JPH0966115A - 放射線治療計画におけるマーキング装置 - Google Patents

放射線治療計画におけるマーキング装置

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JPH0966115A
JPH0966115A JP24850895A JP24850895A JPH0966115A JP H0966115 A JPH0966115 A JP H0966115A JP 24850895 A JP24850895 A JP 24850895A JP 24850895 A JP24850895 A JP 24850895A JP H0966115 A JPH0966115 A JP H0966115A
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JP24850895A
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English (en)
Inventor
Takeshi Shinokawa
毅 篠川
Noboru Yamashita
登 山下
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線治療計画におけるマーキング作業を自
動的に行う。 【解決手段】 放射線治療計画におけるマーキング作業
を自動的に行うための装置であって、治療計画により決
められる被検体に対する放射線源の配置位置と被検体と
の間に配置されるように設けられる被検体の体表面にマ
ーキングを施す単数または複数のマーキング部材31
と、治療計画時に設定されるアイソセンタ平面に平行な
駆動平面上での2次元方向へのマーキング部材35の移
動、駆動平面に直交する軸に対するマーキング部材35
によるマーキング方向の傾動、マーキング部材35のO
N/OFFの少なくともいずれか一つを駆動する駆動機
構36と、治療計画に従って前記治療放射線束が被検体
に照射されるときの治療放射線束の外周形状などに基づ
き駆動機構36を制御する駆動制御部32を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、計画段階で立て
られた治療計画に従って治療装置内の放射線源から治療
放射線束が被検体に照射されるときに、この治療放射線
束が当たる被検体の体表面上の範囲を自動的にマーキン
グする放射線治療計画におけるマーキング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】患部などに放射線を照射して治療を行う
放射線治療は、大きく分けて計画段階と治療段階とに分
けられる。計画段階は、医療画像情報を収集する過程
や、収集された画像情報に基づいて被検体への治療放射
線束の照射範囲や照射方向、強度、照射時間などを決め
る、いわゆる治療計画の立案を行う過程などが含まれ
る。また、治療段階では、立案された治療計画に従って
実際に被検体に治療放射線束が照射されて治療が行われ
る。
【0003】医療画像情報としては断層画像などが用い
られ、その収集はX線CT装置などで行われる。また、
治療計画の立案は、収集された画像情報の取込み装置や
表示装置、入力装置、CPU(中央処理装置)などを備
えたいわゆるコンピューターシステムで構成される計画
装置により取り込んだ画像情報を基に医師などが指示し
ながら行われる。
【0004】治療段階の放射線治療は治療装置で行われ
る。この治療装置は、被検体を搭載するベッドや、この
ベッドの近傍に設置され、治療放射線束を照射する放射
線源や、放射線源から照射される治療放射線束を、立案
された治療計画に従って任意の絞り形状に絞るコリメー
タなどを備えた架台部分などを備えている。また、この
種の治療装置は、立案された治療計画に従って、ベッド
上の被検体に対する放射線源などの位置関係を適宜に変
位し得るように構成されることもある。
【0005】ところで、治療装置による放射線治療(治
療段階)では、立案された治療計画が正確に反映される
必要がある。そこで、従来、治療段階に先立ち、計画段
階の一つの工程として、立案された治療計画に従って治
療放射線束が被検体に照射されるときに、この治療放射
線束が当たる被検体の体表面上の範囲をマーキングする
ようにしている。このマーキングは、従来、治療計画の
照射範囲などに基づき体表面上での治療放射線束の照射
範囲に光を照射し、その光で照射されている範囲に沿っ
て術者が被検体の体表面に特殊インクでマーキングして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、従来例の構成では、まず、被検体の体
表面上での治療放射線束の照射範囲に光を照射し、次
に、その光で照射されている範囲に沿って術者が被検体
の体表面にマーキングするという構成であるので、2段
階の工程が必要になり、二度手間になるという問題があ
る。
【0007】また、従来装置の構成では、被検体の体表
面上での治療放射線束の照射範囲に光を照射するための
装置が必要になり設備の増大や大型化などを招くという
問題もある。
【0008】さらに、従来装置の構成では、マーキング
自体を人手で行っているので、術者に負担を強いること
になるし、マーキングのずれなども起こり易い。
【0009】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、マーキングを自動的に行う放射線治
療計画におけるマーキング装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明は、治療装置による放射線治療の際に前記
治療装置内の放射線源から被検体に向けて照射される治
療放射線束の照射範囲を含む、医療画像情報などを基に
決められた治療計画に従って、前記治療放射線束が被検
体に照射されるときに、この治療放射線束が当たる被検
体の体表面上の範囲をマーキングするための放射線治療
計画におけるマーキング装置であって、前記治療計画に
より決められる被検体に対する前記放射線源の配置位置
と前記被検体との間に配置されるように設けられる前記
被検体の体表面にマーキングを施す単数または複数のマ
ーキング手段と、前記治療計画時に設定されるアイソセ
ンタ平面に平行な駆動平面上での2次元方向への前記マ
ーキング手段の移動、前記駆動平面に直交する軸に対す
る前記マーキング手段によるマーキング方向の傾動、前
記マーキング手段のON/OFFの少なくともいずれか
一つを駆動する駆動手段と、前記治療計画に従って前記
治療放射線束が被検体に照射されるときの治療放射線束
の外周形状、または、この治療放射線束の外周形状と被
検体の体表面とが交差する形状のいずれかに基づき前記
駆動手段を制御する駆動制御手段とを備えたものであ
る。
【0011】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。治療計画
が立てられた段階で、治療放射線束を照射する治療装置
内の放射線源と被検体との位置関係が決まる。この位置
関係を基に、被検体に対する放射線源の配置位置と被検
体との間に配置されるようにマーキング手段が設けられ
る。すなわち、空間上、放射線源(の配置位置)、マー
キング手段、被検体がその順で配置される。
【0012】駆動手段は、治療計画時に設定されるアイ
ソセンタ平面に平行な駆動平面上での2次元方向へのマ
ーキング手段の移動(2次元移動駆動)、駆動平面に直
交する軸に対するマーキング手段によるマーキング方向
の傾動(傾動駆動)、マーキング手段のON/OFF
(動作/非動作の切り替え、すなわち、動作駆動)の少
なくともいずれか一つを駆動し、駆動制御手段は、治療
計画に従って治療放射線束が被検体に照射されるときの
治療放射線束の外周形状、または、この治療放射線束の
外周形状と被検体の体表面とが交差する形状のいずれか
に基づき駆動手段を制御する。
【0013】治療計画の立案においては、被検体に対す
る放射線源の位置が決められ、この放射線源の位置と、
治療対象の患部に設定したアイソセンタとに基づき、前
記アイソセンタを含み、前記決められた位置の放射線源
から照射される治療放射線束の中心軸線に直交するよう
なアイソセンタ平面が設定され、治療放射線束で治療対
象の患部が包含されるように、前記アイソセンタ平面上
に治療放射線束の照射範囲が決められる。すなわち、治
療放射線束は、放射線源からアイソセンタ平面の照射範
囲に向けて照射される円錐や角錐状の形状となり、アイ
ソセンタ平面がこの治療放射線束(治療放射線錐)の底
面になる。従って、アイソセンタ平面に設定された治療
放射線束の照射範囲の各点と放射線源とを結ぶ線分は計
算により容易に特定できる。治療放射線束の外周形状
は、前記線分の集合であるから、その外周形状も特定し
得る。
【0014】例えば、単数のマーキング手段を設け、駆
動手段は、2次元移動駆動、傾動駆動、動作駆動を行
い、駆動制御手段が、治療放射線束の外周形状に基づき
駆動手段を制御する場合、駆動制御手段は、上述したよ
うに治療放射線束の外周形状を特定し、その外周形状と
交わる駆動平面上の位置へマーキング手段を2次元方向
に移動させ、その位置を通過する、放射線源とアイソセ
ンタ平面上の照射範囲の点とを結ぶ線分の傾きに平行に
なるようにマーキング手段によるマーキング方向を傾動
させる。この2次元方向への移動量と傾動角度は、アイ
ソセンタ平面と駆動平面とが平行で、各平面が治療放射
線束の中心軸線に直交するので、簡単な幾何学計算によ
り容易に求められる。そして、マーキング手段をON
(動作状態)にし、上記2次元方向への移動と傾動の制
御を、放射線源とアイソセンタ平面上の照射範囲の各点
とを結ぶ各線分に沿って行わせる。これにより、治療放
射線束が当たる被検体の体表面上のマーキング部分がマ
ーキング手段により自動的にマーキングされる。
【0015】また、駆動平面に平行に多数個のマーキン
グ手段を並設しておけば、上記単数のマーキング手段の
2次元方向への移動経路上に設けてあるいくつかのマー
キング手段をONにすれば、少なくとも2次元移動を行
わなくても上記と同様にマーキング手段でマーキング部
分をマーキングすることができる。
【0016】また、上述したように治療照射線束の外周
形状が特定できるので、この外周形状と被検体の体表面
とが交差する形状、すなわち、治療放射線束が当たる被
検体の体表面上のマーキング部分を特定することもでき
る。
【0017】例えば、駆動制御手段がこのマーキング部
分を特定しそれを制御に用いる場合には、マーキング部
分に沿ってマーキングできるようにマーキング手段を駆
動させればよい。例えば、特定したマーキング部分の各
点から駆動平面に垂線を設定することで決まる、マーキ
ング部分の駆動平面への投影範囲は計算により容易に求
められる。従って、単数のマーキング手段をON状態に
し、上記投影範囲に沿ってそのマーキング手段を2次元
方向に移動させれば、傾動駆動を行わなくてもマーキン
グ手段でマーキング部分をマーキングすることができ
る。
【0018】また、駆動平面上に多数個のマーキング手
段を設けておけば、上記投影範囲に沿った単数のマーキ
ング手段の2次元方向への移動経路上に設けられた複数
個のマーキング手段をONにするだけで、2次元移動駆
動や傾動駆動を行わなくても上記と同様にマーキング手
段でマーキング部分をマーキングすることができる。
【0019】さらに、駆動平面上の所定の位置にマーキ
ング手段を固定し、その傾動駆動のみを制御させること
でも特定したマーキング部分をマーキング手段でマーキ
ングすることができる。この場合のマーキング手段によ
るマーキング方向の傾動角度も簡単な幾何学計算により
容易に特定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る放射線治
療計画におけるマーキング装置の概略構成、および、そ
れを備えた放射線治療システムの全体の概略構成を示す
ブロック図であり、図2(a)は、X線CT装置やマー
キング装置の概略構成を示す正面図、図2(b)は、図
2(a)の装置をガントリ側から見たマーキング装置と
被検体との関係を示す図、図3(a)は、治療装置の一
例の構成を示す正面図、図3(b)は、図3(a)の治
療装置をベッド側から見た架台部分の一部と被検体との
関係を示す図である。
【0021】図1に示すように、この放射線治療システ
ムは、医療画像情報を収集するためのX線CT装置1
と、治療計画を立てるための計画装置2と、決められた
治療計画に従って被検体の体表面に自動的にマーキング
するマーキング装置3と、治療装置4とを備えている。
【0022】X線CT装置1は、図2に示すように、ガ
ントリ11とベッド12とを備えている。ガントリ11
には被検体Mを挿抜するための開口13が形成されてお
り、X線管14とX線検出器15とが対向支持されて内
設されている。X線管14とX線検出器15とは、対向
状態を維持しながら前記開口13の中心軸CJ回りに回
転可能に構成されている。ベッド12は昇降可能な基台
16と基台16の上部に水平移動可能に支持された天板
17を備えている。天板17上に被検体Mが載置され、
基台16を上昇させて天板17上の被検体Mの体軸を前
記開口13の中心軸CJに一致させ、天板17を水平移
動させて被検体Mを開口13内に挿入し、X線管14と
X線検出器15とを結ぶ撮像位置SLに、被検体Mの撮
像部位を位置させる。そして、X線管14からX線を照
射しながらX線管14とX線検出器15をこの被検体M
の体軸(中心軸CJ)回りで回転させ、撮像位置SLに
位置された被検体Mの撮影部位の周回方向からのX線透
過データをX線検出器15で検出する。この収集された
データに基づき図示しない画像再構成部でその撮像部位
の断層画像が再構成される。
【0023】このX線CT装置1で、上記撮像動作を被
検体Mの体軸方向に連続して行い、図4に示すように放
射線治療の対象の患部が存在する撮像領域(例えば、胸
部)KAに数mmピッチでスライス面SMを設定し、各ス
ライス面SMごとに撮像した複数枚の断層画像SGを得
る。これら複数枚の断層画像SGが治療計画を立てる際
に用いられる医療画像情報となる。なお、上記X線CT
装置1を基準とした基準座標系xyz(図2では、x軸
は紙面に垂直な方向になる)が予め決められていて、得
られた各断層画像SGの位置情報もこの基準座標系によ
って表される。
【0024】計画装置2は、得られた断層画像を取込む
取込み装置や表示装置、入力装置、CPUなどを備えた
いわゆるコンピューターシステムで構成されていて、上
記X線CT装置1で得られた所定の撮像領域の複数枚の
断層画像(医療画像情報)を取込み、それを基に医師な
どが指示しながら後述するように治療計画が立てられ
る。
【0025】治療装置4は、図3に示すように、ベッド
41や架台部分42を備えている。ベッド41は、基台
43の上部に被検体M搭載用の天板44が水平移動自在
に支持されている。架台部分42は、治療放射線束を照
射する放射線源45や、放射線源45から照射される治
療放射線束を、立案された治療計画に従って任意の絞り
形状に絞るコリメータ46などを備えている。また、架
台部分42は、天板44上の被検体Mの体軸回りに放射
線源45やコリメータ46を回動変位できるように構成
されている。上記天板44の水平移動と、放射線源45
などの回動変位によって、天板44上の被検体Mと放射
線源45などとの位置関係を被検体Mの体軸方向や体軸
回りに変位でき、治療放射線束を照射する部位(頭部や
胸部、腹部など)を調節したり、被検体Mの体軸回りか
らの治療放射線束の照射方向を調節できるようにしてい
る。また、放射線源45と天板44上の被検体Mとの間
隔を変更できるように構成されることもある。
【0026】上記計画装置2によって立てられる治療計
画のうち、治療放射線束の照射方向や照射範囲などは以
下のように決められ、これらに基づき被検体Mに対する
放射線源45などの位置や、コリメータ46の絞り形状
などが決まる。
【0027】治療放射線束の照射方向は、図5(a)に
示すように、放射線治療に最適と考えられる、放射線源
45から照射される治療放射線束の被検体Mの体軸回り
からの照射方向が選択される。また、被検体Mと放射線
源45との間隔を変更できる治療装置4にあっては、被
検体Mと放射線源45との間隔も決められる。このよう
にして決められた治療放射線束の照射方向や、被検体M
と放射線源45の間隔などによって被検体Mに対する放
射線源45の位置が決まる。また、図5(b)に示すよ
うに、治療対象の患部KにアイソセンタICが設定され
る。このアイソセンタICが含まれ、先に決められた被
検体Mに対する放射線源45の位置から照射される治療
放射線束の中心軸線CLに直交するようにアイソセンタ
平面ICPが設定される。そして、治療計画内の治療放
射線束の照射範囲(面積と形状を含む)SAが、放射線
源45から照射される治療放射線によって患部Kが包含
されるように前記アイソセンタ平面ICP上に決められ
る。すなわち、照射される治療放射線束は、放射線源4
5(の焦点)を頂点とし、アイソセンタ平面ICPを底
面とした円錐や角錐状の形状になる。そして、先に決め
られた放射線源45の位置から照射された治療放射線束
が上記照射範囲SAに照射される円錐や角錐状の形状に
なるようにコリメータ46の絞り形状が決められる。こ
れら放射線源45の位置やコリメータ46の絞り形状
は、基準座標系上で決められる。
【0028】なお、基準座標系の基準であるX線CT装
置1と治療装置4とは別体の装置であり、これら装置
1、4間で被検体Mの移替えが行われる。従って、治療
装置4の座標系と基準座標系との座標合わせが必要にな
る。この種の放射線治療システムでは、被検体Mの所定
箇所に座標合わせ用のマーキングを施し、X線CT装置
1のベッド12の天板17の予め決められた位置にその
マーキング箇所を位置合わせして被検体Mを天板17に
載置し、医療画像情報(断層画像)を撮像して上記治療
計画を立て、一方で、治療段階では、治療装置4のベッ
ド41の天板44の予め決められた位置に前記マーキン
グ箇所を位置合わせして被検体Mを天板44に載置して
放射線治療を行うことで、治療装置4の座標系と基準座
標系との座標合わせを行っている。これにより、基準座
標系で決められた治療計画に基づき、治療装置4の天板
44や放射線源45、コリメータ46などの調節が可能
となる。
【0029】計画装置2で立てられた治療計画は、マー
キング装置3と治療装置4とに与えられる。マーキング
装置3では、必要に応じてX線CT装置1で得られた医
療画像情報も取り込んでいて、計画装置2で立てられた
治療計画の内容(および、必要に応じて医療画像情報)
を用いて、後述するように被検体Mの体表面のマーキン
グ部分へのマーキングを自動的に行う。また、治療装置
4では、立てられた治療計画の内容に基づき、天板44
の水平移動や放射線源45の位置、コリメータ46の絞
り形状などを調節しながら被検体Mに治療放射線を照射
して治療を行う。
【0030】図1に戻って、マーキング装置3は、マー
キング部31と、駆動制御手段としての駆動制御部32
と、架台部分33と、架台部分33などによるマーキン
グ部31と被検体Mとの位置関係を適宜に変位させる制
御を行う位置制御部34などで構成され、また、マーキ
ング部31は、マーキング手段としての単数または複数
のマーキング部材35と、各マーキング部材35を適宜
に駆動する駆動手段としての駆動機構36とで構成され
ている。
【0031】図2に示すように、架台部分33は、X線
CT装置1のベッド12の近傍に配置され、C型アーム
37や基台38などを備えている。C型アーム37の一
端部にはマーキング部31が取り付けられ、このマーキ
ング部31を天板17上の被検体Mの体軸回りで回動変
位できるようにC型アーム37が基台38に支持されて
いる。このマーキング部31の被検体Mの体軸回りでの
回動変位と天板17の水平移動とを組み合わせることに
より、治療装置4で行われる天板44上の被検体Mに対
する放射線源45の被検体Mの体軸方向と体軸回りの変
位と同じように天板17上の被検体Mに対してマーキン
グ部31(マーキング部材35)を変位させることがで
きる。なお、放射線源45と被検体Mとの間隔を変更で
きるように構成された治療装置4に対しては、マーキン
グ部31が被検体Mに接離できるようにC型アーム37
に設けられる。位置制御部34は、立てられた治療計画
によって決まる被検体Mに対する放射線源45の配置位
置を、天板17上の被検体Mに対して仮想的に設定し、
その位置と天板17上の被検体Mとの間にマーキング部
31(マーキング部材35)が配置されるように、マー
キング部31の被検体Mの体軸回りでの回動変位と天板
17の水平移動(、さらに、被検体Mに対するマーキン
グ部31の接離移動)を制御する。これにより、立てら
れた治療計画によって決まる被検体Mに対する放射線源
45の配置位置と被検体Mとの間にマーキング部31
(マーキング部材35)を配置させることができる。こ
の状態で、後述するように駆動制御部32に制御された
駆動機構36によってマーキング部材35が適宜に駆動
され、被検体Mの体表面上のマーキング部分へのマーキ
ングが自動的に行われる。このマーキング部材35、駆
動機構36、駆動制御部32の駆動制御の具体的な内容
は、後述する実施例で明らかにする。
【0032】なお、上記構成では、マーキング装置3の
架台部分33をX線CT装置1のベッド12の近傍に配
置し、このベッド12の天板17の水平移動を利用して
被検体Mの体軸方向に対するマーキング部31(マーキ
ング部材35)の配置位置を調節するようにしたが、例
えば、X線CT装置1のベッド12と別のベッド(水平
移動可能な被検体M搭載用の天板を備える)の近傍にマ
ーキング装置3の架台部分33を配置し、このベッドの
天板の水平移動とマーキング部31の被検体Mの体軸回
りでの回動変位などを組み合わせて被検体Mに対するマ
ーキング部31(マーキング部材35)の配置位置を調
節するようにしてもよい。治療計画は基準座標系上で立
てられるので、被検体Mに対するマーキング部35の配
置位置の調節も基準座標系に基づき制御する必要があ
る。従って、上述したように、X線CT装置1のベッド
12と別体のベッドを用いてマーキング装置3を構成す
る場合、被検体Mの移替えなどを伴うことから、このベ
ッドの座標系と基準座標系との座標合わせが必要になる
が、この座標合わせは例えば、先に説明した基準座標系
と治療装置4の座標系との座標合わせと同様の方法で対
応することができる。
【0033】また、立てられた治療計画によって決まる
被検体Mに対する放射線源45の配置位置と被検体Mと
の間にマーキング部31(マーキング部材35)を配置
させるためには、例えば、図3の想像線で示すように、
マーキング部31を治療装置4の架台部分42の放射線
源45(コリメータ46)の前面に着脱自在に設けるよ
うに構成してもよい。この場合には、立てられた治療計
画により決められた被検体Mに対する放射線源45の配
置位置に放射線源45自体を配置させることができるの
で、治療計画に従って放射線源45の位置合わせを行っ
た状態で、架台部分42にマーキング部31を取り付
け、マーキング部31(マーキング部材35)を放射線
源45と被検体Mの間に配置させて、後述するようにマ
ーキング作業がなされる。
【0034】なお、被検体Mの体軸回りに放射線源45
が回転されず、被検体Mの体軸回りの固定された方向か
らのみ治療放射線束を照射し得るように構成された治療
装置4に対しては、マーキング装置3でもマーキング部
31(マーキング部材35)を被検体Mの体軸回りに回
動可能に構成する必要がないので、架台部分33のC型
アーム37などは特に設ける必要がない。この場合、治
療計画の立案では、治療放射線束の固定された照射方向
に対してアイソセンタ平面ICPが設定され、この平面
ICP上に治療放射線束の照射範囲が決められ、これに
応じて治療装置4では、コリメータ46の絞り形状が調
節され、マーキング装置3では、そのように決められた
治療放射線束(治療放射線錐)が当たる被検体Mの体表
面上の範囲をマーキングすることになる。
【0035】また、被検体Mに対する放射線源45の位
置が固定された治療装置に対しては、固定された放射線
源45の配置位置と被検体との間にマーキング部31
(マーキング部材35)が配置されるようにマーキング
部31(マーキング部材35)を固定させておけばよい
ので、被検体Mに対してマーキング部31の位置関係を
調節するための架台部分33や位置制御部34などは設
ける必要がない。
【0036】
【実施例】
<第1実施例>図6は、マーキング装置のマーキング部
の第1実施例の概略構成を示す斜視図である。
【0037】この実施例では、マーキング部材35をイ
ンク噴射器で構成している。インク噴射器35は、イン
ク(インキ)ジェット印刷方式のプリンタに使用される
ものと同様の構成を有し、細いノズルからインクINK
を均一な小粒子として連続的に噴射させるように構成さ
れている。また、インクに与える圧力や電圧、磁界によ
ってインクの発生(インクの噴射開始)と停止をと切り
替えることができ、この制御は駆動制御部32によって
なされる。なお、インクは管50を介してインク噴射器
35に供給されている。
【0038】上記インク噴射器35は、軸52の下端部
に一体的に連結されたUの字型の部材51に揺動軸YJ
回りに揺動自在に支持されている。このインク噴射器3
5の揺動軸YJ回りの揺動はモータ53に駆動されて行
われる。軸52は、部材54の下部に回動自在に支持さ
れ、モータ55に駆動されて回動軸KJ回りに回動され
る。部材54は、第1のレール部材56に摺動自在に支
持されていて、モータ57の駆動によって水平1軸方向
に移動される。また、第1のレール部材56は、マーキ
ング部31の図示しない外囲の内壁に固設された第2の
レール部材58(図では一部の図示を省略している)に
摺動自在に支持されていて、モータ59の駆動によって
上記部材54の移動方向に直交する水平1軸方向に移動
される。上記モータ53、55、57、59の駆動制御
は駆動制御部32によって行われる。
【0039】図6中の符号KPは駆動平面を示し、この
駆動平面KPは、上記揺動軸YJと回動軸KJの交点で
ある駆動点Wを含み、部材54の移動方向および第1の
レール部材56の移動方向に平行な平面である。部材5
4の移動方向は駆動平面KP上のs’軸方向に平行であ
り、第1のレール部材56の移動方向はt’軸方向に平
行である。従って、この実施例によれば、モータ57、
59を駆動することで、駆動点W(インク噴射器35)
を駆動平面KP上で2次元方向に移動させることができ
る。また、モータ53、55を駆動することで、駆動平
面KPに直交する軸(図のu軸に平行な軸)に対するイ
ンク噴射器35の傾き(マーキング手段によるマーキン
グ方向に相当するインク噴射器35のインク噴射口35
aから噴射されるインクINKの噴射方向)を任意に変
更調節することができる。
【0040】ところで、先にも述べたようにマーキング
部31は、治療計画によって決まる放射線源45の配置
位置と被検体Mとの間に配置されるのであるから、前記
配置位置に放射線源45が配置され、その放射線源45
から治療放射線束が照射されたと仮定したときのその治
療放射線束の中心軸線CLに直交するように駆動平面K
Pを設けることができる。この実施例では、駆動平面K
Pが前記治療放射線束の中心軸線CLに直交するよう
に、第2のレール部材58がマーキング部31に取り付
けられ、第1のレール56が第2のレール58に支持さ
れている。また、治療計画の立案時に設定されるアイソ
センタ平面ICPは、前記治療放射線束の中心軸線CL
に直交するように設定される。従って、この実施例で
は、図7に示すように、駆動平面KPはアイソセンタ平
面ICPに平行になっている。
【0041】なお、この実施例では、上記部材51、5
4、軸52、第1、第2のレール部材56、58、モー
タ53、55、57、59、および、インク噴射器35
の動作駆動部(図示せず)で駆動機構36が構成され、
この駆動機構36によって、アイソセンタ平面ICPに
平行な駆動平面KP上での2次元方向へのインク噴射器
35(マーキング手段)の移動(2次元移動駆動)、駆
動平面KPに直交する軸に対するインク噴射器35によ
るマーキング方向の傾動(傾動駆動)、インク噴射器3
5のON/OFF(動作/非動作の切り替え、動作駆
動)がなれる。
【0042】次に、上記構成の実施例に対する駆動制御
部32の制御内容を説明する。なお、ここでは、便宜
上、アイソセンタ平面ICPをs軸、t軸で形成される
st平面とし、駆動平面KPをs’軸、t’軸で形成さ
れるs’t’平面とし、放射線源45から放射される治
療放射線束の中心軸線CLをu軸と一致させる。
【0043】駆動制御部32は、放射線源45から放射
される治療放射線束の外周形状に基づき制御する。図7
に示すように、治療計画で決まる放射線源45の配置位
置HP、駆動平面KP、被検体Mの体表面T、アイソセ
ンタ平面ICPは、空間上、その順に配置される。配置
位置HPに配置された放射線源45から照射される治療
放射線束の外周形状は、アイソセンタ平面ICP上に設
定された治療放射線束の照射範囲SA上を構成する各点
と前記放射線源45の配置位置HPとを結ぶ線分の集合
である。例えば、照射範囲SA上を構成する点SPと前
記放射線源45の配置位置HPとを結ぶ線分Lを考える
と、図7、図8に示すように、インク噴射器35から噴
射されるインクの噴射方向FFを線分Lに一致させれ
ば、前記線分Lと被検体Mの体表面Tとの交点PP、す
なわち、治療放射線束が当たる被検体の体表面Tの範囲
(マーキング部分)P上の1点PPにインクを吹きつけ
マーキングすることができる。
【0044】駆動制御部32は、上述したように、イン
ク噴射器35から噴射されるインクの噴射方向FFを線
分Lに一致させるようにモータ53、55、57、59
を駆動制御する。
【0045】すなわち、図7、図8に示すように、駆動
点W(インク噴射器35)がs’、t’、u座標系の原
点G’(後述するようにこのG’は既知)に位置してい
る状態からs’軸の(+)方向にα’、t’軸の(+)
方向にβ’だけ移動させるようにモータ57、59を駆
動させて駆動平面KP上のQ点に位置させるとともに、
インク噴射器35から噴射されるインクの噴射方向FF
が駆動平面KPに直交し、被検体Mの体表面T方向に向
けられ、揺動軸YJがt’軸に直交する状態で、インク
噴射器35を揺動軸YJ回りに図の(+)方向にθだけ
揺動させ、回動軸KJ回りに図の(+)方向にδだけ回
転させればよい。
【0046】アイソセンタ平面ICPと駆動平面KPと
は平行であるので、図7中のHP、G、s1を頂点とす
る三角形と、HP、G’、s1’を頂点とする三角形と
は相似形であり、また、HP、G、t1を頂点とする三
角形と、HP、G’、t1’を頂点とする三角形とも相
似形であり、さらに、HP、G、SPを頂点とする三角
形と、HP、G’、Qを頂点とする三角形とも相似形で
ある。従って、図7、図8中のα’、β’、γ’は、図
9(a)からも明らかなように、以下の比例式により容
易に求めることができる。
【0047】α’=(h’/h)α β’=(h’/h)β γ’=(h’/h)γ
【0048】h’は、放射線源45の配置位置HPと、
s’、t’、u座標系の原点G’との間の長さである
が、HPの基準座標系での座標は、治療計画を立てたと
きに決まり、G’の基準座標系での座標は、前記HPと
被検体Mとの間にマーキング部31を配置した状態で決
まるので、h’はHPの基準座標系での座標とG’の基
準座標系での座標により求められる値である。
【0049】また、hは、上記HPとs、t、u座標系
の原点Gとの間の長さであるが、上記の如くHPの基準
座標系での座標は既知で、Gは、治療計画時に設定され
るアイソセンタICであるから、その基準座標系での座
標も既知である。従って、hも算出可能な値である。
【0050】また、γは、基準座標系での座標が既知で
あるGと、SPとの間の長さであるが、照射範囲SAを
決めた状態で、照射範囲SAは基準座標系で表せ、従っ
て、照射範囲SA上の点SPの基準座標系での座標も既
知である。従って、γも算出可能な値である。
【0051】また、アイソセンタ平面ICPを設定した
状態で、基準座標系とstu座標系との関係が決まるの
で、s軸、t軸と一致する直線を基準座標系で表すこと
ができ、s軸、t軸に平行でSPを通る直線を基準座標
系で表すこともできる。上記s1は、s軸と一致する直
線と、t軸に平行でSPを通る直線との交点であるから
それを求めることができ、一方、上記t1は、t軸と一
致する直線と、s軸に平行でSPを通る直線との交点で
あるからそれを求めることもできる。従って、Gとs1
との間の長さであるαと、Gとt1との間の長さである
βも算出可能な値である。
【0052】よって、α’、β’、γ’は求めることが
でき、インク噴射器35のs’軸方向の駆動量α’、
t’軸方向の駆動量β’が得られる。
【0053】θは、線分G(G’)、HPと、線分SP
(Q)、HPとの夾角であるから以下の式で求められ、
δは、図9(b)より明らかなように以下の式で求めら
れる。
【0054】 θ=arctan(h/γ)=arctan(h’/γ’) δ=arctan(α’/β’)=arcsin(α’/γ’) =arccos(β’/γ’)
【0055】上述したように、h、h’、α’、β’、
γ’のいずれも算出可能な値であるので、揺動軸YJ回
りの揺動と、回動軸KJ回りの回転の駆動量θ、δが得
られる。
【0056】このように、モータ53、55、57、5
9の各駆動量であるθ、δ、α’、β’が全て求められ
る。駆動制御部32は、照射範囲SAを構成する各点と
HPとを結ぶ各線分について、それぞれのθ、δ、
α’、β’を上記と同様に求め、インク噴射器35から
インクを噴射させながら、各線分についての駆動量θ、
δ、α’、β’に従ってモータ53、55、57、59
を駆動させていけば、マーキング部分P(図7参照)を
自動的にマーキングすることができる。
【0057】ところで、マーキング部分Pを連続的にマ
ーキングするときには、照射範囲SAを構成する無限の
点とHPとを結ぶ無限の線分について、それぞれのθ、
δ、α’、β’を求めなければならず実質的に不可能で
ある。そこで、照射範囲SAを構成する複数個の(有限
個の)点とHPとを結ぶ複数の(有限の)線分につい
て、それぞれのθ、δ、α’、β’を求め、θ、δ、
α’、β’の駆動を補間させながら行うことで、マーキ
ング部分Pを連続的にマーキングすることができる。
【0058】例えば、図10に示すように、照射範囲S
A上の2点SP1 、SP2 とHPとを結ぶ各線分につい
て、それぞれのθ1 、δ1 、α’1 、β’1 および
θ2 、δ2 、α’2 、β’2 を求める。そして、インク
噴射器35からインクを噴射させながら、図11に示す
ように、揺動軸YJ回りのθ1 からθ2 への揺動を所定
時間tの間に直線的に変位させ、回動軸KJ回りのδ1
からδ2 への回転を前記と同じ時間tの間に直線的に変
位させ、t’軸方向のα’1 からα’2 への移動を前記
と同じ時間tの間に直線的に変位させ、s’軸方向の
β’1 からβ’2 への移動を前記と同じ時間tの間に直
線的に変位させ、これら各変位を同時に行うように、モ
ータ53、55、57、59を駆動させる。これによ
り、図10に示すように、照射範囲SA上の点SP1
HPとを結ぶ線分と被検体Mの体表面Tとの交点PP1
と、点SP2 とHPとを結ぶ線分と被検体Mの体表面T
との交点PP2 との間のマーキングが、本来のマーキン
グ部分Pに近似させてマーキングできる。なお、照射範
囲SA上に採る複数個の点SP1 、SP2 、SP3 …の
数を増やし、各点間の間隔を狭めることで、マーキング
の精度を向上させることができる。なお、この補間方式
は、後述する各実施例でも同様に適用できる。
【0059】なお、上述の実施例では、単数のインク噴
射器35とその駆動機構36をマーキング部31に設け
たが、複数個のインク噴射器35と各インク噴射器35
の駆動機構36をマーキング部31に設ければ、マーキ
ング部分Pのマーキングを各インク噴射器35で分担
し、並行してマーキングすることができる。
【0060】また、インク噴射器35は、インク噴射口
35aからのインク噴射角度を、インクに与える圧力や
電圧、磁界などでコントロールすることができる。従っ
て、図12に示すように、上記θ、δに従って、インク
噴射口35aから噴射されるインク噴射角度を制御する
ことができる。このように構成する場合には、インク噴
射器35を揺動させたり回動させるための部材51や回
動軸52、モータ53、モータ55などは省略でき、イ
ンク噴射器35を部材54に直接連結すればよい。な
お、この場合には、駆動平面KPはインク噴射口53a
を含んで設定される。このようにインク噴射口35aか
らのインク噴射角度をコントロールすることも、この発
明で言う「マーキング手段によるマーキング方向を傾
動」することの一つである。
【0061】また、図13に示すように、複数個のイン
ク噴射器35を駆動平面KPに平行に、CRTの表示ド
ットを形成するように配列し、治療放射線束の外周上に
配置されるいくつかのインク噴射器35を選択し、選択
された各インク噴射器35ごとに、インクの噴射方向を
上記実施例や図12の変形例のように駆動させ、これら
選択されたインク噴射器35のみからインクを噴射させ
ることでもマーキング部分Pをマーキングすることがで
きる。このような構成にあっては、各インク噴射器35
を駆動平面KP上で2次元方向に移動させる駆動機構は
省略することができる。
【0062】また、上記実施例では、マーキング部材3
5をインク噴射器で構成したが、ペン状の部材でマーキ
ング部材35を構成し、図14に示すように、このペン
状の部材35を、上記実施例と同様に、揺動軸YJ回り
の揺動、回動軸KJ回りの回動、s’、t’軸方向への
移動が可能なように構成する。そして、上記実施例と同
様にθ、δ、α’、β’を求め、これに基づき駆動を制
御してマーキングを行うことでもマーキング部分Pへの
マーキングが可能である(図14(b))。
【0063】ただし、この構成の場合、マーキング部材
35のON/OFFは、ペンの先端35bが被検体Mの
体表面Tに当接する状態と離れる状態で実現されるの
で、マーキング部材35と被検体Mとを接離させるため
に、第2のレール部材58を昇降させる適宜の駆動機構
を別途設けることになる。また、上記駆動量θ、δ、
α’、β’は、ペンの先端35bが上昇されている(被
検体Mの体表面Tと離れている)状態で、ペンの先端3
5bが降下され、被検体Mの体表面Tに当接したと仮定
したときの駆動平面KPの位置に基づき算出されること
になる。
【0064】<第2実施例>図15は、第2実施例装置
によるマーキングの方式を概念的に示した図である。
【0065】この実施例では、治療放射線束の外周形状
と、被検体Mの体表面Tとが交差する形状(この交差形
状が、マーキング部分Pに一致する)を計算で求め、こ
の交差形状(マーキング部分)Pを、u軸方向に平行
に、駆動平面KPに投影した形状BPを求め、これに基
づきマーキング部材35の駆動を制御する。
【0066】まず、上記交差形状Pの算出について説明
する。交差形状Pの算出では、最初に被検体Mの体表面
を求める。これは、医療画像情報(所定の撮像領域の連
続した複数の断層画像:図4参照)に基づき求めるが、
これを図16を参照して説明する。
【0067】まず、各断層画像SGごとに体表面の輪郭
TCを求める。これは、従来より一般に行われている方
法、例えば、画像の各ドットのCT値と所定のしきい値
とを比較するなどの方法により容易に求めることができ
る。各断層画像SGは、基準座標系上のxy平面上の断
層画像であるから、各断層画像SGごとの体表面の輪郭
TCのxy座標が特定される。また、各断層画像SGの
基準座標系上のz軸(被検体の体軸に一致する)の座標
は画像撮像時に決まる。従って、各断層画像SGごとの
体表面の輪郭TCの基準座標系上のxyz座標が特定さ
れるので、これらをつなげることで被検体の体表面Tを
求めることができる。ここでは、この基準座標系上の体
表面Tを関数T(x,y,z)とする。
【0068】次に、図15に示すように、照射範囲SA
上の点SPと放射線源45の配置位置HPとを結ぶ線分
Lと、上記関数T(x,y,z)との交点PPを求め、
これを照射範囲SA上の各点と放射線源45の配置位置
HPとを結ぶ線分について行えば、上記交差形状Pが求
められる。
【0069】ここで、直線Lと体表面T(x,y,z)
との交点PPを求める一例を図17を参照して説明す
る。図17(a)に示すように、体表面T(x,y,
z)を多数の点TPij(i=1〜m、j=1〜n)の集
合と考え、これら点TPijから交点PPをさがすものと
する。
【0070】図17(b)に示すように、直線Lを交点
PPで2つの半直線L1、L2に区分したとき、半直線
L1、L2の方向は直線Lの方向と一致する。一方、直
線Lを交点PPでない体表面T(x,y,z)上の点T
ijで2つの半直線L1、L2を区分したときには、図
17(c)に示すように、半直線L1、L2の方向は直
線Lの方向と一致しない。なお、図中の点B、Cは、直
線L上に任意に決めた点である。
【0071】そこで、体表面T(x,y,z)を構成す
る多数の点TPijを決めておき、各点TPijで直線Lを
2つの半直線L1、L2に区分し、半直線L1、L2の
方向が直線Lの方向と一致する点TPijを検索し、その
点TPijを交点PPとして決める。具体的な計算方法と
しては以下の方法を採ることができる。
【0072】直線LはSP(xSP,ySP,zSP)を通
り、方向ベクトル(ωx 、ωy 、ωz)に平行であると
すれば、直線Lは以下の式で表される。
【0073】
【数1】
【0074】なお、方向ベクトル(ωx 、ωy 、ωz
は直線Lの傾きに平行な単位ベクトルを設定する。
【0075】この直線L上に任意の2点B(xB
B ,zB )、C(xC ,yC ,zC )をとり、検索対
象の体表面T(x,y,z)を構成する点TP
ij(xT ,yT ,zT )と、上記点B、Cを結ぶ半直線
L1(点TPijと点Bを結ぶ半直線)、L2(点TPij
と点Cを結ぶ半直線)を求めると以下の式で表される。
【0076】
【数2】
【0077】この2つの半直線L1、L2の単位方向ベ
クトル(νx ,νy ,νz )、(μx ,μy ,μz
が、直線Lの単位方向ベクトル(ωx 、ωy 、ωz )と
一致する点TPijを検索すればよい。
【0078】この計算は駆動制御部32で行われるが、
この駆動制御部32は、実際にはコンピュータ(CP
U)で構成されるので、実際の評価方法としては、各要
素の誤差の2乗和をとり、それがコンピュータの数値計
算誤差δ以下に収まるような点TPijを検索する。具体
的には、以下の式で評価する。
【0079】(νx −ωx 2 +(νy −ωy 2
(νz −ωz 2 ≦δ 、かつ、 (μx −ωx 2 +(μy −ωy 2 +(μz −ωz
2 ≦δ
【0080】なお、上記検索を体表面T(x,y,z)
を構成する全点について行うと時間がかかるので、例え
ば二分検索法などを応用して検索することで処理時間の
短縮を図ることができる。
【0081】交差形状Pが求まると、図15に示すよう
に、交差形状Pを、u軸方向に平行に、駆動平面KPに
投影した形状BPを求める。これは、交差形状Pの各点
を通り、u軸に平行な直線(u軸を設定した状態でu軸
の傾きが決まるから既知である)と、駆動平面KPとの
交点を求めていけばよい。なお、図15中のBPPは、
交差形状Pの点PPを通り、u軸に平行な直線と、駆動
平面KPとの交点を示し、投影形状BP上の1点を構成
する。
【0082】このようにして求められた駆動平面KP上
の投影形状BP上の各点と、G’とに基づき、上述した
α、βの算出と同様に、投影形状BP上の各点について
もα’、β’が容易に求められる。駆動制御部32は、
このα’、β’とに基づき、マーキング部材35(イン
ク噴射器)を駆動平面KP上で2次元方向に移動させ、
インクの噴射方向をu軸方向に一致させれば、交差形状
(マーキング部分)Pをマーキングすることができる。
【0083】なお、マーキング部材35は、インク噴射
器に限らず、図14で説明したペン状の部材で構成する
こともできる。いずれにしても、この実施例では、マー
キング部材35をu軸に対して傾けるための駆動機構
(部材51、回転軸52、モータ53、55など)が省
略できる。
【0084】なお、この実施例についても、図13で説
明した変形例のように、複数個のインク噴射器35を駆
動平面KPに平行に配列し、適宜のインク噴射器35を
選択してそれらのみを駆動するように構成してもよい。
ただし、この場合に選択されるインク噴射器35は、求
められた投影形状BP上のインク噴射器35であり、ま
た、選択されたインク噴射器35のインクの噴射方向の
調節は不要である。このような構成では、各インク噴射
器35を駆動平面KP上で2次元方向に移動させる駆動
機構と、インク噴射方向を調節する駆動機構が不要とな
り、インク噴射器(マーキング部材)35のON/OF
Fの駆動機構のみを備えればよいことになる。
【0085】<第3実施例>図18は、第3実施例装置
によるマーキングの方式を概念的に示した図である。
【0086】この実施例でも、上記交差形状Pを求め
て、これに基づきマーキング部材(インク噴射器)35
の駆動を制御するが、この実施例では、インク噴射器3
5を駆動平面KP上の所定の位置(例えば、s’t’u
座標系の原点G’)に固定して駆動平面KP上での2次
元方向への移動を行わず、インク噴射方向FFを交差形
状Pに向けるように制御しながらマーキングを行う。
【0087】なお、この場合、インク噴射方向FFを調
節する駆動量は、図中のθ’とδであるがこれは以下の
ように求められる。
【0088】交差形状Pが求まると、交差形状P上の各
点(例えばPP)が決まり、HP、G’、Gが既知であ
るから、図19のh、h1、h2が求まる。なお、図中
の仮想平面IPは、交差形状P上の点PPを含み、駆動
平面KP(アイソセンタ平面ICP)に平行になるよう
に仮想的に設定した平面である。従って、図中のθ、
θ’は以下の式で規定されるので、θ’が以下のように
求められる。
【0089】tanθ =γP/(h−h1+h2) tanθ’=γP/h2 θ’=arctan〔{(h−h1+h2)/h2}・
tanθ〕
【0090】また、駆動平面KP上のs’軸、t’軸に
平行な軸s”軸、t”軸を上記仮想平面IP上に設定す
ると、s”軸とt”軸との交点G”は求めることができ
る。従って、G”とPPとの間の長さγPが求められ
る。また、図中のαP、βPも、上記α、βの算出方法
と同様の方法で求めることができる。上記G”は、u軸
を通る点であるから、δは、図に示すように、線分
G”、PPと、t”軸との夾角である。従ってδは、α
P、βP、γPを用い、適宜の三角関数を用いて求める
こと(例えば、δ=arctan(αP/βP))がで
きる。
【0091】従って、これら駆動量θ’、δを交差形状
Pの各点について求め、それに基づきインクを噴射させ
ながらインク噴射方向FFを、上記第1実施例装置や図
12の変形例によって調節していくことで、交差形状
(マーキング部分)Pをマーキングすることができる。
この実施例では、インク噴射器35を駆動平面KP上で
2次元方向に移動させるための駆動機構が省略できる。
【0092】なお、この第3実施例も、マーキング部材
35を図14で説明したペン状の部材で構成することも
可能である。
【0093】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、マーキング作業を自動的に行うように構成
したので、従来例のようにマーキングのために光を照射
する必要がなくなり、その工程の手間が省けるともに、
前記光を照射するための装置も不要なり、マーキング工
程を効率良く実行できるとともに、設備の減少、小型化
を図ることができる。
【0094】また、この発明によれば、マーキング作業
を人手を介さずに行うので、人手でマーキングしていた
ことに起因したマーキングのずれを無くすこともでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る放射線治療計画におけるマーキ
ング装置の概略構成、および、それを備えた放射線治療
システムの全体の概略構成を示すブロック図である。
【図2】X線CT装置とマーキング装置の構成を示す図
である。
【図3】治療装置の一例の構成を示す図である。
【図4】収集された医療画像情報の構成を示す図であ
る。
【図5】治療計画における治療放射線束の照射方向、照
射範囲などを説明するための図である。
【図6】第1実施例に係るマーキング部の構成を示す斜
視図である。
【図7】第1実施例装置によるマーキング方式などを説
明するための図である。
【図8】同じく、第1実施例装置によるマーキング方式
などを説明するための図である。
【図9】第1実施例の制御駆動量の算出方法を説明する
ための図である。
【図10】補間しながらマーキングする方式を説明する
ための図である。
【図11】同じく、補間しながらマーキングする方式を
説明するための図である。
【図12】インク噴射方向の傾動駆動の変形例の構成を
示す図である。
【図13】第1、第2実施例の変形例の概略構成を示す
図である。
【図14】第1、第2、第3実施例の別の変形例の概略
構成を示す図である。
【図15】第2実施例装置によるマーキングの方式を概
念的に示した図である。
【図16】被検体の体表面を求める手順を示す図であ
る。
【図17】交差形状の算出方法の一例を説明するための
図である。
【図18】第3実施例装置によるマーキングの方式を概
念的に示した図である。
【図19】第3実施例の制御駆動量の算出方法を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 … X線CT装置 2 … 計画装置 3 … マーキング装置 4 … 治療装置 32 … 駆動制御部(駆動制御手段) 35 … マーキング部材(マーキング手段) 36 … 駆動機構(駆動手段) 45 … 放射線源 M … 被検体 T … 被検体の体表面 P … 交差形状 HP … 放射線源の配置位置 SA … 治療放射線束の照射範囲 KP … 駆動平面 ICP … アイソセンタ平面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 治療装置による放射線治療の際に前記治
    療装置内の放射線源から被検体に向けて照射される治療
    放射線束の照射範囲を含む、医療画像情報などを基に決
    められた治療計画に従って、前記治療放射線束が被検体
    に照射されるときに、この治療放射線束が当たる被検体
    の体表面上の範囲をマーキングするための放射線治療計
    画におけるマーキング装置であって、前記治療計画によ
    り決められる被検体に対する前記放射線源の配置位置と
    前記被検体との間に配置されるように設けられる前記被
    検体の体表面にマーキングを施す単数または複数のマー
    キング手段と、前記治療計画時に設定されるアイソセン
    タ平面に平行な駆動平面上での2次元方向への前記マー
    キング手段の移動、前記駆動平面に直交する軸に対する
    前記マーキング手段によるマーキング方向の傾動、前記
    マーキング手段のON/OFFの少なくともいずれか一
    つを駆動する駆動手段と、前記治療計画に従って前記治
    療放射線束が被検体に照射されるときの治療放射線束の
    外周形状、または、この治療放射線束の外周形状と被検
    体の体表面とが交差する形状のいずれかに基づき前記駆
    動手段を制御する駆動制御手段とを備えたことを特徴と
    する放射線治療計画におけるマーキング装置。
JP24850895A 1995-08-31 1995-08-31 放射線治療計画におけるマーキング装置 Pending JPH0966115A (ja)

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