JP3958510B2 - 作業用車両の安全装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、作業用車両の安全装置に関し、さらに詳細には、車体に設けられ所定の作業を行なう作業装置と、作業装置の作動を制御する作動制御装置と、外部操作に応じて作動制御装置の作動を制御する作動制御信号を出力して作業装置を作動させる操作装置とを有してなる作業用車両の安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業車には、車体上に起伏動且つ旋回動自在に設けられた伸縮ブームと、伸縮ブームの先端に設けられ所定の作業を行なう作業台と、伸縮ブームの作動を制御するコントローラと、作業台に搭乗した作業者の操作によりコントローラの作動を指令する作動指令信号を出力して伸縮ブームを作動させるブーム操作装置とを有して構成されているものがある。
【0003】
この高所作業車において、作業台に搭乗した作業者がブーム操作装置を操作すると、その操作内容に応じてコントローラを介して伸縮ブームの作動が制御されて作業台が所望の位置に移動する。そして、作業台内に搭乗した作業者が所定の作業を行なう。ここで、伸縮ブームを作動させる前には、一般に、伸縮ブームが車体に格納された状態において始業前点検が行なわれている。
【0004】
始業前点検は、作業者によりブーム操作装置が誤操作され、伸縮ブームを作動させる作動指令信号がブーム操作装置から出力されているときに、コントローラに電力を供給又は遮断させる主電源スイッチがON操作されると、伸縮ブームが突然に動き出す虞があるので、この伸縮ブームの突然の作動を防止するために行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、始業前点検は、ブーム操作装置の操作レバーの位置が伸縮ブームを停止させる位置にあることを作業者が目視で確認した後に、操作レバーから離れた位置に配設された主電源スイッチのある場所まで移動してこれをON操作する作業であるので、点検に時間を要する。また、ブーム操作装置が電気的に短絡していたり、コントローラが故障して異常作動する状態にある場合には、ブーム操作装置やコントローラの外観を目視しても、これらの異常を確認することは困難である。更に、伸縮ブームを駆動させる伸縮シリンダや起伏シリンダや旋回モータの伸長量や起伏量や旋回量を検出する位置検出センサが故障していると、車両を転倒させる方向に作用する転倒モーメントの演算が不正確となり、車両が転倒する虞を増加させる。その結果、伸縮ブームを旋回、起伏及び伸縮動させて所定位置に移動させて、位置検出センサが故障しているか否かを判断するセンサの始業点検が必要であるが、この点検作業は煩わしい、とういう問題が発生する。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、始業前点検を短時間で行い、ブーム操作装置、コントローラ及び位置検出センサの故障も点検できる作業用車両の安全装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の作業用車両の安全装置は、所定の作業を行なう作業装置(例えば、実施形態における伸縮ブーム13)と、電力供給を受けて作動して作業装置の作動を制御する作動制御装置(例えば、実施形態におけるコントローラ41)と、外部操作に応じて作動制御装置の作動を指令する作動指令信号を出力して作業装置を作動させる操作装置とを有してなる作業用車両(例えば、実施形態における高所作業車1)の安全装置である。この安全装置は、作動制御装置への電力供給を接続又は遮断させる電力スイッチ(例えば、実施形態における主電源スイッチ43)と、前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたか否かを判定し、且つ前記操作装置から前記作業装置を駆動させる前記作動指令信号が出力されているか否かを判定する操作装置判定回路とを備え、前記操作装置判定回路は、前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたときから所定時間内において、電力スイッチにより作動制御装置に電力が供給されたと判定され、且つ操作装置から作業装置を駆動させる作動指令信号が出力されていないと判定されたときには、作業装置の作動を許容し、電力スイッチにより作動制御装置に電力が供給されたと判定され、且つ操作装置から作業装置を駆動させる作動指令信号が出力されていると判定されたときには、警報作動を行なわせるように構成されている。
【0008】
上記構成の安全装置によれば、電力スイッチにより作動制御装置に電力が供給されたときから所定時間内において、操作装置から出力される作動指令信号が作業装置を駆動させる信号が出力されていないときには、作業装置の作動を許容する。また、操作装置から出力される作動指令信号が作業装置を駆動させる信号であるときには、警報作動を行なう。
【0009】
このように、電力スイッチが操作されて作動制御装置に電力が供給されると、操作装置が正常か否かが判断されるので、操作装置の目視による確認作業が不要となり、操作装置の点検作業を短時間行なうことができる。また、操作装置が異常であるときには警報作動するので、作業装置を操作する作業者は操作装置に異常が発生したことを容易に認識することができる。ここで、警報作動とは、警報ブザーや警報ランプ等を使用して警報を行なう作動や、作業装置の作動を規制する作動を含めた作動を意味し、その結果、作業者は操作装置の異常に気づくので、操作装置が異常のまま操作される事態を未然に防止することができる。
【0010】
また、本発明の作業用車両の安全装置は、所定の作業を行なう作業装置と、電力供給を受けて作動して作業装置の作動を制御する作動制御装置と、外部操作に応じて作動制御装置の作動を指令する作動指令信号を出力して作業装置を作動させる操作装置とを有してなる作業用車両の安全装置である。この安全装置は、作動制御装置への電力供給を接続又は遮断させる電力スイッチと、前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたか否かを判定し、且つ前記操作装置から前記作動指令信号に応じ前記作動制御装置から前記作業装置を駆動させる作動制御信号が出力されているか否かを判定する作動制御位置検出判定回路とを備え、前記作動制御位置検出判定回路は、前記電力スイッチにより作動制御装置に電力が供給されたときから所定時間内において、電力スイッチにより作動制御装置に電力が供給されたと判定され、且つ操作装置からの作動指令信号に応じ作動制御装置から作業装置を駆動させる作動制御信号が出力されていないと判定されたときには、作業装置の作動制御を許容し、電力スイッチにより作動制御装置に電力が供給されたと判定され、且つ操作装置からの作動指令信号に応じ作動制御装置から作業装置を駆動させる作動制御信号が出力されていると判定されたときには、警報作動を行なう。
【0011】
上記構成の安全装置によれば、電力スイッチにより作動制御装置に電力が供給されたときから所定時間内において、操作装置からの作動指令信号に応じ作動制御装置から出力される作動制御信号が作業装置を駆動させる信号が出力されていないときには、作業装置の作動制御を許容する。また、作動制御装置から出力される作動制御信号が作業装置を駆動させる信号であるときには、警報作動を行なう。
【0012】
その結果、作業者の目視による外観からの点検では困難であった作動制御装置自体の故障の有無を容易に認識することができる。また、作動制御装置が異常であるときには警報作動するので、作業者は作動制御装置に何らなの異常が発生したことを認識することができ、作業装置が突然に作動する事態を未然に防止することができる。
【0013】
また、上記構成の安全装置において、作業装置を駆動させる油圧式の作業アクチュエータ(例えば、実施形態における旋回モータ11、起伏シリンダ15、伸縮シリンダ17)と、作業アクチュエータに油圧を供給する油圧供給手段(例えば、実施形態における油圧ポンプP)とを有し、電力スイッチにより作動制御装置に電力が供給されたときから所定時間内は、油圧供給手段の作動を規制するように構成してもよい。
【0014】
上記構成の安全装置によれば、作動制御装置に電力が供給されたときから所定時間内は油圧供給手段の作動を規制することで、万一、作動制御装置による作動制御装置の作動規制が不十分であっても、作動制御装置の駆動源の作動が規制されているので、作動制御装置の作動を確実に規制することができ、作業装置が突然に作動する事態を未然に且つ確実に防止することができる。
【0015】
また、上記構成の安全装置において、作業装置を駆動させ作動制御装置により作動が制御される作業アクチュエータと、作業アクチュエータの作動量を検出する作動量検出手段(例えば、実施形態における位置検出センサ69)を設け、操作装置からの作動指令信号に応じ作動制御装置により作業アクチュエータが所定時間の間停止状態に制御されているときにおいて、作動量検出手段により検出された検出値が所定時間の間不変であるときには、作動量検出手段が正常であると判定してその後の操作装置による作業装置の作動を許容し、検出値が所定時間内において変化するときには作動量検出手段が異常であると判定して警報作動を行なうように構成してもよい。
【0016】
上記構成の安全装置によれば、操作装置からの作動指令信号に応じ作動制御装置により作業アクチュエータが所定時間の間停止状態に制御されているときにおいて、作動量検出手段により検出された検出値が所定時間の間不変であるときには、作動量検出手段が正常であると判定してその後の操作装置による作業装置の作動を許容する。また、検出値が所定時間内において変化するときには作動量検出手段が異常であると判定して警報作動を行なう。その結果、作動量検出手段の異常の有無を容易に点検することができ、作動量検出手段の異常により車両を転倒させる方向に作用する転倒モーメントを正確に演算することができ、車両が転倒する虞を未然に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1及び図2を使用して説明する。本実施の形態は車体に起伏且つ旋回動自在に設けられた伸縮ブームを有した高所作業車の態様を示す。最初に、本発明の安全装置を説明する前に、この安全装置を搭載した高所作業車を説明する。高所作業車1は、図1に示すように、車体3の前部に運転キャビン5を有し、この運転キャビン5よりも後側の車体前後の左右両側部に車体3を持ち上げ支持するアウトリガジャッキ7を有している。車体後部には上方へ突出し旋回動自在に設けられた旋回台9が取り付けられ、旋回台9の下方の車体3内には旋回台9を旋回動させる旋回モータ11が設けられている。
【0018】
旋回台9の上部には入れ子式に構成された伸縮ブーム13の基部が上下方向に揺動自在に枢結され、伸縮ブーム13の下面と旋回台9の底部間には起伏シリンダ15が枢結されている。この起伏シリンダ15が伸縮動すると伸縮ブーム13が起伏動するように構成されている。伸縮ブーム13の内部には伸縮シリンダ17が内蔵されており、この伸縮シリンダ17の伸縮動により伸縮ブーム13が伸縮動するように構成されている。
【0019】
伸縮ブーム13の先端には上下方向に揺動自在に枢結された垂直ポスト19が設けられ、この垂直ポスト19の先端部に水平方向に突出して旋回動自在に取り付けられ作業台21が設けられている。垂直ポスト19の下部と伸縮ブーム13の先端部間には図示しないレベリングシリンダが枢結されており、このレベリングシリンダの伸縮作動により伸縮ブーム13の起伏角度に拘わらず垂直ポスト19を常に垂直状態に保持して、作業台21が常に水平状態に保持されている。作業台21には伸縮ブーム13の駆動を操作する操作装置23が設けられている。
【0020】
操作装置23は複合操作が可能であり、図2に示すように、傾動自在に設けられた操作レバー23aと、操作レバー23aの操作方向(左右方向、前後方向、中立位置)と傾動量を検出するポテンショメータ25とを有して構成されている。尚、操作装置23にはこれに電力を供給し又は遮断する電力スイッチを設け、この電力スイッチのON・OFF操作により、操作装置23が操作可能又は操作不能な状態にさせることができる。操作レバー23aは傾動操作されていない状態では中立位置(即ち、垂直上方へ起立した位置)に自動復帰するように構成され、操作レバー23aが傾動操作されると、伸縮ブーム13が旋回・起伏・伸縮動するように構成されている。尚、図1に示す旋回台9の手前側壁面には作業台21に設けられた操作装置23と同一のものが取り付けられている。
【0021】
次に、本発明の実施の形態である安全装置を、図2を使用して説明する。安全装置40は、操作装置23の操作内容に応じて、図1に示す伸縮ブーム13を駆動させる旋回モータ11・起伏シリンダ15及び伸縮シリンダ17(以下、これらをまとめて「アクチュエータ11,15,17」と記す。)の作動を制御するとともに、伸縮ブーム13を作動させる前に行なわれる点検(以下、「始業前点検」と記す。)時に、操作装置23が誤操作され、又は操作装置23や安全装置40の一部であるコントローラ41が故障して、伸縮ブーム13が突然に動き出す事態を防止する機能を有している。
【0022】
この安全装置40は、主電源スイッチ43と操作装置23とコントローラ41と油圧力供給スイッチ45とを有して構成されている。主電源スイッチ43は図1に示す車体3の後端に取り付けられており、車体3に搭載された電源(バッテリ)47とコントローラ41間を電気的に接続又は遮断させる。操作装置23は主電源スイッチ43を介して電源47に電気的に接続されており、主電源スイッチ43がON操作されると、操作装置23に電源47が電気的に接続させた状態になるように構成されている。
【0023】
コントローラ41は、電源投入判定回路49と操作信号判定回路51と操作装置判定回路53と作動制御回路55と作動制御位置検出判定回路57と作動規制回路59とを有して構成されている。電源投入判定回路49は主電源スイッチ43がON操作されて電源47からの電力がコントローラ41に供給されている状態にあるか否かを判定する。尚、主電源スイッチ43がON操作され、電源47からの電力がコントローラ41に供給されると、コントローラ41内の前述した電源投入判定回路等49,51,53,55,57,59は作動可能な待機状態になる。
【0024】
操作信号判定回路51は、操作装置23のポテンショメータ25から出力された電気信号(作動指令信号)に応じて、操作レバー23aが中立位置又は傾動操作されたか否かを判定する。操作装置判定回路53は、操作装置23の誤操作や故障による操作装置23の異常の有無を判定する機能を有し、更に詳細には、電源投入判定回路49により主電源スイッチ43がON操作されて電力がコントローラ41に供給されたと判定され、且つ操作信号判定回路51により操作レバー23aが中立位置にあると判定されると、操作装置23が正常であると判定し、ポテンショメータ25からの電気信号を作動制御回路55に送る。また、操作装置判定回路53は、電源投入判定回路49により電力がコントローラ41に投入されたと判定され、且つ操作信号判定回路51により操作レバー23aが傾動操作されたと判定されると、操作装置23が異常であると判定し、ポテンショメータ25からの電気信号の作動制御回路55への伝達を遮断する。尚、操作装置判定回路53は主電源スイッチ43がON操作されたときから所定時間のみ作動し、所定時間を経過した後は作動しない。
【0025】
作動制御回路55は操作装置23におけるポテンショメータ25からの電気信号に応じてアクチュエータ11,15,17の作動を制御する作動制御弁61の作動をコントロールする機能を有する。作動規制回路59は作動制御回路55から送り出され作動制御弁61の作動を制御する作動制御信号の作動制御弁61への伝達を遮断させる機能を有するとともに、操作装置警報ランプ63、作動制御警報ランプ65、位置センサ警報ランプ67を点灯させる機能を有する。作動制御位置検出判定回路57は、作動制御回路55が正常に作動しているか否かを判定する機能を有するとともに、アクチュエータ11,13,15の作動量を検出する位置検出センサ69が正常に作動しているか否かを判定する機能を有し、主電源スイッチ43がON操作されたときから所定時間のみ作動するように構成されている。尚、作動規制回路59には操作装置警報ランプ63、作動制御警報ランプ67、位置センサ警報ランプ69及び作動制御弁61が電気的に接続され、作動制御位置検出判定回路57には位置検出センサ69が電気的に接続されている。作動制御弁61は油圧管路を介して油圧ポンプPに接続され、油圧ポンプPは電動モータMと連結し、電動モータMには油圧供給スイッチ45を介して電源71に電気的に接続されている。
【0026】
次に、本発明の実施の形態である安全装置40による始業前点検の作用を、操作装置23の点検作業、作動制御回路55の点検作業、位置検出センサ69の点検作業について説明する。最初に、操作装置23の点検作業を説明する。図1に示すように、高所作業車1を停止させた状態で、アウトリガジャッキ7を張り出して車体3を持ち上げ支持させる。そして、図2に示すように、図示しない作業者が主電源スイッチ43をON操作する。
【0027】
主電源スイッチ43がON操作されると、電源投入判定回路49は電源47からの電力がコントローラ41に供給された状態にあると判定する。一方、操作装置23の操作レバー23aは中立状態にあり、ポテンショメータ25から出力される電気信号は中立状態に対応した中立電気信号を出力する。そして、操作信号判定回路51はこの中立電気信号に基づいて、操作レバー23aが中立状態にあると判定する。そして、操作信号判定回路51と電源投入判定回路49の判定結果が操作装置判定回路53に送られ、これらの判定結果に応じて、操作装置判定回路53は操作装置23が正常であると判定する。
【0028】
また、電源投入判定回路49により電力がコントローラ41に供給された状態にあると判定されている状態において、操作装置23の操作レバー23aが傾動状態にあるときには、操作信号判定回路51により操作レバー23aが傾動状態にあると判定され、その結果、操作装置判定回路53は操作装置23が異常であると判定し、作動規制回路59を作動させる。そして、作動規制回路59が操作装置警報ランプ63を点灯させるとともに、作動制御回路55から送り出される作動制御信号の作動制御弁61への伝達を遮断する。尚、作動制御信号は、操作装置23の操作レバー23aの傾動状態によりポテンショメータ25から出力された電気信号(アナログ信号)を作動制御回路55が変換した信号である。
【0029】
また、主電源スイッチ43がON操作されたときに操作装置23が故障している場合、即ち、操作レバー23aが中立状態にあるにも拘わらず、傾動状態と同一状態の電気信号を操作装置23が出力している場合には、操作装置判定回路55により操作装置23が異常であると判定され、作動規制回路59が操作装置警報ランプ63を点灯させるとともに、作動制御回路55から送り出される作動制御信号の作動制御弁61への伝達を遮断する。このため、主電源スイッチ43がON操作されたときに操作装置23が傾動状態及び故障状態であっても、図1に示す伸縮ブーム13が突然に動き出す事態を未然に防止することができる。また、作業者は主電源スイッチ43をON操作するのみで、操作レバー23aの傾動状態の確認作業は不要であるので、操作装置23の点検作業を短時間で行なうことができる。更に、操作装置警報ランプ63の点灯により、作業者は操作装置23の異常を容易に認識することができる。
【0030】
次に、作動制御回路55の点検作業について説明する。電源投入判定回路49により電力がコントローラ41に供給された状態にあると判定され、操作装置判定回路53により操作装置23が正常であると判定されているときに、コントローラ41から出力された作動制御信号が作動制御弁61によりアクチュエータ11,15,17を作動させる内容の信号を出力しているときには、作動制御位置検出判定回路57は作動制御回路55が異常であると判定して作動規制回路59を作動させ、作動規制回路59が作動制御警報ランプ63を点灯させるとともに、作動制御信号の作動制御弁61への伝達を遮断する。その結果、図1に示す伸縮ブーム13が突然に動き出す事態を未然に防止することができ、また、主電源スイッチ43をON操作するのみで作動制御回路55の点検作業が自動的に行なわれるので、作動制御回路55の点検作業を容易とし、作動制御警報ランプ63の点灯により作業者が作動制御回路55の異常を容易に認識することができる。
【0031】
尚、作動制御位置検出判定回路57により作動制御回路55が正常であると判定された場合、作動制御回路55から出力された作動制御信号は作動制御弁61に伝達され、この作動制御信号に応じて作動制御弁61の作動は制御されるが、油圧力供給スイッチ45はOFF操作(開放)された状態にあるので、アクチュエータ11,15,17に作動油は供給されない。その結果、伸縮ブーム13が車体3に格納された状態でコントローラ41の点検作業を行なうことができ、万一、作動規制回路55が故障していたときでも、伸縮ブーム13が突然に動き出す事態を確実に防止することができ、点検作業の安全性をより高めることができる。また、図2に示すように、油圧ポンプPと作動制御弁61間の油路にインターロックバルブ73を設け、油圧力供給スイッチ45をOFF操作する代わりに又はOFF操作するとともに、インターロックバルブ73を中立にして、アクチュエータ11,15,17への作動油の供給を遮断することができる。
【0032】
次に、位置検出センサ69の点検作業を説明する。操作装置23と作動制御回路55の点検作業が終了し、両者ともに正常である場合、油圧力供給スイッチ45又はインターロックバルブ73をON操作して油圧モータMに電力を供給して回転駆動させる。そして、操作装置23の操作レバー23aを中立状態のままにする。このとき、位置検出センサ69からの検出値が、主電源スイッチ43が投入されたときの検出値と相違する場合には、作動制御位置検出検定回路57は位置検出センサ69が異常であると判定し、作動規制回路59を作動させて作動制御信号の作動制御弁61への伝達を遮断させるとともに、位置センサ警報ランプ67を点灯させる。
【0033】
また、操作装置23と作動制御回路55がともに正常であり、油圧力供給スイッチ45又はインターロックバルブ73がON操作されて電動モータMが回転駆動している状態で、操作装置23の操作レバーが所定時間の間傾動操作されて中立状態に戻された場合、位置検出センサ69からの検出値が所定値の範囲外であるときには、作動制御位置検出検定回路57は位置検出センサ69が異常であると判定し、作動規制回路59を作動させて作動制御信号の作動制御弁61への伝達を遮断させるとともに、位置センサ警報ランプ67を点灯させる。その結果、作業者は位置検出センサ69が故障状態にあると気づくので、伸縮ブーム13を使用した作業の前に正常な位置検出センサ69に交換することができ、車体3を転倒させる方向に作用する車両転倒モーメントを正確に演算されて、車両が転倒する虞を未然に防止することができる。
【0034】
一方、位置検出センサ69からの検出値が、主電源スイッチ43が投入されたときの検出値と略同一の場合には、作動制御位置検出検定回路57は位置検出センサ69が正常であると判定し、作動規制回路59を作動させず、作動制御信号の作動制御弁61への伝達を許容する。
【0035】
尚、前述した安全装置40の操作装置判定回路53及び作動制御位置検出判定回路57は、主電源スイッチ43がOFF状態からON状態にされたときから所定時間の間のみ作動するものであり、更に詳細には、安全装置40がリセット状態にあり且つ主電源スイッチ43がOFF状態にあるときに、主電源スイッチ43がON状態にされたときから所定時間内のみ作動する。その結果、所定時間を経過した後は、安全装置40による点検作業は行なわれず、作動制御回路55によるアクチュエータ11,15,17の作動制御のみが行なわれる。このため、伸縮ブーム13を使用して作業を行なっているときに、操作レバー23aを傾動操作しても、伸縮ブーム13の作動が規制されて作業を中断させることはない。
【0036】
【発明の効果】
本発明による作業車の安全装置によれば、電力スイッチが操作されて作動制御装置に電力が供給されると、操作装置が正常か否かが判断されるので、操作装置の目視による確認作業が不要となり、操作装置の点検作業を短時間で行なうことができる。また、操作装置が異常であると判定されたときには警報作動が行なわれるので、作業装置を操作する作業者は操作装置の異常を容易に認識することができる。
【0037】
また、電力スイッチが操作されて作動制御装置に電力が供給されると、作動制御装置が正常か否かが判断されるので、作業者の目視による外観からの点検では困難であった作動制御装置自体の故障の有無を容易に認識することができる。また、作動制御装置が異常であると判定されたときに警報作動するので、作業者は作動制御装置に異常が発生したことを容易に認識することができ、作業装置が突然に作動する事態を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における安全装置を搭載した高所作業車の正面図を示す。
【図2】本発明の一実施の形態における安全装置のブロック図を示す。
【符号の説明】
1 高所作業車
11 旋回モータ
13 伸縮ブーム
15 起伏シリンダ
17 伸縮シリンダ
23 操作装置
40 安全装置
41 コントローラ
43 主電源スイッチ
69 位置検出センサ
P 油圧ポンプ
Claims (4)
- 所定の作業を行なう作業装置と、電力供給を受けて作動して前記作業装置の作動を制御する作動制御装置と、外部操作に応じて前記作動制御装置の作動を指令する作動指令信号を出力して前記作業装置を作動させる操作装置とを有してなる作業用車両の安全装置であって、
前記作動制御装置への電力供給を接続又は遮断させる電力スイッチと、
前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたか否かを判定し、且つ前記操作装置から前記作業装置を駆動させる前記作動指令信号が出力されているか否かを判定する操作装置判定回路とを備え、
前記操作装置判定回路は、
前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたときから所定時間内において、
前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたと判定され、且つ前記操作装置から前記作業装置を駆動させる前記作動指令信号が出力されていないと判定されたときには前記作業装置の作動を許容し、
前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたと判定され、且つ前記操作装置から前記作業装置を駆動させる前記作動指令信号が出力されていると判定されたときには警報作動を行なわせることを特徴とする作業用車両の安全装置。 - 所定の作業を行なう作業装置と、電力供給を受けて作動して前記作業装置の作動を制御する作動制御装置と、外部操作に応じて前記作動制御装置の作動を指令する作動指令信号を出力して前記作業装置を作動させる操作装置とを有してなる作業用車両の安全装置であって、
前記作動制御装置への電力供給を接続又は遮断させる電力スイッチと、
前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたか否かを判定し、且つ前記操作装置から前記作動指令信号に応じ前記作動制御装置から前記作業装置を駆動させる作動制御信号が出力されているか否かを判定する作動制御位置検出判定回路とを備え、
前記作動制御位置検出判定回路は、
前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたときから所定時間内において、
前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたと判定され、且つ前記操作装置からの前記作動指令信号に応じ前記作動制御装置から前記作業装置を駆動させる作動制御信号が出力されていないと判定されたときには前記作業装置の作動制御を許容し、
前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたと判定され、且つ前記操作装置からの前記作動指令信号に応じ前記作動制御装置から前記作業装置を駆動させる作動制御信号が出力されていると判定されたときには警報作動を行なわせることを特徴とする作業用車両の安全装置。 - 前記作業装置を駆動させる油圧式の作業アクチュエータと、前記作業アクチュエータに油圧を供給する油圧供給手段とを有し、前記電力スイッチにより前記作動制御装置に電力が供給されたときから所定時間内は、前記油圧供給手段の作動を規制するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の作業用車両の安全装置。
- 前記作業装置を駆動させ前記作動制御装置により作動が制御される作業アクチュエータと、前記作業アクチュエータの作動量を検出する作動量検出手段を有し、
前記操作装置からの前記作動指令信号に応じ前記作動制御装置により前記作業アクチュエータが所定時間の間停止状態に制御されているときにおいて、
前記作動量検出手段により検出された検出値が前記所定時間の間不変であるときには、前記作動量検出手段が正常であると判定してその後の前記操作装置による前記作業装置の作動を許容し、
前記検出値が前記所定時間内において変化するときには前記作動量検出手段が異常であると判定して警報作動を行なうように構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の作業用車両の安全装置。
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