JPH0994983A - プリンタ装置 - Google Patents

プリンタ装置

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JPH0994983A
JPH0994983A JP7254250A JP25425095A JPH0994983A JP H0994983 A JPH0994983 A JP H0994983A JP 7254250 A JP7254250 A JP 7254250A JP 25425095 A JP25425095 A JP 25425095A JP H0994983 A JPH0994983 A JP H0994983A
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JP
Japan
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ink
print
print head
temperature
head
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Application number
JP7254250A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Narishima
俊夫 成島
Koichiro Kakinuma
孝一郎 柿沼
Shinichiro Mikami
慎一郎 三上
Junko Ikegami
淳子 池上
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリントヘッドの温度変化や環境温度変化に
よっても、実質解像度が下がることなく、また印画諧調
レベルも正確にできて均一な品質の印画を可能とする。 【解決手段】 CPU5は、温度センサ40にて検出し
た温度に基づいて、印画すべき画像データを補正し、こ
の補正した画像データから印画データ信号を生成する。
この補正後の印画データ信号からプリントヘッド16の
ヘッド駆動用のヘッド印加信号を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙上のインク
ドット径或いはインクと希釈液との混合濃度を変化させ
て中間調を表現することが可能なプリンタ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のプリンタ装置として、いわゆるオ
ンデマンド型インクジェットプリンタは、記録信号に応
じてインク液滴をノズルより吐出し、紙やフィルムなど
の記録媒体に記録するプリンタであり、小型化,低コス
ト化が可能なため近年急速に普及しつつある。
【0003】一方、近年は、特にオフィスにおいてディ
スクトップパブリッシングと呼ばれるコンピュータを用
いた文書作成が盛んに行われるようになっているが、最
近では文字や図形だけでなく写真等のカラーの自然画像
を文字や図形と共に出力するという要求が増加してきて
いる。このように高品位な自然画像をプリントするため
には中間調の再現が重要である。
【0004】このオンデマンド型インクジェットプリン
タに使用されるインクジェットプリントヘッド(以下、
プリントヘッドと呼ぶ)においては、インク液滴を吐出
するための方式として、例えばピエゾ素子等の電歪振動
子を用いる方式や、発熱素子を用いる方式が一般に使用
されている。
【0005】上記ピエゾ素子等の電歪振動子の変位を利
用したプリントヘッドは、当該ピエゾ素子を変形させて
インクに圧力を与えることにより、ノズルからインク液
滴を吐出させるものである。
【0006】ここで、上記ピエゾ素子等の電歪振動子の
変位を利用したプリントヘッドとしては、従来より、例
えばいわゆる振動子円筒型、振動子平板型、ステメ型等
の構成が存在する。
【0007】例えば、上記振動子円筒型のプリントヘッ
ドは、図18に示すように、ガラス等からなる円管50
1と、当該円管501の側面に取り付けられる円筒状の
電歪振動子507と、円管501の管内部からなるもの
であってインクが充填されるインク室505と、当該イ
ンク室505内に充填されるインクが供給されるインク
供給口504と、上記インクをインク液滴509として
吐出するためのノズル503及びオリフィス部506
と、上記電歪振動子507に印加する電圧を発生する電
圧発生器507とを有してなり、上記電圧発生器502
からの電圧を上記電歪振動子507に印加することで生
ずるインク室505内の体積変化によって、インク液滴
509を吐出させるようにする。
【0008】また例えば、振動子平板型のプリントヘッ
ドは、図19に示すように、平板型の電歪振動子517
と、当該平板型電歪振動子517と接着されていわゆる
バイモルフ素子を形成する振動板518と、当該バイモ
ルフ素子を備えたノズルユニット511と、当該ノズル
ユニット511の内部からなるインク室515と、当該
インク室515に充填されるインクが供給されるインク
供給口514と、上記インクをインク液滴519として
吐出するためのノズル513とオリフィス部516と、
上記バイモルフ素子に印加する電圧を発生する電圧発生
器512とを有してなり、上記電圧発生器512からの
電圧を上記バイモルフ素子に印加することで生ずるイン
ク室515内の体積変化によって、インク液滴519を
吐出させるようにする。
【0009】さらに例えば、ステメ型(2室型)のプリ
ントヘッドは、図20に示すように、例えば平板型の電
歪振動子527と、当該電歪振動子527と接着されて
いわゆるバイモルフ素子を形成する振動板528と、当
該バイモルフ素子を備えたノズルユニット521と、イ
ンクが充填されると共に上記バイモルフ素子の駆動によ
って当該充填されたインクに圧力がかけられる圧力室5
25と、インクを供給するためのインク供給口524
と、上記圧力室525に繋がると共に上記インク供給口
524からのインクが通るインク供給路530と、上記
インク供給路530に充填されているインクをインク液
滴529として吐出するためのノズル523及びオリフ
ィス部526と、上記バイモルフ素子に印加する電圧を
発生する電圧発生器522とを有してなり、上記電圧発
生器522からの電圧を上記バイモルフ素子に印加する
ことで生ずる圧力室525内の圧力が上記インク供給路
530に伝達され、この圧力によって、インク液滴52
9を吐出させるようにする。
【0010】また、上記オンデマンド型インクジェット
プリンタのプリントヘッドにおいて、インク液滴を吐出
するための方式の一つである上記発熱素子を使用する方
式では、当該発熱素子によるインク溶液の気化現象を利
用して、インク液滴を吐出する。
【0011】この発熱素子を用いたプリントヘッドは、
図21に示すように、ノズルユニット531に設けられ
たノズル533内に、発熱素子537を設け、この発熱
素子537に電力を加え、その発生熱エネルギでノズル
533内のインクを瞬時に気化させ、この気化により発
生する泡の圧力で生ずるインクの体積変化により、オリ
フィス部536からインク液滴539を吐出させるもの
である。
【0012】すなわち、当該発熱素子を用いたプリント
ヘッドでのインク液滴の吐出動作を順番に説明すると、
先ず、図21のAに示すように、発熱素子537に電力
を加えると、当該発熱素子537に接するインクが加熱
沸騰して小さな泡が複数発生する。この複数の小さな泡
は図21のBに示すように一つの大きな泡540にまと
まり、当該泡540の急激な圧力によって当該ノズル5
33内のインクがオリフィス部536から押し出され
る。次に、上記発熱素子537への電力がカットされる
と、図21のCに示すように、上記泡540は急激に縮
まり、上記ノズル533内の圧力も急激に減少する。こ
れにより、上記オリフィス部536から押し出されたイ
ンクは、ノズル533内のインクと切り離され、図21
のDに示すように、インク液滴539として吐出される
ことになる。
【0013】また、上述したようなオンデマンド型イン
クジェットプリンタにおいて、中間調を再現するために
は、ピエゾ素子等の電歪振動子又は発熱素子に与える電
圧やパルス幅を変化させて吐出するインク液滴の大きさ
を制御し、記録紙上に形成される印画ドットの径を可変
とすることで諧調を表現するものや、印画ドット径は変
化させずに1画素を例えば4×4のドットよりなるマト
リクスで構成し、このマトリクス単位でいわゆるディザ
法を用いて諧調表現を行うもの等がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな従来のオンデマンド型インクジェットプリンタにお
いては、通常、設計時に設定した温度範囲で最適なイン
ク液滴吐出特性が得られるようになされているが、プリ
ントヘッドの温度変化やプリントヘッドの周囲の環境温
度変化によって、インク液滴吐出特性が変化することが
ある。さらに、プリントヘッドのノズルユニット内に複
数のノズルを配するいわゆるマルチノズル構成をとって
いる場合には、当該温度変化によって個々のノズルのイ
ンク液滴吐出特性にバラツキが発生することになる。
【0015】このように、温度変化によってインク液滴
吐出特性が変化すると、設計上得られるはずの解像度よ
りも実質的な解像度が低下し、また印画諧調レベルも不
正確となり均一な品質の印画ができないことになる。
【0016】そこで、本発明はこの様な実情に鑑みてな
されたものであり、プリントヘッドの温度変化や環境温
度変化によっても、実質解像度が下がることなく、また
印画諧調レベルも正確にできて均一な品質の印画を可能
とするプリンタ装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のプリンタ装置に
おいては、記録媒体上に印画を行うための付着媒体が導
入される圧力室と、この圧力室に連通するノズルと、印
画信号に応じて圧力室内の付着媒体を加圧する加圧手段
と、温度を検出する温度検出手段と、この検出した温度
に応じて印画信号を補正する補正手段とを有することに
より、上述の課題を解決する。
【0018】すなわち、本発明によれば、温度に応じて
印画信号を補正することで、温度変化による印画への影
響を無くしている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照にしながら説明する。
【0020】先ず、本発明のプリンタ装置の第1の構成
例について説明する。
【0021】当該第1の構成例のプリンタ装置は、図1
に示すように、電歪(誘電体に電場をかけたときに、変
形,歪を生ずる現象)を起こす電歪振動子を使用したイ
ンクジェットプリントヘッド(以下、プリントヘッドと
呼ぶ)16を有し、例えばいわゆるインクドット径変調
方法を使用して所望の中間調プリントを得るようにする
と共に、後述するようにプリントヘッド16の温度変化
及び周囲の環境温度変化によるインク液滴吐出特性の変
化を補正することを可能にしたものである。
【0022】なお、上記インクドット径変調方法は、プ
リントヘッドの電歪振動子に印加する電圧レベルを印画
すべき画像のデータに対応して変化させ、当該印加電圧
レベルの変化に対応して電歪振動子を変位させ、ノズル
から吐出するインク液滴の体積を当該電歪振動子の変位
に対応して変化させることによって、上記ノズルから吐
出したインク液滴が記録紙上に衝突して形成されるイン
クドット直径を変化させ、これにより所望の中間調プリ
ントを得るようにする方法である。
【0023】ここで、第1の構成例のプリンタ装置は、
上記吐出するインク液滴の体積を定量する上記インクド
ット径変調方法を使用するプリントヘッド16の一具体
例として、例えば図2の原理図にて示すようないわゆる
振動子平板型のものを採用している。
【0024】すなわち、この図2の原理に示すプリント
ヘッドは、印加電圧に応じて図中矢印SD方向に変位す
る圧電セラミックスにより構成される平板型の電歪振動
子117と、当該平板型電歪振動子117と接着される
振動板118と、これら電歪振動子117及び振動板1
18を備えたノズルユニット111と、当該ノズルユニ
ット111の内部からなるインク室115と、当該イン
ク室115に充填されるインクが供給されるインク供給
口114と、上記インクをインク液滴119として吐出
するためのノズル113及びオリフィス部116と、上
記電歪振動子117に印加する電圧を発生する電圧発生
器112とを有してなり、印画すべき画像のデータに応
じた電圧を上記電圧発生器112から発生して上記電歪
振動子117に印加することにより生ずるインク室11
5内の体積変化によって、インク液滴119を吐出させ
るようにするものである。
【0025】ここで、本構成例におけるプリントヘッド
16は、上記図2の原理図に示すような構成を多色のマ
ルチノズルを有するものに適用している。すなわちこの
マルチノズル構成のプリントヘッド16は、図3に示す
ように、例えばm個のノズルに対応してm個の電歪振動
子1271〜127mが設けられ、これらm個の電歪振動
子1271〜127mにそれぞれ電圧が印加されること
で、m個のオリフィス部1261〜126mからインク液
滴129が吐出されるようになっている。なお、上記電
歪振動子の材質としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb
TiO3・PbZrO3)や、チタン酸バリウム(BaT
iO3)からなる圧電セラミック、水晶、ロッシェル塩
等がある。また、本発明は、図3に示したような多色で
それぞれがマルチノズルを有するプリントヘッドのみな
らず、単色単一ノズルを持つインクジェットプリントヘ
ッド、多色でそれぞれ単一ノズルを持つインクジェット
プリントヘッド、単色マルチノズルを持つインクジェッ
トプリントヘッド等のいずれにも適用することができ
る。
【0026】さらに、本構成例のプリントヘッドは、記
録紙上に形成されるインクドット径が、十分に電歪振動
子に印加する電圧レベルの変化に対応しない場合、すな
わち、上述のインクドット径変調方式のみでは十分な諧
調再現ができない場合には、当該インクドット径変調方
法に加えて、このインクドット径変調方法で実現できる
諧調の数に対応した諧調再現インクドット配置方法を組
み合わせることにより、十分な諧調再現を実現可能とす
るようにしている。
【0027】より具体的に説明すると、例えば、インク
ドット径変調方法によって安定な諧調再現が可能な範囲
では当該インクドット径変調方法を用い、一方、当該イ
ンクドット径変調方法では諧調再現が不安定となる範囲
ではインクドットの配置による諧調再現方法を利用す
る。すなわち、安定な諧調再現が不可能な場合の例とし
て、例えば画像中のハイライト部分では、インクドット
の配置による諧調再現方法を用い、これらハイライト部
分を除く中間からシャドウ部では本来のインクドット径
変調方法を用いるようにする。
【0028】または、全諧調にわたって上記インクドッ
ト径変調方法と当該変調方法で得られる諧調数に対応し
た諧調再現方法とを併せて使用することも可能である。
この諧調再現方法としては、例えば、独立決定法である
ランダム・ディザ法と組織的ディザ法が、条件付決定法
である平均誤差最小法と誤差拡散法と平均値制限法とダ
イナミック閾値法等が挙げられる。
【0029】ところで、上述したようなマルチノズル構
成のプリントヘッドにおいては、前述したように、当該
プリントヘッドの温度変化や周囲の環境温度変化によっ
て、インク液滴吐出特性が変化し、設計上得られるはず
の解像度よりも実質的な解像度が低下したり、また印画
諧調レベルも不正確となり均一な品質の印画ができなく
なることがある。さらに、当該温度変化によって個々の
ノズルのインク液滴吐出特性にバラツキが発生すること
もある。
【0030】このため、本構成例においては、図3に示
すように、プリントヘッドのオリフィス部1261〜1
26mの近くに例えばサーミスタ等の温度センサ120
(図1では温度センサ40として示す)を設け、当該温
度センサ120(40)により上記プリントヘッドの温
度変化や周囲の環境温度変化を検出し、当該検出した温
度変化の値に基づいて、当該温度変化がプリントヘッド
の吐出特性に影響を与えて記録紙上のインクドット径に
与える影響を打ち消すように、当初の印画すべき画像デ
ータの内容を変更するようにしている。このように、本
構成例では、温度変化の検出値に基づいて当初の画像デ
ータの内容を変更することで、使用中のプリントヘッド
の温度変化及び環境温度変化による影響を受けない中間
調のプリントを実現可能としている。
【0031】なお、プリントヘッドの温度とその周囲の
環境温度の変化の両方を検出する場合に限らず、これら
の要因の何れか一方のみを検出し、それに基づいた画像
データの変更を行うようにしても、同様に当該温度変化
の影響を受けにくい中間調のプリントが可能となる。
【0032】上述したような第1の構成例のプリンタ装
置の構成及び動作について、図1及び図4に示す各部の
タイミングチャートを参照しながら、順に説明する。な
お、以下の動作は、ROM6に格納されたプログラムデ
ータに従ってCPU5が順次行うものである。
【0033】先ず、希望する画像のプリントを開始する
場合には、端子3及びデータ入力インターフェイス部4
を経由して、プリント開始要求を意味する命令が入力さ
れる。このプリント開始要求命令信号は、CPUシステ
ムバス8を介してCPU5(或いはDSP)に送られ
る。このCPU5は、ROM5に格納されたプログラム
データに基づいて各種信号処理及び各部の制御を行うも
のである。ここで、上記データ入力インターフェイス部
4には、端子3を介して、例えばホストコンピュータか
らの印画すべき画像データが入力データとして供給され
るようになされており、また、当該ホストコンピュータ
との間で双方向に通信がなされる入力データ制御信号の
一つとして、当該ホストコンピュータからの上記プリン
ト開始要求命令信号が入力される。
【0034】上記プリント開始要求命令が供給されてプ
リント処理状態になると、当該プリンタ装置は、データ
入力インターフェイス部4を通じて、印画すべき画像デ
ータを受け入れ可能である旨を示す制御信号をホストコ
ンピュータに返す。ホストコンピュータは、当該制御信
号を受け取ると上記印画すべき画像データを当該プリン
タ装置に供給する。プリンタ装置では、端子3及びデー
タ入力インターフェイス部4を介して受け取った上記画
像データを、CPUシステムバス8を介してRAM7に
送り格納する。このとき、データ入力インターフェイス
部4は、RAM7上がオーバーフロウしないように上記
画像データの入力を制御する。すなわち、CPU5は、
RAM7内の当該画像データを格納可能な全記憶領域に
画像データが格納された時点で、データ入力インターフ
ェイス部4を介して、上記ホストコンピュータに対して
画像データの入力を止める旨を要求する制御信号を出力
する。
【0035】上記RAM7上に格納された印画すべき画
像データが、実際のプリントヘッドの1回のスキャンで
使用されるライン数分に達すると、CPU5は、温度セ
ンサ40からの温度データをセンサインターフェイス4
1を経由して受け取り、プリントヘッド16及びその周
囲の温度を測定する。次に、CPU5では、計測した測
定温度と、当該プリントヘッド16の標準動作温度(設
計時に仮定した温度)との差を求め、この温度差に対応
する入力画像データへの補正カーブ(入力画像データの
値に対する補正分を示すカーブ)を求める。上記温度差
とそれに対応する入力画像データへの補正カーブとの関
係は、プリントヘッド16とインクと記録紙等の開発時
に決定されているものである。なお、上記補正カーブ
は、全ての入力画像データの値に対して、等しい場合も
異なる場合もある。これは主に開発時の実測で求められ
る。当該補正カーブが決定されると、CPU5は、入力
画像データを当該補正カーブに基づいて変換し、補正さ
れた画像データを生成する。
【0036】当該補正された画像データは、その後、例
えば多諧調誤差拡散法により、実際に印画すべき印画デ
ータに置換される。当該置換された印画データは、同じ
RAM7内の他の場所に格納される。なお、上記多諧調
誤差拡散法での処理において、複数の諧調数は、通常、
4、6、8、16段階程度である。
【0037】この諧調数及び電歪振動子に印加する電圧
レベルの関係は、電歪振動子の変位の不安定要因(ヒス
テリシス特性、静電容量を持つことよる印加波形の変
化)や、ヘッド全体の吐出の不安定要因(ヘッドの組立
バラツキによる吐出特性の誤差、インクの粘性等の物性
や振動板の特性による吐出特性のバラツキ等)や、印加
電圧の変化に対する、記録紙上に形成されるインクドッ
ト径の変化の関係を基にして決定される。
【0038】上述のようにして生成された印画データ
が、プリントヘッド16を駆動する数だけ上記RAM7
上に格納されたならば、CPU5は、当該RAM7に格
納された印画データを読み出して図4に示すような印画
データ信号としてD/A変換部13に送る。なお、上記
RAM7上に印画データを格納する際の上記プリントヘ
ッドを駆動する数とは、例えばノズル数が数10個程度
設けられたプリントヘッドを駆動してプリントを行うい
わゆるヘッド駆動型プリンタ(例えばシリアル型プリン
タ)の場合には、当該プリントヘッドの1スキャン分に
対応する数であり、また、ノズル数が記録画サイズ分だ
け設けられたプリントヘッドを有するラインヘッド型プ
リンタの場合には、1ライン分に対応する数である。上
記ヘッド駆動型プリンタ及びラインヘッド型プリンタの
詳細な説明については後述する。
【0039】上記CPU5は、上記RAM7に格納され
た印画データをD/A変換部13に送ると、それと同時
に、モータ制御部19へモータ駆動制御信号を送る。当
該モータ制御部19は、上記モータ駆動制御信号に基づ
いてモータ駆動信号を生成し、このモータ駆動信号がモ
ータドライブ部20に送られる。このモータドライブ部
20は、上記モータ駆動信号を、紙送りモータ及びヘッ
ド送りモータからなるモータ部21を駆動できる電圧及
び電流値となるモータパルスに変換し、当該モータパル
スをモータ部21に送る。このとき、上記ヘッド駆動型
プリンタである場合には、ヘッド送りモータを動作させ
ることになる。
【0040】上記ヘッド送りモータが起動し、プリント
ヘッドのノズルが記録紙上の印画すべき位置に達したこ
とをヘッド位置検出センサ17が検出したとき、タイミ
ング制御部18は、上記ヘッド位置検出センサ17から
の当該検出信号に基づいて、上記D/A変換部13に対
してD/A変換トリガ信号を出力する。また、当該タイ
ミング制御部18は、図4に示すように、同時にモータ
制御部19に対してもモータ駆動トリガ信号を出力す
る。
【0041】また、CPU5はタイミング制御部18の
状態を見ており、上記タイミング制御部18からのD/
A変換トリガ信号が上記D/A変換部13に供給された
ときに、上記RAM7に格納されていた印画データ信号
を上記D/A変換部13に送るようにしている。D/A
変換部13では、上記D/A変換トリガ信号に応じて、
上記RAM7からの印画データ信号を、図4に示すよう
な実際の印画のために使用する電圧レベルのヘッド駆動
信号に変換する。このヘッド駆動信号はヘッドドライブ
部15に送られる。
【0042】上記ヘッドドライブ部15では、上記ヘッ
ド駆動信号を、図4に示すように、プリントヘッド16
の電歪振動子を変位させるのに必要な電力にまで増幅
し、当該増幅した信号をヘッド印加信号としてプリント
ヘッド16の電歪振動子へ送る。
【0043】当該プリントヘッド16では、上記ヘッド
印加信号の電圧レベルに従い、前記図2に示した電歪振
動子117が図2中の矢印SDに示す方向に変位し、振
動板118を押し曲げる。これにより、インク室115
内の体積が減少し、このインク室115内に充満してい
るインクがパスカルの原理で押しつけられる。インク室
115内のインクは、ノズル113を介してオリフィス
部116から吐出し、インク液滴119として記録紙上
にまで飛翔する。インク液滴119は、記録紙上で、あ
るドットサイズを持ったインクドットを形成する。この
インクドットは、電歪振動子117に印加すた電圧レベ
ルに対応したサイズになる。
【0044】また、モータ制御部19は、CPU5から
のモータ駆動制御信号に基づいて、プリントヘッド16
の駆動に同期して必要に応じて記録紙を送るためのモー
タ駆動信号を生成し、このモータ駆動信号がモータドラ
イブ部20を介してモータ部21の紙送りモータに供給
され、これにより記録紙が送られる。
【0045】以上の動作を繰り返すことで、紙送り、ヘ
ッド送り、ヘッドへの電圧の印加が行われる。
【0046】なお、上記プリンタヘッド16が複数のヘ
ッドからなるマルチヘッドとなっており、ノズル数が非
常に多いような場合には、ヘッド自体にIC(集積回
路)を搭載してヘッドに接続する配線数を減らすように
することも可能である。また、画像データの信号処理を
行うCPU5では、γ補正やカラーの場合の色補正等も
行う。
【0047】上述した図1のプリンタ装置におけるプリ
ント動作の処理の流れは、図5のフローチャートのよう
になる。
【0048】すなわちこの図5において、プリンタ装置
の電源がONされると、ステップS41ではプリンタ装
置の初期化が行われる。次のステップS42では、プリ
ント開始要求命令信号が供給されたか否かの判断が行わ
れる。このステップS42において、プリント開始要求
命令信号が供給されていないときには、当該ステップS
42の判断を繰り返し、プリント開始要求命令信号が供
給されたときにはステップS43に進む。
【0049】このステップS43では記録紙を所定のプ
リント開始位置まで送る給紙動作を行い、次のステップ
S44では前記データ入力インターフェイス部4からの
画像データの読み込みを行い、ステップS45に進む。
このステップS45では、画像データがRAM7上に1
スキャン分格納されたか否かの判断を行う。このステッ
プS45で未だ格納されていないと判断したときには、
ステップS44に戻り、格納されたと判断したときには
ステップS46に進む。
【0050】当該ステップS46では、前記温度センサ
20からの温度データを元に、プリントヘッド16の温
度及びその周囲の環境温度を測定する。ステップS47
では、前述したように、当該測定した温度とプリントヘ
ッド16の標準動作温度(設計時に仮定した温度)との
差を求め、この温度差に対応する入力画像データへの補
正カーブを求め、さらに当該補正カーブに基づいて画像
データの補正処理(温度補正処理)を行う。
【0051】次のステップS48では、当該補正された
画像データに対して、前述のように例えば多諧調誤差拡
散法を用いた処理を施して、実際に印画すべき印画デー
タを生成する。
【0052】次のステップS49では、上記温度補正処
理及び多諧調誤差拡散処理が施された1スキャン分の印
画データを用いた1スキャン分のプリント処理を行う。
ステップS50ではプリントが終了したか否かの判断を
行い、終了していないときにはステップS44に戻り、
終了したときにはステップS51に進む。このステップ
S51では記録紙が排出され、次のステップS52では
次ページのプリントを行うか否かの判断をする。このス
テップS52にて次ページのプリントを行うときにはス
テップS43に戻り、次ページのプリントを行わないと
判断したときには、ステップS42に戻る。
【0053】次に、上述したような第1の構成例のプリ
ンタ装置において、設計時に想定したプリントヘッド温
度Tの時の吐出特性曲線と、実際の温度T′(T′>
T)の時の吐出特性曲線との関係を、図6を用いて説明
する。なお、この図6の図中実線は、設計温度Tのとき
の吐出特性曲線を示し、図中破線は、実際の温度T′の
ときの吐出特性曲線を示している。
【0054】すなわち、この図6において、図中実線で
示す上記設計温度Tのときの吐出特性曲線上の例えば点
Aは、あるデータDTAが入力されたときに設計上のイ
ンクドット径dAが得られることを示している。一方、
この図6において、図中破線で示す実際の温度T′のと
きの吐出特性曲線上の例えば点PBは、上記データDTA
が入力されたとしてもインクドット径はdBとなってし
まうことを示している。すなわち、上記設計温度Tでは
上記データDTAに対応してインクドット径dAが得られ
るはずであったものが、実際の温度T′ではプリントヘ
ッドの吐出特性が設計値から変化してしまうことによっ
て、吐出インク液滴体積が例えば増加してしまい、この
ためインクドット径もdBとなってしまうことを示して
いる。このことは、温度補正処理を行わない場合には、
同じデータDTAであるにもかかわらず、温度によって
インクドット径が変わってしまうことを意味している。
なお、インクドット径がdAからdBに変化してしまうこ
とは、当該ドット径変調方式においては濃度の高い印画
が行われることを示している。また、図中破線で示す実
際の温度T′のときの吐出特性曲線上の例えば点P
Cは、データDTCが入力されたときにインクドット径が
上記dAと同じ径であるdCとなることを示している。
【0055】したがって、実際の温度T′のときに、上
記設計温度TでかつデータDTAのときのインクドット
径dAと同じ大きさのインクドットを形成するために
は、図中破線で示す特性曲線上の点PCに対応するデー
タDTCを入力しなければならないことになる。言い換
えれば、入力データがDTAである場合には当該データ
DTAをデータDTCに補正すれば、実際の温度T′のと
きにインクドット径dC、すなわちインクドット径dA
得ることができることになる。
【0056】本発明では、このように、必要とするイン
クドット径を得るために、実際の温度T′を検出し、こ
の検出温度T′に基づいて、入力データの値を補正する
ようにしている。
【0057】ここで、上述したような温度補正を実現す
るためには、例えば、前もって実験にて標準的で設計上
の吐出特性が得られるノズルを有するプリントヘッドを
用いて、様々な温度状態でプリントアウトを行い、これ
らそれぞれの温度において図6に示すような入力データ
とインクドット径の関係を示す特性曲線を求めておくよ
うにする。実際にプリントする時には、上述のように、
その時のプリントヘッド温度を測定し(T′)、設計温
度(T)との差及び上記特性曲線から、どの程度入力デ
ータを増減すれば、設計温度(T)時と同じインクドッ
ト径になるかを計算し、当該計算結果に応じて入力デー
タの値を補正することになる。
【0058】このように、検出温度に基づいて入力デー
タを補正することで、プリントヘッドの温度変化やその
周辺の環境温度が変化したとしても、プリントされた結
果には影響を及ぼさなくなる。
【0059】なお、上記前もって実験にてインクドット
径と印画濃度との関係を調べる時には、例えば、設計上
の吐出特性を持つノズルによって印画されたプリントサ
ンプルの光学濃度(Optical Density:O.D)を測定
して求め、これによりその曲線にのった理想的ノズルに
おける入力データの入力レベル(0〜255)と印画濃
度との関係を求めるものとする。
【0060】図7には、各入力レベルと光学濃度D,イ
ンクの面積率A,ドット直径r(ただしr=(A/π)
1/2),300dpi(ドット間隔は80μm)での実
際のドット直径の関係を表にして示している。RBがイ
ンクの反射率を、RWが紙の反射率を示すとき、上記光
学濃度Dは、次の式(1)のようにして求められる。
【0061】 D=−log(RBA+RW(1−A)) (1) また、インクの光学濃度ODB=2.0とするにはイン
クの反射率RB=0.01でなければならず、同じくO
B=1.5とするにはインクの反射率RB=0.031
6でなければならず、さらに紙の光学濃度ODW=0.
1とするには紙の反射率RW=0.794でなければな
らないと仮定すると、上記式(1)からインクの面積率
Aは式(2)のようにして求められる。
【0062】 A=(1/0.7624)(−10-D+0.794) (2) この図7に示す表から、例えば300dpiのプリント
時に、最小ドット直径に比べて最大のドット径はその
1.3〜1.6倍の直径になればよいことがわかる。な
お、最小ドット径が例えば60μmのときは、最大ドッ
ト径は78μm〜96μmとなる。
【0063】次に、多諧調誤差拡散法について、図8を
用いて説明する。
【0064】ある注目ラインの画素Gについて、本来印
画したい画像データの入力レベルxと実際に印画する際
の取り得るレベルx′との関係は、以下の式(3)に示
す通りである。
【0065】ε=x−x′ (3) すなわち、上記入力レベルxは入力画像データそのもの
であり256諧調以上あるのに対して、実際に印画する
際の取り得るレベルx′は数種類(通常は、4、6、
8、16段階等)しかない。したがって、入力レベルx
と実際のレベルx′との間には誤差εが存在する。
【0066】ここで、入力画像データのレベルxから実
際のレベルx′への変換の際には、例えば、以下の2つ
の変換方法のいずれかを用いた変換処理が必要となる。
すなわち、第1の変換方法としては、入力画像データの
レベルxに最も近いレベルx′に置き換える。また、第
2の変換方法としては、レベルx′が取り得る複数のレ
ベルと入力レベルxとの差の絶対値を確率として置き換
える。すなわち、当該第2の変換方法では、例えば、入
力画像データのレベルxに最も近い値を最も高い確率を
持つものとして変換し、また、レベルxに最も離れた値
を最も低い確率を持つものとして変換する。なお、当該
第2の変換方法を用いた場合には、レベルx′は上記取
り得る複数段階の全てのレベルに置き変わる可能性があ
る。
【0067】このようにして求めた、上記画素Gの誤差
εを、当該画素Gの周囲の画素に分配して加算する。な
お、分配される周囲の画素及びその比率は様々な場合が
あり、図8ではその一例を示している。また、分配方法
としては、以下の2つの分配方法が考えられる。すなわ
ち、第1の分配方法としては、上記画素Gの周囲の各画
素に対して設定されている各分配率を上記誤差εに乗
じ、得られた各値をそれぞれ該当する周辺の画素の入力
レベルに加算する。また、第2の分配方法としては、上
記画素Gの周囲の各画素に対して設定されている各分配
率の確率で、上記誤差εを該当する周辺の画素の入力レ
ベルに加算する。なお、上記第2の分配方法の場合、当
該誤差εは、ある特定の1画素のみに反映されることに
なる。図8には、上記分配方法として、第1の分配方法
を用い、ある注目画素Gの周囲の各画素の位置に従っ
て、誤差εに7/26、3/16、5/16、1/16
などの分配率を乗算する場合の例を挙げている。
【0068】また、上述のように周囲の画素の誤差分が
加算されることで、最小印画レベル或いは最大印画レベ
ルを越えるようになる場合の対処法としては、以下の2
つの対処方法が考えられる。すなわち、第1の対処方法
では、例えば、最小或いは最大印画レベルを越えた分を
無視する(丸め込む)。また第2の対処方法では、最小
或いは最大印画レベルを越えた分を上記割合或いは確率
で再配分する。
【0069】本構成例では、上述のような方法で、入力
画像全体を処理し、印画すべき印画データを作成するよ
うにしている。
【0070】次に、インクドット径変調方法と誤差拡散
法としてのディザ法とを組み合わせる場合の組み合わせ
方法について説明する。
【0071】ある中間調を表現する場合、以下の3つの
中間調表現手法が考えられ、これら3つの手法を、プリ
ントする絵柄に合わせて自動的に或いは使用者が手動的
に選択(例えばCPU5に接続されるキー等にて)し
て、最も適した表現手法を使用する。
【0072】すなわち、第1の中間調表現手法では、イ
ンクドット径をその中間調に適した大きさに合わせる。
第2の中間調表現手法では、インクドット径をその中間
調に適した大きさより1〜2段階小さな大きさに合わせ
て、その不足分を周囲の画素に小さなインクドットを配
置することで、総合的に中間調を表現する。第3の中間
調表現手法では、小さなインクドットを数多く周囲に配
置することで総合的に中間調を表現する。
【0073】上記第1の中間調表現手法よりも第2の中
間調表現手法、さらに第2の中間調表現手法よりも第3
の中間調表現手法となるに従い、画像の実質解像度は低
下するが、逆に大きなインクドット径が画像に与える粒
状性は良くなる。
【0074】したがって、実質解像度が落ちても粒状性
が良いものが好まれる例えばポートレート等の画像に対
しては、第1の中間調表現手法よりも第2の中間調表現
手法が、また、第2の中間調表現手法よりも第3の中間
調表現手法を用いてプリントすることが望ましい。逆
に、画像の粒状性は悪くても画像の実質解像度が高いも
のが要求される設計図面等に対しては、第2の中間調表
現手法や第3の中間調表現手法よりも第1の中間調表現
手法を用いてプリントすることが望ましい。また、実質
解像度も粒状性も求められる画像に対しては、第2の中
間調表現手法を用いることが望ましい。さらに、1枚の
プリントすべき画像の中で、自動的にその部分部分の画
像で要求される実質解像度と粒状性を計測可能な場合
は、一枚の画像の中で、上記第1から第3の中間調表現
手法を自動的に切り換えるようにしてもよい。
【0075】なお、インクドット径変調方法と誤差拡散
法としてのディザ法とを組み合わせた場合の入力データ
(0〜255とする)と諧調特性の代表例は、図9に示
すグラフのようになる。なお、この図9に示すグラフに
おいて、縦軸の光学濃度(O,D)は、ある一定面積で
の平均の値を示している。
【0076】次に、図1のプリンタ装置において、上述
したようなインクドット径変調方法と誤差拡散法による
ディザ法とを組み合わせて使用した場合のCPU5の動
作制御フローチャートは、図10に示すようになる。な
お、この図10の説明において、プリントヘッドはイン
クドット径がN段階の異なるサイズを取り得るものとす
る。
【0077】この図10において、先ず、ステップS6
0では入力画像データをRAM7に格納する。次に、ス
テップS61では入力画像データが2ライン分以上RA
M7に格納されたか否かを判断する。このステップS6
1において2ライン分以上無いと判断した場合にはステ
ップS60に戻り、2ライン分以上有ると判断した場合
にはステップS62に進む。
【0078】ステップS62ではディザ法を適用する注
目画像(図8の画素G)を決定し、次のステップS63
では当該決定した注目画像の入力画像データ(レベル
x)を、N+1段階の実際に取り得る値(レベルx′)
に変換し、ディザ化画像データとする。なお、レベルx
からレベルx′への変換方法は、前述した第1,第2の
変換方法がある。すなわち、第1の変換方法において
は、N+1段階の内、入力画像データのレベルxに最も
近い値のレベルx′に変換する。また、第2の変換方法
においては、N+1段階の内、入力画像データのレベル
xに最も近い値を最も高い確率を持つものとして変換
し、また、レベルxに最も離れた値を最も低い確率を持
つものとして変換する。
【0079】次のステップS64では、注目画素の誤差
εを計算する。当該誤差εは前記式(3)を用いて求め
る。次のステップS65では前述したようにして上記誤
差εを注目が差の周囲の画素に分配する。すなわち、当
該ステップS65では、前述したように第1の分配方法
の場合には注目画素の周囲画素に対して上記誤差εを分
配し、第2の分配方法の場合には注目画素の周囲画素に
確率を持たせてどれか1画素に誤差εを反映させる。
【0080】次のステップS66では、注目画素の周囲
の画素の入力画像データを、上記分配された誤差に基づ
いて置き換える。ここで、当該ステップS66において
は、前述したように、周囲の画素の誤差分が加算される
ことで最小印画レベル或いは最大印画レベルを越えるよ
うになる場合には、第1の対処方法のように、例えば、
最小或いは最大印画レベルを越えた分を丸め込む。この
丸め込んだ分は無視する。或いは、第2の対処方法のよ
うに、上記第1の処理方法で丸め込んだ分を、周囲画素
に再配分する。
【0081】その後、ステップS67では上記RAM7
に読み込んだ入力画像データを全てディザ化したか否か
の判断を行い、ディザ化していないと判断した場合には
ステップS62に戻り、ディザ化したと判断した場合に
はステップS68に進む。当該ステップS68では、デ
ィザ化した画像データをRAM7上の別の場所に保存
し、次のステップS69では1ページ分の画像データに
ついて上述の処理が終了したか否かの判断を行う。この
ステップS69において処理が終了していないと判断し
た場合にはステップS60に戻り、処理が終了したと判
断した場合には当該ディザ処理の全体の処理を終了す
る。
【0082】次に、図11には、本発明の第2の構成例
のプリンタ装置として、例えば吐出するインク液滴の濃
度を定量するいわゆる多濃度インク混合型インクドット
濃度変調方法(インクドット内濃度変調方法)を使用し
て所望の中間調プリントを得るプリントヘッドを有し、
第1の構成例と同様にプリントヘッド16の温度変化及
び周囲の環境温度変化によるインク液滴吐出特性の変化
を補正することを可能にしたものを示す。なお、この図
11において、前述した図1と同じ構成要素には同一の
指示符号を付している。
【0083】ここで、上記多濃度インク混合型インクド
ット濃度変調方法は、プリントヘッドの電歪振動子に印
加する電圧レベルを印画すべき画像のデータに対応して
変化させ、当該印加電圧レベルの変化に対応して電歪振
動子を変位させ、混合するインク液の体積を当該電歪振
動子の変位に対応して変化させることにって、所望の中
間調のプリントを得るようにする方法である。なお、こ
の多濃度インク混合型インクドット濃度変調方法におけ
る上記インク液の混合の方法としては、インク液滴をノ
ズルから吐出する前にインクヘッド内にて濃度の高いイ
ンクと濃度の低いインク(又は透明溶媒)とを上記電歪
振動子の変位に応じて定量混合させた後、インクヘッド
から吐出させる方法か、或いは、インク液滴吐出時に、
濃度の高いインクと濃度の低いインク(又は透明溶媒)
とをそれぞれ単独で上記電歪振動子の変位に応じて定量
しながら吐出させ、それらが飛行中或いは記録紙上に着
いた後に混合されて、一つのインクドットを形成する方
法が用いられる。なお、上記電歪振動子の材質として
は、第1の構成例同様にチタン酸ジルコン酸鉛(PbT
iO3・PbZrO3)や、チタン酸バリウム(BaTi
3)からなる圧電セラミック、水晶、ロッシェル塩等
が挙げられる。
【0084】図11に示すプリンタ装置では、上記多濃
度インク混合型インクドット濃度変調方法を使用するプ
リントヘッドの一具体例として、図12及び図13に示
すような、インク溶液と希釈液(キャリア)の2液混合
型のプリントヘッド(キャリアジェット型のプリントヘ
ッド)を採用している。なお、この図12及び図13の
プリントヘッドでは、電歪振動子としてピエゾ素子を用
い、特にインクを定量し、希釈液(キャリア)を吐出す
るプリントヘッドの例を示している。また、図11には
当該プリントヘッド断面図を、図13には図12のノズ
ル近傍の拡大図を示している。
【0085】すなわち、この図12及び図13に示すプ
リントヘッドは、吐出側キャビティ138及び定量側キ
ャビティ148を形成するキャビティユニット146
と、吐出側キャビティ138及び定量側キャビティ14
8にそれぞれ対応する吐出側ピエゾユニット133と定
量側ピエゾユニット143とにより構成される。キャビ
ティユニット146は、定量側ノズル154及び吐出側
ノズル153が形成されたオリフィスプレート136
と、キャビティ側壁145と、振動板135とにより構
成される。吐出側ピエゾユニット133及び定量側ピエ
ゾユニット143は、それぞれが圧電材と導電材とを交
互に積層した吐出側積層ピエゾ素子134及び定量側積
層ピエゾ素子144と、これら積層ピエゾ素子134及
び144のそれぞれの一方の端部を固定する支持体13
1と141と、これら積層ピエゾ素子134及び144
と支持体131と141をキャビティユニット146に
それぞれ固定する吐出側ホルダ132及び定量側ホルダ
142とにより構成される。また、定量側ノズル154
の開口方向は、吐出側ノズル153の開口方向に対して
約45度の角度をなすように形成される。なお、当該図
12及び図13のプリントヘッドにおいて、オリフィス
プレート136は例えばポリサルフォン等の樹脂を射出
成形により形成し、キャビティ側壁146はドライフィ
ルムフォトレジスト等の感光性樹脂から形成され、振動
板135はニッケル等の金属板により形成されている。
また、ノズル154及び155は例えばエキシマレーザ
により加工する。
【0086】上記図12及び図13に示したようなプリ
ントヘッドを駆動する場合、吐出側積層ピエゾ素子13
4及び定量側積層ピエゾ素子144には、例えば図14
の(A)及び(B)に示すようなタイミングで信号電圧
が与えられる。なお、図14の(A)及び(B)では、
それぞれ横軸を時間とし、縦軸を電圧としている。本構
成例の場合、吐出周期は1msec(周波数1kHz)
であり、この間に希釈液へのインクの定量混合と、イン
ク液滴の吐出を行う。
【0087】すなわち、図12〜図14に示すように、
希釈液は、希釈液タンク(図示せず)より供給され、供
給パイプから供給溝及び希釈液供給室137を通り、吐
出側キャビティ138から希釈液導入孔151に導入さ
れ、さらに当該希釈液導入孔151の希釈液が吐出側ノ
ズル153に送られて充填される。一方、インクは、イ
ンクタンク(図示せず)より供給され、供給パイプから
供給溝及びインク供給室147を通り、定量側キャビテ
ィ148からインク導入孔152に導入され、さらに当
該インク導入孔152のインクが定量側ノズル154に
送られて充填される。そして、図14の(a)の吐出前
の待機時は、予め吐出側積層ピエゾ素子134に例えば
10V(ボルト)を印加しておく。
【0088】次に、吐出時には、図14の(b)のタイ
ミングで前記吐出側積層ピエゾ素子134の印加電圧を
例えば0V(ボルト)にする。これにより、当該吐出側
積層ピエゾ素子134は縮小し、吐出側キャビティ13
8の体積が増加し内圧が負圧となって、希釈液は吐出側
ノズル153に引き込まれる。これと同時に又は少し遅
れて、図14の(c)のタイミングで、定量側積層ピエ
ゾ素子144に駆動電圧として例えば10V(ボルト)
が与えられ、当該積層ピエゾ素子144が長手方向に伸
長することで、振動板135を介して定量側キャビティ
148から定量側ノズル154に内圧が加えられ、これ
によりインクが定量側ノズル154から定量オリフィス
155を介して外部に染み出し定量が行われる。この定
量オリフィス155からのインクは希釈液側の吐出オリ
フィス156付近まで染み出し定量が行われる。この状
態で、例えば図14の(f)のタイミングで図14の
(g)のように吐出側積層ピエゾ素子134に駆動信号
として例えば20V(ボルト)が与えられると、振動板
135を介して吐出側キャビティ138から吐出側ノズ
ル153に内圧が加わる。この内圧によって上記希釈液
が吐出オリフィス156から押し出され、先に定量され
て当該吐出オリフィス156付近に染み出しているイン
クと、当該希釈液とが一体となって所定濃度のインク液
滴として吐出される。
【0089】この後、図14の(h)のタイミングでピ
エゾ素子134の電圧を例えば10V(ボルト)に下げ
ると、当該ピエゾ素子134の縮小によりキャビティ1
38からノズル153の内圧は負圧となり、これにより
希釈液はノズル153内に引き込まれる。また、ピエゾ
素子144については、図14の(d)のタイミングで
駆動電圧を例えば0V(ボルト)に下げることにより、
オリフィスプレート上に残ったインクはノズル154に
引き込まれる。その後、図14の(i)の期間では、キ
ャビティ158からノズル153の内圧がやがて元に戻
り、これにより上記希釈液は図14の(j)のように毛
細管圧力によりノズル153に再充填される。
【0090】図11に示す第2の構成例におけるプリン
トヘッドは、上記図12及び図13に示した構成を多色
のマルチノズル構成に適用している。なお、図11の構
成では、プリントヘッドがプリントヘッド変調部37と
プリントヘッド吐出部36とからなり、上記プリントヘ
ッド変調部37は前述のインクの定量を行う部分に対応
し、上記プリントヘッド吐出部36は前述の希釈液の吐
出を行う部分に対応している。
【0091】さらに、当該第2の構成例のプリントヘッ
ドにおいても、多濃度インク混合型インクドット濃度変
調方法のみでは十分な諧調再現ができない場合には、当
該多濃度インク混合型インクドット濃度変調方法に加え
て、当該濃度変調方法で実現できる諧調の数に対応した
諧調再現インクドット配置方法を組み合わせることによ
り、十分な諧調再現を実現可能としている。具体的に
は、例えば、多濃度インク混合型インクドット濃度変調
方法によって安定な諧調再現が可能な範囲では当該濃度
変調方法を用い、一方、当該濃度変調方法では諧調再現
が不安定となる範囲ではインクドットの配置による諧調
再現方法を利用する。すなわち、安定な諧調再現が不可
能な例えば画像中のハイライト部分では、インクドット
の配置による諧調再現方法を用い、これらハイライト部
分を除く中間からシャドウ部では本来の上記濃度変調方
法を用いるようにする。
【0092】または、全諧調にわたって上記多濃度イン
ク混合型インクドット濃度変調方法と当該濃度変調方法
で得られる諧調数に対応した諧調再現方法とを併せて使
用することも可能である。具体的には、第1の構成例同
様に独立決定法としてランダム・ディザ法と組織的ディ
ザ法を、条件付決定法として平均誤差最小法と誤差拡散
法と平均値制限法とダイナミック閾値法を、諧調再現方
法として挙げることができる。
【0093】ところで、この第2の構成例のプリンタ装
置においても、第1の構成例の場合と同様に、プリント
ヘッドの温度変化や周囲の環境温度変化によって、イン
ク液滴吐出特性が変化し、設計上得られるはずの解像度
よりも実質的な解像度が低下したり、また印画諧調レベ
ルも不正確となり均一な品質の印画ができなくなること
がある。さらに、当該温度変化によって個々のノズルの
インク液滴吐出特性にバラツキが発生することもある。
【0094】このため、本構成例においても、図12に
示すように、プリントヘッドのノズル近傍のオリフィス
プレート136上にサーミスタ等の温度センサ170
(図11では温度センサ40として示す)を設け、当該
温度センサ170(40)により上記プリントヘッドの
温度変化や周囲の環境温度変化を検出し、当該検出した
温度変化の値に基づいて、当初の画像データの内容をす
ることで、使用中のプリントヘッドの温度変化及び環境
温度変化による影響を受けない中間調のプリントを可能
としている。なお、この第2の構成例の場合も、第1の
構成例と同様に、プリントヘッドの温度とその周囲の環
境温度の変化の両方を検出する場合に限らず、これらの
要因の何れか一方のみを検出し、それに基づいた画像デ
ータの変更を行うようにすることもできる。
【0095】上述したようなプリントヘッドを有する図
11に示す第2の構成例のプリンタ装置の構成及び動作
について、説明する。なお、図11の構成において前述
の図1の構成と重複する部分についての説明は省略し、
異なる部分のみを説明する。
【0096】すなわち、この図11の構成において、前
述のように実際のプリントヘッドの1回のスキャンで使
用されるライン数分だけRAM7上に印画すべき画像デ
ータが格納されると、CPU5は、温度センサ40から
の温度データをセンサインターフェイス41を経由して
測定し、これに基づいて前述同様に補正カーブを求め
る。CPU5は、当該補正カーブが決定されると、RA
M7に格納された上記画像データを当該補正カーブに基
づいて変換し、補正された画像データを生成する。当該
補正された画像データは、前述同様に、例えば多諧調誤
差拡散法により、実際に印画すべき印画データに置換さ
れた後、同じRAM7内の他の場所に格納される。上記
多諧調誤差拡散法での処理においての複数の諧調数は、
4、6、8、16段階程度である。
【0097】ここで、当該第2の構成例において、諧調
数及び電歪振動子に印加する電圧レベルの関係は、電歪
振動子の変位の前述同様の不安定要因(ヒステリシス特
性、静電容量を持つことよる印加波形の変化)や、ヘッ
ド全体の変調動作の不安定要因(ヘッドの組立バラツキ
による変調特性の誤差、インクの粘性等の物性や振動板
の特性による変調特性のバラツキ等)や、印加電圧の変
化に対する、記録紙上に形成されるインクドット内濃度
変化の関係を基にして決定される。
【0098】上述のような補正及びディザ化の処理がな
された印画データ信号は、前記D/A変換部13に送ら
れる。ここで、当該第2の構成例における前記D/A変
換部13は、上記RAM7からの上記補正及びディザ化
の処理がなされた印画データ信号を、前記D/A変換ト
リガ信号に応じて、実際の印画のために使用する電圧レ
ベルの変調振動子駆動信号を生成し、この変調振動子駆
動信号を変調振動子ドライブ部35に送る。
【0099】上記変調振動子ドライブ部35では、上記
変調振動子駆動信号を、変調用電歪振動子すなわち前記
インク定量用の積層ピエゾ素子144を変位させるのに
必要な電力にまで増幅し、これがプリントヘッド変調部
37へ変調振動子印加信号として送られる。当該プリン
トヘッド変調部37には、予め決められた一定時間だ
け、上記変調振動子印加信号が加えられ、その後当該変
調振動子印加信号は無効とされる。これによりプリント
ヘッド変調部37内でのインクの定量が行われる。
【0100】上記インクの定量が終了すると、タイミン
グ制御部18は、上記吐出振動子ドライブ部38に対し
て、前記印画データ信号に応じた吐出タイミング信号を
出力する。この吐出タイミング信号は、吐出振動子ドラ
イブ部38によって、吐出用電歪振動子すなわち前記希
釈液吐出用の積層ピエゾ素子134を変位させるのに必
要な電力にまで増幅され、これが吐出振動子印加信号と
して、プリントヘッド吐出部36に送られる。当該プリ
ントヘッド吐出部36では、前記希釈液を上記プリント
ヘッド変調部37によって定量されたインクと混合一体
となして、前記吐出オリフィス156から吐出させる。
これにより、記録紙上には所望の濃度のインクドットが
形成されることになる。
【0101】このようにして1回目のインクドットの形
成が記録紙上で行われると、次のインクドットの形成に
移る。すなわち、前記RAM7上に格納された次に印画
すべき印画データをD/A変換部13に送り、これ以降
は、前述同様の動作を繰り返す。
【0102】その後、前記図1の構成と同様に、モータ
制御部19は、CPU5からのモータ駆動制御信号に基
づいて、プリントヘッドの駆動に同期して必要に応じて
記録紙を送るためのモータ駆動信号を生成し、このモー
タ駆動信号がモータドライブ部20を介してモータ部2
1の紙送りモータに供給され、これにより記録紙が送ら
れる。これらの動作を繰り返すことで、紙送り、ヘッド
送り、ヘッドへの電圧の印加,吐出が行われる。
【0103】上述した第2の構成例のように、多濃度イ
ンク混合型インクドット濃度変調方法を採用したプリン
トヘッドにおける光学濃度の印加電圧との関係は例えば
図15に示すようになる。
【0104】なお、図11の例では、インク定量用の積
層ピエゾ素子144の変位量を補正するようにしている
が、これと同時に吐出用の積層ピエゾ素子134の変位
量をも補正するようなことも可能である。
【0105】次に、本発明の前述した各構成例のプリン
トヘッドが使用されるプリンタ装置の実際の駆動部分の
構成について、図16及び図17を用いて説明する。
【0106】図16には、ヘッド駆動型プリンタの一例
としていわゆるシリアル型のプリンタ装置の構成を示
す。当該図16において、被印刷物としてのプリント紙
222はドラム223の軸方向に平行に設けられた紙圧
着ローラ231により、ドラム223に圧着保持されて
いる。ドラム223の外周には送りネジ224がドラム
軸方向に平行に設けられており、送りネジ224にはプ
リントヘッド部221が保持されている。そして、送り
ネジ224の回転によってプリントヘッド部221が軸
方向に移動するようになっている。また、ドラム223
はプーリ225、ベルト226、プーリ227を介して
モータ228により回転駆動される。さらに、送りネジ
224及びモータ228の回転とプリントヘッド221
の駆動は駆動制御部229により制御され、この駆動制
御部229は印画データ及び制御信号生成部230から
の印画データ及び制御信号に基づいて制御される。上記
の構成においては、プリントヘッド221が移動して1
行分の印画を行うと、ドラム223を1行分だけ回転さ
せて次の行の印画を行う。プリントヘッド221の移動
は、同一方向の場合と往復方向の場合とがある。
【0107】また、図17には、ライン型のプリンタ装
置の駆動部分の構成例を示している。なお、この図17
において図16と同一の構成要素には同じ指示符号を付
してその説明は省略する。この図17の場合は、図16
に示したシリアル型のヘッド及び送りネジの代わりに多
数のヘッドがライン状に配置されたラインヘッド232
が軸方向に固定して設けられている。この構成では、ラ
インヘッド232で1行分の印画が同時に行われ、印画
が完了するとドラム223を1行分だけ回転させて次の
行の印画を行う。この場合、全ラインを一括して印画し
たり、複数ブロックに分割したり、1行おきに交互に印
字する方法も考えられる。
【0108】上述したようなことから、本発明のプリン
タ装置においては、プリントヘッドの温度変化や当該プ
リントヘッドの周囲の環境温度変化に対する補正を、印
画すべきデータの内容の変更を経て、インク径変調或い
は濃度変調による諧調化とインクドット配置による諧調
化との両方に反映させているので、補正可能な温度変化
範囲が広くなり、したがって、プリントヘッドの実質解
像度を落とすことなく、印画諧調レベルを正確にするこ
とができ、入力画像データに正確で均一な品質の印画が
できる。また、本発明では、簡単な回路構成でプリント
ヘッドの温度変化やヘッドの環境温度変化によるインク
液滴吐出特性の変化或いは濃度変調特性の変化を補正し
た多諧調印画が可能となる。
【0109】なお、プリントヘッド温度やプリントヘッ
ドの環境温度を検出し、それによって電歪振動子に加え
る電圧を直接変更する手法も考えられるが、この手法で
は、印画すべきデータをその値に対応した電歪振動子に
印加する電圧レベルに変換する手段の後に、各温度変化
に対応して、その電圧レベルをさらに補正する手段が必
要となるため、回路(特にアナログ回路)が複雑化する
問題点があるのに対して、本発明では、これらの温度変
化に対する補正をディジタル処理系内で全て処理するこ
とができるので、ハードウェアで行う場合は集積化が容
易になり、また、CPUのソフトウェアのみでも処理が
可能となる。その処理後、D/A変換を経ることになる
が、このD/A変換以降では、このような温度変化補正
を考慮しなくて良くなる。
【0110】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
おいては、検出温度に基づいて印画信号を補正し、この
補正した印画信号に応じて、記録媒体上に印画を行うた
めの付着媒体を吐出する加圧手段の動作を制御すること
により、プリントヘッドの温度変化や環境温度変化によ
っても、実質解像度が下がることなく、また印画諧調レ
ベルも正確にできて均一な品質の印画が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の構成例のプリンタ装置の概略構
成を示すブロック回路図である。
【図2】プリントヘッドのインク液滴吐出原理を説明す
るための原理図である。
【図3】マルチノズルのプリントヘッドの外観図であ
る。
【図4】第1の構成例のプリンタ装置の各部の動作タイ
ミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図5】第1の構成例のプリンタ装置における動作のフ
ローチャートである。
【図6】入力画像データと記録紙上に形成されるインク
ドット径の関係を示す図である。
【図7】各入力レベルと光学濃度,インクの面積率,ド
ット直径での実際のドット直径の関係を表す図である。
【図8】誤差拡散法についての説明に用いる図である。
【図9】入力画像データとインクドットの光学濃度との
関係を示す図である。
【図10】ディザ制御動作のフローチャートである。
【図11】本発明の第2の構成例のプリンタ装置の概略
構成を示すブロック回路図である。
【図12】インク溶液と希釈液の2液混合型のプリント
ヘッドの断面図である。
【図13】図11のプリントヘッドのノズル近傍の拡大
図である。
【図14】2液混合型のプリントヘッドの動作を説明す
るためのタイミングチャートである。
【図15】多濃度インク混合型インクドット濃度変調方
法を採用したプリントヘッドにおける光学濃度の印加電
圧との関係を示す図である。
【図16】シリアル型のインクジェットプリンタ装置の
全体構成を示す図である。
【図17】ライン型のインクジェットプリンタ装置の全
体構成を示す図である。
【図18】振動子円筒型のプリントヘッドの基本的な構
成を示す図である。
【図19】振動子平板型のプリントヘッドの基本的な構
成を示す図である。
【図20】ステメ型(2室型)のプリントヘッドの基本
的な構成を示す図である。
【図21】加熱気化型のプリントヘッドの基本的な構成
を示す図である。
【符号の説明】
4 データ入力インターフェイス部 5 CPU 7 RAM 13 D/A変換部 15 ヘッドドライブ部 16 プリントヘッド 17 ヘッド位置検出センサ 18 タイミング制御部 19 モータ制御部 20 モータドライブ部 21 紙送りモータ及びヘッド送りモータ 35 変調振動子ドライブ部 36 プリントヘッド吐出部 37 プリントヘッド変調部 38 吐出振動子ドライブ部 40 温度センサ 41 センサインターフェイス部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池上 淳子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上に中間調の印画を行うプリン
    タ装置において、 上記記録媒体上に付着させて印画を行うための付着媒体
    が導入される圧力室と、 上記圧力室に連通するノズルと、 印画信号に応じて上記圧力室内の上記付着媒体を加圧す
    る加圧手段と、 温度を検出する温度検出手段と、 上記温度検出手段により検出された温度に応じて上記印
    画信号を補正する補正手段とを有することを特徴とする
    プリンタ装置。
  2. 【請求項2】 上記付着媒体が上記記録媒体上に付着し
    て形成されるドット径を変化させて中間調の印画を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
  3. 【請求項3】 上記付着媒体は、インクと希釈液とから
    なり、 上記印画信号に応じて定量したインクと、上記希釈液と
    を混合した混合液を、上記記録媒体上に付着させること
    により、中間調の印画を行うことを特徴とする請求項1
    記載のプリンタ装置。
  4. 【請求項4】 上記付着媒体は、インクと希釈液とから
    なり、 上記印画信号に応じて定量した希釈液と、上記インクと
    を混合した混合液を、上記記録媒体上に付着することに
    より、中間調の印画を行うことを特徴とする請求項1記
    載のプリンタ装置。
  5. 【請求項5】 上記温度検出手段は、上記ノズル近傍の
    温度を検出することを特徴とする請求項1記載のプリン
    タ装置。
  6. 【請求項6】 多諧調誤差拡散法を併用して中間調の印
    画を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載のプ
    リンタ装置。
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