JPH0985987A - 自己走査型発光装置 - Google Patents

自己走査型発光装置

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JPH0985987A
JPH0985987A JP24906695A JP24906695A JPH0985987A JP H0985987 A JPH0985987 A JP H0985987A JP 24906695 A JP24906695 A JP 24906695A JP 24906695 A JP24906695 A JP 24906695A JP H0985987 A JPH0985987 A JP H0985987A
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JP
Japan
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light emitting
type semiconductor
semiconductor layer
electrode
conductivity type
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Application number
JP24906695A
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English (en)
Inventor
Yukihisa Kusuda
幸久 楠田
Seiji Ono
誠治 大野
Shunsuke Otsuka
俊介 大塚
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピンチ抵抗による高抵抗化を図った負荷抵抗
を有する発光装置を提供する。 【解決手段】 電極61は、電極41aと、発光サイリ
スタのゲート電極41bとに接続される。電源ライン4
2は、VGK(+5V)に接続され、またN形基板1はカ
ソード電極を経て接地されるので、N形半導体層22内
には、上下のP形半導体層21,22から空乏層51,
52が拡がり、電極42と電極41aとの間の電流パス
53の断面が狭められる結果、ピンチ抵抗が形成され
る。このピンチ抵抗により、高抵抗の負荷抵抗を実現す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数個の発光素子
を同一基板上に集積することにより形成された発光素子
アレイを備える自己走査型発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多数個の発光素子を同一基板上に集積し
た発光素子アレイはその駆動用ICと組み合わせて光プ
リンタ等の書き込み用光源として利用されている。本発
明者らは発光素子アレイの構成要素としてPNPN構造
を持つ発光サイリスタに注目し、発光点の自己走査が実
現できることを既に特許出願(特開平1−238962
号、特開平2−14584号、特開平2−92650
号、特開平2−92651号)し、光プリンタ用光源と
して実装上簡便となること、発光素子ピッチを細かくで
きること、コンパクトな自己走査型発光装置を作製でき
ること等を示した。
【0003】本発明者らが行ったこれらの発明の一例と
して、特開平2−14584号公報に示すダイオードに
よる電位結合を用いた、2相クロック駆動により自己走
査が可能な発光素子アレイを有する発光装置を図1に示
す。φ1 ,φ2 は共に、ハイレベル時間とローレベル時
間との比(デューティ比)がほぼ1:1である転送用ク
ロックパルスであり、VGKは電源(通常5V)である。
T(1)〜T(5)は発光素子として用いられる発光サ
イリスタ、D1 〜D5 は電位結合用ダイオード、G1
5 は発光サイリスタT(1)〜T(5)のゲート電極
である。RL はゲート電極の負荷抵抗であり、ゲート電
極への電流を制限する。
【0004】動作を簡単に説明する。まず転送用クロッ
クパルスφ2 の電圧がハイレベルで、発光サイリスタを
T(2)がオン状態(発光状態)であるとする。このと
き、ゲート電極G2 の電位はVGKの5Vからほぼ零Vに
まで低下する。この電位降下の影響はダイオードD2
よってゲート電極G3 に伝えられ、その電位を約1V
(ダイオードの順方向立上り電圧)に設定する。しか
し、ダイオードD1 は逆バイアス状態であるためゲート
電極G1 への電位の接続は行われず、ゲート電極G1
電位は5Vのままとなる。発光サイリスタのオン電位
は、ゲート電極電位+PN接合の拡散電位(約1V)で
近似されるから、次の転送用クロックパルスφ1 のハイ
レベル電圧は約2V(発光サイリスタT(3)をオンさ
せるために必要な電圧)以上でありかつ約4V(発光サ
イリスタT(5)をオンさせるために必要な電圧)以下
に設定しておけば発光サイリスタT(3)のみがオン
し、これ以外の発光サイリスタはオフのままにすること
ができる。従って2本の転送用クロックパルスで発光状
態が転送されることになる。
【0005】このような自己走査型発光装置は、サイリ
スタ発光素子をアレイ状に集積化して作製するが、その
構成を図2,図3に示す。図2は平面図を、図3は図2
のY−Y′ラインの断面図を示す。
【0006】各発光サイリスタのゲートにつながる負荷
抵抗RL は63と表し、発光サイリスタを作製するため
に積層した一部の半導体層を抵抗層として流用してい
る。ダイオードD1 〜D4 のカソードは、T(1)〜T
(4)のゲートにつながり、ダイオードのアノードは配
線141を介して、次の発光サイリスタのゲートおよび
負荷抵抗63に接続される。
【0007】発光サイリスタのアノード電極は、取り出
し用コンタクトホールC1 を通して、配線140に接続
される。配線140と転送クロックラインφ1 ,φ2
の接続は、スルーホールC2 を用いて行われる。電源ラ
イン142は、電源電圧VGK および負荷抵抗RL に接続
される。また電源ライン142は配線141と同時に形
成される。ここで配線141は、発光サイリスタがその
発光により互いに影響することを防ぐ遮光層も兼ねてい
る。
【0008】図3の断面構造図に示すように、発光サイ
リスタは、N形GaAs基板1上に、N形半導体層2
4,P形半導体層23,N形半導体層22,P形半導体
層21の各層が形成されている。そしてホトリソグラフ
ィおよびエッチング等により、各単体発光サイリスタに
分離される。また分離溝51は、発光サイリスタT
(3)と結合用ダイオードD3 とを分離するための溝で
ある。
【0009】負荷抵抗RL 63は、発光サイリスタのN
形GaAs層22を用いている。このように負荷抵抗を
半導体層を利用して形成すると、抵抗を設ける別の工程
が不要となるので、発光装置の作製が容易になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の構造では、負荷
抵抗を発光サイリスタの半導体層を用いているが抵抗値
が小さい、また抵抗の値を制御するのが難しいという問
題があった。
【0011】本発明の目的は、ピンチ抵抗による高抵抗
化を図った負荷抵抗を有する自己走査型発光装置を提供
することにある。
【0012】本発明の目的は、抵抗結合型の発光素子ア
レイにおいて、負荷抵抗だけでなく、結合用抵抗もピン
チ抵抗で構成した自己走査型発光装置を提供することに
ある。
【0013】本発明の他の目的は、抵抗値の制御を容易
にしたピンチ抵抗による負荷抵抗および/または結合用
抵抗を有する自己走査型発光装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、発光動作のた
めのしきい電圧またはしきい電流の制御電極を有する発
光素子を複数個配列し、各発光素子の前記制御電極をそ
の近傍に位置する少なくとも1つの発光素子の制御電極
に、直接に、あるいは接続用抵抗または電気的に一方向
性を有する電気素子を介して接続するとともに、各発光
素子に電源ラインを負荷抵抗を介して前記制御電極に接
続し、かつ各発光素子にクロックラインを接続して形成
した自己走査型発光装置において、または、スイッチン
グ動作のためのしきい電圧またはしきい電流の制御電極
を有するスイッチ素子を複数個配列し、各スイッチ素子
の前記制御電極をその近傍に位置する少なくとも1つの
スイッチ素子の制御電極に、直接に、あるいは接続用抵
抗または電気的に一方向性を有する電気素子を介して接
続するとともに、各スイッチ素子に電源ラインを負荷抵
抗を介して前記制御電極に接続し、かつ各スイッチ素子
にクロックラインを接続して形成した自己走査スイッチ
素子アレイと、発光動作のためのしきい電圧またはしき
い電流の制御電極を有する発光素子を複数個配列した発
光素子アレイとからなり、前記発光素子アレイの各制御
電極を前記スイッチ素子の制御電極と電気的手段にて接
続し、各発光素子に発光のための電流を印加するライン
を設けた自己走査型発光装置において、前記接続用抵抗
および/または前記負荷抵抗がピンチ抵抗で構成されて
いることを特徴とする。
【0015】また本発明は、発光動作のためのしきい電
圧またはしきい電流の制御電極を有する発光素子を複数
個配列し、各発光素子の前記制御電極をその近傍に位置
する少なくとも1つの発光素子の制御電極に、直接に、
あるいは接続用抵抗または電気的に一方向性を有する電
気素子を介して接続するとともに、各発光素子に電源ラ
インを負荷抵抗を介して前記制御接続し、かつ各発光素
子にクロックラインを接続して形成した自己走査型発光
装置において、前記発光素子は、第1導電形半導体基板
上に、第1導電形半導体層を介して/介さずに、第2導
電形半導体層,第1導電形半導体層,第2導電形半導体
層がこの順に積層され、かつ前記積層された半導体層内
部で生ずる光が外部に取り出されるように構成されてい
る発光素子であり、前記接続用抵抗および/または負荷
抵抗は、第1導電形半導体基板上に、第1導電形半導体
層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,第1導電
形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積層された
構造において、最上層の前記第2導電形半導体層上に第
1の電極を設け、前記第1の電極に印加される電圧によ
り、前記最上層の第2導電形半導体層の下側の第1導電
形半導体層に形成されたピンチ抵抗よりなる、ことを特
徴とする。
【0016】また本発明は、スイッチング動作のための
しきい電圧またはしきい電流の制御電極を有するスイッ
チ素子を複数個配列し、各スイッチ素子の前記制御電極
をその近傍に位置する少なくとも1つのスイッチ素子の
制御電極に、直接に、あるいは接続用抵抗または電気的
に一方向性を有する電気素子を介して接続するととも
に、各スイッチ素子に電源ラインを負荷抵抗を介して接
続し、かつ各スイッチ素子にクロックラインを接続して
形成した自己走査スイッチ素子アレイと、しきい電圧ま
たはしきい電流の制御電極を有する発光素子を複数個配
列した発光素子アレイとからなり、前記発光素子アレイ
の各制御電極を前記スイッチ素子の制御電極と電気的手
段にて接続し、各発光素子に発光のための電流を印加す
るラインを設けた自己走査型発光装置において、前記ス
イッチ素子は、第1導電形半導体基板上に、第1導電形
半導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,第
1導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積層
されたスイッチ素子であり、前記発光素子は、第1導電
形半導体基板上に、第1導電形半導体層を介して/介さ
ずに、第2導電形半導体層,第1導電形半導体層,第2
導電形半導体層がこの順に積層され、かつ前記積層され
た半導体層内部で生ずる光が外部に取り出されるように
構成されている発光素子であり、前記接続用抵抗および
/または負荷抵抗は、第1導電形半導体基板上に、第1
導電形半導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体
層,第1導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順
に積層された構造において、最上層の前記第2導電形半
導体層上に第1の電極を設け、前記第1の電極に印加さ
れる電圧により、前記最上層の第2導電形半導体層の下
側の第1導電形半導体層に形成されたピンチ抵抗よりな
る、ことを特徴とする。
【0017】本発明によれば、前記ピンチ抵抗が形成さ
れる、前記最上層の第2導電形半導体層のパターンを、
中央に溝を有するパターンとし、前記溝の下側の第1導
電形半導体層内に電流パスが形成されるようにするのが
好適である。
【0018】また本発明によれば、前記ピンチ抵抗が形
成される、前記最上層の第2導電形半導体層のパターン
を、両側に溝を有するパターンとし、前記両側の溝の下
側の第1導電形半導体層内に2つの電流パスが形成され
るようにするのが好適である。
【0019】また、本発明によれば、前記電流パスの一
端側には、前記第1導電形半導体層上に前記電源ライン
を電極を介して接続し、前記電流パスの他端側には、前
記第1導電形半導体層上に第2の電極を設け、前記第2
の電極を前記第1の電極に接続すると共に、前記発光素
子の制御電極に接続するのが好適である。
【0020】また、本発明によれば、前記電流パスの一
端側には、前記第1導電形半導体層上に前記電源ライン
を電極を介して接続し、前記電流パスの他端側には、前
記第1導電形半導体層上に第2の電極を設け、前記第2
の電極を前記第1の電極に接続すると共に、前記発光素
子の制御電極に接続するのが好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に示す実施例では、N形半導
体基板に、N形半導体層,P形半導体層,N形半導体
層,P形半導体層の順で積層された構造を例に説明する
が、本発明は、P形半導体基板に、P形半導体層,N形
半導体層,P形半導体層,N形半導体層の順で積層され
た構造を用い、電圧の極性を逆にすることにより適用で
きる。
【0022】また、以下の実施例では、半導体基板上
に、この半導体基板と同一導電形の半導体層を積層して
あるが、これは半導体基板表面に直接PN(あるいはN
P)接合を形成すると、その形成した半導体層の結晶性
の悪さから、デバイスとしての特性が劣化する傾向があ
るためである。つまり、基板表面に結晶層をエピタキシ
ャル成長される場合、基板表面近傍層の結晶性が、結晶
層がある一定以上に成長した後の結晶性に比べて、悪く
なっており、このため、一旦半導体基板と同一の半導体
層を形成してから、PN(あるいはNP)接合を形成す
ると、上述した問題は解決できるからである。
【0023】
【実施例1】図4に、一実施例を示す。図4は、発光サ
イリスタと負荷抵抗とを示している。発光サイリスタの
作製のためにN形半導体基板1上に積層したP形半導体
層21,N形半導体層22,P形半導体層23,N形半
導体層24を利用し、負荷抵抗を形成する。具体的に
は、P形半導体層21上に電極61を設け、この電極6
1を間に挟むようにして、N形半導体層22上に電極4
1aと電極42を設ける。
【0024】電極61は、電極41aと、発光サイリス
タのゲート電極41bとに配線により接続される。電極
42は、配線により電源電圧VGK(+5V)に接続さ
れ、またN形基板1はカソード電極(図示せず)を経て
接地される。
【0025】図5は、配線構造をも含む抵抗部分の断面
図である。絶縁層30に、コンタクトホールC1 がそれ
ぞれ設けられ、これらコンタクトホールを介して、配線
55が電極41aおよび61に接続され、配線56が電
極42に接続されている。
【0026】このような構造によれば、N形半導体層2
2内には、上下のP形半導体層21,22から空乏層5
1,52が拡がり、電極42と電極41aとの間の電流
パス53の断面が狭められる結果、ピンチ抵抗が形成さ
れる。このピンチ抵抗により、高抵抗の負荷抵抗を実現
することができる。
【0027】
【実施例2】以下の実施例2〜5では、ピンチ抵抗の値
を制御できるようにした最上部半導体層21の構造につ
いて説明する。図5と同一の要素には、同一の参照番号
を付してある。
【0028】図6に示す例では、半導体層21を、間に
溝71が設けられた平行な2つの矩形状パターン21
a,21bで形成する。配線55はスルーホールC1
介して、N形半導体層22上の電極41aに接続され、
配線56はスルーホールC2 を介してN形半導体層22
上の電極42に接続されている。
【0029】半導体層21a,21bには電極(図示せ
ず)がそれぞれ設けられ、これらの電極はコンタクトホ
ールC3 を介して配線55により、電極41aおよび発
光サイリスタのゲート電極に接続されている。
【0030】配線56がVGK(+5V)に接続される
と、図4で説明したように、電極21a,21bの下側
のN形半導体層22に空乏層が拡がり、またP形半導体
層23の上側のN形半導体層22に空乏層が拡がる。本
実施例では、電極21a,21b間の溝71の幅dを調
整することにより、電極41aと電源ライン42との間
に形成される電流パスの断面積を制御することができ
る。
【0031】
【実施例3】図7の実施例は、図6の実施例における電
極21a,21bのパターン形状が異なる例である。図
7において、電極21aの左端、および電極21bの右
端が、下側のN形半導体層22の端部に揃っている。ピ
ンチ抵抗を形成する半導体積層は、1つの島を形成して
いるので、実施例2の電極21a,21bのパターンよ
りも作製が容易であるという利点がある。
【0032】
【実施例4】図8に、電極21の他のパターンを示す。
電極21は1個の矩形状パターンをなし、図8において
左右の端部が下側のN形半導体層22の端部より内側に
距離d1 ,d2 だけ後退している。このような電極パタ
ーンでは、電源ライン42からゲート電極への電流パス
は、53a,53bで示すように2つのパスとなる。
【0033】本実施例では、距離d1 ,d2 を調整する
ことによって、電流パス53a,53bの断面積を変え
ることができるので、ピンチ抵抗を制御することが可能
である。
【0034】
【実施例5】本実施例は、本発明を適用できる発光装置
の1つの例である。
【0035】まず、本実施例の自己走査型発光装置の原
理を説明するための等価回路図を図9に示す。発光素子
として、発光サイリスタT(−2)〜T(+2)を用
い、発光サイリスタT(−2)〜T(+2)には、各々
ゲート電極G-2〜G+2が設けられている。各々のゲート
電極には、負荷抵抗RL を介して電源電圧VGKが印加さ
れる。また、各々のゲート電極G-2〜G+2は、相互作用
を作るために結合用抵抗RI を介して電気的に接続され
ている。また、各単体発光サイリスタのアノード電極
に、3本の転送クロックライン(φ1 ,φ2 ,φ3
が、それぞれ3素子おきに(繰り返されるように)接続
される。
【0036】動作を説明すると、まず転送クロックφ3
がハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンし
ているとする。このとき3端子サイリスタの特性から、
ゲート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電
源電圧VGKを仮に5ボルトとすると、負荷抵抗RL 、結
合用抵抗RI のネットワークから各発光サイリスタのゲ
ート電圧が決まる。そして、発光サイリスタT(0)に
近い素子のゲート電圧が最も低下し、以降順にT(0)
から離れるにしたがいゲート電圧は上昇していく。これ
は次のように表せる。
【0037】 VG0<VG1=VG-1 <VG2=VG-2 (1) これらの電圧の差は、負荷抵抗RL ,結合用抵抗RI
値を適当に選択することにより設定することができる。
【0038】3端子サイリスタのアノード側のターンオ
ン電圧VONは、ゲート電圧よりPN接合の拡散電位V
dif だけ高い電圧となることが知られている。
【0039】VON≒VG +Vdif (2) したがって、アノードにかける電圧をこのターンオン電
圧VONより高く設定すれば、その発光サイリスタはオン
することになる。
【0040】さてこの発光サイリスタT(0)がオンし
ている状態で、次の転送クロックパルスφ1 にハイレベ
ル電圧VH を印加する。このクロックパルスφ1 は発光
サイリスタT(+1)とT(―2)に同時に加わるが、
ハイレベル電圧VH の値を次の範囲に設定すると、発光
サイリスタT(+1)のみをオンさせることができる。
【0041】 VG-2 +Vdif >VH >VG+1 +Vdif (3) これで発光サイリスタT(0),T(+1)が同時にオ
ンしていることになる。そしてクロックパルスφ3 のハ
イレベル電圧を切ると、発光サイリスタT(0)がオフ
となりオン状態の転送ができたことになる。
【0042】このように、本実施例では抵抗ネットワー
クで各発光サイリスタのゲート電極間を結ぶことによ
り、発光サイリスタに転送機能をもたせることが可能と
なる。
【0043】上に述べたような原理から、転送クロック
φ1 ,φ2 ,φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少し
ずつ重なるように設定すれば、発光サイリスタのオン状
態は順次転送されていく。すなわち、発光点が順次転送
され、自己走査型発光装置を実現することができる。
【0044】次に、本実施例の発光装置を集積化して作
製する場合の構成について説明する。
【0045】本実施例の発光装置の構成概略図を図10
に示す。接地されたN形GaAs基板1上にN形半導体
層24,P形半導体層23,N形半導体層22,P形半
導体層21の各層を形成する。そしてホトリソグラフィ
およびエッチング等により、各単体発光サイリスタT
(−1)〜T(+1)に分離する。分離溝を50で示
す。アノード電極40はP形半導体層21とオーミック
接触を有し、ゲート電極41はN形半導体層22とオー
ミック接触を有する。
【0046】絶縁層30は素子と配線との短絡を防ぎ、
同時に特性劣化を防ぐための保護膜でもある。絶縁層3
0に設けられたコンタクトホールを介して、アノード電
極40およびゲート電極41は、それぞれ、配線14
0,141に接続されている。
【0047】N形GaAs基板1は、このサイリスタの
カソードである。各単体発光サイリスタのアノード電極
40に3本の転送クロックライン(φ1 ,φ2 ,φ3
がそれぞれ3素子おきに接続される。またゲート電極4
1には、負荷抵抗RL ,結合用抵抗RI による抵抗ネッ
トワークが接続される。負荷抵抗RL および結合用抵抗
I に本発明に係るピンチ抵抗を用いることができる。
しかし、結合用抵抗は、数百〜1kΩと小さいので、従
来のように半導体層を用いてもよい。
【0048】図11は、負荷抵抗RL および結合用抵抗
I にピンチ抵抗を利用した場合の抵抗ネットワークの
一部の等価回路図および抵抗部分の平面図である。
【0049】結合用抵抗RI については、転送につれて
印加される電圧の極牲が変わるので、極牲の変化を受け
ることなく、ピンチ抵抗が形成されるように、図11
(b)に示すような構成とする。
【0050】配線の交点は、同電位であるから、実際に
は、図12に示したような構造にすることができる。
【0051】
【実施例6】本実施例は、本発明者らが特開平2−14
584号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、本発明のピンチ抵抗を適用できる例の1つである。
【0052】本実施例では、電気的接続の方法としてダ
イオードを用いた例について述べる。本実施例の自己走
査型発光装置の原理を説明するための等価回路図を図1
3に示す。これは発光しきい電圧,電流が外部から制御
できる発光サイリスタとして、本発明による3端子の発
光サイリスタを用いた場合を表している。発光サイリス
タT(−2)〜T(+2)は、一列に並べられた構成と
なっている。G-2〜G+2は、発光サイリスタT(−2)
〜T(+2)のそれぞれのゲート電極を表す。RL はゲ
ート電極の負荷抵抗を表し、D-2〜D+2は電気的相互作
用を行うダイオードを表す。またVGKは電源電圧を表
す。各単体発光サイリスタのアノード電極に、2本の転
送クロックライン(φ1 ,φ2 )がそれぞれ1素子おき
に接続される。
【0053】動作を説明する。まず転送クロックφ2
ハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンして
いるとする。このとき3端子サイリスタの特性からゲー
ト電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電源電
圧VGKを仮に5ボルトとすると、抵抗RL ,ダイオード
-2〜D+2のネットワークから各発光サイリスタのゲー
ト電圧が決まる。そして発光サイリスタT(0)に近い
素子のゲート電圧が最も低下し、以降順にT(0)から
離れるにしたがいゲート電圧は上昇していく。
【0054】しかしながら、ダイオード特性の一方向
性,非対称性から、電圧を下げる効果は、T(0)の右
方向にしか働かない。すなわちゲート電極G1 はG0
対し、ダイオードの順方向立ち上がり電圧Vdif (PN
接合の拡散電位に等しい)だけ高い電圧に設定され、ゲ
ート電極G2 はG1 に対し、さらにダイオードの順方向
立ち上がり電圧Vdif だけ高い電圧に設定される。一
方、T(0)の左側のゲート電極G-1はダイオードD-1
が逆バイアスになっているため電流が流れず、したがっ
て電源電圧VGKと同電位となる。
【0055】次の転送クロックパルスφ1 は、最近接の
発光サイリスタT(1),T(−1)、そしてT(3)
およびT(−3)等に印加されるが、これらのなかで、
最もターンオン電圧の最も低い素子はT(1)であり、
T(1)のターンオン電圧は約G1 のゲート電圧+V
dif であるが、これはVdif の約2倍である。次にター
ン電圧の低い素子はT(3)であり、Vdif の約4倍で
ある。T(−1)とT(−3)のオン電圧は、約VGK
dif となる。
【0056】以上から、転送クロックパルスのハイレベ
ル電圧をVdif の約2倍からVdifの約4倍の間に設定
しておけば、発光サイリスタT(1)のみをオンさせる
ことができ、転送動作を行うことができる。
【0057】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。
【0058】本実施例の発光装置の構造概念図を図14
に示す。接地されたN形GaAs基板1上に、N形半導
体層24,P形半導体層23,N形半導体層22,P形
半導体層21の各層を形成する。そしてホトリソグラフ
ィおよびエッチング等により、各単体発光サイリスタT
(−2)〜T(+1)に分離する。分離溝を50で示
す。アノード電極40はP形半導体層21とオーミック
接触しており、ゲート電極41はN形半導体層22とオ
ーミック接触している。絶縁層30は素子と配線との短
絡を防ぎ、同時に特性劣化を防ぐための保護膜として作
用する。ここで、絶縁層30には、発光サイリスタの発
光波長の光が通らないような材質を用いている。
【0059】N形GaAs基板1はカソードとして働
く。各単体発光サイリスタのアノード電極40に、2本
の転送クロックライン(φ1 ,φ2 )が、それぞれ1素
子おきに接続される。
【0060】転送クロックφ1 ,φ2 のハイレベル電圧
を交互に互いに少しずつ重なるように設定すれば、発光
サイリスタのオン状態は順次転送されていく。すなわ
ち、発光点が順次転送され、ダイオードによる電位結合
を用いた集積化された自己走査型発光装置を実現するこ
とができる。
【0061】本実施例では、負荷抵抗RL に本発明に係
わるピンチ抵抗を用いることができる。図15は、負荷
抵抗RL にピンチ抵抗を用いた場合の発光装置の平面
図、図16は図15のY−Y線断面図である。図15は
図2に対応し、図16は図3に対応している。図15、
図16において抵抗63がピンチ抵抗により構成されて
いる。その他の構成は、図2,図3に同じであり、した
がって、同一の構成要素には同一の参照番号を付して示
してある。
【0062】
【実施例7】本実施例は、本発明者らが特開平2−92
651号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、本発明を適用できる例の1つである。
【0063】本実施例の自己走査型発光装置の原理を説
明するための等価回路図を図17に示す。これは発光し
きい電圧,電流が外部から制御できる発光サイリスタと
して、本発明による3端子の発光サイリスタを用いた場
合を表している。各発光サイリスタは、トランジス夕T
1 ,Tr2 の組合せとして表わされる。トランジスタ
Tr1 はPNPトランジスタであり、トランジスタTr
2 はNPNトランジスタである。また、トランジスタT
3 が設けられ、トランジスタTr3 のベースは、NP
NトランジスTr2 のベースに接続され、NPNトラン
ジスTr2 と組合わさってカレントミラー回路を構成し
ている。発光サイリスタT(−1)〜T(1)は一列に
並べられ、かつ発光サイリスタ間がカレントミラー回路
によって接続された構成となっている。
【0064】発光サイリスタT(−1)〜T(+1)
は、それぞれのゲート電極G-1〜G+1を有し、これらゲ
ート電極は、負荷抵抗RL を有する。ゲート電極には、
負荷抵抗RL を経て電源電圧VGKが印加される。各単体
発光サイリスタのアノード電極(Tr1 のエミッタ)
に、2本の転送クロックライン(φ1 ,φ2 )がそれぞ
れ1素子おきに接続される。クロックラインには、クロ
ックラインの電流制限用抵抗Re が設けられる。
【0065】動作を説明する。まず、転送クロックφ2
がハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンし
ているとする。このとき、3端子サイリスタの特性から
ゲート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電
源電圧VGKを5ボルトとすると、ゲート電極G0 に負荷
抵抗RL で制限された電流が流れ込む。またエミッタ
(アノード)には、抵抗Re で制限された電流が流れ込
む。
【0066】さて、トランジス夕Tr2 とTr3 は、カ
レントミラー回路になっているため、トランジスタTr
3 にはTr2 に比例した電流駆動能力が備わっている。
この電流駆動能力からトランジスタTr3 のコレクタに
接続される負荷抵抗RL を介して電流を引き込み、隣の
発光サイリスタT(1)のゲート電極G1 の電位を引き
下げる。トランジスタTr3 の駆動能力を適当に調整す
ることにより、ゲート電極G1 の電位をほぼ零まで下げ
ることができる。
【0067】発光サイリスタT(1)のオン電圧は、ゲ
ート電極G1 の電位よりPN接合の拡散電位Vdif だけ
高い電圧となるため、転送クロックパルスφ1 の電圧
が、拡散電位Vdif 以上であればオン状態を発光サイリ
スタT(1)に伝達することができる。
【0068】さて、このように発光サイリスタT(1)
のターンオン電圧は下がることになるが、反対側に位置
する発光サイリスタT(−1)のターンオン電圧は変化
しない。これはゲートG0 がほぼ零まで下がったとして
も、発光サイリスタT(−1)のオン電圧を決めるゲー
ト電極G-1の電圧に影響を与えないからである。したが
って、転送クロックφ1 ,φ2 のハイレベル電圧を交互
に互いに少しずつ重なるように設定すれば、発光サイリ
スタのオン状態は順次転送されていく。すなわち、発光
点が順次転送され、光結合による集積化された自己走査
型発光装置を実現することができる。
【0069】以上のことから、このカレントミラー回路
を用いた発光装置、Vdif からVGK+Vdif までの転送
クロックパルス電圧によって動作し、動作電圧幅として
GKという広い幅で動作させることができる。
【0070】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。
【0071】本実施例の発光装置の構造概念図を図18
に示す。接地されたN形GaAs基板1上に、N形半導
体層24,P形半導体層23,N形半導体層22,P形
半導体層21の各層が形成される。そして、ホトリソグ
ラフィおよびエッチング等により、各単体発光サイリス
タT(−1)〜T(+1)に分離される。分離溝を50
で示す。アノード電極40はP形半導体層21とオーミ
ック接触しており、ゲート電極41はN形半導体層22
とオーミック接触している。アノード電極40は配線1
40に接続され、ゲート電極41は、配線141に接続
される。絶縁層30は素子と配線との短絡を防ぎ、同時
に特性劣化を防ぐための保護膜として作用する。
【0072】図中、破線で囲った部分がトランジスタT
3 であり、配線141に接続される。トランジスタT
3 は、コレクタ22,ベース23,エミッタ24を有
する。トランジスタTr1 は、コレクタ23,ベース2
2,エミッタ21を有する。トランジスタTr2 は、コ
レクタ22,ベース23,エミッタ24を有する。
【0073】トランジスタTr2 のベースは、トランジ
スタTr3 のベースと電気的に接続されている。またこ
れらのトランジスタのコレクタは分離されている。配線
141は負荷抵抗RL を介して電源VGKに接続され、基
板1は接地されている。また基板1は、トランジスタT
2 ,Tr3 のエミッタとなっている。
【0074】本実施例では、負荷抵抗RL に本発明に係
わるピンチ抵抗を用いることができる。
【0075】
【実施例8】本実施例は、本発明者らが特開平2−26
3668号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、本発明を適用できる例の1つである。
【0076】本実施例の発光装置の原理を説明するため
の等価回路図を図19に示す。
【0077】この自己走査型発光装置は、スイッチ素子
T(−1)〜T(2)、書き込み用発光素子L(−1)
〜L(2)からなる。スイッチ素子部分の構成は、ダイ
オード接続を用いた例を示している。スイッチ素子のゲ
ート電極G-1〜G1 は、書き込み用発光素子のゲートに
も接続される。書き込み用発光素子のアノードには、書
き込み信号Sinが加えられている。
【0078】以下に、この発光装置の動作を説明する。
スイッチ素子回路の簡略化した構成断面図を図20に示
す。いま、スイッチ素子T(0)がオン状態にあるとす
ると、ゲート電極G0 の電圧は、VGK(ここでは5ボル
トと想定する)より低下し、ほぼ零ボルトとなる。した
がって、書き込み信号Sinの電圧が、PN接合の拡散電
位(約1ボルト)以上であれば、発光素子L(0)を発
光状態とすることができる。
【0079】これに対し、ゲート電極G-1は約5ボルト
であり、ゲート電極G1 は約1ボルトとなる。したがっ
て、発光素子L(−1)の書き込み電圧は約6ボルト、
発光素子L(1)の書き込み電圧は約2ボルトとなる。
これから、発光素子L(0)のみに書き込める書き込み
信号Sinの電圧は、約1〜2ボルトの範囲となる。発光
素子L(0)がオン、すなわち発光状態に入ると、書き
込み信号Sinラインの電圧は約1ボルトに固定されてし
まうので、他の発光素子が選択されてしまう、というエ
ラーは防ぐことができる。
【0080】発光強度は書き込み信号Sinに流す電流量
で決められ、任意の強度にて画像書き込みが可能とな
る。また、発光状態を次の素子に転送するためには、書
き込み信号Sinラインの電圧を一度零ボルトまでおと
し、発光している素子をいったんオフにしておく必要が
ある。
【0081】本実施例では、負荷抵抗RL に本発明に係
わるピンチ抵抗を用いることができる。
【0082】
【実施例9】本実施例は、複数の発光素子を同時に発光
できるようにした自己走査型発光装置である。この発光
装置の等価回路図を、図21に示す。
【0083】図19の回路と異なるのは、発光素子を3
つずつのブロックとし、1ブロック内の発光素子は1つ
のスイッチ素子によって制御し、かつ1ブロック内の発
光素子にそれぞれ別々の書き込み信号ラインSin1,S
in2,Sin3を接続して、発光素子の発光を制御した点
である。図中、発光素子L1 (−1),L2 (−1),
3 (−1)、発光素子L1 (0),L2 (0),L3
(0)、発光素子L1(−1),L2 (−1),L
3 (−1)等が、ブロック化された発光素子を示してい
る。
【0084】動作は図19の回路と同じで、1素子ずつ
inによって発光が書き込まれていたものが、同時に複
数書き込まれ発光し、それがブロックごとに転送するよ
うになったものである。
【0085】本実施例では、負荷抵抗RL に本発明に係
わるピンチ抵抗を用いることができる。
【0086】いま、LEDプリンタ等の一般的に知られ
る光プリンタ用の光源として、この発光装置を用いるこ
とを考えると、A4の短辺(約21cm)相当のプリン
トを16ドット/mmの解像度で印字するためには約3
400ビットの発光素子が必要になる。
【0087】実施例8にて説明してきた発光装置では、
発光しているポイントは常に一つで、上記の場合ではこ
の発光の強度を変化させて画像を書き込むことになる。
これを用いて光プリンタを形成すると、通常使用されて
いる光プリンタ用LEDアレイ(これは画像を書き込む
ポイントに位置するLEDが、同時に発光するよう駆動
ICによって制御されている)に比べ、画像書き込み時
に3400倍の輝度が必要となり、発光効率が同じなら
ば3400倍の電流を流す必要がある。ただし発光時間
は、逆に通常のLEDアレイに比べ1/3400とな
る。
【0088】しかし発光素子は、一般的に電流が増える
と加速度的に寿命が短くなる傾向があり、いくらデュー
ティが1/3400とはいえ従来のLEDプリンタに比
べ、寿命が短くなってしまうという問題点を持ってい
た。
【0089】しかしながら本実施例によると、ビット総
数が同じ条件で比較すると、この例では1ブロックに3
素子が入っているため、実施例8の発光装置に比べて1
素子の発光時間は3倍となる。したがって、オン状態の
発光素子に流す電流は1/3でよく、実施例8に比べ長
寿命化することが可能である。
【0090】本実施例では、1ブロックに3素子が含ま
れる場合を例示したが、この素子数が大きいほうが書き
込み電流が小さくて済み、さらに長寿命化をはかること
ができる。
【0091】
【実施例10】以下に、デューティをさらに向上するこ
とができる自己走査型発光装置の例を、図22,図23
を用いて説明する。図22は本実施例の発光装置のブロ
ック構成図である。
【0092】本実施例の発光装置は、シフトレジスタ2
00,書き込みスイッチアレイ201,リセットスイッ
チアレイ202,発光素子アレイ203から構成され
る。各々のアレイはN個の素子からなっており、その番
号を(1)〜(N)とする。
【0093】シフトレジスタ200は、電源V1 、複数
の転送パルスφ、およびスタートパルスφS により駆動
され、オン状態が転送(自己走査)される。転送方向
は、ここでは左から右、すなわち(1)から(N)とし
てある。
【0094】書き込みスイッチアレイ201は、画像信
号VINを発光素子アレイ203に書き込むスイッチであ
り、シフトレジスタ200に同期する。つまり、時刻t
にオン状態であるシフトレジスタ200に対応する発光
素子アレイ203のビットに、画像信号VIN(t)を書
き込む働きを有する。
【0095】この画像信号VINの書き込みは、本実施例
では各ビットとも同じ番号内で行われるようにされてい
る。一度書き込まれた発光情報は、発光素子アレイ20
3に保持される。
【0096】一方、シフトレジスタ200は、同時にリ
セットスイッチアレイ202もアドレスするよう構成さ
れている。ただし、番号(1)のシフトレジスタ出力は
番号(2)のリセットスイッチに、番号(2)のシフト
レジスタ出力は番号(3)のリセットスイッチになど、
1ビット転送方向へ進んだ素子に接続されている。
【0097】このリセットスイッチがアドレスされる
と、発光素子はリセットされる。すなわち、シフトレジ
スタがオンすると、このシフトレジスタより1ビット転
送方向へ進んだ発光素子は、発光状態,非発光状態に関
わらず、一旦非発光状態(オフ状態)に戻される。
【0098】このような構成になっていれば、画像信号
の時間変化が発光素子の位置変化として書き込まれ、発
光素子に画像情報が書き込まれて発光による画像パター
ンが構成される。そして次の画像信号を書き込む際、リ
セットスイッチにより書き込まれた画像情報は消去さ
れ、そのすぐ後に新たな画像情報が書き込まれる。この
ため、発光素子はほぼ常時点灯に近い状態となり、デュ
ーティはほぼ1となる。
【0099】ここではシフトレジスタ200を1つのみ
設け、この出力を画像信号書き込み、およびリセットの
両方に用いるよう構成したが、シフトレジスタを2つ設
け、それぞれ画像信号書き込み用およびリセット用とし
て用いてもよい。
【0100】図23に、図22で説明した機能を発光サ
イリスタおよびトランジスタで構成した回路を示す。シ
フトレジスタ200は、サイリスタTS (1)〜T
S (4)により構成される。各サイリスタはトランジス
タTr1 ,Tr2 で構成され、そのゲートが負荷抵抗R
L ,結合用抵抗RI を介して隣接するサイリスタおよび
電源V1 に接続される。このシフトレジスタの出力はゲ
ートから取り出され、出力電圧VO (1)〜VO (3)
と表示されている。(1)〜(3)は各ビットの番号で
ある。図中、転送クロックラインの電流を制限する抵抗
は、抵抗Re で表している。
【0101】書き込みスイッチとして、PNPトランジ
スタTr3 (1)〜Tr3 (3)を用い、リセットスイ
ッチとして、NPNトランジスタTr4 (1)〜Tr4
(3)を用いている。抵抗Re は、発光素子に流れる電
流を制限する抵抗である。また発光素子として、トラン
ジスタTr5 ,Tr6 の組合せで表示される発光サイリ
スタを用いている。この発光サイリスタの特性として、
一度オンしてしまうと電源を落とすまでオンし続けると
いう特徴を持ち、これを発光のメモリ機能として利用す
る。
【0102】この回路の動作を、図24に示すパルスタ
イミング図を用いて説明する。図24においてT1 〜T
5 は時刻を表す。転送クロックはφ1 〜φ3 であり、φ
1 はT1 〜T2 およびT4 〜T5 の間、φ2 はT2 〜T
3 の間、φ3 はT3 〜T4 の間がハイレベルとなってい
る。シフトレジスタ出力VO (1)〜VO (3)はそれ
ぞれφ1 〜φ3 に同期して取り出され、出力はローレベ
ルとして与えられる。画像信号VINは時刻T2 〜T3
ハイレベルとなり、ビット番号(2)の発光素子に書き
込む。
【0103】今、時刻T1 〜T2 の間を考える。このと
きシフトレジスタの出力として、出力VO (1)がロー
レベルとして取り出される。この出力VO (1)は、書
き込みスイッチであるトランジスタTr3 (1)のベー
スに接続され、トランジスタTr3 (1)を書き込み可
能状態にする。しかしここで、画像信号VINはローレベ
ルであるから、発光素子への書き込みは行われない。
【0104】一方、出力VO (1)は同時にリセットス
イッチであるトランジスタTr4 (2)のベースにも印
加される。この出力VO (1)は零ボルト程度まで下が
るため、トランジスタTr4 (2)のエミッタ電圧もほ
ぼ零ボルトとなり、発光素子をオフ状態にしてしまう。
したがって、ビット番号(2)の発光素子は、リセット
されたことになる。
【0105】次に時刻T2 〜T3 の間を考える。シフト
レジスタ出力はVO (2)であり、これがTr3 (2)
のベースに印加される。ここで、画像信号VINはハイレ
ベルであるからトランジスタTr3 (2)に電流が流
れ、発光メモリに流れ込む。この電流はトランジスタT
6 (2)のベース電流となり、これがビット番号
(2)の発光素子をオンさせる。この発光は次のリセッ
ト信号まで維持される。この時、ビット番号(3)の発
光素子は、VO (2)によりリセットされる。
【0106】発光素子に流れる電流は抵抗Re によって
制限され、デューティが大きくなったため少ない電流で
よく、高信頼度の発光装置を得ることができる。
【0107】この自己走査型発光装置は、光プリンタの
書き込みヘッド,ディスプレイ等への応用が考えられ、
これらの機器の低価格化,高性能化に大きな寄与をする
ことができる。
【0108】
【実施例11】本実施例は、特開平4−23367号公
報に示された自己走査型発光装置であって、本発明を適
用できる1つの例である。
【0109】本実施例の発光装置を図25に示す。図2
5においては、スイッチ素子アレイと発光素子アレイと
が、上下に分けて記載されている。
【0110】まず、シフトレジスタ機能を有するスイッ
チ素子アレイについて説明する。S(−2)〜S(2)
は、スイッチ素子(PNPN構造を有するサイリスタ)
である。φ1 ,φ2 は、スイッチ素子アレイを駆動する
転送クロックである。そして、CL1 は転送クロックφ
1 を供給されるクロックラインであり、CL2 は転送ク
ロックφ2 を供給されるクロックラインである。
【0111】各スイッチ素子S(−2)〜S(2)のゲ
ート電極G-1〜G2 の間は、それぞれ結合用ダイオード
-2〜D1 によって、接続されている。このようなダイ
オード結合方式を採用しているために、スイッチ素子ア
レイは2相の転送クロックφ1 ,φ2 にて情報の転送動
作を行うことができる。
【0112】また、RA1,RA2 は、それぞれ各スイッ
チ素子S(−2)〜S(2)のアノードとクロックライ
ンCL1 ,CL2 のいずれか一方とを接続するアノード
負荷抵抗である。このアノード負荷抵抗RA1,RA2
は、各スイッチ素子S(−2)〜S(2)のオン状態で
の電流量を制限するものである。各スイッチ素子S(−
2)〜S(2)のカソードはそれぞれ接地されている。
【0113】さらに、RL1,RL2は、それぞれ各スイッ
チ素子S(−2)〜S(2)のゲートG-2〜G2 と電源
電圧VGKの直流電源とを接続するゲートの負荷抵抗であ
る。このゲート負荷抵抗RL1,RL2は、電源電圧VGK
直流電源から各ゲートG-2〜G2 に流れる電流量を制限
するものである。そして、各ゲートG-2,G0 ,G
2は、それぞれダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′のカ
ソードに接続されている。
【0114】次に、発光素子アレイについて説明する。
φR は発光素子(発光サイリスタ)L(−2),L
(0),L(2)への情報の書き込み許可/禁止を制御
し、かつ書き込まれた状態をリセットするクロックであ
る。そして、CLR はクロックφR を供給する電流供給
ラインである。
【0115】またRA3は、各発光素子L(−2),L
(0),L(2)のアノードと電流供給ラインCLR
を接続するアノード負荷抵抗である。このアノード負荷
抵抗RA3は、各発光素子L(−2),L(0),L
(2)のオン状態での電流量を制限するものである。そ
して、各発光素子L(−2),L(0),L(2)のカ
ソードは、それぞれ接地されている。
【0116】さらにRL3は、各発光素子L(−2),L
(0),L(2)のゲートG-2′,G0 ′,G2 ′と電
源電圧VGKとを接続するゲート負荷抵抗である。このゲ
ート負荷抵抗RL3は、電源電圧VGKの直流電源から、各
ゲートG-2′,G0 ′,G2′に流れる電流量を制限す
るものである。そして、各ゲートG-2′,G0 ′,
2 ′は、それぞれダイオードD-2′,D0 ′,D2
のアノードに接続されている。
【0117】すなわち、図25においては、スイッチ素
子S(−2),S(0),S(2)のゲートが、それぞ
れダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′を介して、発光素
子L(−2),L(0),L(2)のゲートG-2′,G
0 ′,G2 ′に個々に接続されている。
【0118】次に、スイッチ素子アレイの部分の動作を
説明する。今、スタートパルスφSとして、ハイレベル
またはローレベルの電圧がスイッチ素子S(−3)のア
ノード(図示せず)に供給されたとする。この場合に、
ハイレベルの電圧が、電源電圧VGKに拡散電位Vdif
加えた電圧以上に高ければ、スイッチ素子S(−3)は
オン状態になる。そして、次に供給されるスタートパル
スφS のローレベルの電圧が、スイッチ素子S(−3)
のオン状態維持電圧より低ければ、S(−3)はオフ状
態となる。
【0119】オン状態では、スイッチ素子S(−3)の
ゲート電位はほぼ零ボルトとなり、オフ状態ではゲート
電圧は電源電圧VGKと同じ電圧になる。スイッチ素子S
(−3)のゲート電位が零ボルトになれば、結合用ダイ
オードD-3(図示せず)によって、スイッチ素子S(−
2)のゲート電位が低下する。そして、スイッチ素子S
(−2)のターンオン電圧も低下する。したがって、転
送クロックφ2 によって、スイッチ素子S(−2)をオ
ン状態に設定することができる。
【0120】このオン状態はφ1 ,φ2 によって順次、
図25の右方向へ転送されていく。つまり、スタートパ
ルスφS のハイレベルの電圧によって、スイッチ素子ア
レイにオン状態が書き込まれ、それが順次右方向へ転送
されていくことになる。
【0121】ただし、全てのビットがオン状態にある場
合に、このオン状態を転送することは、このスイッチ素
子アレイの動作原理上から不可能であって、1ビットお
きにオンとオフを繰り返して転送することになる。すな
わち、スタートパルスφS の波形も、転送パルスφ1
φ2 に同期して、ハイレベルとローレベルとを交互に送
る必要がある。
【0122】今、偶数ビットのみのオン状態とオフ状態
に有効な情報があるものとして、オン状態を1、オフ状
態を0とすると、スタートパルスφS によって1または
0が書き込まれ、転送クロックφ1 ,φ2 によって、そ
の1,0が転送されて行くことになる。このようにし
て、1または0という信号(情報)がスイッチ素子アレ
イに書き込まれる。
【0123】次に、発光素子L(−2)(L(0),L
(2))の動作について説明する。仮に、L(−2)が
0であるとすると、クロックφR の電圧が零ボルトであ
れば、発光素子L(−2)はオン状態とはならない。す
なわち、発光素子L(−2)は書き込み禁止の状態に設
定される。クロックφR の電圧が、発光素子L(−2)
のオン状態維持電圧からVGK+Vdif の間の電圧に設定
されたとすると、発光素子L(−2)は書き込み許可の
状態に設定される。そして、ゲートG-2′の電位が変化
させられることによって、発光素子L(−2)はオン状
態に設定可能となる。
【0124】さて、スイッチ素子アレイから発光素子ア
レイへの情報の書き込みについて説明する。スイッチ素
子アレイは、前述したように1または0信号が書き込ま
れる。最後のビットまで書き込まれた段階で、転送クロ
ックφ1 ,φ2 をそれぞれローレベル,ハイレベルの状
態に維持される。これによって、情報の転送動作が終了
し、スイッチ素子アレイに書き込まれた情報は保持され
る(特に、偶数ビットにおいて保持されている)。
【0125】スイッチ素子アレイの偶数ビットにおい
て、オン状態のスイッチ素子Sのゲート電位はほぼ零ボ
ルトであり、オフ状態のスイッチ素子Sのゲート電位
は、Vdif の約2倍以上である。なお、オフ状態のスイ
ッチ素子Sのゲート電位については、転送方向に対して
逆方向に位置する最も隣接する偶数ビットがオン状態の
場合にVdif の約2倍であり、それ以外はVdif の約2
倍の電圧よりも大きくなる。なお、ここでVdif はPN
接合の拡散電位である。
【0126】スイッチ素子S(−2),S(0),S
(2)のそれぞれのゲート電圧は、ダイオードD-2′,
0 ′,D2 ′によって対応する発光素子L(−2),
L(0),L(2)のゲートG-2′,G0 ′,G2 ′に
伝達される。したがって、発光素子L(−2),L
(0),L(2)のゲート電圧は、オン状態の場合でV
difとなり、オフ状態の場合でVdif の3倍以上とな
る。そしてオン状態の場合で、発光素子のターンオン電
圧はVdif の2倍となり、オフ状態でVdif の4倍とな
る。
【0127】一方、クロックφR については、いったん
零ボルトに設定して全体の発光をなくし(すなわち、リ
セット)、その後にハイレベル電位VHRまで上昇させ
る。この電圧φHRとして 2Vdif <VHR<4Vdif の範囲に設定されていると、オン状態のスイッチ素子S
に対応する発光素子Lがオン状態となり、オフ状態のス
イッチ素子Sの対応する発光素子Lはオフ状態のままに
なる。
【0128】したがって、スイッチ素子アレイに書き込
まれた1,0の情報が、そのまま発光素子アレイに書き
込まれることになる。
【0129】この後、電圧VHRは発光素子のオン状態維
持電圧以上であってVdif の2倍の電圧未満の値に再設
定される。このことにより、発光素子Lは、スイッチ素
子Sのゲート電位に影響されなくなり、書き込まれた情
報を保持し続ける。そして、発光素子アレイが情報の保
持状態にある間に、前述と同様にして、スイッチ素子ア
レイには次の情報が書き込まれる。
【0130】やがて、クロックφR がローレベル電圧に
設定されて、各発光素子Lがリセットされる。リセット
後、再び情報が発光素子アレイに書き込まれる。以上の
ようにして、一連の動作が繰り返し行われる。
【0131】次に図25に示す自己走査型発光装置を、
光プリンタ用の書き込み光源に適用した場合について述
べる。
【0132】例えば、発光装置が2048ビットの発光
素子Lを有するものとすると、スイッチ素子Sはその倍
の4096ビットを必要とする。光プリンタにおける書
き込み光源の電流量は約5mAであるから、全てのビッ
トの発光素子Lが発光状態であるとすると、約10Aと
いう電流が流れる。
【0133】一方、スイッチ素子Sからの情報転送のた
めの電流は、ゲート負荷抵抗RL3=30kΩの場合に
0.5mAであることが実験的にわかっているので、全
てのビットの発光素子が発光状態であれば、1A程度で
ある。なお、この情報転送のための電流量は、光プリン
ティングに必要な10Aに比べ1割程度であり、実用上
問題のない値である。
【0134】また、スイッチ素子Sからの情報が、発光
素子Lに移動させられた段階でクロックφ1 ,φ2 の電
圧を一旦零ボルトに低下させることにより、スイッチ素
子アレイ全体がオフ状態となりリセットが行われる。こ
の方法を用いた場合には、スイッチ素子Sがオン状態に
なる時間が考慮されると、等価的に電流値が下がること
となる。つまり、前述の1Aに比べて等価的に0.5A
程度まで下がったことになる。
【0135】発光素子Lの2048ビットに対して、ス
タートパルスφS が供給されるデータ入力端(図示せ
ず)が1つだけでは、情報の転送速度はかなり高速であ
ることが必要である。この点については、データ入力端
を複数設けることによって、情報の転送速度を低下させ
ることができる。例えば、通常64ビットまたは128
ビットを一単位として発光素子Lのチップが形成され、
このチップごとに情報が入力されてもよい。
【0136】128ビットごとにデータ入力を並列に行
った場合、2048ビットに対して20個のデータ入力
端を有することになる。このため、情報の転送速度は1
/20でよいことになる。したがって、発光装置は余裕
のある動作を行うことができる。
【0137】なお、発光素子Lの出力光の光量のばらつ
きを防ぐために、アノード負荷抵抗RA3をレーザ等によ
り微調整することが可能である。このことによって、出
力光のばらつきのない発光装置を得ることができる。
【0138】また、図25では、スイッチ素子アレイに
おける偶数ビットの右側に接続される結合用ダイオード
-2,D0 の特性と、奇数ビットの右側に接続される結
合用ダイオードD-1,D1 の特性とが異なっている。し
たがって、偶数ビットと奇数ビットとで動作電流等を分
けて最適化することが重要である。このために、RL2
L1,RA1<RA2に設定するほうが望ましく、この場合
には発光装置はより安定で高速な動作を行い得る。
【0139】さらに、図25では、ダイオード結合方式
と呼ばれる構成を採用しているが、結合方式はこれに限
られず、スイッチ素子の発光機能および受光機能を利用
する光結合方式や、抵抗結合方式であってもよい。
【0140】図26は、図25に示した等価回路を同一
半導体基板上に作製した場合の一例を示す断面図であ
る。図26において、71はN形半導体基板であり、8
1はP形半導体層、82はN形半導体層、83はP形半
導体層である。なお、図20と同一の要素には同一の符
号が付されている。
【0141】この図26に示す実施例で重要な点は、図
25に示したスイッチ素子S、結合用ダイオードD-2
1 ,D-2′〜D2 ′、発光素子L等が半導体層81,
82,83、半導体基板71の組合せで形成でき、した
がって、製造工程を複雑化することなく、図20の回路
構成が集積化されて形成されることである。
【0142】例えばスイッチ素子S(−2)において、
最上層のP形半導体層81がアノードになり、N形半導
体層82がゲートG-2になり、N形半導体基板71がカ
ソードとなっている。そして、N形半導体層82の上に
形成されたP形半導体層81の2つの島が、結合用ダイ
オードD-2,D-2′になっている。これらのダイオード
-2,D-2′は、スイッチ素子S(−2)と同様の構造
を有しており、S(−2)と全く同じ製造工程で形成さ
れる。
【0143】また、発光素子L(−2)についても、ス
イッチ素子S(−2)と全く同じ構造を有し、やはり同
じ工程で形成される。なお、抵抗部分RL1〜RL3は、半
導体層81,82,83を利用してピンチ抵抗で形成す
る。また、RA1〜RA3についてもピンチ抵抗で形成する
ことができる。しかし、RA1〜RA3の値は、実際には数
百から1kΩといったように小さいので、半導体層をそ
のまま用いる場合が多い。
【0144】上述した発光装置では、自己走査型の発光
素子アレイを転送用アレイとして使用し、ほぼ同一構造
の別の発光素子アレイに発光機能を分離したので、バイ
アス光の原因となるオン状態の転送を行うスイッチ素子
の上部に光遮蔽層を設けることができ、画像情報の書き
込みに対するバイアス光の影響を除去することができ
る。このため、光プリンタ等への発光装置の応用を行う
際には、光プリンタ等の品位を向上させることができ
る。
【0145】また、画像情報を書き込むための信号は、
スタートパルスの一部としてスイッチ素子に直接入力で
きる。このため、駆動回路が簡略化できる。さらに、発
光素子に書き込まれた情報は、走査信号によってリセッ
トされるまで維持されるので、発光のデューティサイク
ルがほぼ1に設定される。したがって、発光素子に流れ
る電流(ピーク値)を少なくすることができるので、発
光装置の長寿命化を実現できる。
【0146】
【発明の効果】本発明の自己走査型発光装置によれば、
発光サイリスタを作製するときの構造を流用することに
よって、ピンチ抵抗を形成し、このピンチ抵抗を負荷抵
抗として用いることにより、高抵抗の負荷抵抗を実現す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の発光装置の等価回路図である。
【図2】図1の発光装置の概略平面図である。
【図3】図2のY−Y′ライン断面図である。
【図4】本発明の実施例1のピンチ抵抗を示す構造概略
図である。
【図5】配線構造をも含む抵抗部分の断面図である。
【図6】本発明の実施例2のピンチ抵抗を示す概略平面
図である。
【図7】本発明の実施例3のピンチ抵抗を示す概略平面
図である。
【図8】本発明の実施例4のピンチ抵抗を示す概略平面
図である。
【図9】本発明の実施例5の発光装置を示す等価回路図
である。
【図10】図9の発光装置の概略を示す断面図である。
【図11】抵抗ネットワークの一部の等価回路図および
抵抗部分の平面図である。
【図12】抵抗ネットワークの具体的な構造を示す図で
ある。
【図13】本発明の実施例6の発光装置を示す等価回路
図である。
【図14】図13の発光装置の概略を示す断面図であ
る。
【図15】負荷抵抗RL にピンチ抵抗を用いた場合の発
光装置の平面図である。
【図16】図15のY−Y線断面図である。
【図17】本発明の実施例7の発光装置の等価回路図で
ある。
【図18】図17の発光装置の概略を示す断面図であ
る。
【図19】本発明の実施例8の発光装置の等価回路図で
ある。
【図20】図19のスイッチ素子回路の概略を示す断面
図である。
【図21】本発明の実施例9の発光装置の等価回路図で
ある。
【図22】本発明の実施例10の発光装置のブロック構
成図である。
【図23】図22の発光装置の等価回路のPNイメージ
図である。
【図24】図22の発光装置の駆動方法を示すパルスタ
イミング図である。
【図25】本発明の実施例11の発光装置の等価回路図
である。
【図26】図25の発光装置の等価回路を同一半導体基
板に製作したときの断面図である。
【符号の説明】
1 N形基板 22,24 N形半導体層 21,23 P形半導体層 41a,42 電極 41b ゲート電極 51,52 空乏層 53 電流パス 55,56 配線 C1 ,C2 ,C3 コンタクトホール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光動作のためのしきい電圧またはしきい
    電流の制御電極を有する発光素子を複数個配列し、各発
    光素子の前記制御電極をその近傍に位置する少なくとも
    1つの発光素子の制御電極に、直接に、あるいは接続用
    抵抗または電気的に一方向性を有する電気素子を介して
    接続するとともに、各発光素子に電源ラインを負荷抵抗
    を介して前記制御電極に接続し、かつ各発光素子にクロ
    ックラインを接続して形成した自己走査型発光装置にお
    いて、 前記接続用抵抗および/または前記負荷抵抗がピンチ抵
    抗で構成されていることを特徴とする自己走査型発光装
    置。
  2. 【請求項2】スイッチング動作のためのしきい電圧また
    はしきい電流の制御電極を有するスイッチ素子を複数個
    配列し、各スイッチ素子の前記制御電極をその近傍に位
    置する少なくとも1つのスイッチ素子の制御電極に、直
    接に、あるいは接続用抵抗または電気的に一方向性を有
    する電気素子を介して接続するとともに、各スイッチ素
    子に電源ラインを負荷抵抗を介して前記制御電極に接続
    し、かつ各スイッチ素子にクロックラインを接続して形
    成した自己走査スイッチ素子アレイと、 発光動作のためのしきい電圧またはしきい電流の制御電
    極を有する発光素子を複数個配列した発光素子アレイと
    からなり、 前記発光素子アレイの各制御電極を前記スイッチ素子の
    制御電極と電気的手段にて接続し、各発光素子に発光の
    ための電流を印加するラインを設けた自己走査型発光装
    置において、 前記接続用抵抗および/または前記負荷抵抗がピンチ抵
    抗で構成されていることを特徴とする自己走査型発光装
    置。
  3. 【請求項3】発光動作のためのしきい電圧またはしきい
    電流の制御電極を有する発光素子を複数個配列し、各発
    光素子の前記制御電極をその近傍に位置する少なくとも
    1つの発光素子の制御電極に、直接に、あるいは接続用
    抵抗または電気的に一方向性を有する電気素子を介して
    接続するとともに、各発光素子に電源ラインを負荷抵抗
    を介して前記制御接続し、かつ各発光素子にクロックラ
    インを接続して形成した自己走査型発光装置において、 前記発光素子は、第1導電形半導体基板上に、第1導電
    形半導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,
    第1導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積
    層され、かつ前記積層された半導体層内部で生ずる光が
    外部に取り出されるように構成されている発光素子であ
    り、 前記接続用抵抗および/または前記負荷抵抗は、第1導
    電形半導体基板上に、第1導電形半導体層を介して/介
    さずに、第2導電形半導体層,第1導電形半導体層,第
    2導電形半導体層がこの順に積層された構造において、
    最上層の前記第2導電形半導体層上に第1の電極を設
    け、前記第1の電極に印加される電圧により、前記最上
    層の第2導電形半導体層の下側の第1導電形半導体層に
    形成されたピンチ抵抗よりなる、ことを特徴とする自己
    走査型発光装置。
  4. 【請求項4】スイッチング動作のためのしきい電圧また
    はしきい電流の制御電極を有するスイッチ素子を複数個
    配列し、各スイッチ素子の前記制御電極をその近傍に位
    置する少なくとも1つのスイッチ素子の制御電極に、直
    接に、あるいは接続用抵抗または電気的に一方向性を有
    する電気素子を介して接続するとともに、各スイッチ素
    子に電源ラインを負荷抵抗を介して接続し、かつ各スイ
    ッチ素子にクロックラインを接続して形成した自己走査
    スイッチ素子アレイと、 発光動作のためのしきい電圧またはしきい電流の制御電
    極を有する発光素子を複数個配列した発光素子アレイと
    からなり、 前記発光素子アレイの各制御電極を前記スイッチ素子の
    制御電極と電気的手段にて接続し、各発光素子に発光の
    ための電流を印加するラインを設けた自己走査型発光装
    置において、 前記スイッチ素子は、第1導電形半導体基板上に、第1
    導電形半導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体
    層,第1導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順
    に積層されたスイッチ素子であり、 前記発光素子は、第1導電形半導体基板上に、第1導電
    形半導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,
    第1導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積
    層され、かつ前記積層された半導体層内部で生ずる光が
    外部に取り出されるように構成されている発光素子であ
    り、 前記接続用抵抗および/または前記負荷抵抗は、第1導
    電形半導体基板上に、第1導電形半導体層を介して/介
    さずに、第2導電形半導体層,第1導電形半導体層,第
    2導電形半導体層がこの順に積層された構造において、
    最上層の前記第2導電形半導体層上に第1の電極を設
    け、前記第1の電極に印加される電圧により、前記最上
    層の第2導電形半導体層の下側の第1導電形半導体層に
    形成されたピンチ抵抗よりなる、ことを特徴とする自己
    走査型発光装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の自己走査型発光
    装置において、 前記ピンチ抵抗が形成される、前記最上層の第2導電形
    半導体層のパターンを、中央に溝を有するパターンと
    し、前記溝の下側の第1導電形半導体層内に電流パスが
    形成されるようにした自己走査型発光装置。
  6. 【請求項6】請求項3または4に記載の自己走査型発光
    装置において、 前記ピンチ抵抗が形成される、前記最上層の第2導電形
    半導体層のパターンを、両側に溝を有するパターンと
    し、前記両側の溝の下側の第1導電形半導体層内に2つ
    の電流パスが形成されるようにした自己走査型発光装
    置。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の自己走査型発光装置にお
    いて、 前記電流パスの一端側には、前記第1導電形半導体層上
    に前記電源ラインを電極を介して接続し、 前記電流パスの他端側には、前記第1導電形半導体層上
    に第2の電極を設け、 前記第2の電極を前記第1の電極に接続すると共に、前
    記発光素子の制御電極に接続した自己走査型発光装置。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の自己走査型発光装置にお
    いて、 前記電流パスの一端側には、前記第1導電形半導体層上
    に前記電源ラインを電極を介して接続し、 前記電流パスの他端側には、前記第1導電形半導体層上
    に第2の電極を設け、 前記第2の電極を前記第1の電極に接続すると共に、前
    記発光素子の制御電極に接続した自己走査型発光装置。
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