JPH0996261A

JPH0996261A - 車両用エアクリーナ

Info

Publication number: JPH0996261A
Application number: JP25587895A
Authority: JP
Inventors: Keisuke Maruo; 啓介丸尾
Original assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Current assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Priority date: 1995-10-03
Filing date: 1995-10-03
Publication date: 1997-04-08
Anticipated expiration: 2015-10-03
Also published as: JP3418487B2

Abstract

(57)【要約】【課題】エレメント表面積を大きくしてろ過能力を向
上させ且つメンテナンスを容易にできる車両用エアクリ
ーナを提供する。【解決手段】車両用エアクリーナ３のクリーナ本体２
０内に装着するエレメント７をＬ字形に形成し、その内
側をダーティサイド３ｂに、その外側をクリーンサイド
３ａに向けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は車両用エアクリーナ
に関し、特にそのエレメントの形状に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般の内燃機関を用いた車両には、吸入
した空気を清浄化するためにエアクリーナが用いられて
いる。このエアクリーナは、クリーナ本体内にろ材から
なるエレメントを装着するものである。このようなエレ
メントは、空気の流通抵抗を低くしてろ過効率を増すた
めに、その表面積をなるべく大きくとることが望まし
い。また、クリーナ本体の容積も性能上なるべく大きく
することが望ましく、さらにこの場合、エレメントの上
流側（ダーティサイド）の容積よりもエンジンに近い下
流側（クリーンサイド）の容積を大きくして、なるべく
エンジンへの吸気抵抗を小さくし出力向上を図ることが
望ましい。

【０００３】一方、従来、自動二輪車等において、車両
走行時に前方からの走行風を、吸気通路内に取入れ通路
内圧力を大気圧より高くし（この圧力をラム圧とい
う）、このラム圧を気化器のベンチュリーに導入すると
共に吸気通路から分岐させたエアベント通路を介して前
記気化器のフロートチャンバにも導入して、ベンチュリ
ーとフロートチャンバにラム圧をかけるようにした気化
器のエアベント装置が開発されている。このようなラム
圧をかけることにより、高密度混合気が過給され、エン
ジンの混合気充填効率が向上し、高速走行時の出力向上
が図られる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のエアクリーナの
エレメント形状は、これを収容するクリーナ本体の形状
により制約をうけ、また、そのクリーナ本体も周辺部材
のレイアウトの制約を受け、特に自動二輪車ではスペー
ス的な制約が大きく、エアクリーナのエレメントの表面
積を確保しにくかった。このように表面積が小さいと、
吸入空気の通過流速が増加し、ダストが通過し易くなっ
て、ろ過能力が低下すると共に、メンテナンス回数が増
加する等の不都合を生じる。

【０００５】また、従来エレメントを屈曲させて表面積
を増した構成もみられるが（特開昭５８−２００７１号
公報、特開昭６１−２７５５６２号公報）、これらの公
報記載技術は、部品やシールのレイアウト構成の改良に
係るものであり、これらの従来技術においても、部品等
の配置スペースの制約のため、クリーナ容積を充分有効
に利用してエンジンへの吸気抵抗を小さくし出力向上を
図る配置とならず、またメンテナンスも面倒なものであ
った。

【０００６】また、従来のエアベント装置を備えた自動
二輪車においては、エアベント通路がエアクリーナを迂
回して気化器に接続され、通路抵抗が増加して過給圧を
低下させる原因となる場合があった。

【０００７】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなさ
れたものであって、エレメント表面積を大きくし、且つ
設置スペース内でろ過能力を向上させると共にメンテナ
ンス性を向上させた車両用エアクリーナの提供を目的と
する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る車両用エアクリーナは、クリーナ本体
内にエレメントを装着する車両用エアクリーナにおい
て、前記エレメントを、Ｌ字形に形成し、その内側をダ
ーティサイドに、その外側をクリーンサイドに向けたこ
とを特徴とする。

【０００９】また、本発明の好ましい実施例において
は、クリーナ本体をロアケースとアッパーケースとで構
成し、ロアケース内に前記Ｌ字形のエレメントを収容
し、このロアケースは、エアベント通路を避けるための
凹部を有するように構成したものである。

【００１０】

【作用】吸入されたダストを含む空気は、表面積の大き
なＬ字形エレメントを低い流速で通過して、ダストが確
実にろ過される。このとき、空気はＬ字形エレメントの
内側のダーティサイドからエレメントを通り清浄化され
て外側のクリーンサイドに向い、エンジンに供給され
る。Ｌ字形の外側は内側に比べスペースを広くとること
ができる。従ってエンジン側の吸気抵抗を小さくして円
滑な吸気作用を達成することができる。

【００１１】

【実施例】図１は、本発明の実施例の基本構成を示す説
明図である。この実施例はエアベント装置を備えた自動
二輪車を示す。エンジンに混合気を供給する気化器２に
吸入空気を除塵するためのエアクリーナ３が接続され
る。

【００１２】このエアクリーナ３は、アッパーケース８
とロアケース１０とからなるクリーナ本体２０により構
成される。このクリーナ本体２０内にＬ字形断面のスポ
ンジ状ろ材からなるエレメント７が装着される。

【００１３】エアクリーナ３のロアケース１０には入口
９を介して吸気通路６が接続される。

【００１４】クリーナ本体２０はエレメント７を境にし
て空気取入れ側であるダーティサイド３ｂが入口９にお
いて吸気通路６に連通され、空気出口側であるクリーン
サイド３ａが気化器２のベンチュリー（図示しない）に
連通される。この気化器２はダウンドラフト型に構成さ
れ、エンジン１に混合気を供給するもので、そのフロー
トチャンバ（図示しない）はエアベント通路４を介して
吸気通路６に連通される。この吸気通路６は、その開口
端が前方に向けられ、走行風を取入れて大気圧より高圧
のラム圧を作り出すラム室を構成する。また、前記エレ
メント７は、表面積を大きくするため、Ｌ字形に形成さ
れ、その内側にダーティサイド３ｂが形成され、その外
側にクリーンサイド３ａが形成される。このＬ字形エレ
メント７によれば、表面積が大きいため走行風の通過流
速が減少し、ダストを捕集し易くなって、ろ過能力が向
上すると共に、メンテナンス回数を減少させることがで
きる。

【００１５】また、Ｌ字形エレメント７の外側にクリー
ンサイド３ａを形成し、内側にダーティサイド３ｂを形
成しているため、エンジン１に連通する側のクリーンサ
イド３ａの容積を大きくとることができ、吸気抵抗を効
果的に減少させることができる。

【００１６】このような構成の気化器のエアベント装置
によれば、自動二輪車の走行時には、前方からの走行風
は吸気通路６に導入され、ラム圧としてエアクリーナ３
を通って気化器２のベンチュリーに送られると共に、エ
アベント通路４を通って気化器２のフロートチャンバに
送られる。

【００１７】これにより、気化器２のベンチュリーとフ
ロートチャンバばラム圧となって、高密度混合気がエン
ジン１に過給され、ラム圧以下の大気圧の場合よりも、
エンジン１の出力が上昇する。

【００１８】図２は本発明に係るエアクリーナ３のさら
に具体的な実施の態様を示す平面図、図３はその正面か
ら見た断面図、図４はそのロアケースの平面図、図５は
図４のＶ−Ｖ線断面図である。この例においては、クリ
ーナ本体２０はロアケース１０とアッパーケース８とで
構成され、ロアケース１０には、本実施例では、吸気通
路６を左右両側に配置し、空気を取り入れる入口９が左
右に２つ設けられる。また、ロアケース１０には気化器
２へ清浄な空気を送るための出口１１が４つ設けられ
る。このロアケース１０には、図５に示すように、エア
ベント通路４を避けるように中央に凹部１３が形成され
る。このロアケース１０内にＬ字形のエレメント７がそ
の内側をダーティサイド３ｂに、その外側をクリーンサ
イド３ａに向けて収容される。このエレメント７は、後
述のように、小さな型にろ材のスポンジを入れ、その後
樹脂を流し込んで樹脂の枠とろ材とを一体成形するイン
サート成形により作られる。この場合、型は、Ｌを伸ば
した平らな状態のエレメントとして成型される。従っ
て、Ｌ字のままの成型に比べ製品の深さが浅くできるの
で型の成型部分も単純で小型にできる。このエレメント
７は、図６の表面図及び図７の裏面図に示すように、上
片７ａおよび下片７ｂからなり、上下各片７ａ，７ｂは
薄肉ヒンジ部１４を介して連結される。エレメント７は
ヒンジ部１４により折れ線Ｌ−Ｌに沿ってＬ字形に折曲
げて使用する。このＬ字形のエレメント７を装着する場
合、まず、その下片７ｂの下端をロアケース１０に設け
られた溝１５に挿入し、Ｌ字形に折り曲げた上片７ａを
ロアケース１０の上縁１６に沿って嵌め込み、その後ア
ッパーケース２８で押える構成である。

【００１９】このような構成においては、エアクリーナ
のろ過能力が低下したときはアッパーケース８を外すだ
けで、エレメント７を取り出すことができ、メンテナン
スが容易である。

【００２０】また、取り出したエレメント７は交換ある
いは洗浄されるが、洗浄の場合は、平板の状態に戻して
行うことができ、洗浄を簡単に行うことができる。

【００２１】図中、１２はバックファイア防止用ネット
である。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、Ｌ字形のエレメントを、その内側をダーティサイド
に、その外側をクリーンサイドに向けたので、表面積を
大きくすることができ、且つクリーンサイドの容積をダ
ーティサイドの容積より大きくすることが可能となり、
ろ過能力を向上させることができると共に、メンテナン
ス回数を減少させることができる。また、エアクリーナ
のクリーナ本体をロアケースとアッパーケースとで構成
し、Ｌ字形エレメントを収容するロアケースに、エアベ
ント通路を避けるための凹部を形成したので、エアベン
ト通路のレイアウトに支障をきたすことなく、エアクリ
ーナのろ過機能を十分満足させるものとすることがで
き、且つシンプルな配管構成のエアベント通路でエアベ
ント機能を効果的に達成することができる。

【００２３】また、ヒンジ部を介して折曲げ可能構造と
すれば、インサート成形の金型構造を簡単にしてコスト
の低減が図られるとともに、メンテナンス時に平板状に
戻すことができ取扱性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の基本構成説明図である。

【図２】本発明に係るエアクリーナのさらに具体的な
実施の態様を示す平面図である。

【図３】図２のエアクリーナの断面図である。

【図４】図２のエアクリーナのロアケースの平面図で
ある。

【図５】図４のＶ−Ｖ線断面図である。

【図６】図２のエアクリーナのエレメントの表面図で
ある。

【図７】図６のエレメントの裏面図である。

【符号の説明】

３：エアクリーナ、３ａ：クリーンサイド、３ｂ：ダー
ティサイド、４：エアベント通路、７：エレメント、
８：アッパーケース、１０：ロアケース、１３：凹部、
２０：クリーナ本体。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】クリーナ本体内にエレメントを装着する
車両用エアクリーナにおいて、前記エレメントを、その
断面をＬ字形に形成し、その内側をダーティサイドに、
その外側をクリーンサイドに向けたことを特徴とする車
両用エアクリーナ。
【請求項２】前記クリーナ本体をロアケースとアッパ
ーケースとで構成し、ロアケースに前記Ｌ字形のエレメ
ントを収容し、このロアケースは、エアベント通路を避
けるための凹部を有することを特徴とする請求項１に記
載の車両用エアクリーナ。