JPH09221067A - 車両のカウル構造 - Google Patents

車両のカウル構造

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JPH09221067A
JPH09221067A JP2807696A JP2807696A JPH09221067A JP H09221067 A JPH09221067 A JP H09221067A JP 2807696 A JP2807696 A JP 2807696A JP 2807696 A JP2807696 A JP 2807696A JP H09221067 A JPH09221067 A JP H09221067A
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vehicle
cowl
energy
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JP2807696A
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English (en)
Inventor
Satoshi Mikutsu
悟司 御沓
Masao Ito
正男 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は左右前輪のスプリングサポートと車
室との間に介在するカウルの構造として好適な車両のカ
ウル構造に関し、スプリングサポートとアッパボデーと
の間に高い剛性を付与することを目的とする。 【解決手段】 アッパーボデーにフロントエプロンメン
バ12,14を溶接する。アンダーボデーにフロントサ
イドメンバ16,17を溶接する。フロントサイドメン
バ16,17およびフロントエプロンメンバ12,14
と一体化されたスプリングサポート32,34を設け
る。フロントピラー20,22の間にカウルリーンフォ
ース40を固定する。スプリングサポート32,34と
カウルリーンフォース40との間に、カウル36と共
に、高剛性のカウルプレート44,46およびブラケッ
ト48,50を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のカウル構造
に係り、特に、左右前輪のスプリングサポートと車室と
の間に介在するカウルの構造として好適な車両のカウル
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フロントサイドメンバとフロ
ントエプロンメンバとを備える車体構造が知られてい
る。フロントサイドメンバは、エンジンルーム内を、左
右の車輪の内側において車両前後方向に延在する部材で
あり、その後端部においてサイドシルおよびフロアアン
ダメンバに連結されている。尚、サイドシルは、車室の
フロアに強度を与える部材であり、左右のドアの下部を
前後方向に延在している。また、フロアアンダメンバ
は、同様に車室のフロアに強度を与える部材であり、サ
イドシルの更に内側を前後方向に延在している。
【0003】フロアサイドメンバは、車両前方にエネル
ギが入力された場合に、適度に変形することによりその
エネルギを吸収するように構成されている。一方、フロ
ントエプロンメンバは、左右のフェンダ部に沿って前後
方向に延在する非強度部材である。フロントエプロンメ
ンバは、車両前方にエネルギが入力された場合に、エネ
ルギの吸収に大きく寄与することなく変形する。
【0004】上記の車体構造を有する車両に、その前方
からエネルギが入力されると、フロントサイドメンバが
適度に変形することによりエネルギの吸収が図られる。
この際、フロントサイドメンバが適当な剛性を発揮し、
かつ、サイドシルおよびフロアアンダメンバが高い剛性
を発揮することにより、エンジンルームおよび車室の過
度の変形が防止される。従って、上記従来の車体構造に
よれば、車両の前方からのエネルギが入力された場合
に、適切にエネルギを吸収して、車室内の変形を抑制す
ることができる。
【0005】ところで、車両に対して入力されるエネル
ギが大きい場合には、フロントサイドメンバに大きな変
形が生ずる場合がある。かかる大きなエネルギ入力に対
して車室の変形を最小限に止めるためには、サイドシル
およびフロアアンダメンバの強度のみならず、フロント
ピラーの強度をも有効に利用して、効率良く車室全体で
エネルギを受け止めることが有効である。
【0006】車両前方からエネルギが入力された場合
に、そのエネルギをフロントピラーに伝達するために
は、フロントピラーの車両前方側に、高い剛性を有する
強度部材を延在させる必要がある。しかしながら、フロ
ントエプロンメンバを高剛性の強度部材とすると、フロ
ントサイドメンバが変形し難くなり、所望のエネルギ吸
収能力を得ることが困難となる。従って、単にフロント
エプロンメンバを高剛性化することによっては、高いエ
ネルギ吸収能力と、高い車室剛性とを両立させることは
できない。
【0007】フロントピラーに連結または近接して配設
される部材としては、従来より、左右のフロントピラー
間を延在するように配設されるカウルが知られている。
自動車技術事例集95452号(日本自動車工業会知的
財産部会:1995年 5月 9日発行)には、カウルの開口部
が、左右のフロントピラーの近傍において、すなわち、
その両端部の近傍において、ブラケットにより閉塞され
てなるカウル構造が開示されている。かかるカウル構造
によれば、カウルの両端部に高い強度を付与することが
できる。
【0008】車両において、左右のフロントサイドメン
バには、それぞれ左右前輪のサスペンションを支持する
スプリングサポートが固定されている。これらのスプリ
ングサポートは、車両前方にエネルギが入力され、その
結果フロントサイドメンバが大きく変形した場合に、車
両後方側に、すなわち、カウル側に変位されることがあ
る。カウルの両端部に高い強度が付与されている場合、
スプリングサポートがカウルと当接するまで変位する
と、以後、車両前方に入力されるエネルギがカウルを介
して左右のフロントピラーに伝達される状態となる。か
かる状況下では、フロントサイドメンバに入力されたエ
ネルギを、サイドシルとフロアアンダメンバとに分散す
るのみならず、左右のフロントピラーにも分散させるこ
とが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記刊行物に
開示されるカウル構造は、車両前方から入力されるエネ
ルギをフロントピラーに伝達することを想定して構成さ
れたものではない。このため、フロントサイドメンバの
変形の仕方によっては、車両に入力されたエネルギが適
切にカウルへ伝達されない場合が生じ得る。
【0010】また、上記のカウル構造によれば、スプリ
ングサポートがカウルに当接するまでは、フロントサイ
ドメンバに入力されるエネルギが、アンダーボデーのみ
に伝達される。この間、アッパーボデーには、アンダー
ボデーに対して前方へ相対変位しようとする慣性が働
く。このため、上記のカウル構造においては、車両前方
にエネルギが作用した際に、アッパーボデーとアンダー
ボデーとの間に延在する非強度部材、例えばエンジンル
ームと車室とを隔成するダッシュパネル等に大きな変形
が生ずる場合がある。
【0011】このように、上記刊行物に開示されるカウ
ル構造は、所定値を超えるエネルギが車両に入力された
場合に、常にそのエネルギの一部をフロントピラーに伝
達し、かつ、常に車室の変形を適切に抑制するという点
では、未だ十分な効果を奏するものではなかった。
【0012】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、スプリングサポートとカウルリーンフォースと
の間に、高い剛性を有する強度部材を介在せしめること
により、上記の課題を解決する車両のカウル構造を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、左右のフ
ロントピラーの間に延在するカウルと、アンダーボデー
に連結されたサイドメンバと左右のエプロンメンバとに
固定されたスプリングサポートと、車両のアッパボデー
に近接して配置された高剛性部材と、を備える車両のカ
ウル構造であって、前記スプリングサポートと、前記高
剛性部材との間に延在する高剛性補助部材を備える車両
のカウル構造により達成される。
【0014】本発明において、車両に入力されたエネル
ギの一部は左右のサイドメンバに伝達される。サイドメ
ンバに伝達されたエネルギは、アンダーボデーに伝達さ
れると共に、スプリングサポートに伝達される。また、
スプリングサポートに伝達された力は、高剛性補助部材
を介して高剛性部材に伝達され、さらにアッパボデーに
伝達される。高剛性補助部材および高剛性部材は高い剛
性を有しているため、上記エネルギが入力された後、慣
性によりアッパボデーに生ずる車両前方へ向かう相対変
位量が小さく抑制される。また、車両に入力されたエネ
ルギの一部が常にアッパボデーに伝達されるため、確実
なエネルギの分散が図られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図4を参照して、
本発明の一実施例である車両のカウル構造について説明
する。図1は、本発明の一実施例である車両のカウル構
造を平面視で表した図を示す。図2は、図1に示すII矢
視により車両を表した図を示す。図3は、図1に示すII
I 矢視により車両のカウル構造を拡大して表した図を示
す。また、図4は、図3中に示すIV-IV 直線に沿って車
両を切断した際に得られる断面図を示す。
【0016】図1および図2において車両10は、図中
右側を前方として表されている。車両10は、車両の前
後方向に延在するフロントエプロンメンバ12,14お
よびフロントサイドメンバ16,17を備えている。フ
ロントエプロンメンバ12,14は、車両10の左右前
輪のフェンダ部に沿って延在し、それぞれ左右のフロン
トピラー20,22の近傍で車体のアッパボデーに溶接
されている。フロントエプロンメンバ12,14は、車
両10の前方にエネルギが作用した場合に、容易に変形
する非強度部材である。
【0017】フロントサイドメンバ16,17は、左右
前輪の内側を前後方向に延在する強度部材である。図2
に示す如く、フロントサイドメンバ16,17には、そ
の強度を補強するためのサブフレーム18,19が溶接
されている。サブフレーム18,19は、その前端部お
よび後端部においてフロントサイドメンバ16,17に
溶接されている。
【0018】フロントサイドメンバ16,17およびサ
ブフレーム18,19は、車両10の前方にエネルギが
作用した場合に、そのエネルギを受け止めてエンジンル
ームの過度の変形を防止するための部材である。従っ
て、これらの部材には、エンジンルームの過度の変形を
防止し、かつ、適切なエネルギ吸収機能を実現するうえ
で好ましい適度な強度が付与されている。
【0019】また、フロントサイドメンバ16,17
は、それらに入力されたエネルギが、フロアアンダメン
バ24,26、および左右のサイドシル28,30に伝
達されるように、これらアンダーボデーに溶接されてい
る。サイドシル28,30は、左右のドアの下部に相当
する部位を車両前後方向に延在する強度部材である。ま
た、フロアアンダメンバ24,26は、サイドシル2
8,30の更に内側を車両前後方向に延在する強度部材
である。
【0020】フロアアンダメンバ24,26およびサイ
ドシル28,30は、車両10の前方にエネルギが作用
した場合に、車室の変形を抑制するための部材である。
このため、フロアアンダメンバ24,26およびサイド
シル28,30には、十分に高い強度が付与されてい
る。
【0021】車両10は、左右前輪を支持するサスペン
ションが固定されるスプリングサポート32,34を備
えている。スプリングサポート32,34は、その下部
においてフロントサイドメンバ16,17と一体化され
ており、また、その上部においてフロントエプロンメン
バ12,14と一体化されている。左右前輪のサスペン
ションは、サスペンションの構成要素であるショックア
ブソーバの上端部がスプリングサポート32,34の上
端面に固定されることにより、車両10に搭載される。
【0022】車両10は、スプリングサポート32,3
4の後方側に、カウル36を備えている。カウル36
は、左右のフロントピラー20,22の間を延在するよ
うにエンジンルーム内に配設される部材である。本実施
例においてカウル36は、その上部が開口端とされてお
り、その内部にワイパーモータ等を収納している。
【0023】車両10は、また、カウル36の下方に、
エンジンルームと車室とを隔成するためのダッシュパネ
ル38を備えると共に、カウル36の後方に、カウル3
6の強度を補強するためのカウルリーンフォース40を
備えている。カウルリーンフォース40は、左右のフロ
ントピラー20,22の間を延在し、フロントピラー2
0,22の基部においてアッパボデーに固定されてい
る。カウルリーンフォース40の上部には、ウインドシ
ールドガラスの下端部を支持するカウルトップ42が配
設されている。
【0024】上述したスプリングサポート32,34と
カウルリーンフォース40との間には、高い剛性を有す
るカウルプレート44,46およびブラケット48,5
0が配設されている。本実施例の車両のカウル構造は、
これらカウルプレート44,46およびブラケット4
8,50を備えている点に特徴を有している。
【0025】図3に示す如く、カウルプレート44は、
車両前後方向を長手方向とする複数の水平面44aおよ
び垂直面44bを有する凹凸状に形成されている。かか
る凹凸形状を有するため、カウルプレート44は、車両
前後方向の圧縮荷重に対して高い降伏強度を有してい
る。
【0026】カウルプレート44は、図3および図4に
示す如く、その前端部および後端部、すなわち、ブラケ
ット48と対向する部位およびカウルリーンフォース4
0に対向する部位に、フランジ部44c,44dを備え
ている。一方、カウルリーンフォース40およびブラケ
ット48にも、カウルプレート44と対向する部位に、
それぞれフランジ部40a,48aが形成されている。
【0027】ブラケット48は、スプリングサポート3
2の上端面と側壁との間に形成される角部に掛止される
ように組み付けられる。また、ブラケット48およびカ
ウルプレート44は、ボルト52によりカウル36に共
締めされる。上記の構造によれば、スプリングサポート
32が車両後方へ向かって押圧された際には、その押圧
力が、ブラケット48、カウルプレート44およびカウ
ル36を介して、効率良くカウルリーンフォース40に
伝達される。
【0028】尚、車両の右側に配設されるカウルプレー
ト46およびブラケット50については、形状が左右対
象であることを除き、構成および機能において上述した
カウルプレート44およびブラケット48と異なる所が
ないため、その説明を省略する。
【0029】以下、図5乃至図9を参照して、本実施例
の車両のカウル構造により奏される効果について説明す
る。図5は、本実施例のカウル構造と対比されるカウル
構造を有する車両60の要部を側面視で表した図を示
す。尚、図5において、上記図1乃至図4に示す構成部
分と同一の部分については、同一の符号を付してその説
明を省略する。
【0030】車両60は、本実施例の車両10と同様
に、フロントエプロンメンバ12,14、フロントサイ
ドメンバ16,17およびサブフレーム18,19を備
えている。一方、車両60は、本実施例の車両10と異
なり、カウルプレート44,46およびブラケット4
8,50を備えていない。
【0031】図5に示す如く、車両60の前方に設置さ
れた障害物62と車両60との間に荷重が印加される
と、フロントエプロンメンバ12,14およびフロント
サイドメンバ16,17に圧縮荷重が作用する。かかる
圧縮荷重に対して、フロントエプロンメンバ12,14
は容易に変形するため、車両に入力されたエネルギは、
主にフロントサイドメンバ16,17およびサブフレー
ム18,19で受け止められる。
【0032】図6は、障害物62からの荷重入力が継続
された場合に車体60に生ずる変形の一例を側面視で表
した図を示す。また、図7は、障害物62からの荷重入
力が継続された場合に車体60に生ずる変形の一例を平
面視で表した図を示す。上述の如く、車両60にはカウ
ルプレート44,46およびブラケット48,50が搭
載されていない。このため、車両60においては、スプ
リングサポート32,34に比較的容易に車両後方側へ
向かう変形が許容される場合がある。
【0033】上記の構造によれば、フロントサイドメン
バ16,17の車両前方側が適当に変形することにより
車両60に入力されたエネルギが吸収される。また、フ
ロントサイドメンバ16,17の車両後方側、サブフレ
ーム18,19、フロアアンダメンバ24,26および
サイドシル28,30が高い剛性を発揮することにより
エンジンルームおよび車室の変形が適切に抑制される。
【0034】ところで、車両60の如く、車両に入力さ
れるエネルギが、主にフロントサイドメンバ16,17
からフロアアンダメンバ24,26およびサイドシル2
8,30のみに伝達される車体構造においては、入力エ
ネルギの大部分がアンダーボデー側に伝達され、高い剛
性を有するフロントピラー20,22側に伝達されるエ
ネルギの割合が小さくなる。車両60に大きなエネルギ
が入力された場合に車室の変形を最小限に止めるために
は、入力されたエネルギが、アンダーボデーおよびアッ
パボデーの双方に適切に分散されることが望ましい。こ
の意味で、車両60の構造は、必ずしも車室内の変形を
抑制する構造として最適なものではなかった。
【0035】図8は、障害物62からエネルギが入力さ
れた場合に、本実施例のカウル構造を備える車両10に
生ずる変形を側面視で表した図を示す。また、図7は、
障害物62からエネルギが入力された場合に車体10に
生ずる変形を平面視で表した図を示す。
【0036】車両10のフロントエプロンメンバ12,
14は、スプリングサポート32,34の前方側におい
て容易に変形することができる。従って、車両10の前
方からエネルギが入力された場合には、スプリングサポ
ート32,34の前方側においてフロントエプロンメン
バ12,14およびフロントサイドメンバ16,17が
上記図5に示す車両60の場合と同様に変形する。この
ため、車両10においても、車両60と同様の優れたエ
ネルギ吸収能力を得ることができる。尚、上記の如くフ
ロントエプロンメンバ12,14の、車両前方側部位の
変形が進行する過程では、入力エネルギの大部分がフロ
ントサイドメンバ16,17によって受け止められる。
このため、かかる過程では、フロントピラー20,22
に入力されるエネルギは小さく抑制される。
【0037】図8および図9に示す如く、フロントエプ
ロンメンバ12,14のスプリングサポート32,34
の前方側の部位、およびフロントサイドメンバ16,1
7のスプリングサポート32,34の前方側の部位に大
きな変形が生じた後に、更にエネルギの入力が継続され
ると、フロントサイドメンバ12,14に入力されるエ
ネルギが、スプリングサポート32,34に伝達され
る。その結果、スプリングサポート32,34とアッパ
ボデーとの間には大きな圧縮応力が発生する場合があ
る。
【0038】本実施例のカウル構成において、スプリン
グサポート32,34とアッパボデーとの間には、フロ
ントエプロンメンバ12,14およびカウル36のみな
らず、高い強度を有するカウルプレート44,46およ
びブラケット48,50が配設されている。このため、
車両10においては、スプリングサポート32,34と
アッパボデーとの間に、十分に上記の圧縮応力に対抗し
得る強度が確保されている。
【0039】ところで、車両10においてカウルプレー
ト44,46およびブラケット48,50に入力された
エネルギは、上述の如くカウルリーンフォース40に伝
達される。カウルリーンフォース40に入力されたエネ
ルギは、その両端部から、フロントピラー20,22に
伝達される。従って、本実施例のカウル構造によれば、
フロントエプロンメンバ12,14およびフロントサイ
ドメンバ16,17が可能な限り変形した後に、更に車
両10に入力されるエネルギは、アンダボデーと共にア
ッパボデーにも伝達されることになる。
【0040】このように、本実施例のカウル構造によれ
ば、車両10に入力されるエネルギを、アンダボデーと
アッパボデーに分散させることができる。エネルギが分
散されると、アンダーボデーの強度に加え、アッパボデ
ーの強度が有効に活用されることになり、車室の変形を
小さく抑制することが可能となる。この点、本実施例の
カウル構造は、大きなエネルギ入力に対して、車室の変
形を抑制するうえで優れた効果を有していることにな
る。
【0041】また、上記図5乃至図7に示す車両60の
如く、スプリングサポート32,34とアッパボデーと
の相対変位が許容される構造においては、車両に対して
大きなエネルギが作用した場合に、慣性によりアッパボ
デーが車両前方側へ相対変位することがある。アッパボ
デーが車両前方側へ大きく相対変位すると、その変位に
伴ってダッシュパネル38等の非強度部材に局部的な変
形が生ずる場合がある。これに対して、本実施例のカウ
ル構造によれば、ダッシュパネル38等のかかる変形を
確実に防止することができる。この点、本実施例のカウ
ル構造は、車室の局部的な変形を抑制するうえでも優れ
た効果を有していることになる。
【0042】ところで、本実施例のカウル構造ににおい
ては、図4に示す如く、カウルプレート44のフランジ
部44dとカウル36との間、およびカウル36とカウ
ルリーンフォース40のフランジ部40aとの間に、そ
れぞれ適当な間隙が形成されている。これらの間隙は、
車両10の前方にエネルギが入力された後、スプリング
サポート32,34が僅かに車両後方側へ変形すること
により消滅される。
【0043】車両10の走行中には、カウルプレート4
4、カウル36およびカウルリーンフォース40に、走
行振動が入力される。カウルプレート44のフランジ部
44d、カウル36およびカウルリーンフォース40の
フランジ部40aが当初から接触しているとすれば、走
行振動の入力に対して、それらの接触部に離間・接触の
繰り返し、及び摺動が生ずる。接触部の離間・接触、お
よび摺動は、車両10における異音の原因となる。これ
に対して、本実施例のカウル構造の如く、カウルプレー
ト44とカウル36との間、およびカウル36とカウル
リーンフォース40との間に適当な間隙が確保されてい
れば、上記の異音を防止することができる。この点、本
実施例のカウル構造は、車両10の走行中における異音
防止に関しても、優れた効果を有していることになる。
【0044】次に、本実施例のカウル構造が、エアバッ
グシステム等、減速度センサを備える車両に搭載された
場合の効果について説明する。近年では、所定値を超え
る減速度が車両に作用した場合に、車両の搭乗者の姿勢
を拘束するエアバッグが広く用いられている。かかるエ
アバッグシステムには、車両に対して所定値を超える減
速度が作用した場合にオン状態となる減速度センサが用
いられる。エアバッグシステムに用いられる減速度セン
サには、通常の運転状態により生じ得る減速度に対して
オン状態とならず、かつ、通常の運転状態では生じ得な
い減速度に対して速やかにオン状態となることが要求さ
れる。
【0045】減速度センサに課される上記の要求を満た
すためには、車両が、外部からのエネルギ入力に対して
大きな減速度を発生させ易い特性を有していることが望
ましい。本実施例のカウル構造によれば、上述の如く、
車両10に入力されるエネルギがアンダーボデーおよび
アッパボデーの双方で受け止められる。この場合、エネ
ルギがアンダボデーのみで受け止められる場合に比して
車室の変形が抑制されるため、車室には大きな減速度が
生じ易い。この点、本実施例のカウル構造は、車室内に
配設される減速度センサにおいて、高い減速度感知性能
を付与し得るという効果を有していることになる。
【0046】ところで、上記の実施例においては、カウ
ルリーンフォース40が前記した高剛性部材に、また、
カウルプレート44,46およびブラケット48,50
が、前記した高剛性補助部材に相当している。尚、高剛
性部材はカウルリーンフォース40に限定されるもので
はなく、例えば、上方を閉口端としたカウルにより高剛
性部材を構成することとしてもよい。また、高剛性補助
部材は、必ずしも左右のスプリングサポート32,34
のそれぞれに対して設ける必要はなく、カウルプレート
44,46およびブラケット48,50を左右何れか一
方にのみ配設することとしても良い。
【0047】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、スプリン
グサポートを車両後方側へ変形させようとするエネルギ
を、スプリングサポートに大きな変形を許容することな
く、かつ、確実に、アッパーボデーに伝達することがで
きる。従って、本発明に係る車両のカウル構造によれ
ば、アッパーボデーの強度を有効に利用して、車室内の
変形を効率良く抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるカウル構造を平面視で
表した図である。
【図2】本発明の一実施例であるカウル構造を側面視で
表した図である。
【図3】本発明の一実施例であるカウル構造を図1に示
すIII 矢視で表した斜視図である。
【図4】本発明の一実施例であるカウル構造を図3に示
すIV-IV 直線で切断した際に得られる断面図である。
【図5】本発明の一実施例であるカウル構造と対比され
るカウル構造を搭載する車両の側面図である。
【図6】本発明の一実施例であるカウル構造と対比され
るカウル構造を搭載する車両に前方からエネルギが入力
された際の状態を側面視で表した図である。
【図7】本発明の一実施例であるカウル構造と対比され
るカウル構造を搭載する車両に前方からエネルギが入力
された際の状態を平面視で表した図である。
【図8】本発明の一実施例であるカウル構造を搭載する
車両に前方からエネルギが入力された際の状態を側面視
で表した図である。
【図9】本発明の一実施例であるカウル構造を搭載する
車両に前方からエネルギが入力された際の状態を平面視
で表した図である。
【符号の説明】
10 車両 12,14 フロントエプロンメンバ 16,17 フロントサイドメンバ 18,19 サブフレーム 20,22 フロントピラー 24,26 フロアアンダメンバ 28,30 サイドシル 32,34 スプリングサポート 36 カウル 38 ダッシュパネル 40 カウルリーンホース 42 カウルトップ 44,46 カウルプレート 48,50 ブラケット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右のフロントピラーの間に延在するカ
    ウルと、アンダボデーに連結されたサイドメンバと左右
    のエプロンメンバとに固定されるスプリングサポート
    と、車両のアッパボデーに近接して配置された高剛性部
    材と、を備える車両のカウル構造であって、 前記スプリングサポートと、前記高剛性部材との間に延
    在する高剛性補助部材を備えることを特徴とする車両の
    カウル構造。
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Cited By (7)

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