JPH10147255A - 車両及びそのレインフォース - Google Patents

車両及びそのレインフォース

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JPH10147255A
JPH10147255A JP30761896A JP30761896A JPH10147255A JP H10147255 A JPH10147255 A JP H10147255A JP 30761896 A JP30761896 A JP 30761896A JP 30761896 A JP30761896 A JP 30761896A JP H10147255 A JPH10147255 A JP H10147255A
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JP
Japan
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kick
frame
vehicle
reinforce
main frame
Prior art date
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JP30761896A
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English (en)
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Hiroyuki Nagae
寛之 長江
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速衝突時、フレームが想定以上のエネルギ
ー吸収をしなければならない場合においてのみ、最高値
の1/3〜1/5まで低下したフレーム抗力を再び急激
に高め、変形量の増加を抑える。 【解決手段】 フレームのキックアップ部を補強し衝撃
を吸収する構造であって、車両の前後方向に延設される
閉断面のメインフレーム4と、メインフレーム4のキッ
クアップ部2と、メインフレーム4のキックアップ部2
の内側に沿って配設するレインフォース3とからなり、
メインフレーム4の内側底面とレインフォース3の下面
に形成した傾斜面を構成する底部3bとで空間部Cを形
成すると共に、レインフォース3上面のキックアップ部
2の折れ部2aに対向する部位にU字形の溝3cを設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車、トラック
等のフレーム付き車両、モノコックボディ型車両等の車
両、及びその車両に用いるレインフォースに関し、特に
その事故に伴う衝突時の衝撃の緩和と乗員保護を課題と
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、図2,3に示すようなフレー
ム付き車両では、衝突時にその衝突工ネルギーの大半を
フレームの変形によって吸収している。従って衝突時の
車体特性、即ち衝突に伴う減速度の時間履歴や,客室変
形量等はフレームの変形抗力によって決まることにな
る。つまり、従来のフレーム付き車両では、フレームの
断面形状、板厚、レインフォースの設置等により衝突時
(図4参照)の折れ抗力を制御している。尚、レインフ
ォースは一般にフレーム内部に溶接等で固定され、衝突
のエネルギーにより車両全体はもとより、フレームに応
力が加わると同時にレインフォースにも応力が発生する
(図5、6参照)。その結果、図7に示すように、レイ
ンフォースはそのキックアップ部で大きく変形する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
場合、衝突時の乗員の保護の程度は、客室に発生する減
速度の時間履歴(以下、「キャブG」と略称する)と客
室変形量によって大きく左右されてくる。即ち、前者に
ついてはこれを平均的に低く保つことによってシートベ
ルト等の拘束手段を介して乗員が受ける衝撃が緩和さ
れ、後者についてはこれが大き過ぎると客の慣性移動に
伴って客室内部への乗員の衝突の程度が大きくなり、乗
員の脱出や救出が困難となる等の不具合を招く。キャブ
Gを低くするために、変形抗力を下げるとフレームのエ
ネルギー吸収効果が下がり客室変形量が増加してしまう
ことから、両方のバランスをとることは難しい。
【0004】フレーム付き車両の前面衝突時におけるフ
レーム変形モードは、一般的に後方においては圧潰とな
らず折れ曲り変形となるが、図6に示すように、折れモ
ードの抗力特性(F−S特性)は変位初期に最高値を示
し、その後、変位が増えるにつれて急激に下がリ,最高
値の1/3〜1/5の抗力となり、その後も下がり続け
るため変形の後半ではエネルギー吸収効果が低い。
【0005】この折れ後半でのエネルギー吸収効果を向
上させるため、フレーム内部にレインフォースを設置し
た場合、そのF−S特性は初期最高値も含めて全体的に
抗力が高まるが、フレームの各変形部の抗力バランスが
崩れキャブG特性を変化させてしまうことがある。
【0006】そこで、限られたクラッシュゾーンの中で
乗員保護性の良い車体を造るためには、ある衝突条件に
おいてそのクラッシュゾーンを最大限使ってキャブGを
低く保つように設計される。この場合、設計時に想定し
た衝突条件よリフレーム変形が増える衝突、例えば速度
大、重量大、片側衝突等のケースにおいては、大きく抗
力の下がったフレームで残余エネルギーを吸収しなけれ
ばならず客室変形量が著るしく増加するという問題があ
った(図5参照)。
【0007】これらの問題に関連して、特開平5−11
2254号公報に記載されているサブフレームは、メイ
ンフレームのキックアップ部に対向する位置のやや後方
に切欠部を形成すると共にサブフレームの面端部を角形
状とすることにより、衝突時にその前端部がキックアッ
プ部に当接係止し、上記切欠部にサブフレームに形成し
た切欠部を合致させて、フレームを突っ張らせずに折れ
曲げ易くした衝撃力吸収構造とした技術が示されてい
る。しかし、この構造では衝突形態により確実に切欠部
が合致するとは限らずその機能発揮の確実性が低いと考
えられる。特にクロスメンバーを閉断面にしているた
め、その両端においてメインフレームとサブフレームを
ボルトで貫通させた構造の場合には、衝突時にサブフレ
ームはメインフレーム内を瞬時に移動できない構造であ
ることから、この先行例は直接キックアップ部を保護す
る権造であるとは言い難い。
【0008】また、特開平5−185952号公報に記
載された技術は、キャブストッパーをこのキックアップ
部に配設するために、フレームの相対移動量が増大して
客室変形量の増加をまねく場合がある。本発明は上記従
来技術の状況に鑑みてなされたもので、その課題とする
ところは、フレーム付き車両等の衝突において、フレー
ムが想定以上のエネルギー吸収をしなければならない場
合においてのみ、最高値の1/3〜1/5まで低下した
フレーム抗力を再び急激に高めてエネルギー吸収効果を
向上させて変形量の増加を抑えることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する手段
として、請求項1記載の車両は、閉断面でキックアップ
部を設けたフレームと、該フレームのキックアップ部に
沿って配設されるレインフォースとを具備し、上記キッ
クアップ部における折れ部より車両外側の上面又は下面
と該面に対応するレインフォースの面間に空間部を形成
し、且つ前記レインフォースにおけるキックアップ部の
折れ部と対向する部位に凹部を形成したことで、フレー
ムのキックアップ部に衝突荷重が作用したとき、一次衝
撃力に対してフレームにおいて抗力を発揮させ、それ以
上の衝撃力に対してはレインフォースに衝撃力の多くを
吸収させることを特徴とする。
【0010】請求項2記載の車両は、請求項1記載の手
段に加えて、レインフォースをフレームのキックアップ
部の内側に沿って配設し、フレームのキックアップ部の
折れ部より車両外側部分の内下面と該内下面に対応する
レインフォースの底部との間に空間部を形成したこと
で、一次衝撃力に対して抗力を発揮させ、それ以上の衝
撃力に対しては、レインフォースの上面に設けた凹部と
キックアップ部とを直接合致させて衝撃力を吸収させる
ことを特徴とする。
【0011】請求項3記載の車両は、請求項1または2
記載の手段に加えて、メインフレームを車両の前後方向
に延設し、該メインフレームにおけるキックアップ部の
折れ部より車両前方の内下面に対してレインフォースの
底部を傾斜させて空間部を形成したことで、最も頻度が
高い前方からの衝撃を緩和することを特徴とする。
【0012】請求項4記載の車両は、フレームのキック
アップ部を補強し衝撃を吸収する構造であって、車両の
前後方向に延設される閉断面のメインフレームと、メイ
ンフレームのキックアップ部と、該メインフレームのキ
ックアップ部の内側に沿って配設されるレインフォース
とからなり、前記メインフレームの内側底面と前記レイ
ンフォースの下面に湾曲させて形成した傾斜面とで空間
部を形成すると共に、前記レインフォース上面における
キックアップ部の折れ部に対向する部位にU形溝を設け
たことで、メインフレームのキックアップ部に衝突荷重
が作用したとき、一次衝撃力に対してメインフレームに
おいて抗力を発揮させ、それ以上の衝撃力に対してはレ
インフォースに衝撃力の多くを段階的に吸収させること
を特徴とする。
【0013】請求項5記載の車両用のレインフォース
は、後方部の上下方向断面をコ字形とし、前方側の下面
を車両フレームのキックアップ部の下面傾斜角度より大
きい角度の湾曲した傾斜面として形成し、且つ前記レイ
ンフォース上面の折れ部に対向する位置にU形溝を設け
たことで、衝撃力の多くを段階的に吸収可能とすること
を特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
1及び図8〜13を参照して説明する。 (実施例の概要)本実施例は、車両が衝突した際に、車
両のフレーム1を折れ曲がりによって衝突エネルギーを
吸収させるキックアップ部2の内部又は外部にレインフ
ォース3を設け、且つレインフォース3の一部とフレー
ム1のキックアップ部2との間に空間部Cを形成するよ
うにし、フレーム1にある想定量以上の折れが生じた場
合にのみ作用するように構成する。即ち、レインフォー
ス3はそれ自身の塑性変形時に発生する抗力に加え、キ
ックアップ部2の折れ曲がりによる断面形状の変化を抑
制することによりフレーム1の折れ抗力を高めるもので
ある。
【0015】(実施例の具体的構成) (車体の構成)車体の全体構造及びフレーム構造は、図
2,3に示されるように従来構造とは基本的には変わり
はない。このことは本発明が従来の車両に容易に適用で
きることを示している。即ち、図1及び図8に示すよう
に、フレーム1の前後方向のメインフレーム4、4は2
本の鋼製のコ型枠を嵌合して閉断面として構成され、そ
の前部が折れ曲げられてキックアップ部2が形成されて
いる。
【0016】メインフレーム4のキックアッブ部2と
は、図2,3に示されるように車両のメインフレーム4
を車体の側面から見た際に、車室のドアやセンターピラ
ーが配設される部分のメインフレーム4の地上高に対し
て、前車輪やフロントピラーが配設される部分のメイン
フレーム4が上方へ折り曲げられて地上高が高められて
いる部分を指す。これは車両の車輪をメインフレーム4
が支持するために必要なフレーム構造であって、この折
り曲げ部をメインフレーム4のキックアップ部2と称し
ている。フレーム1に対して前方からの衝撃力が加えら
れると、メインフレーム4は収縮して衝撃力を吸収しよ
うとする。この際に、図4に示されるようにキックアッ
プ部2はより大きく変形する。本実施例では上記キック
アップ部2にレインフォース3を配設する。
【0017】(レインフォース3の形状について)レイ
ンフォース3は、特に図8に示されるように、後方の本
体部3aが上下断面においてコ字型に形成されていると
共に全体が側面視舟型に形成される。即ち、その前方の
底部3bは上方に湾曲して形成され、その上部前寄りに
は溝状の凹部3cが形成される。上記凹部3cから後の
本体部3aはメインフレーム4の内形状と略同一形状に
形成される。レインフォース3はキックアップ部2の内
部に嵌合・配設され、フレーム1のキックアップ部2の
折れ部2aの位置より車両外側の内下面とレインフォー
ス3の下側との間に空間部Cが形成される。
【0018】そして、一次衝撃力に対してはフレーム1
で抗力を発揮させ、それ以上の衝撃力に対しては、レイ
ンフォース3の上面に設けた凹部3cとキックアップ部
2の折れ部2aとを直接合致させ衝撃力を吸収させるよ
うに構成する。前方の底部3bの湾曲形状は種々の条件
から導き出されるが、その導き出し方法について説明す
る(図9参照)。
【0019】先ず、レインフォース3を設けていないキ
ックアップ部2の衝突時における変形モードを図7の
(B)に示す。ここでメインフレーム4の変形量をその
折れる角度変化に置き換えて以下のとおりとする。 θ0:衝突前のキックアップ部2の上向き角度 θ30:30km/hでの正面衝突による折れの最大角度 θ35:35km/hでの正面衝突による折れの最大角度 このθ0とθ30の時のキックアップ部2の変形を目立っ
た変形の及んでいない後方を基準にし重ね書きし、図9
に示されるように、両方のメインフレーム4,4’が重
なり合っている部分Aの形状を求める。この重なり部分
Aの形状を基本とし、ねらいの抗力特性、生産性を考慮
してレインフォース3の形状、板厚等を決める。その際
の考慮すべき点を以下に述ぺる。
【0020】1.図11に示される矢印で指している部
分は、抗力を素早く立ち上げる上で重要であるため、重
ね書きで求めた形状を極力忠実に守るべきである。同矢
印のうち、凹部3cに作用する矢印αは断面形状変化の
抑制、前方下面の底部3bの湾曲部に作用する矢印βは
レインフォース3自体の抗力をメインフレーム4に伝え
る役目を果たす。
【0021】2.θ30までのキャブG特性に影響をを与
えないために、レインフォース3のメインフレーム4内
部への固定部5は変形後も目立った変形の及んでいない
後方の範囲のみで溶接等により行う。以上の説明からわ
かるように、本発明はメインフレーム4には格別の細工
をせずに適用できるレインフォース3の構造であって、
キックアップ部2に加わる過大な衝突エネルギーを吸収
する構造である。
【0022】(実施例の作用)本実施例を採用しない場
合は、固定壁への30km/hで正面衝突によりクラッ
シュゾーンの大半を使って潰してしまう走行車を想定し
たときにその車両前部のF一δ特性が図12に示したも
のを前提とし、衝突速度を35km/hに増加した分B
の工ネルギーは30km/hの最大フレーム変形量S30
以降の変形で吸収することとなり、メインフレーム4変
形量は大きく増えて客室変形が過大となる。
【0023】しかし、本実施例の構成により、S30以降
の抗力が高まり、レインフォース3がそのエネルギー増
加分B’を吸収してメインフレーム4変形量は大きく増
えない。よって、客室変形が少なくて済む。また、S30
の時点において、進行中のメインフレーム4の変形現象
がキックアップ部2の下方向への折れである場合、前述
した方法によって導き出した形状のレインフォース3を
キックアップ部2内部に設けることにより、S30以降の
抗力が高まり、より少ないストロークS’35で速度増加
分Bの工ネルギーを吸収することができる。
【0024】衝突工ネルギー量は速度の二乗に比例する
から、 衝突工ネルギーの増加率=352/302=1.36 となるから、増加率は36%となる。上記実施例によれ
ば、レインフォース3前端部を舟形形状とし、その前端
部で衝撃力を受け止めて塑性変形時生じる抗力によって
それ自身反発する構造とした。
【0025】また、レインフォース3の上面にはU形溝
3cが形成されており、そのU形溝3cはメインフレー
ム4のキックアップ部2の折れ部2aと丁度対向する位
置、つまりキックアッブ部2の折れ部2aの真下に溝3
cを置くことにより、衝突時に溝3cに折れ部2aが直
接嵌まる構造で、レインフォース3が確実にキックアッ
プ部2をキャッチして断面形状変化を抑制する。
【0026】(実施例の効果)以上、本実施例は、レイ
ンフォース3を付設したメインフレーム4の特性を生か
しながら、いかなる衝突形態に対しても段階的にエネル
ギーを吸収することができる構造としている。しかも安
価に、軽量で、装着もし易く、結果的にキャピン内の乗
員の保護性を確実に向上させる構造である。そして、通
常走行時はメインフレーム4に作用するねじり荷重や曲
げ荷重に対して、所定の剛性を保待できる利点がある。
換言すれば、衝突時にある変形量に達するまでキャブG
特性を変化させることなく、狙った変形量以上の領域
(実施例では35km/h以上)において急激(レイン
フォース3の設定次第で穏やかも可能)に変形の進行を
抑えることができる。これによりキャブGと客室変形量
のバランスとりが極めて容易となる。
【0027】また、レインフォース3の形状は、キャブ
Gの緩和を優先したい限度の変形を示す衝突実験又はそ
れ相当の衝突シミュレーションでのフレーム変形状態を
参照して容易に求めることができる。例えば、下記条件
A、Bでケース1〜3の実験を行うことでレインフォー
ス設計上の基礎データとすることができる。
【0028】 (実験条件例) 客室変形量が過大となるような衝突条件 条件A 条件B ケース1 衝突速度増加 30km/h⇒ 35km/h ケース2 車両重量増加 空荷衝突⇒ 積車衝突 ケース3 偏りの有る衝突 フルオーバーラップ⇒ オフセット 衝突 衝突 これらのケースにおいて、衝突条件Aでのフレーム変形
量を考慮したレインフォース3を設けることで、条件B
での客室変形増加率を低く抑えることができる。また、
実施例のレインフォース3は、それ自体の塑性変形時に
生じる抗力に加え、フレームの折れ曲がりによる断面形
状変化の抑制により、メインフレーム4折れ抗力を高め
るため、従来のレインフォースに較べて効率がよい。ま
た、従来のものに較べてレインフォース3やメインフレ
ーム4の板厚を薄くすることが可能となり軽量化やコス
トダウンが期待できる。また、この構造によればコスト
・重量・組付け工数・作業性の向上が図れる。
【0029】(その他の実施例)本発明は実施例でも述
べたとおり、客室変形量が過大となるような衝突条件で
の変形量の増加を下げるための発明であり、有効なケー
スとして以下が考えられる。本発明のレインフォースは
フレーム付き車両に限らず、衝突中に基本構造部材が折
れ曲がり、これによってエネルギー吸収をする車両(例
モノコックボディ)の全てに応用できる。また前面衝突
に限らず後面,側面衝突等、他の衝突形態にも応用でき
る。また、上記実施例はレインフォース3を閉断面形状
のメインフレーム4の内部に装着したが、メインフレー
ム4の外部に設けても良く、また、レインフォース3の
内部に更なるレインフォース(図示せず)を配置しても
良い。また、キックアップ部2の内外にレインフォース
を併設しても良い。
【0030】なお、以上の説明は、車両の側面からみ
て、フレームが垂直方向に折曲するキックアップ部に適
用するレインフォースに関するものであるが、車両によ
っては平面上で水平方向にも折曲するフレームを備える
ものもある。本発明は、このような平面上で水平方向に
折曲するフレームのレインフォースにも適用できるもの
である。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、下記の効果を奏する。 1.請求項1記載の発明によれば、フレームのキックア
ップ部に衝突荷重が作用したとき、フレームに一次衝撃
力に対する抗力を発揮させ、それ以上の衝撃力に対して
は、レインフォースに衝撃力を吸収させることで、客室
に発生する減速度の時間履歴と客室変形量のバランスを
とることが容易になり、走行車の安全設計が容易とな
る。また、段階的に衝突のエネルギーを吸収させること
ができるから、衝突時の乗員保護を向上させることがで
き、併せて安価に、軽量で、装着もし易い。そして、通
常走行時はフレームに作用するねじり荷重や曲げ荷重に
対して、所定の剛性を保持できる。また、この構造によ
ればコスト・重量・組付け工数・作業性の向上が図れ
る。
【0032】2.請求項2記載の発明によれば、請求項
1記載の発明の効果に加えて、レインフォースをフレー
ムの内部に設けることにより、フレームの構成がコンパ
クトになり、また、レインフォースの抗力をフレームに
充分伝えることができる。 3.請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記
載の発明の効果に加えて、フレームを車両の前後方向に
延設し、該フレームにおけるキックアップ部の折れ部よ
り車両前方の内下面に対してレインフォースの下面を傾
斜させて空間部を形成したことで、最も頻度が高い前方
からの衝撃を緩和し、走行車の安全性の一層の向上に資
する。
【0033】4.請求項4記載の発明によれば、メイン
フレームのキックアップ部に衝突荷重が作用したとき、
一次衝撃力に対してメインフレームにおいて抗力を発揮
させ、それ以上の衝撃力に対してはレインフォースに衝
撃力の多くを一層緩やかに吸収させることができるか
ら、衝突時の乗員保護の向上に寄与する。 5.請求項5記載の発明によれば、衝撃力を緩やかに吸
収できるレインフォースを提供でき、しかもフレームに
取付簡単で汎用性も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示し、その主要部の部分斜視
図。
【図2】同実施例を適用する車両の概略側面図。
【図3】同実施例を適用するフレームの斜視図。
【図4】同実施例を適用する車両の衝突時の側面図で、
(A)は30km/h時、(B)は35km/h時を示
す。
【図5】同衝突時の車体の変位と車体全体の抗力の関係
を示す相関図。
【図6】同衝突時における折れモード発生部位の抗力特
性(F−S特性)を示す相関図。
【図7】従来技術における衝突時のフレームの衝突前
(A)及び衝突後(B)の状態を示す変形説明図。
【図8】同実施例の主要部の分解斜視図。
【図9】同実施例のレインフォースの基本形状を求める
説明図。
【図10】同実施例のレインフォースの配設図で、その
取付時(A)及び衝突時(B)を示す。
【図11】図10の(B)におけるレインフォースの作
用図。
【図12】同実施例の衝突時における車両全体のエネル
ギー吸収特性の概念図。
【図13】同実施例の衝突時におけるキックアップ部の
エネルギー吸収特性の概念図。
【符号の説明】
1 フレーム 2 キックアップ部 2a 折れ部 3 レインフォース 3a 本体部 3b 底部 3c 凹部(U形溝) 4 メインフレーム 5 固定(溶接)部 A 重なり部分 B 増加した分 C 空間部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉断面でキックアップ部を設けたフレー
    ムと、該フレームのキックアップ部に沿って配設される
    レインフォースとを具備し、上記キックアップ部におけ
    る折れ部より車両外側の上面又は下面と該面に対応する
    レインフォースの面間に空間部を形成し、且つ前記レイ
    ンフォースにおけるキックアップ部の折れ部と対向する
    部位に凹部を形成したことを特徴とする車両。
  2. 【請求項2】 レインフォースをフレームのキックアッ
    プ部の内側に沿って配設し、フレームのキックアップ部
    の折れ部より車両外側部分の内下面と該内下面に対応す
    るレインフォースの底部との間に空間部を形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の車両。
  3. 【請求項3】 メインフレームを車両の前後方向に延設
    し、該メインフレームにおけるキックアップ部の折れ部
    より車両前方の内下面に対してレインフォースの底部を
    傾斜させて空間部を形成したことを特徴とする請求項1
    または2記載の車両。
  4. 【請求項4】 フレームのキックアップ部を補強し衝撃
    を吸収する構造であって、車両の前後方向に延設される
    閉断面のメインフレームと、メインフレームのキックア
    ップ部と、該メインフレームのキックアップ部の内側に
    沿って配設されるレインフォースとからなり、前記メイ
    ンフレームの内側底面と前記レインフォースの下面に湾
    曲させて形成した傾斜面とで空間部を形成すると共に、
    前記レインフォース上面におけるキックアップ部の折れ
    部に対向する部位にU形溝を設けたことを特徴とする車
    両。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の車両
    において、フレームのキックアップ部は車両を平面的に
    みて、水平方向に折曲することを特徴とする車両。
  6. 【請求項6】 後方部の上下方向断面をコ字形とし、前
    方側の下面を車両フレームのキックアップ部の下面傾斜
    角度より大きい角度の湾曲した傾斜面として形成し、且
    つ前記レインフォース上面の折れ部に対向する位置にU
    形溝を設けたことを特徴とする車両用のレインフォー
    ス。
  7. 【請求項7】 車両のフレームのキックアップ部は、車
    両を平面的にみて、水平方向に折曲することを特徴とす
    る請求項6記載の車両用のレインフォース。
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