上に設けられたガラス基板とから構成されている。ま
た、シリコン基板とガラス基板は、陽極接合法により接
合されており、これにより、検出部は、シリコン基板と
ガラス基板との間に形成された密閉空間(キャビティ)
内に収容されている。
【0004】また、前記検出部は、大きさが例えば20
0×400(μm)程度の微細な振動子を、極細の支持
梁によって支持する構成となっており、前記振動子と支
持梁は、マイクロマシニング技術によりシリコン基板上
に形成されている。
【0005】そして、このような外力検出装置によって
角速度を検出する場合には、振動子を例えばX軸方向に
振動させる。この状態で、X軸と直交するY軸を回転軸
とする角速度が作用すると、振動子は、コリオリ力によ
ってX軸、Y軸とそれぞれ直交するZ軸方向に変位す
る。この振動子のZ軸方向の変位を静電容量の変化や圧
電体の変形等により検出することによって角速度を求め
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による外力検出装置の検出部を構成する振動子
は、非常に微細である。このため、振動子を大気中で振
動させたのでは、空気のダンピングの影響が大きくな
り、振動子を高速に振動させることができない。この結
果、角速度の検出感度が大幅に低下するという問題があ
った。
【0007】そこで、従来技術による外力検出装置は、
シリコン基板とガラス基板を減圧雰囲気中で陽極接合す
ることにより、検出部をシリコン基板とガラス基板との
間に形成された密閉空間内に収容するようにしている。
これにより、検出部の周囲を減圧することができ、振動
子を高速に振動させるようにして角速度の検出感度の向
上を図ることが可能である。
【0008】しかし、ガラス基板とシリコン基板を陽極
接合すると、ガラス基板から酸素ガスが発生し、この酸
素ガスがガラス基板とシリコン基板との間の密閉空間内
に残留する。即ち、検出部をガラス基板から発生した酸
素ガスと共に密閉空間内に封止してしまい、検出部の周
囲を十分に減圧することができない場合がある。
【0009】この結果、従来技術による外力検出装置で
は、酸素ガスのダンピングの影響によって振動子を高速
に振動させることができず、角速度の検出感度が低下す
るという問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、検出部を減圧雰囲気中に収容することが
でき、外力の検出感度を向上させることができる外力検
出装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1に係る発明は、ガラス材料からなる第1
の基板に加熱条件下で電圧を印加し、該第1の基板から
酸素ガスを発生させる脱ガス工程と、該脱ガス工程とは
別個に、導電性材料からなる第2の基板に外力を検出す
る検出部を形成する検出部形成工程と、前記脱ガス工程
を経た第1の基板と該検出部形成工程によって検出部が
形成された前記第2の基板との間に当該検出部を収容し
た状態で、前記第1の基板と第2の基板とを減圧雰囲気
中で陽極接合する陽極接合工程とから構成したことにあ
る。
【0012】上記構成のように、まず、脱ガス工程で
は、ガラス材料からなる第1の基板を例えば300〜5
00度程度に加熱し、該第1の基板に例えば1000V
の電圧を印加する。これにより、第1の基板から酸素ガ
スを発生させ、第1の基板の脱ガスを行う。
【0013】一方、検出部形成工程では、例えば、シリ
コン等の導電性材料からなる第2の基板に、例えばエッ
チング等の処理を施して、外力を検出する検出部を形成
する。
【0014】次に、陽極接合工程では、前記脱ガス工程
を経た第1の基板と検出部が形成された第2の基板とを
陽極接合する。即ち、第1の基板と第2の基板との間に
検出部を収容するように、第1の基板と第2の基板を当
接させ、これら各基板を減圧雰囲気中で例えば300度
〜500度程度に加熱し、これら各基板に例えば100
0V程度の電圧を印加する。これにより、第1の基板と
第2の基板が強固に接合される。
【0015】ここで、第1の基板には、脱ガス工程で、
陽極接合時とほぼ同様に、加熱条件下で高電圧が印加さ
れており、これにより、第1の基板は、既に酸素ガスを
放出している。従って、陽極接合工程で、第1の基板と
第2の基板に加熱条件下で高電圧を印加しても、第1の
基板から発生する酸素ガスは少量となる。この結果、第
1の基板と第2の基板との間に残留する酸素ガスの量を
減少させることができ、検出部を減圧雰囲気中に収容す
ることができる。
【0016】請求項2に係る発明は、脱ガス工程を、第
1の基板と表面が難酸化材料からなる導電板とを当接さ
せて配置する基板配置工程と、第1の基板と導電板とを
当接させた状態で、該第1の基板と導電板に加熱条件下
で電圧を印加する電圧印加工程と、電圧印加工程の後、
第1の基板と導電板とを分離する分離工程とから構成し
たことにある。
【0017】上記構成より、基板配置工程で第1の基板
と導電板とのそれぞれの表面を当接させ、電圧印加工程
で第1の基板と導電板を例えば、300〜500度程度
の温度で加熱し、これら第1の基板と導電板に例えば1
000V程度の電圧を印加する。これにより、第1の基
板に電界が加わるため、第1の基板から酸素ガスが発生
する。
【0018】このように、第1の基板から十分に酸素ガ
スを発生させて脱ガスを行った後、分離工程では、第1
の基板と導電板とを分離させる。ここで、脱ガス工程で
用いる導電板は、表面が難酸化材料、即ち、酸化しない
か非常に酸化しにくい材料で形成されている。このた
め、導電板に加熱条件下で高電圧を印加しても、導電板
の表面はほとんど酸化しない。これにより、電圧印加工
程で第1の基板と導電板に加熱条件下で高電圧を印加し
ても、第1の基板と導電板は接合されないか、あるいは
ごく弱く接合される程度である。従って、第1の基板と
導電板は容易に分離することができる。
【0019】請求項3に係る発明は、脱ガス工程で用い
る導電板を、導電性材料からなる板体と、該板体の表面
に設けられ難酸化材料からなる薄膜とから構成したこと
にある。
【0020】このように構成したことにより、脱ガス工
程において、第1の基板と導電板とを当接させた状態
で、これらに加熱条件下で高電圧を印加しても、第1の
基板と導電板とが強固に接合されることはない。従っ
て、第1の基板と導電板に加熱条件下で高電圧を印加し
た後、第1の基板と導電板とを容易に分離させることが
できる。
【0021】請求項4に係る発明は、導電板の薄膜に用
いる難酸化材料を、酸化シリコン、窒化シリコン、白金
または金としたことにある。これにより、導電板の表面
を酸化しないか、または酸化しにくい状態にすることが
できる。
【0022】請求項5に係る発明は、脱ガス工程で用い
る導電板を、導電性を有し、かつ難酸化性を有する単一
の材料により構成したことにある。
【0023】このように構成することによっても、脱ガ
ス工程において、第1の基板に加熱条件下で高電圧を印
加することができ、その後、第1の基板と導電板とを容
易に分離させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態として
角速度検出装置の製造方法について詳述する。まず、製
造方法の対象となる角速度検出装置の構成について図
1、図2に基づいて説明する。
【0025】図中、1はマイクロマシニング技術により
製造された外力検出装置としての角速度検出装置であ
る。2は高抵抗なシリコン材料からなるシリコン基板で
ある。3はシリコン基板2上に設けられた検出部であ
り、該検出部3は、例えば、P(リン),B(ホウ
素),Sb(アンチモン)等の不純物がドーピングされ
た低抵抗なポリシリコンにより形成されている。
【0026】ここで、検出部3の詳細な構成について説
明すると、4,4はシリコン基板2上に設けられた支持
部である。5はシリコン基板2の表面から離間した状態
で設けられ、支持梁6,6,…を介して各支持部4に支
持された振動子を示し、該振動子5は図1中の矢示X方
向、矢示Z方向に変位可能となっている。また、該振動
子5の両側面には、くし状電極5A,5Aが設けられて
いる。
【0027】7,7は振動子5の両側に位置し、シリコ
ン基板2上に設けられた電極支持部であり、該各電極支
持部7の側面には、くし状電極7Aが設けられ、該各く
し状電極7Aは、振動子5の各くし状電極5Aと離間し
た状態で噛合している。
【0028】8は振動子5の下側に位置してシリコン基
板2の表面に設けられた電極板を示し、該電極板8は、
振動子5がコリオリ力により矢示Z方向に変位したとき
に、その変位量を検出するものである。
【0029】ここで、検出部3の動作について説明す
る。即ち、振動子5のくし状電極5Aと電極支持部7の
くし状電極7Aとの間に駆動信号を印加し、振動子5を
矢示X方向に振動させる。この状態で、角速度検出装置
に回転軸Y−Y周りの角速度Ωが作用すると、振動子5
にコリオリ力が作用し、このコリオリ力の大きさに対応
して振動子5が矢示Z方向に変位する。これにより、振
動子5と電極板8との離間距離が変化する。この離間距
離の変化を、振動子5と電極板8との間の静電容量の変
化により検出し、角速度の大きさを測定する。
【0030】一方、9は前記検出部3の周囲を取り囲む
ようにシリコン基板2上に設けられた枠部であり、該枠
部9は、検出部3と同様に、ポリシリコン等の低抵抗シ
リコンによって形成されている。
【0031】10はガラス材料からなり、検出部3を上
側から覆うようにシリコン基板2上に設けられたガラス
基板を示し、該ガラス基板10の下面は、検出部3の電
極支持部7、枠部9と接合するための接合面10Aとな
っている。また、ガラス基板10の下面の中央には、凹
陥部10Bが設けられている。そして、ガラス基板10
を、図2に示すように、電極支持部7、枠部9に接合し
たとき、ガラス基板10とシリコン基板2との間には密
閉空間11が形成され、この密閉空間11内に検出部3
が封止されるようになる。また、ガラス基板10にはス
ルーホール10Cが4箇所設けられ、該スルーホール1
0Cには、導電ペーストが充填されている。
【0032】なお、前記ガラス基板10が第1の基板に
相当し、前記シリコン基板2と枠部9が第2の基板に相
当する。
【0033】次に、角速度検出装置1の製造方法につい
て図3ないし図10に基づいて説明する。
【0034】まず、ガラス基板加工工程では、図3に示
すように、エッチングによりガラス基板10に凹陥部1
0Bを形成し、サンドブラスト、エッチング、レーザー
等によりガラス基板10に各スルーホール10Cを形成
する。なお、本実施例では、ガラス基板10に電極を設
ける構成ではないが、ガラス基板10に電極を設ける構
成の他の角速度検出装置の場合には、このガラス基板加
工工程でガラス基板10に電極を設けるようにする。
【0035】次に、脱ガス工程では、図4ないし図6に
示すように、ガラス基板10に加熱条件下で電圧を印加
する。これにより、ガラス基板10から酸素ガスを発生
させ、ガラス基板10の脱ガスを行う。
【0036】ここで、この脱ガス工程は、後述する基板
配置工程と、電圧印加工程と、分離工程とから構成され
ている。
【0037】即ち、基板配置工程では、図4に示すよう
に、ガラス基板10を電圧印加板21上に配置し、図5
に示すように、ガラス基板10の接合面10Aと電圧印
加板21の表面21Aとを密着するように当接させる。
【0038】ここで、電圧印加板21は、その表面21
Aが難酸化材料、即ち、酸化しないか、非常に酸化しに
くい材料で覆われた導電板である。具体的に説明する
と、電圧印加板21は、例えばシリコン、鉄、ステンレ
ス等の導電性材料からなる板体22と、該板体22の上
面に設けられ、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、
金、白金等の少なくとも酸化しにくい材料からなる薄膜
23とから構成されている。
【0039】この電圧印加板21は、後述する電圧印加
工程で、ガラス基板10に電圧を印加するための専用の
導電板であり、その表面21Aがガラス基板10の接合
面10Aに当接させることができる程度に平らで、表面
21Aが少なくとも酸化しにくく、かつ、ガラス基板1
0に電界を付与できるものであれば、上述したような構
成に限らない。例えば、電圧印加板21全体を一枚の金
または白金によって構成してもよい。
【0040】また、ガラス基板10の接合面10A全面
に電圧印加板21の表面21Aを当接させることができ
ればよいため、電圧印加板21の大きさ(面積)は、ガ
ラス基板10の大きさと同等か、ガラス基板10よりも
大きければよい。例えば、電圧印加板21の面積を大き
くし、複数個のガラス基板10を電圧印加板21上に載
せ、一度に複数個のガラス基板10について後述する電
圧印加工程を行うようにしてもよい。
【0041】次に、電圧印加工程では、ガラス基板10
と電圧印加板21を、例えば300〜500度程度に加
熱する。そして、このような加熱条件下において、ガラ
ス基板10と電圧印加板21に、図5に示すように直流
の高電圧電源24を接続し、ガラス基板10と電圧印加
板21に、例えば1000V程度の電圧を印加する。こ
れにより、高電圧電源24からの電流が電圧印加板21
を通過してガラス基板10に向けて流れ、ガラス基板1
0に電界が加わる。このため、ガラス基板10から酸素
ガスが発生し、ガラス基板10の脱ガスが行われる。
【0042】次に、分離工程では、図6に示すように、
ガラス基板10と電圧印加板21とを分離する。ここ
で、電圧印加板21は、表面21Aが薄膜23で覆われ
ており、表面21Aが酸化しないか、非常に酸化しにく
い状態となっている。このため、前述した電圧印加工程
で、ガラス基板10と電圧印加板21を加熱し、高電圧
を印加しても、ガラス基板10と電圧印加板21は接合
されないか、あるいはごく弱く接合される程度である。
従って、ガラス基板10と電圧印加板21は、僅かな力
を加える程度で、容易に分離することができる。
【0043】一方、検出部形成工程では、図7に示すよ
うに、シリコン基板2上に検出部3と枠部9を形成す
る。まず、シリコン基板2上に電極板8を形成する。そ
の後、例えば、P(リン),B(ホウ素),Sb(アン
チモン)等の不純物がドーピングされた低抵抗なポリシ
リコン膜をシリコン基板2上に成膜し、このポリシリコ
ン膜にエッチングを施すことにより支持部4,振動子
5,支持梁6,電極支持部7等を形成する。また、枠部
9は、このポリシリコン膜にエッチングを施す際に、同
時に形成する。
【0044】なお、シリコン基板2上にポリシリコン膜
を形成した後に、このポリシリコン膜に上記不純物をド
ーピングすることにより、このポリシリコン膜を低抵抗
化し、その後、エッチング等により支持部4,振動子
5,支持梁6,電極支持部7等を形成してもよい。
【0045】次に、陽極接合工程では、図8に示すよう
に、脱ガス工程で脱ガスを行ったガラス基板10を、検
出部3を覆うようにシリコン基板2の上側に配置し、図
9に示すように、ガラス基板10の接合面10Aと、シ
リコン基板2に設けられた各電極支持部7、枠部9の上
面とを当接させる。この状態でガラス基板10とシリコ
ン基板2を真空中または減圧雰囲気中で陽極接合する。
即ち、ガラス基板10とシリコン基板2を真空中または
減圧雰囲気中で例えば300〜500度程度に加熱し、
これらの基板に、例えば1000V程度の高電圧を印加
する。これにより、ガラス基板10とシリコン基板2が
強固に接合される。
【0046】ここで、ガラス基板10は、前述した脱ガ
ス工程で、陽極接合とほぼ同様に加熱条件下で高電圧が
印加されることにより、既に酸素ガスを放出している。
従って、陽極接合工程で、ガラス基板10とシリコン基
板2を加熱し、高電圧を印加しても、ガラス基板10か
ら発生する酸素ガスは少量である。この結果、ガラス基
板10とシリコン基板2との間に形成される密閉空間1
1内に残留する酸素ガスの量を減少させることができ、
検出部3を減圧雰囲気中に封止することができる。
【0047】さらに、ガラス基板10に設けられた各ス
ルーホール10C内に導電ペーストを充填し、角速度検
出装置1は完成する。
【0048】かくして、本実施例によれば、ガラス基板
10とシリコン基板2とを陽極接合する前に、脱ガス工
程でガラス基板10を高温に加熱し、ガラス基板10に
高電圧を印加することによって、ガラス基板10から酸
素を放出させ、脱ガスを行う構成としたから、陽極接合
時にガラス基板10から発生する酸素ガスの量を減少さ
せることができる。
【0049】これにより、ガラス基板10とシリコン基
板2との間に形成される密閉空間11内に残留する酸素
ガスの量を減少させ、密閉空間11内を減圧することが
できる。従って、角速度検出装置1の検出部3を減圧雰
囲気中に封止することができ、検出部3に作用する酸素
ガスのダンピングの影響を減らして、検出部3による角
速度の検出感度を向上させることができる。
【0050】また、本実施例によれば、脱ガス工程で、
電圧印加板21を用い、ガラス基板10の接合面10A
と電圧印加板21の表面21Aとを密着させるようにし
たから、ガラス基板10の接合面10Aの全面に電界を
付与することができ、ガラス基板10の酸素ガスの放出
を促進させることができる。
【0051】さらに、本実施例によれば、脱ガス工程で
用いる電圧印加板21を板体22と薄膜23により構成
し、板体22を導電性のある材料、即ち、導電性材料に
より形成し、薄膜23を難酸化材料により形成する構成
としたから、ガラス基板10に電界を付与できると共
に、分離工程ではガラス基板10を電圧印加板21から
容易に分離させることができる。
【0052】なお、前記実施例では、ガラス基板加工工
程でガラス基板10に凹陥部10B等を形成してから、
脱ガス工程で、ガラス基板10を加熱し、高電圧を印加
する構成としたが、ガラス基板10に凹陥部10Bを設
ける等の加工をする前に、ガラス基板10を加熱し、高
電圧を印加する構成としても、脱ガスの効果を得ること
ができる。
【0053】また、前記実施例では、図4ないし図6に
示す脱ガス工程の後に、図7に示す検出部形成工程を記
載したが、脱ガス工程と検出部形成工程は別個に行われ
るので、両工程の時間的な順番はこれに限るものではな
い。例えば、検出形成工程を脱ガス工程の先に行っても
よい。また、脱ガス工程と検出部形成工程とを異なる工
場や製造ラインで行ってもよい。
【0054】また、前記実施例では、電圧印加工程等を
経たガラス基板10を、角速度検出装置1の検出部3を
上側から覆う、いわゆる蓋として用いる構成を例に挙げ
たが、脱ガス工程を経たガラス基板を角速度検出装置の
下側(ベース側)の基板として用いてもよい。一方、2
枚のガラス基板によって、検出部3を上下から挟み込む
構成の角速度検出装置では、脱ガス工程を経たガラス基
板を、蓋とベース側の基板の双方に用いてもよい。
【0055】さらに、前記実施例では、外力検出装置の
製造方法として、角速度検出装置の製造方法を例に挙げ
たが、本発明はこれに限らず、加速度検出装置等の他の
外力検出装置の製造方法にも適用することができる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したとおり、請求項1に係る発
明によれば、ガラス材料からなる第1の基板に加熱条件
下で電圧を印加し、該第1の基板から酸素ガスを発生さ
せる脱ガス工程と、該脱ガス工程とは別個に、導電性材
料からなる第2の基板に外力を検出する検出部を形成す
る検出部形成工程と、前記脱ガス工程を経た第1の基板
と該検出部形成工程によって検出部が形成された前記第
2の基板との間に当該検出部を収容した状態で、前記第
1の基板と第2の基板とを陽極接合する陽極接合工程と
から構成したから、陽極接合工程で第1の基板から発生
する酸素ガスの量を減少させることができる。これによ
り、検出部を減圧雰囲気中に収容することができ、外力
の検出感度を向上させることができる。
【0057】請求項2に係る発明によれば、脱ガス工程
を、第1の基板と表面が難酸化材料からなる導電板とを
当接させて配置する基板配置工程と、第1の基板と導電
板とを当接させた状態で、該第1の基板と導電板に加熱
条件下で電圧を印加する電圧印加工程と、電圧印加工程
の後、第1の基板と導電板とを分離する分離工程とから
構成したから、脱ガス工程において、導電板を介して第
1の基板の表面全体に電圧を印加することができ、第1
の基板からの酸素ガスの放出を促進させることができ
る。
【0058】請求項3に係る発明によれば、脱ガス工程
で用いる導電板を、導電性材料からなる板体と、該板体
の表面に設けられ難酸化材料からなる薄膜とから構成し
たから、脱ガス工程において、第1の基板と導電板とを
当接させ、これら各基板に加熱条件下で高電圧を印加し
た後、第1の基板と導電板を容易に分離させることがで
きる。
【0059】請求項4に係る発明によれば、導電板に用
いる難酸化材料を、酸化シリコン、窒化シリコン、白金
または金としたことにより、脱ガス工程において第1の
基板と導電板を容易に分離させることができる。
【0060】請求項5に係る発明によれば、脱ガス工程
で用いる導電板を、導電性を有し、かつ難酸化性を有す
る単一の材料により構成したから、脱ガス工程において
第1の基板に高電圧を印加することができ、その後、第
1の基板と導電板を容易に分離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例による角速度検出装置を示す分解斜視
図である。
【図2】図1中の角速度検出装置をシリコン基板とガラ
ス基板とを接合した状態で矢示II−II方向からみた断面
図である。
【図3】ガラス基板加工工程において、ガラス基板に凹
陥部、スルーホールを形成した状態を示す断面図であ
る。
【図4】基板配置工程において、ガラス基板と電圧印加
板とを当接させる前の状態を示す断面図である。
【図5】電圧印加工程において、ガラス基板と電圧印加
板とに電圧を印加している状態を示す断面図である。
【図6】分離工程において、ガラス基板と電圧印加板と
を分離させた状態を示す断面図である。
【図7】検出部形成工程において、シリコン基板上に検
出部を形成した状態を示す断面図である。
【図8】陽極接合工程において、ガラス基板をシリコン
基板側に接合する前の状態を示す断面図である。
【図9】陽極接合工程において、ガラス基板、シリコン
基板等に電圧を印加している状態を示す断面図である。
【図10】ガラス基板の各スルーホールに導電ペースト
を充填し、角速度検出装置が完成した状態を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 角速度検出装置(外力検出装置) 2 シリコン基板(第2の基板) 3 検出部 9 枠部(第2の基板) 10 ガラス基板 11 密閉空間 21 電圧印加板(導電板) 22 板体 23 薄膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス材料からなる第1の基板に加熱条
    件下で電圧を印加し、該第1の基板から酸素ガスを発生
    させる脱ガス工程と、 該脱ガス工程とは別個に、導電性材料からなる第2の基
    板に外力を検出する検出部を形成する検出部形成工程
    と、 前記脱ガス工程を経た第1の基板と該検出部形成工程に
    よって検出部が形成された前記第2の基板との間に当該
    検出部を収容した状態で、前記第1の基板と第2の基板
    とを減圧雰囲気中で陽極接合する陽極接合工程とから構
    成してなる外力検出装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記脱ガス工程は、前記第1の基板と表
    面が難酸化材料からなる導電板とを当接させて配置する
    基板配置工程と、 前記第1の基板と導電板とを当接させた状態で、該第1
    の基板と導電板に加熱条件下で電圧を印加する電圧印加
    工程と、 該電圧印加工程の後、前記第1の基板と導電板とを分離
    する分離工程とから構成してなる請求項1に記載の外力
    検出装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記脱ガス工程で用いる導電板を、導電
    性材料からなる板体と、該板体の表面に設けられ難酸化
    材料からなる薄膜とから構成してなる請求項2に記載の
    外力検出装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記導電板の薄膜に用いる難酸化材料
    は、酸化シリコン、窒化シリコン、白金または金である
    請求項2または3に記載の外力検出装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記脱ガス工程で用いる導電板を、導電
    性を有し、かつ難酸化性を有する単一の材料により構成
    してなる請求項2に記載の外力検出装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000141300A (ja) * 1998-04-17 2000-05-23 Cp Clare Corp 内部空洞を有する微小構造体の作製方法
JP2003516634A (ja) * 1999-12-10 2003-05-13 シェルケース リミティド パッケージ形集積回路装置の製造方法およびその製造方法により製作されたパッケージ形集積回路装置
CN1307683C (zh) * 2003-08-22 2007-03-28 沈阳仪表科学研究院 一种传感器小间隙非粘连静电封接方法

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