JPH0992885A - 面発光素子および自己走査型発光装置 - Google Patents

面発光素子および自己走査型発光装置

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JPH0992885A
JPH0992885A JP24583595A JP24583595A JPH0992885A JP H0992885 A JPH0992885 A JP H0992885A JP 24583595 A JP24583595 A JP 24583595A JP 24583595 A JP24583595 A JP 24583595A JP H0992885 A JPH0992885 A JP H0992885A
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light emitting
electrode
light
layer
emitting device
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JP24583595A
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English (en)
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Yukihisa Kusuda
幸久 楠田
Seiji Ono
誠治 大野
Shunsuke Otsuka
俊介 大塚
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部発光効率を改善した面発光素子を提供す
る。 【解決手段】 アノード電極を部分22aおよび22b
よりなるT字型電極22とし、電極部22aの下側に絶
縁層20を設けた構造となっている。電極部22aは矩
形状、電極部22bは細長い形状である。電極部22b
のみが、P形半導体層10にオーミック接触している。
電流は電極部22aの直下には流れず、電極部22bか
ら下側のP形半導体層へ流れる。したがって発光中心
は、電極部22bの下方に移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、面発光ダイオー
ド,面発光サイリスタのような面発光素子の外部発光効
率を高めるための構造およびこのような面発光素子を用
いた発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、面発光素子の代表的なものとして
発光ダイオードおよびレーザダイオードが知られてい
る。
【0003】発光ダイオードは化合物半導体(GaA
s,GaP,GaAlAs等)のPN接合またはPIN
接合を形成し、これに順方向電圧を加えることにより接
合内部にキャリアを注入し、その再結合の過程で生じる
発光現象を利用するものである。
【0004】またレーザダイオードはこの発光ダイオー
ドの内部に導波路を設けた構造となっている。あるしき
い電流以上の電流を流すと注入される電子−正孔対が増
加し反転分布状態となり、誘導放射による光子の増倍
(利得)が発生し、へき開面などを利用した平行な反射
鏡により発生した光が再び活性層に帰還されてレーザ発
振が起こる。そして導波路の端面からレーザ光が出射さ
れていくものである。
【0005】これら発光ダイオード,レーザダイオード
と同じ発光メカニズムを有する発光素子として発光機能
を有する負性抵抗素子(発光サイリスタ,レーザサイリ
スタ等)も知られている。発光サイリスタは先に述べた
ような化合物半導体でPNPN構造を作るものであり、
シリコンではサイリスタとして実用化されている。これ
らについては、例えば青木昌治編著「発光ダイオード」
工業調査会、167〜169頁に記載されている。この
発光機能を有する負性抵抗素子(ここでは発光サイリス
タと呼ぶ)の基本構造はN形GaAs基板上にPNPN
構造を形成したもので、サイリスタと全く同じ構造であ
る。電流−電圧特性もサイリスタと全く同じS字形負性
抵抗の特性を示す。
【0006】本出願人は、面発光型のサイリスタ(以
下、面発光サイリスタという)を用いた自己走査型発光
素子アレイについて、既に多くの出願において開示して
いる。例えば、特開平2−263668号公報「発光装
置」、特開平2−212170号公報「発光素子アレイ
およびその駆動方法」、特開平3−55885号公報
「発光・受光モジュール」、特開平3−200364号
公報「光信号の読み取り方法及びこれに使用するスイッ
チ素子アレイ」、特開平4−23367号公報「発光装
置」、特開平4−296579号公報「発光素子アレイ
の駆動方法」である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】面発光ダイオード,面
発光サイリスタのような面発光素子においては、電流を
注入する電極の真下に発光中心が位置し、電極自身が遮
光層となって外部発光効率が良くないという問題があ
る。この問題を面発光サイリスタを例に説明する。
【0008】図1(a),(b)は、メサ型のPNPN
構造の従来の面発光サイリスタの断面図および平面図を
示す。この面発光サイリスタはN形半導体基板1上に形
成されたN形半導体層24,P形半導体層23,N形半
導体層22,P形半導体層21と、P形半導体層21に
オーミック接触するように形成されたアノード電極40
とを備えている。図1(a)の構造上には、図示しない
が全体に絶縁被膜(光を透過する絶縁材料よりなる)が
設けられ、その上にAl配線140が設けられている。
絶縁被膜には、電極40とAl配線140とを電気的に
接続するためのコンタクトホールCが開けられている。
また、N形半導体基板1の裏面には、カソード電極(図
示せず)が設けられている。
【0009】このようなPNPN構造の面発光サイリス
タにおいては、アノード電極40から流れる電流は、図
1(a)に矢印で示すように、電極40の真下に向かっ
て主に流れる。したがってゲート層22,23での発光
中心は電極40の真下にある。このように発光中心が電
極40の真下にあるため、光が電極40自身さらにはA
l配線140によって遮られる結果、外部発光効率が良
くない。
【0010】また電極40に近い所では、注入電流が大
きいため発光光量は大きいが、電極40から遠ざかるに
従って、注入電流が小さくなるため発光光量は小さくな
る。これは、外部発光効率を低下させる要因の1つとも
なっている。
【0011】本発明の目的は、上述のような欠点を除去
し、外部発光効率を改善した面発光素子を提供すること
にある。
【0012】本発明の他の目的は、このような面発光素
子を用いた自己走査型発光装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】外部発光効率を改善する
方法は、以下の2つの方法がある。 発光中心を、上方に遮光層の無い場所に移動させる。
このためには、上方に遮光層がある電極部分は、下側の
半導体層と接する部分に絶縁層を設けて、その電極部分
からは注入電流が流れないようにする。 発光光量を大きくするには、電極の周辺長を大きくす
る。同じ面積の電極の場合、周辺長が大きくなるほど、
電極から注入される電流が全体に均一に拡がり、均一に
光が出てくるので、発光光量は大きくなる。
【0014】本発明は、以上の考え方に基づいてなした
ものであり、本発明は、発光層に電流を注入する電極を
光出射側に有し、前記電極に接続される配線を有する面
発光素子において、前記電極を、前記配線で覆われない
領域に拡張し、前記配線で覆われる前記電極部分の下側
に絶縁層を設け、外部発光効率を高めたことを特徴とす
る。
【0015】また、本発明の面発光素子は、発光層に電
流を注入する細長い電極を光出射側に有し、前記電極の
一端に接続される第1の配線と、前記電極の他端に接続
される第2の配線とを有し、前記第1の配線で覆われる
前記電極の一端の部分の下側に第1の絶縁層を設け、前
記第2の配線で覆われる前記電極の他端の部分の下側に
第2の絶縁層を設け、外部発光効率を高めるとともに、
外部発光効率のばらつきをなくしたことを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の面発光素子は、発光層に
電流を注入する電極を光出射側に有し、前記電極の一部
の辺をまたいで前記電極に接続される配線を有する面発
光素子において、前記電極の一部の辺を除いた残りの辺
の内側に入るように、前記電極の下側に絶縁層を設け、
外部発光効率を高めたことを特徴とする。
【0017】また、本発明の面発光素子は、少なくとも
2つの半導体層よりなり、発光層を含む面発光素子にお
いて、光出射側の半導体層とオーミック接触する電極
と、前記電極にオーミック接触し、かつ、前記光出射側
の半導体層とショットキー接触する金属層と、前記電極
に接続される配線とを備え、前記電極は、前記配線で覆
われない領域に延びており、前記金属層から前記電極を
経て、前記発光層に電流を注入することにより、外部発
光効率を高めたことを特徴とする。
【0018】また、本発明の面発光素子は、発光層に電
流を注入する電極を光出射側に有し、前記電極に接続さ
れる配線を有する面発光素子において、前記電極の少な
くとも一部の周辺形状が、電極の周辺長が長くなるよう
に、凹凸形状であることを特徴とする。
【0019】本発明は、上記のような構造の面発光ダイ
オードまたは面発光サイリスタを提供することができ
る。
【0020】本発明は、さらには、上記のような構成の
面発光素子を用いた自己走査型発光装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を面発光サ
イリスタについて説明するが、本発明は、面発光サイリ
スタのみならず、面発光ダイオードをも含む面発光素子
に一般に適用できるものである。
【0022】
【実施例1】図2(a),(b)は、本発明の面発光サ
イリスタの一実施例の断面図および平面図を示す。
【0023】この面発光サイリスタ素子は、図1の面発
光サイリスタにおいて、アノード電極を部分40aおよ
び40bよりなるT字型電極(Au)40とし、電極部
40aの下側に絶縁層47を設けた構造となっている。
電極部40aは矩形状、電極部40bは細長い矩形状で
ある。この電極部40bのみが、P形半導体層21にオ
ーミック接触している。電極部40aは、図1に示した
従来構造の電極40に相当している。本実施例では、電
極部40bを更に追加した構造となっている。電極部4
0aの寸法は、7μm×11μmであり、電極部40b
の寸法は4μm×12μmである。
【0024】電極部40aの下側には、絶縁材料の層4
7が設けられているが、絶縁材料は、パターニング加工
できる絶縁材料であればいかなる材料であってもよく、
例えばSiO2 ,SiN,SiON,Al2 3 ,Ti
2 などが挙げられる。また、この絶縁層47の寸法
は、14μm×16μmである。
【0025】電極40aは、光を透過する絶縁被膜(図
示せず)に設けられたコンタクトホールCを経てAl配
線140と電気的に接続される。
【0026】その他の構造は、図1に示した面発光サイ
リスタと同じであり、したがって図2において図1と同
じ構成要素には、同一の参照番号を付して示してある。
【0027】このような構造の面発光サイリスタにおい
ては、コンタクトホールCのある電極部40aの下側に
は絶縁層47が設けられているので、図2(a)に示す
ように、電流は電極部40aの直下には流れず、矢印で
示すように電極部40bから下側のP形半導体層へ流れ
る。したがって発光中心は、電極部40bの下方にあ
り、図1の面発光サイリスタ素子と比較すると、発光中
心が図面上で左側へ移動している。
【0028】本実施例の面発光サイリスタによれば、光
の出射を妨げる電極40bは、図1の電極40に比べて
小さく、また発光中心の上方にはAl配線140が無い
ので、外部発光効率が従来の構造に比べて大きくでき
る。例えば、30μWから70μWへと約2倍になっ
た。
【0029】
【実施例2】実施例1の面発光サイリスタを作製する場
合、T字型電極40は開口パターンを有するマスクを用
いて蒸着することで形成するが、マスクの位置ずれによ
って、電極40が正しい位置からずれて形成されること
がある。図3(a)は電極40が図面上で左側にずれた
場合を、図3(b)は右側にずれた場合を示している。
このような位置ずれが生じると、P形半導体層21にオ
ーミック接触する電極部40bの面積に差を生じる。す
なわち、図3(a)の場合の接触面積が、図3(b)の
場合の接触面積よりも大きい。オーミック接触面積が大
きくなるに従って電極から流れる電流は大きくなる。し
たがって、電極40の位置ずれによって、外部発光効率
にばらつきを生じる。
【0030】このような外部発光素子にばらつきのない
面発光サイリスタ素子の他の実施例を、図4に示す。
(a)は断面図、(b)は平面図である。
【0031】本実施例のアノード電極40は、電極部4
0aと40b、および電極部40aと40bとの間にあ
る電極部40cよりなるH字型電極とし、電極部40
a,40bの下側に絶縁層47a,47bをそれぞれ設
けた構造となっている。電極部40a,40bは矩形
状、電極部40cは細長い矩形状である。
【0032】電極部40a,40bの寸法は、7μm×
11μmであり、電極部40cの寸法は、4μm×20
μmである。また、電極部40a,40bの下側の絶縁
層47a,47bの寸法は、14μm×16μmであ
る。
【0033】なお図4において、図1と同じ構成要素に
は、同一の参照番号を付して示してある。
【0034】図4(a)に示される構造上には、図示し
ないが絶縁被膜(光を透過する)が設けられ、その上に
Al配線140a,140bが設けられている。絶縁被
膜には、電極部40aとAl配線140aとを電気的に
接続するためのコンタクトホールCaが開けられてお
り、電極部40bとAl配線140bとを電気的に接続
するためのコンタクトホールCbが開けられている。
【0035】本実施例の構造では、電極部40a,40
bおよび絶縁層47a,47bのサイズは、作製時のマ
スクのずれを考慮して、電極部40a,40bが下側の
絶縁層47a,47bをはみ出さないように選ばれる。
したがって、P形半導体層21にオーミック接触する電
極部分は電極部40cであり、オーミック接触する電極
部分の面積はほぼ一定にすることができるので、外部発
光効率のばらつきをなくすことができる。
【0036】
【実施例3】本実施例は、実施例1の変形例である。実
施例1のアノード電極はT字型であって電極部40bは
細長い矩形状となっている。これに対し、本実施例では
図5に示すようにアノード電極40は実施例1の電極部
40bに比べて幅の広い矩形状とし、電極40の下側に
絶縁47を設ける。絶縁層47は、電極40の一辺を除
いた残りの三辺の内側に入るようにする。このために
は、絶縁層47の幅はアノード電極40の幅よりも小さ
くする。具体的には、アノード電極40の寸法は、10
μm×14μmであり、絶縁層47の寸法は、6μm×
20μmである。電極40は絶縁被膜(図示せず)に設
けられたコンタクトホールCを介してAl配線140に
接続されている。このAl配線140は、電極40の前
記一辺をまたいで、電極40上に延びており、この部分
のAl配線の幅は、電極40の幅よりも小さいものとす
る。
【0037】この構造の面発光サイリスタでは、アノー
ド電極40がP形半導体層21にオーミック接触する前
記三辺の部分から電流が流れ、発光する。実施例1に比
べ発光効率は低下するが、アノード電極の段差部の電流
集中を避けることができるという利点がある。
【0038】
【実施例4】図6(a),(b)は、本発明の面発光サ
イリスタのさらに他の実施例の断面図および平面図を示
す。
【0039】この面発光サイリスタは、P形半導体基板
10上にP形半導体層14,N形半導体層13,P形半
導体層12,N形半導体層11が形成され、N形半導体
層11上にN形半導体層とオーミック接触するカソード
電極15が設けられ、このカソード電極15およびN形
半導体層11上にN形半導体層とショットキー接触する
金属層16が設けられている。
【0040】カソード電極15は、例えばAuGe(5
00オングストローム),Ni(100オングストロー
ム),Au(1500オングストローム)の3層構造で
作製される。また、金属層16の材料としては、Au,
Cr,Ti,W,Alなどの大半の金属を用いることが
できる。また、AuZnはP形であり、N形半導体層と
ショットキー接触する。
【0041】また、N形半導体基板の発光サイリスタの
場合、アノード層はP形となるが、アノード層上に設け
るアノード電極は、例えばAuZn(500オングスト
ローム)とAu(1500オングストローム)の2層構
造とすることができる。
【0042】カソード電極15は細長い矩形状(例え
ば、4μm×20μm)であり、金属層16は矩形状
(例えば、12μm×12μm)である。図示しない
が、この構造の上には絶縁層が設けられ、絶縁層上には
Al配線150が設けられている。金属層16には、コ
ンタクトホールCを経てAl配線150が接触してい
る。
【0043】このような構造の面発光サイリスタでは、
金属層16は下側のN形半導体層11とはショットキー
接触しているので、金属層16からは電流は注入され
ず、矩形状のカソード電極15がN形半導体層11とオ
ーミック接触する部分から電流が注入される。したがっ
て、実施例1と同様に、外部発光効率が高くなる。
【0044】また、このような構造の面発光サイリスタ
素子においては、前記実施例1,2,3に比べて製造が
容易であるという利点がある。
【0045】
【実施例5】実施例1〜4は、電極の下側に絶縁層を設
ける構造であったが、本実施例では電極の周辺形状を凹
凸状にし、周辺長を大きくすることによって、外部発光
効率を高めた例を示す。
【0046】図7に、電極形状の例を示す。図7(a)
は、矩形の周辺に正方形の突起が突き出た形状の電極3
5である。電極35は、絶縁被膜(図示せず)に設けら
れたスルーホールCを経て、Al配線135に接続され
る。
【0047】図7(b)は、矩形の周辺に三角形状の突
起が突き出た形状の電極36である。
【0048】図7(c)は、矩形の周辺に半球状の突起
が突き出た形状の電極37である。
【0049】このような電極形状にすることにより、そ
の周辺長が大きくなり、電極から注入される電流が全体
に均一に拡がり、均一に光が出てくるので、発光光量は
大きくなる。
【0050】また、本実施例の電極形状を、実施例1〜
5の面発光サイリスタに採用することもできる。
【0051】
【実施例6】本実施例は、本発明者らが特開平1−23
8962号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、本発明の面発光サイリスタを適用できる例の1つで
ある。
【0052】まず、本実施例の発光装置の原理を説明す
るための等価回路図を図8に示す。これは発光しきい電
圧,電流が外部から制御できる発光サイリスタとして、
上述した本発明による面発光サイリスタを用いた場合を
表している。
【0053】発光サイリスタT(−2)〜T(+2)
は、一列に並べられた構成となっている。各単体発光サ
イリスタのアノード電極に3本の転送クロックライン
(φ1 ,φ2 ,φ3 )がそれぞれ3素子ごとに(繰り返
されるように)接続される。一般に発光サリスタは、光
を感じてそのターンオン電圧が低下する特性を持つ。発
光サイリスタをその発光が互いの素子に入射するよう構
成すると、発光サイリスタに距離的に近い素子、または
光がよくあたるよう配置された素子は、そのターンオン
電圧が下がることになる。
【0054】図8の等価回路の動作について説明する。
今、転送クロックラインφ3 にハイレベルパルス電圧が
加わっており、発光サイリスタT(0)がオン状態にな
っているとする。発光サイリスタT(0)からの発光は
隣接する発光サイリスタT(−1),T(+1)に入射
し、これらのターンオン電圧を引き下げる。発光サイリ
スタT(−2),T(+2)は、発光サイリスタT(―
1),T(+1)に比べ、遠方にあるため入射光は弱
く、ターンオン電圧はそれほど低下しない。
【0055】この状態で、次にクロックラインφ1 にハ
イレベルパルス電圧を印加する。発光サイリスタT(+
1)のターンオン電圧は、発光サイリスタT(−2)の
ターンオン電圧に比べ、光の影響で低下しているため、
発光サイリスタT(+1)のオン電圧と発光サイリスタ
T(−2)のオン電圧の間の電圧に、転送クロックのハ
イレベル電圧を設定すると、発光サイリスタT(+1)
のみオンし、発光サイリスタT(―2)はオンしないよ
うにすることができる。
【0056】よって、発光サイリスタT(+1),T
(0)が同時にオンする状況が生まれる。そして、クロ
ックラインφ3 をローレベル電圧に落とすと、発光サイ
リスタT(0)はオフとなり、発光サイリスタT(+
1)のみオンすることになる。よってオン状態の転送が
行われることになる。
【0057】上に述べたような原理から、転送クロック
φ1 ,φ2 ,φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少し
ずつ重なるように設定すれば、発光サイリスタのオン状
態は順次転送されていく。すなわち、発光点が順次転送
され、自己走査型発光装置を実現することができる。
【0058】次に、本実施例の発光素子アレイを集積化
して作製する場合の構成について説明する。
【0059】本実施例の発光素子アレイ構造概念図を図
9に示す。接地されたN形GaAs基板1上にP形半導
体層23,N形半導体層22,P形半導体層21の各層
を形成する。そして、ホトリソグラフィおよびエッチン
グ等により、各単体発光サイリスタT(−2)〜T(+
1)に分離する。アノード電極40はP形半導体層21
とオーミック接触をしており、絶縁層30は素子と配線
との短絡を防ぎ、同時に特性劣化を防ぐための保護膜と
して作用する。ここで、絶縁層30には、発光サイリス
タの発光波長の光が通るような材質を用いている。アノ
ード電極40は絶縁層30に設けられるコンタクトホー
ルを介して配線140に接続されている。
【0060】P形半導体層21はこのサイリスタのアノ
ードであり、N形GaAs基板1はカソードである。各
単体発光サイリスタのアノード電極40に、3本の転送
クロックライン(φ1 ,φ2 ,φ3 )が、それぞれ3素
子おきに接続される。
【0061】発光サイリスタのターンオン電圧が、素子
に入射する光量に依存して変化することは一般に知られ
ている。したがって、オン発光サイリスタの光の一部が
隣接する発光サイリスタに入射するよう構成されていれ
ば、オン発光サイリスタに近い発光サイリスタのオン電
圧は、光がない場合に比べ低下することになる。
【0062】図9の構造では、絶縁層30が発光波長に
対し透明な膜で形成されているため、光は容易に隣接す
る素子に入りそのターンオン電圧を低下させることがで
きる。
【0063】本実施例の自己走査型発光装置のアノード
電極部分に、本発明の構造を適用することができる。
【0064】
【実施例7】本実施例の自己走査型発光装置は、相互作
用の媒介として電位を利用するものである。すなわち上
述の実施例6は、光による結合を用いた場合であった
が、本実施例は電位による結合を用いたものである。
【0065】その具体的な例として、図10に本実施例
の自己走査型発光装置の等価回路図を示す。この発光装
置の特徴は実施例6、すなわち、図8の回路に抵抗ネッ
トワークが加わった構成となっている。
【0066】発光素子として、本発明による面発光サイ
リスタT(−2)〜T(+2)を用い、発光サイリスタ
T(−2)〜T(+2)には、各々ゲート電極G-2〜G
+2が設けられている。各々のゲート電極には、負荷抵抗
L を介して電源電圧VGKが印加される。また、各々の
ゲート電極G-2〜G+2は、相互作用を作るために抵抗R
I を介して電気的に接続されている。また、各単体発光
サイリスタのアノード電極に、3本の転送クロックライ
ン(φ1 ,φ2 ,φ3 )が、それぞれ3素子おきに(繰
り返されるように)接続される。
【0067】動作を説明すると、まず転送クロックφ3
がハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンし
ているとする。このとき3端子サイリスタの特性から、
ゲート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電
源電圧VGKを仮に5ボルトとすると、負荷抵抗RL ,相
互作用抵抗RI のネットワークから各発光サイリスタの
ゲート電圧が決まる。そして、発光サイリスタT(0)
に近い素子のゲート電圧が最も低下し、以降順にT
(0)から離れるにしたがいゲート電圧は上昇してい
く。これは次のように表せる。
【0068】 VG0<VG1=VG-1 <VG2=VG-2 (1) これらの電圧の差は、負荷抵抗RL ,相互作用抵抗RI
の値を適当に選択することにより設定することができ
る。
【0069】3端子サイリスタのアノード側のターンオ
ン電圧VONは、ゲート電圧よりPN接合の拡散電位V
dif だけ高い電圧となることが知られている。
【0070】VON≒VG +Vdif (2) したがって、アノードにかける電圧をこのターンオン電
圧VONより高く設定すれば、その発光サイリスタはオン
することになる。
【0071】さてこの発光サイリスタT(0)がオンし
ている状態で、次の転送クロックパルスφ1 にハイレベ
ル電圧VH を印加する。このクロックパルスφ1 は発光
サイリスタT(+1)とT(―2)に同時に加わるが、
ハイレベル電圧VH の値を次の範囲に設定すると、発光
サイリスタT(+1)のみをオンさせることができる。
【0072】 VG-2 +Vdif >VH >VG+1 +Vdif (3) これで発光サイリスタT(0),T(+1)が同時にオ
ンしていることになる。そしてクロックパルスφ3 のハ
イレベル電圧を切ると、発光サイリスタT(0)がオフ
となりオン状態の転送ができたことになる。
【0073】このように、本実施例では抵抗ネットワー
クで各発光サイリスタのゲート電極間を結ぶことによ
り、発光サイリスタに転送機能をもたせることが可能と
なる。
【0074】上に述べたような原理から、転送クロック
φ1 ,φ2 ,φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少し
ずつ重なるように設定すれば、発光サイリスタのオン状
態は順次転送されていく。すなわち、発光点が順次転送
され、自己走査型発光装置を実現することができる。
【0075】次に、本実施例の発光装置を集積化して作
製する場合の構成について説明する。
【0076】本実施例の発光装置の構成概略図を図11
に示す。接地されたN形GaAs基板1上にN形半導体
層24,P形半導体層23,N形半導体層22,P形半
導体層21の各層を形成する。そしてホトリソグラフィ
およびエッチング等により、各単体発光サイリスタT
(−1)〜T(+1)に分離する。分離溝を50で示
す。アノード電極40はP形半導体層21とオーミック
接触を有し、ゲート電極41はN形半導体層22とオー
ミック接触を有する。
【0077】絶縁層30は素子と配線との短絡を防ぎ、
同時に特性劣化を防ぐための保護膜でもある。絶縁層3
0に設けられたコンタクトホールを介して、アノード電
極40およびゲート電極41は、それぞれ、配線14
0,141に接続されている。
【0078】N形GaAs基板1は、このサイリスタの
カソードである。各単体発光サイリスタのアノード電極
40に3本の転送クロックライン(φ1 ,φ2 ,φ3
がそれぞれ3素子おきに接続される。またゲート電極4
1には、負荷抵抗RL ,相互作用抵抗RI による抵抗ネ
ットワークが接続される。
【0079】ここで、実施例6で述べたような光結合が
発生すると、本実施例の発光素子アレイ転送動作が影響
されることが考えられるため、ゲート電極41の一部を
発光サイリスタ間の分離溝50のなかに入れ、光結合を
防止する構造としている。
【0080】本実施例の自己走査型発光装置のアノード
電極部分に、本発明の構造を適用することができる。
【0081】
【実施例8】本実施例は実施例7の自己走査型発光装置
の現実的な構造を示したものである。図12に本実施例
の発光装置の平面図を、図13および図14に図12の
X−X′,Y−Y′ラインの断面図を各々示す。
【0082】各発光サイリスタT(−1)〜T(+
1),発光サイリスタの分離溝50、フィールド60等
は前記実施例と同様である。N形半導体層による抵抗6
3は、各々のゲート電極間を結ぶ抵抗ネットワークを形
成している。また、抵抗63は、光吸収ブロック62に
よって、発光サイリスタからの光が入らないようになっ
ている。本実施例では光障壁としてフィールドの一部を
用いているが、別の物質を用いてもよいし、また形状も
別の形状としてもよい。
【0083】発光サイリスタのアノード電極は、取り出
し用コンタクトホールC1 を通して、配線140に接続
される。配線140と転送クロックラインφ1 ,φ2
φ3との接続はスルーホールC2 を用いて行なわれる。
クロックラインφ1 は発光サイリスタT(−2)および
T(+1)に接続され、クロックラインφ2 は発光サイ
リスタT(−1)に、クロックラインφ3 は発光サイリ
スタT(0)に接続される。抵抗63は、コンタクトホ
ールC3 を用いて電源ライン42にて外部に取り出され
る。
【0084】図13に図12のX−X′ラインの断面図
を示す。これは発光素子アレイの配列方向に切ったライ
ンであり、各発光サイリスタが並んでいる様子がわか
る。50は発光サイリスタの分離溝、30は発光サイリ
スタと配線140,141との短絡防止用絶縁膜であ
り、配線140と転送クロックラインとの短絡防止用層
間絶縁膜31等は前記の実施例と同様である。これらの
絶縁膜30,31は、光が外部ヘ漏れ出さないように光
を通さない絶縁膜であることが好ましい。この場合、先
に述べたように光結合による転送動作への影響をなくす
ため、分離溝中にゲート電極を入れて光を遮るよう構成
することは有効である。
【0085】図14に図12のY−Y′ラインの断面図
を示す。これは発光素子アレイの配列方向に垂直に切っ
たラインであり、配線,電極の接続状況がわかる。発光
サイリスタのアノード電極40の取り出し用コンタクト
ホールC1 を絶緑膜30に設け、配線140にて外部に
取り出す。そしてフィールド60上にて、転送クロック
ラインφ3 とスルーホールC2 を通じて接続される。
【0086】また抵抗ネットワークのための抵抗とし
て、本実施例ではN形半導体層22が用いられる。これ
は別の層であってももちろんよいし、また半導体層を用
いず、スパッタ等により別の種類の膜を形成してもよ
い。また、配線141は発光サイリスタからの光が抵抗
63の抵抗値に影響を与えないようにするため、分離溝
の中に入るように工夫されている。
【0087】本実施例の自己走査型発光装置のアノード
電極部分に、本発明の構造を適用することができる。
【0088】
【実施例9】本実施例は、本発明者らが特開平2−92
650号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、本発明の面発光サイリスタを適用できる例の1つで
ある。
【0089】本実施例では、さらに抵抗接続の例につい
て述べる。本実施例の発光装置の原理を説明するための
等価回路図を図15に示す。
【0090】これは発光しきい電圧,電流が外部から制
御できる発光サイリスタとして、本発明による3端子の
発光サイリスタを用いた場合を表している。発光サイリ
スタT(−2)〜T(+2)は一列に並べられた構成と
なっている。各発光サイリスタはトランジス夕Tr1
Tr2 の組合せとして表わされる。トランジスタTr1
はPNPトランジスタであり、トランジスタTr2 はN
PNトランジスタである。発光サイリスタ間の相互接続
用抵抗RI はNPNトランジスTr2 のベース間に接続
される。各単体発光サイリスタのアノード電極に、3本
の転送クロックライン(φ1 ,φ2 ,φ3 )が順次繰り
返して1本ずつ接続される。クロックラインには、クロ
ックラインの電流制限用抵抗Re が設けられる。
【0091】動作を説明する。まず転送クロックφ3
ハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンして
いるとする。この時、NPNトランジスタTr2 (0)
のベースは、発光サイリスタT(0)のオン電流を流せ
る電位に設定されている。この電位が相互接続接抗RI
を通じて、隣接する発光サイリスタT(−1),T
(1)のNPNトランジスタTr2 (−1),Tr
2 (1)のベースに伝達され、これらのベース電流が流
れる。ただし転送クロックラインφ1 ,φ2 がローレベ
ルである限り、発光サイリスタT(−1),T(1)は
オフ状態のままである。
【0092】さて、この相互接続抵抗RI が小さけれ
ば、NPNトランジス夕Tr2 (−1),Tr2 (1)
は、発光サイリスタT(0)のオン電流と同じ電流を流
す能力を持っている。しかし相互接続抵抗RI が大きけ
れば、NPNトランジスタTr2 (−1),Tr
2 (1)のベース電流が相互接続抵抗RI により制限さ
れ、NPNトランジスタTr2 (−1),Tr2 (1)
の電流駆動能力は低下する。NPNトランジスタTr2
(−1),Tr2 (1)よりさらに遠方に位置するNP
NトランジスタTr2 (−2),Tr2 (2)のベース
電流はさらに小さくなり、これらの電流駆動能力はもっ
と低下することになる。
【0093】このNPNトランジスタTr2 のベース電
流量、すなわち電流駆動能力が大きくなると、発光サイ
リスタのターンオン電圧が低下することが知られてい
る。図16にその様子を示す。横軸がアノード電圧(P
NPトランジスタTr1 のエミッタ電圧)であり、縦軸
がアノード電流である。ここで、ターンオン電圧VS
外部から全く影響のない場合のターンオン電圧であり、
ターンオン電圧VS (1)は発光サイリスタT(1)
の、ターンオン電圧VS (−2)は発光サイリスタT
(−2)のターンオン電圧を表わす。オン状態を維持す
るために必要な最小電圧はホールド電圧Vh と呼ばれ
る。オンしている発光サイリスタT(0)に最も近い発
光サイリスタT(−1),T(1)は上に述べた理由で
ターンオン電圧が低下し、ターンオン電圧VS (1)に
なる。次に近い発光サイリスタT(−2),T(2)は
ベース電流の影響が小さくターンオン電圧VS (−2)
となる。
【0094】さて、図15において、クロックパルスφ
3 の次のクロックパルスφ1 は発光サイリスタT(1)
,T(−2)に印加される。これらのターンオン電圧は
上に述べた理由からそれぞれターンオン電圧VS (1)
,VS (−2)の値となっているため、クロックパルス
のハイレベル電圧をターンオン電圧VS (1) ,V
S(−2)の間に設定しておくと発光サイリスタT
(1)のみをオンさせることができる。これから各クロ
ックパルスφ1 ,φ2 ,φ3 をそのハイレベルが互いに
重なりあうように設定しておくと、オン状態発光サイリ
スタが順次転送されていくことになる。これから自己走
査可能な発光装置を実現することができる。
【0095】以上より、本実施例では発光サイリスタ間
を接続する抵抗が1つで済むことから、簡単な構造で自
己走査型発光装置が構成できることがわかる。
【0096】次に、本実施例の発光装置を集積化して作
製する場合の構成について説明する。本実施例の要点は
電気的結合を行なうための相互接続用抵抗を、発光サイ
リスタの一部を利用して設けることにより、発光サイリ
スタと同じ工程で、抵抗素子まで形成することのできる
構造にある。
【0097】本実施例の自己走査型発光装置の構造断面
概念図を図17に示す。接地されたN形GsAs基板1
上にN形半導体層24,P形半導体層23,N形半導体
層22,P形半導体層21の各層を形成する。そしてホ
トリノソグラフィおよびエッチング等により各単体発光
サイリスタT(−2)〜T(2)に分離する(分離溝5
0)。
【0098】N形GaAs基板1は、このサイリスタの
カソードとして働き接地される。各単体発光サイリスタ
のアノードとなるP形半導体層21には、転送クロック
ラインφ1 ,φ2 ,φ3 がそれぞれ2素子おきに接続さ
れる。この構成における特徴は、サイリスタを構成する
P形半導体層23が各素子を通して接続されていること
である。このP形半導体層23の内部抵抗が図15に示
した相互接続抵抗RIとなる。
【0099】図18に構造平面概念図を示す。これは図
17の発光素子アレイを上から見た図となっている。各
発光サイリスタT(−2)〜T(2)において、内側の
四角形はP形半導体層21を示し、そのまわりの部分は
P形半導体層23を示している。この構造において、P
形半導体層23には切込み55が形成されている。これ
は相互接続抵抗RI の値を変化させるためのもので、切
込み55を大きく取れば相互接続抵抗RI は大きくな
る。したがって、本実施例は接続抵抗RI を自由に変化
させ、最適化させることができ、転送動作をより安定化
させることが可能となる。
【0100】以上より、本実施例の自己走査型発光装置
では、ゲート電極を設ける必要がなく、かつ発光サイリ
スタ間を相互接続する抵抗が1つで済み、さらには相互
接続抵抗RI を発光サイリスタを構成する半導体層にて
形成できる。これより簡単な構造の自己走査型発光装置
が実現できる。
【0101】
【実施例10】本実施例は実施例9の自己走査型発光装
置のより現実的な構造を示したものある。図19に本実
施例の平面図を、図20に図19のX−X′ラインの断
面図を示す。
【0102】図20に示すように、発光サイリスタは、
N形GaAs基板1上にN形GaAs層24b,N形A
lGaAs層24a,P形GaAs層23,N形GaA
s層22,P形AlGaAs層21b,P形GaAs層
21bの各層が形成されている。そしてホトリソグラフ
ィおよびエッチング等により、各単体発光サイリスタに
分離される(分離溝50)。
【0103】また分離溝55は、接続用抵抗RI の値を
変化させるための切込みである。図20の断面図では示
していないが、接続用抵抗RI はP形半導体層23(こ
の例ではGaAs層)を用いている。絶縁層30は、ア
ノード電極40と各半導体層との電気的分離を行なって
いる。この絶縁層30の材質としては、発光サイリスタ
間の光分離という意味で、発光サイリスタからの光が通
過しないような物質を用いることが望ましい。
【0104】または、この絶縁層30を複数の層からな
る多層膜とし、絶縁機能と光分離機能を持たせてもよ
い。ただし、光分離機能を持たせた場合、光が外に取り
出せるように窓部を別に設けておく必要がある。層間絶
縁層31は配線140とクロックラインとの絶縁分離を
行なう。
【0105】図19に示すように、転送クロックライン
φ1 ,φ2 ,φ3 は、スルーホールC2 を通して下にあ
る配線140に接続される。この配線140は、コンタ
クトホールC1 を通して各発光サイリスタのアノード電
極40に接続される。各発光サイリスタT(−2)〜T
(2)において、四角形のP形半導体層21aの外側に
描かれているのは、P形半導体層23である。
【0106】本実施例の自己走査型発光装置のアノード
電極部分に、本発明の構造を適用することができる。
【0107】
【実施例11】本実施例は、本発明者らが特開平2−1
4584号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、前述した面発光サイリスタを適用できる例の1つで
ある。
【0108】本実施例では、電気的接続の方法としてダ
イオードを用いた例について述べる。本実施例の自己走
査型発光装置の原理を説明するための等価回路図を図2
1に示す。これは発光しきい電圧,電流が外部から制御
できる発光サイリスタとして、本発明による3端子の発
光サイリスタを用いた場合を表している。発光サイリス
タT(−2)〜T(+2)は、一列に並べられた構成と
なっている。G-2〜G+2は、発光サイリスタT(−2)
〜T(+2)のそれぞれのゲート電極を表す。RL はゲ
ート電極の負荷抵抗を表し、D-2〜D+2は電気的相互作
用を行うダイオードを表す。またVGKは電源電圧を表
す。各単体発光サイリスタのアノード電極に、2本の転
送クロックライン(φ1 ,φ2 )がそれぞれ1素子おき
に接続される。
【0109】動作を説明する。まず転送クロックφ2
ハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンして
いるとする。このとき3端子サイリスタの特性からゲー
ト電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電源電
圧VGKを仮に5ボルトとすると、抵抗RL ,ダイオード
-2〜D+2のネットワークから各発光サイリスタのゲー
ト電圧が決まる。そして発光サイリスタT(0)に近い
素子のゲート電圧が最も低下し、以降順にT(0)から
離れるにしたがいゲート電圧は上昇していく。
【0110】しかしながら、ダイオード特性の一方向
性,非対称性から、電圧を下げる効果は、T(0)の右
方向にしか働かない。すなわちゲート電極G1 はG0
対し、ダイオードの順方向立ち上がり電圧Vdif (PN
接合の拡散電位に等しい)だけ高い電圧に設定され、ゲ
ート電極G2 はG1 に対し、さらにダイオードの順方向
立ち上がり電圧Vdif だけ高い電圧に設定される。一
方、T(0)の左側のゲート電極G-1はダイオードD-1
が逆バイアスになっているため電流が流れず、したがっ
て電源電圧VGKと同電位となる。
【0111】次の転送クロックパルスφ1 は、最近接の
発光サイリスタT(1),T(−1)、そしてT(3)
およびT(−3)等に印加されるが、これらのなかで、
最もターンオン電圧の最も低い素子はT(1)であり、
T(1)のターンオン電圧は約G1 のゲート電圧+V
dif であるが、これはVdif の約2倍である。次にター
ン電圧の低い素子はT(3)であり、Vdif の約4倍で
ある。T(−1)とT(−3)のオン電圧は、約VGK
dif となる。
【0112】以上から、転送クロックパルスのハイレベ
ル電圧をVdif の約2倍からVdifの約4倍の間に設定
しておけば、発光サイリスタT(1)のみをオンさせる
ことができ、転送動作を行うことができる。
【0113】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。
【0114】本実施例の発光装置の構造概念図を図22
に示す。接地されたN形GaAs基板1上に、N形半導
体層24,P形半導体層23,N形半導体層22,P形
半導体層21の各層を形成する。そしてホトリソグラフ
ィおよびエッチング等により、各単体発光サイリスタT
(−2)〜T(+1)に分離する。分離溝を50で示
す。アノード電極40はP形半導体層21とオーミック
接触しており、ゲート電極41はN形半導体層22とオ
ーミック接触している。絶縁層30は素子と配線との短
絡を防ぎ、同時に特性劣化を防ぐための保護膜として作
用する。ここで、絶縁層30には、発光サイリスタの発
光波長の光が通らないような材質を用いている。
【0115】N形GaAs基板1はカソードとして働
く。各単体発光サイリスタのアノード電極40に、2本
の転送クロックライン(φ1 ,φ2 )が、それぞれ1素
子おきに接続される。
【0116】転送クロックφ1 ,φ2 のハイレベル電圧
を交互に互いに少しずつ重なるように設定すれば、発光
サイリスタのオン状態は順次転送されていく。すなわ
ち、発光点が順次転送され、ダイオードによる電位結合
を用いた集積化された自己走査型発光装置を実現するこ
とができる。
【0117】
【実施例12】本実施例は実施例11の自己走査型発光
装置の現実的な構造を示したものである。図23に本実
施例の発光装置の平面図を、図24に図23のY−Y′
ラインの断面図を示す。
【0118】各発光サイリスタのゲートにつながる負荷
抵抗RL を63で示し、発光サイリスタを構成する半導
体層を流用している。ダイオードD-2〜D+1は、T(−
2)〜T(+1)につながり、そのアノード側はゲート
電極41を介して、次の発光サイリスタのゲート電極お
よび負荷抵抗63に接続される。
【0119】発光サイリスタのアノード電極は、取り出
し用コンタクトホールC1 を通して、配線140に接続
される。配線140と転送クロックラインφ1 ,φ2
の接続は、スルーホールC2 を用いて行なわれる。電源
ライン42は、電源電圧VGKおよび負荷抵抗RL に接続
される。また電源ラインはゲート電極41に接続される
配線141と同時に形成される。ここで配線141は、
発光サイリスタがその発光により互いに影響することを
防ぐ遮光層も兼ねている。
【0120】図24に示すように、発光サイリスタは、
N形GaAs基板1上に、N形半導体層24,P形半導
体層23,N形半導体層22,P形半導体層21の各層
が形成されている。そしてホトリソグラフィおよびエッ
チング等により、各単体発光サイリスタに分離される。
また分離溝51は、発光サイリスタと結合用ダイオード
とを分離するための溝である。
【0121】負荷抵抗RL (63)は、発光サイリスタ
のN形GaAs層22を用いている。またこれは別の層
を用いてもよい。例えば、P形半導体層23を用いる、
あるいはスパッタ法等による別の抵抗を設けてこれを用
いてもよい。
【0122】
【実施例13】本実施例は、本発明者らが特開平2−9
2651号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、本発明の面発光サイリスタを適用できる例の1つで
ある。
【0123】本実施例の自己走査型発光装置の原理を説
明するための等価回路図を図25に示す。これは発光し
きい電圧,電流が外部から制御できる発光サイリスタと
して、本発明による3端子の発光サイリスタを用いた場
合を表している。各発光サイリスタは、トランジス夕T
1 ,Tr2 の組合せとして表わされる。トランジスタ
Tr1 はPNPトランジスタであり、トランジスタTr
2 はNPNトランジスタである。また、トランジスタT
3 が設けられ、トランジスタTr3 のベースは、NP
NトランジスTr2 のベースに接続され、NPNトラン
ジスTr2 と組合わさってカレントミラー回路を構成し
ている。発光サイリスタT(−1)〜T(1)は一列に
並べられ、かつ発光サイリスタ間がカレントミラー回路
によって接続された構成となっている。
【0124】発光サイリスタT(−1)〜T(+1)
は、それぞれのゲート電極G-1〜G+1を有し、これらゲ
ート電極は、負荷抵抗RL を有する。ゲート電極には、
負荷抵抗RL を経て電源電圧VGKが印加される。各単体
発光サイリスタのアノード電極(Tr1 のエミッタ)
に、2本の転送クロックライン(φ1 ,φ2 )がそれぞ
れ1素子おきに接続される。クロックラインには、クロ
ックラインの電流制限用抵抗Re が設けられる。
【0125】動作を説明する。まず、転送クロックφ2
がハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンし
ているとする。このとき、3端子サイリスタの特性から
ゲート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電
源電圧VGKを5ボルトとすると、ゲート電極G0 に負荷
抵抗RL で制限された電流が流れ込む。またエミッタ
(アノード)には、抵抗Re で制限された電流が流れ込
む。
【0126】さて、トランジス夕Tr2 とTr3 は、カ
レントミラー回路になっているため、トランジスタTr
3 にはTr2 に比例した電流駆動能力が備わっている。
この電流駆動能力からトランジスタTr3 のコレクタに
接続される負荷抵抗RL を介して電流を引き込み、隣の
発光サイリスタT(1)のゲート電極G1 の電位を引き
下げる。トランジスタTr3 の駆動能力を適当に調整す
ることにより、ゲート電極G1 の電位をほぼ零まで下げ
ることができる。
【0127】発光サイリスタT(1)のオン電圧は、ゲ
ート電極G1 の電位よりPN接合の拡散電位Vdif だけ
高い電圧となるため、転送クロックパルスφ1 の電圧
が、拡散電位Vdif 以上であればオン状態を発光サイリ
スタT(1)に伝達することができる。
【0128】さて、このように発光サイリスタT(1)
のターンオン電圧は下がることになるが、反対側に位置
する発光サイリスタT(−1)のターンオン電圧は変化
しない。これはゲートG0 がほぼ零まで下がったとして
も、発光サイリスタT(−1)のオン電圧を決めるゲー
ト電極G-1の電圧に影響を与えないからである。したが
って、転送クロックφ1 ,φ2 のハイレベル電圧を交互
に互いに少しずつ重なるように設定すれば、発光サイリ
スタのオン状態は順次転送されていく。すなわち、発光
点が順次転送され、光結合による集積化された自己走査
型発光装置を実現することができる。
【0129】以上のことから、このカレントミラー回路
を用いた発光装置は、Vdif からVGK+Vdif までの転
送クロックパルス電圧によって動作し、動作電圧幅とし
てVGKという広い幅で動作させることができる。
【0130】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。
【0131】本実施例の発光装置の構造概念図を図26
に示す。接地されたN形GaAs基板1上に、N形半導
体層24,P形半導体層23,N形半導体層22,P形
半導体層21の各層が形成される。そして、ホトリソグ
ラフィおよびエッチング等により、各単体発光サイリス
タT(−1)〜T(+1)に分離される。分離溝を50
で示す。アノード電極40はP形半導体層21とオーミ
ック接触しており、ゲート電極41はN形半導体層22
とオーミック接触している。アノード電極40は配線1
40に接続され、ゲート電極41は、配線141に接続
される。絶縁層30は素子と配線との短絡を防ぎ、同時
に特性劣化を防ぐための保護膜として作用する。
【0132】図中、破線で囲った部分がトランジスタT
3 であり、配線141に接続される。トランジスタT
3 は、コレクタ22,ベース23,エミッタ24を有
する。トランジスタTr1 は、コレクタ23,ベース2
2,エミッタ21を有する。トランジスタTr2 は、コ
レクタ22,ベース23,エミッタ24を有する。
【0133】トランジスタTr2 のベースは、トランジ
スタTr3 のベースと電気的に接続されている。またこ
れらのトランジスタのコレクタは分離されている。配線
141は負荷抵抗RL を介して電源VGKに接続され、基
板1は接地されている。また基板1は、トランジスタT
2 ,Tr3 のエミッタとなっている。
【0134】
【実施例14】本実施例は実施例13の自己走査型発光
装置の現実的な構造を示したものである。図27に本実
施例の発光装置の平面図を、図28および図29に図2
7のX−X′,Y−Y′ラインの断面図を各々示す。
【0135】図28および図29に示すように、発光サ
イリスタは、N形GaAs基板1上に、N形半導体層2
4,P形半導体層23,N形半導体層22,P形半導体
層21の各層を順次積層し形成する。そして、ホトリソ
グラフィおよびエッチング等により、各単体発光サイリ
スタに分離する(分離溝50)。また、分離溝51は、
発光サイリスタT(0)とカレントミラー用トランジス
タTr3 とを分離するための溝である。
【0136】各発光サイリスタのゲートにつながる負荷
抵抗RL を63で示す。この負荷抵抗は、発光サイリス
タを構成するN形GaAs層22を流用している。カレ
ントミラー用トランジス夕Tr3 (−1)〜Tr
3 (1)のコレクタは、取り出し用コンタクトホールC
1 を通って、配線141に接続される。発光サイリスタ
のアノード電極40に接続されるAl配線140と転送
クロックラインφ1 ,φ2 とは、スルーホールC1 ,C
2 を用いて接続されている。電源ライン42は電源電圧
GKに接続され、負荷抵抗63に接続される。また電源
ライン42は、配線141と同時に形成される。ここ
で、配線141は、発光素子T(−2)〜T(+1)が
その発光によりお互いに影響し合うことを防ぐための遮
光層をも兼ねている。
【0137】なお、本実施例では、負荷抵抗63として
発光サイリスタのN形GaAs層22を用いたが、別の
層を用いてもよい。例えば、P形半導体層23を用い
る、あるいはスパッタ法等による別の抵抗を設け、これ
を用いてもよい。
【0138】
【実施例15】本実施例は、本発明者らが特開平2−2
63668号公報にて開示した自己走査型発光装置であ
って、本発明の面発光サイリスタを適用できる例の1つ
である。
【0139】本実施例の発光装置の原理を説明するため
の等価回路図を図30に示す。
【0140】この自己走査型発光装置は、スイッチ素子
T(−1)〜T(2)、書き込み用発光素子L(−1)
〜L(2)からなる。スイッチ素子部分の構成は、ダイ
オード接続を用いた例を示している。スイッチ素子のゲ
ート電極G-1〜G1 は、書き込み用発光素子のゲートに
も接続される。書き込み用発光素子のアノードには、書
き込み信号Sinが加えられている。
【0141】以下に、この発光装置の動作を説明する。
スイッチ素子回路の簡略化した構成断面図を図31に示
す。いま、スイッチ素子T(0)がオン状態にあるとす
ると、ゲート電極G0 の電圧は、VGK(ここでは5ボル
トと想定する)より低下し、ほぼ零ボルトとなる。した
がって、書き込み信号Sinの電圧が、PN接合の拡散電
位(約1ボルト)以上であれば、発光素子L(0)を発
光状態とすることができる。
【0142】これに対し、ゲート電極G-1は約5ボルト
であり、ゲート電極G1 は約1ボルトとなる。したがっ
て、発光素子L(−1)の書き込み電圧は約6ボルト、
発光素子L(1)の書き込み電圧は約2ボルトとなる。
これから、発光素子L(0)のみに書き込める書き込み
信号Sinの電圧は、約1〜2ボルトの範囲となる。発光
素子L(0)がオン、すなわち発光状態に入ると、書き
込み信号Sinラインの電圧は約1ボルトに固定されてし
まうので、他の発光素子が選択されてしまう、というエ
ラーは防ぐことができる。
【0143】発光強度は書き込み信号Sinに流す電流量
で決められ、任意の強度にて画像書き込みが可能とな
る。また、発光状態を次の素子に転送するためには、書
き込み信号Sinラインの電圧を一度零ボルトまでおと
し、発光している素子をいったんオフにしておく必要が
ある。
【0144】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。図32
は本実施例の発光装置の概略を示す平面図、図33は図
32のX−X′ラインの断面図である。
【0145】まず、N形GaAs基板1上に、N形Ga
As層24b,N形AlGaAs層24a,P形GaA
s層23,N形GaAs層22,P形AlGaAs層2
1b,およびP形GaAs層21aを順次積層する。
【0146】積層された半導体層は、分離溝50により
各発光素子に分離される。また、各発光素子TのP形G
aAs層21aおよびP形AlGaAs層21bは、3
つの島状にN形GaAs層22上に残留するよう、ゲー
ト電極および一方向性結合素子作製のために一部削除さ
れる。前記3つの島は、1つの大きな島と連続する2つ
の小さな島とされ、2つの小さな島は、発光素子アレイ
の長手方向に、島,島,谷、島,島,谷、島,島,谷
と、繰り返すように配置される。ここで、島,島,谷は
1つの発光素子に対応し、谷とは露出したN形GaAs
層22部分を示す。
【0147】次に基板上全体に絶縁被膜30を被覆す
る。そして、絶縁被膜30の、前記削除処理されたN形
GaAs層22上および3箇所のP形GaAs層21a
上に設けられた電極の位置に、接続用コンタクトホール
1 を開ける。
【0148】次に、絶縁被膜30上に、各発光素子のN
形GaAs層22と隣接する発光素子のP形GaAs層
21aとを、コンタクトホールC1 を用いて接続するT
字型の電源電極およびゲート電極結合用金属薄膜配線1
45と、発光素子の大きな島状P形GaAs層21a
へ、コンタクトホールC1 を介してクロックパルスを伝
える金属薄膜配線140と、発光素子の残りの島状P形
GaAs層21aへ、コンタクトホールC1 を介して駆
動電圧を伝える金属薄膜配線142とをそれぞれ設け
る。
【0149】次に、金属薄膜配線145上の一部に、ゲ
ート電極と電源電極間の負荷抵抗RL として使用する燐
をドープした非晶質シリコン163を、約1μmの厚さ
で被覆する。非晶質シリコン163は、各発光素子に対
して1つずつになるよう分離される。
【0150】次に、基板上全体に絶縁被膜31を被覆す
る。そして、絶縁被膜31の、非晶質シリコン163,
金属薄膜配線142、および金属薄膜配線144の上の
位置に、接続用コンタクトホールC2 を開ける。
【0151】次に、絶縁被膜31上に、コンタクトホー
ルC2 を介して金属薄膜配線144(発光素子のアノー
ド電極40に接続される)へクロックパルスを伝える書
き込み信号ラインSin、コンタクトホールC2 を介して
金属薄膜配線143(非晶質シリコン163を介してス
イッチ素子のゲート電極に接続される)へ電源電圧を伝
える電源ライン41、コンタクトホールC2 を介して金
属薄膜配線140(スイッチ素子のアノード電極に接続
される)へクロックパルスを伝えるクロックライン
φ1 ,φ2 をそれぞれ設けた。
【0152】ここで、クロックライン結合用金属薄膜配
線140上に設ける片側のコンタクトホールC2 の位置
は、各スイッチ素子のアノード電極が、クロックライン
φ1,φ2 のいずれか1本に、長さ方向に向かって
φ1 ,φ2 の順番で繰り返しすように調整される。
【0153】上記実施例の構造では、スイッチ素子,結
合用ダイオード,書き込み用発光素子の全てをP形Ga
As層21aおよびP形AlGaAs層21bのパター
ンニングのみで形成でき、構造が複雑化しているわりに
は、製造工程は複雑化していない。
【0154】本実施例では、しきい電圧もしくはしきい
電流が外部から制御可能な制御電極の結合方式として、
ダイオード結合方式を用いているが、この結合方式に限
らず、抵抗ネットワークによる方式、カレントミラー回
路による接続方式などの方法であってもよい。
【0155】また、本実施例においては、抵抗163と
して非晶質シリコンを用いているが、同様の抵抗率の物
質であれば、任意の物質が使用できる。また、抵抗の構
造も上記構造に限らず、発光素子作成のために積層した
一部の層を抵抗層として流用する等、任意の構造を使用
できる。またスパッタ法等による抵抗膜を用いてもよ
い。
【0156】本実施例の自己走査型発光装置の発光素子
のアノード電極部分に、本発明の構造を適用することが
できる。
【0157】
【実施例16】本実施例は、複数の発光素子を同時に発
光できるようにした自己走査型発光装置である。この発
光装置の等価回路図を、図34に示す。
【0158】図30の回路と異なるのは、発光素子を3
つずつのブロックとし、1ブロック内の発光素子は1つ
のスイッチ素子によって制御し、かつ1ブロック内の発
光素子にそれぞれ別々の書き込み信号ラインSin1,S
in2,Sin3を接続して、発光素子の発光を制御した点
である。図中、発光素子L1 (−1),L2 (−1),
3 (−1)、発光素子L1 (0),L2 (0),L3
(0)、発光素子L1(−1),L2 (−1),L
3 (−1)等が、ブロック化された発光素子を示してい
る。
【0159】動作は図30の回路と同じで、1素子ずつ
inによって発光が書き込まれていたものが、同時に複
数書き込まれ発光し、それがブロックごとに転送するよ
うになったものである。
【0160】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。図35
は本実施例の発光装置の平面図である。
【0161】まず、実施例15と同様に、N形GaAs
基板1上に、N形GaAs層24b,N形AlGaAs
層24a,P形GaAs層23,N形GaAs層22,
P形AlGaAs層21b,およびP形GaAs層21
aを順次積層する。
【0162】積層された半導体層は、分離溝50により
各発光素子に分離される。また、各発光素子のP形Ga
As層21aおよびP形AlGaAs層21bは、5つ
の島状にN形GaAs層22上に残留する様、ゲート電
極および一方向性結合素子作製のために一部削除され
る。これら5つの島は、2つの小さな島と連続する3つ
の比較的大きな島とされ、3つの比較的大きな島は、発
光素子アレイの長手方向に、並ぶように配置される。2
つの小さな島は、発光素子アレイの長手方向に、島,
島,谷、島,島,谷、島,島,谷と繰り返すように配置
される。ここで、1つの比較的大きな島は1つのスイッ
チ素子に対応し、島,島,谷は3つの発光素子に結合さ
れた1つのスイッチ素子に対応し、谷とは露出したN形
GaAs層22のゲート電極部分を示す。
【0163】次に、基板上全体に絶縁被膜30を被覆す
る。そして、絶縁被膜30の、前記削除処理されたN形
GaAs層22上および5箇所のP形GaAs層21a
上に設けられた電極の位置に、接続用コンタクトホール
1 を開ける。
【0164】次に、絶縁被膜30上に、各スイッチ素子
のN形GaAs層22と隣接するスイッチ素子のP形G
aAs層21aとをコンタクトホールC1 を用いて接続
し、かつの電源電極およびゲート電極結合用T字型金属
薄膜配線145、発光素子の3つの大きな島状P形Ga
As層21aへコンタクトホールC1 を介してクロック
パルスを伝える金属薄膜配線140、発光素子の残りの
島状P形GaAs層21aへコンタクトホールC1 を介
して駆動電圧を伝える金属薄膜配線142とを、それぞ
れ設ける。
【0165】次に、金属薄膜配線145上の一部に、ゲ
ート電極−電源電極間の負荷抵抗RL として使用する燐
をドープした非晶質シリコン163を約1μmの厚さで
被覆する。非晶質シリコン163は、各発光素子に対し
て1つずつになるよう分離される。
【0166】次に、基板上全体に絶縁被膜31を被覆す
る。そして、絶縁被膜31の、非晶質シリコン163、
金属薄膜配線142、および金属薄膜配線144の上の
位置に接続用コンタクトホールC2 を開ける。
【0167】次に、絶縁被膜31上に、コンタクトホー
ルC2 を介して金属薄膜配線144(発光素子のアノー
ド電極に接続される)へクロックパルスを伝える書き込
みライン(Sin1,Sin2,Sin3)、コンタクトホー
ルC2 (非晶質シリコン163)を介して金属薄膜配線
43(スイッチ素子のゲート電極に接続される)へ電源
電圧を伝える電源ライン141、コンタクトホールC2
を介して金属薄膜配線140(スイッチ素子のアノード
電極に接続される)へクロックパルスを伝えるクロック
ラインφ1 ,φ2 をそれぞれ設けた。
【0168】ここで、クロックライン結合用金属薄膜配
線140上に設ける片側のコンタクトホールC2 の位置
は、各走査回路素子のアノード電極が、クロックライン
in1,Sin2,Sin3のいずれか1本に、長さ方向に
向かってSin1,Sin2,Sin3の順番で繰り返すよう
に調整される。
【0169】いま、LEDプリンタ等の一般的に知られ
る光プリンタ用の光源として、この発光装置を用いるこ
とを考えると、A4の短辺(約21cm)相当のプリン
トを16ドット/mmの解像度で印字するためには約3
400ビットの発光素子が必要になる。
【0170】実施例15にて説明してきた発光装置で
は、発光しているポイントは常に一つで、上記の場合で
はこの発光の強度を変化させて画像を書き込むことにな
る。これを用いて光プリンタを形成すると、通常使用さ
れている光プリンタ用LEDアレイ(これは画像を書き
込むポイントに位置するLEDが、同時に発光するよう
駆動ICによって制御されている)に比べ、画像書き込
み時に3400倍の輝度が必要となり、発光効率が同じ
ならば3400倍の電流を流す必要がある。ただし発光
時間は、逆に通常のLEDアレイに比べ1/3400と
なる。
【0171】しかし発光素子は、一般的に電流が増える
と加速度的に寿命が短くなる傾向があり、いくらデュー
ティが1/3400とはいえ従来のLEDプリンタに比
べ、寿命が短くなってしまうという問題点を持ってい
た。
【0172】しかしながら本実施例によると、ビット総
数が同じ条件で比較すると、この例では1ブロックに3
素子が入っているため、実施例17の発光装置に比べて
1素子の発光時間は3倍となる。したがって、オン状態
の発光素子に流す電流は1/3でよく、実施例15に比
べ長寿命化することが可能である。
【0173】本実施例では、1ブロックに3素子が含ま
れる場合を例示したが、この素子数が大きいほうが書き
込み電流が小さくて済み、さらに長寿命化をはかること
ができる。
【0174】本実施例の自己走査型発光装置の発光素子
のアノード電極部分に、本発明の構造を適用することが
できる。
【0175】
【実施例17】以下に、デューティをさらに向上するこ
とができる自己走査型発光装置の例を、図36,図3
7,図38,図39を用いて説明する。図36は本実施
例の発光装置のブロック構成図である。
【0176】本実施例の発光装置は、シフトレジスタ2
00,書き込みスイッチアレイ201,リセットスイッ
チアレイ202,発光素子アレイ203から構成され
る。各々のアレイはN個の素子からなっており、その番
号を(1)〜(N)とする。
【0177】シフトレジスタ200は、電源V1 、複数
の転送パルスφ、およびスタートパルスφS により駆動
され、オン状態が転送(自己走査)される。転送方向
は、ここでは左から右、すなわち(1)から(N)とし
てある。
【0178】書き込みスイッチアレイ201は、画像信
号VINを発光素子アレイ203に書き込むスイッチであ
り、シフトレジスタ200に同期する。つまり、時刻t
にオン状態であるシフトレジスタ200に対応する発光
素子アレイ203のビットに、画像信号VIN(t)を書
き込む働きを有する。
【0179】この画像信号VINの書き込みは、本実施例
では各ビットとも同じ番号内で行われるようにされてい
る。一度書き込まれた発光情報は、発光素子アレイ20
3に保持される。
【0180】一方、シフトレジスタ200は、同時にリ
セットスイッチアレイ202もアドレスするよう構成さ
れている。ただし、番号(1)のシフトレジスタ出力は
番号(2)のリセットスイッチに、番号(2)のシフト
レジスタ出力は番号(3)のリセットスイッチになど、
1ビット転送方向へ進んだ素子に接続されている。
【0181】このリセットスイッチがアドレスされる
と、発光素子はリセットされる。すなわち、シフトレジ
スタがオンすると、このシフトレジスタより1ビット転
送方向へ進んだ発光素子は、発光状態,非発光状態に関
わらず、一旦非発光状態(オフ状態)に戻される。
【0182】このような構成になっていれば、画像信号
の時間変化が発光素子の位置変化として書き込まれ、発
光素子に画像情報が書き込まれて発光による画像パター
ンが構成される。そして次の画像信号を書き込む際、リ
セットスイッチにより書き込まれた画像情報は消去さ
れ、そのすぐ後に新たな画像情報が書き込まれる。この
ため、発光素子はほぼ常時点灯に近い状態となり、デュ
ーティはほぼ1となる。
【0183】ここではシフトレジスタ200を1つのみ
設け、この出力を画像信号書き込み、およびリセットの
両方に用いるよう構成したが、シフトレジスタを2つ設
け、それぞれ画像信号書き込み用およびリセット用とし
て用いてもよい。
【0184】図37に、図36で説明した機能を発光サ
イリスタおよびトランジスタで構成した回路を示す。図
38に、図37の回路をP,Nイメージで書き直した図
を示す。
【0185】シフトレジスタ200は、サイリスタTS
(1)〜TS (4)により構成される。各サイリスタは
トランジスタTr1 ,Tr2 で構成され、そのゲートが
負荷抵抗RL ,結合用抵抗RI を介して隣接するサイリ
スタおよび電源V1 に接続される。このシフトレジスタ
の出力はゲートから取り出され、出力電圧VO (1)〜
O (3)と表示されている。(1)〜(3)は各ビッ
トの番号である。図中、転送クロックラインの電流を制
限する抵抗は、抵抗Re で表している。
【0186】書き込みスイッチとして、PNPトランジ
スタTr3 (1)〜Tr3 (3)を用い、リセットスイ
ッチとして、NPNトランジスタTr4 (1)〜Tr4
(3)を用いている。抵抗Re は、発光素子に流れる電
流を制限する抵抗である。また発光素子として、トラン
ジスタTr5 ,Tr6 の組合せで表示される発光サイリ
スタを用いている。この発光サイリスタの特性として、
一度オンしてしまうと電源を落とすまでオンし続けると
いう特徴を持ち、これを発光のメモリ機能として利用す
る。
【0187】この回路の動作を、図39に示すパルスタ
イミング図を用いて説明する。図38においてT1 〜T
5 は時刻を表す。転送クロックはφ1 〜φ3 であり、φ
1 はT1 〜T2 およびT4 〜T5 の間、φ2 はT2 〜T
3 の間、φ3 はT3 〜T4 の間がハイレベルとなってい
る。シフトレジスタ出力VO (1)〜VO (3)はそれ
ぞれφ1 〜φ3 に同期して取り出され、出力はローレベ
ルとして与えられる。画像信号VINは時刻T2 〜T3
ハイレベルとなり、ビット番号(2)の発光素子に書き
込む。
【0188】今、時刻T1 〜T2 の間を考える。このと
きシフトレジスタの出力として、出力VO (1)がロー
レベルとして取り出される。この出力VO (1)は、書
き込みスイッチであるトランジスタTr3 (1)のベー
スに接続され、トランジスタTr3 (1)を書き込み可
能状態にする。しかしここで、画像信号VINはローレベ
ルであるから、発光素子への書き込みは行われない。
【0189】一方、出力VO (1)は同時にリセットス
イッチであるトランジスタTr4 (2)のベースにも印
加される。この出力VO (1)は零ボルト程度まで下が
るため、トランジスタTr4 (2)のエミッタ電圧もほ
ぼ零ボルトとなり、発光素子をオフ状態にしてしまう。
したがって、ビット番号(2)の発光素子は、リセット
されたことになる。
【0190】次に時刻T2 〜T3 の間を考える。シフト
レジスタ出力はVO (2)であり、これがTr3 (2)
のベースに印加される。ここで、画像信号VINはハイレ
ベルであるからトランジスタTr3 (2)に電流が流
れ、発光メモリに流れ込む。この電流はトランジスタT
6 (2)のベース電流となり、これがビット番号
(2)の発光素子をオンさせる。この発光は次のリセッ
ト信号まで維持される。この時、ビット番号(3)の発
光素子は、VO (2)によりリセットされる。
【0191】発光素子に流れる電流は抵抗Re によって
制限され、デューティが大きくなったため少ない電流で
よく、高信頼度の発光装置を得ることができる。
【0192】図40には、本実施例の自己走査型発光装
置を集積化して作製する場合を示す。シフトレジスタの
各ビットはPNPNの4層構成で表され、発光素子も同
様にPNPN構成で表される。シフトレジスタのPNP
Nの各ビットをTS (1)〜TS (4)と表し、発光素
子の各ビットをTL (1)〜TL (4)と表す。この構
成は、半導体基板1上に作製される。
【0193】特に、図40は、ビット番号(2)につい
てその断面図を示したものである。半絶縁性GaAs基
板1上に、N形GaAs層24,P形GaAs層23,
N形GaAs層22,P形GaAs層21を順次積層し
た構造となっている。各半導体層は絶縁膜30により分
離され、それぞれ機能を有する素子に分割され、金属配
線143により電気的に接続される。抵抗RL ,RI
N形GaAs層22で形成される抵抗素子であり、その
端は電源V1 に接続される。
【0194】シフトレジスタTS (2)は、半導体層2
1,22,23,24の4層から構成される。
【0195】書き込みスイッチTr3 (2)は、半導体
層21,22,23から構成され、不要な半導体層24
を半導体層23に接続し、半導体層24の効果を殺して
いる。
【0196】発光素子TL (2)は、半導体層21,2
2,23,24の4層から構成され、書き込みスイッチ
Tr3 (2)の半導体層23,24が、シフトレジスタ
L(2)の半導体層23と接続される。これが発光素
子の書き込み電極となる。抵抗Re も抵抗RL ,RI
同じくN形GaAs層22で形成される。
【0197】リセットスイッチTr4 (2)は、半導体
層22,23,24から構成され、不要な半導体層21
は半導体層22と接続されている。半導体層23は書き
込みスイッチTr3 (1)のベース21と接続される。
図40に示した構造を用いると、上述の機能を完全に果
たすことが可能となる。
【0198】この自己走査型発光装置は、光プリンタの
書き込みヘッド,ディスプレイ等への応用が考えられ、
これらの機器の低価格化,高性能化に大きな寄与をする
ことができる。
【0199】
【実施例18】本実施例は、特開平4−23367号公
報に示された自己走査型発光装置であって、本発明の発
光サイリスタを適用できる1つの例である。
【0200】実施例の発光装置を図41に示す。図41
においては、スイッチ素子アレイ(SDA)と発光素子
アレイ(LMA)とが、上下に分けて記載されている。
【0201】まず、シフトレジスタ機能を有するスイッ
チ素子アレイについて説明する。S(−2)〜S(2)
は、スイッチ素子(PNPN構造を有するサイリスタ)
である。φ1 ,φ2 は、スイッチ素子アレイを駆動する
転送クロックである。そして、CL1 は転送クロックφ
1 を供給されるクロックラインであり、CL2 は転送ク
ロックφ2 を供給されるクロックラインである。
【0202】各スイッチ素子S(−2)〜S(2)のゲ
ート電極G-1〜G2 の間は、それぞれ結合用ダイオード
-2〜D1 によって接続されている。このようなダイオ
ード結合方式を採用しているために、スイッチ素子アレ
イは2相の転送クロックφ1,φ2 にて情報の転送動作
を行うことができる。
【0203】また、RA1,RA2 は、それぞれ各スイッ
チ素子S(−2)〜S(2)のアノードとクロックライ
ンCL1 ,CL2 のいずれか一方とを接続するアノード
負荷抵抗である。このアノード負荷抵抗RA1,RA2
は、各スイッチ素子S(−2)〜S(2)のオン状態で
の電流量を制限するものである。各スイッチ素子S(−
2)〜S(2)のカソードはそれぞれ接地されている。
【0204】さらに、RL1,RL2は、それぞれ各スイッ
チ素子S(−2)〜S(2)のゲートG-2〜G2 と電源
電圧VGKの直流電源とを接続するゲートの負荷抵抗であ
る。このゲート負荷抵抗RL1,RL2は、電源電圧VGK
直流電源から各ゲートG-2〜G2 に流れる電流量を制限
するものである。そして、各ゲートG-2,G0 ,G
2は、それぞれダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′のカ
ソードに接続されている。
【0205】次に、発光素子アレイについて説明する。
φR は発光素子(発光サイリスタ)L(−2),L
(0),L(2)への情報の書き込み許可/禁止を制御
し、かつ書き込まれた状態をリセットするクロックであ
る。そして、CLR はクロックφR を供給する電流供給
ラインである。
【0206】またRA3は、各発光素子L(−2),L
(0),L(2)のアノードと電流供給ラインCLR
を接続するアノード負荷抵抗である。このアノード負荷
抵抗RA3は、各発光素子L(−2),L(0),L
(2)のオン状態での電流量を制限するものである。そ
して、各発光素子L(−2),L(0),L(2)のカ
ソードは、それぞれ接地されている。
【0207】さらにRL3は、各発光素子L(−2),L
(0),L(2)のゲートG-2′,G0 ′,G2 ′と電
源電圧VGKとを接続するゲート負荷抵抗である。このゲ
ート負荷抵抗RL3は、電源電圧VGKの直流電源から、各
ゲートG-2′,G0 ′,G2′に流れる電流量を制限す
るものである。そして、各ゲートG-2′,G0 ′,
2 ′は、それぞれダイオードD-2′,D0 ′,D2
のアノードに接続されている。
【0208】すなわち、図41においては、スイッチ素
子S(−2),S(0),S(2)のゲートが、それぞ
れダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′を介して、発光素
子L(−2),L(0),L(2)のゲートG-2′,G
0 ′,G2 ′に個々に接続されている。
【0209】次に、スイッチ素子アレイの部分の動作を
説明する。今、スタートパルスφSとして、ハイレベル
またはローレベルの電圧がスイッチ素子S(−3)のア
ノード(図示せず)に供給されたとする。この場合に、
ハイレベルの電圧が、電源電圧VGKにPN接合の拡散電
位Vdif を加えた電圧以上に高ければ、スイッチ素子S
(−3)はオン状態になる。そして、次に供給されるス
タートパルスφS のローレベルの電圧が、スイッチ素子
S(−3)のオン状態維持電圧より低ければ、S(−
3)はオフ状態となる。
【0210】オン状態では、スイッチ素子S(−3)の
ゲート電位はほぼ零ボルトとなり、オフ状態ではゲート
電圧は電源電圧VGKと同じ電圧になる。スイッチ素子S
(−3)のゲート電位が零ボルトになれば、結合用ダイ
オードD-3(図示せず)によって、スイッチ素子S(−
2)のゲート電位が低下する。そして、スイッチ素子S
(−2)のターンオン電圧も低下する。したがって、転
送クロックφ2 によって、スイッチ素子S(−2)をオ
ン状態に設定することができる。
【0211】このオン状態はφ1 ,φ2 によって順次、
図41の右方向へ転送されていく。つまり、スタートパ
ルスφS のハイレベルの電圧によって、スイッチ素子ア
レイにオン状態が書き込まれ、それが順次右方向へ転送
されていくことになる。
【0212】ただし、全てのビットがオン状態にある場
合に、このオン状態を転送することは、このスイッチ素
子アレイの動作原理上から不可能であって、1ビットお
きにオンとオフを繰り返して転送することになる。すな
わち、スタートパルスφS の波形も、転送パルスφ1
φ2 に同期して、ハイレベルとローレベルとを交互に送
る必要がある。
【0213】今、偶数ビットのみのオン状態とオフ状態
に有効な情報があるものとして、オン状態を1、オフ状
態を0とすると、スタートパルスφS によって1または
0が書き込まれ、転送クロックφ1 ,φ2 によって、そ
の1,0が転送されて行くことになる。このようにし
て、1または0という信号(情報)がスイッチ素子アレ
イに書き込まれる。
【0214】次に、発光素子L(−2)(L(0),L
(2))の動作について説明する。仮に、L(−2)が
0であるとすると、クロックφR の電圧が零ボルトであ
れば、発光素子L(−2)はオン状態とはならない。す
なわち、発光素子L(−2)は書き込み禁止の状態に設
定される。クロックφR の電圧が、発光素子L(−2)
のオン状態維持電圧からVGK+Vdif の間の電圧に設定
されたとすると、発光素子L(−2)は書き込み許可の
状態に設定される。そして、ゲートG-2′の電位が変化
させられることによって、発光素子L(−2)はオン状
態に設定可能となる。
【0215】さて、スイッチ素子アレイから発光素子ア
レイへの情報の書き込みについて説明する。スイッチ素
子アレイは、前述したように1または0信号が書き込ま
れる。最後のビットまで書き込まれた段階で、転送クロ
ックφ1 ,φ2 をそれぞれローレベル,ハイレベルの状
態に維持される。これによって、情報の転送動作が終了
し、スイッチ素子アレイに書き込まれた情報は保持され
る(特に、偶数ビットにおいて保持されている)。
【0216】スイッチ素子アレイの偶数ビットにおい
て、オン状態のスイッチ素子Sのゲート電位はほぼ零ボ
ルトであり、オフ状態のスイッチ素子Sのゲート電位
は、Vdi f の約2倍以上である。なお、オフ状態のスイ
ッチ素子Sのゲート電位については、転送方向に対して
逆方向に位置する最も隣接する偶数ビットがオン状態の
場合にVdif の約2倍であり、それ以外はVdif の約2
倍の電圧よりも大きくなる。なお、ここでVdif はPN
接合の拡散電位である。
【0217】スイッチ素子S(−2),S(0),S
(2)のそれぞれのゲート電圧は、ダイオードD-2′,
0 ′,D2 ′によって対応する発光素子L(−2),
L(0),L(2)のゲートG-2′,G0 ′,G2 ′に
伝達される。したがって、発光素子L(−2),L
(0),L(2)のゲート電圧は、オン状態の場合でV
difとなり、オフ状態の場合でVdif の3倍以上とな
る。そしてオン状態の場合で、発光素子のターンオン電
圧はVdif の2倍となり、オフ状態でVdif の4倍とな
る。
【0218】一方、クロックφR については、いったん
零ボルトに設定して全体の発光をなくし(すなわち、リ
セット)、その後にハイレベル電位VHRまで上昇させ
る。この電圧φHRとして 2Vdif <VHR<4Vdif の範囲に設定されていると、オン状態のスイッチ素子S
に対応する発光素子Lがオン状態となり、オフ状態のス
イッチ素子Sの対応する発光素子Lはオフ状態のままに
なる。
【0219】したがって、スイッチ素子アレイに書き込
まれた1,0の情報が、そのまま発光素子アレイに書き
込まれることになる。
【0220】この後、電圧VHRは発光素子のオン状態維
持電圧以上であってVdif の2倍の電圧未満の値に再設
定される。このことにより、発光素子Lは、スイッチ素
子Sのゲート電位に影響されなくなり、書き込まれた情
報を保持し続ける。そして、発光素子アレイが情報の保
持状態にある間に、前述と同様にして、スイッチ素子ア
レイには次の情報が書き込まれる。
【0221】やがて、クロックφR がローレベル電圧に
設定されて、各発光素子Lがリセットされる。リセット
後、再び情報が発光素子アレイに書き込まれる。以上の
ようにして、一連の動作が繰り返し行われる。
【0222】次に図47に示す自己走査型発光装置を、
光プリンタ用の書き込み光源に適用した場合について述
べる。
【0223】例えば、発光装置が2048ビットの発光
素子Lを有するものとすると、スイッチ素子Sはその倍
の4096ビットを必要とする。光プリンタにおける書
き込み光源の電流量は約5mAであるから、全てのビッ
トの発光素子Lが発光状態であるとすると、約10Aと
いう電流が流れる。
【0224】一方、スイッチ素子Sからの情報転送のた
めの電流は、ゲート負荷抵抗RL3=30kΩの場合に
0.5mAであることが実験的にわかっているので、全
てのビットの発光素子が発光状態であれば、1A程度で
ある。なお、この情報転送のための電流量は、光プリン
ティングに必要な10Aに比べ1割程度であり、実用上
問題のない値である。
【0225】また、スイッチ素子Sからの情報が、発光
素子Lに移動させられた段階でクロックφ1 ,φ2 の電
圧を一旦零ボルトに低下させることにより、スイッチ素
子アレイ全体がオフ状態となりリセットが行われる。こ
の方法を用いた場合には、スイッチ素子Sがオン状態に
なる時間が考慮されると、等価的に電流値が下がること
となる。つまり、前述の1Aに比べて等価的に0.5A
程度まで下がったことになる。
【0226】発光素子Lの2048ビットに対して、ス
タートパルスφS が供給されるデータ入力端(図示せ
ず)が1つだけでは、情報の転送速度はかなり高速であ
ることが必要である。この点については、データ入力端
を複数設けることによって、情報の転送速度を低下させ
ることができる。例えば、通常64ビットまたは128
ビットを一単位として発光素子Lのチップが形成され、
このチップごとに情報が入力されてもよい。
【0227】128ビットごとにデータ入力を並列に行
った場合、2048ビットに対して20個のデータ入力
端を有することになる。このため、情報の転送速度は1
/20でよいことになる。したがって、発光装置は余裕
のある動作を行うことができる。
【0228】なお、発光素子Lの出力光の光量のばらつ
きを防ぐために、アノード負荷抵抗RA3をレーザ等によ
り微調整することが可能である。このことによって、出
力光のばらつきのない発光装置を得ることができる。
【0229】また、図41では、スイッチ素子アレイに
おける偶数ビットの右側に接続される結合用ダイオード
-2,D0 の特性と、奇数ビットの右側に接続される結
合用ダイオードD-1,D1 の特性とが異なっている。し
たがって、偶数ビットと奇数ビットとで動作電流等を分
けて最適化することが重要である。このために、RL2
L1,RA1<RA2に設定するほうが望ましく、この場合
には発光装置はより安定で高速な動作を行い得る。
【0230】さらに、図41では、ダイオード結合方式
と呼ばれる構成を採用しているが、結合方式はこれに限
られず、スイッチ素子の発光機能および受光機能を利用
する光結合方式や、抵抗結合方式であってもよい。
【0231】図42は、図41に示した等価回路を同一
半導体基板上に作製した場合の一例を示す断面図であ
る。図42において、71はN形半導体基板であり、8
1はP形半導体層、82はN形半導体層、83はP形半
導体層である。なお、図41と同一の要素には同一の符
号が付されている。
【0232】この図42に示す実施例で重要な点は、図
41に示したスイッチ素子S、結合用ダイオードD-2
1 ,D-2′〜D2 ′、発光素子L等が半導体層81,
82,83、半導体基板71の組合せで形成でき、した
がって、製造工程を複雑化することなく、図41の回路
構成が集積化されて形成されることである。
【0233】例えばスイッチ素子S(−2)において、
最上層のP形半導体層81がアノードになり、N形半導
体層82がゲートG-2になり、N形半導体基板71がカ
ソードとなっている。そして、N形半導体層82の上に
形成されたP形半導体層81の2つの島が、結合用ダイ
オードD-2,D-2′になっている。これらのダイオード
-2,D-2′は、スイッチ素子S(−2)と同様の構造
を有しており、S(−2)と全く同じ製造工程で形成さ
れる。
【0234】また、発光素子L(−2)についても、ス
イッチ素子S(−2)と全く同じ構造を有し、やはり同
じ工程で形成される。なお、抵抗部分RA1〜RA3、RL1
〜RL3は、薄膜抵抗によって形成することができ、また
半導体層81,82,83を利用して形成することもで
きる。
【0235】さらに図43には、図42の平面構造の一
例を示す平面図である。図43に示すように、スイッチ
素子アレイと発光素子アレイとが、上下に分けて配置さ
れている。そして、各抵抗RA1〜RA3,RL1〜RL3が、
薄膜抵抗によって形成されている(半導体層81〜83
を用いて形成することもできる)。
【0236】図43では、2つのスイッチ素子Sに対し
て、1つの発光素子Lが設けられており、発光素子Lの
配列ピッチがスイッチ素子の配列ピッチの2倍になって
いる。このために、集積度が上がらないかのように見え
るが、この点についてはスイッチ素子の配列の仕方を2
列とし、ジグザクに配列することにより解決することが
できる。また、もう1つのスイッチ素子アレイを発光素
子アレイの反対側に設けることにより、発光素子の配列
ピッチを小さくすることもできる。
【0237】また、スイッチ素子Sの上部には、光遮蔽
層が設けられるものであるが、図42および図43では
省かれている。このような図42および図43に示され
る構造によれば、この発光装置は図41で説明したもの
と全く同じ動作を行うことができる。
【0238】上述した発光装置では、自己走査型の発光
装置を転送用アレイとして使用し、ほぼ同一構造の別の
発光素子アレイに発光機能を分離したので、バイアス光
の原因となるオン状態の転送を行うスイッチ素子の上部
に光遮蔽層を設けることができ、画像情報の書き込みに
対するバイアス光の影響を除去することができる。この
ため、光プリンタ等への発光装置の応用を行う際には、
光プリンタ等の品位を向上させることができる。
【0239】また、画像情報を書き込むための信号は、
スタートパルスの一部としてスイッチ素子に直接入力で
きる。このため、駆動回路が簡略化できる。さらに、発
光素子に書き込まれた情報は、走査信号によってリセッ
トされるまで維持されるので、発光のデューティサイク
ルがほぼ1に設定される。したがって、発光素子に流れ
る電流(ピーク値)を少なくすることができるので、発
光装置の長寿命化を実現できる。
【0240】
【発明の効果】本発明によれば、電流注入電極の一部の
下側に絶縁層を設けることにより発光中心を移動させ、
あるいは電流注入電極の周辺形状を凹凸とすることによ
り、面発光素子の外部発光効率を改善することが可能と
なる。
【0241】また、このような面発光素子を用いた自己
走査型発光装置では、各発光素子の外部発光効率が向上
しているので、プリンタ装置に用いた場合、高品質の印
字を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の面発光サイリスタの構造図である。
【図2】本発明の実施例1の面発光サイリスタの電極構
造を示す図である。
【図3】電極の位置ずれを示す図である。
【図4】本発明の実施例2の面発光サイリスタの電極構
造を示す図である。
【図5】本発明の実施例3の面発光サイリスタの電極構
造を示す図である。
【図6】本発明の実施例4の面発光サイリスタの電極構
造を示す図である。
【図7】本発明の実施例5の面発光サイリスタの電極構
造を示す図である。
【図8】本発明の発光サイリスタを用いた実施例6の発
光素子アレイの概略を示す回路図である。
【図9】図18の発光素子アレイの概略を示す断面図で
ある。
【図10】本発明の発光サイリスタを用いた実施例7の
発光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図11】図10の発光素子アレイの概略を示す断面図
である。
【図12】本発明の発光サイリスタを用いた実施例8の
発光素子アレイの概略を示す平面図である。
【図13】図12の発光素子アレイの概略を示す断面図
である。
【図14】図12の発光素子アレイの概略を示す断面図
である。
【図15】本発明の発光サイリスタを用いた実施例9の
発光素子アレイの等価回路図である。
【図16】図15の発光サイリスタの特性図である。
【図17】図15の発光素子アレイの構造断面概念図で
ある。
【図18】図15の発光素子アレイの構造平面概念図で
ある。
【図19】本発明の発光サイリスタを用いた実施例10
の発光素子アレイの平面図である。
【図20】図19の発光素子アレイの断面図である。
【図21】本発明の発光サイリスタを用いた実施例11
の発光素子アレイの等価回路図である。
【図22】図21の発光素子アレイの構造概念図であ
る。
【図23】本発明の発光サイリスタを用いた実施例12
の発光素子アレイの平面図である。
【図24】図23の発光素子アレイの断面図である。
【図25】本発明の発光サイリスタを用いた実施例13
の発光素子アレイの等価回路図である。
【図26】図25の発光素子アレイの構造断面概念図で
ある。
【図27】本発明の発光サイリスタを用いた実施例14
の発光素子アレイの平面図である。
【図28】図29の発光素子アレイの断面図である。
【図29】図28の発光素子アレイの断面図である。
【図30】本発明の発光サイリスタを用いた実施例15
の発光装置の等価回路図である。
【図31】図30の発光装置のスイッチ素子回路の構成
断面図である。
【図32】図30の発光装置の平面図である。
【図33】図32の発光装置の断面図である。
【図34】本発明の発光サイリスタを用いた実施例16
の発光装置の等価回路図である。
【図35】図34の発光装置の平面図である。
【図36】本発明の発光サイリスタを用いた実施例17
の発光装置のブロック構成図である。
【図37】図36の発光装置の等価回路図である。
【図38】図36の発光装置の等価回路のPNイメージ
図である。
【図39】図36の発光装置の駆動方法を示すパルスタ
イミング図である。
【図40】図36の発光装置の断面図である。
【図41】本発明の発光サイリスタを用いた実施例18
の発光装置の等価回路図である。
【図42】図41の発光装置の等価回路を同一半導体基
板に製作したときの断面図である。
【図43】図41の発光装置の等価回路を同一半導体基
板に製作したときの平面構造図である。
【符号の説明】
1 N形半導体基板 10 P形半導体基板 15 カソード電極 16 金属層 22,24 N形半導体層 21,23 P形半導体層 35,36,37 周辺形状が凹凸の電極 40 アノード電極 47 絶縁層 135,140,150 配線

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光層に電流を注入する電極を光出射側に
    有し、前記電極に接続される配線を有する面発光素子に
    おいて、 前記電極を、前記配線で覆われない領域に拡張し、 前記配線で覆われる前記電極部分の下側に絶縁層を設
    け、 外部発光効率を高めたことを特徴とする面発光素子。
  2. 【請求項2】発光層に電流を注入する細長い電極を光出
    射側に有し、 前記電極の一端に接続される第1の配線と、前記電極の
    他端に接続される第2の配線とを有し、 前記第1の配線で覆われる前記電極の一端の部分の下側
    に第1の絶縁層を設け、 前記第2の配線で覆われる前記電極の他端の部分の下側
    に第2の絶縁層を設け、 外部発光効率を高めるとともに、外部発光効率のばらつ
    きをなくしたことを特徴とする面発光素子。
  3. 【請求項3】発光層に電流を注入する電極を光出射側に
    有し、前記電極の一部の辺をまたいで前記電極に接続さ
    れる配線を有する面発光素子において、 前記電極の一部の辺を除いた残りの辺の内側に入るよう
    に、前記電極の下側に絶縁層を設け、 外部発光効率を高めたことを特徴とする面発光素子。
  4. 【請求項4】少なくとも2つの半導体層よりなり、発光
    層を含む面発光素子において、 光出射側の半導体層とオーミック接触する電極と、 前記電極にオーミック接触し、かつ、前記光出射側の半
    導体層とショットキー接触する金属層と、 前記電極に接続される配線とを備え、 前記電極は、前記配線で覆われない領域に延びており、 前記金属層から前記電極を経て、前記発光層に電流を注
    入することにより、外部発光効率を高めたことを特徴と
    する面発光素子。
  5. 【請求項5】発光層に電流を注入する電極を光出射側に
    有し、前記電極に接続される配線を有する面発光素子に
    おいて、 前記電極の少なくとも一部の周辺形状が、電極の周辺長
    が長くなるように、凹凸形状であることを特徴とする面
    発光素子。
  6. 【請求項6】請求項1,3または4記載の発光装置にお
    いて、 前記電極の少なくとも一部の周辺形状が、電極の周辺長
    が長くなるように、凹凸形状である面発光素子。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の面発光素
    子よりなる面発光ダイオード。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載の面発光素
    子よりなる面発光サイリスタ。
  9. 【請求項9】発光の開始電圧が素子に入射する光強度に
    よって変化する発光素子を複数個配列し、各発光素子の
    発光がその近傍に位置する少なくとも1つの発光素子に
    入射するよう構成されており、各発光素子の発光を制御
    する電極に、外部から電圧あるいは電流を印加する複数
    本の配線を接続させた自己走査型発光装置において、 前記発光素子は、請求項8に記載されている面発光サイ
    リスタであることを特徴とする自己走査型発光装置。
  10. 【請求項10】しきい電圧またはしきい電流の制御電極
    を有する発光素子を複数個配列し、各発光素子の前記制
    御電極をその近傍に位置する少なくとも1つの発光素子
    の制御電極に、直接に、あるいは電気抵抗または電気的
    に一方向性を有する電気素子を介して接続し、各発光素
    子の発光を制御する電極に、外部から電圧あるいは電流
    を印加する複数本の配線を接続させた自己走査型発光装
    置において、 前記発光素子は、請求項8に記載されている面発光サイ
    リスタであることを特徴とする自己走査型発光装置。
  11. 【請求項11】スイッチング動作のためのしきい電圧ま
    たはしきい電流の制御電極を有するスイッチ素子を複数
    個配列し、各スイッチ素子の前記制御電極をその近傍に
    位置する少なくとも1つのスイッチ素子の制御電極に、
    直接に、あるいは電気抵抗または電気的に一方向性を有
    する電気素子を介して接続するとともに、各スイッチ素
    子に電源ラインを電気的手段を用いて接続し、かつ各ス
    イッチ素子にクロックラインを接続して形成した自己走
    査スイッチ素子アレイと、 しきい電圧またはしきい電流の制御電極を有する発光素
    子を複数個配列した発光素子アレイとからなり、 前記発光素子アレイの各制御電極を前記スイッチ素子の
    制御電極と電気的手段にて接続し、各発光素子に発光の
    ための電流を印加するラインを設けた自己走査型発光装
    置において、 前記発光素子は、請求項8に記載されている面発光サイ
    リスタであることを特徴とする自己走査型発光装置。
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