JP2018001640A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Kinya Ozawa
欣也 小澤
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Abstract

【課題】非吐出状態の更なる長期化においても、それに起因するノズル詰まりの度合いがより軽減される液体吐出装置を提供する。【解決手段】プリンター100は、インクを吐出するノズル74およびノズル74に対応するように設けられた圧力発生部72を有する印刷ヘッド13と、ノズル74からインクを吐出させるように圧力発生部72を駆動する第1駆動信号COM1およびノズル74に形成されたインクのメニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2を生成する駆動信号生成回路37と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
液体吐出装置としての例えばインクジェットプリンターにおいては、インク(液体)を吐出しない非吐出期間のインクの増粘に起因するインク吐出ノズルの詰まりなどの課題がある。ノズル先端領域におけるインクの増粘は、例えば、インクを構成する溶媒の揮発や溶質の沈降などによって起こる。これに対し、非吐出期間にインクを吐出させない程度にノズル先端に形成されるインクのメニスカスを微振動させることにより、増粘したインクが固着することを抑制し、吐出不良の発生を防止するように構成された液体吐出装置が知られている。
例えば、特許文献1には、インクを吐出する吐出波形要素を含んだ吐出用共通駆動波形を発生させる第1の駆動波形発生手段とは別に、ノズルから液を吐出させない程度にメニスカスを微振動させるための微振動波形要素を含んだ微振動用共通駆動波形を発生させる第2の駆動波形発生手段を備えた液体吐出ヘッドの駆動装置が記載されている。
特開2006−35568号公報
しかしながら、特許文献1に記載の液体吐出ヘッドの駆動装置では、増粘したインクがノズルに固着し吐出不良となる頻度を低減することはできるが、つまり、吐出不良に至る期間をより長くすることはできるが、非吐出期間がより長期化し、吐出不良に至った場合においては、それを容易に解消することができなくなる場合があるという課題があった。具体的には、メニスカスを振動させる周波数や振幅によっては、メニスカスの近傍で増粘したインクがノズルに連通するインク貯留室(インクを吐出するための圧力発生室など)に継続的に拡散してしまい、その結果、インク吐出が行われない状況が長く続くと、インク貯留室の全体に亘ってインクが増粘してインク吐出不良に至ってしまうという場合があった。その状態を解消するためには、インク貯留室内で増粘したインクを全て排出する必要があり、復帰するまでに時間を要したり、復帰のために消費(廃棄)されるインク量が増えてしまったりするという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係る液体吐出装置は、液体を吐出するノズルおよび前記ノズルに対応するように設けられた圧力発生部を有する液体吐出ヘッドと、前記ノズルから前記液体を吐出させるように前記圧力発生部を駆動する第1の波形および前記ノズルに形成された前記液体のメニスカスを面内振動させる第2の波形を生成する駆動波形生成手段と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、液体のメニスカスを面内振動させる第2の波形を生成する駆動波形生成手段を備えているため、液体を吐出しない期間において、メニスカスを面内振動させることにより、液体がノズルに固着することが抑制される。また、液体の動きがメニスカスの表面、すなわち、ノズル先端領域の空気に触れる界面に局所的に限定されるため、メニスカスにおいて液体が増粘した場合であっても、増粘した液体がノズルに連通する領域(例えば、液体を吐出するための圧力発生室)に拡散していくことが抑制される。よって、液体の増粘による固着が抑制されると共に、増粘した液体をメニスカスの近傍に留め置くことができる。その結果、増粘した液体によって所定の吐出が行われない吐出不良に至った場合であっても、メニスカスの近傍に留め置かれ増粘した液体を排出するだけで良いため、より容易に吐出不良の状態を解消することができる。
[適用例2] 上記適用例に係る液体吐出装置において、前記第2の波形の周波数が、前記第1の波形の周波数より高いことを特徴とする。
本適用例のように、メニスカスを面内振動させる第2の波形の周波数は、ノズルから液体を吐出させるように圧力発生部を駆動する第1の波形の周波数より高いことが好ましい。すなわち、同じエネルギーでメニスカスを面内振動させた場合、第2の波形の周波数をより高く設定することで、第2の波形の振幅をより小さくすることができる。より小さい振幅でメニスカスを面内振動させることで、メニスカスにおいて増粘した液体の拡散移動量をより小さくすることができる。また、ノズルから液体を吐出させるように圧力発生部を駆動する第1の波形の周波数を、メニスカスを面内振動させる第2の波形の周波数より低く設定することで、液体の吐出量や吐出タイミングなど、液体の吐出制御をより精度高く行うようにすることができる。
[適用例3] 上記適用例に係る液体吐出装置において、前記第2の波形の振幅が、前記第1の波形の振幅より小さいことを特徴とする。
本適用例のように、メニスカスを面内振動させる第2の波形の振幅は、ノズルから液体を吐出させるように圧力発生部を駆動する第1の波形の振幅より小さいことが好ましい。すなわち、第2の波形の振幅を第1の波形の振幅より小さくすることで、液体をノズルから吐出しない状態で振動させることができるばかりでなく、第2の波形の振幅をより小さくすることで、増粘した液体がメニスカスの近傍から拡散することを抑制することができる。
[適用例4] 上記適用例に係る液体吐出装置において、前記第1の波形が、台形波を含む波形で構成され、前記第2の波形が、矩形波を含む波形で構成されていることを特徴とする。
本適用例によれば、ノズルから液体を吐出させるように圧力発生部を駆動する第1の波形が、台形波、つまり、時間と共にその出力値を変化させることができる波形を含む波形で構成される。そのため、液体の吐出をより精度高く制御することが可能となる。また、ノズルに形成された液体のメニスカスを面内振動させる第2の波形が、矩形波を含む波形で構成される。そのため、圧力発生部を駆動する波形を矩形波で構成する場合、デジタル処理により、より簡便に生成することができる。また、圧力発生部をより高周波で駆動することができる。
[適用例5] 上記適用例に係る液体吐出装置において、前記第2の波形の周波数が、100KHzから1MHzの周波数帯に含まれることを特徴とする。
本適用例のように、ノズルに形成された液体のメニスカスを面内振動させる第2の波形は、100KHzから1MHzの周波数帯に含まれることが好ましい。メニスカス近傍の液体を固化させない程度のエネルギーで振動させる場合に、100KHzを下回る周波数の場合には、その振幅を周波数の低下に伴って大きくする必要があり、その結果、増粘した液体がメニスカスの近傍から拡散することが抑制される度合いが低くなってしまう。また、1MHzを上回る周波数の場合には、圧力発生部を駆動する手段の構成によっては、圧力発生部が発熱することにより、圧力発生部近傍の液体が変質し、吐出不良を引き起こしてしまう場合がある。
[適用例6] 上記適用例に係る液体吐出装置において、前記圧力発生部が、前記ノズルに連通し前記液体を収容する圧力発生室と、前記圧力発生室を構成する面の少なくとも一部を構成する振動板と、前記振動板に積層され、前記振動板を介して前記圧力発生室の容積を変動させることにより前記液体を前記ノズルから吐出させることができる圧電薄膜と、を有し、前記圧電薄膜が、前記第2の波形が印加されることにより撓み振動することを特徴とする。
本適用例によれば、圧力発生部は、ノズルに連通し液体を収容する圧力発生室と、圧力発生室を構成する面の少なくとも一部を構成する振動板と、この振動板に積層され、振動板を介して圧力発生室の容積を変動させることにより液体をノズルから吐出させることができる圧電薄膜とを有している。また、圧電薄膜が、第2の波形が印加されることにより撓み振動する。このような構成にすることにより(すなわち、振動板に、撓み振動する圧電薄膜を積層させた構成とすることにより)、振動板の全体を、圧電薄膜の撓み振動に同期させて振動させることが容易となり、第2の波形によって、より効率的に、メニスカスを面内振動させることができる。
[適用例7] 上記適用例に係る液体吐出装置において、前記振動板のヤング率が、前記圧電薄膜のヤング率より大きいことを特徴とする。
本適用例のように、振動板のヤング率が、圧電薄膜のヤング率より大きいことが好ましい。振動板のヤング率が、圧電薄膜のヤング率より大きいことにより、圧電薄膜の振動を、振動板に吸収されることなく、あるいは、振動板に吸収される度合いを少なくして、圧力発生室に伝達することが可能になる。その結果、より効率的に、メニスカスを面内振動させることができる。
実施形態1に係る液体吐出装置としてのプリンターの構成を示す正面図 実施形態1に係る液体吐出装置としてのプリンターの構成を示すブロック図 プリンタードライバーの基本機能の説明図 印刷ヘッドの下面から見た、ノズルの配列の例を示す模式図 印刷ヘッドの要部断面図 印刷ヘッドを駆動する駆動制御系統の構成の例を説明するブロック図 インクを吐出させるための駆動信号を説明するためのタイミングチャート メニスカスを面内振動させる駆動信号を説明するためのタイミングチャート メニスカスの面内振動を説明する概念図 従来のメニスカス表面の動きを示す概念図 変形例1に係るアクチュエーターの構成を示す要部断面図 変形例3に係るアクチュエーターの構成を示す要部断面図
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。また、図面に付記する座標においては、Z軸方向が上下方向、+Z方向が上方向、X軸方向が前後方向、−X方向が前方向、Y軸方向が左右方向、+Y方向が左方向、X−Y平面が水平面としている。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る「液体吐出装置」としてのプリンター100の構成を示す正面図、図2は、同ブロック図である。
プリンター100は、プリンター100に接続される画像処理装置110と共に印刷システム1を構成している。プリンター100は、画像処理装置110から受信する画素データを含む印刷データに基づいて、ロール状に巻かれた状態で供給される長尺状の印刷媒体としてのロール紙5に所望の画像を印刷するインクジェットプリンターである。
<画像処理装置の基本構成>
画像処理装置110は、プリンター制御部111、入力部112、表示部113、記憶部114などを備え、プリンター100に印刷を行わせる印刷ジョブの制御を行う。画像処理装置110は、好適例としてパーソナルコンピューターを用いて構成している。
画像処理装置110が動作するソフトウェアには、印刷する画像データを扱う一般的な画像処理アプリケーションソフトウェア(以下アプリケーションと言う)や、プリンター100の制御や、プリンター100に印刷を実行させるための印刷データを生成するプリンタードライバーソフトウェア(以下プリンタードライバーと言う)が含まれる。
プリンター制御部111は、CPU(Central Processing Unit)115や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)116、DSP(Digital Signal Processor)117、メモリー118、プリンターインターフェイス部119などを備え、印刷システム1全体の集中管理を行う。
入力部112は、ヒューマンインターフェイスとして情報入力手段である。具体的には、例えば、キーボードや情報入力機器が接続されるポートなどである。
表示部113は、ヒューマンインターフェイスとしての情報表示手段(ディスプレー)であり、プリンター制御部111の制御の基に、入力部112から入力される情報や、プリンター100に印刷する画像、印刷ジョブに関係する情報などが表示される。
記憶部114は、ハードディスクドライブ(HDD)やメモリーカードなどの書き換え可能な記憶媒体であり、画像処理装置110が動作するソフトウェア(プリンター制御部111で動作するプログラム)や、印刷する画像、印刷ジョブに関係する情報などが記憶される。
メモリー118は、CPU115が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。
<プリンター100の基本構成>
プリンター100は、印刷部10、移動部20、制御部30などから構成されている。画像処理装置110から印刷データを受信したプリンター100は、制御部30によって印刷部10、移動部20を制御し、ロール紙5に画像を印刷(画像形成)する。
印刷データは、例えば、デジタルカメラなどによって得られた一般的な画像データ(例えば、RGBのデジタル画像情報)を、画像処理装置110が備えるアプリケーションおよびプリンタードライバーによってプリンター100で印刷できるように変換処理した画像形成用のデータであり、プリンター100を制御するコマンドを含んでいる。
印刷部10は、ヘッドユニット11、インク供給部12などから構成されている。
移動部20は、走査部40、搬送部50などから構成されている。走査部40は、キャリッジ41、ガイド軸42、キャリッジモーター(図示省略)などから構成されている。搬送部50は、供給部51、収納部52、搬送ローラー53、プラテン55などから構成されている。
ヘッドユニット11は、「液体」としての印刷用インク(以下インクと言う)をインク滴として吐出する複数のノズル(ノズル列)を有する「液体吐出ヘッド」としての印刷ヘッド13およびヘッド制御部14を備えている。ヘッドユニット11は、キャリッジ41に搭載され、走査方向(図1に示すX軸方向)に移動するキャリッジ41に伴って走査方向に往復移動する。ヘッドユニット11(印刷ヘッド13)が走査方向に移動しながら制御部30の制御の下に、プラテン55に支持されるロール紙5にインク滴を吐出することによって、走査方向に沿ったドットの列(ラスタライン)がロール紙5に形成される。
インク供給部12は、インクタンクおよびインクタンクから印刷ヘッド13にインクを供給するインク供給路(図示省略)などを備えている。
インクには、例えば、濃インク組成物からなるインクセットとして、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のインクセットにブラック(K)を加えた4色のインクセットなどがある。また、例えば、それぞれの色材の濃度を淡くした淡インク組成物からなるライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトイエロー(Ly)、ライトブラック(Lk)などのインクセットを加えた8色のインクセットなどがある。インクタンク、インク供給路、および同一インクを吐出するノズルまでのインク供給経路は、インク毎に独立して設けられている。
インク滴を吐出する方式(インクジェット方式)には、ピエゾ方式を用いている。ピエゾ方式は、圧力発生室に貯留されたインクに圧電素子(ピエゾ素子)を利用したアクチュエーターにより印刷情報信号に応じた圧力を加え、圧力発生室に連通するノズルからインク滴を噴射(吐出)し印刷する方式である。
移動部20(走査部40、搬送部50)は、制御部30の制御の下に、ロール紙5を印刷部10に対し相対移動させる。
ガイド軸42は、走査方向に延在しキャリッジ41を摺接可能な状態で支持し、また、キャリッジモーターは、キャリッジ41をガイド軸42に沿って往復移動させる際の駆動源となる。つまり、走査部40(キャリッジ41、ガイド軸42、キャリッジモーター)は、制御部30の制御の下にキャリッジ41を(つまりは、印刷ヘッド13を)ガイド軸42に沿って走査方向に移動させる。
供給部51は、ロール紙5がロール状に巻かれたリールを回転可能に支持し、ロール紙5を搬送経路に送り出す。収納部52は、ロール紙5を巻き取るリールを回転可能に支持し、印刷が完了したロール紙5を搬送経路から巻き取る。
搬送ローラー53は、ロール紙5を走査方向と交差する搬送方向(図1に示すY軸方向)に移動させる駆動ローラーやロール紙5の移動に伴って回転する従動ローラーなどから成り、ロール紙5を供給部51から印刷部10の印刷領域(プラテン55の上面で印刷ヘッド13が走査移動する領域)を経由し、収納部52に搬送する搬送経路を構成する。
制御部30は、インターフェイス部31、CPU(Central Processing Unit)32、メモリー33、駆動制御部34などを備え、プリンター100の制御を行う。
インターフェイス部31は、画像処理装置110のプリンターインターフェイス部119に接続され、画像処理装置110とプリンター100との間でデータの送受信を行う。
CPU32は、プリンター100全体の制御を行うための演算処理装置である。
メモリー33は、CPU32が動作するプログラムを格納する領域や動作する作業領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EEPROMなどの記憶素子によって構成される。
CPU32は、メモリー33に格納されているプログラム、および画像処理装置110から受信した印刷データに従って、駆動制御部34を介して印刷部10、移動部20を制御する。
駆動制御部34は、CPU32の制御に基づいて、印刷部10(ヘッドユニット11、インク供給部12)、移動部20(走査部40、搬送部50)の駆動を制御する。駆動制御部34は、移動制御信号生成回路35、吐出制御信号生成回路36、「駆動波形生成手段」としての駆動信号生成回路37を備えている。
移動制御信号生成回路35は、CPU32からの指示に従って、移動部20(走査部40、搬送部50)を制御する信号を生成する回路である。
吐出制御信号生成回路36は、印刷データに基づき、CPU32からの指示に従って、インクを吐出するノズルの選択、吐出する量の選択、吐出するタイミングの制御などをするためのヘッド制御信号を生成する回路である。
駆動信号生成回路37は、印刷ヘッド13が備える圧力発生部72(後述)を駆動する基本駆動信号(「第1の波形」としての第1駆動信号COM1および「第2の波形」としての第2駆動信号COM2など)を生成する回路である。基本駆動信号については後述する。
以上の構成により、制御部30は、搬送部50(供給部51、搬送ローラー53)によって印刷領域に供給されたロール紙5に対し、ガイド軸42に沿って印刷ヘッド13を支持するキャリッジ41を走査方向(X軸方向)移動させながら印刷ヘッド13からインク滴を吐出する動作と、搬送部50(搬送ローラー53)により走査方向と交差する搬送方向(+Y方向)にロール紙5を移動させる動作とを繰り返すことにより、ロール紙5に所望の画像を形成(印刷)する。
<プリンタードライバーの基本機能>
図3は、プリンタードライバーの基本機能の説明図である。
ロール紙5への印刷は、画像処理装置110からプリンター100に印刷データが送信されることにより開始される。印刷データは、プリンタードライバーによって生成される。
以下、印刷データの生成処理について、図3を参照しながら説明する。
プリンタードライバーは、アプリケーションから画像データ(例えば、テキストデータやフルカラーのイメージデータなど)を受け取り、プリンター100が解釈できる形式の印刷データに変換し、印刷データをプリンター100に出力する。アプリケーションからの画像データを印刷データに変換する際に、プリンタードライバーは、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理、コマンド付加処理などを行う。
解像度変換処理は、アプリケーションから出力された画像データを、ロール紙5に印刷する際の解像度(印刷解像度)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションから受け取ったベクター形式の画像データを720×720dpiの解像度のビットマップ形式の画像データに変換する。解像度変換処理後の画像データの各画素データは、マトリクス状に配置された画素から構成されている。各画素はRGB色空間の例えば256階調の階調値を有している。つまり、解像度変換後の画素データは、対応する画素の階調値を示すものである。
マトリクス状に配置された画素の内の所定の方向に並ぶ1列分の画素に対応する画素データを、ラスタデータと言う。なお、ラスタデータに対応する画素が並ぶ所定の方向は、画像を印刷するときの印刷ヘッド13の移動方向(走査方向)と対応している。
色変換処理は、RGBデータをCMYK色系空間のデータに変換する処理である。CMYK色とは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)であり、CMYK色系空間の画像データは、プリンター100が有するインクの色に対応したデータである。従って、例えば、プリンター100がCMYK色系の10種類のインクを使用する場合には、プリンタードライバーは、RGBデータに基づいて、CMYK色系の10次元空間の画像データを生成する。
この色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYK色系データの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)に基づいて行われる。なお、色変換処理後の画素データは、CMYK色系空間により表される例えば256階調のCMYK色系データである。
ハーフトーン処理は、高階調数(256階調)のデータを、プリンター100が形成可能な階調数のデータに変換する処理である。このハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、例えば、2階調(ドット有り、無し)を示す1ビットデータや、4階調(ドット無し、小ドット、中ドット、大ドット)を示す2ビットデータに変換される。具体的には、階調値(0〜255)とドット生成率が対応したドット生成率テーブルから、階調値に対応するドットの生成率(例えば、4階調の場合は、ドット無し、小ドット、中ドット、大ドットのそれぞれの生成率)を求め、得られた生成率において、ディザ法・誤差拡散法などを利用して、ドットが分散して形成されるように画素データが作成される。
ラスタライズ処理は、マトリクス状に並ぶ画素データ(例えば上記のように1ビットや2ビットのデータ)を、印刷時のドット形成順序に従って並べ替える処理である。ラスタライズ処理には、ハーフトーン処理後の画素データによって構成される画像データを、印刷ヘッド13(ノズル列)が走査移動しながらインク滴を吐出する各パスに割り付けるパス割り付け処理が含まれる。パス割り付けが完了すると、印刷画像を構成する各ラスタラインを形成する実際のノズルが割り付けられる。
コマンド付加処理は、ラスタライズ処理されたデータに、印刷方式に応じたコマンドデータを付加する処理である。コマンドデータとしては、例えば媒体の搬送仕様(搬送方向への移動量や速度など)に関わる搬送データなどがある。
プリンタードライバーによるこれらの処理は、CPU115の制御の元にASIC116およびDSP117(図2参照)によって行われ、生成された印刷データは、プリンターインターフェイス部119を介してプリンター100に送信される。
<ノズル列>
図4は、印刷ヘッド13の下面から見た、ノズルの配列の例を示す模式図である。
図4に示すように、印刷ヘッド13は、各色のインクを吐出するための複数のノズル74が並んで形成されたノズル列(図4に示す例は、それぞれ♯1〜♯400の400個のノズルから成るブラックインクノズル列K、シアンインクノズル列C、マゼンタインクノズル列M、イエローインクノズル列Y、グレーインクノズル列LK、ライトシアンインクノズル列LC)を備えている。
各ノズル列の複数のノズル74は、搬送方向(Y軸方向)に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ)でそれぞれ整列して並んでいる。図4において、各ノズル列のノズル74は、下流側のノズル74ほど若い番号が付されている(♯1〜♯400)。つまり、♯1のノズル74は、♯400のノズル74よりも搬送方向の下流側に位置している。各ノズル74には、各ノズル74を駆動してインク滴を吐出させるための圧力発生部72が設けられている。
図5は、印刷ヘッド13の要部断面図である。
印刷ヘッド13は、インクを吐出するノズル74およびノズル74に対応するように設けられた圧力発生部72を備えている。
圧力発生部72は、「圧力発生室」としてのキャビティ73、振動板71、アクチュエーター77などから構成されている。
キャビティ73は、ノズル74に連通し、内部にインクが充填される。
振動板71は、キャビティ73を構成する面の少なくとも一部を構成しており(図5に示す例では、キャビティ73の天井面を構成している。)、振動板71の変位(撓み)によりキャビティ73の容積(つまりは内部圧力)が増減する。
アクチュエーター77は、圧電薄膜77a(ピエゾ素子)、圧電薄膜77aの表裏の一方の面を覆うように設けられた電極77b、圧電薄膜77aの表裏の他方の面を覆うように設けられた電極77cなどによって構成されている。アクチュエーター77は、キャビティ73との間に振動板71を挟むように、振動板71に積層して設けられており、振動板71を撓ませる(撓み振動させる)ことができる。
ノズル74はノズルプレート75に形成されている。また、ノズルプレート75と振動板71とによって挟まれるように位置するキャビティ基板76に、キャビティ73およびこれにインク供給口83を介して連通するリザーバ78とが形成されている。リザーバ78は、インク供給路を介してインクタンク(図示省略)に連通している。
このような構成からなる圧力発生部72において、電極77b,77cとの間に駆動信号を印加することにより、図5の矢印で示すように振動板71を撓み振動させることで、キャビティ73内部の圧力を変化させ、キャビティ73内部のインクを振動させたり、ノズル74からインク滴を吐出させたりすることができる。
<印刷ヘッドの駆動制御>
次に、図6を参照し、印刷ヘッド13の駆動制御について説明する。図6は、印刷ヘッド13を駆動する駆動制御系統の構成の例を説明するブロック図である。
前述したように、ヘッドユニット11は、印刷ヘッド13、ヘッド制御部14などにより構成されている。また、駆動制御部34は、吐出制御信号生成回路36および駆動信号生成回路37を備え、ヘッド制御部14を介して、印刷ヘッド13を駆動制御する。
より具体的には、駆動制御部34は、吐出制御信号生成回路36が生成するヘッド制御信号と駆動信号生成回路37が生成する基本駆動信号とに基づいて、ヘッド制御部14を介し、各ノズル74のそれぞれに対応する圧力発生部72(アクチュエーター77)を選択的に駆動する。
基本駆動信号には、第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2、ベース信号VBSなどがある。
第1駆動信号COM1は、ヘッド制御部14が、アクチュエーター77を駆動してキャビティ73内のインクに圧力変動を生じさせることによりノズル74からインクを吐出させるための信号である。
第2駆動信号COM2は、ヘッド制御部14が、アクチュエーター77を駆動してキャビティ73内のインクに微振動(ノズル74に形成されたインクのメニスカスを面内振動させる振動)を付与するための信号である。
ベース信号VBSは、第1駆動信号COM1、あるいは、第2駆動信号COM2との電位差によりアクチュエーター77に、駆動パルスPS(インクを吐出させるための信号)を印加するための基準電位を与える信号である。
ヘッド制御部14は、ヘッド制御信号に基づき、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2とを切り替え、また、タイミングを制御して、アクチュエーター77を駆動する。
ヘッド制御信号とは、駆動パルス選択データSI&SP、クロック信号CLK、ラッチ信号LAT、チャンネル信号CHなどである。
駆動パルス選択データSI&SPは、インク滴を吐出させるべきノズル74に対応したアクチュエーター77を指定する画素データSIおよび吐出する量に係る第1駆動信号COM1の波形パターンデータSPを含んでいる。
ラッチ信号LAT、チャンネル信号CHは、第1駆動信号COM1のタイミングを定める制御信号である。ラッチ信号LATで一連の第1駆動信号COM1が出力され始め、チャンネル信号CH毎に駆動パルスPSが出力される。
<インクの吐出駆動>
次に、インクを吐出させるための駆動について説明する。
ヘッド制御部14は、図6に示すように、制御回路90、シフトレジスター91、ラッチ回路92、レベルシフター93、選択スイッチ94などから構成されている。
ヘッド制御部14は、制御回路90で、駆動制御部34から受信したヘッド制御信号から、波形選択信号q0〜q3を生成する。波形選択信号q0〜q3は、波形パターンデータSP、およびクロック信号CLK、ラッチ信号LAT、チャンネル信号CHなどタイミング信号に基づいて生成される。波形選択信号q0〜q3を生成するステップの説明は省略する。
シフトレジスター91には、画素データSIが順次入力されると共に、クロック信号CLKの入力パルスに応じて記憶領域が初段から順次後段にシフトする。ラッチ回路92は、ノズル数分の画素データSIがシフトレジスター91に格納された後、入力されるラッチ信号LATによってシフトレジスター91の各出力信号をラッチする。ラッチ回路92に保存された信号は、レベルシフター93によって次段の選択スイッチ94をオン/オフ(接続/遮断)できる電圧レベルに変換される。アクチュエーター77には、レベルシフター93の出力によって選択スイッチ94がオンし、第1駆動信号COM1が接続される。すなわち、アクチュエーター77には、駆動パルスPSが印加される。
図7は、インクを吐出させるための駆動信号(駆動パルスPS1〜PS3)を説明するためのタイミングチャートである。図7における駆動信号(アクチュエーター77に印加される信号)は、インク滴を吐出させるための信号(第1駆動信号COM1に基づく信号)を示しており、キャビティ73内部のインクに微振動を付与するための信号(第2駆動信号COM2に基づく信号)は含まれていない。また、図7において、繰り返し周期である期間T(以下周期Tとも言う)は、ノズル74が1画素分走査方向に移動する期間に対応する。例えば、印刷解像度が720dpiの場合、期間Tは、ノズル74がロール紙5に対して1/720インチ移動するための期間に相当する。
ヘッド制御部14は、駆動パルス選択データSI&SPおよび波形選択信号q0〜q3に従って第1駆動信号COM1から選択的にインクを吐出させるための信号(駆動パルスPS1〜PS3)をアクチュエーター77に印加する。すなわち、波形選択信号q0〜q3によって選択的に第1駆動信号COM1(駆動パルスPS1〜PS3)を印加することによって、1つの画素内に大きさの異なるインク滴を吐出し、複数の階調を表現する。
なお、第1駆動信号COM1(駆動パルスPS1〜PS3)は、後述するように第2駆動信号COM2が矩形波であるのに対し、台形波を含む波形で構成されている。第1駆動信号COM1(駆動パルスPS1〜PS3)は、インク滴を吐出するタイミングおよび1回当たりの吐出量を精度良く制御する必要があるため、台形波、つまり、時間と共にその出力値を所定の値で変化させる(つまり所定の速度で変化させる)ことができる波形で構成している。
具体的には、図7に示すように、大ドットの形成時(2ビットの画素データ(ドット階調値)が[11]の場合)には、期間T1〜T3において、波形選択信号q3によって、第1駆動信号COM1(すなわち駆動パルスPS1、駆動パルスPS2および駆動パルスPS3)が選択されてアクチュエーター77(圧電薄膜77a)に印加される。
中ドットの形成時(ドット階調値が[10]の場合)には、期間T1〜T2において、波形選択信号q2によって、第1駆動信号COM1(すなわち駆動パルスPS1および駆動パルスPS2)が選択され、アクチュエーター77に印加される。
小ドットの形成時(ドット階調値が[01]の場合)には、期間T1において、波形選択信号q1によって、第1駆動信号COM1(すなわち駆動パルスPS1)が選択され、アクチュエーター77に印加される。
ドットを形成しない時(ドット階調値が[00]の場合)には、期間Tに亘って、波形選択信号q0によって、第1駆動信号COM1は選択されない。従って、インクを吐出させるための信号は、アクチュエーター77に印加されない。
<インクの微振動駆動>
ところで、キャビティ73内部のインクは、静止状態が継続すると、その粘度が変化して、インクの吐出特性が変化してしまう場合がある。例えば、溶媒に水や揮発性の溶剤を用いたインクの場合には、ノズル74付近の空気に触れる部分のインクは、溶媒の揮発により、その粘度が上昇する場合がある。また、インクにチキソ性液体を用いた場合においては、攪拌状態と静止状態では見かけ上の粘度が異なり、静止状態が継続すると、その粘度が上昇する。そこで、プリンター100は、安定してインクの吐出が行われるようにするために、キャビティ73内部のインクに微振動を付与し、撹拌されるようにすることで、ノズル74部分のインクの粘度変化を抑制している。第2駆動信号COM2は、キャビティ73内のインクに、この微振動を付与するための信号である。
ここまで説明した基本構成のプリンター100では、非吐出期間がより長期化することによって吐出不良に至った場合においては、それを容易に解消することができなくなる場合があるという課題があった。具体的には、例えば、ノズル74の先端部において溶媒の揮発により、その粘度が上昇してノズル74の詰まりに至るような不具合に対しては、キャビティ73内部のインクに微振動を付与することにより、ノズル74の先端部においてメニスカスが振動し、インクが攪拌され、メニスカス領域のインクが固化してしまうことを抑制できるようにしていた。しかしながら、インクを微振動させる周波数や振幅によっては、メニスカスの近傍で増粘したインクがノズルに連通するキャビティ73に継続的に拡散してしまい、その結果、インク吐出が行われない状況が長く続くと、キャビティ73の全体に亘ってインクが増粘してインク吐出不良に至ってしまうという場合があった。その状態を解消するためには、キャビティ73で増粘したインクを全て排出する必要があり、復帰するまでに時間を要したり、復帰のために消費(廃棄)されるインク量が増えてしまったりするという課題があった。
そこで、本実施形態のプリンター100は、インクの非吐出期間において第2駆動信号COM2により付与する微振動を、ノズル74に形成されたインクのメニスカスが面内振動する振動とすることにより、メニスカス近傍で増粘したインクがキャビティ73に拡散してしまう度合いを低減させている。すなわち、本実施形態のプリンター100は、インクを吐出するノズル74およびノズル74に対応するように設けられた圧力発生部72を有する印刷ヘッド13と、ノズル74からインクを吐出させるように圧力発生部72を駆動する第1駆動信号COM1およびノズル74に形成されたインクのメニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2を生成する駆動信号生成回路37と、を備えている。
以下に具体的に説明する。
図8は、ノズル74に形成されたインクのメニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2を説明するためのタイミングチャートである。
ここで、面内振動とは、図9に概念的に示すように、メニスカス表面に振動波が形成される振動を言う。これに対し、図10は、従来のメニスカス表面の動きを概念的に示す図である。この様に、メニスカス表面に振動波が形成されるようにし、メニスカスの位置の大きな移動によってメニスカスの近傍で増粘したインクがノズルに連通するキャビティ73に拡散してしまうことを抑制している。
従って、メニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2の振幅は、第1駆動信号COM1の振幅より極小さく、インクを吐出させることがない信号であり、また、その周波数は、第1駆動信号COM1の周波数より高く、超音波帯以上の高周波振動である。また、第2駆動信号COM2は、メニスカスを面内振動させる信号であれば良いので、第1駆動信号COM1のように波形のタイミング制御を行う必要は無く、従って台形波で構成する必要はなく、信号を生成するためのデジタル信号に基づく矩形波で良い。
第2駆動信号COM2は、駆動信号生成回路37によって生成され、ヘッド制御部14(選択スイッチ94)に供給される。
第2駆動信号COM2は、メニスカスを面内振動させる高周波帯で、なおかつ、高周波駆動によるヘッドユニット11(圧力発生部72)の発熱による影響を考慮し、100KHzから1MHzの周波数帯に含まれることが望ましい。本実施形態では、好適例として、第2駆動信号COM2を周波数120KHz、振幅5Vの矩形波として形成している。なお、メニスカスに面内振動が形成される第2駆動信号COM2の周波数や振幅は、アクチュエーター77やキャビティ73の構成、ノズル74の内径、インクの表面張力、インクとノズル側面との張力などによって異なってくるため、充分な評価によって決定することが望ましい。
ヘッド制御部14は、設定信号SI&SP、波形選択信号q0〜q3、および第2駆動信号COM2に基づいて、インク滴の吐出が行われない期間において、第2駆動信号COM2をアクチュエーター77(圧電薄膜77a)に印加し、キャビティ73内部のインクに微振動を発生させる。すなわち、波形選択信号q0〜q3によって選択的に第2駆動信号COM2を印加することによって、インク滴の吐出が行われない期間において、ノズル74に形成されたインクのメニスカスに面内振動を発生させる。
具体的には、図8に示すように、大ドットの形成時には、波形選択信号q3によって、期間T1〜T3において、第1駆動信号COM1(すなわち駆動パルスPS1、駆動パルスPS2、駆動パルスPS3)が選択され、期間T4において、第2駆動信号COM2が選択されてアクチュエーター77に印加される。
中ドットの形成時には、波形選択信号q2によって、期間T1〜T2において、第1駆動信号COM1(すなわち駆動パルスPS1、駆動パルスPS2)が選択され、期間T3〜T4において、第2駆動信号COM2が選択され、アクチュエーター77に印加される。
小ドットの形成時には、期間T1において、波形選択信号q1によって、第1駆動信号COM1(すなわち駆動パルスPS1)が選択され、期間T2〜T4において、第2駆動信号COM2が選択され、アクチュエーター77に印加される。
ドットを形成しない時には、期間Tに亘って、波形選択信号q0によって、第2駆動信号COM2が選択され、アクチュエーター77に印加される。従って、インクを吐出しない期間が長期に亘る場合において、ノズル74に形成されたインクのメニスカスは、面内振動を継続する。
以上述べたように、本実施形態による液体吐出装置によれば、以下の効果を得ることができる。
インクのメニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2を生成する駆動信号生成回路37を備えているため、インクを吐出しない期間において、メニスカスを面内振動させることにより、インクがノズル74に固着することが抑制される。

また、メニスカスの振動がノズル74先端領域における局所的な面内振動であるため、メニスカスにおいてインクが増粘した場合であっても、増粘したインクが振動(メニスカス面の移動)によってノズル74に連通する領域(キャビティ73)に拡散していくことが抑制される。また、インクの動きがメニスカスの表面、すなわち、ノズル74先端領域の空気に触れる界面に局所的に限定されるため、メニスカスにおいてインクが増粘した場合であっても、増粘したインクがノズル74に連通する領域(キャビティ73)に拡散していくことが抑制される。すなわち、インクの増粘による固着が抑制されると共に、増粘したインクをメニスカスの近傍に留め置くことができる。その結果、増粘したインクによって所定の吐出が行われない吐出不良に至った場合であっても、メニスカスの近傍に留め置かれ増粘したインクを排出するだけで良いため、より容易に状態を解消することができる。
また、メニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2の周波数は、ノズル74からインクを吐出させるように圧力発生部72を駆動する第1駆動信号COM1の周波数より高い。同じエネルギーでメニスカスを面内振動させた場合、第2駆動信号COM2の周波数をより高く設定することで、第2駆動信号COM2の振幅をより小さくすることができる。より小さい振幅でメニスカスを面内振動させることで、メニスカスにおいて増粘したインクの拡散移動量をより小さくすることができる。また、ノズル74からインクを吐出させるように圧力発生部72を駆動する第1駆動信号COM1の周波数を、メニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2の周波数より低く設定することで、インクの吐出量や吐出タイミングなど、インクの吐出制御をより精度高く行うようにすることができる。
また、メニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2の振幅は、ノズル74からインクを吐出させるように圧力発生部72を駆動する第1駆動信号COM1の振幅より小さい。第2駆動信号COM2の振幅を第1駆動信号COM1の振幅より小さくすることで、インクをノズル74から吐出しない状態で振動させることができるばかりでなく、第2駆動信号COM2の振幅をより小さくすることで、増粘したインクがメニスカスの近傍から拡散することを抑制することができる。
また、ノズル74からインクを吐出させるように圧力発生部72を駆動する第1駆動信号COM1が、台形波、つまり、時間とともにその出力値を変化させることができる波形を含む波形で構成される。そのため、インクの吐出をより精度高く制御することが可能となる。また、ノズル74に形成されたインクのメニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2が、矩形波を含む波形で構成される。そのため、圧力発生部72を駆動する波形を矩形波で構成する場合、デジタル処理により、より簡便に生成することができる。また、圧力発生部72をより高周波で駆動することができる。
また、ノズル74に形成されたインクのメニスカスを面内振動させる第2駆動信号COM2は、100KHzから1MHzの周波数帯に含まれる。メニスカス近傍のインクを固化させない程度のエネルギーで振動させる場合に、100KHzを下回る周波数の場合には、その振幅を周波数の低下に伴って大きくする必要があり、その結果、増粘したインクがメニスカスの近傍から拡散することが抑制される度合いが低くなってしまう。また、1MHzを上回る周波数の場合には、圧力発生部72を駆動する手段の構成によっては、圧力発生部72が発熱することにより、圧力発生部72近傍のインクが変質し、吐出不良を引き起こしてしまう場合がある。
また、圧力発生部72は、ノズル74に連通しインクを収容するキャビティ73と、キャビティ73を構成する面の少なくとも一部を構成する振動板71と、この振動板71に積層され、振動板71を介してキャビティ73の容積を変動させることによりインクをノズル74から吐出させることができる圧電薄膜77aとを有している。また、圧電薄膜77aが、第2駆動信号COM2が印加されることにより撓み振動する。このような構成にすることにより(すなわち、振動板71に、撓み振動する圧電薄膜77aを積層させた構成とすることにより)、振動板71の全体を、圧電薄膜77aの撓み振動に同期させて振動させることが容易となり、第2駆動信号COM2によって、より効率的に、メニスカスを面内振動させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
(変形例1)
図11は、変形例1に係るアクチュエーターの構成を示す要部断面図である。
実施形態1では、アクチュエーター77が、振動板71が形成するキャビティ73の天井領域の略全面に積層している図例(図5)を用いて説明した。しかし、図11に示すように、アクチュエーター77は、キャビティ73の天井領域の略全面に積層される構成でなくとも良い。つまり、キャビティ73の天井領域の一部を覆う領域にアクチュエーター77が、積層される構成であっても良い。
なお、本変形例では、アクチュエーター77による撓み振動が、振動板71を介してキャビティ73内のインクに効率的に伝わり、ノズル74に形成されたインクのメニスカスが効果的に面内振動するように、ヤング率が、圧電薄膜77aのヤング率より大きい振動板71を用いている。具体的には、圧電薄膜77aとしてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、振動板71には、PZTよりヤング率の大きなシリコン(Si)基板を用いている。
振動板71のヤング率が小さい場合においては、図11に示す振動板71の領域71aでアクチュエーター77の振動が吸収されてしまい、アクチュエーター77の振動がキャビティ73に効率的に伝達されなくなってしまう場合がある。
振動板71のヤング率が、圧電薄膜77aのヤング率より大きいことにより、圧電薄膜77aの振動を、振動板71に吸収されることなく、あるいは、振動板71に吸収される度合いが少なく、キャビティ73に伝達することが可能になる。その結果、より効率的に、メニスカスを面内振動させることができる。
(変形例2)
実施形態1では、好適例として、第2駆動信号COM2を周波数120KHz、振幅5Vの矩形波として形成していると説明したが、第2駆動信号COM2は、必ずしも矩形波である必要はない。ノズル74に形成されたインクのメニスカスを面内振動させることができる信号波形であれば良い。例えば、正弦波あるいは正弦波に近似する信号波であっても良い。
(変形例3)
図12は、変形例3に係るアクチュエーターの構成を示す要部断面図である。
実施形態1では、アクチュエーター77に圧電薄膜77aを用い、圧電薄膜77aの撓み振動を利用してキャビティ73内のインクに圧力(振動)を発生させる例で説明したが、圧電薄膜77aによる撓み振動に限定するものではない。ノズル74に形成されたインクのメニスカスを面内振動させることができるアクチュエーターであれば良い。例えば、図12に示すアクチュエーター79のような、バルクタイプの圧電素子79aを利用したアクチュエーターであっても良い。
アクチュエーター79は、対向して配置される櫛歯状の電極79b,79cと、その電極79b,79cの各櫛歯と交互に積層配置される圧電素子79a(ピエゾ素子)とからなる。また、アクチュエーター79は、図12に示すように、その一方の端部がヘッドユニット11の筐体80に固定された固定板81に固定され、他方の端部が接合板82を介して振動板71と接合されている。
このような構成からなるアクチュエーター79において、電極79b,79cとの間に駆動信号を印加することにより、図12の矢印で示すように振動板71を上下させることで、キャビティ73内部の圧力を変化させ、キャビティ73内部のインクを振動させたり、ノズル74からインク滴を吐出させたりすることができる。
1…印刷システム、5…ロール紙、10…印刷部、11…ヘッドユニット、12…インク供給部、13…印刷ヘッド、14…ヘッド制御部、20…移動部、30…制御部、31…インターフェイス部、32…CPU、33…メモリー、34…駆動制御部、35…移動制御信号生成回路、36…吐出制御信号生成回路、37…駆動信号生成回路、40…走査部、41…キャリッジ、42…ガイド軸、50…搬送部、51…供給部、52…収納部、53…搬送ローラー、55…プラテン、71…振動板、72…圧力発生部、73…キャビティ、74…ノズル、75…ノズルプレート、76…キャビティ基板、77…アクチュエーター、77a…圧電薄膜、77b,77c…電極、78…リザーバ、79a…圧電素子、79b,79c…電極、80…筐体、81…固定板、82…接合板、83…インク供給口、90…制御回路、91…シフトレジスター、92…ラッチ回路、93…レベルシフター、94…選択スイッチ、100…プリンター、110…画像処理装置、111…プリンター制御部、112…入力部、113…表示部、114…記憶部、115…CPU、116…ASIC、117…DSP、118…メモリー、119…プリンターインターフェイス部。

Claims (7)

  1. 液体を吐出するノズルおよび前記ノズルに対応するように設けられた圧力発生部を有する液体吐出ヘッドと、
    前記ノズルから前記液体を吐出させるように前記圧力発生部を駆動する第1の波形および前記ノズルに形成された前記液体のメニスカスを面内振動させる第2の波形を生成する駆動波形生成手段と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第2の波形の周波数が、前記第1の波形の周波数より高いことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第2の波形の振幅が、前記第1の波形の振幅より小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記第1の波形が、台形波を含む波形で構成され、
    前記第2の波形が、矩形波を含む波形で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記第2の波形の周波数が、100KHzから1MHzの周波数帯に含まれることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記圧力発生部が、
    前記ノズルに連通し前記液体を収容する圧力発生室と、
    前記圧力発生室を構成する面の少なくとも一部を構成する振動板と、
    前記振動板に積層され、前記振動板を介して前記圧力発生室の容積を変動させることにより前記液体を前記ノズルから吐出させることができる圧電薄膜と、を有し、
    前記圧電薄膜が、前記第2の波形が印加されることにより撓み振動することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記振動板のヤング率が、前記圧電薄膜のヤング率より大きいことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
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