JPH0976056A - 溶鋼取鍋およびその補修方法 - Google Patents

溶鋼取鍋およびその補修方法

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JPH0976056A
JPH0976056A JP7257216A JP25721695A JPH0976056A JP H0976056 A JPH0976056 A JP H0976056A JP 7257216 A JP7257216 A JP 7257216A JP 25721695 A JP25721695 A JP 25721695A JP H0976056 A JPH0976056 A JP H0976056A
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magnesia
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正彦 天野
Hisashi Nakamura
壽志 中村
Toshihiro Isobe
利弘 礒部
Kimihiko Takeuchi
公彦 竹内
Yoshinobu Saikai
嘉宣 西海
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶鋼取鍋において、敷部は側壁部に比べて寿
命が短いことは否めない。本発明はこの湯当り部の耐用
性を向上し、しかも敷部全体として亀裂発生や敷浮上な
どを防止して、取鍋内張りの全体の寿命を向上させるこ
とを目的とする。 【解決手段】 アルミナ65〜93wt%、マグネシア
2〜20wt%、アルミナセメント5〜15wt%より
なる配合物100wt%と、揮発シリカ外掛け0.05
〜3wt%を含むアルミナ−マグネシア質流し込み施工
不定形耐火物で湯当り部を構成し、他の部分をアルミナ
−スピネル質流し込み施工不定形耐火物とした敷部の内
張り構造を有する溶鋼取鍋である。また、前記アルミナ
ーマグネシア質流し込み施工不定形耐火物をもって敷部
を補修する溶鋼取鍋の補修方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼産業に使用さ
れる溶鋼取鍋の敷部の内張り構造およびその補修方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼取鍋などの内張りに使用する流し込
み施工不定形耐火物(以下、流し込み材)として、例え
ば特開昭64−87577号公報のアルミナ−スピネル
質、特開平5−97526号公報のアルミナ−マグネシ
ア質、特開平3−23275号公報のアルミナ−スピネ
ル−マグネシア質などの材質が提案されている。これら
の流し込み材は、マグネシアまたはスピネルによる耐食
性とアルミナがもつ容積安定性との相乗効果によって、
優れた耐用性を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶鋼取鍋の敷部の内張
りは周囲が拘束されているため、一般にアルミナ−スピ
ネル質などの熱膨張の小さい構造安定性に優れた流し込
み材が使用されている。しかし、敷部において溶鋼の直
撃を受ける湯当り部では、亀裂発生→地金侵入→剥離の
損傷サイクルによって、従来の内張り材質では十分な耐
用性が得られていない。
【0004】また、湯当り部の補修において、例えば内
張り材と同材質のアルミナ−スピネル質流し込み材を補
修材に使用すると、内張り材との接着が悪く、剥離によ
って十分な補修効果が得られない。このため、湯当り部
の補修はパーマネント内張りを除く敷部全体の内張りを
解体除去して行わなければならず、材料費および補修工
数の面で不合理である。
【0005】溶鋼取鍋の内張り材として、耐食性および
耐スラグ浸透性に優れた材質として、前記したアルミナ
−スピネル質流し込み材と共に、アルミナ−マグネシア
質流し込み材が提案されている。しかし、このアルミナ
−マグネシア質は高温下でアルミナとマグネシアが反応
し、Al23・MgO系スピネル(以下、スピネル)の
生成に伴う熱膨張が著しい。このため、アルミナ−マグ
ネシア質は側壁部の内張りとしては良好であっても、周
囲が拘束されている敷部では熱膨張が迫り応力として作
用し、敷面と平行の層状亀裂の発生あるいは敷浮上など
を招き、十分な耐用性が得られない。
【0006】溶鋼取鍋の使用条件は近年、溶鋼温度の上
昇、滞湯時間の延長、ガス吹き込み撹拌など、苛酷化の
一途をたどっている。内張り材質はそれに合わせて高耐
用のものが開発されているが、敷部の先行損耗は避けら
れず、側壁の内張りが本来の寿命を全うしないまま、溶
鋼取鍋の内張り全体の補修を余儀なくされている。本発
明は、溶鋼取鍋の内張りにおける上記従来の問題を解決
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、アルミナ65〜93wt%、マグネシア2〜20
wt%、アルミナセメント5〜15wt%よりなる配合
物100wt%と、揮発シリカ外掛け0.05〜3wt
%を含むアルミナ−マグネシア質流し込み施工不定形耐
火物で湯当り部を構成し、その周囲をアルミナ−スピネ
ル質流し込み施工不定形耐火物とした敷部の内張り構造
を有する溶鋼取鍋である。
【0008】また、前記溶鋼取鍋の使用後、敷部の内張
りをアルミナ65〜93wt%、マグネシア2〜20w
t%、アルミナセメント5〜15wt%よりなる配合物
100wt%と、揮発シリカ外掛け0.05〜3wt%
を含むアルミナ−マグネシア質流し込み施工不定形耐火
物をもって補修する溶鋼取鍋の補修方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による取鍋の内張
りの断面構造を模式的に示したものである。1鉄皮、2
は側壁部の内張り、3は敷部の内張りである。側壁部の
内張り、敷部の内張りとも、一般にはその背面にパーマ
ネント内張りが設けられるが、図では省略している。本
発明では、敷部3の内張りにおいて、湯当たり部4をア
ルミナ−マグネシア質流し込み材とし、その周囲5をア
ルミナ−スピネル質流し込み施工不定形耐火物とした。
【0010】アルミナ−マグネシア質流し込み材は、マ
グネシア自身の耐食性と、使用中の高温でアルミナ−マ
グネシアの反応によるスピネル結合によって、湯当り部
における溶鋼の直撃に対しても優れた耐用性を示す。ア
ルミナ−マグネシア質流し込み材は、スピネルの生成に
伴って著しい熱膨張を生じるが、本発明ではその周囲に
位置するアルミナ−スピネル質流し込み材によって熱膨
張応力を緩和し、亀裂発生や敷浮上などの問題が防止さ
れる。
【0011】しかも、この湯当り部のアルミナ−マグネ
シア質流し込み材の膨張は、その周囲に位置するアルミ
ナ−スピネル質流し込み材との間の目地を閉塞し、目地
の先行溶損を防止する効果をもつ。
【0012】また、本発明で使用するアルミナ−マグネ
シア質流し込み材は、揮発シリカを添加したことで、そ
のシリカ成分によって高温下で適度な荷重軟化特性を発
揮し、受鋼の際の熱衝撃を緩和して、剥離損傷を防止す
る。
【0013】一方、湯当り部の周囲に内張したアルミナ
−スピネル質流し込み材は、構造安定性に優れており、
熱膨張が小さいことから、湯当り部全体の熱膨張応力を
緩和する役割をもつ。さらに、湯当り部のアルミナ−マ
グネシア質流し込み材と焼結されやすいことで、敷部の
構造がより強固なものとなる。
【0014】敷部の内張り構造において、アルミナ−マ
グネシア質流し込み材とアルミナ−スピネル質流し込み
材との組合で得られる以上の効果は、敷部の補修におい
ても発揮される。すなわち、図2の模式図に示したとお
り、上記の敷部の構造を有する溶鋼取鍋において、この
溶鋼取鍋の使用後、湯当たり部4が主体となる損傷部6
にアルミナ−マグネシア質流し込み材の補修材7を充填
し、敷部3を補修すると、補修材組織の亀裂発生が少な
く、しかも補修材7が敷部3の内張り材との接着性に富
む結果、優れた補修効果が得られる。なお、図には示し
ていないが従来の内張り構造と同様、定形耐火物または
不定形耐火物よりなるパーマネントライニングを背面に
設けてもよいことはもちろんである。
【0015】本発明において、湯当り部の内張りあるい
は補修材として使用するアルミナ−マグネシア質流し込
み材の詳細を説明する。アルミナは耐食性と容積安定性
の効果をもつ。焼結品、電融品のいずれでも使用でき、
Al23純度は90wt%以上が好ましい。TiO2
8wt%以下含有したものでも使用できる。ばん土けつ
岩、シリマナイト、ムライトなどの低純度品を使用して
もよいが、微粉部には高純度品を使用するのが好まし
い。
【0016】アルミナ割合は65wt%未満、93wt
%を超える場合のいずれも耐食性に劣る。その粒径は例
えば10mm未満、好ましくは5mm以下である。粗
粒、中粒、微粒に調整する。微粒には仮焼品を使用して
もよい。
【0017】マグネシアは焼結品、電融品のいずれでも
よく、MgO純度は95%以上が好ましい。マグネシア
はそれ自身でも耐スラグ性に優れ、しかもアルミナとの
反応によるスピネル生成で受鋼時の溶鋼直撃に対しても
優れた耐食性を付与する。
【0018】マグネシアの割合は、2wt%未満ではス
ピネル生成が不十分のために耐食性に劣る。20wt%
を超えるとスピネル生成量が過多となって、スピネル生
成に伴う体積膨張で耐スポーリング性に劣る。粒径は、
アルミナとの反応性を高めるため、微粉で使用すること
が好ましい。例えば1mm以下、好ましくは100μm
以下の微粉として使用する。
【0019】アルミナセメントは結合剤としての役割を
もつ。その割合および具体的種類などは従来材質と特に
変わりない。5wt%未満では施工体強度に劣り且つ長
期構造安定性に欠ける。15wt%を超えると耐食性を
低下させる。
【0020】揮発シリカは、ガラス化による軟化粘性に
より、溶鋼直撃で湯当り部が受ける荷重衝撃と熱衝撃を
緩和し、剥離損傷防止に効果をもつ。 この揮発シリカ
は、シリコンまたは珪素合金製造の際の副産物として得
られ、比表面積が15〜30m2/g 程度の超微粒子で
ある。シリカフラワーまたはマイクロシリカなどの商品
名で知られている。その割合は、前記の配合物100w
t%に対し、外掛け0.05wt%未満では効果がな
く、3wt%を超えると耐食性を低下させる。
【0021】このアルミナ−マグネシア質流し込み材
は、さらに耐火性超粗大粒子および/または金属ファイ
バーを添加してもよい。耐火性超粗大粒子は、亀裂の伸
展を寸断し、亀裂の拡大を防止する効果をもつ。また、
金属ファイバーは、耐火物組織に亀裂が生じても、その
亀裂の拡大あるいは亀裂が原因による剥離を防止する。
【0022】耐火性超粗大粒子の材質は特に限定される
ものではなく、例えばアルミナ質、スピネル質の焼結
品、電融品あるいはこれらを主材とした炉材使用後品と
する。その粒径は10〜30mmとする。配合割合は、
外掛け30wt%未満、好ましくは5〜25wt%であ
る。25wt%を超えると、その粒度構成のバランスの
悪さから施工体の強度が低下し、耐食性の低下を招く。
【0023】金属ファイバーの具体的な種類は耐熱性お
よび耐酸化性の面でステンレス鋼が最も好ましいが、こ
れに限らず例えば鉄、炭素鋼、Ni−Cr鋼、Cr−M
o鋼、Cr鋼、Cr−V鋼、Al、Al合金、Cu、C
u合金などでもよい。形状はストレート形、曲線、山
形、波形などのいずれでもよい。寸法は直径0.1〜2
mm、長さは直径の5〜50倍程度が好ましい。
【0024】金属ファイバーの割合は、アルミナ、マグ
ネシアおよびアルミナセメントよりなる配合物100w
t%に対する外掛けで5wt%以下、さらに好ましくは
0.5〜3wt%である。5wt%を超えると、施工時
の流動性の悪さから添加水分過多となり、施工体の強度
が低下して耐食性の低下を招く。
【0025】つぎに、敷部において、アルミナ−マグネ
シア質流し込み材よりなる湯当り部以外の部分に内張り
するアルミナ−スピネル質流し込み材の詳細を説明す
る。この材質は、従来の溶鋼取鍋において側壁あるいは
敷部の材質として使用されているアルミナ−スピネル質
流し込み材と特に変わりない。
【0026】アルミナは、前記のアルミナ−マグネシア
質流し込み材の場合と同様、耐食性と容積安定性の効果
をもち、主骨材としての役割をもつ。焼結品,電融品の
いずれでも使用でき、Al23純度は90%以上が好ま
しい。TiO2 を8wt%以下含有したものでも使用で
きる。ばん土けつ岩、シリマナイト、ムライトなどの低
純度品を使用してもよいが、微粉部には高純度品を使用
するのが好ましい。粒径は例えば10mm未満、好まし
くは5mm以下である。粗粒、中粒、微粒に調整する。
微粒には仮焼品を使用してもよい。その割合は、45〜
90wt%が好ましい。
【0027】スピネルは耐スラグ浸透性の役割をもつ。
5〜45wt%が好ましく、5wt%未満では耐スラグ
浸透性の効果に劣り、45wt%を超えると耐食性およ
び耐スポーリング性に劣る。粒径は、耐火物組織内での
分散性を高めるために、例えば粒径1mm以下の微粉で
使用するが好ましい。焼結品、電融品を問わない。Al
23:MgO比は、理論値に限らず使用できる。例え
ば、重量比でAl23:MgOが1:1〜10:1のも
のが使用できる。
【0028】結合剤はアルミナセメント、マグネシアセ
メントなどが使用できるが、施工性の面からアルミナセ
メントが好ましい。その割合は、5〜15wt%が好ま
しい。湯当り部あるいは補修材として使用するアルミナ
−マグネシア質流し込み材と同様に、耐火性超粗大粒子
あるいは金属ファイバーなど添加してもよい。耐火性超
粗大粒子とステンレスファイバーの添加量は、アルミナ
−マグネシア質流し込み材の場合と特に変わりない。
【0029】湯当り部あるいは補修材として使用するア
ルミナ−マグネシア質流し込み材と他の部分に使用する
アルミナ−スピネル質流し込み材の施工方法は、一般的
な流し込み材と同様にして行う。すなわち、施工時の作
業性、可使時間などを調整するために、通常は解こう
剤、硬化調整剤などをそれぞれ0.01〜0.5wt%
程度添加する。解こう剤の具体例としては、例えばトリ
ポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラ
ポリリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ホウ
酸ソーダ、炭酸ソーダなどの無機塩、クエン酸ソーダ、
酒石酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、スルホン酸ソー
ダなどがある。硬化調整剤としては、例えばホウ酸、ホ
ウ酸アンモニウム、ウルトラポリリン酸ソーダ、炭酸リ
チウムなどである。
【0030】さらに必要によっては、本発明の効果を阻
害しない範囲において、アルミニウム粉、アルミニウム
合金粉、ガラス粉、炭素粉、ピッチ粉、ジルコン、ジル
コニア、有機ファイバー、セラミックファイバー、発泡
剤などを添加してもよい。以上の配合組成物に、外掛け
で4〜8wt%程度の施工水を添加・混合し、流込み施
工される。一般に耐火物中に棒状バイブレータを挿入す
る。例えば、湯当り部を予め任意の形状に流し込み施工
したプレキャスト品として使用してもよい。
【0031】敷部全体に対し、アルミナ−マグネシア質
流し込み材よりなる湯当り部が占める面積は、5〜45
%が好ましい。5%未満では湯当り部を余裕を持って確
保できず、45%を超えると湯当り部に亀裂が生じて耐
用性に劣る。また、敷部の補修方法は、敷部の損傷程度
を見計らって、先行損傷する湯当り部を中心にアルミナ
−マグネシア質流し込み材をもって補修する。
【0032】
【実施例】以下に、本発明実施例とその比較例を示す。
【0033】表1は各例で使用したアルミナ−マグネシ
ア質流し込み材およびアルミナ−スピネル質流し込み材
と、それらの試験結果を示す。これらの流し込み材は、
いずれも外掛けで施工水5wt%、分散剤(ヘキサメタ
リン酸ソーダ)0.1wt%および硬化調整剤(ホウ酸
アンモニウム)0.1wt%を添加し、混練後、施工し
たものである。
【0034】表1における試験方法は、つぎのとおりで
ある。 曲げ強さ;110℃乾燥後、1500℃加熱後のそれぞ
れについて測定した。 耐スポーリング性:1400℃の片面加熱で行った。3
0分加熱−5分間水冷をくり返し、剥落に到るまでの回
数を測定した。 耐食性;重量比で鋼片:転炉スラグ(FeO含有量;2
0wt%)=70:30を侵食剤とし、1650℃×5
時間の回転侵食試験を行い、溶損寸法を測定した。 耐スラグ浸透性;前記の条件で回転侵食試験を行った
後、スラグ浸透寸法を測定した。 クリープ性;110℃乾燥後試片を一定荷重(2kg/
cm2 )及び規定された温度を与えた時の時間における
変形割合を測定した。
【0035】表2は、表1で示した各材質を組み合わせ
て敷部を構成した本発明実施例とその比較例である。表
2は、表1で示した各材質を組み合わせて敷部を構成し
た本発明実施例とその比較例、およびこれらの試験結果
を示す。各例は、いずれも300t溶鋼取鍋の敷部に施
工したものである。湯当り部は予め施工したプレキャス
トブロックをセットし、その周囲に流し込み施工するこ
とで敷部を内張りした。表2には示していないが、側壁
は表1に示したB2のアルミナ−スピネル質流し込み材
で統一した。湯当り部のサイズを図1に対応して示す
と、L=3000mm敷部対し、l=1000mmで平
面形状が正方形の湯当り部を設けた。
【0036】試験方法は、以下のとおりである。湯当り
部の亀裂、湯当り部の剥離および目地開きの発生状況
は、いずれも50チャージ後に目視にて観察した。損傷
速度は、湯当り部は50チャージ後、その他の部分は2
00チャージ後に損傷寸法を測定して求めたものであ
る。敷部の耐用性の評価は、敷部全体の耐用性を総合的
に評価したものである。
【0037】本発明実施例は、いずれも従来敷部構造に
相当する比較例1にくらべて耐用性が格段に向上してい
る。実施例3〜5はアルミナ質超粗大粒子および/また
はステンレスファイバーを添加したものであり、他の実
施例にくらべて剥離損傷がさらに少なく、損傷速度も小
さい。
【0038】これに対し、比較例2は湯当り部をアルミ
ナ−スピネル質、その他の部分をアルミナ−マグネシア
質にしたものである。湯当り部にくらべてその他の部分
の方が面積が広い。このため、熱膨張性が大きいアルミ
ナ−マグネシア質をその他の部分に設けた同比較例は敷
部全体としての熱膨張応力が高くなり、その他の部分、
湯当り部ともに亀裂の発生が著しく、しかも敷浮上の傾
向がみられた。
【0039】比較例3は、湯当り部、その他の部分とも
にアルミナ−マグネシア質にしたものである。敷部全体
としての熱膨張応力がきわめて高く、亀裂および亀裂が
著しく、しかも敷浮上がみられた。
【0040】比較例4は、湯当り部に使用したアルミナ
−マグネシア質が揮発性シリカの添加量が少ないため
に、剥離および亀裂が大きい。比較例5は、湯当り部に
使用したアルミナ−マグネシア質において揮発性シリカ
の添加量が多過ぎるために、溶損が大きく、しかも目地
開きが認められた。
【0041】表3は、敷部の補修方法に関する実施例お
よびその比較例である。各例は、いずれも300t溶鋼
取鍋の敷部を表2の実施例5で示した構造とし、50チ
ャージ使用した後、湯当り部を中心とした損耗凹部を補
修した。そして、その補修材には表1で示した流し込み
材を使用した。
【0042】試験方法は、以下のとおりである。補修材
の接着性、亀裂発生状況、剥離発生状況は、いずれも5
0チャージ後に目視にて観察した。損傷速度は、50チ
ャージ後に損傷寸法を測定して求めたものである。補修
効果は、補修材を総合的に評価したものである。
【0043】本発明実施例は、いずれも補修材が接着性
にすぐれ、亀裂、剥離の発生もなく、優れた補修効果が
得られた。実施例7,8はアルミナ質超粗大粒子および
/またはステンレスファイバーを添加したものであり、
実施例6にくらべて剥離損傷がさらに少なく、損傷速度
も小さい。
【0044】これに対し比較例6は、補修材にアルミナ
−スピネル質を使用したもので、接着性に劣り、亀裂お
よび剥離が大きく、耐用性に劣る。比較例7は、補修材
に使用したアルミナ−マグネシア質が揮発性シリカの添
加量が少ないために、接着性、亀裂および剥離が大き
い。比較例8は、補修材に使用したアルミナ−マグネシ
ア質において揮発性シリカの添加量が多過ぎるために、
溶損が大きい。
【0045】
【表1A】
【0046】
【表1B】
【0047】
【表2A】
【0048】
【表2B】
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】溶鋼取鍋において、敷部は側壁部に比べ
て寿命が短いことは否めない。本発明の溶鋼取鍋は湯当
り部の耐用性に優れ、しかも敷部全体として熱膨張応力
の緩和による亀裂発生や敷浮上などを防止する。その結
果、取鍋内張りの全体の寿命を向上させることができ
る。また、補修方法の発明では、補修材自身の耐食性の
みならず、敷部の内張り材質との組合せにおいて、接着
性、耐亀裂性および耐剥離性に優れ、顕著な補修効果が
得られる。施工の省力化から溶鋼取鍋のオール不定形耐
火物化は、今後ますます普及すると考えられる。この不
定形耐火物化の技術の一貫として、本発明の技術的価値
はきわめて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の取鍋の内張り断面構造である。
【図2】本発明の取鍋の内張り補修方法を説明するため
の断面構造である。
【符号の説明】
1 鉄皮 2 側壁部 3 敷部 4 湯当り部 5 その他の敷部 6 損傷部 7 補修材
フロントページの続き (72)発明者 礒部 利弘 兵庫県高砂市荒井町新浜1−3−1 ハリ マセラミック株式会社内 (72)発明者 竹内 公彦 兵庫県高砂市荒井町新浜1−3−1 ハリ マセラミック株式会社内 (72)発明者 西海 嘉宣 兵庫県高砂市荒井町新浜1−3−1 ハリ マセラミック株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ65〜93wt%、マグネシア
    2〜20wt%、アルミナセメント5〜15wt%より
    なる配合物100wt%と、揮発シリカ外掛け0.05
    〜3wt%を含むアルミナ−マグネシア質流し込み施工
    不定形耐火物で湯当り部を構成し、他の部分をアルミナ
    −スピネル質流し込み施工不定形耐火物とした敷部の内
    張り構造を有する溶鋼取鍋。
  2. 【請求項2】 アルミナ−マグネシア質流し込み施工不
    定形耐火物が、配合物100wt%に対し、さらに粒径
    10〜30mmの耐火性超粗大粒子を外掛け30wt%
    以下および/または金属ファイバーを外掛けで5wt%
    以下含む請求項1記載の溶鋼取鍋。
  3. 【請求項3】 湯当り部が敷部全体の面積に対して5〜
    45%占める請求項1または2記載の溶鋼取鍋。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の溶鋼取鍋の
    使用後、敷部の内張りをアルミナ65〜93wt%、マ
    グネシア2〜20wt%、アルミナセメント5〜15w
    t%よりなる配合物100wt%と、揮発シリカ外掛け
    0.05〜3wt%を含むアルミナ−マグネシア質流し
    込み施工不定形耐火物をもって補修する溶鋼取鍋の補修
    方法。
  5. 【請求項5】 アルミナ−マグネシア質流し込み施工不
    定形耐火物が、配合物100wt%に対し、さらに粒径
    10〜30mmの耐火性超粗大粒子を外掛け30wt%
    以下および/またはステンレスファイバーを外掛けで5
    wt%以下含む請求項4記載の溶鋼取鍋の補修方法。
JP25721695A 1995-09-11 1995-09-11 溶鋼取鍋およびその補修方法 Expired - Fee Related JP3464323B2 (ja)

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