JPH10139378A - 移動式クレーンにおけるジブの張出/格納後の点検指示装置 - Google Patents

移動式クレーンにおけるジブの張出/格納後の点検指示装置

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JPH10139378A
JPH10139378A JP30712496A JP30712496A JPH10139378A JP H10139378 A JPH10139378 A JP H10139378A JP 30712496 A JP30712496 A JP 30712496A JP 30712496 A JP30712496 A JP 30712496A JP H10139378 A JPH10139378 A JP H10139378A
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boom
pin
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bracket
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JP30712496A
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Yoshitoshi Sawafuji
佐敏 澤藤
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Komatsu Ltd
Komatsu MEC Corp
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Komatsu Ltd
Komatsu MEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジブの張出/格納後におけるクレーンの点検
忘れを確実に防止して、ジブの落下等の事故を未然に防
止する移動式クレーンにおける張出/格納後の点検指示
装置を提供する。 【解決手段】 ジブ張出/格納専用モードから第1作業
モード、または第2作業モードに切り換えたとき、その
切換信号を入力して第1作業モード、または第2作業モ
ードにおけるクレーンの作動を所定時間停止させるか、
またはクレーンの点検を運転者に指示するコントローラ
52を備える移動式クレーンにおけるジブの張出/格納
後の点検指示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動式クレーンにお
けるジブの張出/格納後の点検指示装置に関し、特にジ
ブの張出/格納後におけるクレーンの点検忘れを確実に
防止する移動式クレーンにおける張出/格納後の点検指
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動式クレーンは、車体上に伸縮自在な
ブームを起伏自在に、かつ旋回自在に設けて、これらの
伸縮、起伏及び旋回の各操作によって吊り荷作業が行わ
れる。しかし、前記伸縮、起伏及び旋回の各操作による
作業可能範囲を拡大する必要がある場合には、ブームの
先端部にジブを装着して作業範囲を拡大できるようなジ
ブ装着型の移動式クレーンが使用される。このようなジ
ブ装着型の移動式クレーンの従来技術としては、例えば
図21〜図30に示すように、第1の従来技術として
「実開平5−44990号」公報、および第2の従来技
術として「実開平6−76283号」公報がある。
【0003】第1および第2の従来技術は、図21にお
いて前後左右に車輪を有する下部走行体1の略中央の上
部に旋回自在に上部旋回体8を設け、上部旋回体8上に
は伸縮自在なブーム3を起伏自在に設けている。また、
上部旋回体8上の前方側面側には走行操作や作業機操作
が可能な運転室9が配設されている。ブーム3は多段伸
縮ブームであって、基段ブーム4乃至トップブーム6か
らなっている。また移動式クレーンの走行時等にはブー
ム3の側面にジブ7が装着されている。このジブ7は、
作業時に必要に応じて図27に示すロックピン19a回
りに回動して、ブーム3の側面からブーム先端部に張り
出され、図28に示すようにブーム先端部に連結される
ようになっている。
【0004】このようなジブ装着型の移動式クレーンに
おけるジブ7の張出、格納装置を図面を参照しながら詳
細に説明する。図22はジブ7の格納状態を表す平面
図、図23は図22のトップブーム6とジブ7との連結
部詳細平面図、図24は張出状態での連結部側面図を表
している。基段ブーム4の側面後部にジブ7の固定用の
ラグ81が設けられ、ラグ81はジブ7の先端部に設け
られたラグ82がピン83により連結されている。ま
た、基段ブーム4の側面中央部にはラグ85が設けら
れ、ラグ85にジブ7の中央部に設けられたつの84が
係止されピン80により連結されている。
【0005】図23に示すように、トップブーム6の先
端側面の左右にはラグ87a、87bが設けられ、ジブ
7の基端部にはトップブーム6のラグ87a、87bと
ジブ7をそれぞれ連結するロックピン19a、19bが
設けられている。ロックピン19a、19bは、それぞ
れを抜き差しするためのロックシリンダ17、18が取
着されている。また、ジブ7の基端部上面にはジブ7の
振出(ピン80の回りにジブ7を回動すること)、張出
及び格納用の回動シリンダ63がそのチューブ側をピン
99によって回動自在に設けられている。回動シリンダ
63のロッド側はリンク92及びリンク93の連結部に
ピン96で回動自在に接続されている。またリンク93
の他端側はジブ7の上面にピン97により回動自在に取
着され、リンク92の他端側は格納時にジブ7の上面に
ピン94により回動自在に取着されている。
【0006】また、トップブーム6の上面にはスイッチ
ボックス89が配設されている。このスイッチボックス
89には、ロックシリンダ17、18及び回動シリンダ
63を操作するためのスイッチ(図示せず)が収納され
ている。さらに、上記のジブ7を基段ブーム4に固定す
るピン83、ピン80、リンク92を固定するピン9
4、ピン98等は、トップブーム6の上面から容易に抜
き差し可能なように位置している。
【0007】第2の従来技術は、第1の従来技術におい
て図29(A)に示すように、図22に示すような基段
ブーム4の側面に設けられラグ85と、ジブ7に設けら
れたつの84とを連結するピン80を検出するリミット
スイッチ86が基段ブーム4に設置されている。また図
29(B)に示すように、図22に示す基段ブーム4の
側面に設けられラグ81と、ジブ7に設けられたラグ8
2とを連結するピン83を検出するリミットスイッチ8
8が基段ブーム4に設置されている。図30に示すよう
に、トップブーム6用伸縮シリンダ141の駆動回路に
は、トップブーム6の伸長側となる方向切換弁143の
パイロット回路を開閉するソレノイド弁147が介設さ
れている。これらリミットスイッチ86,88は、常時
開接点同志および常時閉接点同志をそれぞれ直列に接続
したものを並列に接続した回路を、電源90とソレノイ
ド弁147間に直列に接続してある。
【0008】第1の従来技術、および第2の従来技術は
次のように作用する。図23に示すようにジブ張出のと
きは、作業者はまずトップブーム6の上面に乗り、リン
ク92をジブ7に取着しているピン94を抜く。そし
て、スイッチボックス89のスイッチを操作して回動シ
リンダ63を作動してリンク92の先端部の孔をトップ
ブーム6の上面側端部に設けられた孔95に一致させ、
図23に示すピン98を孔95に挿入してリンク92と
トップブーム6を連結する。次に、図22に示すジブ7
の先端部を基段ブーム4に固定しているピン83を抜
き、スイッチボックス89により回動シリンダ63を作
動して、図25、図26に示すようにジブ7をピン80
の回りに振出し、ジブ7の基端部のロックピン19aを
トップブーム6の先端部のラグ87aの孔に一致させ
る。この状態で、図24に示すロックシリンダ17を操
作してロックピン19aを挿入するとラグ87aがジブ
7に連結される。この後、ジブ7の中央部のつの84を
固定しているピン80を抜き、図27に示すように運転
室9内の操作レバーによってブーム3を伸長し、ジブ7
を支持しているつの84をラグ85から外す。これによ
りジブ7はロックピン19a及びピン98によって支持
されることになる。
【0009】次に、運転席9内の操作レバー又はスイッ
チボックス89内のスイッチの操作を行って回動シリン
ダ63を作動させてジブ7をロックピン19aの回りに
回動し、図28に示すようにブーム3の前方に張り出
す。そしてスイッチボックス89によってロックシリン
ダ18を作動してロックピン19bをトップブーム6の
ラグ87bの孔に挿入する。これによって、ジブ7とト
ップブーム6との連結作業が完了する。ジブ7の格納作
業は、これまでと逆の手順で行なう。このようにして、
作業者は運転室9内又はトップブーム6の上部に乗って
各シリンダや作業機を操作し、ジブ7の張出及び格納作
業を行う。これと同時に作業者は各作業工程の完了、例
えばロックシリンダ17によりロックピン19aがラグ
87aの孔に確実に挿入されたこと等をトップブーム6
の上部で確認してから次の工程に進むようにしている。
【0010】図30において、ピン80とピン83との
いずれか一方が挿入されている状態では、伸縮シリンダ
15が絶対に伸びないので、トップブーム6操作弁を誤
操作してもジブ7やラグ81,82,84,85等の破
損が防止される。
【0011】第3の従来技術は、第1、第2の従来技術
におけるジブ7のつの84を、図4、図5に示す本発明
の係止ピン21のように上下に二つ設置し、このつの8
4が貫入する各穴を、図4、図5に示す本発明のブラケ
ット22に形成された穴22aのようにラグ85に設置
することにより、第1、第2の従来技術におけるピン8
0を省略した構成であり、これによってジブ7の張出・
格納作業を簡略化したものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1、第2の従来技術では次の問題点がある。 (1)ジブ7の張出時に、ロックピン19aがラグ87
aの孔に完全に挿入されない状態で、ピン80を抜いて
ブーム3を伸長したり、またジブ7の格納時に、つの8
4とラグ85がピン80によって連結されない状態で、
ロックピン19aを抜いてしまうと、ジブ7が落下する
危険性がある。 (2)ジブ7の張出時に、ロックピン19aをラグ87
aの孔に挿入して、ピン80を抜き忘れたままでブーム
3を伸長したり、またジブ7の格納時に、ロックピン1
9aを抜き忘れたままで回動シリンダ63によりジブ7
を格納すると、ピン80やロックピン19aを破損する
危険性がある。
【0013】また第3の従来技術では次の問題点があ
る。 (3)ジブ7の振出時に、ピン83を抜き忘れたまま回
動シリンダ63によりジブ7を振出操作したり、ジブ7
の格納時に、ロックピン19aを抜き忘れたまま回動シ
リンダ63によりジブ7を格納操作すると、ピン83や
ロックピン19aを破損する危険性がある。 (4)ジブ7の張出時に、ピン98、またはロックピン
19aの挿入が不十分であったり、図8においてロック
ピン19aの挿入が不十分であると、Lで示すような伸
縮ブームとジブ7フート部との干渉のためにブーム3を
伸長操作したときジブ7が落下する危険性がある。 (5)ジブ7の格納作業において、ジブフート部のロッ
クピン19aを抜いた後、ジブ格納ピン83を入れ忘れ
た場合や、ジブ格納時における整備中でジブ格納ピン8
3を抜いて作業する場合や、ジブ格納時にいたずらされ
てジブ格納ピン83が抜かれていた場合には、つの84
とラグ85を連結するピン80がないため、つの84が
ラグ85の穴から抜け出してジブ7が落下する危険性が
ある。
【0014】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、ジブの張出/格納後におけるクレーンの
点検忘れを確実に防止して、ロックピン、ジブ格納ピ
ン、あるいはジブが破損したり、ジブがブームから落下
するような事故を未然に防止する移動式クレーンにおけ
る張出/格納後の点検指示装置を提供することを目的と
している。
【0015】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、本発明の第1発明に係る移動式ク
レーンにおけるジブの張出/格納後の点検指示装置は、
伸縮自在なブーム(3) と、不使用時にはこのブーム(3)
の側部に格納され、使用時にはブーム(3) の先端に張り
出されるジブ(7) と、このジブ(7) の格納位置における
第1作業モードと、ジブ(7) の張出位置における第2作
業モードと、ジブ(7) をブーム(3) 先端位置と格納位置
との間で張出・格納操作をする張出/格納専用モードの
内、いずれか1つのモードを選択する作業モードスイッ
チ(71)とを備えた移動式クレーンにおいて、前記専用モ
ードから第1作業モード、または第2作業モードに切り
換えたとき、その切換信号を入力して第1作業モード、
または第2作業モードにおけるクレーンの作動を所定時
間停止させるか、またはクレーンの点検を運転者に指示
するコントローラ(52)を備えたことを特徴とする。
【0016】第1の発明によれば、ジブ7の格納位置に
おける第1作業モードを、ジブ7の張出/格納専用モー
ドによりジブ7の張出位置における第2作業モードに切
り換えると、ジブ7の張出位置における第2作業モー
ド、例えばジブモードにおいては、コントローラ52に
よりジブの作動が所定時間停止するか、またはクレーン
の点検を所定時間運転者に指示する。この所定時間の間
にロックピン19aが入り、ジブ格納ピン33が抜けて
いること等のクレーンの状態を確実に点検する。
【0017】またジブ7の張出位置における第2作業モ
ードを、ジブ7の張出/格納専用モードによりジブ7の
格納位置における第1作業モードに切り換えたとき、ジ
ブ7の格納位置における第1作業モード、例えばブーム
/シングルトップモードにおいては、コントローラ52
によりブーム/シングルトップの作動が所定時間停止す
るか、またはクレーンの点検を所定時間運転者に指示す
る。この所定時間の間にロックピン19aが抜け、ジブ
格納ピン33が入っていること等のクレーンの状態を確
実に点検する。従ってジブの張出/格納工程中における
ロックピン19aやジブ格納ピン33等の入れ忘れや抜
き忘れをした状態で、不用意にクレーン作業に入ること
により、ロックピン19a、ジブ格納ピン33、あるい
はジブ7が破損したり、ジブ7がブーム3から落下する
ような事故を未然に防止でき、クレーン作業の安全性を
大幅に向上することができる。
【0018】本発明の第2発明に係る移動式クレーンに
おけるジブの張出/格納後の点検指示装置は、第1発明
において、前記コントローラ52によるクレーンの点検
の指示は、コントローラ52のディスプレイに表示する
文字または図形、またはブザー等の音声のうち少なくと
もいずれか一つによることを特徴とする。
【0019】第2発明によれば、第1発明においてジブ
の張出/格納後の点検を、コントローラ52のディスプ
レイに文字または図形で表示して視覚により運転者に訴
えるか、またはブザー等の音声により聴覚により運転者
に訴えるか、これらの内少なくともいずれか一つにより
運転者に伝達すれば、運転者はロックピン19a、また
はジブ格納ピン33等を確実に点検できる。従ってジブ
の張出/格納工程中におけるロックピン19aやジブ格
納ピン33の入れ忘れや抜き忘れ等の点検忘れをした状
態で、不用意にクレーン作業に入ることにより、ロック
ピン19a、ジブ格納ピン33、あるいはジブ7が破損
したり、ジブ7がブーム3から落下するような事故をよ
り確実に未然に防止して、クレーン作業の安全性を更に
大幅に向上することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施例を図1〜
図20を参照して説明する。図1は、本発明に係わる移
動式クレーンの全体側面図であり、ジブ7の格納状態を
表している。図1においては、前記従来技術と同様な部
材には同一符号を付しその説明を省略する。ジブ7は車
体1に起伏可能に装着されたブーム3の左側方(右側方
でも可)に格納されている。ジブ7は、基端側のジブブ
ラケット11と先端側のジブ本体12とからなってい
る。ジブブラケット11とジブ本体12とは水平なピン
13によって起伏自在に連結されており、チルトシリン
ダ14によってピン13の回りに起伏可能となってい
る。
【0021】ジブ本体12は、図3,図4、および図5
に詳細を示すような係止手段20と、図3、図6、図7
および図9〜図11に詳細を示すような固定手段30と
によって、基段ブーム4の左側面に固定されている。ま
た、ジブ本体12の先端上面にはアイドラシーブ123
が配設され、先端部にジブシーブ124を設けている。
ジブブラケット11の基端部の左右には、図2、図8、
および図12に詳細を示すように、それぞれ上下にブー
ム3との連結用の左ブラケット15,15、および右ブ
ラケット16,16(ブーム3の基端部から先端方向に
向かい左右を定める。以後同様とする)が設けられ、こ
れら各左ブラケット15と右ブラケット16の間には、
それぞれ連結用のロックピン19a,19bを挿入する
ためにロックシリンダ17、18が配設されている。さ
らに、トップブーム6の先端部にはトップシーブ(以
後、シングルトップと呼ぶ)125が設けられ、シング
ルトップ125を介して補巻ロープ121の先端に設け
た補フック122が備えられている。
【0022】図2は、ジブ7の格納状態におけるトップ
ブーム6の先端部、およびジブブラケット11の連結部
の平面図を表している。ジブブラケット11の上部には
回動シリンダ63が配設されていて、回動シリンダ63
のチューブ側はジブブラケット11の上面に回動自在に
取着され、ロッド側は第2リンク65の中央部に回動自
在に取着されている。第2リンク65の一端側はジブブ
ラケット11の上面に回動自在に取着されており、他端
側は第1リンク64の一端に回動自在に接続されてい
る。また、第1リンク64の他端は第3リンク66の一
端に回動自在に接続され、第3リンク66の他端はロッ
クピン19aの後述するボス131に回動自在に接続さ
れている。
【0023】トップブーム6の先端部左側の上下には、
ジブ7の連結用の左ブラケット61が設けられている。
上下の左ブラケット61にはそれぞれジブ7の左ブラケ
ット15の連結用の孔61aが設けられている。上方の
左ブラケット61には、さらに第1リンク64と第3リ
ンク66との接続部のピン67が挿入される連結用の孔
61bが設けられている。また、トップブーム6の先端
部右側の上下にはジブ7の連結用の右ブラケット62が
設けられ、上下の右ブラケット62にはそれぞれに連結
用の孔62aが設けられている。さらに、上方の左ブラ
ケット61の上面には孔61a部の上方にかけて第1ス
トッパ39が固着されており、同様にして、下方のブラ
ケット61の下面には孔61a部の下方にかけて第1ス
トッパ39が固着されている。また、トップブーム6の
左側面には、第2ストッパ42bがジブ7側に突出して
設けられている。
【0024】ジブブラケット11の基端部のブーム側の
上下には、トップブーム6と連結するためのロックピン
19aが挿入される孔15aを有する左ブラケット15
が設けられ、ブーム側と反対側の上下にはロックピン1
9bが挿入される孔16aを有する右ブラケット16が
設けられている。さらに、上方のブラケット15の上面
で、かつ、孔15a部にはボス131が設けられてお
り、ボス131を孔15aが貫通している。同様にし
て、下方のブラケット15の下面で、かつ、孔15a部
には孔15aが貫通したボス131が設けられている。
また、ジブブラケット11のブーム側側面には、トップ
ブーム6側に突出して第2ストッパ42aが設けられて
いる。ジブ連結時に、上記上下のボス131をトップブ
ーム6側の上下のブラケット61の第1ストッパ39に
押し当て、第2ストッパ42aをトップブーム6側の第
2ストッパ42bに当接させることにより、孔15aと
孔61aとの位置が一致するようになっている。なお、
第2ストッパ42a及び第2ストッパ42bは、いずれ
か一方であっても良い。
【0025】図3は基段ブーム4とジブ本体12の中央
及び先端側を示す平面図である。ジブ本体12の略中央
部には図4、および図5に詳細を示すような、ジブ7と
基段ブーム4との係止手段20が設置されている。ま
た、ジブ本体12の先端部分には図6、図7、図10、
および図11に詳細を示すような、ジブ7と基段ブーム
4との固定手段30が設置されている。
【0026】図3のX−X断面図である図4、および図
4のY−Y断面図である図5により係止手段20の詳細
について説明する。ジブ本体12のブーム3側の側面の
上下に、ブーム3の長手方向に突出した係止ピン21が
設けられている。上下の係止ピン21は、それぞれ基段
ブーム4側に設けられた係止ブラケット22の係止用の
孔22aに挿入されて係止されるようになっている。ま
た、係止ブラケット22の下部にはブーム3の長手方向
の孔22bを設けており、孔22bにはピン23が貫通
している。ピン23の長手方向の両端部には上下方向の
孔が設けられ、この両孔をネジ24が貫通している。両
方のネジ24の略中央で、かつ、ピン23の下方にはナ
ット24aが挿入されており、またネジ24の上下部は
基段ブーム4の側面の下部に支持されている。このよう
に、係止ブラケット22はピン23を介して両方のナッ
ト24aによって支持されている。そして、ナット24
aの位置をネジ24の方向にそって調整することによ
り、係止ブラケット22のブーム3の上下方向の位置が
調整できるようになっている。
【0027】ブーム3の側面上部で、かつ、ピン23の
上方にはブラケット25が設けられており、このブラケ
ット25の上面には一対のネジ26を対向して設けてい
る。両方のネジ26はブーム3の側面に直角な方向を向
いており、その先端はお互いに対向している。また、両
方のネジ26にはそれぞれナット26aが挿入されてい
る。そして、係止ブラケット22の上部は両方のネジ2
6の先端部に挟まれた状態で支持されている。このよう
にして、ナット26aの位置を調整することによって、
係止ブラケット22のピン23の回りの傾斜を調整でき
るようになっている。
【0028】ブラケット25の先端部には下方に延びた
支持板28が取着されていて、支持板28の下部にジブ
格納検出器29が取着されている。ジブ格納検出器29
は、ジブ7が格納完了したこと、すなわち係止ピン21
が係止ブラケット22の孔22aに完全に挿入されたこ
とを検出するものである。本実施例では、ジブ格納検出
器29の1つとして近接スイッチを使用した例を示して
おり、この近接スイッチの検知のためにジブ本体12側
に検知板29aを取着している。なお、ジブ格納検出器
29として近接スイッチを使用しているが、これに限定
されず、例えばリミットスイッチ等でもよい。
【0029】図6は図3のP部詳細図で、ジブ7をブー
ム3に格納する固定手段30の一実施例を示す詳細平面
図であり、図7は図6の側面図である。基段ブーム4の
側面下部には側方に突出したブラケット34が設けられ
ていて、ジブ7の先端部は格納状態ではこのブラケット
34の上部に支持され固定されている。ブラケット34
の側面で、かつ、ジブ7の基端部側にはジブ7の固定用
の孔31aを有するブラケット31が固着されており、
また、ブラケット34の側面で、かつ、ジブ7の先端部
側にはジブ7のガイド用の孔35aを有するブラケット
35が取着されている。ガイド用の孔35aの位置は、
固定用の孔31aの位置よりジブ7側に近く設けてい
る。
【0030】また、ジブ本体12の側面にはブーム3側
の側方に突出したブラケット32が設けられていて、ブ
ラケット32にはジブ7の固定用の孔32aが設けられ
ている。ジブ本体12の側面には同じくブーム3側の側
方に突出したブラケット38が設けられ、基段ブーム4
のブラケット34の略中央部の上部にはピン38aを設
けている。ブラケット38のジブ先端側の側面には、ブ
ラケット36が設けられている。ジブ7の格納時には、
ブラケット38のブーム3側先端面をピン38aに当接
させることにより、ブラケット31の孔31aとブラケ
ット32の孔32aとの位置が一致するようになってい
る。そして、このとき、孔31aと孔32aとにピン3
3が挿入されて固定される。格納状態では、ピン33の
先端部にジブ格納ピン33aが挿入される。なお、ブラ
ケット38と当接するピン38aの先端部には衝撃吸収
用の緩衝部材が設けられてもよく、この緩衝部材はゴム
やバネ等で構成される。
【0031】図7において、ブラケット36の先端下面
36aは傾斜を有しており、この傾斜はブラケット34
の上面に対する先端下面36aの高さがその先端部から
基端部にかけて滑らかに低くなっている。また、ブラケ
ット36の先端部は先端からブーム側の側面36cにか
けて傾斜部36bを有しており、ブラケット36の基端
部の側面36cはジブ本体12の側面に略平行になって
いる。さらに、ブラケット34のジブ基端側の側面の上
端部には、ブラケット36の先端下面36aのガイド用
のバー37がブラケット34の上面に平行に固着されて
いる。
【0032】図8は図2に示すジブ7の格納状態からジ
ブ7フート部の上下のボス131をトップブーム6側の
上下の第1ストッパ39に押し当てると共に、第2スト
ッパ42aをトップブーム6側の第2ストッパ42bに
当接させることにより、孔15aと孔61aとの位置を
一致させた振出状態を示す平面図である。図9は図3に
示すジブ7の格納状態から係止手段20の回りに、ジブ
7を振り出した状態を示す平面図である。
【0033】図10は図9のQ部詳細図で、図9に示す
ようにジブ7を係止手段20の回りに振出した時の固定
手段30の詳細平面図であり、図11は図10の側面図
である。なおジブ7を「振出す」とは、ジブ7の先端部
をブーム3より離す方向に動かすことによってジブ7が
係止ピン21の回りに回動し、ジブ7の基端部のブラケ
ット15の孔15aをトップブーム6のブラケット61
の孔61aに合わせる作業を言う。
【0034】図10、および図11の振出状態では、ジ
ブ格納ピン33は孔31a及び32aから抜かれ、ジブ
7の先端部はブーム3から離されている。ジブ格納ピン
33はブラケット35の孔35aに挿入されており、こ
の状態でピン33の側面はブラケット36の基端部のブ
ーム3側の側面36cに当接している。これによって、
ジブ7の先端部はピン33によってブーム3側に戻らな
いように固定される。このとき、図2におけるブラケッ
ト15のボス131がトップブーム6の第1ストッパ3
9に当接して前後方向の位置決めがなされ、また、ジブ
7側の第2ストッパ42aがトップブーム6側の第2ス
トッパ42bに当接して左右方向の位置決めがなされる
ことにより、孔15aをトップブーム6の孔61aに容
易に合わせることが可能となっている。
【0035】図12は図8に示すジブ7の振出状態から
孔15aおよび孔61aに挿入されたロックピン19a
(以後左ロックピン19aといい、もう一方を右ロック
ピン19bと記す)回りに、ジブ7がシリンダ63によ
り時計方向に回動されてブーム3の前方に完全に張出さ
れ、左ロックピン19aと同様にして孔16aおよび孔
62aに右ロックピン19bを挿入して固定するように
構成されている。
【0036】図13は図2におけるZ矢視図であり、上
下のブラケット15の間にロックシリンダ17および連
結用のピン19a部分の側面図である。ロックシリンダ
17の上端部のチューブには第3リンク66の一端側が
回動自在に取着されており、またピン19cにより上方
のロックピン19aが取着されている。ロックピン19
aの軸心は、ロックシリンダ17の軸心に一致させてい
る。また、第3リンク66の他端側の上面には、第1リ
ンク64とトップブーム6のブラケット61の孔61b
とを連結するためのピン67が固着されている。さら
に、ロックシリンダ17の下端部のロッド側には下方の
ロックピン19aがピン19dにより取着されている。
【0037】上下のブラケット15はそれぞれコの字型
をしていて、コの字の上下の板15b、15c及び板1
5d、15eの間に、トップブーム6側に設置された孔
15aを有する上下のブラケット61をそれぞれ挟むよ
うにしている。上方の板15bの上面で、かつ、孔15
a部には孔15aが貫通しているボス131が設けられ
ている。同様にして、下方の板15eの下面で、かつ、
孔15a部には孔15aが貫通しているボス131が設
けられている。また、第1リンク64の第3リンク66
との連結部側は、同様に上下板64a、64bで構成さ
れ、上下板64a、64bの間にトップブーム6の上方
のブラケット61の孔61b部を挟むようになってい
る。
【0038】また、ロックシリンダ17が最短に縮小し
ている状態のとき、ジブブラケット11の基端部からロ
ックシリンダ17の方に突出して設けたブラケット71
の先端部がロックシリンダ17のチューブとロッドの間
に挟まれるようになっている。この状態では、上方のロ
ックピン19aの先端は上方のブラケット15の板15
cに掛かっており、ピン67の先端は第1リンク64の
下板64bに掛かっている。また、下方のロックピン1
9aの先端は下方のブラケット15の板15dに掛かっ
ている。これによって、ロックシリンダ17、第1リン
ク64、上下のロックピン19a及びピン67はジブブ
ラケット11から外れないようになっている。
【0039】ロックシリンダ17のロッドには、上方に
延びたブラケット69が取着されており、ブラケット6
9の上端には上下のロックピン19aの挿入完了を検出
するためのロックピン挿入検出器70が取着されてい
る。本実施例では、ロックピン挿入検出器70の一例と
して近接スイッチを採用しており、この近接スイッチの
検出面はロックシリンダ17の伸縮方向の下方を向いて
いる。また、ロックシリンダ17のチューブの下端部に
は下方に延びたポール68が取着され、ポール68の下
端に近接スイッチの検知片68aが取着されている。
【0040】図14は図12のA矢視図で、ロックシリ
ンダ17が伸長してジブ7とトップブーム6とを連結し
た状態をトップブーム6の側面から見た図である。ロッ
クシリンダ17が伸長し、上下のロックピン19aが上
下のブラケット15の孔15aに完全に挿入されたとき
に、ロックピン挿入検出器70の近接スイッチが検知片
68aを所定距離で検知して作動するようになってい
る。また、ジブ7の張出のとき、上方のブラケット61
の上面及び下方のブラケット61の下面に設けられた上
下の第1ストッパ39にブラケット15のボス131を
押し当てている。これによって、孔15a及び孔61a
の位置が一致し、ロックピン19aがスムーズに挿入で
きるようになっている。
【0041】なお、図示してはいないがブラケット15
と同様にして、上下のブラケット16の間にはロックシ
リンダ18が設けられており、ロックシリンダ18のチ
ューブ側上端部に上方のロックピン19bが、及びロッ
クシリンダ18のロッド側下端部に下方のロックピン1
9bが取着されている。ロックシリンダ18が最短に縮
小している状態のときは、同じく、ジブブラケット11
の基端部からロックシリンダ18の方に突出して設けた
ブラケット(ブラケット71に相当)の先端部がロック
シリンダ18のチューブとロッドの間に挟まれるように
なっており、上下のロックピン19bの先端はそれぞれ
上下のブラケット16のコの字板のシリンダ側板(板1
5c、板15dに相当)に掛かっている。これによっ
て、ロックシリンダ18及び上下のロックピン19bは
ジブブラケット11から外れないようになっている。
【0042】図15は、本発明に係わる移動式クレーン
のジブの張出/格納を操作するためのフロントパネル4
0aの一実施例を示し、このフロントパネル40aは運
転室9内に設けられている。ジブ7の張出/格納作業を
選択するためのジブ張出/格納スイッチ41はシーソー
型の切替えスイッチになっている。ジブ張出/格納スイ
ッチ41を操作すると、対応する図16に示す出力接点
がオンするようになっている。また、トップブーム6の
左側面のブラケット61とジブ7のブラケット15と
が、左ロックピン19aによって完全に連結されたとき
に表示する左ピンロック完了表示器43、及びジブ7の
格納時に係止ピン21が係止ブラケット22の孔22a
に完全に挿入されたことを表示するジブ格納位置表示器
44が設けられている。
【0043】そしてフロントパネル40aには作業モー
ドの切替えを行うモード切替スイッチ45を備えてお
り、図17に示す一本の操作レバー56aの一方向の操
作によって、前記ロックシリンダ17(左ピン)、回動
シリンダ63及びロックシリンダ18(右ピン)の作動
が可能なように構成している。したがって、モード切替
スイッチ45によりこれらの内のどのシリンダによる作
業を行うのかを選択できるようになっている。またシリ
ンダの作動方向は、前記ジブ張出/格納スイッチ41に
よって切り換えるようになっている。
【0044】図16〜図18にそれぞれ示す、本発明の
電気制御回路及び油圧制御回路一実施例について説明す
る。図16に示す電気制御回路はモーメントリミッタコ
ントローラ52とそれ以外のインターロック手段とから
構成されている。モーメントリミッタコントローラ52
はジブ張出時にブーム3の伸長可否を判定してブーム3
の伸長を制御しており、例えばマイクロコンピュータ等
で構成されている。モーメントリミッタコントローラ5
2は運転室9に設置された図19に示すような、モーメ
ントリミッタ表示パネル40の上部作業モードスイッチ
71から、ジブ張出/格納専用モード信号、ジブモード
信号、ブーム/シングルトップモード信号を入力してい
る。
【0045】モーメントリミッタコントローラ52は、
a1 端子を介して入力されたジブ張出/格納専用モード
信号に基づいてジブ自動張出モードリレー46のコイル
46cにオン−オフ指令を出力する。a2 端子を介して
入力されたジブモード信号に基づいて、ジブモードリレ
ー86のコイル86cにオン−オフ指令を出力すると共
に、コイル86bの通電により接点86aが閉じるた
め、タイマT1 を介して所定時間の間、図17に示すア
ンロード弁60のソレノイド60aにアンロード信号を
出力する。またa3 端子を介して入力されたブーム/シ
ングルトップモード信号に基づいて、ブーム/シングル
トップモードリレー88のコイル88cにオン−オフ指
令を出力すると共に、コイル88bの通電により接点8
8aが閉じるため、タイマT2 を介して所定時間の間、
図18に示すアンロード弁90のソレノイド90aにア
ンロード信号を出力する。
【0046】ロックピン挿入検出器70の出力端子はケ
ーブルドラム72を介して、モーメントリミッタコント
ローラ52と左ピンロック完了表示器43とに並列に接
続されている。なお、本実施例の左ピンロック完了表示
器43は抵抗と発光ダイオード(以後、LEDと呼ぶ)
で構成するが、これに限定されない。また、ロックピン
挿入検出器70の電源端子は、車両搭載の図示しないバ
ッテリー電源ラインと、電源スイッチ(図示せず)やヒ
ューズF等及びケーブルドラム72を介して接続されて
いる。
【0047】ジブ自動張出モードリレー46のa接点出
力46aのコモン端子は前記と同じくヒューズF等を介
してバッテリー電源ラインに接続され、a接点出力端子
はジブ張出/格納スイッチ41のコモン端子c、ジブ格
納位置検出器29、および格納ピン入り検出器33bの
電源端子、及びリレー47、48のa接点出力47a
1、48a1のコモン端子に並列に接続されている。ジ
ブ張出/格納スイッチ41の張出選択時の出力端子aは
リレー47のコイル47cに接続され、格納選択時の出
力端子bはリレー48のコイル48cと、ケーブルドラ
ム72を介してリレー51のコイル51cとに並列に接
続されている。また、ジブ格納位置検出器29の出力端
子はジブ格納位置完了表示器44と、これと並列にリレ
ー48のa接点出力48a2を介してリレー49のコイ
ル49cに接続されている。格納ピン入り検出器33b
の出力端子は、ジブ格納位置表示器67と、これと並列
にモーメントリミッタコントローラ52に接続されてい
る。
【0048】a接点出力47a1、48a1の並列回路
の他端子側は、モード切替スイッチ45のコモン端子d
に、及びケーブルドラム72を介してジブ側切換弁73
のソレノイド73cに並列に接続されている。モード切
替スイッチ45の左ピン選択時の出力端子aは、リレー
47のa接点出力47a2とリレー49のa接点出力4
9a1との並列回路を介し、さらにケーブルドラム72
を介してリレー51のコモン端子51c1に接続されて
いる。同じく、モード切替スイッチ45の回動選択時の
出力端子b及び右ピン選択時の出力端子cは、それぞれ
ケーブルドラム72を介してリレー51の他のコモン端
子51c2及びコモン端子51c3に接続されている。
コモン端子51c1に対応するb接点出力51b1及び
a接点出力51a1は、それぞれロックシリンダ17を
駆動する左ロックシリンダ切換弁53のソレノイド53
d、53eに接続されている。また、同様に、コモン端
子51c2に対応するb接点出力51b2及びa接点出
力51a2は、それぞれ回動シリンダ63を駆動する回
動シリンダ切換弁54のソレノイド54d、54eに接
続され、コモン端子51c3に対応するb接点出力51
b3及びa接点出力51a3は、それぞれロックシリン
ダ18を駆動する右ロックシリンダ切換弁55のソレノ
イド55d、55eに接続されている。
【0049】図17に示す油圧制御回路は、チルトシリ
ンダ14を操作するための操作レバー56aを有する操
作弁56からのパイロット管は方向切換弁57のパイロ
ット操作部に接続されている。油圧ポンプ58から吐出
された圧油は方向切換弁57のPポートに導かれ、方向
切換弁57のTポートはタンク59へ接続されている。
方向切換弁57のAポートは管路76、リール74a、
管路101及びパイロット操作逆止弁78を介してチル
トシリンダ14のヘッド側に接続され、Bポートは管路
77及びリール74bを介して方向切換弁73に接続さ
れている。パイロットポンプ58aの吐出圧は圧力制御
弁146により、一定の所定圧に制御されて操作弁56
にパイロット元圧を供給する。アンロード弁60のソレ
ノイド60aに通電すると、パイロットポンプ58aの
パイロット元圧がアンロードされるように油圧回路を構
成している。
【0050】方向切換弁73は圧油をチルトシリンダ1
4側に供給するか、ジブ出/格納用の各ロックシリンダ
17、18及び回動シリンダ63側に供給するかを切り
換えるものである。方向切換弁73のAポートは、管路
102、カウンタバランス弁79を介してチルトシリン
ダ14のボトム側に接続されている。また、方向切換弁
73のBポートは管路103を介して回動シリンダ切換
弁54のPポートに、回動シリンダ切換弁54のTポー
トは管路104を介して右ロックシリンダ切換弁55の
Pポートに、右ロックシリンダ切換弁55のTポートは
管路105を介して左ロックシリンダ切換弁53のPポ
ートに、左ロックシリンダ切換弁53のTポートは管路
106及び逆止弁75を介して管路101に接続してい
る。上記各左ロックシリンダ切換弁53、回動シリンダ
切換弁54及び右ロックシリンダ切換弁55の中立位置
bでは、PポートとTポート同士が内部で連通してい
る。
【0051】左ロックシリンダ切換弁53のA,Bポー
トは、それぞれ管路107及び管路108を介してロッ
クシリンダ17のボトム側及びヘッド側に接続されてい
る。また、右ロックシリンダ切換弁55のA,Bポート
は、それぞれ管路109及び管路110を介してロック
シリンダ18のボトム側及びヘッド側に接続されてい
る。さらに、回動シリンダ切換弁54のA,Bポート
は、それぞれ管路111及び管路112を介して回動シ
リンダ63のボトム側及びヘッド側に接続されている。
【0052】図18に示すブーム操作用油圧回路は、ブ
ームシリンダ141を操作するためのブームレバー14
2aを有するブーム操作弁142からのパイロット管は
方向切換弁143のパイロット操作部に接続されてい
る。油圧ポンプ58から吐出された圧油は方向切換弁1
43のPポートに導かれ、方向切換弁143のTポート
はタンク59へ接続されている。方向切換弁143のA
ポートはブームシリンダ141のヘッド側に接続され、
Bポートはカウンタバランス弁144を介してブームシ
リンダ141のボトム側に接続されている。
【0053】方向切換弁143の一方のパイロット操作
部には、パイロットポンプ58aとブーム操作弁142
とを接続する管路145は、圧力制御弁146により一
定のパイロット元圧に維持されており、アンロード弁9
0のソレノイド90aに通電すると、管路145のパイ
ロット元圧をアンロードするように油圧回路を構成して
いる。
【0054】図19は本発明に係る移動式クレーンのモ
ーメントリミッタ表示パネル40を示す図で、ジブ張出
/格納専用モードからジブモード、またはブーム/シン
グルトップモードに切り換えたときにディスプレイに文
字表示される一例を示している。このモーメントリミッ
タ表示パネル40には、ジブモード、ブーム/シングル
トップモード、およびジブ張出/格納専用モードの各上
部作業モードを選択するための、上部作業モードスイッ
チ71が設置されている。図20図は図19のP部拡大
詳細である。
【0055】次に、図16〜図18に示す電気制御回路
及び油圧制御回路における作動について説明する。図1
6において、モーメントリミッタ表示パネル40の上部
作業モードスイッチ71から、モーメントリミッタコン
トローラ52のa1 端子にジブ張出/格納専用モード信
号を出力すると、ソレノイド27bに通電するため接点
27aが閉じてジブ自動張出モードリレー46のコイル
46cに通電され、a接点出力46aがオンしてジブ張
出/格納専用モードとなる。 (I)ジブ張出/格納専用モード (1)ジブチルト操作 図15のフロントパネル40aのジブ張出/格納スイッ
チ41が張出側及び格納側のいずれにも操作されていな
いときは、このスイッチのコモン端子cは出力端子a及
び出力端子bに接続されていない。よって、リレー4
7、48のコイル47c、48cは通電されずにa接点
出力47a1、48a1は共にオフのままとなり、方向
切換弁73のソレノイド73cは通電されない。したが
って、方向切換弁73はa位置になり、チルトレバー5
6の操作によってチルトシリンダ14が伸縮する。
【0056】例えば、チルトレバー56を手前に引く
と、方向切換弁57はa位置に切り換わり、油圧ポンプ
58から吐出された圧油のチルトレバー操作量に応じた
流量が管路77、リール74bを介して方向切換弁73
に導かれ、さらに方向切換弁73のa位置から管路10
2及びカウンタバランス弁79を介してチルトシリンダ
14のボトム側に流入する。チルトシリンダ14のヘッ
ド側から流出した油は、パイロット操作逆止弁78、管
路101、リール74a及び管路76を介して方向切換
弁57からタンク59へドレーンする。これによって、
チルトレバー操作量に応じた速度でチルトシリンダ14
は伸長する。チルトレバー56を反対方向に操作する
と、方向切換弁57はc位置に切り換わり、油圧ポンプ
58から吐出された圧油は上記と反対方向に流れ、チル
トレバー操作量に応じた速度でチルトシリンダ14は縮
小する。このとき、管路101の圧油は逆止弁75によ
って管路106側には流入しないようになっている。
【0057】(2)ジブ張出操作 ジブ張出/格納スイッチ41が張出側に操作されている
ときは、このスイッチのコモン端子cは出力端子aに接
続される。よって、リレー47のコイル47cが通電さ
れてa接点出力47a1がオンし、方向切換弁73のソ
レノイド73cが通電される。また、リレー51のコイ
ル51cは通電されないので、各b接点出力51b1、
51b2、51b3はコモン端子51c1、51c2、
51c3に接続されている。このため、方向切換弁73
はb位置に切り換わり、チルトレバー56の操作によっ
てジブ張出の操作が可能となる。
【0058】(i) フロントパネル40aのモード切替
スイッチ45を「左ピン」側に切り替えたときは、モー
ド切替スイッチ45のコモン端子dと端子aが接続す
る。また、リレー47のa接点出力47a2はオンして
いるので、左ロックシリンダ切換弁53のソレノイド5
3dが通電される。これによって、左ロックシリンダ切
換弁53はa位置に切り換わる。このとき、チルトレバ
ー56を手前に引くと、方向切換弁57はa位置に切り
換わり、油圧ポンプ58から吐出された圧油のチルトレ
バー操作量に応じた流量が管路77、リール74bを介
して方向切換弁73に導かれる。
【0059】さらに、方向切換弁73のb位置から管路
103、回動シリンダ切換弁54のb位置、管路10
4、右ロックシリンダ切換弁55のb位置及び管路10
5を介して左ロックシリンダ切換弁53のa位置に導か
れ、管路107からロックシリンダ17のボトム側に流
入する。ロックシリンダ17のヘッド側から流出した油
は、管路108、左ロックシリンダ切換弁53、管路1
06、逆止弁75、管路101、リール74a及び管路
76を介して方向切換弁57からタンク59へドレーン
する。これによって、チルトレバー引き量に応じた速度
でロックシリンダ17は伸長し、上下のロックピン19
aが挿入される。
【0060】(ii) モード切替スイッチ45を「回動」
側に切り替えたときは、モード切替スイッチ45のコモ
ン端子dと端子bが接続するので、回動シリンダ切換弁
54のソレノイド54dが通電される。これによって、
回動シリンダ切換弁54はa位置に切り換わる。このと
き、チルトレバー56を手前に引くと、油圧ポンプ58
から吐出された圧油が方向切換弁57のa位置を介して
方向切換弁73に導かれ、方向切換弁73のb位置から
管路103を介して回動シリンダ切換弁54のa位置に
導かれ、管路111から回動シリンダ63のボトム側に
流入する。回動シリンダ63のヘッド側から流出した油
は、管路112、回動シリンダ切換弁54、管路10
4、逆止弁75、管路101及び管路76を介して方向
切換弁57からタンク59へドレーンする。これによっ
て、チルトレバー引き量に応じた速度で回動シリンダ6
3は伸長し、ジブ7がブーム3の側方から前方に上下の
ロックピン19aの回りに回動する。
【0061】(iii)モード切替スイッチ45を「右ピ
ン」側に切り替えたときは、モード切替スイッチ45の
コモン端子dと端子cが接続するので、右ロックシリン
ダ切換弁55のソレノイド55dが通電される。これに
よって、右ロックシリンダ切換弁55はa位置に切り換
わる。このとき、チルトレバー56を手前に引くと、同
様にして、油圧ポンプ58から吐出された圧油が方向切
換弁57のa位置を介して方向切換弁73に導かれ、方
向切換弁73のb位置から管路103、管路104を介
して右ロックシリンダ切換弁55のa位置に導かれ、管
路109からロックシリンダ18のボトム側に流入す
る。ロックシリンダ18のヘッド側から流出した油は、
管路110、右ロックシリンダ切換弁55、管路10
5、逆止弁75、管路101及び管路76を介して方向
切換弁57からタンク59へドレーンする。これによっ
て、チルトレバー引き量に応じた速度でロックシリンダ
18は伸長し、上下のロックピン19bが挿入される。
【0062】なお、上記のときにチルトレバー56を反
対方向に操作すると、方向切換弁57はc位置に切り換
わり、油圧ポンプ58から吐出された圧油は管路76、
管路101に導かれる。しかし、管路101の圧油は逆
止弁75によって管路106側には流入しないので、上
記の各シリンダは縮小することはない。よって、誤操作
を防止できる。
【0063】(3)ジブ格納操作 次に、ジブ張出/格納スイッチ41が格納側に操作され
ているときは、このスイッチのコモン端子cは出力端子
bに接続される。よって、リレー48のコイル48cが
通電されてa接点出力48a1がオンし、方向切換弁7
3のソレノイド73cが通電される。また、同時にリレ
ー51のコイル51cが通電されるので、各a接点出力
51a1、51a2、51a3はコモン端子51c1、
51c2、51c3に接続される。このため、方向切換
弁73はb位置に切り換わり、チルトレバー56の操作
によってジブ格納の操作が可能となる。
【0064】(i) フロントパネル40aのモード切替
スイッチ45を「右ピン」側に切り替えたときは、モー
ド切替スイッチ45のコモン端子dと端子cが接続し、
右ロックシリンダ切換弁55のソレノイド55eが通電
される。これによって、右ロックシリンダ切換弁55は
c位置に切り換わる。このとき、操作レバー56を手前
に引くと、同様に、油圧ポンプ58から吐出された圧油
が方向切換弁57のa位置を介して方向切換弁73に導
かれ、方向切換弁73のb位置から管路103、右ロッ
クシリンダ切換弁55のc位置、管路110からロック
シリンダ18のヘッド側に流入する。ロックシリンダ1
8のボトム側から流出した油は、管路109、右ロック
シリンダ切換弁55、管路105、逆止弁75、管路1
01及び管路76を介して方向切換弁57からタンク5
9へドレーンする。これによって、操作レバー引き量に
応じた速度でロックシリンダ18は縮小し、上下のロッ
クピン19bが抜かれる。
【0065】(ii) モード切替スイッチ45を「回動」
側に切り替えたときは、回動シリンダ切換弁54のソレ
ノイド54eが通電される。これによって、回動シリン
ダ切換弁54はc位置に切り換わる。このとき、操作レ
バー56を手前に引くと、油圧ポンプ58から吐出され
た圧油が方向切換弁57のa位置、方向切換弁73のb
位置、管路103を介して回動シリンダ切換弁54のc
位置に導かれ、管路112から回動シリンダ63のヘッ
ド側に流入する。回動シリンダ63のボトム側から流出
した油は、管路111、逆止弁75及び管路76を介し
て方向切換弁57からタンク59へドレーンする。これ
によって、操作レバー引き量に応じた速度で回動シリン
ダ63は縮小し、ジブ7がブーム3の前方から側方に上
下のロックピン19aの回りに回動する。
【0066】(iii) モード切替スイッチ45を「左ピ
ン」側に切り替えたときは、モード切替スイッチ45の
コモン端子dと端子aが接続する。このとき、リレー4
7のa接点出力47a2はオフしているので、リレー4
9のa接点出力49a1のオン/オフによって、左ロッ
クシリンダ切換弁53のソレノイド53eの通電の可否
が決まる。すなわち、ジブ格納検出器29の一例の近接
スイッチが検知板29aを検知しているとき、ジブ格納
検出器29の出力はa接点出力48a2を介してリレー
49のコイル49cを通電し、このときのみ、a接点出
力49a1のオンによって左ロックシリンダ切換弁53
のソレノイド53eに通電される。これによって、左ロ
ックシリンダ切換弁53はc位置に切り換わる。
【0067】ここで、操作レバー56を手前に引くと、
方向切換弁57はa位置に切り換わり、油圧ポンプ58
から吐出された圧油が管路77、方向切換弁73のb位
置、管路103、管路105、左ロックシリンダ切換弁
53のc位置及び管路108からロックシリンダ17の
ヘッド側に流入する。ロックシリンダ17のボトム側か
ら流出した油は、管路107、逆止弁75及び管路76
を介して方向切換弁57からタンク59へドレーンす
る。これによって、操作レバー引き量に応じた速度でロ
ックシリンダ17は縮小し、上下のロックピン19aが
抜かれる。
【0068】(II)ジブモード 図16において、モーメントリミッタ表示パネル40の
上部作業モードスイッチ71から、モーメントリミッタ
コントローラ52のa2 端子にジブモード信号を出力す
ると、ジブモードソレノイド86cに通電されてジブモ
ードに切り換わる。一方ソレノイド86bに通電される
ため接点86aが閉じて、タイマT1 により所定時間の
間、アンロード弁60,90のソレノイド60a,90
aに通電されるため、その間は作業機の作動が停止す
る。この作業機の作動が停止している間にロックピン1
9a,19b、およびジブ格納ピン33の確認等、クレ
ーンの点検を行う。前記所定時間の後にソレノイド60
a,90aへの通電が絶たれるため、アンロード弁6
0,90がオンロードされ通常のジブ作業が可能とな
る。本実施例ではタイマT1 により所定時間の間、アン
ロード弁60,90のソレノイド60a,90aに通電
して作業機の作動を停止させたが、これに限らずアンロ
ード弁60のソレノイド60aに通電する代わりに、タ
イマT1 からモーメントリミッタ表示パネル40に信号
を出力して、図19に示すように「安全確認」をディス
プレイしたり、ブザー等により点検作業を呼びかけても
よく、またこれらの点検作業の呼びかけとジブの作動停
止とを同時に行えばより安全性が向上する。
【0069】(III) ブーム/シングルトップモード 図16において、モーメントリミッタ表示パネル40の
上部作業モードスイッチ71から、モーメントリミッタ
コントローラ52のa3 端子にブーム/シングルトップ
モード信号を出力すると、ブーム/シングルトップモー
ドソレノイド88cに通電されてブーム/シングルトッ
プモードに切り換わる。一方ソレノイド88bに通電さ
れるため接点88aが閉じて、タイマT2 により所定時
間の間、アンロード弁60,90のソレノイド60a,
90aに通電されるため、その間は作業機の作動が停止
する。この作業機の作動が停止している間にロックピン
19a,19b、およびジブ格納ピン33の確認等、ク
レーンの点検を行う。前記所定時間の後にソレノイド6
0a,90aへの通電が絶たれるため、アンロード弁9
0がオンロードされ通常のブーム/シングルトップ作業
が可能となる。本実施例ではタイマT2 により所定時間
の間、アンロード弁60,90のソレノイド60a,9
0aに通電して作業機の作動を停止させたが、これに限
らずアンロード弁60,90のソレノイド60a,90
aに通電する代わりに、タイマT2 からモーメントリミ
ッタ表示パネル40に信号を出力して、図19に示すよ
うに「安全確認」をディスプレイしたり、ブザー等によ
り点検作業を呼びかけてもよく、またこれらの点検作業
の呼びかけとジブの作動停止とを同時に行えばより安全
性が向上する。
【0070】前記ジブ張出/格納作業の手順について説
明する。 (1)ジブ張出/格納作業 (i)ジブ張出作業の手順 1)作業者は、ジブ7の固定手段30のピン33を抜き、
ジブ7の先端部を係止ピン21の回りに外側に振出した
後、ピン33をブラケット35のガイド用の孔35aに
挿入してジブ7が振り戻らないようにする。(図8、9
参照)これに伴って、ジブ7の基端部の上下のブラケッ
ト15の上下板15b、15cの間に、及び上下板15
d、15eの間に、トップブーム6の左側面上下のブラ
ケット61を挟み込み、お互いの孔15a及び孔61a
を一致させる。また、第1リンク64の上下板64a、
64bの間にブラケット61を挟み込み、ピン67との
ブラケット61の孔61bを一致させる。
【0071】2)運転室9内の操作パネルのジブ張出/格
納スイッチ41を「張出」側に、モード切替スイッチ4
5を「左ピン」側に切り換える。この状態で、操作レバ
ー56を引く。前述のように、ロックシリンダ17が伸
長し、上下のロックピン19aが上下のブラケット15
の孔15a及びブラケット61の61aに挿入される。
(図12参照)また、同時に、第3リンク66のピン6
7が第1リンク64の孔及び上部のブラケット61の孔
61bに挿入される。(図2、図10参照) 3)上下のロックピン19aの挿入が完了するまで待つ。
ロックピン19aの挿入が完了すると、ロックピン挿入
検出器70の一例である近接スイッチが検知片68aを
検出し、ロックピン挿入検出器70の出力が左ピンロッ
ク完了表示43を点灯させる。と同時に、上記検出信号
をモーメントリミッタコントローラ52が入力する。
【0072】4)作業者は上記の左ピンロック完了表示器
43が点灯したことを確認してから、ジブ張出/格納ス
イッチ41の「張出」をオフ(これにより、ジブモード
となる)する。また、ブーム起伏レバー(図示せず)を
操作してブームを所定角度起こした後、ブーム伸縮レバ
ー(図示せず)を操作してブームを所定長さまで伸長す
る。このとき、モーメントリミッタコントローラ52
は、ロックピン挿入検出器70の上記検出信号が入力さ
れているときにのみ、ブーム3を伸長するようにしてい
る。よって、ロックピン19aの挿入が完了しないまま
ブーム3を伸長することが無くなるので、ジブ7の落下
事故等を防止でき、作業の安全性が向上できる。 5)ブーム3を更に起こしながら、操作レバー56によっ
てジブ7を徐々に伏せる。ブーム角度が所定角度とな
り、ジブ7が鉛直になったら、補巻ロープ121を緩め
て補フック122を地面に寝かせる。補巻ロープ121
をジブ7の先端部のアイドラシーブ123及びジブシー
ブ124に通した後、補巻ロープ121を少し巻き上げ
て補フック122を地面から浮かせ、操作レバー56に
よってジブ7を最大に(ブーム3に対して略直角)伏せ
る。
【0073】6)ジブ張出/格納スイッチ41を「張出」
側に、モード切替スイッチ45を「回動」側に切り換
え、この状態で操作レバー56を引く。前述のように、
回動シリンダ63が伸長し、ジブ7がブーム3の前方に
回動する。図16に、回動シリンダ63が伸長してジブ
7をブーム3の前方に回動して張り出した状態を示して
いる。 7)モード切替スイッチ45を「右ピン」側に切り換え、
操作レバー56を引く。ロックシリンダ18が伸長し、
ロックピン19bが上下のブラケット16とブラケット
62の孔16a、62aに挿入される。 8)ジブ張出/格納スイッチ41の「張出」をオフし(こ
れにより、ジブモードとなる)、操作レバー56によっ
てジブ7を起こしながら、ブーム3を略水平になるまで
最大に伏せる。 9)この後、補巻ロープ121の付け替え等を行う。
【0074】以上のように、ジブ7の振出し以後のロッ
クピン19aの挿入、ブーム3の起こし及び伸長、ジブ
7の伏せ及び回動、ロックピン19bの挿入、ジブ7の
起こし、ブーム3の伏せ等の各操作が運転室9内ででき
るので、作業時の安全性が高くなる。また、ロックピン
19aの挿入完了を表示によって作業者に確認させると
共に、ロックピン19aが挿入完了していないときは、
モーメントリミッタコントローラ52がブーム3を伸長
しないようにしている。よって、挿入が不完全な状態で
のブーム3の伸長によるジブ7の落下事故等を防止でき
る。
【0075】(ii) ジブ格納作業の手順 これまで説明した張出時の作業手順及び操作をほぼ逆に
行うことによって可能である。ここで、ジブ格納時は、
ジブ張出/格納スイッチ41を「格納」にする。但し、
張出時と一部異なる手順があり、以下にこの手順のみを
説明する。 上記ジブ格納時の手順を逆に行って、ジブ
7をブーム3の前方から側方に回動し、さらにジブ7を
起こしてブーム3と略平行にしているものとする。(こ
こまでは、上記9)から5)の逆手順を行う) この後、手順4)に対応する作業として、ブーム3を縮小
してジブ7の係止ピン21を係止ブラケット22の孔2
2aに挿入させる必要がある。図17はこのときのジブ
7の先端部をガイドする様子を表している。ブーム3の
縮小に伴って、ジブ7はブーム3の側面に沿ってブーム
3の基端部方向へ移動する。ジブ7側面のブラケット3
6の先端下面36aがブーム3のブラケット34のバー
37に当接する。ジブ7がブーム3の基端部方向へ移動
すると、先端下面36aはバー37に案内され、ブラケ
ット36がブラケット34上に乗るようになっている。
【0076】また、ブラケット36の先端の傾斜部36
bがピン33の側面に当接しながらブラケット36は移
動し、最後にはブラケット36の側面36cがピン33
の側面に当接した状態にブラケット36はガイドされ
る。この状態のときにジブ7の係止ピン21が係止ブラ
ケット22の孔22aにちょうど挿入されるように、係
止ピン21と孔22aとの位置関係を調整しておく。こ
れは、ナット24aによる上下方向の調整、及びナット
26aによる左右方向の調整によって行うことができ
る。(図4、5参照)この結果、ブーム3の縮小に伴っ
て、ジブ7のブラケット36の先端下面36a及び傾斜
部36bがそれぞれバー37及びピン33によってガイ
ドされ、スムーズに係止ピン21が係止ブラケット22
の孔22aに挿入される。
【0077】3)に対応する手順として、係止ピン21が
係止ブラケット22の孔22aに挿入完了するまで待
つ。係止ピン21の孔22aへの挿入が完了すると、ジ
ブ格納検出器29が検知板29aを検出し、ジブ格納検
出器29の検出出力がリレー49のコイル49cを通電
する。2)に対応する手順として、ジブ張出/格納スイッ
チ41を「格納」側にし、モード切替スイッチ45を
「左ピン」にしたとき、前述のように操作レバー56を
引くとロックシリンダ17を縮小できるようになり、ロ
ックピン19aを抜くことができる。この結果、係止ピ
ン21が孔22aに完全に挿入されていないときにロッ
クピン19aを抜いたことに伴ってジブ7が落下するこ
とを防止でき、作業の安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る移動式クレーンの側面
図である。
【図2】本発明の一実施例におけるジブ格納時の連結部
を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例におけるジブ格納状態の平面
図である。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】図4のY−Y断面図である。
【図6】図3のP部詳細図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】本発明の一実施例におけるジブ振出時の連結部
を示す平面図である。
【図9】本発明の一実施例におけるジブ振出状態を示す
平面図である。
【図10】図9のQ部の振出直前の状態を示す平面図で
ある。
【図11】図10の側面図である。
【図12】本発明の一実施例におけるジブ張出状態を示
す平面図である。
【図13】図2のZ矢視図である。
【図14】図12のA矢視図である。
【図15】本発明の一実施例におけるフロントパネルを
示す平面図である。
【図16】本発明の一実施例における電気制御回路を示
す図である。
【図17】本発明の一実施例における油圧制御回路を示
す図である。
【図18】本発明の一実施例における油圧制御回路を示
す図である。
【図19】本発明の一実施例におけるモーメントリミッ
タ表示パネルを示す図である。
【図20】図19のR部詳細図である。
【図21】従来技術を説明する移動式クレーンの全体側
面図である。
【図22】従来技術の移動式クレーンのブームとジブの
ジブ格納状態における平面図である。
【図23】図22のブームとジブ連結部分の詳細平面図
である。
【図24】従来技術の移動式クレーンのジブ張出完了時
のブームとジブ連結部分の側面図である。
【図25】従来技術の移動式クレーンのブームとジブの
ジブ振出状態における平面図である。
【図26】図25のブームとジブ連結部分の詳細平面図
である。
【図27】従来技術の移動式クレーンのジブ張出途中に
おける平面図である。
【図28】従来技術の移動式クレーンのジブ張出完了状
態の平面図である。
【図29】図22のピン回りの断面詳細図で、(A)は
A−A断面図、(B)はB−B断面図である。
【図30】従来技術の移動式クレーンのブーム伸縮シリ
ンダの制御回路図である。
【符号の説明】
1…車体、3…ブーム、4…基段ブーム、6…トップブ
ーム、7…ジブ、8…上部旋回体、9…運転室、11…
ジブブラケット、12…ジブ本体、13、23、33、
38、80、83、94、96、97、98、99…ピ
ン、14…チルトシリンダ、15、16、25、31、
32、34、35、36、38、61、62、…ブラケ
ット、15a、16a、22a、22b、31a、32
a、35a、61a、61b、62a、95…孔、1
7、18…ロックシリンダ、19a、19b…ロックピ
ン、15b,15c,15d,15e…板、20…係止
手段、21…係止ピン、22…係止ブラケット、24、
26…ネジ、24a、26a…ナット、27a,86
a,88a…接点、27b,86b,88b、60a,
90a…ソレノイド、28…支持板、29…ジブ格納位
置検出器、29a…検知板、30…固定手段、33…ジ
ブ格納ピン、33a…ピン抜止めピン、36a…先端下
面、36b…傾斜部、36c…側面、37…バー、39
…第1ストッパ、40…モーメントリミッタ表示パネ
ル、40a…フロントパネル、41…ジブ張出/格納ス
イッチ、42a、42b…第2ストッパ、43…左ピン
ロック完了表示器、44…ジブ格納位置表示器、45…
モード切替スイッチ、46、47、48、49、51…
リレー、50…アンロード弁、52…モーメントリミッ
タコントローラ、53…左ロックシリンダ切換弁、54
…回動シリンダ切換弁、55…右ロックシリンダ切換
弁、56…操作弁、56a…操作レバー、57、73…
方向切換弁、58…油圧ポンプ、58a…パイロットポ
ンプ、59…タンク、60,90…アンロード弁、63
…回動シリンダ、64…第1リンク、65…第2リン
ク、66…第3リンク、68…ポール,68a…検知
片、70…ロックピン挿入検出器、71…上部作業モー
ドスイッチ、72…ケーブルドラム、74a、74b…
リール、75…逆止弁、76、77、101、102、
103、104、105、106、107、108、1
09、110、111、112…管路、78…パイロッ
ト操作逆止弁、79…カウンタバランス弁、81、8
2、85、87a、87b…ラグ、84…つの、86c
…シブモードソレノイド、88c…ブーム/シングルト
ップモードソレノイド、89…スイッチボックス、9
2、93…リンク、121…補巻ロープ、122…補フ
ック、123…アイドラシーブ、124…ジブシーブ、
125…シングルトップ、131…ボス、141…ブー
ムシリンダ、142…ブーム操作弁、142a…ブーム
レバー、143…方向切換弁、144…カウンタバラン
ス弁、145…管路、146…圧力制御弁。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮自在なブーム(3) と、不使用時には
    このブーム(3) の側部に格納され、使用時にはブーム
    (3) の先端に張り出されるジブ(7) と、このジブ(7) の
    格納位置における第1作業モードと、ジブ(7) の張出位
    置における第2作業モードと、ジブ(7) をブーム(3) 先
    端位置と格納位置との間で張出・格納操作をする張出/
    格納専用モードの内、いずれか1つのモードを選択する
    作業モードスイッチ(71)とを備えた移動式クレーンにお
    いて、 前記専用モードから第1作業モード、または第2作業モ
    ードに切り換えたとき、その切換信号を入力して第1作
    業モード、または第2作業モードにおけるクレーンの作
    動を所定時間停止させるか、またはクレーンの点検を運
    転者に指示するコントローラ(52)を備えたことを特徴と
    する移動式クレーンにおけるジブの張出/格納後の点検
    指示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記コントローラ(5
    2)によるクレーンの点検の指示は、コントローラ(52)の
    ディスプレイに表示する文字または図形、またはブザー
    等の音声のうち少なくともいずれか一つによることを特
    徴とする移動式クレーンにおけるジブの張出/格納後の
    点検指示装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002332194A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Tadano Ltd 伸縮機構の制御装置

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JP2002332194A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Tadano Ltd 伸縮機構の制御装置

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