JPH10140425A - 黒鉛化気相成長炭素繊維、その製造方法およびそれを負極に使用した非水電解液二次電池 - Google Patents

黒鉛化気相成長炭素繊維、その製造方法およびそれを負極に使用した非水電解液二次電池

Info

Publication number
JPH10140425A
JPH10140425A JP8338832A JP33883296A JPH10140425A JP H10140425 A JPH10140425 A JP H10140425A JP 8338832 A JP8338832 A JP 8338832A JP 33883296 A JP33883296 A JP 33883296A JP H10140425 A JPH10140425 A JP H10140425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
fiber
graphitized
grown carbon
negative electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8338832A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Abe
浩史 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP8338832A priority Critical patent/JPH10140425A/ja
Publication of JPH10140425A publication Critical patent/JPH10140425A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/58Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
    • H01M4/583Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx
    • H01M4/587Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx for inserting or intercalating light metals
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【目的】充放電効率が高く、サイクル特性と安全性に優
れた非水電解液二次電池用負極材料として有用な、黒鉛
化気相成長炭素繊維を提供する。 【構成】直径が1〜5μmであり、長さが3〜15μm
に切断されており、炭素網面間隔d002が0.335
4〜0.3370nmであり、結晶子のc軸方向の厚さ
Lcが50nm以上であり、比表面積が大きくとも3m
/gである黒鉛化気相成長炭素繊維であり、切断され
た該繊維を酸化処理して、微粉末や破片を酸化消失させ
ることによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池に関し、特に安全性の高く、サイクル特性に優れた二
次電池、その負極材料となる黒鉛化気相成長炭素繊維お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、現在エネルギー密
度の最も高い充放電可能な二次電池として注目されてい
るが、安全性に問題があり、負極に炭素を使用したリチ
ウムイオン二次電池が実用化されて来つつある。その負
極材料として各種の炭素材料が検討され、天然黒鉛、有
機重合体炭素化物、石油ピッチから得られる炭素もしく
はその黒鉛化物、気相成長炭素繊維やその黒鉛化物が報
告されている。さらには酸化処理によりそれらの表面に
官能基を導入したり(例えばM.Kikuchi、Y.
Ikezawa、T.Tamura J.of Ele
ctroanal.Chem.396 451(195
5))、孔を穿けたりすること(例えば特開平7−57
724号)が研究されている。
【0003】また、気相成長炭素繊維を使用するに当っ
ても、生成したままでは長さが長くて縺れ合っているた
めに均一な混合や成形が困難であり、適当な長さに切断
する必要がある。使用し易い長さに切断するには、もと
もと繊維が微細であるためにカッターで設計長さに切断
することは不可能であり、ボールミルなど普通の粉砕装
置では繊維形を壊してその特性を失ったりするので、高
衝撃力による破断がよいことなどが報告されている(例
えば特開平4−222227号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】リチウム二次電池より
も安全とされるリチウムイオン二次電池においても、過
充電した時、また外力により破壊された時に爆発などの
危険があり、保護回路などを使用することが不可欠であ
ることが判ってきた。そうして、本質的にこの保護回路
をなくすことはできなくても、より安全な電池への要求
は強い。またサイクル特性ももう一つ充分ではないこと
も判明し、その改善が検討されている。また本願発明者
らの検討によると、気相成長炭素繊維の長さ調整に適し
たとされる高衝撃法において、繊維の形状自体は維持さ
れるが、顕微鏡でよく観察すると繊維の直径より小さい
破片や微粉末が生成して繊維表面にこびりつき、それら
を機械的には除去できないこと、それにより繊維形状か
ら計算されるよりかなり大きい比表面積を示すことが明
らかにされた。さらにこれらの破片や微粉末の存在が、
それを使用した電池の安全性やサイクル特性に悪影響を
もたらしていることを見い出し、その除去を検討した結
果、本発明に達した。
【0005】すなわち、この発明の目的は安全性および
サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供するこ
とである。また他の目的は上記電池の負極材料に適した
炭素材料を提供することである。さらに他の目的は前記
切断された気相成長炭素繊維に付着している微細粉末を
除去する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、直径が1〜5μmであり、
長さが3〜15μmに切断されており、炭素網面間隔距
離d002が0.3354〜0.3370nmであり、
c軸方向の結晶子の厚さLcが50nm以上であり、比
表面積が大きくとも3m/gであることを特徴とする
黒鉛化気相成長炭素繊維であり、請求項2に記載の発明
は請求項1記載の黒鉛化炭素繊維を負極活物質に使用し
た非水電解液二次電池であり、請求項3に記載の発明は
長さが3〜15μmに切断された黒鉛化気相成長炭素繊
維を酸化処理をすることを特徴とする黒鉛化炭素繊維の
製造方法であり、請求項4に記載の発明は前記切断を黒
鉛化後に行う請求項3記載の黒鉛化炭素繊維の製造方法
であり、請求項5に記載の発明は前記切断が高衝撃によ
るものである請求項3記載の黒鉛化炭素繊維の製造方法
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
〈黒鉛化気相成長炭素繊維〉原料として使用する気相成
長炭素繊維としては周知のものがそのまま使用できる。
セラミックなどの基板もしくは粒子に金属微粒子を担持
させ、水素気流中で炭素化合物を熱分解させる基板法、
水素気流中で金属化合物のガスと炭素化合物のガスを熱
分解させる流動気相法によるものが可能である。量産が
容易であるという点からは後者が好ましい。繊維直径は
1〜5μmが好ましい。それより大きくてもまた小さく
ても、それを負極とした電池の容量は小さくなる。
【0008】気相成長炭素繊維は不活性気流中、通常は
アルゴンガス気流中2800℃以上の温度で黒鉛化され
る。黒鉛化された繊維は、網状炭素格子面が繊維軸方向
に年輪状に配列し、その面間隔d002は0.3354
〜0.3370nm、c軸方向の結晶厚みが50nm以
上となる。100nm以上の値もとり得るが、X線回折
法での100nm以上の測定値の値は信用できないと一
般にいわれている。
【0009】黒鉛繊維は黒鉛化後に切断される。黒鉛化
前に切断することも可能であるが、電池負極としては黒
鉛化後に切断するのが好ましいことが既に知られてい
る。切断はボールミル、ローラーミル、スタンプミル、
ホモジナイザーなど通常の粉砕器でも可能であるが、高
衝撃力により破断が好ましい。高衝撃力による破断と
は、浮遊する繊維を外周の線速度で少なくとも20m/
secで回転する羽根で衝撃を与えて繊維を切断するこ
とである。上記の他の各粉砕方法では、前述の微粉末よ
り大きいが繊維直径よりは小さい破片を多く作ってしま
い、繊維形態で残る量が少なくなってしまうので、繊維
としての特性が十分に生かせず、そのままの使用は好ま
しくない。本発明によってそれらも消失する酸化条件を
選べば、繊維比率は高くなるが収率が低下してしまう。
また静水圧等方加圧による切断も破片の生成が少ない点
において高衝撃法と同様に、せん断力を利用する前記各
方法より優れており、生産性に難があるものの、使用可
能である。
【0010】破断長さは繊維の弾性率に応じた回転速度
と破断時間により調節される。その長さは3〜15μm
が好ましい。アスペクト比は1〜10が好ましい。その
下限はサイクル特性や導電性の低下から選ばれ、上限は
電極の塗工性や電極の見かけ密度、電極の導電性から定
められる。繊維が短いと、接触抵抗が増加して導電性が
低下し、長すぎると見かけ密度が大きくできなくなって
これも導電性が低下する。繊維切断工程においてかかる
破片や微粉末を生じる原因は明らかではないが、ボール
ミルなど一般の粉砕器は圧縮やせん断の力により繊維を
切断するので、繊維の押しつぶしにより破片を生じ、一
方高衝撃力では、衝撃により繊維を折るので、破片を生
じることはほとんどないが、折られた切断面のエッジ
が、継続衝撃により削られて微粉末を生成するのではな
いかと推測される。
【0011】破断された繊維は酸化性雰囲気で酸化され
る。雰囲気としては、酸素、空気、水蒸気、炭酸ガスな
どが使用されるがこれらに限定されるわけではない。酸
化温度は500〜800℃、好ましくは550〜750
℃である。温度が低いと目的を達するのに時間がかか
り、高いと繊維表面に不要な官能基を生成したり、孔を
生成したり、場合によっては繊維自体のロスが大きくな
る。この処理により、破断によって生じた微粉末や小さ
い破片が酸化消失される。繊維状形態を維持したものは
変化せず、微粉末状および破片状のものが酸化により消
失する理由は定かではないが、繊維状では化学的に結合
していた炭素網状組織が微粉末になることで結合が切れ
て活性となった部分の比率が極大となり、酸化を受け易
くなって、容易に炭酸ガスになると推測される。また、
黒鉛化気相成長炭素繊維は年輪状黒鉛であるために、他
の黒鉛や未黒鉛化物に較べて、炭素格子面の末端の比率
が少ないので、酸化に対して安定であると考えられる。
この処理により、微粉末が消失して、それまで7〜20
/gあった比表面積が小さくなる。比表面積が大き
くとも3m/gまでとなるよう条件を設定する。比表
面積の下限は直径、長さ、比重から計算される理論比表
面積であり、それ以下にはなり得ない。黒鉛化度が高い
ほど酸化条件を高温長時間とすることが可能である。温
度は使用する雰囲気の酸化力に応じて上記範囲内で設定
される。あまり酸化条件が厳しいと、安定な黒鉛化気相
成長炭素繊維でも酸化されて、多孔性となっていく。さ
らに厳しくなると、繊維の量自体が減少していく。
【0012】《電池》本発明は負極活物質に特徴を有す
るものであり、電池の他の構成要件は公知のものがその
まま使用可能である。典型的なリチウムイオン二次電池
としての例を以下に記載する。
【0013】正極や負極のバインダーとしては、ポリフ
ッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどのフ
ッ素化樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフインまたはこれらの共重合体、6ナイロンなどの
ポリアミド、合成ゴムなどを挙げることができる。
【0014】正極活物質としては、リチウム含有複合酸
化物、例えばLiCoO、LiNiO、LiMnO
、LiFeOや、この系列のLi1−y
(ここでMはFe、Co、Niのいずれかであり、N
は遷移金属、好ましくは4B族あるいは5B族の金属、
xは0≦x≦1、yは0≦y≦1を表す)、LiMn
またはLiMn2−z(ここでNは遷移金
属、好ましくは4B族あるいは5B族の金属、zは0≦
z≦2を表す)、LiVである。正極活物質には
少量の導電材料を添加するのが好ましい。導電材料とし
ては、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャン
ネルブラック、フアーネスブラックなどのカーボンブラ
ック類、黒鉛粉末、黒鉛化気相成長炭素繊維、金属粉末
等を挙げることができる。かかる導電材料を負極にも使
用することはできるが、本発明の繊維は充分高い導電性
を有し、使用する必要がないばかりか、かかる導電材料
としての炭素材料の添加は炭素としての比表面積を大き
くしてしまうので、安全性の面から好ましくない。
【0015】電極活物質は集電材に塗工して使用するの
が好ましい。集電材としては金属箔や金属板またはそれ
らの多孔体、金属メッシュ、金属の粉末や繊維の焼結体
などが使用できる。金属としては鉄、ニッケル、コバル
ト、銅、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、アル
ミニウムなどが使用される。通常は負極には銅箔、正極
にはアルミニウム箔が使用される。
【0016】非水系イオン電導体としては、有機電解
液、高分子固体電解質、高分子鎖状三次元組織に有機電
解液を含有させたゲル状物などが挙げられ、有機電解液
の溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカ
ーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネ
ート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネー
ト等の鎖状カーボネート類、υ−ブチロラクトン等のラ
クトン類、テトラハイドロフラン、2−メチルテトラハ
イドロフランなどのフラン類、ジエチルエーテル、1、
2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、エ
トキシメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテル類、
ジメチルスルフオキサイド、スルフオラン、メチルスル
フオラン、アセトニトリル、蟻酸メチル、酢酸メチル、
プロピオン酸メチル等が挙げられ、これらの1種もしく
は2種以上の混合溶媒が使用できるが、特に環状カーボ
ネートと鎖状カーボネートの両方を含有するものが好適
である。
【0017】また電解質としては、LiClO、Li
BF、LiPF、LiAsF、ハロゲン化リチウ
ムなどが挙げられる。セパレータとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リフッ化エチレンなどの多孔性フイルムもしくは不織布
を使用できる。それらを2種もしくはそれ以上を重ねた
ものも使用できる。電極材料を集電材に塗工するには、
活物質、バインダー、導電用添加材をバインダーの溶剤
に混合し、集電材に塗り、乾燥し、必要によりプレスを
かけることにより行われる。上記のごとき材料により、
コイン型、ボタン型、筒型、ガム型、箱型など各種の形
状、大きさの電池を組みあげることができる。
【0018】
【実施例】以下、この発明を実施例により説明するが、
これにより発明が限定されるものではない。なお、実施
例において、d002とLcはX線回折分析(学振法)
により、また比表面積は窒素吸着法(BET法)により
行った。繊維直径および長さは電子顕微鏡写真から繊維
の直径と長さを求めて、それを100本の繊維の平均値
で示した。
【0019】(実施例1) 〈原料調整〉直径2μm、長さ50μm、流動法で得ら
れた気相炭素繊維をアルゴンガス雰囲気下に2800℃
で30分間黒鉛化処理した。この黒鉛化炭素繊維を、回
転羽根外径20cmの(株)奈良機械製ハイブリダイザ
ー(NHS−1)に入れて8000rpmで2分間衝撃
処理にかけた。処理後の炭素繊維は、直径2μm、長さ
12μm、比表面積12m/g、d002は0.33
65nm、Lcは100nmであった。
【0020】〈黒鉛化気相成長炭素繊維の酸化処理〉上
記衝撃処理された炭素繊維を空気中600℃で8時間処
理した。処理後の繊維は、比表面積1.5m2/g、直
径2μm、長さ12μm、d002は0.3365n
m、Lcは100nmであった。電子顕微鏡写真によれ
ば、酸化前には繊維表面、特に切断面に付着していた微
細粉末は、酸化処理後にはほとんど見られなかった。繊
維表面には特に孔は見られなかった。
【0021】〈3電極法による評価〉バインダーとして
使用するポリビニリデンフロライド0.1gをN−メチ
ルピロリドン0.8mlに溶解した。この溶液に前記酸
化処理した黒鉛化気相成長炭素繊維0.9gを加え、乳
鉢で充分混合し、分散溶液液を得た。この分散液を1c
m×5cmのニッケルメッシュ上の1cm×1cmの面
積に塗布し、110℃で24時間乾燥し、溶媒を除去
し、これを作用極(負極)とした。対極および参照極と
して金属リチウムを、溶剤としてのエチレンカーボネー
トとジエチルカーボネートとの等容量混合液と、電解質
として濃度1mol/lのLiClOとからなる電解
液を用いて乾燥アルゴンガス雰囲気3極式ビーカーセル
を組立てた。電流密度を25mA/g(gは炭素繊維の
重量を示す)とし、作用極と参照極との間の電位で0〜
2.5Vの範囲で充放電試験をした。その結果を第1表
に示す。
【0022】〈円筒電池によるサイクル試験〉前記と同
様にして、酸化処理した黒鉛化気相成長炭素繊維90重
量部、ポリビニリデンフロライド10重量部、N−メチ
ルピロリドン100重量部から分散溶液を得た。この分
散溶液を銅箔に塗工し、乾燥し、プレスし、負極を得
た。塗工厚みは160μm、塗工密度は1.4g/cm
であった。一方、正極活物質としてLiCoO90
重量部、導電材としてアセチレンブラック5重量部、バ
インダーとしてポリビニリデンフロライド5重量部、分
散溶媒としてN−メチルピロリドンを70重量部から分
散溶液を得た。これをアルミ箔に塗工、乾燥して正極を
得た。塗工厚みは180μm、塗工密度は3.1g/c
であった。またエチレンカーボネート:プロピレン
カーボネート:ジメチルカーボネート=3:4:4(容
量比)混合液にLiPFを1.2mol/lの濃度で
溶解し、電解液を得た。
【0023】このようにして作成した正極と負極をそれ
ぞれに導線を溶接した後セパレーターとしてのポリプロ
ピレン多孔膜を介して重ね、スパイラル状に捲き取っ
た。これを直径16mm、長さ50mmのステンレス製
電池缶に納め、前記電解液を注入した。正極キャップを
電池缶開口に被せてかしめ、円筒形電池を得た。電池1
個当りの正極、負極の活物質量はそれぞれ6.1g、
2.6gであった。これを充放電電流600mA、充放
電電圧2.5−4.1Vで500サイクルまでの充放電
試験を行った。結果を第2表に示す。またこの電池を6
00mAで4.1Vまで充電した状態で、その側面から
長さ35mm、直径3mmの鉄釘を50mm/min.
の速度で貫通させ、正極キャップの破裂と発煙の有無を
観察した。結果を第3表に示す。
【0024】(実施例2)酸化処理温度を700℃、酸
化時間を1時間とした以外は全く実施例1と同様にし
て、3電極式ビーカーセルによる充放電試験と、円筒形
電池によるサイクル試験と釘刺し試験を行った。酸化後
の黒鉛化気相成長炭素繊維は、比表面積が2.3m
gである以外、他の特性は実施例1と同じであった。結
果を第1〜3表示した。
【0025】(比較例1)実施例1の黒鉛化気相成長炭
素繊維を切断後に酸化処理を行わなかった以外は全て実
施例1と同様にして、3電極式ビーカーセルによる充放
電試験と、円筒形電池によるサイクル試験と釘刺し試験
を行った。結果を第1〜3表に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】これらの結果より、本発明の黒鉛化気相成
長炭素繊維を負極に使用した電池は、第1サイクルの充
放電効率が高いこと、したがって電解液との反応が少な
いと推測でき、また繰返しサイクルによる放電容量の低
下が少ないこと、安全性が高いことが明瞭である。
【0030】
【発明の効果】本発明の繊維を負極に使用した電池は、
繊維に微粉末が存在せず、比表面積が小さいという特徴
を有しているために、安全性が高く、繰返し充放電を行
っても容量低下の少ない、すなわちサイクル特性が高
く、いつまでも容量の高い優れた電池になるという効果
を有する。この効果は、繊維側面に孔が穿いたためでな
いことは、電子顕微鏡で確認できるし、また、官能基が
導入されたためでないことは、本発明により酸化処理し
た繊維を不活性雰囲気で約1000℃で加熱するなど、
官能基が破壊される条件で処理した繊維を使用した電池
が本発明の電池と差がないことから確認された。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径が1〜5μmであり、長さが3〜15
    μmに切断されており、炭素網面間隔距離d002
    0.3354〜0.3370nmであり、結晶子のc軸
    方向の厚さLcが50nm以上であり、比表面積が大き
    くとも3m/gであることを特徴とする黒鉛化気相成
    長炭素繊維。
  2. 【請求項2】請求項1記載の黒鉛化炭素繊維を負極活物
    質に使用した非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】長さ3〜15μmに切断された黒鉛化気相
    成長炭素繊維を酸化処理することを特徴とする黒鉛化気
    相成長炭素繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】前記切断を黒鉛化後に行う請求項3記載の
    黒鉛化炭素繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】前記切断が高衝撃によるものである請求項
    3記載の黒鉛化炭素繊維の製造方法。
JP8338832A 1996-11-15 1996-11-15 黒鉛化気相成長炭素繊維、その製造方法およびそれを負極に使用した非水電解液二次電池 Pending JPH10140425A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8338832A JPH10140425A (ja) 1996-11-15 1996-11-15 黒鉛化気相成長炭素繊維、その製造方法およびそれを負極に使用した非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8338832A JPH10140425A (ja) 1996-11-15 1996-11-15 黒鉛化気相成長炭素繊維、その製造方法およびそれを負極に使用した非水電解液二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10140425A true JPH10140425A (ja) 1998-05-26

Family

ID=18321852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8338832A Pending JPH10140425A (ja) 1996-11-15 1996-11-15 黒鉛化気相成長炭素繊維、その製造方法およびそれを負極に使用した非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10140425A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003086247A (ja) * 2001-09-13 2003-03-20 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池
EP1435670A1 (en) * 2001-10-10 2004-07-07 Ngk Insulators, Ltd. Lithium secondary cell and method for manufacturing negative plate active material used therefor
JP2004300631A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Mitsubishi Materials Corp カーボンナノファイバ及びその製造方法
CN114835111A (zh) * 2022-05-30 2022-08-02 中北大学 一种纳米螺旋石墨纤维材料及其制备方法和应用
CN114835111B (en) * 2022-05-30 2024-04-30 中北大学 Nano spiral graphite fiber material and preparation method and application thereof

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003086247A (ja) * 2001-09-13 2003-03-20 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池
EP1435670A1 (en) * 2001-10-10 2004-07-07 Ngk Insulators, Ltd. Lithium secondary cell and method for manufacturing negative plate active material used therefor
EP1435670A4 (en) * 2001-10-10 2008-03-12 Ngk Insulators Ltd LITHIUM SECONDARY CELL AND METHOD FOR PRODUCING A NEGATIVE PLATE ACTIVE MATERIAL THEREFOR
JP2004300631A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Mitsubishi Materials Corp カーボンナノファイバ及びその製造方法
CN114835111A (zh) * 2022-05-30 2022-08-02 中北大学 一种纳米螺旋石墨纤维材料及其制备方法和应用
CN114835111B (en) * 2022-05-30 2024-04-30 中北大学 Nano spiral graphite fiber material and preparation method and application thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0164934B1 (ko) 리튬이온 2차전지
CN100456533C (zh) 非水电解质二次电池用负极及其制造方法、以及二次电池
JP4031009B2 (ja) リチウム系電池用正極及びそれを用いたリチウム系電池
EP2333879A1 (en) Carbon material for negative electrode of lithium secondary battery, negative electrode of lithium secondary battery, lithium secondary battery and method for producing carbon material for negative electrode of lithium secondary battery
JP4040606B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP4927384B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極ならびにリチウムイオン二次電池
KR100415810B1 (ko) 비수전해액계 이차전지
JPH0785862A (ja) 二次電池用負極
JP2011243567A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極ならびにリチウムイオン二次電池
JP5573149B2 (ja) リチウム2次電池負極用炭素材、リチウム2次電池負極およびリチウム2次電池
JP4050072B2 (ja) 黒鉛質粒子の製造方法およびリチウムイオン二次電池用負極材料
JP4996827B2 (ja) リチウムイオン二次電池負極用金属−黒鉛系複合粒子およびその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極材料および負極ならびにリチウムイオン二次電池
JP2003100292A (ja) 負極用炭素材料及びその製造方法、並びにこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2000203817A (ja) 複合炭素粒子、その製造法、負極材料、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
US9466837B1 (en) Battery having negative electrode including amorphous carbon
JP2004220801A (ja) 非水電解質二次電池
JPH10261406A (ja) 炭素電極およびそれを負極に用いた非水電解液二次電 池
JP2010009948A (ja) 非水電解質二次電池
JPH10140425A (ja) 黒鉛化気相成長炭素繊維、その製造方法およびそれを負極に使用した非水電解液二次電池
JP5053541B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法
JP3424419B2 (ja) 非水電解液二次電池用負極炭素物質の製造法
JP3586270B2 (ja) 正極活物質及び非水電解質電池
JP3892957B2 (ja) 黒鉛粒子の製造法
JPH09306489A (ja) 非水電解液二次電池用負極材料とこの非水電解液二次電池用負極材料の製造方法およびこれを用いた非水電解液二次電池
JP4643165B2 (ja) 炭素材料、リチウムイオン二次電池用負極材料、負極およびリチウムイオン二次電池