JPH10147191A - 自動車内装用嵩高起毛不織布及びその製造法 - Google Patents

自動車内装用嵩高起毛不織布及びその製造法

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JPH10147191A
JPH10147191A JP30927596A JP30927596A JPH10147191A JP H10147191 A JPH10147191 A JP H10147191A JP 30927596 A JP30927596 A JP 30927596A JP 30927596 A JP30927596 A JP 30927596A JP H10147191 A JPH10147191 A JP H10147191A
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章祐 奥
Hiroki Nagayama
啓樹 永山
Koichi Nemoto
好一 根本
Hiroshi Sugawara
浩 菅原
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Abstract

(57)【要約】 高融点のポリエステルステープル繊維と熱融着性ポリエ
ステル系バインダー繊維を含み、構成繊維配合が異なる
意匠層と基材層とを積層一体化してなる不織布からな
り、意匠層の表面にニードルパンチング等によってパイ
ルを形成し表面意匠を施してなる自動車内装用嵩高起毛
不織布。 【課題】 基材の支持機能及び緩衝機能と表皮の審美的
機能とを一体化して併有し、更には、柔軟な触感と優れ
た吸遮音性と改善された耐摩耗性とを兼備した不織布よ
りなる自動車内装材を提供する。 【解決手段】 平均の厚みが1〜50mmであり且つ平
均の見かけ密度が0.01〜1.0g/cm3 であり、
表面に着色繊維パイルを有する意匠層と支持機能及び緩
衝機能を有する不織布基材とからなり、全体が高融点合
成繊維ステープルと、低融点バインダー繊維よりなる嵩
高起毛不織布積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、天井、壁、床(カーペ
ット)等、居住空間の仕切り面、特に自動車の内装に用
いられる嵩高起毛不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天井、壁、床(カーペット)等、
居住空間の仕切り面、或いは自動車の内装材としては、
図1〜3に示すような垂直断面形状を有する不織布が知
られている。図1に示すものは、特開平4−30336
37号公報に開示されたように、形状安定感を得るため
に比較的硬めの基材2に不織布表皮2を張り付けた例で
ある。この場合、基材2としては、鋼板、コンクリー
ト、木質ボード、樹脂ボード、段ボール、レジンフェル
ト等が用いられる。これらの基材上に不織布表皮1を接
着または積層することにより内装材としての美観を確保
することができる。
【0003】図2に示すものは、基材と表皮3との間に
柔らかくクッション性を有するポリウレタンやポリエチ
レン等の発泡体シートやフェルトを基材(支持体)4と
して用いることにより触感や吸遮音性を改善した例であ
る。例えば、特開昭61−237630号、特開平2−
162171号、同3−176241号、同4−176
742号等の各公報に開示されている。
【0004】また、図3は基材として成形可能な不織布
6に不織布表皮5を張り付けて、触感、吸遮音性を改善
した例であり、特開平5−30681号、同5−118
217号として提案されている。
【0005】しかしながら、図1の場合、硬い基材2に
不織布表皮1を張り付けても、なお触感は硬く、高級感
を損なうという問題点がある。また、内装材に吸遮音性
が要求される場合、基材2が硬いと、通気性が全くない
かまたは極めて小さい状態となり、十分な吸遮音性が得
られないという問題点もある。
【0006】図2の場合は、触感や吸遮音性は改善され
るが、構成が複雑となり材料コストや製造コストの上昇
を招くことになり好ましくない。
【0007】図3の場合は、触感、吸遮音性は改善され
るが、表皮5、基材6に同じ不織布を用いながら、それ
ぞれ別個に製造したものを再び張り付ける工程を必要と
する等、工数の増加によるコスト上昇の問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点に着目してなされたもので、少なくとも一
方の表面に例えばニードルパンチ等によって表面意匠を
施し、基材層の支持機能及び緩衝機能と表皮の審美的機
能とを一体化して併有するとともに、更に、柔軟な触感
と優れた吸遮音性とを兼備した単一構造の不織布よりな
る内装材を提供し、上記問題点を解決することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の内装材用嵩高起
毛不織布は、少なくとも一方の表面を含む構成繊維が着
色されて不織布意匠層を構成するとともに、該意匠層と
一体的に積層された保形性増強機能及び緩衝機能を持つ
不織布基材層を含んでなり、更に表面全面に亙って着色
された該不織布の構成繊維の一部が突出したパイルを形
成し、意匠模様を顕出してなる。また、本発明の内装材
用嵩高起毛不織布は、全体として熱可塑性合成繊維の短
繊維からなり、最も好ましくは高融点ポリエステル繊維
のマトリックス繊維及び熱融着性バインダー繊維を特定
の配合比率でブレンドしてなり、構成繊維の交点がバイ
ンダー繊維によって接着され、接着点が不織布全体に実
質的に均一に分布してなる形態の安定した吸遮音性不織
布で構成される。
【0010】本発明の内装用嵩高起毛不織布の製造法
は、高融点合成繊維ステープルからなるマトリックス繊
維及び熱融着性バインダー繊維ステープルをそれぞれ特
定の配合比率でブレンド及びカーディングして、意匠層
と基材層用ウェブとを別体に作製し、両者を積層してニ
ードルパンチ及び/又は加熱接着にて成型一体化し、次
いで、フォークニードル等を用い、表面にパイルを形成
し、パイル部分の先端部分をシャーリング加工により切
り揃え、好ましくは、適宜所定の高低差を以て切り揃え
コード調やディロア調の柄を出し、必要に応じてヒート
セットをすることよりなる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記不織布意匠層の構成繊維配合
は、マトリックス繊維として2〜30デニールの高融点
ポリエステル系ステープル繊維76〜98重量%と、熱
融着性バインダー繊維として、低融点コポリエステルが
繊維表面の少なくとも一部を占めるコンジュゲート構造
を有する1〜20デニールのポリエステル系熱融着性ス
テープル繊維2〜24重量%とをブレンドしてなる。
【0012】上記熱融着性バインダー繊維は、不織布構
成繊維との交点の少なくとも一部を熱融着により接合
し、所定形状に成形された不織布意匠層を安定化する。
該バインダー繊維は不織布意匠層重量基準で2〜24重
量%、好ましくは5〜20重量%配合されるが、2重量
%未満では、繊維間接着点が少なくなるため、使用中に
パイル部からの毛抜けが頻繁に発生する他、加熱成形に
よる十分な形状保持性を得難いため好ましくなく、一方
24重量%を超えるとコストアップを招く他に、繊維間
接着点が増えるため、不織布意匠層の一方の面に形成さ
れたコード調、ディロア調等の柄が加熱成形後に変化
し、また、成形加熱後、毛倒れ等が生じる虞れがあり、
見栄え上問題が生じる可能性がある。更に意匠層のバイ
ンダー繊維を5〜20重量%の範囲に限定すれば、上記
の懸念はすべて解消し、パイルの毛抜けが完全に防止さ
れ、成形加熱後の毛倒れ発生の恐れもなく良好な形態安
定性が得られる。
【0013】又、該意匠層に用いる熱融着性ポリエステ
ル系コンジュゲート繊維の繊度は1〜20デニールの範
囲にあるが、更に好ましくは、2〜15デニールであ
る。1デニール未満では、原糸製造コストが上昇する上
に、不織布化工程におけるカード通過性に問題が生じ、
品質の良好な不織布が得難くなり、又、20デニールを
超えると繊維本数の減少に伴って繊維間接着点も減少
し、加熱成形により十分な形状保持性性得られ難くなる
ため好ましくない。更に、上記繊度を2〜15デニール
の範囲に限定すれば、高価なコンジュゲート繊維のコス
トダウンに寄与する他、品質並びに形態安定性の一層改
良された意匠層が得られる。又、上記意匠層を構成する
高融点ポリエステルマトリックス繊維の繊度が2デニー
ル未満になると、上記同様に不織布化工程におけるカー
ド通過性に問題が生じ、品質の良好な不織布原反が得難
くなり、一方30デニールを超えるとパイルの肌理が粗
くなり、粗硬感が増大するなど、風合いの面で好ましく
ない。
【0014】原反に所定の色を着色するために上記ポリ
エステルの双方又はいずれか一方を、紡糸段階で紡糸原
料に顔料を添加して着色する所謂、原着繊維とすること
が好ましく、また、耐光剤等を添加することも可能であ
る。
【0015】更に、該意匠層と一体的に積層され保形性
増強機能および緩衝機能を有する不織布基材層は、マト
リックス繊維としての高融点ポリエステル繊維とバイン
ダー繊維としての熱融着性ポリエステル繊維をブレンド
して用いるが、不織布基材層の構成繊維配合は、マトリ
ックス繊維として、平均繊度1.5〜40デニールの高
融点ポリエステル系ステープル繊維を不織布基材の重量
基準で30〜95重量%と、熱融着性バインダー繊維と
して低融点コポリエステルが繊維表面の少なくとも一部
を占めるポリエステル系コンジュゲート構造を有する平
均繊度1〜20デニールの熱融着性ステープル繊維を不
織布基材の重量基準で5〜70重量%とをブレンドして
なる。
【0016】上記不織布基材層を構成する高融点ポリエ
ステル系ステープル繊維の平均繊度が1.5デニール未
満の場合には、繊維自体の剛性が小さいため、芯材とし
ての保形性増強並びに緩衝機能が不足し、更に紡糸速度
の低下により製造コストが上昇し、又は不織布化する際
のカード機の通過性が低下して、品質の良い不織布基材
を安価に得ることができない。一方、40デニールを超
えると繊維集合体中の単位体積当たりの繊維総本数が少
なくなり、バインダー繊維との接着点が減少して、十分
な剛性を得ることが困難となる。また、繊維径が太くな
ることにより、表面積/横断面積の値が小さくなるた
め、効率よく音のエネルギーを吸収し難くなる。
【0017】上記不織布基材層を構成する熱融着性ポリ
エステル系バインダー繊維は、当該不織布層の重量基準
で5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%配合す
る。5重量%未満では、繊維間接着点が少なくなるた
め、加熱成形をした際、十分な形状保持性が得られ難い
ため好ましくなく、一方、70重量%を超えると、コス
トアップを招く他、繊維間接着点が増えるために圧縮反
発力が過大となり、適度な緩衝機能を発揮し難くなる可
能性がある。更に、上記配合量を10〜60重量%の範
囲に限定することにより、最も適度な数の接着点が得ら
れ、優れた形態安定性と緩衝機能とを備えた基材層が合
理的コストで提供される。
【0018】本発明に用いる高融点ポリエステル繊維と
は、繊維形成性熱可塑性芳香族ポリエステルを主たる構
成成分とする繊維であり、特にポリエチレンテレフタレ
ート系繊維、ポリブチレンテレフタレート系繊維、ポリ
エチレンナフタレート系繊維、ポリ(p−オキシベンゾ
エート)系繊維、ポリ[p−(2−ヒドロキシエチル)
オキシベンゾエート]系繊維等を例示することができ
る。そのうち、特に入手容易なポリエチレンテレフタレ
ート繊維は、融点や引張強度、モジュラスが比較的高く
マトリックス繊維として用いた場合、保形性増強および
緩衝機能を有効に果たすので好ましい。更に、ホモポリ
エステルと共重合ポリエステル或いは変性ポリエステル
とを繊維軸に沿って偏心的、例えば、偏心芯鞘型或いは
サイド・バイ・サイド型、に複合したコンジュゲート繊
維は熱処理により捲縮を発現し不織布の交絡度を高め成
形性が増す特色がある。更に、上記高融点ポリエステル
繊維の横断面形状としては、円形の他、偏平型、Y型、
中空型等、特に制限はない。
【0019】又、バインダー繊維に用いられる低融点コ
ポリエステルとしては、通常、コポリマー或いはブレン
ドポリマー、典型的には、ポリエチレンテレフタレート
にイソフタル酸等の共単量体を共重合或いはブレンドす
ることによって融点を低下させたポリエステル系熱融着
性ポリマーが好適に使用される。一般的には、例えば、
テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸等の二塩基酸
成分と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のジオール成分、またはラクトンを開環して共重合
したコポリエステル等を用いることが可能である。支持
機能を有するホモポリエステルとしては、特に限定はな
いが、ポリエチレンテレフタレートまたはそれに準ずる
成分を有するポリエスエルが安価で最も好ましい。
【0020】更に又、バインダー繊維は上記の熱融着性
ポリマーよりなる単一成分繊維でもよいが、かかる熱融
着性ポリマーが繊維表面の少なくとも一部を占めるコン
ジュゲート繊維、特に、ホモポリマーを芯成分とし熱融
着性共重合ポリマーを鞘成分とする芯鞘型コンジュゲー
ト繊維を用いれば、芯成分の支持機能を維持したまま熱
融着機能を果たすことができるので最も好適である。ま
た、サイド・バイ・サイド型コンジュゲート繊維とすれ
ば、過度に減少した融着点の形成により不織布の硬化を
防ぐこともできる。
【0021】バインダー繊維は熱処理、例えば高融点ポ
リエステルよりなるマトリックス繊維の軟化点以下の温
度による熱処理で軟化或いは溶融して融着性を発現する
ことができる。熱処理はマトリックス繊維の軟化点温度
未満、バインダー繊維の融着性発現温度以上で行われる
が、単独の工程としても或いは加熱成形工程に伴って行
うこともできる。かかる熱処理により、バインダー繊維
と交わる構成繊維は交点において接着し不織布に形態安
定性を付与する他、バインダー繊維はマトリックス繊維
の支持機能と協働して不織布に適度な剛性を与える。更
にまた、バインダー繊維の使用により、不織布の面に添
設される凹凸形状を吸収したり、意図的に凹凸を不織布
表面に安定に付与することも可能となる。
【0022】低融点コポリエステルの融点は100〜2
30℃の範囲であることが好ましく、更に好ましくは1
05〜210℃の範囲である。融点が100℃未満で
は、紡糸の際に単糸間融着によりタッキングが起こる問
題があるほか、マルチフィラメント間の融着によって解
繊が困難になるという問題点がある。融点が230℃を
越えると、加熱時に低融点成分だけでなく高融点成分も
軟化または溶融する可能性があり、塊状となって繊維と
しての形状を失い、見栄え上問題となる場合があるほ
か、加熱温度が上昇し成形が困難になる。上記融点が1
05〜210℃の範囲にある低融点コポリエステルを用
いることにより、上記の問題点を完全に解消することが
可能である。
【0023】本発明の内装用嵩高起毛不織布を成形した
後の平均厚みは1〜50mmであることが好ましい。1
mm未満の場合には、厚み不足による曲げ剛性低下傾向
が否めず強度的にも弱くなり、また剛性を確保できた場
合においても所望の適度な通気量が得られず、内装材に
吸音もしくは遮音等の性能を付与することが困難になっ
てしまう。更に成型時に作用する圧力等により、表面の
風合い、見栄えを損なう虞れもある。一方、50mmを
越えると、低密度の場合、芯材自体の単位断面積当りの
曲げ弾性率が小さくなるため、また高密度の場合、芯材
の自重が大きくなるため、自重による変形、垂れ下り、
へたり等がみられ保形性能が低下する。
【0024】また、本発明の内装用嵩高起毛不織布は積
層された状態において、成型前における厚みが5〜70
mmであり、300〜2000g/m2 の面密度(目
付)を有することが好ましい。厚みが5mm未満の場
合、所望の面密度を確保することが困難であり、一方、
70mmを越えると、原反の厚みが大きすぎるため、成
型時のハンドリング等の作業性が低下する。また、面密
度が300g/m2 未満の場合、圧縮反発力の不足によ
り、緩衝層としての機能を十分に発揮することができ
ず、また、2000g/m2 を超えると、繊維集合体が
硬過ぎて、成型後、表面が所望の風合いを備えなくな
る。
【0025】本発明の内装用嵩高起毛不織布の製造法
は、意匠層として、原着、染色、捺染等、好ましくは原
着によって着色された熱可塑性合成繊維よりなる短繊維
ウェブと、それとは別体に作製された上記と同種の着色
または非着色熱可塑性合成繊維よりなる保形性増強及び
緩衝層用の短繊維ウェブとを積層し、両者をニードルパ
ンチ及び/又は加熱接着にて成型一体化し、次いで、フ
ォークニードル等を用い、表面にパイルを形成し、パイ
ル部分の先端部分をシャーリング加工により切り揃え、
好ましくは、適宜所定の高低差を以て切り揃えコード調
やディロア調に柄出しする。
【0026】また、上記製造法の好適な具体例は、マト
リックス繊維として2〜30デニールの高融点ポリエス
テル系ステープル繊維76〜98重量%と、熱融着性バ
インダー繊維として、低融点コポリエステルが繊維表面
の少なくとも一部を占めるコンジュゲート構造を有する
1〜20デニールのポリエステル系熱融着性ステープル
繊維2〜24重量%とをブレンドし、定法によりカーデ
ィングして不織布意匠層用の短繊維ウェブを作製し、別
途マトリックス繊維として平均繊度1.5〜40デニー
ルの高融点ポリエステル系ステープル繊維30〜95重
量%と、熱融着性バインダー繊維として低融点コポリエ
ステルが繊維表面の少なくとも一部を占めるポリエステ
ル系コンジュゲート構造を有する平均繊度1〜20デニ
ールの熱融着性ステープル繊維5〜70重量%とをブレ
ンドし、定法によりカーディングして不織布基材層用の
短繊維ウェブを作製する。意匠層用の短繊維ウェブは、
例えば、原着繊維を以て構成する等して着色されている
ことが良い。次いで、これらの短繊維ウェブを連続した
複数のクロスレイヤーに仕掛け、最外層ウェブ供給用を
含む少なくとも1台のクロスレイヤーから着色された意
匠層用短繊維ウェブを供給してウェブ積層体となし、そ
の後全体をニードルパンチングにより一体化し、更に、
フォークニードル等を用い、表面にパイルを形成し、パ
イル部分の先端部分をシャーリング加工して切り揃え、
必要に応じてヒートセットをする。この方法は連続工程
による量産を可能とする。
【0027】このように積層一体化された嵩高起毛不織
布は、前記高融点ポリエステルの融点と低融点コポリエ
ステルの融点の間の温度で加熱することにより一工程で
成形が可能である。かかる内装材用嵩高起毛不織布は、
改善されたクッション性と、高級感を伴う柔軟な触感と
を備え、更に優れた吸遮音性能を有する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例をその効果と共に示
す。実施例、比較例及び従来例における各特性値の測定
法は下記の方法によった。
【0029】測定方法1 (吸音性測定)実施例、比較例及び従来例の方法によっ
て得られた自動車用内装材をJISA1405「管内法
による建築材料の垂直入射吸音率測定法」に基づいて吸
音率を測定し、吸音性を評価した。サンプルサイズφ1
00mm、測定範囲125〜1600Hz。
【0030】(摩耗試験)実施例、比較例及び従来例の
方法によって得られた自動車用内装材をJISK720
4「摩耗輪によるプラスチックの摩耗試験方法」に基づ
いて摩耗性能を測定し、摩耗性を評価した。荷重250
gf、試験回数100回転。
【0031】(実施例1)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した10デニール51mm長の円形
断面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊
維:90重量%、同様にグレーに原着した4デニール5
1mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ス
テープル繊維(110℃溶融タイプ):10重量%、目
付400g/m2 とした。更に、基材層の繊維配合は1
3デニール51mm長の円形断面の通常ポリエチレンテ
レフタレートステープル繊維:95重量%、2デニール
51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系
ステープル繊維(170℃溶融タイプ):5重量%、目
付600g/m2 とした。次にこれらの繊維をそれぞれ
ブレンド、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパ
ンチング工程を経て、意匠層と基材層を連続的に積層
し、不織布原反を得た。更に得られた原反の意匠層にフ
ォークニードルを貫通させパイル部を形成した後、シャ
ーリング処理してディロア調の柄出しを行い厚み40m
mの嵩高起毛不織布を得た。得られた起毛積層不織布原
反を180℃に加熱し、成形型の装着されたプレス機に
投入し成形体を得た。成形後の形状保持性は良好で、テ
ーパー摩耗試験結果も良好であり、ディロア調の風合い
も保たれ、色調も所望のものが得られた。
【0032】(実施例2)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した2デニール51mm長の円形断
面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊維:
95重量%、同様にグレーに原着した2デニール51m
m長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ステー
プル繊維(110℃溶融タイプ):5重量%、目付20
0g/m2とした。更に、基材層の繊維配合は6デニー
ル51mm長の円形断面の通常ポリエチレンテレフタレ
ートステープル繊維:85重量%、1.5デニール51
mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ステ
ープル繊維(110℃溶融タイプ):15重量%、目付
100g/m2 とした。次にこれらの繊維をそれぞれブ
レンド、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパン
チング工程を経て、意匠層と基材層を連続的に積層し、
不織布原反を得た。更に得られた原反の意匠層にフォー
クニードルを貫通させパイル部を形成した後、シャーリ
ング処理してディロア調の柄出しを行い厚み7mmの嵩
高起毛不織布を得た。得られた起毛積層不織布原反を1
50℃に加熱し、成形型の装着されたプレス機に投入し
成形体を得た。成形後の形状保持性は良好で、テーパー
摩耗試験結果も良好であり、ディロア調の風合いも保た
れ、色調も所望のものが得られた。
【0033】(実施例3)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した20デニール51mm長の円形
断面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊
維:80重量%、同様にグレーに原着した15デニール
51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系
ステープル繊維(110℃溶融タイプ):20重量%、
目付500g/m2 とした。更に、基材層の繊維配合は
2デニール51mm長の円形断面の通常ポリエチレンテ
レフタレートステープル繊維:80重量%、6デニール
51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系
ステープル繊維(200℃溶融タイプ):20重量%、
目付1500g/m2 とした。次にこれらの繊維をそれ
ぞれブレンド、カーディング、クロスレイヤー、ニード
ルパンチング工程を経て、意匠層と基材層を連続的に積
層し、不織布原反を得た。更に得られた原反の意匠層に
フォークニードルを貫通させパイル部を形成した後、シ
ャーリング処理してディロア調の柄出しを行い厚み70
mmの嵩高起毛不織布を得た。得られた起毛積層不織布
原反を210℃に加熱し、成形型の装着されたプレス機
に投入し成形体を得た。成形後の形状保持性は良好で、
テーパー摩耗試験結果も良好であり、ディロア調の風合
いも保たれ、色調も所望のものが得られた。
【0034】(実施例4)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した13デニール51mm長の円形
断面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊
維:76重量%、同様にグレーに原着した10デニール
51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系
ステープル繊維(110℃溶融タイプ):24重量%、
目付400g/m2 とした。更に、基材層の繊維配合は
40デニール51mm長の円形断面の通常ポリエチレン
テレフタレートステープル繊維:30重量%、20デニ
ール51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステ
ル系ステープル繊維(170℃溶融タイプ):70重量
%、目付600g/m2 とした。次にこれらの繊維をそ
れぞれブレンド、カーディング、クロスレイヤー、ニー
ドルパンチング工程を経て、意匠層と基材層を連続的に
積層し、不織布原反を得た。更に得られた原反の意匠層
にフォークニードルを貫通させパイル部を形成した後、
シャーリング処理してディロア調の柄出しを行い厚み5
0mmの嵩高起毛不織布を得た。得られた起毛積層不織
布原反を180℃に加熱し、成形型の装着されたプレス
機に投入し成形体を得た。成形後の形状保持性は良好
で、テーパー摩耗試験結果も良好であり、ディロア調の
風合いも保たれ、色調も所望のものが得られた。
【0035】(実施例5)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した10デニール51mm長の円形
断面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊
維:85重量%、同様にグレーに原着した4デニール5
1mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ス
テープル繊維(110℃溶融タイプ):15重量%、目
付320/m 2 とした。更に、基材層の繊維配合は13
デニール51mm長の円形断面の通常ポリエチレンテレ
フタレートステープル繊維:90重量%、2デニール5
1mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ス
テープル繊維(170℃溶融タイプ):10重量%、目
付1050g/m2 とした。次にこれらの繊維をそれぞ
れブレンド、カーディング、クロスレイヤー、ニードル
パンチング工程を経て、意匠層と基材層を連続的に積層
し、不織布原反を得た。更に得られた原反の意匠層にフ
ォークニードルを貫通させパイル部を形成した後、シャ
ーリング処理してディロア調の柄出しを行い厚み40m
mの嵩高起毛不織布を得た。得られた起毛積層不織布原
反を180℃に加熱し、成形型の装着されたプレス機に
投入し成形体を得た。成形後の形状保持性は良好で、テ
ーパー摩耗試験結果も良好であり、ディロア調の風合い
も保たれ、色調も所望のものが得られた。
【0036】(実施例6)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した10デニール51mm長の円形
断面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊
維:85重量%、同様にグレーに原着した4デニール5
1mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ス
テープル繊維(110℃溶融タイプ):15重量%、目
付320g/m2 とした。更に、基材層の繊維配合は1
3デニール51mm長の円形断面の通常ポリエチレンテ
レフタレートステープル繊維:90重量%、2デニール
51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系
ステープル繊維(170℃溶融タイプ):10重量%、
目付1050g/m2 とした。次に意匠層のみ繊維をブ
レンド、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパン
チング工程を経て、基材層とは別体で作製し、次に基材
層の繊維をブレンド、カーディング、クロスレイヤーを
連続的に行い、更にその上に、別体で作製しておいた上
記意匠層を積層し、全体をニードルパンチングにより一
体化した厚み40mmの不織布原反を得た。得られた起
毛積層不織布原反を180℃に加熱し、成形型の装着さ
れたプレス機に投入し成形体を得た。成形後の形状保持
性は良好で、テーパー摩耗試験結果も良好であり、ディ
ロア調の風合いも保たれ、色調も所望のものが得られ
た。
【0037】(比較例1)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した40デニール51mm長の円形
断面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊
維:75重量%、同様にグレーに原着した30デニール
51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系
ステープル繊維(110℃溶融タイプ):25重量%、
目付300g/m2 とした。更に、基材層の繊維配合は
13デニール51mm長の円形断面の通常ポリエチレン
テレフタレートステープル繊維:90重量%、2デニー
ル51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル
系ステープル繊維(170℃溶融タイプ):10重量
%、目付1000g/m2 とした。次にこれらの繊維を
それぞれブレンド、カーディング、クロスレイヤー、ニ
ードルパンチング工程を経て、意匠層と基材層を連続的
に積層し、不織布原反を得た。更に得られた原反の意匠
層にフォークニードルを貫通させパイル部を形成した
後、シャーリング処理してディロア調の柄出しを行い厚
み50mmの嵩高起毛不織布を得た。得られた起毛積層
不織布原反を180℃に加熱し、成形型の装着されたプ
レス機に投入し成形体を得た。成形後の形状保持性は良
好であるが、意匠層の繊維径が大きいため、所望の見栄
え、触感が得られなかった。
【0038】(比較例2)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した10デニール51mm長の円形
断面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊
維:90重量%、同様にグレーに原着した4デニール5
1mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ス
テープル繊維(110℃溶融タイプ):10重量%、目
付300g/m2 とした。更に、基材層の繊維配合は1
3デニール51mm長の円形断面の通常ポリエチレンテ
レフタレートステープル繊維:97重量%、2デニール
51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系
ステープル繊維(230℃溶融タイプ):3重量%、目
付500g/m2 とした。次にこれらの繊維をそれぞれ
ブレンド、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパ
ンチング工程を経て、意匠層と基材層を連続的に積層
し、不織布原反を得た。更に得られた原反の意匠層にフ
ォークニードルを貫通させパイル部を形成した後、シャ
ーリング処理してディロア調の柄出しを行い嵩高の起毛
不織布を得た。得られた起毛積層不織布原反を250℃
に加熱したが、不織布全体が溶融してしまい、所望の成
形体が得られなかった。
【0039】(比較例3)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した10デニール51mm長の円形
断面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊
維:90重量%、同様にグレーに原着した4デニール5
1mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ス
テープル繊維(110℃溶融タイプ):10重量%、目
付300g/m2 とした。更に、基材層の繊維配合は6
0デニール51mm長の円形断面の通常ポリエチレンテ
レフタレートステープル繊維:80重量%、25デニー
ル51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル
系ステープル繊維(110℃溶融タイプ):20重量
%、目付700g/m2 とした。次にこれらの繊維をそ
れぞれブレンド、カーディング、クロスレイヤー、ニー
ドルパンチング工程を経て、意匠層と基材層を連続的に
積層し、不織布原反を得た。更に得られた原反の意匠層
にフォークニードルを貫通させパイル部を形成した後、
シャーリング処理してディロア調の柄出しを行い厚み5
0mmの嵩高起毛不織布を得た。得られた起毛積層不織
布原反を180℃に加熱し、成形型の装着されたプレス
機に投入し成形体を得た。成形後の形状保持性は良好
で、テーパー摩耗試験結果も良好であり、ディロア調の
風合いも保たれたが、基材層の繊維径が大きいため、所
望の吸音性能が得られなかった。
【0040】(比較例4)不織布の配合としては、意匠
層は、グレーに原着した10デニール51mm長の円形
断面の通常ポリエチレンテレフタレートステープル繊
維:90重量%、同様にグレーに原着した4デニール5
1mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ス
テープル繊維(110℃溶融タイプ):10重量%、目
付150g/m2 とした。更に、基材層の繊維配合は1
3デニール51mm長の円形断面の通常ポリエチレンテ
レフタレートステープル繊維:90重量%、2デニール
51mm長の芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系
ステープル繊維(170℃溶融タイプ):10重量%、
目付50g/m2 とした。次にこれらの繊維をそれぞれ
ブレンド、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパ
ンチング工程を経て、意匠層と基材層を連続的に積層
し、不織布原反を得た。更に得られた原反の意匠層にフ
ォークニードルを貫通させパイル部を形成した後、シャ
ーリング処理してディロア調の柄出しを行い厚み5mm
の嵩高起毛不織布を得た。得られた起毛積層不織布原反
を180℃に加熱し、成形型の装着されたプレス機に投
入し成形体を得た。成形後の形状保持性は基材層の面密
度不足により良好とはいえず、又、表面層の見栄えも面
密度不足により良好なものが得られなかった。良好で、
テーパー摩耗試験結果も良好であり、ディロア調の風合
いも保たれたが、基材層の繊維径が大きいため、所望の
吸音性能が得られなかった。
【0041】(従来例1)原着されたポリエステル繊維
を用い、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパン
チング工程を経て、不織布原反を得た。更に得られた原
反にフォークニードルを貫通させパイル部を形成した
後、シャーリング処理してディロア調の柄出しを行い、
裏面にラテックスをコーティングし、従来用いられてい
るディロアカーペットを得た。フェルト(25mm厚、
面密度1.2kg/m2 )を緩衝層とし、ディロアカー
ペットをプリントされたニードル不織布(厚み3mm)
を表皮とし、180℃に加熱し、成形型の装着されたプ
レス機に投入し成形体を得た。
【0042】(従来例2)原着されたポリエステル繊維
を用い、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパン
チング工程を経て、不織布原反を得た。更に得られた原
反にフォークニードルを貫通させパイル部を形成した
後、シャーリング処理してディロア調の柄出しを行い、
裏面にラテックスをコーティングし、従来用いられてい
るディロアカーペットを得た。更に緩衝層としてポリエ
ステル不織布を用い、その繊維配合は13デニール51
mm長の円形断面の通常ポリエチレンテレフタレートス
テープル繊維:90重量%、2デニール51mm長の芯
鞘構造を有する熱融着性ポリエステル系ステープル繊維
(170℃溶融タイプ):10重量%、目付500g/
2 とした。次にこれらの繊維をそれぞれブレンド、カ
ーディング、クロスレイヤー工程を経て、不織布原反を
得た。ディロアカーペットをプリントされたニードル不
織布(厚み3mm)を表皮とし、180℃に加熱し、成
形型の装着されたプレス機に投入し成形体を得た。
【0043】上記各実施例、比較例および従来例の嵩高
起毛不織布の構造を対比して表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】また、各実施例、比較例および従来例2で
得られた不織布と、従来例1の内装材とについて、それ
ぞれ、見栄え、触感、吸音性、構成の簡便さ、及び耐摩
耗性について比較した結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、前記の
ような従来の問題点に着目したなされたもので、不織布
原反を構成する繊維として、高融点のポリエステルステ
ープル繊維と熱融着性ポリエステル系バインダー繊維を
含み、また、構成繊維配合が異なる意匠層と基材層とを
積層してなる構成の不織布からなり、少なくとも一方の
表面に例えばニードルパンチング等によって表面意匠を
施してなるものであるから、基材層の支持機能及び緩衝
機能と表皮の審美的機能とを一体化して併有すると共
に、更に、上記実施例で例証されたように、柔軟な触感
と優れた吸遮音性とを兼備した単一構造の不織布よりな
る内装材を提供する。また、コポリエステル等の低融点
とホモポリエステル等の高融点との融点差を利用して、
それら融点間の温度で加熱した後、プレス機に投入して
冷却することにより成形可能である嵩高不織布であり、
加熱・成形を1工程で行い得るため、製造工程の簡略化
に伴うコスト低減と、更に製品の軽量化も達成し得ると
いう格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来公知の自動車用内装材の1例の構造を示す
垂直断面図である。
【図2】従来公知の自動車用内装材の別の例の構造を示
す垂直断面図である。
【図3】従来公知の自動車用内装材の更に別の例の構造
を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
1 ニードル不織布層 2 基材層 3 ニードル不織布層 4 ポリウレタン、フェルト等の緩衝層 5 ニードル不織布層 6 ポリエステル不織布緩衝層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 好一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 菅原 浩 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の表面を含む構成繊維が
    着色され且つその表面全面に亙って構成繊維の一部が突
    出したパイルを形成してなる不織布意匠層と、該意匠層
    と一体的に積層され保形性増強及び緩衝機能を有する不
    織布基材層とを含み、全体として熱可塑性合成繊維の短
    繊維からなり、更に該短繊維がマトリックス繊維及び熱
    融着性バインダー繊維を含んでなる不織布であって、上
    記意匠層は2〜30デニールの高融点マトリックス繊維
    98〜76重量%と、少なくとも繊維表面を低融点合成
    重合体が占める1〜20デニールの熱融着性バインダー
    繊維2〜24重量%とをブレンドしてなり、該意匠層と
    一体的に積層された上記基材層は1.5〜40デニール
    の高融点マトリックス繊維95〜30重量%と、少なく
    とも繊維表面を低融点合成重合体が占める1〜20デニ
    ールの熱融着性バインダー繊維5〜70重量%をブレン
    ドして構成されることにより、前記マトリックス繊維の
    融点と前記バインダー繊維の融点の間の温度で加熱され
    ることにより構成繊維の交点に形成された融着点が実質
    的に均一に分布してなり優れた吸遮音性を有することを
    特徴とする自動車内装用嵩高起毛不織布嵩高起毛不織
    布。
  2. 【請求項2】 意匠層に配合される熱融着性バインダー
    繊維が2〜15デニールの繊度を有する請求項1記載の
    自動車内装用嵩高起毛不織布。
  3. 【請求項3】 意匠層が高融点マトリックス繊維95〜
    80重量%と熱融着性バインダー繊維5〜20重量%と
    をブレンドしてなる請求項1または2記載の自動車内装
    用嵩高起毛不織布。
  4. 【請求項4】 基材層が高融点マトリックス繊維90〜
    40重量%と熱融着性バインダー繊維10〜60重量%
    とをブレンドしてなる請求項1〜3の何れか1項に記載
    の自動車内装用嵩高起毛不織布。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性合成繊維がポリエステル系
    繊維である請求項1〜4の何れか1項に記載の自動車内
    装用嵩高起毛不織布。
  6. 【請求項6】 前記高融点マトリックス繊維が実質的に
    ホモポリエステル繊維である請求項1〜5の何れか1項
    に記載の自動車内装用嵩高起毛不織布。
  7. 【請求項7】 前記熱融着性バインダー繊維の少なくと
    も繊維表面を占める低融点合成重合体が低融点のコポリ
    エステルまたはブレンドポリエステルである請求項1〜
    6の何れか1項に記載の自動車内装用嵩高起毛不織布。
  8. 【請求項8】 前記熱融着性バインダー繊維が低融点の
    コポリエステルまたはブレンドポリエステルを鞘成分と
    し、ホモポリエステルを芯成分とする芯鞘型コンジュゲ
    ート繊維である請求項7に記載の自動車内装用嵩高起毛
    不織布。
  9. 【請求項9】 前記低融点コポリエステルが100〜2
    30℃の範囲の融点を有する請求項8の自動車内装用嵩
    高起毛不織布。
  10. 【請求項10】 前記低融点コポリエステルが105〜
    210℃の範囲の融点を有する請求項9の積層された自
    動車内装用嵩高起毛不織布。
  11. 【請求項11】 前記不織布が積層された状態におい
    て、成形後1〜50mmの平均厚みを有し、平均見かけ
    密度0.01〜1.0g/cm3 に成形した繊維集合体
    からなることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項
    に記載の自動車内装用嵩高起毛不織布。
  12. 【請求項12】 前記不織布が積層された状態におい
    て、5〜70mmの厚みと300〜2000g/cm2
    の目付を有する請求項1〜11の何れか1項に記載の自
    動車内装用嵩高起毛不織布。
  13. 【請求項13】 着色された熱可塑性合成繊維よりなる
    意匠層用短繊維のパイルがニードルパンチにより表面に
    形成され、更にシャーリング加工にてその先端部分を切
    り揃えたものである請求項1〜12の何れか1項に記載
    の自動車内装用嵩高起毛不織布。
  14. 【請求項14】 前記パイル先端部がシャーリング加工
    によって所定の高低差を以て切り揃えられ、コード調ま
    たはディロア調等に柄出しされてなる請求項13の自動
    車内装用嵩高起毛不織布。
  15. 【請求項15】 一部突出したパイルを有する着色され
    た熱可塑性合成繊維よりなる意匠層用不織布と、それと
    は別体に作成された保形性増強及び緩衝機能を有する不
    織布基材層とを積層し、両者をニードルパンチ及び/又
    は加熱接着することにより接合一体化することを特徴と
    する自動車内装用嵩高起毛不織布の製造方法。
  16. 【請求項16】 複数のクロスレイヤーを連続的に用
    い、最外層ウエブ供給用を含む少なくとも1台のクロス
    レイヤーから着色された意匠層用短繊維ウェブを供給
    し、それぞれが積層化した後に意匠層用短繊維ウェブの
    パイルをニードルパンチにより表面に形成し、更にシャ
    ーリング加工にてその先端部分を切り揃え、意匠層部分
    と基材層部分を一体化したものを供給することを特徴と
    する自動車内装用嵩高起毛不織布の製造方法。
  17. 【請求項17】 マトリックス繊維として2〜30デニ
    ールの高融点ポリエステル系着色ステープル繊維98〜
    76重量%と、熱融着性バインダー繊維として、低融点
    コポリエステルが繊維表面の少なくとも一部を占めるコ
    ンジュゲート構造を有する1〜20デニールのポリエス
    テル系熱融着性着色ステープル繊維2〜24重量%とを
    ブレンド後カーディングして意匠層用の着色短繊維ウェ
    ブとなし、別途マトリックス繊維として平均繊度1.5
    〜40デニールの高融点ポリエステル系ステープル繊維
    95〜30重量%と、熱融着性バインダー繊維として低
    融点コポリエステルが繊維表面の少なくとも一部を占め
    るポリエステル系コンジュゲート構造を有する平均繊度
    1〜20デニールの熱融着性ステープル繊維5〜70重
    量%とをブレンド後カーディングして基材層用短繊維ウ
    ェブとなし、次いで上記意匠層用短繊維ウェブと基材層
    用短繊維ウェブとを連続した複数のクロスレイヤーに仕
    掛け、最外層ウェブ供給用を含む少なくとも1台のクロ
    スレイヤーから着色された意匠層用短繊維ウェブを供給
    してウェブ積層体を形成し、その後全体をニードルパン
    チングにより一体化し、更に、フォークニードル等を用
    い、表面にパイルを形成し、パイル部分の先端部分をシ
    ャーリング加工して切り揃え、必要に応じてヒートセッ
    トをすることを特徴とする自動車内装用嵩高起毛不織布
    の製造方法。
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