JP3901218B2 - 2,6−ジアルキルフェノールの精製法 - Google Patents
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Description
技術的分野
本発明は触媒によるフェノールオルト−アルキル化法で製造されるような不純な2,6−ジアルキルフェノールを高度に純粋な生成物に転換するための方法に関する。本発明はプロピレンを用いるフェノールの接触(catalytic)オルト−アルキル化により製造される2,6−ジイソプロピルフェノールの精製に特に良く適合させられる。
背景
2,6−ジイソプロピルフェノールなどのオルト−ジアルキル化フェノールの製造法は周知であり、文献に報告されている。最も有効な方法は、G.C.Ecke及びA.J.Kolkaの米国特許第2,831,989号に記載されているようにアルミニウムフェノキシド触媒を用いてフェノールをプロピレンなどのオレフィンと反応させることを含む。続いてこの最初のフェノールオルト−アルキル化の化学の修正法が現れ、それは主に触媒の変更又は修正を含んだ。そのような方法のすべてにおいて、2,6−ジアルキルフェノールの製造における優れた選択率を達成することが可能である。それにもかかわらず粗生成物混合物は典型的に例えば未反応フェノール、1種かもしくはそれ以上のモノアルキルフェノール、所望の2,6−ジアルキルフェノール異性体以外の1種かもしくはそれ以上のジアルキルフェノール異性体、2,4,6−トリアルキルフェノール及びフェノール性エーテルなどの不純物を含有する。
最近、高度に純粋な2,6−ジイソプロピルフェノール(99.8%又はそれ以上)を求める実質的な商業的要求が起こってきた。経済性に基づいてこれらの要求を満たすために、粗フェノールオルト−アルキル化反応生成物混合物の経済的で大規模な精製を可能にする技術を求める付随的要求が起こってきた。
蒸留による高純度(99.8%及びそれ以上)の2,6−ジイソプロピルフェノールの製造は非常に困難な操作であり−最初に思われたよりずっと困難である。複雑にしている因子は、蒸留の間に必要な高められた温度で起こる酸化反応により他の不純物が容易に生成することである。これらの不純物には、2,6−ジイソプロピルベンゾキノン、2−イソプロピル−6−イソプロペニル−フェノール、2,6−ジイソプロペニルフェノール及び2,2−ジメチル−4−イソプロピル−1,3−ベンゾジオキソールが含まれる。
実験室での研究は、系から酸素を全く排除するとこれらの不純物の生成を妨げることができることを示した。しかしこれは、真空下で行われるほとんどの工業的蒸留設備の場合、標準的パイプフランジ及び継手を通る空気の滲出のために実用的ではない。
これらの及び他の不純物の生成はバッチ式蒸留ではなく連続式蒸留を用いることにより最少にすることができ、それは滞留時間−すなわち材料が高温に保たれる時間−が連続式蒸留の場合にずっと短いからである。しかし、この種の状況で、古典的連続式蒸留のみではこの分離を行うために2つの蒸留塔が必要であるが、バッチ式蒸留は1つの塔のみを必要とする。蒸留塔に必要なかなりの投資のために、高温への材料の暴露のより長い滞留時間及び大規模で行われる場合にそのような操作において厳重に酸素を排除する実行上の困難がなければ、バッチ式蒸留がずっと好ましいであろう。
K.M.Niemenen及びP.K.Essenの米国特許第5,175,376号は、2,6−ジイソプロピルフェノールが結晶化して不純物が結晶化しない−25〜18℃の範囲内の温度で不純な2,6−ジイソプロピルフェノールを結晶化に供し、2,6−ジイソプロピルフェノールを濾過し、好ましくは非−極性脂肪族炭化水素を用いて洗浄することを含む2,6−ジイソプロピルフェノールのための精製法を記載している。溶媒は蒸留により生成物から除去され、生成物自身は蒸留において単一の留分として回収される。そのような方法は大規模の商業的操作で用いるにはあまり適していない。
M.Inaba,Y.Higaki,K.Jinno,M.Kataoka,M.Sato及びM.Hondaの米国特許第5,264,085号はメタノールを含有する含水フェノール混合物の成分を蒸留により連続的に分離する方法を記載している。その方法は、単一の蒸留塔の頭頂からメタノールを、蒸留塔の回収部から副流として随伴水(dragging water)含有フェノールを及び底部生成物として脱水フェノールを回収することを含む。
本発明
本発明は、要求資本が比較的低いバッチ式蒸留設備を用いて、高純度2,6−ジイソプロピルフェノールを製造するための新規な、経済的且つ高度に有効な方法を提供する。さらに特定的には、本発明に従えば、2,6−ジイソプロピルフェノールの蒸留の開始の前に、不活性雰囲気下でアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物水溶液を用いて不純な2,6−ジイソプロピルフェノールを洗浄すると、高度に精製された2,6−ジイソプロピルフェノールの回収を求める場合に多塔蒸留法の必要が完全になくなることが見いだされた。
本明細書に詳細に記載される方法は、不純な2,6−ジイソプロピルフェノールの精製と関連しており、該方法はそのために特に良く適合させられている。そのような不純な2,6−ジイソプロピルフェノールは典型的にプロピレンを用いるフェノールの接触オルト−アルキル化からの反応生成物であり、特にここで用いられる触媒はEcke及びKolkaの前記で引用した特許に記載されている方法のようなオルト−アルキル化法に従うアルミニウムフェノキシド触媒である。典型的には、そのような不純又は粗2,6−ジイソプロピルフェノールは、60〜80重量%の2,6−ジイソプロピルフェノール、1〜4重量%のフェノール、7〜21重量%のオルト−イソプロピルフェノール、1〜8重量%の2,4,6−トリイソプロピルフェノールならびに0〜4重量%の1種もしくはそれ以上の他のフェノール性化合物及び/又はフェノール性エーテルを含む。
簡単のために下記において多くの場合に2,6−ジイソプロピルフェノールを「DIP」と呼ぶ。本明細書及びその請求の範囲において用いる場合の「不活性環境」という用語は、高められた温度に供された場合に材料中で不純物の生成を生ずる空気、酸素又は他の酸化性材料に暴露されないように理論的に実行可能な程度まで材料が保護されていることを意味すると理解されるであろう。
本発明の実施態様の1つの場合、本発明はDIPの沸点より低い沸点を有する少なくとも1種のフェノール性成分及びDIPの沸点より高い沸点を有する少なくとも1種のフェノール性成分を含有する不純なDIP混合物の精製のための方法を提供する。そのような方法は不純なDIP混合物を不活性雰囲気下でアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物水溶液で洗浄し、水相及び有機相を分離し、得られる有機相を水で洗浄し、次いで水洗された有機相を不活性環境下で蒸留に供して精製された2,6−ジイソプロピルフェノールを製造することを含む。
本発明の方法に供され、DIPの沸点より低い沸点を有する不純なDIP混合物のフェノール性成分には、例えば、フェノール及び/又は1種もしくはそれ以上の比較的低沸点のモノ−アルキルフェノールが含まれ得る。比較的高沸点のフェノール性不純物には1種もしくはそれ以上のトリイソプロピルフェノールが含まれる。
本発明の方法で用いられる洗浄溶液において、任意のアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物を用いることができる。典型的には、アルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムあるいはこれらの組み合わせであり、水酸化ナトリウムが本発明の実施で用いるための最も好ましい金属水酸化物である。水酸化カルシウムは好ましいアルカリ土類金属水酸化物である。単数もしくは複数のアルカリ金属水酸化物と単数もしくは複数のアルカリ土類金属水酸化物の混合物も用いることができる。さらにアルカリもしくはアルカリ土類金属酸化物を水に加え、アルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物をその場で生成させることができる。アルカリもしくはアルカリ土類金属水溶液は典型的には1重量%〜50重量%のアルカリ金属水酸化物を含有し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いる場合、溶液は10〜30重量%溶液であるのが好ましい。
不純なDIP混合物をアルカリ金属水酸化物水溶液で1回もしくはそれ以上洗浄し、続いて1回もしくはそれ以上の水洗を行うことができ、すべて不活性雰囲気下で行われる。好ましい実施態様の場合、不純なDIPをアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物溶液で少なくとも2回洗浄し、その後分離される有機相を水で洗浄する。不活性雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴン又はネオンを含むがこれらに限られないいずれの不活性ガスから成ることもできる。経済的理由で窒素が好ましい不活性雰囲気である。不活性雰囲気の使用は空気への暴露及びDIPが続く蒸留の間のような温度に暴露された時に酸化反応から生ずる望ましくない不純物の生成を制限する。
不純なDIP混合物の洗浄のために不純なDIP混合物及びアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物溶液を混合する順序は重要ではなく、不純なDIP混合物を金属水酸化物溶液に加えるか又は金属水酸化物溶液を不純なDIP混合物に加えるかあるいは金属水酸化物溶液と不純なDIP混合物を一緒に同時に加えることが可能である。不純なDIP混合物を不活性雰囲気下でアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物水溶液で洗浄した後、デカンテーション、遠心分離又は他の類似の分離法により水相と有機相を分離することができ、デカンテーションが好ましい方法である。得られる水相は低沸点フェノール性不純物、例えばフェノール、1種もしくはそれ以上のモノイソプロピルフェノール及び立体障害の低いフェノール、例えば、2,4−ジイソプロピルフェノールのアルカリもしくはアルカリ土類金属塩を含有するであろう。水性廃液を酸性化すると、洗浄の間に抽出される少量のDIPを含むこれらのフェノール性有価物を回収することができる。従って、水性廃液を酸性化して洗浄液からフェノールを回収すると、フェノール性材料の供給源として(例えば触媒によるフェノールオルト−アルキル化法におけるリサイクルとして)利用することができる。
好ましい実施態様の場合、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液を用いる不純なDIP混合物の洗浄ならびに得られる有機相の洗浄の両段階は材料の撹乱を用いる。震盪又は撹拌を含むがこれらに限られない種々の撹乱法を用いることができる。さらに、アルカリ及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液を用いる洗浄ならびに水を用いる洗浄の間、温度を25℃〜100℃、好ましくは50℃〜100℃の範囲内に上げなければならない。
得られる有機相を水で洗浄した後、水洗された有機相をいずれかの通常の手段により蒸留する。そのような蒸留はバッチ、半−連続又は連続式で行うことができ、経済的理由からバッチ式蒸留が好ましい方法である。蒸留は、高温における酸化反応を介するDIP中の不純物の生成を排除できないとしても減少させるために、不活性環境下で行われなければならない。
下記の実施例は本発明の例示として役立つが、本発明を制限するものではない。実施例においてすべてのパーセンテージは他に指示がない限りすべて重量による。
実施例1
73グラムの水酸化ナトリウム及び415グラムの水から成る苛性アルカリ溶液を窒素パッド下で922.5グラムの粗DIPの撹拌溶液にゆっくり加えた(68重量%DIP;16重量%苛性アルカリ)。混合物を65℃に加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで相を分離させ、底の苛性アルカリ溶液をすべての苛性アルカリの中和に十分な希硫酸を含有するビーカー中に集めた。残る有機相に110mLの25重量%苛性アルカリ溶液を加え、混合物全体を50℃で1時間撹拌した。再び底の苛性アルカリ相を分離し、前記の通りに同じ希硫酸溶液中に排液した。残る有機相(合計重量=644グラム)を50〜60℃において各回300mLの水で2回洗浄した。この試料を以下の条件下で、megapore 60メートル megaboreカラムガスクロマトグラフ上で分析した:
得られた結果を下記に挙げる。下記で用いられ、前記で定義されていない略字は以下の意味を有する:OIP=オルト−イソプロピルフェノール;2,4=2,4−ジイソプロピルフェノール;2,5=2,5−ジイソプロピルフェノー及び2,4,6=2,4,6−トリイソプロピルフェノール。
実施例2
100グラムのDIPの粗試料(68%)を7.94グラムの水酸化ナトリウム及び450グラムの水から成る苛性アルカリ水溶液を用い、50℃において窒素パッド下で2時間撹拌した。次いで相を分離させ、底の苛性アルカリ溶液をすべての苛性アルカリの中和に十分である以上の10.4グラムのリン酸及び20mLの水を含有するビーカー中に集めた。残る有機相に12グラムの25重量%苛性アルカリ溶液を加え、混合物全体を50〜60℃で1時間撹拌した。再び底の苛性アルカリ相を分離し、前記の通りに同じリン酸溶液中に排液した。残る有機相を、水溶液のpHが7〜8となるまで各回60mLの水を用いて数回洗浄した。有機相の合計重量は70.3グラムであった。前の実施例の場合と同様に粗試料をGCにより分析した。得られた結果を下記に挙げる。用いられる略字は前の実施例の場合と同じである。
実施例3
100グラムのDIPの粗試料(68%)を25グラムの水酸化ナトリウム及び125グラムの水から成る苛性アルカリ水溶液を用い、50℃において窒素パッド下で1時間撹拌した。次いで相を分離させ、底の苛性アルカリ溶液を排液した。残る有機相に55グラムの水中の18.75グラムのNaOHを加え、混合物全体を50〜60℃で1時間撹拌した。再び底の苛性アルカリ相を分離し、排液した。残る有機相を、水溶液のpHが7〜8となるまで3x50mLの量の水を用いて洗浄した。有機相の合計重量は53グラムであった。前の実施例の場合と同様に粗試料をGCにより分析した。得られた結果を下記に挙げる。用いられる略字は前の実施例の場合と同じである。
実施例4
上記の実施例1〜3における通りにして製造される洗浄されたDIP混合物(合計重量=746.8グラム)を合わせ、下記に記載される通りに行われる蒸留に供した。
表1の蒸留
温度:スキン(Skin)=290℃;ポット(Pot)=190〜210℃;塔頂=180〜193℃
真空度=200mmHg;還流比=20:1(留分1及び2)、10:1(他のすべての留分);合計蒸留時間=14時間。
この蒸留の結果を表1にまとめ、表1においてパーセンテージは他に特定された場合を除いてGC面積パーセンテージである。前記で定義されてないい表1中の略字は以下の意味を有する:Cum=累積;TIP=2,4,6−トリイソプロピルフェノール。
「オレフィン」という題が付けられた表1の欄は、それが蒸留の間に混合物が望ましくない酸化反応を受けた程度の指数となる点で特に興味深い。この不純物量は特に非常に高いDIP含有率を有する留分において非常にに小さいことがわかる。
対照的に既知量の空気を本発明の洗浄法に供されていない粗DIPの蒸留混合物中に量り込んだ実験では不純物の量がずっと多かった。出発材料はアルミニウムフェノキシド触媒によるフェノールのプロピレンを用いるオルト−アルキル化により生成する粗DIP生成物であり、それは触媒残留物の除去のために標準的な洗浄法に供されている。実験は既知量の空気を系中に量り込み、種々の蒸留留分中の不純物の対応する量を監視できるように設計された。データは、空気の量と不純物量の間に正比例関係があることを示している。結果を表2及び3に示し、該表においてパーセンテージは他に特定される場合を除いてGC面積パーセンテージである。マーカーとして(すなわち蒸留条件下における酸化により起きる不純物生成の指標として)1つの不純物、2−イソプロペニル−6−イソプロピルフェノールを用いた。DIPが集められる時の蒸留のための条件は以下の通りであった:
表2の蒸留
温度:スキン=300℃;ポット=198℃;塔頂=194℃
真空度=200mmHg;還流比=5:1;合計蒸留時間=8時間。
空気流量=36mL/分。
表3の蒸留
温度:スキン=3100℃;ポット=200℃;塔頂=193℃
真空度=200mmHg;還流比=5:1;合計蒸留時間=8時間。
空気流量=16.4mL/分。
表2及び表3で用いられる略字は表1の場合と同じである。
本発明の方法は98.5%及びそれ以上の純度のDIPの製造に、そして特に99.8%もしくはそれ以上の純度を有する生成物のために十分に適している。そのようなすべての状況において、商業的規模でそのような純度の生成物を製造するために、通常1つの蒸留塔しか必要でない。本発明はDIPの精製に言及して詳細に記載されてきたが、本明細書に記載されている原理を、本明細書に記載されている操作条件の適した修正を以て、類似の構成及び沸点特性を有する他の不純な生成物混合物の精製に適用することができる。
本明細書及び/又はその請求の範囲における、洗浄水溶液がアルカリ及び/又はアルカリ土類金属水酸化物を含有するかあるいはアルカリ金属水酸化物水溶液及び/又はアルカリ土類金属水酸化物水溶液であるという趣旨の記述は、溶液が、(a)少なくとも1種のアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を水と混合し、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を水中に溶解することにより、及び/又は(b)少なくとも1種のアルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物を水と混合し、アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物がおそらく水酸化物へのその場の化学的変換を介して溶液中に入ることにより形成されることを意味することが明らかに理解されるべきである。そのような場合のいずれにおいても、溶液中のアルカリ金属材料及び/又は溶液中のアルカリ土類金属材料は、おそらく、少なくとも部分的に解離したイオンの形態(例えばナトリウムカチオン及びヒドロキシルアニオン)であるという全くの事実は重大ではない。かくして、請求の範囲は、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物を水と混合することにより形成される水性混合物を、そのような混合の結果として何が必然的に起こるかにかかわらず、包含するとみなされるべきである。
本発明は触媒によるフェノールオルト−アルキル化法で製造されるような不純な2,6−ジアルキルフェノールを高度に純粋な生成物に転換するための方法に関する。本発明はプロピレンを用いるフェノールの接触(catalytic)オルト−アルキル化により製造される2,6−ジイソプロピルフェノールの精製に特に良く適合させられる。
背景
2,6−ジイソプロピルフェノールなどのオルト−ジアルキル化フェノールの製造法は周知であり、文献に報告されている。最も有効な方法は、G.C.Ecke及びA.J.Kolkaの米国特許第2,831,989号に記載されているようにアルミニウムフェノキシド触媒を用いてフェノールをプロピレンなどのオレフィンと反応させることを含む。続いてこの最初のフェノールオルト−アルキル化の化学の修正法が現れ、それは主に触媒の変更又は修正を含んだ。そのような方法のすべてにおいて、2,6−ジアルキルフェノールの製造における優れた選択率を達成することが可能である。それにもかかわらず粗生成物混合物は典型的に例えば未反応フェノール、1種かもしくはそれ以上のモノアルキルフェノール、所望の2,6−ジアルキルフェノール異性体以外の1種かもしくはそれ以上のジアルキルフェノール異性体、2,4,6−トリアルキルフェノール及びフェノール性エーテルなどの不純物を含有する。
最近、高度に純粋な2,6−ジイソプロピルフェノール(99.8%又はそれ以上)を求める実質的な商業的要求が起こってきた。経済性に基づいてこれらの要求を満たすために、粗フェノールオルト−アルキル化反応生成物混合物の経済的で大規模な精製を可能にする技術を求める付随的要求が起こってきた。
蒸留による高純度(99.8%及びそれ以上)の2,6−ジイソプロピルフェノールの製造は非常に困難な操作であり−最初に思われたよりずっと困難である。複雑にしている因子は、蒸留の間に必要な高められた温度で起こる酸化反応により他の不純物が容易に生成することである。これらの不純物には、2,6−ジイソプロピルベンゾキノン、2−イソプロピル−6−イソプロペニル−フェノール、2,6−ジイソプロペニルフェノール及び2,2−ジメチル−4−イソプロピル−1,3−ベンゾジオキソールが含まれる。
実験室での研究は、系から酸素を全く排除するとこれらの不純物の生成を妨げることができることを示した。しかしこれは、真空下で行われるほとんどの工業的蒸留設備の場合、標準的パイプフランジ及び継手を通る空気の滲出のために実用的ではない。
これらの及び他の不純物の生成はバッチ式蒸留ではなく連続式蒸留を用いることにより最少にすることができ、それは滞留時間−すなわち材料が高温に保たれる時間−が連続式蒸留の場合にずっと短いからである。しかし、この種の状況で、古典的連続式蒸留のみではこの分離を行うために2つの蒸留塔が必要であるが、バッチ式蒸留は1つの塔のみを必要とする。蒸留塔に必要なかなりの投資のために、高温への材料の暴露のより長い滞留時間及び大規模で行われる場合にそのような操作において厳重に酸素を排除する実行上の困難がなければ、バッチ式蒸留がずっと好ましいであろう。
K.M.Niemenen及びP.K.Essenの米国特許第5,175,376号は、2,6−ジイソプロピルフェノールが結晶化して不純物が結晶化しない−25〜18℃の範囲内の温度で不純な2,6−ジイソプロピルフェノールを結晶化に供し、2,6−ジイソプロピルフェノールを濾過し、好ましくは非−極性脂肪族炭化水素を用いて洗浄することを含む2,6−ジイソプロピルフェノールのための精製法を記載している。溶媒は蒸留により生成物から除去され、生成物自身は蒸留において単一の留分として回収される。そのような方法は大規模の商業的操作で用いるにはあまり適していない。
M.Inaba,Y.Higaki,K.Jinno,M.Kataoka,M.Sato及びM.Hondaの米国特許第5,264,085号はメタノールを含有する含水フェノール混合物の成分を蒸留により連続的に分離する方法を記載している。その方法は、単一の蒸留塔の頭頂からメタノールを、蒸留塔の回収部から副流として随伴水(dragging water)含有フェノールを及び底部生成物として脱水フェノールを回収することを含む。
本発明
本発明は、要求資本が比較的低いバッチ式蒸留設備を用いて、高純度2,6−ジイソプロピルフェノールを製造するための新規な、経済的且つ高度に有効な方法を提供する。さらに特定的には、本発明に従えば、2,6−ジイソプロピルフェノールの蒸留の開始の前に、不活性雰囲気下でアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物水溶液を用いて不純な2,6−ジイソプロピルフェノールを洗浄すると、高度に精製された2,6−ジイソプロピルフェノールの回収を求める場合に多塔蒸留法の必要が完全になくなることが見いだされた。
本明細書に詳細に記載される方法は、不純な2,6−ジイソプロピルフェノールの精製と関連しており、該方法はそのために特に良く適合させられている。そのような不純な2,6−ジイソプロピルフェノールは典型的にプロピレンを用いるフェノールの接触オルト−アルキル化からの反応生成物であり、特にここで用いられる触媒はEcke及びKolkaの前記で引用した特許に記載されている方法のようなオルト−アルキル化法に従うアルミニウムフェノキシド触媒である。典型的には、そのような不純又は粗2,6−ジイソプロピルフェノールは、60〜80重量%の2,6−ジイソプロピルフェノール、1〜4重量%のフェノール、7〜21重量%のオルト−イソプロピルフェノール、1〜8重量%の2,4,6−トリイソプロピルフェノールならびに0〜4重量%の1種もしくはそれ以上の他のフェノール性化合物及び/又はフェノール性エーテルを含む。
簡単のために下記において多くの場合に2,6−ジイソプロピルフェノールを「DIP」と呼ぶ。本明細書及びその請求の範囲において用いる場合の「不活性環境」という用語は、高められた温度に供された場合に材料中で不純物の生成を生ずる空気、酸素又は他の酸化性材料に暴露されないように理論的に実行可能な程度まで材料が保護されていることを意味すると理解されるであろう。
本発明の実施態様の1つの場合、本発明はDIPの沸点より低い沸点を有する少なくとも1種のフェノール性成分及びDIPの沸点より高い沸点を有する少なくとも1種のフェノール性成分を含有する不純なDIP混合物の精製のための方法を提供する。そのような方法は不純なDIP混合物を不活性雰囲気下でアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物水溶液で洗浄し、水相及び有機相を分離し、得られる有機相を水で洗浄し、次いで水洗された有機相を不活性環境下で蒸留に供して精製された2,6−ジイソプロピルフェノールを製造することを含む。
本発明の方法に供され、DIPの沸点より低い沸点を有する不純なDIP混合物のフェノール性成分には、例えば、フェノール及び/又は1種もしくはそれ以上の比較的低沸点のモノ−アルキルフェノールが含まれ得る。比較的高沸点のフェノール性不純物には1種もしくはそれ以上のトリイソプロピルフェノールが含まれる。
本発明の方法で用いられる洗浄溶液において、任意のアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物を用いることができる。典型的には、アルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムあるいはこれらの組み合わせであり、水酸化ナトリウムが本発明の実施で用いるための最も好ましい金属水酸化物である。水酸化カルシウムは好ましいアルカリ土類金属水酸化物である。単数もしくは複数のアルカリ金属水酸化物と単数もしくは複数のアルカリ土類金属水酸化物の混合物も用いることができる。さらにアルカリもしくはアルカリ土類金属酸化物を水に加え、アルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物をその場で生成させることができる。アルカリもしくはアルカリ土類金属水溶液は典型的には1重量%〜50重量%のアルカリ金属水酸化物を含有し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いる場合、溶液は10〜30重量%溶液であるのが好ましい。
不純なDIP混合物をアルカリ金属水酸化物水溶液で1回もしくはそれ以上洗浄し、続いて1回もしくはそれ以上の水洗を行うことができ、すべて不活性雰囲気下で行われる。好ましい実施態様の場合、不純なDIPをアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物溶液で少なくとも2回洗浄し、その後分離される有機相を水で洗浄する。不活性雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴン又はネオンを含むがこれらに限られないいずれの不活性ガスから成ることもできる。経済的理由で窒素が好ましい不活性雰囲気である。不活性雰囲気の使用は空気への暴露及びDIPが続く蒸留の間のような温度に暴露された時に酸化反応から生ずる望ましくない不純物の生成を制限する。
不純なDIP混合物の洗浄のために不純なDIP混合物及びアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物溶液を混合する順序は重要ではなく、不純なDIP混合物を金属水酸化物溶液に加えるか又は金属水酸化物溶液を不純なDIP混合物に加えるかあるいは金属水酸化物溶液と不純なDIP混合物を一緒に同時に加えることが可能である。不純なDIP混合物を不活性雰囲気下でアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物水溶液で洗浄した後、デカンテーション、遠心分離又は他の類似の分離法により水相と有機相を分離することができ、デカンテーションが好ましい方法である。得られる水相は低沸点フェノール性不純物、例えばフェノール、1種もしくはそれ以上のモノイソプロピルフェノール及び立体障害の低いフェノール、例えば、2,4−ジイソプロピルフェノールのアルカリもしくはアルカリ土類金属塩を含有するであろう。水性廃液を酸性化すると、洗浄の間に抽出される少量のDIPを含むこれらのフェノール性有価物を回収することができる。従って、水性廃液を酸性化して洗浄液からフェノールを回収すると、フェノール性材料の供給源として(例えば触媒によるフェノールオルト−アルキル化法におけるリサイクルとして)利用することができる。
好ましい実施態様の場合、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液を用いる不純なDIP混合物の洗浄ならびに得られる有機相の洗浄の両段階は材料の撹乱を用いる。震盪又は撹拌を含むがこれらに限られない種々の撹乱法を用いることができる。さらに、アルカリ及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液を用いる洗浄ならびに水を用いる洗浄の間、温度を25℃〜100℃、好ましくは50℃〜100℃の範囲内に上げなければならない。
得られる有機相を水で洗浄した後、水洗された有機相をいずれかの通常の手段により蒸留する。そのような蒸留はバッチ、半−連続又は連続式で行うことができ、経済的理由からバッチ式蒸留が好ましい方法である。蒸留は、高温における酸化反応を介するDIP中の不純物の生成を排除できないとしても減少させるために、不活性環境下で行われなければならない。
下記の実施例は本発明の例示として役立つが、本発明を制限するものではない。実施例においてすべてのパーセンテージは他に指示がない限りすべて重量による。
実施例1
73グラムの水酸化ナトリウム及び415グラムの水から成る苛性アルカリ溶液を窒素パッド下で922.5グラムの粗DIPの撹拌溶液にゆっくり加えた(68重量%DIP;16重量%苛性アルカリ)。混合物を65℃に加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで相を分離させ、底の苛性アルカリ溶液をすべての苛性アルカリの中和に十分な希硫酸を含有するビーカー中に集めた。残る有機相に110mLの25重量%苛性アルカリ溶液を加え、混合物全体を50℃で1時間撹拌した。再び底の苛性アルカリ相を分離し、前記の通りに同じ希硫酸溶液中に排液した。残る有機相(合計重量=644グラム)を50〜60℃において各回300mLの水で2回洗浄した。この試料を以下の条件下で、megapore 60メートル megaboreカラムガスクロマトグラフ上で分析した:
得られた結果を下記に挙げる。下記で用いられ、前記で定義されていない略字は以下の意味を有する:OIP=オルト−イソプロピルフェノール;2,4=2,4−ジイソプロピルフェノール;2,5=2,5−ジイソプロピルフェノー及び2,4,6=2,4,6−トリイソプロピルフェノール。
実施例2
100グラムのDIPの粗試料(68%)を7.94グラムの水酸化ナトリウム及び450グラムの水から成る苛性アルカリ水溶液を用い、50℃において窒素パッド下で2時間撹拌した。次いで相を分離させ、底の苛性アルカリ溶液をすべての苛性アルカリの中和に十分である以上の10.4グラムのリン酸及び20mLの水を含有するビーカー中に集めた。残る有機相に12グラムの25重量%苛性アルカリ溶液を加え、混合物全体を50〜60℃で1時間撹拌した。再び底の苛性アルカリ相を分離し、前記の通りに同じリン酸溶液中に排液した。残る有機相を、水溶液のpHが7〜8となるまで各回60mLの水を用いて数回洗浄した。有機相の合計重量は70.3グラムであった。前の実施例の場合と同様に粗試料をGCにより分析した。得られた結果を下記に挙げる。用いられる略字は前の実施例の場合と同じである。
実施例3
100グラムのDIPの粗試料(68%)を25グラムの水酸化ナトリウム及び125グラムの水から成る苛性アルカリ水溶液を用い、50℃において窒素パッド下で1時間撹拌した。次いで相を分離させ、底の苛性アルカリ溶液を排液した。残る有機相に55グラムの水中の18.75グラムのNaOHを加え、混合物全体を50〜60℃で1時間撹拌した。再び底の苛性アルカリ相を分離し、排液した。残る有機相を、水溶液のpHが7〜8となるまで3x50mLの量の水を用いて洗浄した。有機相の合計重量は53グラムであった。前の実施例の場合と同様に粗試料をGCにより分析した。得られた結果を下記に挙げる。用いられる略字は前の実施例の場合と同じである。
実施例4
上記の実施例1〜3における通りにして製造される洗浄されたDIP混合物(合計重量=746.8グラム)を合わせ、下記に記載される通りに行われる蒸留に供した。
表1の蒸留
温度:スキン(Skin)=290℃;ポット(Pot)=190〜210℃;塔頂=180〜193℃
真空度=200mmHg;還流比=20:1(留分1及び2)、10:1(他のすべての留分);合計蒸留時間=14時間。
この蒸留の結果を表1にまとめ、表1においてパーセンテージは他に特定された場合を除いてGC面積パーセンテージである。前記で定義されてないい表1中の略字は以下の意味を有する:Cum=累積;TIP=2,4,6−トリイソプロピルフェノール。
「オレフィン」という題が付けられた表1の欄は、それが蒸留の間に混合物が望ましくない酸化反応を受けた程度の指数となる点で特に興味深い。この不純物量は特に非常に高いDIP含有率を有する留分において非常にに小さいことがわかる。
対照的に既知量の空気を本発明の洗浄法に供されていない粗DIPの蒸留混合物中に量り込んだ実験では不純物の量がずっと多かった。出発材料はアルミニウムフェノキシド触媒によるフェノールのプロピレンを用いるオルト−アルキル化により生成する粗DIP生成物であり、それは触媒残留物の除去のために標準的な洗浄法に供されている。実験は既知量の空気を系中に量り込み、種々の蒸留留分中の不純物の対応する量を監視できるように設計された。データは、空気の量と不純物量の間に正比例関係があることを示している。結果を表2及び3に示し、該表においてパーセンテージは他に特定される場合を除いてGC面積パーセンテージである。マーカーとして(すなわち蒸留条件下における酸化により起きる不純物生成の指標として)1つの不純物、2−イソプロペニル−6−イソプロピルフェノールを用いた。DIPが集められる時の蒸留のための条件は以下の通りであった:
表2の蒸留
温度:スキン=300℃;ポット=198℃;塔頂=194℃
真空度=200mmHg;還流比=5:1;合計蒸留時間=8時間。
空気流量=36mL/分。
表3の蒸留
温度:スキン=3100℃;ポット=200℃;塔頂=193℃
真空度=200mmHg;還流比=5:1;合計蒸留時間=8時間。
空気流量=16.4mL/分。
表2及び表3で用いられる略字は表1の場合と同じである。
本発明の方法は98.5%及びそれ以上の純度のDIPの製造に、そして特に99.8%もしくはそれ以上の純度を有する生成物のために十分に適している。そのようなすべての状況において、商業的規模でそのような純度の生成物を製造するために、通常1つの蒸留塔しか必要でない。本発明はDIPの精製に言及して詳細に記載されてきたが、本明細書に記載されている原理を、本明細書に記載されている操作条件の適した修正を以て、類似の構成及び沸点特性を有する他の不純な生成物混合物の精製に適用することができる。
本明細書及び/又はその請求の範囲における、洗浄水溶液がアルカリ及び/又はアルカリ土類金属水酸化物を含有するかあるいはアルカリ金属水酸化物水溶液及び/又はアルカリ土類金属水酸化物水溶液であるという趣旨の記述は、溶液が、(a)少なくとも1種のアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を水と混合し、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を水中に溶解することにより、及び/又は(b)少なくとも1種のアルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物を水と混合し、アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物がおそらく水酸化物へのその場の化学的変換を介して溶液中に入ることにより形成されることを意味することが明らかに理解されるべきである。そのような場合のいずれにおいても、溶液中のアルカリ金属材料及び/又は溶液中のアルカリ土類金属材料は、おそらく、少なくとも部分的に解離したイオンの形態(例えばナトリウムカチオン及びヒドロキシルアニオン)であるという全くの事実は重大ではない。かくして、請求の範囲は、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物を水と混合することにより形成される水性混合物を、そのような混合の結果として何が必然的に起こるかにかかわらず、包含するとみなされるべきである。
Claims (27)
- 2,6−ジイソプロピルフェノールの沸点より低い沸点を有する少なくとも1種のフェノール性成分及び2,6−ジイソプロピルフェノールの沸点より高い沸点を有する少なくとも1種のフェノール性成分を含む不純な2,6−ジイソプロピルフェノール混合物を精製する方法であって、該方法が該混合物を不活性雰囲気下でアルカリ金属水酸化物水溶液及び/又はアルカリ土類金属水酸化物水溶液を用いて洗浄し、水相及び有機相を分離し、得られる有機相を水で洗浄し、次いで水洗された有機相を不活性環境下で蒸留に供し、精製された2,6−ジイソプロピルフェノールを回収することを含む精製法。
- 金属水酸化物洗浄溶液がアルカリ金属水酸化物水溶液である請求の範囲第1項に記載の方法。
- 金属水酸化物水溶液を用いる洗浄を少なくとも2段階で行う請求の範囲第1項に記載の方法。
- 水を用いる洗浄を少なくとも2段階で行う請求の範囲第1項に記載の方法。
- 金属水酸化物水溶液を用いる洗浄を少なくとも2段階で行い、水を用いる洗浄を少なくとも2段階で行う請求の範囲第1項に記載の方法。
- 該金属水酸化物水溶液を用いる洗浄を該溶液の沸点より低い高められた温度で行う請求の範囲第1項に記載の方法。
- 金属水酸化物洗浄溶液の金属がナトリウムである請求の範囲第1項に記載の方法。
- 該金属水酸化物水溶液を用いる洗浄を15〜25重量%のアルカリ金属水酸化物を含有する溶液を用いて行う請求の範囲第1項に記載の方法。
- アルカリ金属がナトリウムである請求の範囲第8項に記載の方法。
- 洗浄を撹乱しながら行う請求の範囲第1項に記載の方法。
- 該洗浄を行う場合、金属水酸化物水溶液を該不純な2,6−ジイソプロピルフェノール混合物中に導入する請求の範囲第1項に記載の方法。
- 該混合物が60〜80重量%の2,6−ジイソプロピルフェノール、1〜4重量%のフェノール、7〜21重量%のオルト−イソプロピルフェノール、1〜8重量%の2,4,6−トリイソプロピルフェノールならびに0〜4重量%の1種もしくはそれ以上の他のフェノール性化合物及び/又はフェノール性エーテルを含む請求の範囲第1項に記載の方法。
- 金属水酸化物水溶液を用いる洗浄を水性アルカリ金属水酸化物を用いて行う請求の範囲第12項に記載の方法。
- 金属水酸化物水溶液を用いる洗浄を少なくとも2段階で行う請求の範囲第12項に記載の方法。
- 水を用いる洗浄を少なくとも2段階で行う請求の範囲第12項に記載の方法。
- 金属水酸化物水溶液を用いる洗浄を少なくとも2段階で行い、水を用いる洗浄を少なくとも2段階で行う請求の範囲第12項に記載の方法。
- 金属水酸化物水溶液を用いる洗浄を該溶液の沸点より低い高められた温度で行う請求の範囲第12項に記載の方法。
- 金属水酸化物洗浄溶液の金属がナトリウムである請求の範囲第12項に記載の方法。
- 金属水酸化物溶液を用いる洗浄を15〜25重量%のアルカリ金属水酸化物を含有する溶液を用いて行う請求の範囲第12項に記載の方法。
- アルカリ金属がナトリウムである請求の範囲第19項に記載の方法。
- 洗浄を撹乱しながら行う請求の範囲第12項に記載の方法。
- 該洗浄を行う場合、金属水酸化物水溶液を該不純な2,6−ジイソプロピルフェノール混合物中に導入する請求の範囲第12項に記載の方法。
- 該蒸留が不活性環境下で行われるバッチ式蒸留である請求の範囲第12項に記載の方法。
- 該蒸留が不活性環境下で行われる連続式蒸留である請求の範囲第12項に記載の方法。
- a)金属水酸化物水溶液を用いる洗浄を少なくとも2段階で、撹乱しながら及び該溶液の沸点より低い高められた温度で行い;
b)水を用いる洗浄を撹乱しながら少なくとも2段階で行い;
c)該蒸留を不活性環境下で行う
請求の範囲第12項に記載の方法。 - 金属水酸化物洗浄溶液の金属がナトリウム、カリウム又はカルシウムあるいはこれらの金属の少なくとも2種の混合物である請求の範囲第25項に記載の方法。
- 該洗浄を行う場合、溶液が15〜25重量%の該金属水酸化物を含有し、該溶液を該不純な2,6−ジイソプロピルフェノール混合物中に導入する請求の範囲第26項に記載の方法。
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