JPH10130992A - 伸縮性に優れたモケット布地 - Google Patents

伸縮性に優れたモケット布地

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JPH10130992A
JPH10130992A JP8290605A JP29060596A JPH10130992A JP H10130992 A JPH10130992 A JP H10130992A JP 8290605 A JP8290605 A JP 8290605A JP 29060596 A JP29060596 A JP 29060596A JP H10130992 A JPH10130992 A JP H10130992A
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JP
Japan
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yarn
moquette
fabric
elongation
elasticity
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JP8290605A
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English (en)
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Taizo Ikezawa
泰蔵 池澤
Mitsuru Sedo
満 背戸
Hisao Nishinaka
久雄 西中
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸縮性に優れ、曲面状の成型物に装着しても
布地表面が凸凹せず良好にフィットすると共に、耐久性
にも優れ且つ安価なモケット布地を提供する。 【解決手段】 地糸及びパイル糸からなるパイル織物に
おいて、地糸として伸縮性に優れた紡績糸を配した、伸
張率が10%以上、伸張回復率が70%以上である伸縮
性に優れたモケット布地である。上記紡績糸は、ポリエ
ステル系の偏芯型複合繊維を55重量%以上含有するこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具用椅子や車両
用シート等の外皮に使用される伸縮性に優れたモケット
布地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】モケット布地は、複数の経糸と緯糸より
なる地糸、及びパイル糸から構成されるパイル織物であ
る。図1はモケット布地の構成を示す概略説明図である
が、モケット布地の製造方法を、同図を用いて説明す
る。まず、経糸を横並びに上下2段に並設し、この経糸
に交差する様にして緯糸を織り込むと同時に、パイル糸
を図示する如く織り込んで厚地の二重織物を得る。次い
で、図中の鎖線部分でカットし、上下に二分割すること
により、2枚のパイル状に形成されたモケット布地を得
る。
【0003】この様にして得られるモケット布地は、椅
子や自動車用シート等の外皮に繁用されているが、最近
では、丸みのある形状が好まれてきていることから、曲
面状に設計加工されることが多くなっている。そこで、
この様な曲面形状に適合することのできる伸縮性に優れ
たモケット布地の提供が望まれている。
【0004】しかしながら、従来のモケット布地では、
ナイロン、ポリエステル、アクリル、ウール等の非伸縮
性の糸が用いられていた為、形状に応じた伸縮性を付与
することができず、取付け部の縁に皺が生じて外観が損
なわれるという問題がある。この様な問題を改善する方
法として、スパンテックス等の如く伸縮性の大きな糸を
用いてモケット布地を作製する方法が試みられている。
この様にして得られたモケット布地は、ストレッチ性に
優れており、シート等への装着性は改善される反面、装
着する前の段階で表面に凹凸が生じたり、反り返ったり
する為、裁断などの加工過程で、上記の凹凸や反りが障
害になって作業効率が低下したり、商品価値が低下する
等の弊害が生じる。更に、スパンテックスは、耐光性や
耐熱性に劣り、高温や太陽光に長時間曝される環境下で
は強度や伸度が低下し、耐久性の点で問題がある他、他
の合成繊維に比べて価格が高いという難点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであり、その目的は、伸縮性に優
れ、曲面状の成型物に装着しても布地表面が凸凹せず良
好にフィットすると共に、耐久性にも優れ且つ安価なモ
ケット布地を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の伸縮性に優れたモケット布地は、地糸
及びパイル糸からなるパイル織物において、地糸として
伸縮性に優れた紡績糸を配した、伸張率が10%以上、
伸張回復率が70%以上であるところに要旨を有するも
のである。本発明に用いられる紡績糸は、ポリエステル
系の偏芯型複合繊維を55重量%以上含有するものであ
ることが好ましく、この様な紡績糸を用いることにより
伸長率や伸長回復率を一層高めることができる。上記偏
芯型複合繊維が、2種類以上のポリマーより構成されて
なるものや、サイドバイサイド型に接合されたものは、
上記特性の改善に特に有効であり、具体的には、エチレ
ンテレフタレレート単位を主体とし、共重合成分とし
て、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸1
〜3モル%、及びイソフタル酸2〜10モル%を含有す
る共重合ポリエステル(A)と、エチレンテレフタレー
ト単位を主体とし、上記共重合ポリエステル(A)の熱
収縮率よりも低い熱収縮率を有する共重合ポリエステル
(B)またはポリエチレンテレフタレレート(C)を含
むものが推奨される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のモケット布地は、地糸及
びパイル糸からなるパイル織物において、経方向及び/
又は緯方向の地糸として、非伸縮性の糸を用いるのでは
なく、伸縮性に優れた紡績糸を用いた点に最大の特徴を
有する。具体的には、ポリエステル系の偏芯型複合繊維
を使用するが、この様な偏芯型複合繊維は繊維断面にお
ける芯が偏在しているので、製織後の熱処理によって繊
維に捲縮が発現し、その結果、伸長率及び伸長回復率
(これらを総称して伸縮性と呼ぶ場合がある)を著しく
高めることができる。この様な意味で、本発明に用いら
れる偏芯型複合繊維は、潜在捲縮性の複合繊維と言え
る。
【0008】この偏芯型複合繊維は、地糸中に55重量
%以上含有させることが必要であり、これにより、伸縮
性を十分発揮させることができる。55重量%未満では
撚の拘束状態下の紡績糸における捲縮の発現が不十分と
なり、好ましくない。伸縮性向上の観点のみから言え
ば、地糸中の上記偏芯型複合繊維の含有率は多ければ多
い程、好ましいが、他の素材による機能や特性を同時に
付与させることを目的として、通常のポリエステル繊維
などの合成繊維;アセテート繊維などの半合成繊維;レ
ーヨン、ポリノジック、キュプラなどの再生繊維;綿、
麻、羊毛などの天然繊維を適宜含有させることができ
る。
【0009】上記偏芯型複合繊維は、2種類以上のポリ
マーより構成されてなるものが好ましい。本発明では、
要するに組成の異なるポリマーを2種以上用いれば良い
のであり、具体的には、融点差が10℃以上のポリマー
を2種類以上使用することが推奨される。この様な融点
差を有する(即ち、熱収縮性の異なる)2種類のポリマ
ーを、例えばサイドバイサイドに複合した複合繊維を、
染色加工或いは仕上加工する等して加熱すると、2種類
のポリマー成分のうち融点の低い、即ち高収縮成分は強
く収縮し、融点の高い、即ち低収縮成分はあまり収縮し
ないことから、両者の間に構造歪が生じ、その結果、捲
縮が発現して優れた伸縮性が得られるのである。この様
な作用を有効に発揮させる為には、上記潜在捲縮性の偏
芯型複合繊維において、160℃における荷重36mg
/dでの乾熱収縮率を5%以上とすることが推奨され
る。
【0010】尚、本発明では、上述した好ましい融点差
を有するポリマーを少なくとも2種類用いれば良く、本
発明の作用を損なわない範囲であれば、3種類以上使用
することもできる。
【0011】本発明に用いられる上記複合繊維の形態と
しては、熱収縮率の異なるポリエステルポリマーがバイ
メタル状に接合されている偏芯サイドバイサイド型や、
偏芯芯鞘型等が挙げられる。好ましい形態は、エチレン
テレフタレレート単位を主体とし、共重合成分として、
金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸1〜3
モル%、及びイソフタル酸2〜10モル%を含有する共
重合ポリエステル(A)と、エチレンテレフタレート単
位を主体とし、上記共重合ポリエステル(A)の熱収縮
率よりも低い熱収縮率を有する共重合ポリエステル
(B)またはポリエチレンテレフタレレート(C)をサ
イドバイサイドに接合した複合繊維である。
【0012】上記複合繊維において、共重合ポリエステ
ル(A)の熱収縮率は、共重合ポリエステル(B)やポ
リエチレンテレフタレレート(C)のそれに比べて高い
ので、以下の記載では、便宜上、共重合ポリエステル
(A)を高収縮性成分(A)、共重合ポリエステル
(B)またはポリエチレンテレフタレレート(C)を低
収縮性成分(BまたはC)と呼ぶことにする。高収縮性
成分(A)に含まれる金属スルホネート基を有する芳香
族ジカルボン酸とは、具体的には、下記一般式
【0013】
【化1】
【0014】(式中、XはLi,Na,K等のアルカリ
金属塩)で表される芳香族ジカルボン酸化合物であり、
例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチレン
グリコール、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リ
チウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。反応性及び
価格を考慮すれば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
の使用が推奨される。これらの芳香族ジカルボン酸は、
紡糸延伸後の伸縮性向上に寄与するものである。従っ
て、この様な構成単位を含有する高収縮性成分(A)
は、低収縮性成分(BまたはC)に比べて、紡糸延伸後
の弾性回復性に優れており、複合繊維は、高収縮性成分
(A)を内側にして湾曲した状態になる。上記金属スル
ホネート基を有する芳香族ジカルボン酸の共重合割合と
して好ましい下限値は1モル%であり、1モル%未満の
場合は、延伸後の弾性回復が不足して潜在捲縮能が不十
分となる。より好ましい下限値は1.5モル%である。
一方、3モル%を超えると複合繊維の強度が不足するの
で、上限値を好ましくは3モル%とする。より好ましく
は2.7モル%である。
【0015】更に、高収縮性成分(A)にイソフタル酸
を共重合させると、共重合させないものに比べて、熱収
縮率を一層高めることができ、低収縮性成分(Bまたは
C)との熱収縮率差を一段と大きくすることができる。
その結果、潜在捲縮能が高まると共に、複合繊維自体の
強度も向上する。イソフタル酸成分の共重合割合として
好ましい下限値は2モル%であり、これを下回ると、低
収縮性成分(BまたはC)との熱収縮率の差が小さくな
って潜在捲縮能が低下する。より好ましくは3モル%で
ある。一方、10モル%を超えると延伸後の弾性回復が
不足して潜在捲縮能が低下する為、上限値を好ましくは
10モル%とする。より好ましくは8モル%である。
【0016】尚、上記成分のいずれか一方或いは両方
に、抗菌剤、消臭剤、難燃剤、撥水剤、柔軟剤、染料、
顔料、セラミックスなどの特性付与剤や添加物を必要に
応じて適宜含有することもできる。
【0017】上述した複合繊維を、常法により紡績して
紡績糸を得るが、得られた紡績糸は、ポリエステル自体
の乾熱収縮部と捲縮発現部がミックスされた状態になっ
ており、収縮性の付与に有用である。尚、より優れた伸
縮性を付与する為には、該紡績糸の160℃における乾
熱収縮率は、20%以上(より好ましくは30%以上)
とすることが好ましい。
【0018】この紡績糸を単糸または合撚糸の形で地糸
の経糸及び/又は緯糸に用い、モケット布地を作製す
る。上記紡績糸を経方向及び緯方向の地糸として使用す
れば、いずれの方向にも伸縮性を有するモケット布地が
得られるし、また、経方向又は緯方向のいずれか一方の
地糸として使用すれば、使用したいずれかの方向に伸縮
性を有するモケット布地が得られることから、使用態様
などに応じて適宜選択することができる。尚、本発明で
は、上述した伸縮性に優れた紡績糸を100%地糸に使
用することが推奨されるが、本発明の作用を損なわない
範囲で、他の繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維)
を適宜配合することも勿論可能である。
【0019】モケット布地の製造方法は、前記図1を用
いて説明した通りであるが、まず、経糸を横並びに上下
2段に並設し、この上下の経糸に夫々交差する様にして
緯糸を織り込むと同時に、図示する如くパイル糸を架け
渡す様にして織り込むことによりモケット布地を作製す
る。布地の地糸全体に占める該紡績糸の比率は25〜1
00重量%にすることが好ましい。25重量%未満で
は、伸縮性及び伸長回復性が低下してしまう。より好ま
しくは35重量%以上、更によりより好ましくは70重
量%以上である。
【0020】次に、上記モケット布地中のパイル糸を上
下にカットして2枚のパイル状布帛を得た後、更に表面
のパイル糸を解毛し、糸端を揃えてカットすることによ
り、布表面のパイル形状を均一にする。その後、染色加
工や仕上加工等を行う等して熱処理を施し、上記潜在捲
縮性紡績糸の捲縮能力を発現させることにより生地に捲
縮性が付与される。上記熱処理を施すに当たっては、潜
在捲縮能をほぼ完全に発現させて残留潜在捲縮機能を取
り除き、布帛に十分な伸縮機能を与えるという観点か
ら、湿熱125℃以上(例えば125〜140℃)また
は乾熱160℃以上で(例えば160〜180℃)、し
かもテンションフリーの状態を維持しながら熱処理を行
うことが推奨される。湿熱125℃未満または乾熱16
0℃未満では、捲縮発現が不十分になり好ましくない。
一方、湿熱140℃または乾熱180℃を超えると、布
地の風合が硬くなる等物性が低下し、製造コストも高く
なるため、好ましくない。尚、紡績糸様の優れた風合を
得ることを目的として、熱処理の前後で、減量率20%
以下(好ましくは5〜10%)の減量加工を施すことが
推奨される。
【0021】この様にして得られる本発明のモケット布
地の伸張率は、1.5kgの荷重下における伸度がもと
の長さの10%以上であり、且つ伸張回復率が70%以
上である。伸度が10%未満ではストレッチ性が不十分
でフィット性に乏しくなる。好ましくは20%以上であ
る。また、伸長回復率が70%未満では、生地の形態維
持性が低下し、装着時や使用時にかかる応力のため、局
所的に生地が伸びてしまい、表面形状が不均一になる等
の問題がある。好ましくは75%以上である。
【0022】以下実施例に基づいて本発明を詳述する。
ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術範囲に包含される。
【0023】
【実施例】実施例1 高収縮成分として、エチレンテレフタレート単位を主体
とし、5−ソジウムスルホイソフタル酸ジエチレングリ
コールエステル1.5モル%及びイソフタル酸8モル%
を共重合させた共重合ポリエステルを、低収縮成分とし
てポリエチレンテレフタレートを使用し、紡糸温度29
0℃、単孔吐出量1g/分(吐出割合50:50)、紡
糸速度1900m/分で紡出することによりサイドバイ
サイド型の未延伸糸を製造した。得られた未延伸糸を収
束し、延伸倍率2.1倍、延伸温度140℃で延伸した
後、スタッフィンボックスで機械的捲縮(10ヶ/イン
チ)を付与させてから等長カットし、繊維長51mm,
繊度2.5デニールのサイドバイサイド型の偏芯型複合
繊維ステープルを製造した。この様にして得られた複合
繊維ステープルにおける乾熱160℃、36mg/dの
荷重下の乾熱収縮率は8%、乾熱160℃における無荷
重下の熱処理時の発現捲縮数は55ヶ/インチであっ
た。
【0024】次いで、この偏芯型複合繊維ステープル1
00重量%を用いて英式綿番手30’s/1の紡績糸
(撚係数3.2)とした後、更に右撚14t/インチの
双糸(30’s/2)を製造した。
【0025】得られた紡績糸(30’s/2)を経方
向、緯方向の地糸として用い、40番双糸の通常のポリ
エステル紡績糸をパイル糸として織り込むことにより布
帛を形成した。次いで、布帛のパイル糸を上下にカット
して2枚のパイル状布帛にした後、この布帛を刷毛し剪
毛することにより、表面のパイル形状を均一にした。そ
の後、乾熱125℃以上で、しかも経糸方向は+45%
のオーバーフィード状態で且つ緯方向はフリー状態で熱
処理してから、5%の減量加工及び130℃の染色加工
を順次行った。得られた布帛の伸度及び伸長回復率を、
下記の様にして測定すると共に、装着性及び風合を以下
の基準で評価した。
【0026】(1)伸長率及び伸長回復率 布帛の一端を支持し、その反対側に100gの荷重をか
け、1分間吊るした後の長さAを測定する。次いで、更
に1.5kgの荷重を追加してかけ、1分間吊るした後
の長さBを測定する。その後、1.5kgの荷重のみを
はずし、10分後に長さCを測定する。以下の式に則っ
て、伸長率、及び1.5kgの荷重をはずした後の伸長
回復率を算出する。 伸長率(%) =[(B−A)/A]×100 伸長回復率(%)=[(C−A)/A]×100
【0027】(2)装着性 実際の椅子や車両座席シートを想定したモデル成型品を
用いて取付け試験を実施し、以下の基準で装着性を評価
した。 ○:フィット性に優れ、装着外観が良好である。 ×:フィット性に劣り、装着外観が不良である。
【0028】(3)風合 10人の検査員による官能評価を実施した。 ○:嵩高感に富み、極めてソフトである。 △:嵩高感に欠け、やや粗硬な風合である。
【0029】(4)加工性 10人の検査員による官能評価を実施した。 ○:製織、仕上加工が容易。 ×:製織、仕上加工が困難。 得られた結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】本実施例により得られたモケット布地は、
高度の伸縮性及びフィット性を有しているので、装着後
の外観も非常に良好で、風合にも優れるものであった。
【0032】実施例2 実施例1で得られた偏芯型複合繊維ステープル65重量
%とポリエチレンテレフタレート繊維ステープル(2デ
ニール×51mm)35重量%を混紡した紡績糸を、地
糸の緯方向及び経方向に用いること以外は、実施例1と
同様にしてモケット布地を製造し、伸長率等を測定し
た。その結果を表1に併記する。本実施例により得られ
たモケット布地も、実施例1と同様、高度の伸縮性及び
フィット性を有しているので、装着後の外観も非常に良
好で、風合にも優れるものであった。
【0033】実施例3 実施例1で得られた偏芯型複合繊維ステープル65重量
%とポリエチレンテレフタレート繊維ステープル(2デ
ニール×51mm)35重量%を混紡した紡績糸を地糸
の経方向に用い、緯糸にはポリエチレンテレフタレート
繊維ステープル(2デニール×51mm)を用いたこと
以外は、実施例1と同様にしてモケット布地を製造し、
伸長率等を測定した。その結果を表1に併記する。本実
施例により得られたモケット布地は、T方向における伸
縮性に優れ、フィット性や装着後の外観も非常に良好
で、風合にも優れるものであった。
【0034】比較例1 実施例1で得られた偏芯型複合繊維ステープル50重量
%とポリエチレンテレフタレート繊維ステープル(2デ
ニール×51mm)50重量%を混紡した紡績糸を、地
糸の緯方向及び経方向に用いること以外は、実施例1と
同様にしてモケット布地を製造し、伸長率等を測定し
た。その結果を表1に併記する。本比較例により得られ
たモケット布地は、上記実施例の布帛に比べて伸縮性及
びフィット性が格段に劣り、装着後の外観も非常に悪
く、風合もやや低下した。
【0035】比較例2 地糸の経糸および緯糸として、実施例1の偏芯型複合繊
維の紡績糸を使用する代わりに、140dのスパンテッ
クスにレーヨン/ポリエステル(40/60)の20番
手混紡糸を2本巻付けたカバリング糸(30’s/2)
を用い、パイル糸には40番双糸のナイロン糸を用い、
経糸および緯糸にかかる張力を一定に保持しながら所定
の密度で織り込むことにより布帛を形成した。
【0036】得られた布帛のパイル糸を上下にカットし
て2枚のパイル状布帛を得た後、刷毛および剪毛して表
面のパイル形状を均一にしてから、染色仕上を行うこと
によりモケット布地を得た。次いで、実施例1と同様に
して伸長率等を測定し、その結果を表1に併記する。
【0037】本比較例により得られたモケット布地は、
伸縮性や装着性等には優れているが、裁断時の加工性が
悪く、素材コストが高価なことを考慮すれば総合的に勘
案して満足のいくものではなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明のモケット布地は上記の様に構成
されており、優れた伸縮性を有するので、椅子や車両用
シート等に装着する際、縁部に皺が生じるといった外観
不良を招くことがない。しかも、布帛の伸縮性は染色仕
上工程の後に発現されるので、スパンテックス等の伸縮
糸を使用した場合の様に、製織時における糸の張力管理
に特別な制御を施す必要がなく、生地の伸縮変形による
加工時の困難性も伴わない。即ち、特別な加工装置や条
件設定等が不要であり、素材コストも安価な為、製品の
コスト低減化が図れる等の利点がある。更に、本発明の
モケット布地は、紡績糸特有の風合や感触を有している
ので、ソフト感や快適感にも優れているという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】モケット布地の構成を示す概略図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地糸及びパイル糸からなるパイル織物に
    おいて、地糸として伸縮性に優れた紡績糸を配した、伸
    張率が10%以上、伸張回復率が70%以上であること
    を特徴とする伸縮性に優れたモケット布地。
  2. 【請求項2】 前記紡績糸は、ポリエステル系の偏芯型
    複合繊維を55重量%以上含有する請求項1に記載のモ
    ケット布地。
  3. 【請求項3】 前記偏芯型複合繊維は、2種類以上のポ
    リマーより構成されてなる請求項2に記載のモケット布
    地。
  4. 【請求項4】 前記偏芯型複合繊維は、サイドバイサイ
    ドに接合されたものである請求項2または3に記載のモ
    ケット布地。
  5. 【請求項5】 前記偏芯型複合繊維は、 エチレンテレフタレレート単位を主体とし、共重合成分
    として、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン
    酸1〜3モル%、及びイソフタル酸2〜10モル%を含
    有する共重合ポリエステル(A)と、 エチレンテレフタレート単位を主体とし、上記共重合ポ
    リエステル(A)の熱収縮率よりも低い熱収縮率を有す
    る共重合ポリエステル(B)またはポリエチレンテレフ
    タレレート(C)を含むものである請求項2〜4のいず
    れかに記載のモケット布地。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001123336A (ja) * 1999-10-25 2001-05-08 Toray Ind Inc 潜在捲縮発現性ポリエステル繊維および製造方法

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JP2001123336A (ja) * 1999-10-25 2001-05-08 Toray Ind Inc 潜在捲縮発現性ポリエステル繊維および製造方法

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