JPH10151301A - 混合液から晶析により物質を分離乃至精製する方法 - Google Patents

混合液から晶析により物質を分離乃至精製する方法

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JPH10151301A
JPH10151301A JP8314717A JP31471796A JPH10151301A JP H10151301 A JPH10151301 A JP H10151301A JP 8314717 A JP8314717 A JP 8314717A JP 31471796 A JP31471796 A JP 31471796A JP H10151301 A JPH10151301 A JP H10151301A
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Norio Ono
憲男 大野
Taketo Ishizaki
武人 石崎
Shinichi Yamamoto
信市 山本
Masamitsu Matsuno
雅光 松野
Masayuki Takeda
正雪 武田
Mitsunori Kuroki
満則 黒木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応生成物等の混合液から、目的とする結晶
性物質を効率良く、且つ高純度で分離乃至精製する改良
された昌析方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 分離乃至精製すべき結晶性物質の晶出温
度より高温で相分離する共存成分を含有する混合液から
晶析により目的物結晶を分離乃至精製する方法に於い
て、晶析溶媒を含む晶析処理液系中の前記共存成分濃度
を1.5重量%以下にコントロールした後、目的物を晶
出させることを特徴とする結晶性物質の分離乃至精製方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、混合液から晶析により効
率よく、高純度な化合物乃至単体等の結晶性物質を分離
又は精製する方法に関する。特に、反応生成物混合液系
からのレゾルシンの分離乃至精製法に適し、更には、メ
タ-ジイソプロピルベンゼン(m−DIPB)の酸化に
より得られるメタ-ジヒドロペルオキシド(m−DH
P)の酸分解生成物混合液系中からレゾルシンを単離精
製するのに特に好適な、晶析による精製方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】混合物系から化合物乃至単体等の
物質を分離乃至精製する方法としては、蒸留、抽出、昇
華等種々の方法が知られているが、目的物が分解温度等
の制限により蒸留等他の分離、精製手段の適用が困難で
あるか、工業的に実施困難、又は高価となる場合等に於
いて、該物質が結晶化可能な化合物乃至単体等の物質で
ある場合、その精製にはしばしば晶析が適用されること
は良く知られている。
【0003】しかるに、晶析に供される供給混合物系の
状態、即ち、分離乃至精製を目的とする化合物等の種
類、共存する目的物以外の成分の種類、及びそれらの成
分含有量の量的関係如何によっては、晶析温度、圧力、
晶析溶媒等の操作条件をいくら変更しても化合物を目的
とする純度まで精製できないケースがしばしば経験され
る。
【0004】この様なケースの1例として、反応混合物
からのレゾルシンの単離精製を挙げることが出来る。即
ち、メタ−ジイソプロピルベンゼン(m−DIPB)を
塩基の存在下に分子状酸素で酸化することによってメタ
−ジヒドロペルオキシド(m−DHP)が得られ、この
m−DHPを酸分解するとレゾルシンとアセトンが得ら
れることはよく知られており、また、m−DIPBの酸
化によって得られるm−DHPが含まれた酸化生成物を
酸化分解するに際して、芳香族炭化水素、ジアルキルケ
トンなどの非水溶性溶媒にm−DHPを抽出して酸分解
する方法も知られている。さらに、m−DIPBからm
−DHPへの転化率を向上させるためm−DIPBの酸
化反応生成物中に過酸化水素水を添加してさらに酸化す
る方法も知られている(特開昭53−23939号
等)。
【0005】ところで、m−DIPBの酸化によって得
られるm−DHPが含まれた酸化反応生成物を酸分解す
ると、レゾルシンおよびアセトンの生成に加えて副生成
物としてのm−イソプロピルフェノール(以下m−IP
P)とともにm−イソプロペニルフェノール(以下m−
IPeP)などのオレフィン類、m−ヒドロキシ−α、
α−ジメチルベンジルアルコール(m−CP)等のカル
ビノール類、m−ヒドロキシアセトフェノン(以下m−
HA)、m−イソプロペニルアセトフェノン(以下m−
IPeA)等のケトン類やレゾルシンとm−IPePが
更に反応した4−(3−ヒドロキシクミル)レゾルシン
(以下CP−RS)等の高沸点物も同時に生成する。こ
の様な酸分解混合物からレゾルシンを回収する方法とし
ては、従来、脱アセトン塔、脱水塔でそれぞれアセト
ン、水を除去した後に脱溶媒塔で非水溶性溶媒を除去、
または、アセトンを除去した後、油/水分離し脱水塔で
水を除去(特開昭64−38)した後、蒸留または晶析
によってレゾルシンを精製する方法が行われていた。
【0006】ところが、蒸留では、蒸留中に高沸点物の
一部がより低沸点の物質に分解し、該分解不純物の一部
のものはレゾルシンと沸点が近似し、又あるものはレゾ
ルシンと共沸系を作る等のため通常の蒸留では、効率よ
く高純度のレゾルシンを高収率で得ることが困難である
と云う問題があった。
【0007】一方、この様な蒸留による精製法の不都合
を回避するため晶析による精製法を採用した場合、この
方法では晶析溶媒として、得られる製品の純度、レゾル
シン回収率等の面から芳香族炭化水素、ジアルキルケト
ンなどの非水溶性溶媒が使用されるが、この場合に於い
て、晶析液系中に水がある程度以上含まれている場合等
に、しばしば、レゾルシンの純度および回収率が低下す
ると言う不都合な事態が生ずる。本発明者等は、上記し
たレゾルシン、未反応原料、反応副生物、不純物、溶
媒、水等を含む混合液系から晶析によって安定的に、高
純度のレゾルシンを収率良く得る方法について種々の実
験、検討を行った過程に於いて、該混合液系を冷却して
目的物であるレゾルシンを析出させる工程途中で、該レ
ゾルシンの晶出する温度に達する前に、水等の他成分が
相分離し、例えば濁りを発生する様な系に於いては、そ
のような混合系を更に冷却して得られた晶出レゾルシン
はその純度が、その様な濁り(相分離)の発生が見られ
なかった系から晶出したレゾルシンの純度に比べて著し
く純度が劣り、又収率も低いことを発見した。
【0008】この知見に基き、更に、他の種々の混合液
系から目的物質を晶析によって分離精製する研究を重ね
た結果、上記レゾルシンを含有する系以外でも一般に、
目的物の晶出温度より高温で晶析系から相分離する水等
の共存成分を含有する混合液系では、晶析によって目的
化合物を分離又は精製する過程に於いて、晶析液系を目
的物の晶析温度にまで冷却する途中の温度で溶液全体が
結晶の析出ではない濁り(相分離)を発生した場合、温
度を更に低下させて晶出させた目的物質は、その純度お
よび回収率が、濁りが生じない場合の系の晶出物の純度
及び回収率に比較して著しく低くなることを知った。
【0009】又更に、この様な晶析系に於いて、目的物
が晶出する温度に到達する前に水等の相分離物質を除去
する等の手段により、該系中の相分離物質の含有率を
1.5重量%以下になるようにコントロールすると、上
記した不都合を回避することが出来ることを見い出し、
この知見に基き本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、混合液から、晶析により目的物質を分離乃至精製す
るに際し、上記した問題点が解決され、高純度の目的物
が収率良く得られる改良された晶析方法を提供すること
にある。特に、上記方法の一態様として、m−DIPB
の酸化により得られたm−DHPを酸分解して得られる
酸分解生成物中から高純度のレゾルシンを晶析により高
い回収率で得ることの出来るレゾルシンの精製方法を提
供するにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、分離
乃至精製すべき結晶性物質の晶出温度より高温で相分離
する共存成分を含有する混合液から晶析により目的物結
晶を分離乃至精製する方法に於いて、晶析溶媒を含む晶
析処理液系中の前記共存成分濃度を1.5重量%以下に
コントロールした後、目的物を晶出させることを特徴と
する結晶性物質の分離乃至精製方法が提供される。
【0012】本発明の方法では、晶析系から目的物結晶
の晶出が始まる迄に、前記水等の相分離夾雑成分を、系
中濃度1.5重量%以下に調節し、該晶出時に水等の夾
雑物が相分離を生じない状態で晶析操作を行う点が特に
重要である。
【0013】これにより既に述べたように混合液系から
該目的とする化合物等の物質を高純度で単離する事が出
来る。目的物の晶出が始まった後に該水等の夾雑物を除
去して、系中濃度を1.5重量%以下にしても本発明の
効果を得ることは出来ない。
【0014】本発明の方法のこの効果がどのようなメカ
ニズム、作用により達成されるかについては、未だ十分
には解明されていないが、例えば、本発明の方法が適用
される典型的なケースであるメタ−ジイソプロピルベン
ゼン(m−DIPB)の酸化、酸分解、により得られた
反応混合物からレゾルシンを晶析精製する場合、該反応
生成液中にはアセトン、レゾルシンと共に水、m−イソ
プロピルフェノール(m−IPP)、m−イソプロペニ
ルフェノール(m−IPeP)、m−ヒドロキシ−a、
a−ジメチルベンジルアルコール(m−CP)、m−ヒ
ドロキシアセトフェノン(m−HA)、m−イソプロペ
ニルアセトフェノン(m−IPeA)、4−(3−ヒド
ロキシクミル)レゾルシン(CP−RS)等多数の副生
不純物が含まれている。
【0015】また、系中に存在する目的生成物であるレ
ゾルシン自体、水との親和性が良く可成りの相溶性を有
し、また、副生不純物の内には水に対して大きな相溶性
を有する化合物も多く存在する。
【0016】従って、系中に存在する水はこれらの有機
化合物類と相溶した状態の混合溶液として存在する。こ
の様な混合系に晶析溶媒を加え、温度を低下させてその
ままレゾルシンを晶出させると、水に親和性を有する有
機不純物を含有する水相が分散状に晶析時に生成し、こ
れが析出したレゾルシン結晶に吸着乃至吸蔵される。該
水相中に含まれてくる有機不純物にはレゾルシンと水素
結合等により弱く結合し、然も沸点等の物性がレゾルシ
ンに近似するものもあり、一旦レゾルシン結晶に吸蔵、
吸着されると通常の手段では容易に分離しがたい。
【0017】本発明では、この様な通常の晶析手段では
高純度の目的化合物結晶を得ることの困難な系におい
て、目的物の晶出が開始される前に、結晶析出後では該
結晶から分離、除去することが困難な有機不純物を含有
する水相を特定濃度以下になるように除去することによ
り晶出された結晶の純度を向上させるものである。
【0018】
【発明の好適態様】本発明の晶析方法は、目的結晶性物
質の晶出温度より高温で相分離する共存成分を含有する
混合液系に適用され、晶析溶媒を含む処理液系中に占め
る前記共存成分の含有率を1.5重量%以下にコントロ
ールして目的物を晶出させることを特徴とするものであ
るが、本発明の方法が好適に適用される系としては、分
離乃至精製すべき目的化合物がヒドロキシル基、カルボ
ニル基、カルボキシル基の何れかを少なくとも1個有す
る芳香族化合物、或いはこれらの置換基を組合せで分子
内に有する芳香族化合物であって、この目的化合物に他
の夾雑有機化合物及び水、有機溶媒等を含む混合液系を
挙げることが出来る。
【0019】具体的には、例えば、前記レゾルシン以外
に、フェノール、クレゾール、ニトロフェノール、アミ
ノフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシベンズ
アルデヒド、カテコール、ハイドロキノン、ナフトール
等のフェノール性置換基を有する芳香族化合物を、該化
合物を含む反応生成混合物から分離精製する場合等を挙
げることが出来る。
【0020】以下に、本発明の方法が最も好適に適用さ
れるメタ−ジイソプロピルベンゼン(m−DIPB)の
酸化、酸分解により得られた反応混合物からレゾルシン
を晶析精製する場合を例にとって本発明を更に具体的に
説明する。
【0021】m−DIPBの酸化によって得られるメタ
−ジヒドロペルオキシド(m−DHP)が含まれた酸化
反応生成物を酸分解するに際して、芳香族炭化水素、ジ
アルキルケトン等の非水溶性溶媒にm−DIPBを抽出
して酸分解する方法が一般に行われる。更に、m−DI
PBからm−DHPへの転化率を向上させるためm−D
IPBの酸化反応生成物中に過酸化水素水を添加して更
に酸化することも一般に行われている。
【0022】m−DIPBの酸化によって得られるメタ
−ジヒドロペルオキシド(m−DHP)が含まれた酸化
反応生成物を酸分解すると、レゾルシン及びアセトンの
生成に加えて副生物としてm−イソプロピルフェノー
ル、m−イソプロペニルフェノール等のアルキル基置換
フェノール類、m−ヒドロキシーα、αージメチルベン
ジルアルコール等のカルビノール類、m−ヒドロキシア
セトフェノン、m−イソプロペニルアセトフェノン等の
ケトン類及び前記アルキル置換フェノール類とレゾルシ
ンが反応した4ー(3ーヒドロキシクミル)レゾルシン
等の種々の高沸点不純物が同時に生成する。
【0023】これらの酸分解混合物からレゾルシンを回
収する工業規模での方法としては、通常、先ず、脱アセ
トン塔、脱水塔でそれぞれアセトン、水を分離除去した
後に脱溶媒塔で非水溶性溶媒を除去するか、又は、アセ
トンを除去した後、セパレータで油/水分離し、更に脱
水塔で水を除去した後、蒸留又は晶析によってレゾルシ
ンを精製単離する方法が一般的に行われている。本発明
は、この晶析工程に於いて、晶析時の系内の水濃度をコ
ントロールし高純度のレゾルシンを高い回収率で得よう
とするものである。
【0024】本発明のこの晶析方法に於いては、被処理
供給液を晶析処理するに際して、晶析溶剤が添加され、
必ずしもこれに限定されるものではないが、晶析溶媒と
して非水溶性の有機溶剤が使用される。この様な晶析溶
媒として好適には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン、及びこれらの混合溶剤等の芳香族系炭化
水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びこれらの
混合溶剤等の脂肪族系炭化水素溶媒、MEK、ジエチル
ケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン、MIBK
等の非水溶性のジアルキルケトン類溶媒、ジエチルエー
テル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジア
ルキルエーテル類溶媒、及びこれらの混合溶媒等が用い
られる。
【0025】また、前記溶剤に加えて、更に以前に晶析
処理した目的物晶出後の残留母液(ラフィネート)を添
加しても良い。
【0026】本発明に於いては、上記溶剤、ラフィネー
ト(晶出残査母液)等を加えた供給混合液を、被晶析用
処理液として、該液の温度を逐次低下させる等の操作に
より目的物結晶を析出させるに際し、該結晶の析出以前
に、あらかじめ晶析系の水分含有量を1.5%以下にコ
ントロールすることが必要で、好ましくは1%以下、特
に0.5%以下に晶析系中の水分含有率をコントロール
することが好ましい。晶析槽への供給液と晶析母液の合
量に対し溶媒濃度は、10乃至90%、好ましくは30
乃至80%、より好ましくは40乃至70%添加され
る。
【0027】本発明の方法に於いて、晶析系の水分含有
量を1.5%以下にコントロールする方法としては、具
体的には晶出系被処理液を減圧蒸留して水分等の夾雑相
分離成分を除去する方法、被処理液系中にN2等の不活
性ガスを吹き込み該ガスに水等の成分をベーパー状で同
伴させて除去する方法、脱水剤、例えばモレキュラシー
ブ等を用いて脱水する方法等を例示できる。これらの
内、特に減圧にして水分を除去する方法及び被処理液系
中に不活性ガスを吹き込む方法が好ましい。
【0028】[実施例1〜5、比較例1〜3]m−ジイ
ソプロピルベンゼン(m−DIPB)を塩基の存在下に
分子状酸素で酸化し、得られた反応混合物に非水溶性溶
媒としてトルエンを加えた後、水洗して塩基を除去し、
m−ヒドロキシハイドロペルオキシド(m−HHP)を
含むm−ジハイドロペルオキシドを得た後、これを硫酸
の存在下、過酸化水素で再酸化し、得られた再酸化生成
物を酸触媒により酸分解してアセトン、水、トルエン等
を含む粗レゾルシンを得た。
【0029】触媒を除いた後減圧蒸留によりアセトン、
水、トルエンを留去し、その後、熱分解/蒸留して、2
種類の留出液(晶析原料:表1)を得た。
【0030】
【表1】 注: m−IPP m−イソプロピルフェノール m−IPeP m−イソプロペニールフェノール m−HA m−ヒドロキシアセトフェノン RS レゾルシン CP−RS 4-(3-ヒドロキシクミル)レゾルシン L.B トータル RSより低沸点で、水、m−IPP,m−IPeP 、m−HA以外の物質の合計を表す。 H.B トータル RSより高沸点で、CP−RS以外の物質の合計を 表す。
【0031】晶析溶媒には芳香族炭化水素と共に、表2
に示した組成の熱分解/蒸留で得られた留出液を晶析し
た後の残留母液(ラフィネート)を使用した(但し表2
の液はラフィネートの液組成と同一に調製した調製液組
成)。
【0032】
【表2】
【0033】晶析は図1に示した装置を使用し、以下の
ように実施した。 (i) 図1に示した容量500mlのジャケット付き
セパラブルフラスコ中に表1に示した熱分解/蒸留留出
液(以下留出液)、表2に示した調製液ならびにトルエ
ンを加える。 (ii) 攪拌翼、コンデンサ、サーモウェルを取り付け
た後、ジャケットに温水を通し、フラスコ内の温度を9
5℃以上にする。 (iii) 500rpmの攪拌速度で留出液を完全に溶解
させる。 (iv)N2 吹き込み管からN2 ガスを1〜20L/m
inの流速で吹き込み、混合液中でバブリングさせて、
トルエン/水をベーパー状で同伴させコンデンサに導
き、コンデンサ内で冷却してトルエン/水を凝縮させ、
凝縮液を液/液分離管に溜め、分離した水を除去する。 (v) フラスコ内容液中の水分が1.5%以下になる
まで上記(iv)の操作を継続し、水分を充分除去した
後、内溶液を0.3℃/minの冷却速度で55℃にな
るまで冷却する。 (vi) 攪拌翼、コンデンサ、サーモウェルを取り外
し、内容物を小型遠心分離器に移し、固/液分離する。 (vii) 遠心分離された固体(ケーキ)に、留出液1
00部に対し50部のトルエンを振りかけリンスする。 (viii )室温で30mmHgの真空下、4時間乾燥を
行う。 この様にして得られたレゾルシン(RS)、ならびに比
較例としてN2を吹き込まず、内溶液中の水分が1.5
%以上含有されている以外は上記と同様に晶析処理して
得られたRSの各品質評価結果を表3、4に示す。
【0034】
【表3】 RS回収率:(ケーキ中のRS量/晶析前のRS量)×100
【0035】
【表4】 RS回収率:(ケーキ中のRS量/晶析前のRS量)×100
【0036】表3、4から、実施例1〜3ではN2 を吹
き込んで晶析前の水分量を少なくすることにより、N2
を吹き込まない以外は同一条件である比較例1〜3に比
較して、RS(レゾルシン結晶ケーキ)の純度が高く、
また回収率も高いことが分かる。 [実施例6、比較例4]溶媒及びリンス液にパラキシレ
ンを用いた以外は実施例1又は比較例1と同様にしてR
Sを得た(実施例6、比較例4)の評価結果を表5に示
す。
【0037】
【表5】 RS回収率:(ケーキ中のRS量/晶析前のRS量)×100
【0038】
【発明の効果】本発明の晶析精製法によれば、晶析槽内
の系中水分濃度をコントロールすることによって、従来
の通常の晶析方法では高純度精製が困難であった混合物
系から高純度の目的物質を高回収率で得ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の晶析方法で用いる晶析装置(実験用装
置)の1例を示す図である。
【符号の説明】
1 昌析槽(ジャケット付) 2 攪拌翼 3 コンデンサ 4 熱電対 5 液/液分離管 6 不活性ガス吹込み管 7 モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 39/08 C07C 39/08 (72)発明者 松野 雅光 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 武田 正雪 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 黒木 満則 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離乃至精製すべき結晶性物質の晶出温
    度より高温で相分離する共存成分を含有する混合液から
    晶析により目的物結晶を分離乃至精製する方法に於い
    て、晶析溶媒を含む晶析処理液系中の前記共存成分濃度
    を1.5重量%以下にコントロールした後、目的物を晶
    出させることを特徴とする結晶性物質の分離乃至精製方
    法。
  2. 【請求項2】 前記共存成分濃度のコントロールを晶析
    系の圧力調整により達成することを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記共存成分濃度のコントロールを晶析
    系中にガスを吹き込み、該ガス中に前記共存成分をベー
    パー状で同伴させて系外に排出することにより達成する
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 分離乃至精製すべき結晶性物質がヒドロ
    キシル基、カルボニル基、カルボキシル基からなる置換
    基群から選ばれる少なくとも1種の置換基を単数又は複
    数有する芳香族系化合物である請求項1乃至2のいずれ
    かに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記相分離する共存成分が水乃至アルコ
    ール又はそれらの混合液である請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の方法。
  6. 【請求項6】 晶析に用いる晶析溶媒が芳香族化合物で
    ある請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 分離又は精製すべき結晶性物質がレゾル
    シンであり、晶析溶媒がトルエンであり、相分離する共
    存成分が水である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 メタ-ジイソプロピルベンゼンを酸化
    し、生成した過酸化物を酸分解して得られたレゾルシン
    を含む反応生成物混合液からレゾルシンを単離精製する
    前項までの請求項のいずれかに記載の方法。
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CN110818534A (zh) * 2019-11-08 2020-02-21 浙江孚诺医药股份有限公司 氢醌生产工艺
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