JP3023896B2 - 伸縮性ピーチ調編地の製造方法 - Google Patents

伸縮性ピーチ調編地の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸長性及び伸長回復
性、即ち伸縮性に優れたピーチ調編地の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】編地の表面が桃皮の如き起毛状態を呈す
るピーチ調編地は、手触り等の風合の良さから、主とし
て衣料用に盛んに用いられている。従来、このピーチ調
編地は、繊度が1.0デニール以下の極細繊維で構成され
た糸条を用いて編地を編成し、この編地を機械的手段等
で起毛して製造されている。しかし、繊度の細い極細繊
維を使用しているため、ハイゲージ編機等で高密度に編
成しても、十分な張りや腰を編地に与えることができな
かった。
【0003】このため、極細繊維と繊度の太い太繊度繊
維とを組み合わせた糸条を用いて編地を編成し、その後
この編地を機械的手段等で起毛することが行われてい
る。極細繊維と太繊度繊維との組み合わせ方としては、
(i)両繊維を単に引き揃える、(ii)両繊維を合撚する、
(iii)太繊度繊維の表面に極細繊維をシングルカバリン
グ法又はダブルカバリング法で被覆する、(iv)両繊維を
エアー交絡する等の方法が採用されている。しかし、こ
れらのいずれの方法で両繊維を組み合わせても、極細繊
維のみを機械的手段で起毛させることは困難で、太繊度
繊維も同時に起毛されるということがあった。従って、
手触りの優れたピーチ調編地を得ることはできなかっ
た。また、これらの編地を染色した場合には、編地表面
において、いらつき現象が生じ易かった。これは、編地
表面に存在する極細繊維と太繊度繊維との間に染着性の
差があるからである。更に、編地表面で太繊度繊維が起
毛されていると、ピリングが生じ易いということもあっ
た。
【0004】以上の如き欠点を回避するため、本件出願
人は、以下の如き編物の製造方法を提案した(特願平2-
56939号)。即ち、熱水収縮率の小さい極細繊維と熱水
収縮率の大きい太繊度繊維とを組み合わせて編地を編成
し、この編地を熱水で収縮させることにより、表面に極
細繊維を偏在させ、そしてこれを起毛加工して極細繊維
のみを起毛させる編物の製造方法を提案した。
【0005】しかしながら、この方法で得られた編物
は、熱水収縮率の大きな太繊度繊維によって非常に高密
度な編地となっており、伸縮性の少ない寸法性の安定し
たものである。従って、この編物は、伸縮性を必要とす
る使用用途によっては、不適当なことがあった。例え
ば、この編物を素材とする衣料は、着用時に不快感を与
えることがあり、また膝抜けや肘抜け等が発生しやすい
ということがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、前
記した特願平2-56939号に係る発明を基本とし、特願平2
-56939号に係る発明で使用した太繊度繊維に代えて、あ
る特定の捲縮性能を持つ潜在捲縮性複合型繊維を使用
し、得られたピーチ調編地に良好な伸縮性を与えようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、繊度0.
5デニール未満で熱水収縮率が10%以下の極細繊維より
なる糸条(以下、「A糸条」と言う。)と、繊度2.0デ
ニール以上で、沸水30分処理後の弾性率が70%以上で且
つ沸水30分処理後の捲縮率が50%以上の捲縮性能を有す
る潜在捲縮性複合型繊維よりなる糸条(以下、「B糸
条」と言う。)とを用い、添糸編によってA糸条を表側
に位置せしめ、B糸条を裏側に位置せしめるように製編
して編地を得、該編地を熱処理することにより、該極細
繊維と該潜在捲縮性複合型繊維の収縮差によって、該編
地の表側において該極細繊維群が起毛状態となり、且つ
該潜在捲縮性複合型繊維の捲縮発現によって該編地に良
好な伸縮性能が付与されることを特徴とする伸縮性ピー
チ調編地の製造方法に関するものである。
【0008】本発明で用いるA糸条は、繊度0.5デニー
ル未満で熱水収縮率が10%以下の極細繊維よりなるもの
である。具体的には、この極細繊維を構成繊維とするマ
ルチフィラメント糸条、又はこのマルチフィラメント糸
条が仮撚加工された仮撚加工糸条、ニット・デ・ニット
加工糸条、エアー処理加工糸条等がA糸条として用いら
れる。特に、仮撚加工糸条を用いると、風合の良好な編
地が得られるので、好ましい。なお、A糸条を構成する
際、極細繊維を単独で使用してA糸条としてもよいし、
3〜10本程度の極細繊維を接合剤で接合してなる分割型
繊維を使用してA糸条としてもよい。分割型繊維として
は、従来公知の種々のものが使用でき、例えば図1に示
す如き楔状の極細繊維(1b)が接合剤(1a)で複数接合され
てなるものが使用できる。この分割型繊維から接合剤(1
a)を除去すれば、分割型繊維は分割され、図2に示す如
く極細繊維の束となるのである。
【0009】極細繊維は、繊度0.5デニール未満で熱水
収縮率が10%以下である。極細繊維の繊度が0.5デニー
ル以上であると、起毛した極細繊維が太すぎて、良好な
外観及び風合のピーチ調にならないので、好ましくな
い。また、極細繊維の熱水収縮率は、10%以下である。
極細繊維の熱水収縮率が10%を超えると、潜在捲縮性複
合型繊維との見掛け上の熱水収縮率差が十分でなく、極
細繊維の起毛状態が悪くなるので、好ましくない。ここ
で、熱水収縮率の測定方法は以下のとおりである。即
ち、繊維の一旦を固定し、他端に1/10(g/d)の初荷重を
与え、正しく500mmを計って2点に印を付ける。この
後、初荷重をとって沸騰水中に30分間浸漬した後、取り
出して軽く吸取紙又は布で水を切り、水平状態で自然乾
燥する。その後、再び初荷重を掛けて前記2点間の長さ
lmmを図る。以上のlmmの測定を各10回行い、そして式
〔(500−l)/500〕×100で収縮率を算出し、その平
均値を熱水収縮率(%)とする。
【0010】極細繊維の組成としては、従来公知の種々
の組成のものが用いられるが、特に本発明においてはポ
リエチレンテレフタレート系極細繊維を用いるのが好ま
しい。
【0011】本発明で用いるB糸条は、潜在捲縮性複合
型繊維で構成されている。例えば、潜在捲縮性複合型繊
維よりなるモノフィラメントが複数本集束されてなるマ
ルチフィラメント糸条が、本発明においてB糸条として
使用される。また、潜在捲縮性複合型繊維は、第一成分
と、この第一成分とは沸水収縮率の異なる第二成分と
が、組み合わされてなるものである。組み合わせ方は、
第一成分と第二成分の沸水収縮率差によって、繊維にス
パイラル状等の捲縮が生じるようにしなければならな
い。具体的には、サイドバイサイド型や偏心芯鞘型が採
用される。
【0012】また、本発明において重要なことは、この
潜在捲縮性複合型繊維が以下に示すような捲縮性能を持
っていなければならないことである。即ち、沸水30分処
理後の弾性率が70%以上で且つ沸水30分処理後の捲縮率
が50%以上でなければならない。ここで、沸水30分処理
後の弾性率とは、次に示す方法で測定されるものであ
る。即ち、検尺機にて5回かせ取りした潜在捲縮性複合
型繊維を二重にして、1/6000(g/d)の荷重をかけてスタ
ンドに吊り、更に1/10(g/d)の荷重をかけ、長さ(a)
を測定する。続いて、1/6000(g/d)の荷重をかけたまま30
分間放置し、次いでこの状態を維持したまま沸水中に入
れ30分間処理する。その後、30分間風乾し、1/500(g/d)
の荷重をかけ、長さ(b)を測定する。次に、1/500(g/
d)の荷重をはずした後、1/20(g/d)の荷重をかけて、そ
の長さ(c)を測定する。更に、1/20(g/d)の荷重をは
ずし、再び1/500(g/d)の荷重をかけ、その長さ(d)を
測定する。そして、次の式によって弾性率を求めるので
ある。即ち、弾性率(%)=[(c−d)/(c−
b)]×100である。また、沸水30分処理後の捲縮率
は、上記で求めた長さを用いて、次の式によって求めら
れるものである。即ち、捲縮率(%)=[(c−b)/
c]×100である。本発明において、潜在捲縮性複合型
繊維の沸水30分処理後の弾性率が70%未満の場合には、
捲縮発現後の繊維の伸長回復性が低く、したがって得ら
れる編地の伸長回復性も低く、編地に良好な伸縮性を付
与しにくくなるので、好ましくない。また、潜在捲縮性
複合型繊維の沸水30分処理後の捲縮率が50%未満の場合
には、潜在捲縮性複合型繊維の捲縮発現による見掛けの
収縮率が少なく、編地表面における極細繊維の起毛状態
が悪くなり、良好なピーチ調とならないため、好ましく
ない。また、潜在捲縮性複合型繊維の繊度が2.0デニー
ル未満になると、得られる編地は張り及び腰に欠けたも
のとなるばかりでなく、捲縮発現による収縮応力も低く
なり、編地表面における極細繊維の起毛状態が悪くな
り、好ましくない。
【0013】上記したような捲縮性能を持つ潜在捲縮性
複合型繊維を構成する各成分としては、繊維形成能を有
する任意の高分子を採用することができる。本発明にお
いて好適に使用される潜在捲縮性複合型繊維は、一般的
に、極限粘度[η]の高いポリエステル系第一成分と、
極限粘度[η]の低いポリエステル系第二成分とが、サ
イドバイサイド型に接合されたポリエステル系繊維であ
る。具体的には、極限粘度[η]が0.75以上のポリエス
テル系第一成分と、極限粘度「η」が0.50以下の第二成
分とが、サイドバイサイド型に接合されたポリエステル
系繊維が好適に使用しうる。極限粘度「η」が0.75以上
のポリエステル系第一成分は、例えば、構造単位の85モ
ル%以上がポリエチレンテレフタレートであり、他の15
モル%以下が他のポリエステルである重合体を使用して
得ることができる。また、極限粘度[η]が0.50以下の
第二成分は、例えば、構造単位の95モル%がポリエチレ
ンテレフタレートである重合体を使用して得ることがで
きる。なお、ここで言う極限粘度[η]は、20℃のフェ
ノールとテトラクロロエタンとの等重量混合溶媒中で測
定したものである。
【0014】次に、前記したA糸条とB糸条とを用い、
A糸条が表側となり、B糸条が裏側(A糸条による編目
の内側)となるように添糸編で編成することにより、A
糸条が均一に表側に配置され、B糸条が均一に裏側に配
置されるのである。これが例えば、添糸編で編成せずに
A糸条とB糸条とを単に引き揃えて編成した場合には、
反転現象が生じ、A糸条が均一に表側に配置されない。
具体的に添糸編で編成するには、編機の2穴給糸口にA
糸条とB糸条とを別個に規則正しく配列し、糸条の張力
や編針に対する糸条の入角度を均一にして行なうことに
よって、A糸条及びB糸条が均一に配置された編地を編
成することができる。添糸編によって編地を編成する
際、A糸条とB糸条の総繊度の割合は、A糸条:B糸条
=1〜3:1であるのが好ましい。この範囲を超えてA
糸条の割合を少なくすると、添糸編の際に反転現象が生
じたり、或いは編疵が生じたりする傾向が出てくる。ま
た、この範囲を超えてA糸条の割合を多くすると、得ら
れる編地の張りや腰が十分でなくなる場合が出てくる。
【0015】以上の如き方法で編地が編成された後、こ
の編地を熱処理して収縮させる。熱処理は、一般的に、
編地を熱水中に浸漬して行なう。熱水は、70℃以上のも
のを使用するのが好ましい。熱水の温度が70℃未満の場
合には、潜在捲縮性複合型繊維が十分に捲縮発現せず、
得られる編地に十分な張りや腰を付与しにくくなり、更
にはボリューム感を付与しにくくなる傾向が生じる。ま
た、A糸条を構成する極細繊維が編地の表面に現出しに
くくなる傾向が生じる。この熱水による収縮は、編地の
染色加工工程中におけるリラックス精練装置、拡布連続
式低張力型リラックス機或いは液流染色機等を使用して
行なってもよい。この処理の後、できるだけ張力をかけ
ずに80〜130℃程度の温度で乾燥を行ない、続いて必要
に応じて中間セット等を行なった後、通常の染色を行な
うのが、一般的である。
【0016】A糸条として複数本の極細繊維(1b)が接合
されてなる分割型繊維で構成されたものを用いた場合に
は、この熱水収縮前に分割しておくのが好ましい。分割
手段は従来公知の方法を採用しうる。例えば、図1に示
す如き分割型繊維であって、極細繊維(1b)としてポリエ
チレンテレフタレート繊維、接合剤(1a)としてポリエチ
レングリコールとポリエステルとの混合物を使用した場
合には、アルカリ溶液によって接合剤(1a)を溶解除去
し、ポリエチレンテレフタレート繊維を分割するのが好
ましい。図1に示す如き分割型繊維の場合、アルカリ溶
液による溶解除去量、即ち減量率は15〜30重量%程度、
好ましくは20〜25重量%程度が良い。減量率が15重量%
未満の場合、分割型繊維の分割が十分に行われず、手触
りの良好なピーチ調とならない傾向が生じる。また、減
量率が30重量%を超えると、分割は良好に行われるもの
の、極細繊維も若干溶解され、得られたピーチ調編地の
強力が低下する傾向が生じる。
【0017】以上のようにして、ピーチ調編地が得られ
るわけであるが、編地表面のピーチ調をさらに強調する
ために、起毛加工を施してもよい。起毛加工は、エメリ
ー起毛、針布起毛、水中起毛等の従来公知の起毛加工法
を採用することができる。この起毛加工は、熱水収縮処
理後であれば、染色前であってもよいし、染色後であっ
てもよい。
【0018】
【実施例】実施例 A糸条としては、図1に示す如き分割型繊維より構成さ
れた70デニール/48フィラメントのマルチフィラメント
を仮撚加工した仮撚加工糸条を用いた。ここで、楔状の
極細繊維(1b)の成分は、極限粘度[η]0.67のポリエチ
レンテレフタレートであり、極細繊維(1b)を接合してい
る接合剤(1a)の成分は分子量6000のポリエチレングリコ
ール23重量%及びスルホイソフタル酸2モル%からなる
共重合ポリエステルである。また、極細繊維(1b)と接合
剤(1a)の重量割合は、極細繊維(1b):接合剤(1a)=4:
1である。なお、極細繊維(1b)の繊度は0.13デニールで
あり、熱水収縮率は5%であった。
【0019】B糸条としては、極限粘度[η]0.76のポ
リエステル系第一成分(12モル%のイソフタル酸成分及
び88モル%のテレフタル酸成分と、ジエチレングリコー
ル等のジオール成分とよりなるポリエステル)と、極限
粘度[η]0.49のポリエステル系第二成分とを用いて、
溶融複合紡糸法でサイドバイサイド型の潜在捲縮性複合
型ポリエステル系繊維よりなる50デニール/12フィラメ
ントのマルチフィラメント糸条を使用した。この潜在捲
縮性複合型ポリエステル系繊維の沸水30分処理後の弾性
率は80%であり、沸水30分処理後の捲縮率は69.5%であ
った。
【0020】前記のA糸条とB糸条を用いて、図3に示
す編組織で且つ以下に示す給糸法で給糸して編地を編成
した。即ち、第1F及び第6FにはB糸条のみを給糸
し、第2F,第3F,第4F,第5F,第7F,第8
F,第9F,第10Fには図4に示す如く2穴給糸口を用
いて、A糸条とB糸条とを別々の穴に給糸し、編地の表
面にA糸条のみが配列された編地を得た。なお、以上の
編成は、福原精機製ダブルニット機LPJ-H 型を用い、釜
径33",ゲージ28G で編成した。
【0021】このようにして得られた編地を、株式会社
日阪製作所製サーキュラー染色試験機にて、苛性ソーダ
15g/lとサンモールFL(日華化学株式会社製、界面活
性剤)1g/lで、浴比1:30でリラックス精練を兼ね
て、A糸条を構成する分割型繊維の接合剤(1a)を溶解除
去し、図2に示す如き極細繊維の束に分割した。そし
て、その後常法で染色仕上加工を行ない、この際に編地
を熱水で収縮させて伸縮性ピーチ調編地を得た。この伸
縮性ピーチ調編地は、張り及び腰に優れ、編地表面のタ
ッチ感も良好なものであった。また、経方向の伸長率は
15.6%,伸長回復率は98%であり、緯方向の伸長率は2
1.2%,伸長回復率は97%であり、伸縮性に優れたもの
であった。なお、伸長率及び伸長回復率は、JIS L-1018
法に基づいて測定したものである。
【0022】比較例 実施例において使用した潜在捲縮性複合型ポリエステル
系繊維に代えて、ポリエチレンテレフタレートとイソフ
タル酸10モル%との共重合体成分のみよりなるポリエス
テル系繊維を使用し、30デニール/12フィラメントとし
たものをB糸条として用いた。このB糸条を用い、その
他は実施例と同様の方法でピーチ調編地を得た。なお、
このポリエステル系繊維は、潜在捲縮性のものではなく
捲縮性能の全くないものであり、単に熱水収縮率が25%
のものであった。得られたピーチ調編地は、張り及び腰
に優れ、編地表面のタッチ感も良好であった。しかし、
経方向の伸長率は3.6%,伸長回復率は89%であり、緯
方向の伸長率は6.7%,伸長回復率は86%であり、伸縮
性に劣るものであった。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る伸縮
性ピーチ調編地の製造方法は、極細繊維で構成されたA
糸条を表側とし、潜在捲縮性繊維で構成されたB糸条を
裏側として、添糸編で編成した編地を用い、この編地に
熱処理を施すことにより収縮させるというものである。
この際、潜在捲縮性繊維の捲縮発現による見掛けの収縮
率は、極細繊維の収縮率よりも大であるため、収縮率の
少ない極細繊維は編地表面に浮き出し、編地表面に極め
て良好なピーチ感を与えることができ、また収縮によっ
て編地に張り及び腰を与えることができる。そして、こ
の編地には潜在捲縮性繊維が編み込まれているため、従
来の高収縮繊維による編地の収縮と違い、捲縮発現によ
る見掛けの収縮を利用していることになる。即ち、見掛
けの繊維長が縮んだだけで、実際の繊維長はそれよりも
長いため、編地に優れた伸縮性を与えることができるの
である。
【0024】従って、本発明に係る方法によれば、従来
法の如く、機械的な起毛加工を施さなくとも、ピーチ調
編地を得ることができ、更に伸縮性に優れたピーチ調編
地を得ることができるという効果を奏する。また、編地
表面に捲縮発現した繊維が混入して起毛されるというこ
とが少なく、手触りの良いピーチ調を表現することがで
きると共に、捲縮発現した繊維によるピリングの発生を
防止しうるという効果を奏する。更に、この編地に染色
加工した場合には、表面に捲縮発現した繊維が殆ど混入
しておらず、極細繊維のみが主として存在しているた
め、編地表面の均一な染色が可能となり、いらつき現象
が生じにくくなるという効果も奏する。
【0025】依って、本発明に係る方法で得られたピー
チ調編地は、優れた伸縮性,風合,物性を具備し、各種
の衣料用途に好適に使用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる分割型繊維の一例であり、その
横断面図である。
【図2】図1に示した分割型繊維が分割された状態を示
す横断面図である。
【図3】本発明に用いる編組織の一例を示す図である。
【図4】本発明に用いる編成法の一例を示した概略図で
ある。
【符号の説明】
1b 極細繊維 A A糸条 B B糸条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04B 1/00 - 1/28 D04B 21/00 - 21/20 D03D 1/00 - 15/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度0.5デニール未満で熱水収縮率が10
    %以下の極細繊維よりなる糸条(以下、「A糸条」と言
    う。)と、繊度2.0デニール以上で、沸水30分処理後の
    弾性率が70%以上で且つ沸水30分処理後の捲縮率が50%
    以上の捲縮性能を有する潜在捲縮性複合型繊維よりなる
    糸条(以下、「B糸条」と言う。)とを用い、添糸編に
    よってA糸条を表側に位置せしめ、B糸条を裏側に位置
    せしめるように製編して編地を得、該編地を熱処理する
    ことにより、該極細繊維と該潜在捲縮性複合型繊維の収
    縮差によって、該編地の表側において該極細繊維群が起
    毛状態となり、且つ該潜在捲縮性複合型繊維の捲縮発現
    によって該編地に良好な伸縮性能が付与されることを特
    徴とする伸縮性ピーチ調編地の製造方法。
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