JPH10150908A - 醗酵食品用組成物 - Google Patents

醗酵食品用組成物

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JPH10150908A
JPH10150908A JP8315106A JP31510696A JPH10150908A JP H10150908 A JPH10150908 A JP H10150908A JP 8315106 A JP8315106 A JP 8315106A JP 31510696 A JP31510696 A JP 31510696A JP H10150908 A JPH10150908 A JP H10150908A
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rice koji
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koji powder
bread
flour
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Tatsuo Kano
達夫 加納
Masahiko Nakamura
雅彦 中村
Tamami Aoki
珠実 青木
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KOSEI SANGYO KK
KOSEI SANGYO Ltd
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KOSEI SANGYO KK
KOSEI SANGYO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小麦粉を使用した食品の膨らみや柔軟性など
の形態的な品質及び味や香りなどの官能的な品質を向上
させることができるとともに、アレルギー症状の発生を
抑制して取扱いを容易にできる醗酵食品用組成物を提供
する。 【解決手段】 醗酵食品用組成物は、小麦粉に米麹の粉
末を混合してなり、米麹の粉末の含有量が小麦粉に対し
て0. 5〜30重量%のものである。醗酵食品としてパ
ンを調製する場合には、米麹粉末の含有量が小麦粉に対
して2〜20重量%であることが望ましい。さらに、米
麹粉末は、その中に存在するアミラーゼなどの酵素の活
性を消失させたものであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、醗酵によりパン
や肉まんなどの食品を製造するための醗酵食品用組成物
に関するものである。さらに詳しくは、醗酵工程におい
て膨潤し、得られる食品の膨らみなどの優れた物性を有
する醗酵食品用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】醗酵食品として知られている清酒、味
噌、醤油、乳酸醗酵食品のように、伝統的な食品から最
近の食品、清涼飲料に至るまで、様々な種類のものが様
々な利用用途に応じて消費者に提供されている。特に、
伝統的な食品の中には麹を利用した食品が数多く、麹は
食品製造工程中の醗酵過程に必要とされる糖、アミノ
酸、その他の微量要素を供給するための醗酵組成物とし
て重要な役割を果たしている。
【0003】一方、最近の醗酵食品として、乳酸醗酵を
利用したヨーグルトのような食品、パンや肉まんの皮な
どのパン様の生地を用いた食品も数多く現れ、醗酵食品
が消費者の食生活に深く浸透してきた。
【0004】このように、醗酵食品の種類によって各々
異なった醗酵過程を経ているが、醗酵過程において共通
して最も必要とされるのは、醗酵によりアルコールや乳
酸などに変換される組成物、すなわち糖と醗酵を行う醗
酵菌である。特に、糖は存在しないと醗酵が行われない
ので、重要な要素といえる。この糖を生成する過程が醗
酵の前段階での糖化酵素を利用した段階であり、アミラ
ーゼが主に利用されている。
【0005】さらに、前記の伝統的な食品だけではな
く、最近の小麦粉を利用した食品においても食品添加物
用のアミラーゼを用いて醗酵の前処理を行うことが多く
なってきた。この小麦粉を利用した食品の中には、特に
パンや肉まんの皮などのパン様の生地を用いたものが多
く、醗酵を利用した食品の中では食生活に深く浸透して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、パンや肉ま
んの皮などを製造する上で、通常の製法と原材料で行う
と、香りと味の優れたものが得られず、外観上の形状も
不均一なものとなる。これは、醗酵過程での生地の醗酵
状態に起因するところが大きく、醗酵菌からの二酸化炭
素の発生量及びアルコールの生成量など、醗酵過程にお
ける複数の要因が重なって醗酵の善し悪しが決定され
る。このため、現状の小麦粉を利用した醗酵食品の製法
では、官能的及び形態的因子を向上させることは困難で
ある。
【0007】また、前述の食品添加物用のアミラーゼを
使用してパンの製造を行う場合、アミラーゼの粉体が飛
散するため、鼻炎などのアレルギーが発生し、その取扱
い性に困難を生ずるという問題があった。
【0008】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、小麦粉を使用した食品の膨らみや柔軟性など
の形態的な品質及び味や香りなどの官能的な品質を向上
させることができるとともに、アレルギー症状の発生を
抑制して取扱いを容易にできる醗酵食品用組成物を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の醗酵食品用組成物は、小
麦粉に米麹の粉末を混合してなる醗酵食品用組成物であ
って、前記米麹の粉末の含有量が小麦粉に対して0. 5
〜30重量%のものである。
【0010】請求項2に記載の発明のパンを調製するた
めの醗酵食品用組成物は、小麦粉に米麹の粉末を混合し
てなるパンを調製するための醗酵食品用組成物であっ
て、前記米麹の粉末の含有量が小麦粉に対して2〜20
重量%のものである。
【0011】請求項3に記載の発明の醗酵食品用組成物
は、請求項1に記載の発明において、前記米麹の粉末
は、その中に存在する酵素の活性を消失させたものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。醗酵食品用組成物は、小麦粉に米麹
の粉末を混合してなるものであって、米麹の粉末の含有
量が小麦粉に対して0. 5〜30重量%のものであり、
2〜20重量%のものであることが好ましい。この含有
量が0. 5重量%未満では、米麹粉末による酵素作用及
び後述する寄与成分による作用を十分に発揮することが
できず、従って得られる醗酵食品の膨らみ、柔らかさな
どの形態的効果や味、香りなどの官能的効果を得ること
ができない。一方、含有量が30重量%を越えると、添
加する米麹粉末中の澱粉が増加し、かつ生成する糖の量
も増加するなどの理由により、醗酵食品の形態的、官能
的効果を得ることができない。
【0013】米麹は主としてアスペルギルス (Aspergil
lus)属などの糸状菌を蒸米に成育させ、乾燥後に粉砕し
たもので、一般に人体に対して無害のものである。この
米麹の粉末を小麦粉に添加すると、出来上がった食品は
糖度が高く、甘さのあるものになるばかりではなく、保
湿性も良くなり、食品の高級感が増幅される。
【0014】また、米麹は、アミラーゼ(糖化酵素)な
どの糖化酵素作用、さらにはプロテアーゼ(蛋白質分解
酵素)、リパーゼ(脂肪分解酵素)などの酵素作用を有
するとともに、それらの相乗的作用をも有する。なお、
アミラーゼにはα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ及び
β−アミラーゼがある。このため、出来上がった食品は
旨みを有するだけではなく、柔らかくなり、膨らみが大
きくなる形態的品質と、米麹の香りが漂い、かつ風味が
でる官能的品質が向上する。特に、加熱時には米麹の甘
い香りが出現し、嗜好品への利用も可能である。
【0015】この場合、米麹中にグルコアミラーゼを5
〜6%と、α−アミラーゼを88〜92%とを含有する
アミラーゼが含まれていることが好ましい。さらに、プ
ロテアーゼが2〜3%、リパーゼが極微量含有されてい
ることが好ましい。さらに、米麹粉末に所定量のアミラ
ーゼやプロテアーゼなどの酵素を添加することができ
る。
【0016】前記米麹粉末は酵素の作用を失わせ、すな
わち酵素を失活させた米麹粉末を用いることができる。
このように失活させた米麹粉末を用いた場合でも、パン
などの食品の柔軟性、膨らみ、米麹の香り、風味などの
品質を向上させることができる。これは、米麹中におけ
る酵素以外の糖類などの寄与成分が存在しているものと
考えられる。この酵素の失活条件は、例えば十分量のエ
タノールに米麹粉末を浸し、80℃で30分間加熱処理
した後濾過して米麹粉末を回収し、それを40℃で乾燥
後、再度100℃で15分間加熱処理を行うことにより
行われる。
【0017】さらに、この失活した米麹粉末にα−アミ
ラーゼ、グルコアミラーゼなどの糖化酵素を加えること
により、食品の品質をより向上させることができる。こ
れは、前記寄与成分が酵素の効果を増強させ、しかも寄
与成分自体が醗酵助剤としての効果を発揮するものと考
えられる。
【0018】また、米麹には水分が10%程度含まれて
いること、米麹粉末中に澱粉が多量に含有されているこ
と及び米麹粉末の粒子径が大きいことなどの理由によ
り、アミラーゼの粉体とは異なりアレルギーを発生する
おそれはない。
【0019】この発明の醗酵食品用組成物が適用される
食品としては、焼いたり、蒸したりする食品、例えばパ
ン、肉まん、蒸しまんじゅうなどが挙げられる。適用さ
れる食品がパンの場合、米麹粉末の含有量は小麦粉に対
して2〜20重量%の範囲であり、5〜15重量%の範
囲であることが好ましく、5〜10重量%の範囲である
ことがさらに好ましい。この含有量が2重量%未満で
は、米麹粉末による酵素作用を十分に発揮することがで
きず、得られるパンの形態的、官能的効果を得ることが
できない。逆に、含有量が20重量%を越えると、パン
の中に含まれる澱粉の量が増加し、しかも生成する糖の
量も増加するなどの理由により、パンの形態的、官能的
効果が低下する。
【0020】適用される食品が肉まんの皮の場合、米麹
粉末の含有量は小麦粉に対して5〜20重量%の範囲で
あることが好ましく、10〜15重量%の範囲であるこ
とがさらに好ましい。その理由はパンの場合と同様であ
る。
【0021】以上のように、この実施形態によれば、次
のような効果が発揮される。 (1) 実施形態における醗酵食品用組成物によれば、
米麹粉末中の酵素若しくはその他の寄与成分の作用又は
それらの相乗作用により、小麦粉を使用した食品の形態
的品質、すなわち食品の柔軟性、膨らみなどの品質を向
上させることができる。 (2) 実施形態の醗酵食品用組成物によれば、米麹粉
末中の酵素又はその他の寄与成分の機能に基づいて、小
麦粉を使用した食品の味や香りなどの官能的な品質、す
なわち米麹の香り、風味などの品質を向上させることが
できる。 (3) 実施形態の醗酵食品用組成物によれば、米麹粉
末中に水分が含まれていること、米麹粉末の粒径が大き
いこと及び米麹粉末中に澱粉が多量に含まれていること
などの理由により、アレルギー症状の発生を抑制して米
麹粉末の取扱いを容易にすることができる。
【0022】
【実施例】以下、この発明を実施例及び比較例により、
さらに具体的に説明する。 (実施例1及び比較例1〜5)この実施例1及び比較例
1〜5においては、小麦粉と米麹粉末との混合品を利用
してパンを製造する例について説明する。
【0023】パンを製造する際、醗酵過程で二酸化炭素
を多量に発生させ、生地の中に細かい気泡を大量に作ら
せ、焼き上がったパンの食感を良くするためにイースト
菌を用いた。このイースト菌が醗酵に利用する物質を生
産するために、醗酵助剤としてα−アミラーゼ、ビタミ
ンC又はグルコアミラーゼを添加した。添加した酵素製
剤量は全て、米麹粉末中に含まれる酵素量と同量に設定
して行った。また、ビタミンCの添加量は、通常パンの
製造に用いられている量で行った。
【0024】すなわち、米麹粉末の添加量は10重量
%、α−アミラーゼの添加量は15.0×10-5重量
%、グルコアミラーゼの添加量は0. 027重量%、α
−アミラーゼとグルコアミラーゼを併用する場合のα−
アミラーゼの添加量は7. 5×10-5重量%、グルコア
ミラーゼの添加量は0. 0135重量%、ビタミンCの
添加量は0. 01重量%、米粉の添加量は10重量%で
ある。いずれも小麦粉に対する重量%である。また、基
本組成としては、常法により、強力粉、バター、砂糖、
スキムミルク、塩、水、ドライイーストとした。
【0025】得られた結果を表1に示す。表1におい
て、Aはα−アミラーゼ、Gはグルコアミラーゼ、Aと
Gはα−アミラーゼとグルコアミラーゼの併用、Cはビ
タミンCを表す。また、表1における形態的及び官能的
評価の判断は、添加剤を加えないものをスタンダードと
して、次に基準に従った。
【0026】
【0027】
【表1】 表1の結果より、米麹粉末を添加した実施例1では、得
られたパンの柔らかさと膨らみの形態的評価及び味と香
りの官能的評価については非常に良好で、パンのみみに
ついてもさくさくとして良好であった。
【0028】これに対して、α−アミラーゼ、グルコア
ミラーゼ又はα−アミラーゼとグルコアミラーゼを添加
した比較例1〜3では、スタンダードと同等又はやや良
い程度であり、ビタミンC又は米粉を添加した比較例4
又は5ではスタンダードよりもかなり悪い結果であっ
た。
【0029】しかも、実施例1においてはパンの重量が
重いことから、適度の水分を含んでいるものと考えられ
る。また、実施例1のパンには米麹粉末中に多量に含ま
れている糖分による甘味がある。従って、そのパンは高
級感のあるふっくらとした良質のものであった。 (実施例2〜5)次に、下記表2に示す米麹粉末の添加
量を変化させてパンを製造し、得られたパンについて形
態的及び官能的な評価を行った。その結果を表3に示し
た。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】 表3に示したように、米麹の添加量が5〜10重量%の
とき、形態的、官能的評価が最も良好で、きめの細かい
パンが得られた。米麹の添加量が15〜20重量%にな
ると、米麹の香りが強すぎてパンにしつこさがでた。
【0032】柔らかさに関しては、米麹の添加量が多い
ほどパンは柔らかくなった。甘さに関しては、米麹の添
加量が多いほど甘くなるが、添加量が20重量%に達す
ると甘みにしつこさがでた。膨らみについては、米麹の
添加量が5〜10重量%のとき最も良好であった。パン
のみみに関しては、米麹の添加量が多くなるにつれてさ
くさくとしてくるが、米麹の添加量が15〜20重量%
になると焦げ付いてしまい、外観が悪化した。 (実施例6〜8及び比較例7)前記実施例1におけるパ
ンの製造の場合と同様にしてパンを製造し、得られたパ
ンについて形態的及び官能的な評価を行った。実施例6
では、米麹粉末として酵素の活性を失わせた、つまり酵
素を失活させた米麹粉末を用いた。失活の条件は次のと
おりである。すなわち、十分量のエタノールに米麹粉末
を浸し、80℃で30分間加熱処理した後、濾過して米
麹粉末を回収した。回収した米麹粉末を40℃で乾燥
後、再度100℃で15分間加熱処理を行った。
【0033】実施例7では、失活した米麹粉末にα−ア
ミラーゼとグルコアミラーゼを添加した。実施例8で
は、米麹粉末にα−アミラーゼとグルコアミラーゼを添
加した。比較例7では、米粉にα−アミラーゼとグルコ
アミラーゼを添加した。
【0034】それらの結果を表4に示した。
【0035】
【表4】 表4に示したように、実施例6では米麹の酵素が失活さ
れているので、その中に酵素はほとんど存在しないにも
かかわらず、パンの品質が向上している。これは、米麹
中に酵素以外の糖類などの寄与成分が存在し、効果を発
揮しているものと考えられる。また、失活させた米麹粉
末に糖化酵素としてα−アミラーゼとグルコアミラーゼ
を添加した実施例7では、失活させた米麹粉末のみの実
施例6に比べて、さらに品質が向上した。これは、前記
寄与成分自体が醗酵助剤としての効果を発揮するととも
に、寄与成分が酵素の効果を増強させるものと考えられ
る。
【0036】また、米麹粉末にα−アミラーゼとグルコ
アミラーゼを添加した実施例8では、米麹粉末のみを添
加した前記実施例1に比べて品質は変化しなかった。 (実施例9及び比較例8〜11)前記実施例1における
パンの製造の場合と同様にして、醗酵助剤を添加して肉
まんの皮を製造し、得られた肉まんの皮について形態的
及び官能的な評価を行った。その結果を表5に示した。
【0037】
【表5】 表5に示したように、米麹粉末を添加した実施例9では
形態的、官能的評価が全て良好であった。これに対し
て、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ又はα−アミラ
ーゼとグルコアミラーゼを添加した比較例8〜11で
は、スタンダードと同等又はやや良い程度であり、米粉
を添加した比較例11ではスタンダードよりも悪い結果
であった。 (実施例10〜14及び比較例12)次に、下記表6に
示す米麹粉末の添加量を変化させて肉まんの皮を製造
し、得られた肉まんの皮について形態的、官能的な評価
を行った。その結果を表7に示した。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】 表7に示したように、米麹の添加量が10〜12. 5重
量%のとき、官能的評価が最も良好である。また、米麹
の添加量が15〜20重量%になっても米麹の香りが強
い点を除けば形態的、官能的評価は非常に良好である。 (実施例15〜17及び比較例13)前記実施例9にお
ける肉まんの皮の製造の場合と同様にして、肉まんの皮
を製造し、得られた肉まんの皮について形態的、官能的
な評価を行った。実施例15では、米麹粉末として失活
した米麹粉末を用いた。失活の条件は前記実施例6と同
じである。
【0040】実施例16では、酵素を失活させた米麹粉
末にα−アミラーゼとグルコアミラーゼを添加した。実
施例17では、米麹粉末にα−アミラーゼとグルコアミ
ラーゼを添加した。比較例13では、米粉にα−アミラ
ーゼとグルコアミラーゼを添加した。
【0041】それらの結果を表8に示した。
【0042】
【表8】 表8に示したように、米麹中の酵素が失活されている実
施例15では、パンの場合と同様に肉まんの皮の品質が
向上している。また、失活させた米麹粉末に糖化酵素と
してα−アミラーゼとグルコアミラーゼを添加した実施
例16では、酵素を失活させた米麹粉末のみの実施例1
5より、さらに肉まんの皮の品質が向上した。
【0043】また、米麹粉末にα−アミラーゼとグルコ
アミラーゼを添加した実施例17では、米麹粉末のみを
添加した前記実施例9に比べて品質は変化しなかった。
なお、前記実施形態より把握される技術的思想について
以下に記載する。 (1) 前記米麹の粉末の含有量を5〜10重量%に設
定した請求項2に記載のパンを調製するための醗酵用組
成物。
【0044】このように構成した場合、パンの形態的及
び官能的な品質をより高めることができる。 (2) 前記小麦粉に米麹の粉末を混合してなる肉まん
の皮を調製するための組成物であって、前記米麹の粉末
の含有量が小麦粉に対して10〜15重量%である肉ま
んの皮を調製するための醗酵用組成物。
【0045】このように構成した場合、肉まんの皮の膨
らみや柔軟性などの形態的な品質及び味や香りなどの官
能的な品質を向上させることができる。 (3) 前記米麹中には、少なくとも、グルコアミラー
ゼを5〜6%及びα−アミラーゼを88〜92%含有す
るアミラーゼを含む請求項1に記載の醗酵食品用組成
物。
【0046】このように構成した場合、糖化酵素である
アミラーゼなどの酵素作用により、醗酵食品の形態的及
び官能的な品質を向上させることができる。 (4) 前記酵素の活性を失活させる条件は、米麹粉末
をアルコール中に浸漬して加熱処理した後、濾過し、さ
らに加熱処理するものである請求項3に記載の醗酵食品
用組成物。
【0047】このように構成すれば、アミラーゼなどの
酵素の活性を確実に消滅させることができる。
【0048】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明の醗酵食品用組成物によれば、小麦粉を使用した食品
の膨らみや柔軟性などの形態的な品質及び味や香りなど
の官能的な品質を向上させることができる。しかも、米
麹粉末は所定量の水分を含有し、粉末の粒径が大きいた
め、飛散が抑えられるとともに、澱粉量が多く、相対的
に蛋白質の含有量が少ない。そのため、アレルギー症状
の発生を抑制でき、米麹粉末の取扱いを容易にすること
ができる。
【0049】請求項2に記載の発明のパンを調製するた
めの醗酵用組成物によれば、パンの膨らみや柔軟性など
の形態的な品質及びパンの味や香りなどの官能的な品質
を向上させることができる。
【0050】請求項3に記載の発明の醗酵食品用組成物
によれば、酵素を失活させた米麹粉末を用いることによ
っても、醗酵食品の形態的な品質や官能的な品質を向上
させることができる。しかも、糖類などの寄与成分が醗
酵助剤としての効果を十分に発揮させることができ、醗
酵食品の形態的品質や官能的品質を高めることができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉に米麹の粉末を混合してなる醗酵
    食品用組成物であって、 前記米麹の粉末の含有量が小麦粉に対して0. 5〜30
    重量%である醗酵食品用組成物。
  2. 【請求項2】 小麦粉に米麹の粉末を混合してなるパン
    を調製するための醗酵食品用組成物であって、 前記米麹の粉末の含有量が小麦粉に対して2〜20重量
    %であるパンを調製するための醗酵食品用組成物。
  3. 【請求項3】 前記米麹の粉末は、その中に存在する酵
    素の活性を消失させたものである請求項1に記載の醗酵
    食品用組成物。
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