JPH0966287A - 脱硫排水中のセレン分離方法及びその装置 - Google Patents

脱硫排水中のセレン分離方法及びその装置

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JPH0966287A
JPH0966287A JP22364795A JP22364795A JPH0966287A JP H0966287 A JPH0966287 A JP H0966287A JP 22364795 A JP22364795 A JP 22364795A JP 22364795 A JP22364795 A JP 22364795A JP H0966287 A JPH0966287 A JP H0966287A
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JP
Japan
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selenium
desulfurization
exhaust gas
waste water
separating
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Application number
JP22364795A
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English (en)
Inventor
Fumihiko Yamaguchi
文彦 山口
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は燃焼排ガス中に含まれている
有害物質であるセレンを効果的に除去分離することであ
る。 【解決手段】 上記課題を解決するために本発明は燃焼
排ガスを脱硫処理した脱硫排水中に、亜硫酸ガスを吹き
込んでその脱硫排水中に含まれている6価のセレンを4
価に還元した後、この4価のセレンを含む脱硫排水中
に、Ca(OH)2 を加えてこのセレンをカルシウム塩
として析出し、その後、このカルシウム塩を沈降濃縮し
て脱硫排水中から分離するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は火力発電所、ゴミ焼
却設備に備えられている排煙処理設備に係り、特にこの
排ガス処理設備から排出される脱硫排水中のセレンを分
離除去する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電所、ゴミ焼却設備に用い
られているボイラには、燃焼排ガス中に含まれている有
害物質を除去して排出するための排煙処理設備が付設さ
れている。この排煙処理設備としては例えば、図2に示
すように、ボイラの下流側に脱硝装置、空気予熱器、電
気集塵機、湿式脱硫装置、煙突をそれぞれ順に接続して
構成されている。そして、先ず、ボイラで発生した高温
の排ガスを脱硝装置を通過させ、排ガス中に含まれてい
るNOX 等の窒素酸化物を除去した後、空気予熱器で燃
焼空気と熱交換して冷却する。次に、この空気予熱器で
冷却された排ガスを電気集塵機で煤塵を除去した後、最
後に湿式脱硫装置で排ガス中に含まれている残りのSO
X 等の硫黄酸化物を除去してから煙突側に送り、ここで
吸収された脱硫排水中の硫黄分を排水処理装置によって
硫酸塩や亜硫酸塩として回収するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ボイラから発生する燃焼排ガス中には、上述したような
窒素酸化物や硫黄酸化物及び煤塵の他に、人体や地域環
境にとって有害物質である微量のセレン(Se)が含ま
れている場合があり、最近では、このセレンの排出量も
規制の対象となってきた。しかしながら、このセレンは
上述したような排煙処理では除去することができず、ま
た、これを規制値以下に分離除去するための具体的な除
去方法及び装置が提案されていないのが現状である。
【0004】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は燃焼
排ガス中に含まれている有害物質であるセレンを効果的
に除去分離することができる新規な脱硫排水中のセレン
分離方法及びその装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明方法は、燃焼排ガスを脱硫処理した脱硫排水中
に、亜硫酸ガスを吹き込んでその脱硫排水中に含まれて
いる6価のセレンを4価に還元した後、この4価のセレ
ンを含む脱硫排水中に、Ca(OH)2 を加えてこのセ
レンをカルシウム塩として析出し、その後、このカルシ
ウム塩を沈降濃縮して脱硫排水中から分離するようにし
たものである。
【0006】これによって、燃焼排気ガス中の有害物質
であるセレンを効果的に除去することができる。また、
上記セレンを析出するに際して、上記Ca(OH)2
共に、あるいはこれに代わってMg(OH)2 、Mg
O、CaO、CaCO3 のいずれかあるいはこれらの混
合物を用い、さらに亜硫酸ガスとして、脱硫処理前の燃
焼排ガスを用いても上記と同様の効果が得られる。この
方法を実施するための具体的な装置としては、上記脱硫
排水を導入し、これに脱硫処理前の排ガスを吹き込んで
脱硫排水中に含まれている6価のセレンを4価に還元す
る還元槽と、この還元槽で還元された後の脱硫排水中に
Ca(OH)2 、Mg(OH)2 、MgO、CaO、C
aCO3 のいずれかあるいはこれらの混合物を加えて4
価のセレンをカルシウムあるいはマグネシウム塩として
析出させる反応槽と、この反応槽で析出したカルシウム
あるいはマグネシウム塩を沈降濃縮させるシックナと、
このシックナで濃縮されたカルシウムあるいはマグネシ
ウム塩を分離する分離機とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一形態を添付図面
を参照しながら詳述する。
【0008】図1は本発明に係るセレン分離装置の好適
一形態を示したものである。図中1はボイラ、2はボイ
ラ1から排気される燃焼排ガス中の窒素酸化物を除去す
る脱硝装置、3は脱硝後の排ガスの熱を利用して燃焼空
気を予熱する予熱器、4は脱硝後の排ガス中の煤塵を除
去する電気集塵機、5は除塵後の排ガス中の硫黄酸化物
を除去する脱硫装置、6は脱硫後の排ガスを大気に放出
する煙突であり、本発明に係るセレン分離装置はこの電
気集塵機4と脱硫装置5との間に付設される。
【0009】このセレン分離装置は図中破線Aで囲まれ
た範囲で示すように、脱硫排水と脱硫未処理排ガスを導
入する還元槽7と、この還元槽7の下流側に接続された
反応槽8と、この還元槽8の下流側に接続されたシック
ナ9及び分離機10とから主に構成されている。
【0010】この還元槽7は、排ガス導入ライン12に
よって上記電気集塵機4に接続されると共に、脱硫排水
導入ライン13及び排ガス戻しライン14によって上記
脱硫装置5に接続されており、脱硫装置5から排水され
る脱硫排水を導入して一時的に貯溜すると同時に、この
脱硫排水中に、脱硫排水導入ライン13に設けられたノ
ズル7aから脱硫前の排ガスを噴出して気液接触させ、
脱硫排水中に含まれている6価のセレンを4価のセレン
に還元するようになっている。
【0011】一方、反応槽8は、ポンプPを備えた第一
抜出しライン15を介して還元槽7の下流側に接続され
ており、還元後のセレンを含んだ排水中に、Ca(O
H)2 等のセレン析出剤を添加し、攪拌機18で攪拌混
合することで4価のセレンをカルシウム塩などの形態に
反応させて排水中から析出するようになっている。
【0012】また、シックナ9及び分離機10は、ポン
プPを備えた第二抜き出しライン11及び第三抜き出し
ライン16を介してこの反応槽8の下流側に接続されて
おり、反応槽8内の析出物を排水と共に抜き出して、シ
ックナ9で沈降濃縮後、分離機10で固形物である析出
物を分離するようになっている。
【0013】次に、この装置を用いたセレン分離方法の
一形態を説明する。
【0014】先ず、還元槽7において脱硫排水中に、脱
硫前の排ガスを吹き出して気液接触させると、この排ガ
ス中に含まれている500〜1000ppm程度の亜硫
酸ガス(SO2 )によって以下の式1に示す還元反応に
よって脱硫排水中に6価の状態で含まれているセレン
(Se)が4価に還元される。
【0015】
【化1】SeO3 +SO2 +2H2 O→H2 SeO3
2 SO4 次に、このようにして4価に還元されたセレンを含んだ
排水を第一抜き出しライン15から反応槽8側に抜き出
し、ここでこの排水中に水酸化カルシウム(Ca(O
H)2 )を加え攪拌すると、排水中にH2 SeO3 の状
態となっているセレン及び硫黄分が、以下の式2に示す
反応によってカルシウム塩として析出してくる。すなわ
ち、脱硫排水中のセレンの一部又はほとんどは6価の状
態で含まれているが、6価の状態では処理が困難である
ことから、直ちに析出反応を行わせるのではなく、還元
槽7において、一旦4価に還元しておくことで排水中か
らの分離析出が容易に行われる。
【0016】
【化2】H2 SeO3 +H2 SO4 +2Ca(OH)2
+H2 O→CaSeO3 +CaSO4 ・2H2 O 尚、この時、水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )の代
わりに、あるいはこのCa(OH)2 と共に、水酸化マ
グネシウム(Mg(OH)2 )、酸化マグネシウム(M
gO)、酸化カルシウム(CaO)、炭酸カルシウム
(CaCO3 )のいずれかあるいはこれらの混合物を加
えても、上記と同様にセレンと硫黄分の析出物を得るこ
とができる。
【0017】そして、このような析出物を含んだ排水を
第二抜き出しライン11を介して反応槽8から抜き出
し、シックナ9で沈降濃縮後、第三抜き出しライン16
を介して分離機10側に送り、ここで固形のCaSeO
3 +CaSO4 ・2H2 Oとして排水中から分離し、排
水分は再び戻しライン17を介してシックナ9側に戻
し、ここで残った固形分を分離した後、排出される。
【0018】このように本発明は、脱硫排水中に6価の
状態で含まれているセレンを、還元槽7において脱硫前
の排ガス中の亜硫酸ガスを利用して4価のセレンに還元
するようにしたことから、従来困難であった排水中のセ
レンの分離除去が容易に行われることになる。尚、この
セレンなどを含んだ析出物の沈降分離の際には必要に応
じて凝集剤を加えても良く、また、還元槽7内に供給す
る亜硫酸ガスは脱硫排水中のセレン濃度に応じて別のラ
インから供給するようにしても良い。
【0019】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、従来の排
煙処理設備では分離除去することができなかった有害物
質であるセレンを効果的に分離除去することができる。
また、このセレンと共に脱硫排水中の硫黄分も除去する
ことができるため、従来の脱硫排水処理装置を省略する
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセレン分離装置の一形態を示す構
成図である。
【図2】従来の排煙処理設備の一例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
7 還元槽 8 反応槽 9 シックナ 10 分離機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼排ガスを脱硫処理した脱硫排水中
    に、亜硫酸ガスを吹き込んでその脱硫排水中に含まれて
    いる6価のセレンを4価に還元した後、この4価のセレ
    ンを含む脱硫排水中に、Ca(OH)2 を加えてこのセ
    レンをカルシウム塩として析出し、その後、このカルシ
    ウム塩を沈降濃縮して脱硫排水中から分離することを特
    徴とする脱硫排水中のセレン分離方法。
  2. 【請求項2】 上記セレンを析出するに際して、上記C
    a(OH)2 と共に、あるいはこれに代わってMg(O
    H)2 、MgO、CaO、CaCO3 のいずれかあるい
    はこれらの混合物を用いたことを特徴とする請求項1記
    載の脱硫排水中のセレン分離方法。
  3. 【請求項3】 上記亜硫酸ガスとして、脱硫処理前の燃
    焼排ガス中に含まれている亜硫酸ガスを用いたことを特
    徴とする請求項1記載の脱硫排水中のセレン分離方法。
  4. 【請求項4】 燃焼排ガスを脱硫処理した脱硫排水中の
    セレンを分離除去する装置において、上記脱硫排水を導
    入し、これに脱硫処理前の排ガスを吹き込んで脱硫排水
    中に含まれている6価のセレンを4価に還元する還元槽
    と、この還元槽で還元された後の脱硫排水中にCa(O
    H)2 、Mg(OH)2 、MgO、CaO、CaCO3
    のいずれかあるいはこれらの混合物を加えて4価のセレ
    ンをカルシウムあるいはマグネシウム塩として析出させ
    る反応槽と、この反応槽で析出したカルシウムあるいは
    マグネシウム塩を沈降濃縮させるシックナと、このシッ
    クナで濃縮されたカルシウムあるいはマグネシウム塩を
    分離する分離機とを備えたことを特徴とする脱硫排水中
    のセレン分離装置。
JP22364795A 1995-08-31 1995-08-31 脱硫排水中のセレン分離方法及びその装置 Pending JPH0966287A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002086159A (ja) * 2000-09-13 2002-03-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd セレン含有廃液処理方法及びその装置
JP2008110279A (ja) * 2006-10-27 2008-05-15 Mitsubishi Materials Corp セレン含有水の処理方法および処理装置

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JP2002086159A (ja) * 2000-09-13 2002-03-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd セレン含有廃液処理方法及びその装置
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