JPH0970685A - 溶接作業性の良いガスシールドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法 - Google Patents

溶接作業性の良いガスシールドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法

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JPH0970685A
JPH0970685A JP16337796A JP16337796A JPH0970685A JP H0970685 A JPH0970685 A JP H0970685A JP 16337796 A JP16337796 A JP 16337796A JP 16337796 A JP16337796 A JP 16337796A JP H0970685 A JPH0970685 A JP H0970685A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ワイヤの変色、錆の発生等の経時的変化を生ず
ることなく、溶接性、送給性に優れた特性を保持する溶
接性の良い溶接用ワイヤを提供する。 【解決手段】深さ1μm以上の表面亀裂の延長合計が1
00μm/mm2 以上、500μm/mm2 以下で、任
意の差渡し寸法が1μm以上8μm以下の凹部が製品ワ
イヤ表面に100〜1000個/mm2 存在する溶接用
ワイヤである。このワイヤは、ワイヤの表面の粗度を上
げるために乾式潤滑剤中の無機物系(石灰石等)の比率
を上げて1次伸線した後、K塩塗布を行い、露点が−2
0℃〜0℃のN2 雰囲気中で700〜900℃で2〜1
20分保持し、ついでメッキを施した後2次伸線を行っ
て製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤ表面に銅メ
ッキを施した外径0.8〜2.4mmφの鋼線からなる
耐変色性、耐錆性を有し、溶接作業性の良いガスシール
ドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接作業性の良いガスシールドアーク溶
接用ワイヤを得るために、ワイヤ表面の特性に着目し送
給性改善を狙った多くの技術がある。例えば、特公昭5
8−56677号公報には、次式で示されるワイヤ表面
の平坦率が80%以下となるように調整してなることを
特徴とする送給性のすぐれた溶接ワイヤが開示されてい
る。 平坦率=(伸線ダイスの摩擦により平坦化された部分の
面積)/(ワイヤの全表面積)×100%。
【0003】また、特公昭63−21595号公報には
送給性の優れた溶接ワイヤとして、ワイヤ表面に亀裂に
より生じたワイヤ長手方向に対して30〜150°の角
度範囲にある横溝が分布し、さらにワイヤ表面に液状潤
滑剤を有する溶接用ワイヤが開示されている。また、特
公昭64−9117号公報には、ワイヤ表面にメッキ層
の亀裂を有し、メッキ層下部の鋼表面から0.1mm深
さの層に存在する酸素が0.1mmを越える内部よりも
50〜400ppmに増量しており、さらにワイヤ表面
に液状潤滑剤を有する溶接用細径鋼ワイヤが開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
では、ワイヤの伸線工程においてワイヤ表面に亀裂を多
量に発生させるものである。ワイヤ表面に亀裂が存在す
ると、溶接用ワイヤが市場に流通する過程において、こ
の亀裂内に入っている伸線潤滑剤、水分、油分、又は異
物等が経時劣化し、これが引き金となって、ワイヤが変
色したり、錆を発生したりする。また、ワイヤ内部の酸
化層も同様に経時的に劣化し、変色、発錆の原因とな
り、ワイヤの送給性を害したり、溶接作業性を劣化させ
るという問題がある。
【0005】本発明はこのような問題点を解決した溶接
作業性の良いガスシールドアーク溶接用ワイヤおよびそ
の製造方法を開発し、これを提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、次の技術手段を講じたことを特徴とす
る耐変色性、耐錆性を有する溶接作業性の良いガスシー
ルドアーク溶接用ワイヤである。すなわち本発明は、任
意の差渡し寸法が1μm以上8μm以下の凹部が製品ワ
イヤ表面に100〜1000個/mm2 存在することを
特徴とする溶接作業性の良いガスシールドアーク溶接用
ワイヤである。
【0007】この場合において、ワイヤ表面に存在する
凹部は上記差渡し寸法範囲外のものも存在することがあ
るが、前記任意の差渡し寸法が8μmを越える凹部が存
在しないものは、特に優れている。なお、前記任意の差
渡し寸法が1μm未満の凹部が共存することは、ワイヤ
の製造工程上不可避のことでもあり、また、溶接作業性
に対して差支えはない。
【0008】凹部の差し渡し寸法が8μmを越えると、
ワイヤの変色、発錆を生じるので制限する。従って、こ
のような凹部が存在しないワイヤが好適である。しか
し、これを絶無とするのは製造工程上で過度の制約を課
することとなるので、可及的に生じないようにすること
で良い。また、凹部が上記寸法範囲内にあったとしても
その数が、100個/mm2 未満では、送給性改善の効
果が乏しい。一方、このような適正寸法の凹部が100
0個/mm2 を越えて存在すると、凹部に残留した乾式
潤滑剤、水分、油分、異物が経時劣化を起こし、ワイヤ
に変色、発錆を生じて、溶接作業性、送給性が劣化する
問題があるので制限される。
【0009】このようなワイヤは、1次伸線工程におい
て乾式潤滑剤中の無機物系の比率を上げて伸線した後、
K含有物の塗布を行い、焼鈍し次いで2次伸線を行うこ
とによって製造することができる。本発明におけるワイ
ヤ表面の凹部の差渡し寸法及び分布数は次のようにして
測定する。寸法及び分布数はSEM(走査型電子顕微
鏡)を用い倍率400倍にて観察、カウントし、4視野
の平均値を計算する。ただし、一続きの凹部において、
隙間が1μm未満の部分は、凹部に含まれないものと見
なし分布数をカウントする。例えば図2に示すような凹
部1は1μm未満の幅の部分を無視するので、各1個の
凹部2、3の2個にカウントする。
【0010】次に、本発明の方法の発明は、深さ1μm
以上の表面亀裂の延長合計が、100μm/mm2
上、500μm/mm2 以下で、かつ任意の差渡し寸法
が1μm以上8μm以下の凹部が製品ワイヤ表面に10
0〜1000個/mm2 存在することを特徴とする溶接
作業性のよいガスシールドアーク溶接用ワイヤを提供す
るものである。この場合においても、ワイヤ表面に存在
する凹部は上記差渡し寸法範囲外のものも存在すること
があるが、前記任意の差渡し寸法が8μmを越える凹部
が存在しないものは、特に優れている。なお、前記任意
の差渡し寸法が1μm未満の凹部が共存しても、溶接作
業性に対して差支えはない。
【0011】なお、本発明においては、ワイヤ表面の開
口部の幅が深さ寸法以上である欠落部を凹部と称し、ワ
イヤ表面の開口部の幅が深さの1/2より小さい欠落部
を亀裂と称する。この判別は、実際には顕微鏡による表
面観察によって行うが、表面の開口部の幅や形状から断
面を観察しなくても容易に判別することができる。次に
上記本発明の溶接作業性の良いガスシールドアーク溶接
用ワイヤの製造方法は、乾式の1次伸線後のワイヤの表
面にK含有物をK換算値で0.1〜10g/m2 付着さ
せた後、露点−20℃〜0℃のN2 雰囲気中で温度70
0〜900℃で、2〜120分間保持し、その後、Cu
めっき、2次伸線を順次実施することを特徴とする。
【0012】上記特性を満足するために、1次伸線後、
Cuメッキ間における製造条件を以下のように限定し
た。まず、溶接作業性を改造するために、焼鈍前にK含
有物を塗布するが、その量がK換算値で0.1g/m2
未満では、溶接作業性の改善効果がなく、10g/m2
を超えるとワイヤ表面亀裂が粗大化多発し、ワイヤ変
色、錆が発生しやすくなる。そこで、K含有物の最適塗
布量としては、K換算値で、0.1g/m2 〜10g/
2 であることが分かった。より好ましくは、K換算値
で、0.5〜5g/m2 とすればよい。
【0013】次に、焼鈍条件であるが、露点が−20℃
よりも低いと上記K含有物の製品への歩留りが低下し、
最終製品に十分なKが付与されず、溶接作業性改善が認
められない。一方、露点が0℃を超えると、ワイヤ表面
亀裂が粗大化、多発し、ワイヤ変色、錆が発生しやすく
なる。そこで、最適な露点は−20℃〜0℃であること
がわかった。
【0014】焼鈍温度については、温度が700℃未満
ではK含有物の製品への歩留りが低下し、溶接作業性改
善が認められない。一方温度が900℃を超えると、ワ
イヤ表面亀裂が粗大化、多発し、ワイヤ変色、錆が発生
しやすくなる。そこで最適な焼鈍温度としては700℃
〜900℃であることが分かった。次に、焼鈍保持時間
については、2分間未満では、Kの製品への歩留りが低
下し、溶接作業性の改善が認められない。一方焼鈍保持
時間が120分間を超えるとワイヤ表面亀裂が粗大化、
多発し、ワイヤの変色や錆が発生しやすくなる。そこで
最適な焼鈍保持時間としては、2〜120分間とする。
焼鈍を連続式焼鈍炉で行う場合には、一般に長時間の焼
鈍を行うことができないので、2〜20分程度の焼鈍保
持時間とし、その分、焼鈍温度を高めとすればよい。逆
にバッチ式焼鈍炉の場合は、焼鈍保持時間を長くして比
較的低温の焼鈍を行えばよい。
【0015】
【発明の実施の形態】ワイヤ送給性を良くするために、
ワイヤ表面に凹部ではなく微細な亀裂を発生させ、液状
潤滑剤を塗布したワイヤは、時間の経過と共に変色を生
じた。これに対し、本発明では1次伸線において、適切
なワイヤ表面粗度、すなわち適切な凹部の分布状態を得
て、その後、適切な条件下で、焼鈍と2次伸線を行うこ
とにより、最終製品に、適切な凹部と亀裂を形成する。
これによって、変色や錆等の問題がなく、溶接作業性の
良いガスシールドアーク溶接用ワイヤを得ることができ
た。
【0016】従来のワイヤの製造方法は、有機物系主体
の潤滑剤を用い、5.5mmφの鋼線を乾式で2.0〜
3.0mmまで1次伸線する。次に、雰囲気を調整して
焼鈍し、表面酸化する。雰囲気はCO、H2 、H2 O等
による調整を行う。この焼鈍により亀裂の素地となる粒
界酸化状態および凹部が発生する。ついでメッキを施し
た後2次伸線を行い、2.0〜3.0mmφの中間径か
ら製品径0.8〜2.0mmφまで伸線し製品とするも
のである。この時凹部には伸線潤滑剤が残留することに
なる。
【0017】これに対し、本発明のワイヤは、ワイヤの
表面の粗度を上げるために乾式潤滑剤中の無機物系(石
灰石等)の比率を上げて1次伸線した後、K含有物の塗
布を行い、焼鈍し、ついでメッキを施した後脂肪酸エス
テル等を主成分とする潤滑液を用いた湿式伸線による2
次伸線を行い、2.0〜3.0mmφから製品径0.8
〜2.0mmφまで伸線し製品とする。
【0018】本発明では、1次伸線で得られた凹部を有
効に利用し、2次伸線後、製品の表面に残った凹部の寸
法及び密度をある範囲内の値とすることにより、変色や
発錆のない、送給性及び溶接作業性の良いワイヤを得る
ことができる。本発明のガスシールドアーク溶接用ワイ
ヤ表面の凹部は、表面の亀裂や、粒界酸化層によるもの
ではなく、物理的にワイヤの表面に凹部を形成したもの
であるから、これらの凹部は経時的に変色や酸化を生ず
る原因とならない。従って、経時的に発生する送給性、
溶接作業性の劣化を招来しない。
【0019】次に、本発明の方法発明について説明す
る。凹部のサイズおよび個数の規制のほかに、さらに耐
変色性、耐錆性を確実に確保するために、ワイヤ表面に
発生する亀裂の量について規制を行ったのが第2の発明
である。本発明で述べているような乾式の1次伸線で生
成されるワイヤ表面の凹部内は断面が丸みがあり、その
箇所に存在する付着物等(乾式伸線潤滑剤、水分、油
分、又は異物等)は2次伸線においてワイヤがダイスを
通過して減面加工を受ける際にほとんどが除去されてし
まうため、時間が経過してしみ出すようなことはない。
一方割れ目状のワイヤ表面亀裂では、その断面形状が非
常に尖っているために、製造した直後は亀裂内部に存在
する伸線潤滑剤、水分、油分、又は異物等がワイヤ表面
に存在せずワイヤ表面の変色、錆等に悪影響を及ぼさな
いが、時間が経過するにしたがって、亀裂内部に存在す
る付着物等(伸線潤滑剤、水分、油分、又は異物等)が
ワイヤ表面にしみ出してきてワイヤ表面の変色、錆の原
因となる。表1に、ワイヤ表面の亀裂の深さとワイヤ表
面の変色、錆の関係について調査した結果を示した。試
験条件は、直径1.2mmφの銅めっきワイヤに表面塗
油した供試ワイヤを用い、30℃、相対湿度90% の
雰囲気中に48時間放置したものについて調べた。この
供試ワイヤの亀裂の延長合計は何れも300〜400μ
m/mm2 であった。ワイヤの表面亀裂深さは、ワイヤ
の長手方向に垂直な5断面について顕微鏡で観察しすべ
ての表面亀裂の深さを測定しその個数平均を調べた。表
1中の記号は、次のとおりである。
【0020】◎ :非常に良好(変色:全面変化なし、
錆:全面錆なし) ○ :良好(変色:部分的に褐色、錆:部分的に軽く発
錆) Δ :やや不良(変色:全面的に褐色、錆:部分的に発
錆大) × :不良(変色:全面的に暗褐色、錆:全面的に発錆
大)
【0021】
【表1】
【0022】上記悪影響を及ぼす表面亀裂としては、表
1に示すように深さ1μm以上のものの悪影響が顕著で
あり、ワイヤ表面の変色、錆等を防止するにはその量を
規制すれば良いことが分かる。種々試作研究を重ねた結
果、深さ1μm以上の表面亀裂の延長合計が、500μ
m/mm2 以下であれば、肉眼の観察では変色したと認
識されず、しかも溶接作業性も良い溶接ワイヤが得られ
ることが判明した。
【0023】なお、少量の表面亀裂は、理由は明確にな
っていないが、ワイヤ送給性を改善し、したがって溶接
作業性を向上させることが分かった。種々調査した結
果、深さ1μm以上の表面亀裂の延長合計が100μm
/mm2 以上、500μm/mm2 以下であれば、溶接
作業性が良く、変色、錆にも耐えられることが分かっ
た。
【0024】次に、本発明の溶接作業性の良いガスシー
ルドアーク溶接用ワイヤの製造方法について説明する。
図4は、その製造工程を示すブロック図である。線材1
1をショットブラスト12処理した後、乾式の1次伸線
13を行う。その後、ワイヤ表面にK含有物を付着処理
14する。付着量はK換算値で0.1〜10g/m2
する。次いで連続焼鈍15を行う。焼鈍条件は、露点−
20℃〜0℃のN2 雰囲気中で温度700〜900℃
で、2〜120分間保持する。その後、Cuめっき1
6、湿式2次伸線17を順次実施し、塗油18すること
によって製品の溶接用ワイヤ19を製造する。
【0025】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の実施例の溶接作業性の良い
ガスシールドアーク溶接用ワイヤの表面の1例を示す1
00μm×100μmの視野の模式図である。このワイ
ヤは、成分がC0.045wt%、Si0.79wt
%、Mn1.62wt%、P0.01wt%、S0.0
08wt%、Ti0.18wt%、直径5.5mmφの
黒皮付線材に、脱スケールのためのショットブラストを
施した後、乾式潤滑剤を用いて2.8mmφに1次伸線
を行い、次いで0.5%クエン酸3カリウム+1.25
%炭酸カリウム水スプレーによりK換算で0.3g/m
2 程度塗布した後、焼鈍条件として、露点:−3.0℃
のN2 雰囲気で830℃で10分間の連続焼鈍した後、
銅めっき、湿式の2次伸線を順次行って、JIS YG
W−11相当の直径1.6mmφとした後、表面に少量
の油を塗油して製造した溶接用ワイヤである。
【0026】この溶接用ワイヤは、表面に多数の凹部を
有する。ワイヤ長手方向に添う無作為の位置から10個
のサンプルを採取し、その凹部の大きさ及び分布数を調
査した結果を比較例と共に表2に示した。この際幅が1
μm未満の凹部は除外した。上記実施例の溶接用ワイヤ
と、従来の凹部が少なく、亀裂が多い溶接用ワイヤ(比
較例)をそれぞれペイルパック巻きし、屋外に放置し、
ワイヤの変色及び錆の発生を調査した。結果を表3に示
した。変色や錆が発生すると、送給性が悪くなると共に
溶接のスパッタが多くなり溶接作業性が劣化する。
【0027】次に上記実施例の溶接用ワイヤをブルドー
ザ用アーム等の産業用機械部品の溶接ロボットによる溶
接試験に供した。溶接条件は38V、350A、コンジ
ットケーブル長さ6mの条件で、従来品に比べてスパッ
タの発生が少くなく、溶接ヒュームも低減している。ま
た6mのコンジットケーブルでも送給性に全く問題がな
く良好な溶接作業性を示した。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】(実施例2)実施例1と同成分の素材を用
い、乾式1次伸線における乾式潤滑剤(主成分ステアリ
ン酸カルシウム)の組成、粒度、ダイスの形状、伸線速
度を種々変更し、K含有物の塗布量、焼鈍条件、2次伸
線条件を変化させて、種々の凹部と亀裂を有する直径
1.6mmのワイヤを製作した。図3はこのようなワイ
ヤの表面を拡大して模式的に示した例である。それら多
くのワイヤの溶接作業性、変色、発錆について調べた結
果を図5、図6、図7にそれぞれ示した。差渡し寸法が
1〜8μmの凹部の数が100〜1000個/mm2
深さ1μm以上の表面亀裂の延長合計が100〜500
μm/mm2 の範囲では、溶接作業性はいずれも良好で
あった。また変色及び錆については上記範囲内で良好で
あり、傾向としては差渡し寸法が1〜8μmの凹部の数
が少なく、亀裂も少ない方が良好であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の溶接用ワイヤは、以上のように
構成されているので、ワイヤの変色、錆の発生等の経時
的変化を生ずることなく、溶接作業性、送給性に優れた
特性を保持するという優れた効果を奏する。また本発明
方法によれば、上記要件を具備した溶接作業性に優れた
ガスシールドアーク溶接用ワイヤを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の溶接用ワイヤの表面拡大模式図であ
る。
【図2】凹部の態様の例を示す模式図である。
【図3】実施例の溶接用ワイヤの表面拡大模式図であ
る。
【図4】実施例の溶接用ワイヤの製造工程を示すブロッ
ク図である。
【図5】実施例の溶接用ワイヤの特性を示すグラフであ
る。
【図6】実施例の溶接用ワイヤの特性を示すグラフであ
る。
【図7】実施例の溶接用ワイヤの特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 凹部 2,3 1個の凹部 4 亀裂 11 線材 12 ショットブラスト 13 1次伸線 14 K付着処理 15 連続焼鈍 16 銅めっき 17 2次伸線 18 塗油 19 製品溶接用ワイヤ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の差渡し寸法が1μm以上8μm以
    下の凹部が製品ワイヤ表面に100〜1000個/mm
    2 存在することを特徴とする溶接作業性のよいガスシー
    ルドアーク溶接用ワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記任意の差渡し寸法が8μmを越える
    凹部が存在しないことを特徴とする請求項1記載の溶接
    作業性の良いガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
  3. 【請求項3】 前記任意の差渡し寸法が1μm未満の凹
    部が共存することを特徴とする請求項1又は2記載の溶
    接作業性の良いガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
  4. 【請求項4】 深さ1μm以上の表面亀裂の延長合計
    が、100μm/mm 2 以上、500μm/mm2 以下
    である請求項1ないし3のいずれかに記載の溶接作業性
    の良いガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
  5. 【請求項5】 乾式の1次伸線後のワイヤの表面にK含
    有物をK換算値で0.1〜10g/m2 付着させた後、
    露点−20℃〜0℃のN2 雰囲気中で温度700〜90
    0℃で、2〜120分間保持し、その後、Cuめっき、
    2次伸線を順次実施することを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の溶接作業性の良いガスシールド
    アーク溶接用ワイヤの製造方法。
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