JP2011243567A - リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極ならびにリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高結晶性の黒鉛質からなる黒鉛質芯材12と該芯材の表面を被覆する低結晶性の炭素質被覆層16とを有するリチウムイオン二次電池用負極材料であって、リチウムイオン二次電池用負極材料の表面は細孔14がなく、黒鉛質芯材は細孔を有し、黒鉛質芯材は、炭素質被覆層を有さない単独粒子の状態で略球状であり、黒鉛質芯材の細孔容積は、リチウムイオン二次電池用負極材料を粉砕後、水銀圧入法で測定した0.01〜100μmの細孔の容積が、0.05〜0.4cm3/g、リチウムイオン二次電池用負極材料のd002:0.3360nm以下で、リチウムイオン二次電池用負極材料のラマンスペクトルにおけるR値(I(1360)/I(1580))が0.3〜1.0であるリチウムイオン二次電池用負極材料。
【選択図】図1
Description
黒鉛は結晶性が高いほど放電容量が大きくなるが、結晶性の発達につれてエッジ面と呼ばれる反応活性部位も増大するため、初回充放電時の不可逆容量が増大するおそれがある。また、電池の高容量化には電極の高密度化が必須であるが、結晶性の発達は粒子の軟質化も招くため、黒鉛粒子を塗布した電極をプレスすると粒子が容易に押し潰され一方向に配向してしまう。このような粒子配向は電解液の浸透性やリチウムイオンの拡散性を低下させるため、レート特性やサイクル特性の低下を引き起こすおそれがある。
特許文献3には、扁平な黒鉛粒子が複数、非平行に集合または結合したことを特徴とする材料が開示されている。
特許文献4には、複数の扁平状の黒鉛質微粒子が集合または結合した塊状構造と、黒鉛質粒子の表面上に形成された炭素質とを備えた負極材が記載されている。
特許文献5には、粒子を複数含む複合粒子とこれを覆う被覆層とを有する二次電池用電極材料が記載され、電極材料の表面は空孔を有している。
特許文献7は、気孔を有する黒鉛コアと、気孔内に金属ナノ粒子と非晶質カーボンとを有する二次電池用陰極活物質が記載されている。
すなわち本発明は、以下を提供する。
(1)高結晶性の黒鉛質からなる黒鉛質芯材と該芯材の表面を被覆する低結晶性の炭素質被覆層とを有するリチウムイオン二次電池用負極材料であって、
リチウムイオン二次電池用負極材料の表面は細孔がなく、黒鉛質芯材は細孔を有し、
黒鉛質芯材は、炭素質被覆層を有さない単独粒子の状態で略球状であり、
黒鉛質芯材の細孔容積は、リチウムイオン二次電池用負極材料を粉砕後、水銀圧入法で測定した0.01〜100μmの細孔の容積が、0.05〜0.4cm3/g、
リチウムイオン二次電池用負極材料のd002:0.3360nm以下で、
リチウムイオン二次電池用負極材料のR値(波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーを用いたラマンスペクトルにおける、1580cm−1のピーク強度(I1580)に対する1360cm−1のピーク強度(I1360)の比(I1360/I1580)):0.3〜1.0であるリチウムイオン二次電池用負極材料。
(3)前記負極の電極密度が、1.7〜1.9g/cm3であることを特徴とする(2)に記載のリチウムイオン二次電池負極。
(4)上記(2)または(3)に記載の負極を有するリチウムイオン二次電池。
(5)無機微粒子と炭素質前駆体の混合物を2500℃以上で加熱して、前記無機微粒子を分解、蒸発させて細孔を得るとともに前記炭素質前駆体を黒鉛化して、細孔を有する黒鉛質芯材を得る黒鉛化工程と、前記黒鉛化工程で得られた黒鉛質芯材の表面に炭素質前駆体を付着させる付着工程と、前記付着工程で炭素質前駆体を付着された黒鉛質芯材を1100℃以上、1500℃以下の温度で加熱して、黒鉛質芯材の表面に空隙のない炭素質被覆層を有する負極材料を得る焼成工程を有することを特徴とする上記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料(以下負極炭素質材料または炭素質材料ということがある)10は、図1に模式図で断面を示すように、結晶性の異なる少なくとも二つの部位を有する炭素質粒子であって、内部の黒鉛質芯材12の結晶性が表面の炭素質被覆層16の結晶性に比べて高く、該黒鉛質芯材である高結晶性部位が扁平または鱗片状粒子の集合体ではなく、さらに炭素質被覆層16は空隙を有さず、該高結晶性部位に空隙または細孔14を有することを特徴とする。
本発明の負極炭素質材料は、体積換算の平均粒子径で、1〜100μm、特に1〜50μm、さらに1〜30μmであることが好ましい。1μm以上であれば負極の充填密度を高められるため体積当たりの放電容量が向上し、100μm以下であればサイクル特性やレート特性が向上するからである。体積換算の平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布計により粒度分布の累積度数が体積百分率で50%となる粒子径である。
また、負極炭素質材料の平均的な結晶性は、X線広角回折法における炭素網面層の面間隔(d002)および結晶子のC軸方向の大きさ(Lc)から判定することができる。すなわち、CuKα線をX線源、高純度シリコンを標準物質に使用して、炭素質材料に対し(002)回折ピークを測定し、そのピーク位置およびその半値幅から、それぞれd002、Lcを算出する。算出方法は学振法に従うものであり、具体的な方法は「炭素繊維」(近代編集社、昭和61年3月発行)733から742頁などに記載されている。
本発明の負極炭素質材料の黒鉛構造の発達度合いの指標となるX線回折法によるd002およびLcは、高い放電容量を発現させる観点から、d002≦0.3360nmであり、Lc≧40nmであるのが好ましく、d002≦0.3359nm、Lc≧50nmであるのが特に好ましい。d002>0.3360nm、Lc<40nmである場合には、黒鉛構造の発達の程度が低いため、リチウムイオン二次電池の負極として用いたときに、リチウムのドープ量が少なく、高い放電容量を得られないことがある。
本発明の負極炭素質材料は、本発明の目的を損なわない範囲で、異種の黒鉛質材料、非晶質ハードカーボンなどの炭素質材料・有機物、金属、金属化合物などを混合しても、内包しても、被覆してもよい。また、本発明の炭素質材料は、液相、気相、固相における各種化学的処理、熱処理、物理的処理、酸化処理などを施されてもよい。
本発明の炭素質材料の高結晶性部位である黒鉛質芯材は、炭素質被覆層を有さない単独粒子の状態で略球状であり、鱗片状、扁平状ではない。アスペクト比は3以下、好ましくは1〜2、より好ましくは1〜1.8未満である。アスペクト比の測定は、黒鉛質芯材粒子をSEM観察し、50個の長軸と短軸との比を測定して平均して算出する。
黒鉛質芯材は、単独粒子でもよく複数の粒子が集合または結合している造粒体であってもよい。
黒鉛質芯材粒子の結晶度は、負極炭素質材料と同様に、d002およびLcで示すことができ、d002は、0.3360nm以下、Lcは、40nm以上であることが好ましい。
黒鉛質芯材には細孔が存在する。後に説明するように本発明の低結晶性の炭素質被覆層には空隙または細孔が存在しないので本発明の空隙率は負極炭素質材料全体で測定することができ負極炭素質材料を粉砕したうえで水銀圧入法を適用して測定する。
黒鉛質芯材の細孔容積は、負極炭素質材料を粉砕後、水銀圧入法で測定した0.01〜100μmの細孔の容積が、0.05〜0.4cm3/g、である。
粒子内部の黒鉛質芯材の細孔がこの範囲であると充電にともなう膨張を吸収するとともに、電解液の保持機能も果たし、高速充電時にもリチウムイオンが枯渇することはない。黒鉛質芯材の細孔容積は、好ましくは、0.08〜0.4cm3/g、より好ましくは、0.1〜0.4cm3/gの範囲である。
ここで、黒鉛質芯材の細孔容積の単位cm3/gの質量当たりのgは、黒鉛質芯材の質量を示す。黒鉛質芯材の質量は、負極炭素質材料のTG(重量減少)量を測定して低結晶性炭素質被覆層の割合を求め、負極炭素質材料の質量から低結晶性炭素質被覆層の質量を差引いた量から求めた。TG(重量減少)測定は実施例の欄において詳細に記載する。
黒鉛質芯材に存在する細孔の形状や存在状態は限定されず、細孔は分散して存在してもよいし、中心付近に存在してもよいし、黒鉛質芯材の表面まで到達している空隙であってもよい。
黒鉛質芯材12の表面には低結晶性の炭素質被覆層16がある。本発明の負極炭素質材料10における低結晶性部位である炭素質被覆層の質量百分率は負極炭素質材料全体の1〜50質量%、好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。前記質量百分率は、TG(重量減少)測定などで求めることができる。
本発明において、炭素質被覆層には実質的に細孔が存在しない。これは、負極炭素質材料を1万倍〜10万倍でSEM観察し細孔が認められないことで確認することができる。炭素質被覆層に細孔を設けない理由(または、表層に空隙が存在するときの問題点)は、表層は電極をプレスした際に負極炭素質材料粒子が押し潰されることを防ぎ、電極内での粒子配向を抑制している。
しかし該表層に細孔が存在すると、表層自体の強度が低下することによって粒子配向抑制効果が低下したり、さらに割れやヒビの発生によって二次電池の充放電効率が低下するおそれがある。
本発明の負極炭素質材料は、結晶性の異なる少なくとも二つの部位を有する炭素質粒子であって、内部の結晶性が表面の結晶性に比べて高く、該高結晶性部位が鱗片状粒子の集合体ではなく、さらに該高結晶性部位に細孔を有する炭素質材料を製造し得る方法であれば、いかなる方法によって製造されてもよい。本発明の製造方法の一例を以下に示す。
黒鉛化処理温度は2500℃〜4000℃が好ましく、より好ましくは2500℃〜3500℃である。この範囲であると黒鉛質芯材の結晶性と細孔の程度が適切である。
熱処理温度は1100℃超〜1500℃以下が好ましい。上記温度範囲であると、R値が十分低い負極炭素質材料が得られる。低結晶性層の表面の細孔の有無は、使用する炭素前駆体溶液、具体的にはピッチの種類、粘度、乾燥条件(温度、圧力)を変えることで制御でき、低結晶性層には空隙や細孔ができないように制御する。この複合化物を適当な粒子径となるように分級することで目的の負極炭素質材料粒子を得ることができる。低結晶性の被覆層に細孔がないことは粒子断面をSEM観察することで確認できる。
本発明の負極炭素質材料を用いた場合に、初回充放電効率、レート特性、サイクル特性などが改良されるメカニズムについては明らかではないが、次のように推定される。すなわち、表面に低結晶性部位を有するため、黒鉛エッジ面での電解液分解が生じにくい。また、表面の低結晶性部位は内部の高結晶性部位に比べて硬質であり、電極をプレスした際に粒子が押し潰されることを防ぎ、電極内での粒子配向を抑制する。さらに粒子内部の黒鉛質芯材の細孔は充電にともなう膨張を吸収するとともに、電解液の保持機能も果たし、高速充電時にもリチウムイオンが枯渇することはない。これらの要因によって良好なレート特性やサイクル特性が発現するものと考えられる。
本発明は前記負極炭素質材料を含有するリチウムイオン二次電池用負極であり、また該負極を用いるリチウムイオン二次電池である。
<結合剤>
本発明のリチウムイオン二次電池用の負極は、通常の負極の成形方法に準じて作製されるが、化学的、電気化学的に安定な負極を得ることができる方法であれば何ら制限されない。負極の作製時には、本発明の負極炭素質材料に結合剤を加えて、予め調製した負極合剤を用いることが好ましい。結合剤としては、電解質に対して、化学的および電気化学的に安定性を示すものが好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂粉末、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂粉末、カルボキシメチルセルロースなどが用いられる。これらを併用することもできる。結合剤は、通常、負極合剤の全量中の1〜20質量%程度の割合で用いられる。
負極の電極密度は、集電材の厚さをt1[cm]、単位面積あたりの質量をW1[g/cm2]とし、本発明の負極炭素質材料の質量割合をP[%]とする結合剤との負極合剤ペーストを塗布し、加圧して製造した厚さt2[cm]の負極を、所定の面積S[cm2]で打抜き、この打抜き後の負極の質量をW2[g]としたとき、下記式により求めることができる。なお、前記質量は上皿式の自動天秤、厚さはマイクロメーターで測定した値である。
電極密度[g/cm3]={(W2/S−W1)/(t2−t1)}×(P/100)で示され、1.5〜2.0g/cm3が好ましく、1.7〜1.9g/cm3がより好ましい。
より具体的には、まず、本発明の負極炭素質材料を分級などにより所望の粒度に調整し、結合剤と混合して得た混合物を溶剤に分散させ、ペースト状にして負極合剤を調製する。すなわち、本発明の負極材料と、結合剤を、水、イソピロピルアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなどの溶剤と混合して得たスラリーを、公知の撹拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて攪拌混合して、ペーストを調製する。該ペーストを、集電材の片面または両面に塗布し、乾燥すれば、負極合剤層が均一かつ強固に接着した負極が得られる。負極合剤層の膜厚は10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
また、本発明の負極は、本発明の炭素質材料と、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂粉末を乾式混合し、金型内でホットプレス成型して作製することもできる。
負極合剤層を形成した後、プレス加圧などの圧着を行うと、負極合剤層と集電体との接着強度をより高めることができる。
なお、本発明の負極は、本発明の目的を損なわない範囲で、異種の黒鉛質材料、非晶質ハードカーボンなどの炭素質材料、有機物、金属、金属化合物などを混合しても、内包しても、被覆しても、または積層してもよい。
正極は、例えば正極材料と結合剤および導電剤よりなる正極合剤を集電体の表面に塗布することにより形成される。正極の材料(正極活物質)は、充分量のリチウムを吸蔵/離脱し得るものを選択するのが好ましく、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物およびそのリチウム化合物などのリチウム含有化合物、一般式MxMo6S8-Y(式中Mは少なくとも一種の遷移金属元素であり、Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数値である)で表されるシェブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維などである。バナジウム酸化物は、V2O5、V6O13、V2O4、V3O8で示されるものである。
リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、リチウム、遷移金属の酸化物、水酸化物、塩類等を出発原料とし、これら出発原料を所望の金属酸化物の組成に応じて混合し、酸素雰囲気下600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。
正極活物質は、前記化合物を単独で使用しても2種類以上併用してもよい。例えば、正極中に炭酸リチウム等の炭酸塩を添加することができる。また、正極を形成するに際しては、従来公知の導電剤や結着剤などの各種添加剤を適宜に使用することができる。
正極は、前記正極材料、結合剤、および正極に導電性を付与するための導電剤よりなる正極合剤を、集電体の両面に塗布して正極合剤層を形成して作製される。結合剤としては、負極の作製に使用されるものと同じものが使用可能である。導電剤としては、黒鉛化物、カーボンブラックなど公知のものが使用される。
集電体の形状は特に限定されないが、箔状またはメッシュ、エキスパンドメタル等の網状等のものが用いられる。集電体の材質は、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等である。その厚さは10〜40μmのものが好適である。
正極も負極と同様に、正極合剤を溶剤中に分散させペースト状にし、このペースト状の正極合剤を集電体に塗布、乾燥して正極合剤層を形成してもよく、正極合剤層を形成した後、さらにプレス加圧等の圧着を行ってもよい。これにより正極合剤層が均一且つ強固に集電材に接着される。
本発明のリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解質としては、通常の非水電解液に使用される電解質塩である、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C6H5)、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiN(CF3CH2OSO2)2、LiN(CF3CF2OSO2)2、LiN(HCF2CF2CH2OSO2)2、LiN((CF3)2CHOSO2)2、LiB[{C6H3(CF3)2}]4、LiAlCl4、LiSiF6などのリチウム塩を用いることができる。
酸化安定性の点からは、特に、LiPF6、LiBF4が好ましい。
電解液中の電解質塩濃度は0.1〜5mo1/1が好ましく、0.5〜3.0mol/1がより好ましい。
非水電解質は液状の非水電解質としてもよく、固体電解質またはゲル電解質などの高分子電解質としてもよい。前者の場合、非水電解質電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池として構成され、後者の場合は、非水電解質電池は高分子固体電解質、高分子ゲル電解質電池などの高分子電解質電池として構成される。
前記高分子固体電解質または高分子ゲル電解質には、可塑剤が配合されるが、該可塑剤としては、前記の電解質塩や非水溶媒が使用可能である。高分子ゲル電解質の場合、可塑剤である非水電解液中の電解質塩濃度は0.1〜5mol/1が好ましく、0.5〜2.0mol/1がより好ましい。
ここで、前記固体電解質中の非水溶媒(可塑剤)の割合は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。10質量%未満であると導電率が低くなり、90質量%を超えると機械的強度が弱くなり、成膜しにくくなる。
本発明のリチウムイオン二次電池においては、セパレータを使用することもできる。セパレータの材質は特に限定されるものではないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などを用いることができる。前記セパレータの材質としては、合成樹脂製微多孔膜が好適であるが、なかでもポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面で好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜等が好適である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上述した構成の負極、正極および非水電解質を、例えば、負極、非水電解質、正極の順で積層し、電池の外装材内に収容することで構成される。さらに、負極と正極の外側に非水電解質を配するようにしてもよい。
また、本発明のリチウムイオン二次電池の構造は特に限定されず、その形状、形態についても特に限定されるものではなく、用途、搭載機器、要求される充放電容量などに応じて、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの中から任意に選択することができる。より安全性の高い密閉型非水電解液電池を得るためには、過充電などの異常時に電池内圧上昇を感知して電流を遮断させる手段を備えたものを用いることが好ましい。
リチウムイオン二次電池が高分子固体電解質電池や高分子ゲル電解質電池の場合には、ラミネートフィルムに封入した構造とすることもできる。
[炭素質材料の作製]
二軸加熱ニーダーを用いて、コールタールピッチ(JFEケミカル(株)製、PK−E)にタール中油を混合した溶液に酸化鉄微粒子(平均粒子直径:0.05μm)を加え、150℃で1時間混練した。その際、固形分比率(質量比、以下同様)がコールタールピッチ:酸化鉄微粒子で、95:5となるように調製した。混練後、真空にして該混練物中の溶媒を除去した。
得られた混練物をカッターミルを用いて1mm程度に粗粉砕したのち黒鉛るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下、まず500℃で6時間保持して揮発分を5%以下にまで低減したのち、3000℃で3時間かけて黒鉛化した。
この黒鉛化物を平均粒径が10μmとなるようにアトマイザーで粉砕し、得られた黒鉛質芯材粒子を、SEM観察して50個の長軸・短軸の比をアスペクト比として求めた。結果を表1に記載した。該黒鉛質芯材粒子のd002は、0.3357nmであった。
次に、黒鉛質芯材を前記同様に二軸加熱ニーダーでコールタールピッチ溶液と150℃で1時間混練した。その際、固形分比率がコールタールピッチ:該黒鉛質芯材で、10:90となるように調製した。混練後、常圧で加熱して該混練物中の溶媒を除去した。
得られた混練物を黒鉛るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下、まず500℃で6時間保持して揮発分を5%以下にまで低減したのち、1500℃で3時間かけて炭化した。この混練物を平均粒径が20μmとなるようにアトマイザーで粉砕し、目的の炭素質材料を得た。
前記炭素質材料90質量%と、ポリフッ化ビニリデン10質量%をN−メチルピロリドンに入れ、ホモミキサーを用いて2000rpmで30分間攪拌混合し、有機溶剤系負極合剤を調製した。
[作用電極(負極)の作製]
前記負極合剤ペーストを銅箔に均一な厚さで塗布し、真空中90℃で溶剤を揮発させ、乾燥し、負極合剤層をハンドプレスによって加圧した。銅箔と負極合剤層を直径15.5mmの円柱状に打抜いて、集電体と、該集電体に密着した負極合剤とからなる作用電極(負極)を作製した。
リチウム金属箔をニッケルネットに押付け、直径15.5mmの円形状に打抜いて、ニッケルネットからなる集電体と、この集電体に密着したリチウム金属箔(厚み0.5mm)からなる対極(正極)を作製した。
[電解液、セパレータ]
エチレンカーボネート33vo1%−メチルエチルカーボネート67vol%の混合溶剤に、LiPF6を1mol/Lとなる濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。得られた非水電解液をポリプロピレン多孔質体(厚み20μm)に含浸させ、電解液が含浸したセパレータを作製した。
評価電池として図2に示すボタン型二次電池を作製した。
外装カップ1と外装缶3は、その周縁部において絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密閉した。その内部に外装缶3の内面から順に、ニッケルネットからなる集電体7a、リチウム箔よりなる円筒状の対極(正極)4、電解液が含浸されたセパレータ5、Siが付着した銅箔からなる集電体7bが積層された電池系である。
前記評価電池は電解液を含浸させたセパレータ5を集電体7bと、集電体7aに密着した対極4との間に挟んで積層した後、集電体7bを外装カップ1内に、対極4を外装缶3内に収容して、外装カップ1と外装缶3とを合わせ、さらに、外装カップ1と外装缶3との周縁部に絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密閉して作製した。
基材、炭素質材料の物性等は以下の方法により測定した。測定結果・評価結果を表1に示した。
負極炭素質材料を樹脂に埋め込んで研磨した。低結晶性炭素質被覆層の断面(内部)または負極炭素質材料の外表面をSEM観察(倍率:1万倍)し空隙の有無を確認した。結果は、表1に示すように、実施例では負極炭素質材料の外表面の細孔は認められなかった。なお表面以外の黒鉛質芯材の細孔は前述のように粒子を粉砕後水銀圧入法で測定した。
[TG(重量減少)測定]
試料を窒素雰囲気中10℃/分で600℃まで昇温し、600℃に到達した段階で流入ガスを窒素ガスから窒素と空気が50:50(vol%比)の混合ガスに切替え、1.5時間保持した。その後、室温まで冷却し、残った試料の質量を測定し、質量減少した割合を求めた。この質量減少の割合を被覆層の割合とした。
[炭素質材料のX線回折]
CuKα線をX線源、高純度シリコンを標準物質に使用して(002)回折ピークを測定し、そのピーク位置およびその半値幅から、それぞれd002を算出した。算出方法は学振法(日本学術振興会第117委員会が定めた測定法)に従うものであり、具体的には「炭素繊維」(大谷杉郎著、近代編集社、昭和61年3月発行)の733〜742頁などに記載されている方法に拠った。
[ラマン分光]
炭素質材料のラマン分光によるR値は、ラマン分光分析器[NR−1100:日本分光(株)製]を用い・励起光は波長514.5nmのアルゴンレーザーで、照射面積は30μmΦで分析し、Dバンド1360cm−1ピークの強度(ID)、Gバンド1580cm−1のピーク強度(IG)を測定した。そして強度比ID/IGをR値とした。
回路電圧が0mVに達するまで0.9mAの定電流充電を行った後、回路電圧が0mVに達した時点で定電圧充電に切替え、さらに電流値が20μAになるその間の通電量から充電容量を求めた。その後、10分間休止した。次に0.9mAの電流値で回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から放電容量を求めた。これを第1サイクルとした。次いで充電電流を0.5C、放電電流を2Cとして、第1サイクルと同様に充放電を行った。0.5C、2Cの電流値は、第1サイクルの放電容量と負極の活物質重量から計算した。
初回充放電ロスは次式(1)から計算した。
初回充放電ロス=第1サイクルの充電容量一第1サイクルの放電容量…(1)
また、2C放電率は次式(2)から計算した。
2C放電率(%)=100×(2C電流値における放電容量/第1サイクルの放電容量)…(2)
なおこの試験では、リチウムイオンを負極材料に吸蔵する過程を充電、負極材料からリチウムイオンが脱離する過程を放電とした。
また、サイクル特性は以下のように測定した。回路電圧が0mVに達するまで0.5C電流値で定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた後、10分間休止した。次に0.5Cの電流値で、回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行った。この充放電を50回繰り返し、得られた放電容量から、次式を用いてサイクル特性を計算した。
サイクル特性=(第50サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおける放電容量)×100
[電極密度]
集電材の厚さをt1[cm]、単位面積あたりの質量をW1[g/cm2]とし、負極炭素質材料の質量割合をP[%]とする結合剤との負極合剤ペーストを塗布し、加圧して製造した厚さt2[cm]の負極を、所定の面積S[cm2]で打抜き、この打抜き後の負極の質量をW2[g]としたとき、下記式により求めることができる。なお、前記質量は上皿式の自動天秤、厚さはマイクロメーターで測定した値である。
電極密度[g/cm3]={(W2/S−W1)/(t2−t1)}×(P/100)
実施例1において酸化鉄微粒子をシリカ微粒子(平均粒子直径:0.05μm)に替える以外は実施例1と同様にして炭素質材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
二軸加熱ニーダーを用いて、フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製)のエタノール溶液に酸化鉄微粒子(平均粒子直径:0.05μm)を加え、50℃で1時間混練した。その際、固形分比率がフェノール樹脂:酸化鉄微粒子で、95:5となるように調製した。混練後、真空にして該混練物中の溶媒を除去した。得られた混錬物を実施例1と同様の条件で黒鉛化して粉砕し、黒鉛化芯材(d002:0.3359nm)を作製した。該黒鉛化芯材をコールタールピッチ溶液を用いて、実施例1と同様に、炭素質材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製し、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
〔実施例4〕
実施例1で作製した黒鉛質芯材を、実施例1と同じ条件でコールタールピッチ溶液と混錬後1100℃で3時間かけて炭化して、炭素質材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製した。実施例1と同様に、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
実施例1において、二軸加熱ニーダーを用いて、コールタールピッチにタール中油を混合した溶液に酸化鉄微粒子を加え、150℃で1時間混練する際、固形分比率をコールタールピッチ:酸化鉄微粒子で、98:2とする以外は実施例1と同様にして炭素材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った、評価結果を同じく表1に示した。
実施例1において、二軸加熱ニーダーを用いて、コールタールピッチにタール中油を混合した溶液に酸化鉄微粒子を加え、150℃で1時間混練する際、固形分比率をコールタールピッチ:酸化鉄微粒子で、97:3とする以外は実施例1と同様にして炭素材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った、評価結果を同じく表1に示した。
実施例1において、二軸加熱ニーダーを用いて、コールタールピッチにタール中油を混合した溶液に酸化鉄微粒子を加え、150℃で1時間混練する際、固形分比率をコールタールピッチ:酸化鉄微粒子で、94:6とする以外は実施例1と同様にして炭素材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った、評価結果を同じく表1に示した。
実施例1において、黒鉛質芯材を二軸加熱ニーダーでコールタールピッチ溶液と150℃で1時間混練する際、固形分比率がコールタールピッチ:該黒鉛質芯材で、5:95となるように調製する以外は実施例1と同様にして炭素材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った、評価結果を同じく表1に示した。
実施例1で作製した黒鉛質芯材を、実施例1と同じ条件でコールタールピッチ溶液と混練後900℃で3時間かけて炭化する以外は実施例1と同様にして炭素材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った、評価結果を同じく表1に示した。なお実施例で用いた黒鉛質芯材のLcの値は50nm以上であった。
天然黒鉛(ユニオンカーボン(株)製、BF15A、リン片状、d002:0.3357nm)と酸化鉄微粒子(平均粒子直径0.05μm)を95:5に混合したものを、二軸加熱ニーダーでコールタールピッチ溶液と150℃で1時間混練した。その際、固形分比率がコールタールピッチ:該混合物が、10:90となるように調製した。混練後、真空にして該混練物中の溶媒を除去した。得られた混練物を黒鉛るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下、まず500℃で6時間保持して揮発分を5%以下にまで低減したのち、1500℃で3時間かけて炭化し粉砕して、炭化物粉末を得た。実施例1と同様にして、得られた炭化物粉末とコールタールピッチ溶液とを混錬し、実施例1と同様にして、炭素質材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
実施例1において、コールタールピッチと酸化鉄の混練物を2000℃で熱処理する以外は実施例1と同様にして、黒鉛質芯材粒子(d002:0.3363nm)を作製した。実施例1と同様にして、該黒鉛質芯材粒子とコールタールピッチ溶液とを混錬し、実施例1と同様にして、炭素質材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
〔比較例3〕
実施例1と同じ条件で黒鉛質芯材粒子(d002:0.3358nm)を作製した。実施例1において、該黒鉛質芯材粒子とコールタールピッチとを2500℃で熱処理する以外は実施例1と同様に、炭素質材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製し、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
実施例1の黒鉛化処理:3000℃で3時間かけて黒鉛化処理をし、その後の処理を行わずに、平均粒径が20μmとなるようにアトマイザーで粉砕し、低結晶性被覆層のない炭素質材料を得た。他の工程は実施例1と同様に、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
〔比較例5〕
実施例1において、黒鉛質芯材粒子とコールタールピッチ溶液との混錬物を、加熱、真空下で混錬物中の溶媒を除去する以外は、実施例1と同様にして炭素質材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製し、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
〔比較例6〕
天然黒鉛(ユニオンカーボン(株)製、BF15A、リン片状、d002:0.3357nm)と酸化鉄微粒子(平均粒子直径0.05μm)を95:5に混合したものを、二軸加熱ニーダーでコールタールピッチ溶液と150℃で1時間混練した。その際、固形分比率がコールタールピッチ:該混合物で、10:90となるように調製した。混練後、真空にして該混練物中の溶媒を除去した。得られた混練物を黒鉛るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下、まず500℃で6時間保持して揮発分を5%以下にまで低減したのち、3000℃で3時間かけて黒鉛化した。
得られた黒鉛化物を粉砕して粉砕物を作製した。これを用いて負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
比較例6と同様にして作製した黒鉛化物粉砕物(黒鉛質芯材粒子に相当する)とコールタールピッチ溶液との混錬物を実施例1と同様にして炭化し、炭素質材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製し、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った。評価結果を同じく表1に示した。
実施例1において、二軸加熱ニーダーを用いて、コールタールピッチにタール中油を混合した溶液に酸化鉄微粒子を加え、150℃で1時間混練する際、固形分比率をコールタールピッチ:酸化鉄微粒子で、99.5:0.5とする以外は実施例1と同様にして炭素材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った、評価結果を同じく表1に示した。
実施例1において、二軸加熱ニーダーを用いて、コールタールピッチにタール中油を混合した溶液に酸化鉄微粒子を加え、150℃で1時間混練する際、固形分比率をコールタールピッチ:酸化鉄微粒子で、90:10とする以外は実施例1と同様にして炭素材料(リチウムイオン二次電池用負極材料)を作製して、負極合剤の調製、負極の作製、リチウムイオン二次電池の作製および特性評価を行った、評価結果を同じく表1に示した。
実施例1と比較例2との比較から、負極炭素質材料の黒鉛質芯材の結晶性が低いと、放電容量に劣ることがわかる。
実施例1と比較例3との比較から、負極炭素質材料の表面近傍の結晶性が高いと、初回充放電ロス、2C放電率、サイクル特性に劣ることがわかる。
2 作用電極
3 外装缶
4 対極
5 電解質溶液含浸セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a、7b 集電体
10 負極炭素質材料
12 黒鉛質芯材
14 細孔
16 炭素質被覆層
Claims (5)
- 高結晶性の黒鉛質からなる黒鉛質芯材と該芯材の表面を被覆する低結晶性の炭素質被覆層とを有するリチウムイオン二次電池用負極材料であって、
リチウムイオン二次電池用負極材料の表面は細孔がなく、黒鉛質芯材は細孔を有し、
黒鉛質芯材は、炭素質被覆層を有さない単独粒子の状態で略球状であり、
黒鉛質芯材の細孔容積は、リチウムイオン二次電池用負極材料を粉砕後、水銀圧入法で測定した0.01〜100μmの細孔の容積が、0.05〜0.4cm3/g、
リチウムイオン二次電池用負極材料のd002:0.3360nm以下で、
リチウムイオン二次電池用負極材料のR値(波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーを用いたラマンスペクトルにおける、1580cm−1のピーク強度(I1580)に対する1360cm−1のピーク強度(I1360)の比(I1360/I1580)):0.3〜1.0であるリチウムイオン二次電池用負極材料。 - 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を用いたリチウムイオン二次電池負極。
- 前記負極の電極密度が、1.7〜1.9g/cm3であることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン二次電池負極。
- 請求項2または3に記載の負極を有するリチウムイオン二次電池。
- 無機微粒子と炭素質前駆体の混合物を2500℃以上で加熱して、前記無機微粒子を分解、蒸発させて細孔を得るとともに前記炭素質前駆体を黒鉛化して、細孔を有する黒鉛質芯材を得る黒鉛化工程と、前記黒鉛化工程で得られた黒鉛質芯材の表面に炭素質前駆体を付着させる付着工程と、前記付着工程で炭素質前駆体を付着された黒鉛質芯材を1100℃以上、1500℃以下の温度で加熱して、黒鉛質芯材の表面に空隙のない炭素質被覆層を有する負極材料を得る焼成工程を有することを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
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