JP3465640B2 - 長短複合紡績糸および織物 - Google Patents

長短複合紡績糸および織物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮特性の異な
る少なくとも2成分から構成されるポリエステルマルチ
フィラメント糸とポリエステル短繊維を含む長短複合紡
績糸、さらに、タテ糸および/またはヨコ糸に上記長短
複合紡績糸を使用し、ヨコ糸またはタテ糸に熱収縮の異
なる少なくとも2成分のポリエステル重合体が並列的あ
るいは芯鞘的に接合したけん縮性コンジュゲートマルチ
フィラメント糸を用いた、伸縮性および軽量感に優れ、
さらにソフトなふくらみ、高反発性、高発色性併せ持つ
上品な表面感を有する織物に関する。さらに詳しくは、
従来の短繊維紡績糸単独では得られなかったふくらみと
高反発性、およびストレッチ性、またポリエステルマル
チフィラメント単独使用の織物では得られなかった、糸
ムラ感のある自然な表情の表面感の優勢結合効果を有
し、さらに着用時に快適な、また縫製での仕立て映え性
に優れる長短複合紡績糸を使用した伸縮性および軽量感
に優れた織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで合成繊維織物は、天然繊維や、
化学繊維の外観、タッチなどすべて模倣してきたが、近
年は、手触り感に代表される風合いや見た目の感覚にお
いて、天然繊維などと全く異なる、いわゆる合成繊維独
自の感覚を備えたものを開発する動きにある。
【0003】そのアプローチ手法としてポリエステル繊
維において、従来のポリマー、紡糸、延伸などのマルチ
フィラメント糸の製造工程や、ステープルの製造工程で
新しい要素技術開発を行い、また新ポリマーとして、異
収縮混繊用の高収縮ポリマーや、ドライな新しいタッチ
のためセラッミクス混合ポリマー、あるいは紡糸工程に
おいては高異形断面、超極細繊維の製糸技術、さらにま
た延伸工程ではシックアンドシン技術の高度化などがあ
げられる。しかし、これらの原糸だけでは、従来と大き
く変わる質感のものは得られず、新しい高次加工技術の
開発が行われ、特に、複合糸加工技術の開発が大きく寄
与した。
【0004】破断伸度の異なる原糸の複合仮撚り加工に
よる糸長差を持つ構造加工糸、低収縮糸と高収縮糸を複
合しインタレース加工などを施し、織物の表面にループ
を染色加工工程で発現させるもの、さらに染色加工工程
の特殊加工技術の開発において、前記新しい原糸の組み
合わせにより、種々の質感のファブリックを生み出し、
いわゆる、新合繊として時代の要求に大きく貢献してき
た。この新合繊の流れにさらに展開する方向で短繊維に
よる新合繊が開発された。これらのポリエステルフィラ
メント糸をベースとする新合繊は風合いが従来の天然繊
維素材などとは異なる新しさでは市場で評価されたが、
表情いわゆる表面感であまりにも無表情であるため改善
が強く要望され続けてきた。
【0005】一方、短繊維新合繊は紡績糸であることか
ら、フィラメント糸と異なり、断面における構成本数に
バラツキがあることから糸のムラによる自然な表面が得
られるが、ソフトなタッチにするため極細繊維を使用す
ると、布帛として張り腰がなく、縫製品での仕立て映え
がしないという問題を有していた。また、ふくらみのあ
る布帛にするため高収縮原綿を混紡し異収縮混繊糸とす
る開発がなされたが、短繊維の場合毛羽が多いことか
ら、製織工程での糊付けによる高温の熱がかかってしま
うため、染色工程で十分なふくらみが発現できないとい
った解決できない問題が多くあった。また、上記新合繊
や、短繊維新合繊においてはストレッチ性を付与するこ
とが難しく、縫製性や仕立て映えの向上に対する要望が
強かった。
【0006】さらに最近の要求として、布帛の感性とし
て高質感だけでなく、衣服として着用したときの着用快
適性の要求が強くなってきた。この点から、その一つの
機能性の考え方は、合成繊維の得意分野、すなわち天然
繊維では不得意な特性からのアプローチ、たとえばスト
レッチ性といったものである。ストレッチ性について
は、従来ポリウレタン系弾性繊維、すなわちスパンデッ
クスのカバーリング糸の使用によるものが主流である
が、当該織物は原糸および高次加工費の面でコストに問
題があり、またスパンデックスではストレッチ性のパワ
ーが強く、すべての用途に適用できるものではなかっ
た。
【0007】特に、近年進行しつつある高齢化における
社会的要請として、ヘルスケアに対応する商品開発があ
る。生活シーンのあらゆる場面で高齢者に優しい商品が
求められている。この点から衣料用途において改善要望
の強いものとしては、衣料として着用したときの快適性
である。その要素として最も強いニーズは上品な感覚と
着用して疲れない衣服である。すなわち、ソフトなスト
レッチ、軽量といった機能性が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、伸縮性と軽
量性を有し、ソフトなふくらみ、高反発性、高発色性に
優れた上品な表面感を併せもつ長短複合紡績糸および織
物を提供すること、さらに詳しくは、従来の短繊維紡績
糸単独では得られなかったふくらみと高反発性、および
ストレッチ性を併せ持ち、またポリエステルマルチフィ
ラメント織物では得られなかった、糸ムラ感のある自然
な表情の表面感の優勢結合効果を有し、さらに着用時に
快適なソフトストレッチと軽量感があり、また縫製での
仕立て映え性に優れる長短複合紡績糸および織物を提供
すること目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため次の構成を有する。すなわち、 (1)熱収縮を異にする少なくとも2成分のポリエステ
ル重合体が並列的あるいは芯鞘的に接合したけん縮性コ
ンジュゲートマルチフィラメント集合体と、熱収縮性を
異にする少なくとも2成分からなるけん縮性コンジュゲ
ート短繊維とを複合してなることを特徴とする長短複合
紡績糸。
【0010】(2)前記長短複合紡績糸が次式で示され
る撚り係数αが3,000〜20,000の範囲の実撚
を有することを特徴とする前記(1)記載の長短複合紡
績糸。
【0011】T=α・D-1/2 ただし、T:実撚り数(T/M) α:撚り係数 D:長短複合紡績糸の繊度(dtex) (3)前記けん縮性コンジュゲート短繊維が、2,2
〔4−(2−ヒドロキシエトキシル〕フェニル〕プロバ
ン2〜7モル%とイソフタル酸5〜13モル%共重合し
たポリエステル(A)と実質的にエチレンテレフタレー
ト単位からなるポリエステル(B)からなる複合繊維で
あることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の
長短複合紡績糸。
【0012】(4)前記長短複合紡績糸が、けん縮性コ
ンジュゲート短繊維の他に、天然繊維、セルロース系短
繊維を含んでなることを特徴とする前記(1)〜(3)
のいずれかに記載の長短複合紡績糸。
【0013】(5)熱収縮を異にする少なくとも2成分
のポリエステル重合体が並列的あるいは芯鞘的に接合し
たけん縮性コンジュゲートマルチフィラメント集合体
と、熱収縮性を異にする少なくとも2成分からなるコン
ジュゲート短繊維とを複合した長短複合紡績糸を長短複
合紡績糸をタテ糸およびヨコ糸に用いるか、もしくは該
長短複合紡績糸をタテ糸(またはヨコ糸)に用いるとと
もに、熱収縮を異にする少なくとも2成分のポリエステ
ル重合体が並列的あるいは芯鞘的に接合したけん縮性コ
ンジュゲートマルチフィラメント集合体をヨコ糸(また
はタテ糸)に用いて構成され、タテおよび/またはヨコ
方向に5〜25%の伸縮性を有することを特徴とする織
物。
【0014】(6)前記長短複合紡績糸およびけん縮性
コンジュゲートマルチフィラメント集合体が次式で示さ
れる撚り係数αが3,000〜20,000の実撚りを
有することを特徴とする前記(5)に記載の織物。
【0015】T=α・D-1/2 ただし、T:実撚り数(T/M) α:撚り係数 D:けん縮性コンジュゲートマルチフィラメント集合
、または長短複合紡績糸の繊度(dtex)
【0016】(8)前記長短複合紡績糸が、けん縮性コ
ンジュゲート短繊維の他に、天然繊維、セルロース系短
繊維を含んでなることを特徴とする前記(5)〜(7)
のいずれかに記載の織物。
【0017】(9)前記けん縮性コンジュゲートマルチ
フィラメント集合体がけん縮発現前に下記の特性を満足
することを特徴とする前記(5)〜(8)のいずれかに
記載の織物。 (10)弛緩熱処理により、前記けん縮性コンジュゲー
トマルチフィラメント集合体がけん縮発現されているこ
とを特徴とする前記(5)〜(9)のいずれかに記載の
織物。
【0018】(11)前記けん縮性コンジュゲートマル
チフィラメント集合体が中心部に糸軸方向に管状中空構
造を有することを特徴とする前記(5)〜(10)のい
ずれかに記載の織物。
【0019】
【0020】 切断伸度(TE):30%以下 収縮応力(TS):0.265cN/dtex以上
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の織物は、タテ糸および/
またはヨコ糸に、熱収縮性を異にする少なくとも2成分
のポリエステル重合体が並列的あるいは芯鞘的に接合し
たけん縮性コンジュゲートマルチフィラメント集合体
(以下単に、「けん縮性コンジュゲートマルチフィラメ
ント糸」という場合がある)と、上記けん縮性コンジュ
ゲートマルチフィラメント糸と同様に熱収縮性を異にす
る少なくとも2成分からなるコンジュゲート短繊維を複
合した紡績糸であって、そのヨコ糸またはタテ糸に上記
コンジュゲートマルチフィラメント糸を使用して構成
し、熱収縮性を異にする少なくとも2成分のポリエステ
ル重合体が並列的あるいは芯鞘的に接合したけん縮性コ
ンジュゲートマルチフィラメント糸および短繊維に3次
元けん縮を発現させることによって、織物を構成する糸
に繊維間空隙と伸縮性を持たせることにより、織物に軽
量感と伸縮性を実現させるものである。
【0022】以下に本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0023】本発明に用いられる織物のタテおよびヨコ
糸を構成する原糸について説明する。
【0024】タテ糸および/またはヨコ糸を構成する原
糸の一つは、熱収縮特性の異なる少なくとも2成分から
構成されるポリエステルコンジュゲートマルチフィラメ
ント糸とポリエステル短繊維の複合紡績糸であり、その
構成は少なくとも2種以上のポリエステル重合体が並列
的あるいは芯鞘的に接合したけん縮性コンジュゲートマ
ルチフィラメント糸と上記と同様のけん縮性コンジュゲ
ート短繊維である。もう一つは、けん縮性コンジュゲー
ト短繊維を含まない上記の熱収縮特性の異なる少なくと
も2成分から構成されるポリエステルコンジュゲートマ
ルチフィラメント糸単独からなるものであり、ポリエス
テル重合体が並列的あるいは芯鞘的に接合したけん縮性
コンジュゲートマルチフィラメント糸である。
【0025】前記複合紡績糸を織物のタテ糸に用いた場
合は、該けん縮性コンジュゲートマルチフィラメント糸
は織物のヨコ糸に用い、前記複合紡績糸を織物のヨコ糸
に用いた場合は、該けん縮性コンジュゲートマルチフィ
ラメント糸は織物のタテ糸に用いることができる。ま
た、前記複合紡績糸を織物のタテ糸およびヨコ糸に用い
た場合は、該けん縮性コンジュゲートマルチフィラメン
ト糸は織物のタテ糸あるいはヨコ糸に用いることができ
る。
【0026】本発明のコンジュゲートマルチフィラメン
ト糸は、弛緩熱処理によって螺旋状けん縮を発現する特
性を有することが重要である。そして、このような特性
を有するコンジュゲートマルチフィラメント糸を得るに
は、ポリエステルポリマーの特性、紡糸および延伸条件
等が重要である。
【0027】熱収縮性の異なる2成分のポリエステル重
合体としては、一方を低粘度ポリエステル成分とし、他
方を高粘度ポリエステル成分とするものが好ましく使用
される。ポリエチレンテレフタレートの場合、上記低粘
度ポリエステル成分の極限粘度は0.35〜0.55の
範囲、高粘度ポリエステル成分の極限粘度は0.65〜
0.85の範囲にすることが好ましい。低粘度ポリエス
テル成分の極限粘度が0.35未満であると溶融粘度が
低くなるため製糸が難しくなる。また、低粘度ポリエス
テル成分の極限粘度が0.55を超えるとコンジュゲー
トマルチフィラメントのけん縮発現力が乏しくなり、螺
旋状けん縮の発現能力が低下する。また、高粘度ポリエ
ステル成分の極限粘度が0.85を超えると溶融粘度が
高くなるため、紡糸・延伸が難しくなる。また、高粘度
ポリエステル成分の極限粘度が0.65未満であるとけ
ん縮発現力が乏しくなる傾向を示す。ここで用いるポリ
エステルとしては、ポリエチレンテレフタレートの他
に、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートを用いても良い。
【0028】低粘度ポリエステル成分と高粘度ポリエス
テル両者間の極限粘度成分差は0.20〜0.40の範
囲が好ましい。ただし、一方に共重合ポリエステル成分
を使用する場合は、両者成分の極限粘度差はさらに接近
させることが可能である。
【0029】ここで、極限粘度[η]は、温度25℃に
おいてオルソクロロフェノール溶液として求めたもので
ある。
【0030】ここで用いられるコンジュゲートマルチフ
ィラメント糸については、2種類のポリエステル重合体
を紡糸するに当り、低粘度ポリエステル成分と高粘度ポ
リエステル成分について好適な複合比がある。すなわ
ち、低粘度ポリエステル成分と高粘度ポリエステル成分
の複合比は、重量比で35〜65:65〜35が好まし
く、40〜60:60〜40がさらに好ましい。
【0031】また、コンジュゲートマルチフィラメント
糸の複合形態は、2成分を並列的あるいは芯鞘的配置し
たもののうちいずれの形態でもよいが、並列的形態の方
が潜在けん縮の発現力(コイル径が大きく、発現けん縮
数が多い)が高いので好ましい。この複合比と2成分の
配列形態は、コンジュゲート繊維の弛緩熱処理において
発現けん縮の螺旋状コイルの直径の大きさに関係し、コ
イル径の大きい方がストレッチ効果が大きい。
【0032】このようなけん縮性コンジュゲートマルチ
フィラメント糸を得るための紡糸速度は、通常1000
m/分以上の低速領域から、2500m/分以上の高速
領域のいずれでもよい。
【0033】紡糸された未延伸糸、半延伸糸の延伸は、
公知の延伸装置で延伸することが可能であり、未延伸
糸、半延伸糸の強伸度特性に対して得られる延伸糸の強
伸度レベル、毛羽の発生のない条件で、できるだけ延伸
糸の弛緩熱処理で大きい収縮応力が得られる条件を設定
することが望ましい。収縮応力の大きい方が、コンジュ
ゲートマルチフィラメント糸のけん縮発現能を高めるこ
とができ、それによって、後工程における織物の弛緩熱
処理で、けん縮発現による螺旋状コイルの中空構造が得
られる。コンジュゲートマルチフィラメント糸の切断伸
度は30%以下が高収縮応力特性が得られ好ましい。
【0034】延伸糸として、コンジュゲートマルチフィ
ラメント糸を構成する単繊維繊度は、1.1〜15dt
exが好ましく、より好ましくは2〜10dtexであ
る。1.1dtexより細い領域では現状の技術水準で
は製糸が難しい点もあるが、螺旋状コイル形成に限界が
あり、また15dtexより大きいと、螺旋構造のた
め、衣料用途ではストレート構造よりは柔らかいが、風
合いが硬くなる傾向を示す。
【0035】また、コンジュゲートマルチフィラメント
糸の収縮応力は高い方が潜在けん縮の発現を高めるため
好ましい。そのため、本発明では、収縮応力は0.26
cN/dtex以上とすることが好ましい。
【0036】この収縮応力の測定法は、常温から250
℃近辺まで加熱したときの収縮応力変化をUゲージ(歪
み計)で検出し、X,Yレコーダーに記録する。試長:
100mm、昇音速度:2.5℃/sec、初荷重:
(0.0882cN/dtex×2)で昇温する。チャ
ートから最大応力を読みとる(cNはセンチニュート
ン)。
【0037】また、本発明のコンジュゲートマルチフィ
ラメント糸の伸度特性としては、小さい方がよく、好ま
しくは35%以下、より好ましくは30%以下、さらに
好ましくは27%以下である。伸度と収縮応力は相関関
係にあり、収縮応力を大きくするには延伸時の温度を低
くし延伸倍率を高くして、収縮応力を大きく、そして伸
度を小さくする。
【0038】また、コンジュゲートマルチフィラメント
糸としては、単フィラメント自身が螺旋捲状けん縮構造
を有するマルチフィラメント糸を使用することによっ
て、織物に伸縮特性と高反発性の効果ををさらに高める
ことができる。このコンジュゲートマルチフィラメント
糸は他のマルチフィラメント糸と複合して使用しても良
い。特に極細糸や染色工程で自発伸長性を発現するもの
染色性が異なるものが好ましい。
【0039】次に、このけん縮性コンジュゲートマルチ
フィラメント糸と複合するけん縮性ポリエステルコンジ
ュゲート短繊維について説明する。前述したマルチフィ
ラメント糸と同様に、少なくとも2種のポリエステル成
分が並列的あるいは芯鞘的に接合し、熱収縮によって螺
旋状の3次元けん縮を発現する特性のポリマーの組み合
わせであれば、とくに限定されるものではない。ここで
は推奨される例として説明する。その第一のポリエステ
ル成分がイソフタール酸、2,2−ビス〔4−(2−ヒ
ドロキシエトシ)フエニル〕プロバン(以下、BHPP
と称する)等を第三成分として共重合したポリエステル
(A)、第二成分が実質的にエチレンテレフタレートを
主たる繰り返し単位とするポリエステル(B)からなる
複合繊維であって、180℃における無荷重下での熱処
理時に50コ/25mm以上の螺旋状けん縮を発現する
潜在けん縮性ポリエステル繊維である。共重合ポリエス
テル(A)は、BHPPまたはそのエステル形成誘導体
とイソフタール酸を用いて改質されたポリエチレンテレ
フタレート系共重合ポリエステルであることが好まし
い。
【0040】本発明におけるけん縮性コンジュゲート短
繊維のポリエステル(A)はBHHPの共重合割合が2
〜7モル%、イソフタール酸が5〜13モル%の共重合
を有するものがけん縮発現性、強度特性など物理的な面
で推奨される。また、ポリエステル成分(A)および
(B)の極限粘度〔η〕は0.45〜0.60および
0.55〜0.75の範囲で2種のポリマーの極限粘度
差が0.25以下にすることが紡糸、延伸の通過性とけ
ん縮発現を満足するために重要な条件である。
【0041】上記に示すけん縮性コンジュゲートマルチ
フィラメント糸および短繊維は丸断面に限定されるもの
でなく、三角〜八角の多葉断面でも良く、また中空断面
であっても良い。さらに短繊維を構成する成分としては
ポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステ
ル、イソフタール酸等を共重合させたポリエチレンテレ
フタレート系ポリエステル共重合の他に、第三の成分と
して、たとえば三葉断面の先端に5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸を共重合したポリエチレン系ポリエステル
で構成させたものでも良い。またそれぞれのポリマーに
セラミックス、艶消し剤、顔料等の配合についても構わ
ない。
【0042】次に、本発明におけるけん縮性ポリエステ
ルコンジュゲートマルチフィラメント糸とポリエステル
コンジュゲート短繊維との複合紡績糸について説明す
る。従来から、収縮差の異なるポリマーの組み合わせに
よるコンジュゲート繊維による短繊維布帛は、伸縮性の
効果を狙い開発され、特開平3−161519号公報の
例に示されるように、伸縮性不織布用に開発されている
が、これを使用して短繊維紡績糸としても十分な伸縮性
が得られない。また短繊維紡績糸による織物で伸縮性の
有する織物を得るため種々改良提案がされてきた。その
例として、特開平7−150429号公報に示される伸
縮性を有する紡績糸および織物はその伸縮性効果におい
て、従来の短繊維紡績糸では得られないレベルのもので
はあるが、スパンデックス複合糸使いや、コンジュゲー
トマルチフィラメント糸使用のものに比べレベルは低
く、伸縮レベル、回復性の性能的に用途展開に限界のあ
るものであった。また、コンジュゲート短繊維は両端が
切断され、紡績糸としての構成では毛羽として存在し両
端がフリーであるため、弛緩熱処理により繊維束の拘束
されていない両端でのけん縮発現によるコイル状(くる
くるとカールした)の毛玉状となり、織物表面で不均一
な欠点として大きな問題であった。これらの課題に対し
て種々検討した結果、伸縮性、回復性を大きくし、毛羽
数を減らして品位を改良するためには、コンジュゲート
短繊維による紡績糸にコンジュゲートマルチフィラメン
ト糸を複合することが最も効果的であることを見だし本
発明に到達した。
【0043】本発明における複合紡績糸はけん縮性ポリ
エステルコンジュゲート短繊維とけん縮性ポリエステル
マルチフィラメント糸が実撚りを有して複合されている
形態のものであり、それぞれの間に撚り数の異なる状態
で複合されたものを包含する。
【0044】複合形態の様態としては、けん縮性コンジ
ュゲート短繊維の粗糸を紡績工程の精紡機でドラフトし
てフロントローラーから送り出されると同時にスピンド
ルとリング状のトラベラーの回転によって撚りが挿入さ
れるが、この精紡機のフロントローラからコンジュゲー
ト短繊維の粗糸に合わせてけん縮性ポリエステルマルチ
フィラメント糸を同時に紡出することにより得られる複
合撚糸形態のように、短繊維とフィラメント糸が同一の
撚り方向とほぼ同一の撚り数で複合される形態が最も代
表的である。この場合、けん縮性コンジュゲートマルチ
フィラメント糸の張力レベルにより、コンジュゲート短
繊維が比較的外周に位置し、コンジュゲトフィラメント
糸が内側に位置する形態をとる場合、これとは反対に短
繊維が内側に、マルチフィラメント糸が外周に位置する
形態をとる様態がある。
【0045】この二様態においては、前記の場合弛緩熱
処理により糸軸の長さ方向の中心部に管状の中空構造を
とりやすいが、短繊維の毛羽が発生しやすい現象があ
り、後者の場合は、前者と逆に短繊維の毛羽は少なく、
中空構造になりにくい傾向がある。これは、織物の効果
において、前者は軽量で伸縮性が大きく、表面の短繊維
紡績糸の特徴である糸ムラによる自然な表面感が得られ
るが、毛羽両端がフリーであるため織物組織によっては
毛羽の両端にピル状欠点がでやすくなる。後者は前者に
比べ、軽量、伸縮性、および自然な表面感は若干減少す
るが、短繊維織物に比べてそれぞれの効果はきわめて優
れるものである。
【0046】複合形態のもう一つは、けん縮性コンジュ
ゲート短繊維の紡績糸を合糸撚糸あるいは他の糸と交撚
する場合のように、精紡で得られたコンジュゲート短繊
維の紡績糸とけん縮性コンジュゲートマルチフィラメン
ト糸を合わせて複合撚糸して得られる形態である。この
場合、短繊維紡績糸の元よりと複合撚糸時に挿入する撚
りの方向と撚り数によって形態的様態で異なる特徴を示
す。この複合紡績糸の要件としては複合糸の実撚り数が
重要であり、長短複合紡績糸が次式で示される撚り係数
αが3,000〜20,000の実撚りを有する。
【0047】T=α・D-1/2 ただし、T:実撚り数(T/M) α:撚り係数 D:長短複合紡績糸の繊度(dtex) ここで、撚り係数αが3,000より小さいと、コンジ
ュゲートマルチフィラメント糸の十分なけん縮発現効果
が得られない。また、20,000を超えるとけん縮性
マルチフィラメント糸およびけん性コンジュゲート短
繊維の十分なけん縮発現効果が得られない。撚り係数α
の最も効果的な領域は8,000〜15,000が複合
紡績糸の弛緩熱処理によるけん縮発現によって、短繊
維、マルチフィラメント間の間の空隙が大きく、軽量、
伸縮性効果の得られる形態となる。また、撚り数の高い
領域ではビリが発生しやすいので、撚り止めセットを必
要とするが、セット温度はできるだけ低い目に設定す
る。撚りトルクの状態を確認してセット条件を決める。
できるだけ湿熱による高温は避ける方が良く、通常使用
されるライドンボックスのような乾熱を熱媒体とする方
式で、時間を長めにとる方が好ましい。
【0048】ここで、複合紡績糸を構成する短繊維の種
類としては、けん縮発現を有するポリエステルコンジュ
ゲート短繊維100%でなくても良く、40重量%以上
有ればよい。40%重量以上で有れば、コイル状のけん
縮発現によるストレッチ性、軽量付与効果がある。この
ポリエステルコンジュゲート短繊維と混紡する原綿とし
てはポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維、
レーヨン、ポリノジックなどの再生繊維、さらには綿、
羊毛等の天然繊維でも良く、さらに推奨される品種とし
ては、羊毛、アクリルコンジュゲート繊維など本発明の
基本となるポリエステルコンジュゲート短繊維と同様に
3次元けん縮を発現して収縮するものが良く、レーヨン
のように水膨潤型繊維が染色過程で3次元けん縮発現に
よい効果を持たせるので非常に好ましい。また、染色加
工工程で溶出する特性の原綿を混紡することによってさ
らにコンジュゲートけん縮の発現に効果をもたらすので
好ましい。溶出型の繊維としては一般に公知である水溶
性ビニロンが染色過程で化学的反応をともなはないので
より好ましい。
【0049】また、緯糸または経糸に使用するけん縮性
コンジュゲートマルチフィラメント糸が次式で示される
撚り係数αが3,000〜20,000の実撚りを有す
ることが好ましい。
【0050】T=α・D-1/2 ただし、T:実撚り数(T/M) α:撚り係数 D:コンジュゲートマルチフィラメント糸の繊度(dt
ex) ここで、撚り係数αが3,000より小さいと、コンジ
ュゲートマルチフィラメント糸の十分なけん縮発現効果
が得られない。また、20,000を超えるとけん縮性
マルチフィラメント糸の収束性により、十分なけん縮発
現が得られず、3次元螺旋状構造発現による伸縮性、空
隙構造による軽量効果が得られない。αの最も効果的な
領域は8,000〜15,000が弛緩熱処理によるけ
ん縮発現によって、マルチフィラメントに上記3次元螺
旋状構造発現による空隙が大きく、軽量、伸縮性効果の
得られる形態となる。
【0051】次に、ポリエステルコンジュゲートマルチ
フィラメント糸およびポリエステルコンジュゲート短繊
維のけん縮発現を容易にするため、製織工程での要件に
ついて説明する。
【0052】ポリエステルコンジュゲートマルチフィラ
メント糸とコンジュゲート短繊維との複合紡績糸をタテ
糸に使用するときは製織工程の通過性良くするため、糊
付けを必要とするが、サイジング、乾燥条件において、
毛羽伏せを目的に温度は極力低温で実施する。特に短繊
維ステープルが糸表面に巻き付く形態の複合糸に重要で
ある。
【0053】織物組織は軽量効果の目的には平組織需要
であるが、密度が多いとストレッチ性が得られないので
織物のタテ糸、ヨコ糸のカバーファクターを十分計算し
設計する。またサテンなど組織点の少ないサテン組織の
ように糸の拘束力の少ない組織ではストレッチ性を得る
ために好ましいが、重量がつきやすいので、密度で調整
をする。
【0054】本発明においては、長短複合紡績糸をタテ
糸および/またはヨコ糸に、上記コンジュゲートマルチ
フィラメント糸をヨコ糸またはタテ糸に用いて構成され
るものである。すなわち、長短複合紡績糸をタテ糸に用
いた場合には、コンジュゲートマルチフィラメント糸を
ヨコ糸に、長短複合紡績糸をヨコ糸に用いた場合には、
コンジュゲートマルチフィラメント糸をタテ糸に用いる
ものである。また、長短複合紡績糸をタテ糸およびヨコ
糸に用いた場合には長短複合紡績糸100%使いという
ことである。
【0055】また、本発明において、タテおよびヨコ方
向に5〜25%の伸縮性を有するものである。 伸縮性
の測定法については後述する。タテ・ヨコ長短複合紡績
糸100%使い、もしくはタテ、ヨコいずれかにコンジ
ュゲートマルチフィラメント糸を使用したものは、いず
れもタテ・ヨコ方向に伸縮性を有する2wayストレッ
チ織物である。
【0056】本発明においては、伸縮性はタテおよびヨ
コ方向に有することが好ましいが、タテまたはヨコのい
ずれか一方が伸縮性を有していてもよい。
【0057】次に染色加工工程は一般的なリラックス、
中間セット、アルカリ減量、染色、仕上げセットによる
通常条件で実施可能である。加工工程では織物にストレ
ッチ性を付与し、ふくらみ、反発性など軽量、仕立て映
え効果に寄与するために染色工程の前工程がきわめて重
要である。すなわち、リラックス工程条件が決め手にな
る。また織物の品位にも大きく影響するため、皺を入れ
ないように、拡布状態で精錬リラックスを行ってから液
流リラックスでけん縮発現を十分にさせることがよい。
羊毛混のものはウール工程によるものが望ましく、レー
ヨン、天然繊維はアルカリ使用は好ましくなく、染色温
度も十分注意が必要である。アルカリ減量可能な組み合
わせの織物はアルカリ減量の後揉み効果を強めて加工す
ることによりけん縮発現効果を高められ、水系溶出性繊
維複合の場合はリラックス工程で溶出後次の工程でけん
縮発現揉み工程を入れて、けん縮発現を大きくすればよ
い。 ここに、本発明におけるコンジュゲートマルチフ
ィラメント糸の撚糸構造体およびマルチフィラメント糸
とコンジュゲート短繊維複合紡績糸において、螺旋状マ
ルチフィラメント集合体を有する螺旋状スパイラルけん
縮からなる織物の形態概念は試作した織物サンプルにつ
いて、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡で染色仕上
げ後の織物の断面、該織物から解いた糸(マルチフィラ
メント集合体)の側面を拡大し、撮影することにより可
能である。
【0058】タテ糸とヨコ糸の拘束力を受けても仕上工
程のリラックスで螺旋状スパイラル捲縮を発現させるた
めには、コンジュゲートマルチフィラメント糸の収縮応
力は高い方が潜在捲縮の発現を高めるため好ましい特性
である。収縮応力は前述のように0.265cN/dt
ex以上とすることが好ましい。
【0059】<伸縮性測定はJIS L1096(一般
織物試験方法)における「伸縮織物の伸縮性」評価法で
あるA法(定速伸長法)に準じ、荷重を1.8kgで測定
した値で示す。> なお、本発明において、伸長率の測定は、タテ方向の伸
長率は織物のヨコ方向に幅5.5cm×長さ方向に30
cmの試料を3枚採取し幅の両側から同数のヨコ糸を取
り去り5cmとし、その後、自記記録装置付き定速伸長
型引張試験機を用い、つかみ間隔を20cmLとし、5
cm×1mの大きさの試料の重さと同等の初過重をかけ
てつかみに固定する。次に引張速度20cm/minで
1.8kgまで引伸ばし、その時のつかみ間隔L1をは
かり、次の式により伸長率(%)を求め、3枚の平均値
で表す。織物のタテ方向の伸長率は試料として織物の長
さ方向に幅5.5cm×幅方向に30cmにカットす
る。
【0060】 伸長率(%)={(L1−L)/L}×100 サンプルの幅、長さが規定長にない場合でも正確さは欠
くがストレッチ性を評価することは可能である。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (実施例、比較例)熱収縮けん縮コンジュゲート短繊維
に、ポリエステル成分(A)としてエチレンテレフタレ
ートを主成分とし、IPA7.1モル%および2,2−
ビス〔4−(2−ヒドロキシエトシ)フエニル〕プロバ
ン(以下、BHPPと称する)4.4モル%とを共重合
したポリエステルと、第二成分にポリエチレンテレフタ
レート(B)を用いて、50/50の比率で溶融紡糸
し、延伸、切断して2.2dtex×51mm、機械け
ん縮数14コ/25mmのサイド・バイ・サイド型コン
ジュゲートステープルを得た。180℃における無荷重
下での熱処理時の発現けん縮数は58コ/25mmであ
った。この短繊維を通常の紡績条件により粗糸を作成し
精紡機にかけた。
【0062】フロントローラーから出る延伸された短繊
維フリースに合流して、コンジュゲートマルチフィラメ
ント糸として極限粘度が0.47のポリエチレンテレフ
タレート100%からなる低粘度成分と、極限粘度が
0.75のポリエチレンテレフタレートからなる高粘度
成分とを、重量複合比50:50で並列型に貼り合わせ
たコンジュゲートマルチフィラメント未延伸糸を紡糸し
た後、通常の延伸機により延伸を行い、収縮応力は0.
38cN/dtexの55dtex−12フィラメント
を製造した原糸を供給し、撚り係数α=8,300で3
0s(191dtex相当)紡績した。引き続き撚り止
めセットを60℃×20分で行ったものを使用しタテ密
度67本/2.54cmの計算で整経した。
【0063】また、ヨコ糸については上記複合紡績糸に
使用したコンジュゲートマルチフィラメント糸55dt
ex−12フィラメントを使用した。このマルチフィラ
メント糸を用い、2本合糸後ダブルツイスターでZ撚に
1200T/m追撚を施した。次いで、80℃で40分
間真空スチームセットにより撚止めセットを行った。8
1本/2.54cmのヨコ密度で平織り製織し生機を作
成し、得られた生機を、染色加工した。精練リラックス
工程としてソウサー機を拡布状態で60〜100℃処理
した後、液流染色機で120℃でリラックスを行い、引
き続き乾燥、中間セットの後、連続方式で15%目標に
アルカリ減量を行った、その次に液流染色機で130℃
染色、乾燥、仕上セットを行った。
【0064】また比較として、通常のセミダルタイプの
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を使
用し、ダブルツイスターでSおよびZ撚に110dte
x96フィラメント糸に1200T/mにそれぞれ追撚
を施した。次いで、85℃で40分間真空スチームセッ
トにより撚止めセットを行った。このセット糸を用い前
述タテ糸のヨコ糸としてW.J.Lを用いSおよびZ撚
り2本交互に81本/2.54cmのヨコ密度で平織り
製織し生機を作成し、得られた生機を、染色加工した。
【0065】染色加工は、ワッシャーで60〜100℃
で糊抜き精練しつつ解撚、しぼ立てを120℃で連続的
に行い、次いで乾燥、中間セットの後、連続方式で15
%目標にアルカリ減量を行った、その次に液流染色機で
130℃染色、乾燥、仕上セットを行った乾燥、中間セ
ットの後、連続方式で15%目標にアルカリ減量を行っ
た、その次に液流染色機で130℃染色、乾燥、仕上セ
ットを行った。仕上げ条件はタテ・ヨコの密度は本発明
と比較品と同様に80本/2.54cm×93本/2.
54cmとした。
【0066】得られた織物は、本発明の緯糸にコンジュ
ゲートマルチフィラメント糸に実撚りを施して得られた
ものはいずれも表面タッチはタテ糸の異収縮差によるソ
フトなタッチを有し、芯のないマイルドなふくらみで、
従来と全く異なる反発性の、軽量感を持ち、タテ方向1
0%、ヨコ方向に15%のストレッチ性を有する高級感
の仕立て映えが期待できる品質のものであった。これに
対して比較例の通常のポリエステルマルチフィラメント
糸に実撚りを入れて得られた織物は、表面のしぼ効果は
実施例に対して大きいものも、ふくらみ感は芯のあるタ
ッチでペーパーライクなドレープ性が大きく、反発性に
欠ける物で重量感の感じるものであった。またタテ・ヨ
コ方向に全くストレッチ性がないため縫製仕立て映えに
かけるものであった。実施例の織物は比較例に比べて軽
く感じ、得られた織物の経糸・緯糸について走査型顕微
鏡で構造を確認した結果、実施例はタテ・ヨコに螺旋状
に収縮し、糸軸方向に中空管状構造を有し、比較例はタ
テ方向に少し見られるものの横方向には存在が確認され
なかった。
【0067】
【発明の効果】熱収縮によるけん縮性コンジュゲート短
繊維と同マルチフィラメント糸との複合紡績糸と実撚り
を有する熱収縮によるけん縮性コンジュゲートマルチフ
ィラメント糸からなる、螺旋状けん縮糸で構成している
ため、その複合効果として従来のマルチフィラメント糸
の強撚糸を使用した織物に比べ、表面感の上品な、芯の
ないふくらみとソフトなタッチおよび張り腰に優れた軽
量化を有するとともに、適度なタテ、ヨコ方向に伸縮性
を有するため、シャツ、ブラウス、ドレスなどの軽衣料
用途分野さらにはスーツやジャケットの外衣分野で縫製
仕立て映え性の特徴を発揮することができ、快適な着用
感が得られ、ゴルフやウォーキングなどのスポーツカジ
ュアル用途、介護衣料や、介護する人のワーキングウエ
ア用途に適用でき、かつ安価に製造きることから新しい
用途への展開が期待される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−247758(JP,A) 特開 平11−43835(JP,A) 特開 平7−292534(JP,A) 特公 昭47−2767(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D01F 8/14 D03D 15/00 - 15/12

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱収縮を異にする少なくとも2成分のポリ
    エステル重合体が並列的あるいは芯鞘的に接合したけん
    縮性コンジュゲートマルチフィラメント集合体と、熱収
    縮性を異にする少なくとも2成分からなるけん縮性コン
    ジュゲート短繊維とを複合してなることを特徴とする長
    短複合紡績糸。
  2. 【請求項2】前記長短複合紡績糸が次式で示される撚り
    係数αが3,000〜20,000の範囲の実撚を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の長短複合紡績糸。 T=α・D-1/2 ただし、T:実撚り数(T/M) α:撚り係数 D:長短複合紡績糸の繊度(dtex)
  3. 【請求項3】前記けん縮性コンジュゲート短繊維が、
    2,2〔4−(2−ヒドロキシエトキシル〕フェニル〕
    プロバン2〜7モル%とイソフタル酸5〜13モル%共
    重合したポリエステル(A)と実質的にエチレンテレフ
    タレート単位からなるポリエステル(B)からなる複合
    繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    長短複合紡績糸。
  4. 【請求項4】前記長短複合紡績糸が、けん縮性コンジュ
    ゲート短繊維の他に、天然繊維、セルロース系短繊維を
    含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の長短複合紡績糸。
  5. 【請求項5】熱収縮を異にする少なくとも2成分のポリ
    エステル重合体が並列的あるいは芯鞘的に接合したけん
    縮性コンジュゲートマルチフィラメント集合体と、熱収
    縮性を異にする少なくとも2成分からなるコンジュゲー
    ト短繊維とを複合した長短複合紡績糸をタテ糸およびヨ
    コ糸に用いるか、もしくは該長短複合紡績糸をタテ糸
    (またはヨコ糸)に用いるとともに、熱収縮を異にする
    少なくとも2成分のポリエステル重合体が並列的あるい
    は芯鞘的に接合したけん縮性コンジュゲートマルチフィ
    ラメント集合体をヨコ糸(またはタテ糸)に用いて構成
    され、タテおよび/またはヨコ方向に5〜25%の伸縮
    性を有することを特徴とする織物。
  6. 【請求項6】前記長短複合紡績糸およびけん縮性コンジ
    ュゲートマルチフィラメント集合体が次式で示される撚
    り係数αが3,000〜20,000の実撚りを有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の織物。 T=α・D-1/2 ただし、T:実撚り数(T/M) α:撚り係数 D:けん縮性コンジュゲートマルチフィラメント集合
    、または長短複合紡績糸の繊度(dtex)
  7. 【請求項7】前記けん縮性コンジュゲート短繊維が、
    2,2〔4−(2−ヒドロキシエトキシル〕フェニル〕
    プロバン2〜7モル%とイソフタル酸5〜13モル%共
    重合したポリエステル(A)と実質的にエチレンテレフ
    タレート単位からなるポリエステル(B)からなる複合
    繊維であることを特徴とする請求項5または6に記載の
    織物。
  8. 【請求項8】前記長短複合紡績糸が、けん縮性コンジュ
    ゲート短繊維の他に、天然繊維、セルロース系短繊維を
    含んでなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに
    記載の織物。
  9. 【請求項9】前記けん縮性コンジュゲートマルチフィラ
    メント集合体がけん縮発現前に下記の特性を満足するこ
    とを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の織物。 切断伸度(TE):30%以下 収縮応力(TS):0.265cN/dtex以上
  10. 【請求項10】弛緩熱処理により、前記けん縮性コンジ
    ュゲートマルチフィラメント集合体がけん縮発現されて
    いることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の
    織物。
  11. 【請求項11】前記けん縮性コンジュゲートマルチフィ
    ラメント集合体が中心部に糸軸方向に管状中空構造を有
    することを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載
    の織物。
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