JPH0961339A - フロ−式粒子画像解析方法および装置 - Google Patents

フロ−式粒子画像解析方法および装置

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JPH0961339A
JPH0961339A JP7211472A JP21147295A JPH0961339A JP H0961339 A JPH0961339 A JP H0961339A JP 7211472 A JP7211472 A JP 7211472A JP 21147295 A JP21147295 A JP 21147295A JP H0961339 A JPH0961339 A JP H0961339A
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particles
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flow
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JP7211472A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Horiuchi
秀之 堀内
Hidenori Asai
英規 浅井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流れている液体中に懸濁した粒子の静止画像を
取り、粒子を分析する粒子画像解析装置において、粒子
検出系で検出した粒子と、検出粒子静止画像と対応をつ
けることにより測定精度を改善する。 【解決手段】フローセル100にサンプルを流し、レー
ザ光束10により粒子の通過を検出し、その検出にもと
づいてパルスランプ1を発光させ、粒子の静止画像をT
Vカメラ8で撮像し、画像処理を行う。粒子分析手段1
02の分類結果収集部70にて、検出手段103で検出
した粒子と粒子分析手段102での画像処理した個々の
粒子画像の粒子サイズを使って対応付けを行うことによ
り、サンプル中の粒子分類、粒子計数、粒子解析を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフロー式粒子画像解
析方法および装置、特に、流れている液体サンプル中に
懸濁した粒子の静止画像を撮像し、粒子解析する、血液
または尿中の細胞や粒子の解析に好適なフロ−式粒子画
像解析方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の粒子画像解析においては、血液中
の細胞や尿中の細胞や粒子の分類解析は、スライドガラ
ス上に標本を作成し、顕微鏡にて観察することで行われ
てきた。尿の場合には、尿中の粒子濃度が薄いため、サ
ンプルを予め遠心分離器で遠心濃縮してから観察してい
る。
【0003】これらの観察、検査の作業を自動化する方
法または装置としては、血液などのサンプル試料をスラ
イドガラス上に塗沫した後顕微鏡にセットし、顕微鏡ス
テージを自動的に走査し、粒子の存在する位置で顕微鏡
ステージを止めて静止粒子画像を撮影し、画像処理技術
による特徴抽出およびパターン認識手法を用い、サンプ
ル試料中にある粒子の分類・解析等を行っている。
【0004】しかし、上記手法では標本作成に時間がか
かり、さらに顕微鏡ステージを機械的に移動しながら粒
子を見つけ、粒子を適当な画像取り込み領域へ移動させ
る作業が必要である。そのため、解析に時間を要した
り、機械機構が複雑になるという欠点がある。
【0005】上記のような塗沫標本を作成しない粒子画
像解析方法または粒子画像解析装置には、サンプル試料
を液体中に懸濁させた状態にてフローセル中に流し、光
学的に解析するフローサイトメータ法が知られている。
このフローサイトメータによる方法は、サンプル中の各
粒子からの蛍光強度や散乱光強度を観測するもので、毎
秒数1000個の処理能力を備えている。しかし、粒子
の形態学的特徴を反映する特徴量を観測することはむず
かしく、従来顕微鏡下で行われていた形態学的特徴で粒
子を分類することができない。
【0006】連続的に流れているサンプル試料中の静止
粒子画像を撮像し、それぞれの静止粒子画像から粒子を
分類、解析する試みとしては、特表昭57−50099
5号公報、特開昭63−94156号公報等に記載され
た技術が知られている。
【0007】特表昭57−500995号公報に記載さ
れた技術では、サンプル試料を特別な形状の流路に通し
て幅広の撮像領域中に流し、フラッシュランプによる静
止粒子画像を撮影し、その画像を用い粒子解析する。こ
の方法は、顕微鏡を用いてサンプル粒子の拡大画像をC
CDカメラ上に投影するとき、パルス光源である前記フ
ラッシュランプが前記CCDカメラの動作に同期して周
期的に発光する。パルス光源の発光時間は短いので、粒
子が連続的に流れていても静止画像を得ることができ、
しかも、CCDカメラは毎秒30枚の静止画像を撮影す
ることができる。
【0008】特開昭63−94156号公報に記載され
た技術では、静止粒子画像撮像系とは別にサンプル流れ
中の粒子画像撮影領域より上流に粒子検出系を設けてい
る。これは、予め粒子検出系で粒子通過を知り、その粒
子が粒子画像撮像領域に達したとき適当なタイミングに
よりパルス光源であるフラッシュランプを点灯させるも
のである。この方法においては、パルス光源の発光が周
期的に行わず、粒子の通過を検出してその時だけタイミ
ングを合わせて静止粒子画像を撮像することができるの
で、効率的に静止粒子画像が集められ、濃度の小さいサ
ンプル試料の場合でも粒子の存在しない無意味な画像を
撮像・処理することはない。
【0009】さらに、特開平6−142086号公報で
は、特開昭63−94156号公報の場合と同じく、静
止粒子画像系とは別にサンプル流れ中の粒子を検出する
手段を有し、加えて検出された粒子画像において画像処
理した粒子数総数からサンプル粒子中の実際の粒子数、
分類された種類ごとの粒子数を求める手段を提供してい
る。
【0010】また、特開平7−83817号公報では、
特開平6−142086号公報で問題になる、検出粒子
と検出された粒子画像の1対1の対応方法について示さ
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の粒子画像解析装
置においては、一般的に、連続的に流れているサンプル
粒子の静止画像を解析して、サンプル中の複数種類の粒
子数の計数や分類を効率よく行うためには、上述した公
知例で行われているように、静止粒子画像撮像領域又は
その上流に通過粒子を検出する粒子検出系が必要であ
る。すなわち、サンプル粒子が通過したときだけパルス
光源を点灯させてそのサンプル粒子の静止画像を撮像す
るように構成する。この方法は、粒子濃度の小さい測定
サンプルに対し非常に効率よく処理できるため、測定サ
ンプル量の増大、解析時間の短縮、解析精度の向上を計
ることができる。
【0012】ところが、このようなフロー式粒子画像解
析装置においては、静止粒子画像撮像領域又はその上流
に通過粒子を検出する粒子検出系と、粒子が通過したと
きだけパルス光源を点灯させ静止粒子画像を撮像する画
像撮像系とを有しているが、粒子検出系と前記画像撮像
系とは一般的にその測定原理が異なっている。粒子検出
系としては、通常フローセル中を流れている測定サンプ
ルにレーザ光束を集光して照射し、前記レーザ光束をよ
ぎった粒子からの散乱光を検出する方法が用いられてい
る。その散乱光は、一般的に粒子の実効散乱断面積に比
例した強さの光信号となり、この光信号は光検出器によ
り電気信号に変換される。
【0013】この光信号の大きさは、粒子の光学的な屈
折率、吸収、サイズ、粒子の内部状態、散乱光検出条件
などにより影響を受け、必ずしも画像処理で用いられる
粒子の形態情報である粒子直径、周囲長、色彩情報、テ
クスチャ情報とは完全には一致しない。
【0014】また、粒子検出系を所定の粒子検出レベル
以上を粒子検出の条件とすると、実際の画像撮像系によ
る静止粒子画像には、サイズが小さく光散乱による粒子
検出レベルに達しない粒子が存在することは、しばしば
起こることである。その結果、粒子検出系で計数される
粒子数と画像処理された粒子数は、画像取り込みで避け
られないデットタイムによる粒子数え落としを考慮して
も一致せず、粒子解析精度、再現性の低下を引き起す原
因となる。
【0015】これらの問題に正しく対応させる方法を提
供するのが特開平7−83817号公報である。そこで
示されている方法は、1つの画像に撮像されている粒子
と粒子検出系で検出された粒子について1対1の対応関
係を取るものである。このために、粒子検出信号の中か
ら、パルスランプ光源が点灯した時点で画像に写ってい
る粒子のうち検出粒子に相当する粒子を計数し、この計
数値と画像中の粒子のうちの検出粒子とを対応させ、そ
してこれを検出粒子と見なされない粒子と区別するよう
にしている。
【0016】上述した方法では、粒子検出系と画像撮像
系とをそれぞれ具備し、粒子検出系の原理と画像撮像系
の粒子画像識別の原理とが異なるフロー式粒子画像解析
方法およびフロー式粒子画像解析装置において、検出粒
子と静止粒子画像中の粒子とを対応させ、粒子検出系の
検出粒子以外の粒子が画像撮像系の静止粒子画像中に存
在しても、サンプル中の各種類の粒子個数、粒子存在比
率、粒子密度、濃度情報を正しく知ることができ、解析
精度の良好なフロー式粒子画像解析方法およびフロー式
粒子画像解析装置が提供される。
【0017】しかし、上述の方法では、1画像中に存在
する検出粒子に対応する粒子を粒子検出信号から取り出
し計数するため、複雑な時間タイミングが必要になり、
この部分の回路構成が複雑になること、サンプル液の脈
動などの流速変化によりタイミング関係が変動する場合
に対応が取れないこと、サンプルの流速が異なるような
複数の測定モードを有する場合には、複数系統の回路構
成を必要するなどの問題がある。
【0018】本発明の目的は、検出粒子と静止粒子画像
中の粒子とを対応させ、検出粒子以外の粒子が静止粒子
画像中に存在しても、サンプル中の各種類の粒子個数、
粒子存在比率、粒子密度、濃度情報を正しく知ることを
可能にするのに適した、解析精度の良好なフロー式粒子
画像解析方法およびフロー式粒子画像解析装置を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、サンプ
ルがフロ−セルに流され、そのフロ−セルの予め定めら
れた位置を通る、予め定められた値以上の大きさをもつ
サンプル中の粒子が粒子検出系により検出粒子として検
出される。フロ−セルの撮像領域を通る粒子は粒子撮像
系により撮像され、その静止画像が得られる。その静止
画像中の、検出粒子に対応する粒子が抽出され、その抽
出された粒子について粒子解析が行われる。
【0020】このように、静止画像中の粒子の検出粒子
との対応付けがなされ、したがって、検出粒子以外の粒
子が静止粒子画像中に存在しても、サンプル中の各種類
の粒子個数、粒子存在比率、粒子密度、濃度情報を正し
く知ることを可能にするのに適した、解析精度の良好な
フロー式粒子画像解析方法およびフロー式粒子画像解析
装置が提供され得る。
【0021】予め定められた値は、具体的には前記粒子
が前記予め定められた位置を通るときのその粒子の通過
時間にもとづいて定められ得る。
【0022】粒子検出は望ましくはフロ−セルの予め定
められた位置に光を照射し、この光を粒子がよぎるとき
に該粒子によって散乱される散乱光信号を検出すること
によって行われ得る。また、前記通過時間は散乱光信号
の予め定められたレベルにおける幅にもとづいて定めら
れ得る。散乱光信号の予め定められたレベルにおける幅
に対応する時間幅をもつパルスを発生させると、このパ
ルス幅は粒子サイズに照射される光のサンプルの流れ方
向の集束幅を加えた値を表すことになり、したがって前
記通過時間はそのパルスの時間幅によって決定され得
る。
【0023】静止画像中の、検出粒子に対応する粒子の
抽出は、具体的にはその粒子の、サンプルの流れ方向の
最大サイズにもとづいて行われ得る。
【0024】粒子解析は予め定められた複数の測定モ−
ドにおいて行われ、その解析結果は総合されてよい。
【0025】粒子解析は抽出された粒子の画像特徴量を
抽出し、その画像特徴抽出量は前記抽出された粒子の形
態情報、色彩情報、蛍光情報又はそれらの組み合わせを
含んでいてもよい。
【0026】粒子検出はそれぞれ粒子検出条件が変更可
能な複数の測定モ−ドにおいて行われてよい。
【0027】粒子解析は予め定められた複数の測定モ−
ドにおいて行われ、前記予め定められた値は複数のモ−
ドに対応して変更されてもよい。
【0028】粒子解析においては、サンプル体積当たり
の粒子数又は比率のいずれかを計算し、それにもとづき
全サンプル体積当たりの粒子数を求めてもよい。
【0029】粒子解析においては、測定されるサンプル
の粒子数又は測定されるサンプル中の単位体積当たりの
粒子濃度又は顕微鏡視野換算の粒子数のいずれかを求め
てもよい。
【0030】粒子解析においてはまた、静止画像中の、
検出粒子以外の粒子を別枠として粒子解析してもよい。
この検出粒子以外の粒子は検出粒子よりも小さい粒子で
あり、その中には、正規識別処理対象粒子であるもの、
正規識別処理対象粒子ではないが、その粒子医の存在が
重要な情報を提供するもの等が含まれている。したがっ
て、別枠粒子解析処理を行えば、処理された粒子の存在
比率を計算したり、解析処理した全静止粒子画像に相当
するサンプル体積から、解析処理された粒子に対する単
位体積当たりの粒子濃度、顕微鏡視野換算の粒子数を知
ることが可能にされる。
【0031】別枠粒子解析はこの別枠識別粒子の全処理
粒子をもとに測定精度を判断し、その旨を報告するよう
にしてもよい。この場合は、全処理粒子数と予め設定さ
れた数値とを比較して、測定精度が保証できなくなった
場合には、その旨を報告し、別枠識別処理による誤差を
少なくすることができる。
【0032】別枠粒子解析に関しては、分類結果をその
まま出力してもよい。このとき、1個でも特定の粒子が
存在することがより重要な情報である場合には、例外粒
子に対しても解析結果が得られる。
【0033】別枠粒子解析した粒子の中に正規識別処理
粒子が存在する場合は、単位体積当たりの粒子濃度に計
算した後、正規識別処理結果に組入れてもよい。このよ
うにすれば、粒子の解析精度を改善することができる。
この場合にも、別枠粒子解析における解析精度の低下を
判断して正規識別処理結果に組み入れてよい。これによ
ると、別枠粒子解析処理結果を組み入れることによる測
定精度の低下を防止することができる。
【0034】これらの判断基準は、予め粒子解析する前
に設定し、別枠粒子解析処理における結果がその判断基
準に満たない場合には、オペレ−タに知らせるようにし
てもよい。こうすれば、解析結果を安心して判断するこ
とができる。
【0035】静止粒子画像の中には、サンプル解析上重
要な粒子が含まれていることがあるため、その情報を捨
ててしまうことは望ましくない。この場合は、別枠粒子
解析を行うことで確実にそれらの粒子を解析することが
でき、全体の解析精度を悪化させることはない。
【0036】正規粒子解析処理および別枠粒子解析処理
は、解析対象粒子の範囲の異なる解析モ−ドがある場合
にも、それぞれの解析モ−ドについて行わせてもよい。
例えば、ある種類の粒子について、第1の解析モ−ドで
は別枠解析対象粒子を、第2のモ−ドでは正規解析対象
粒子について解析を行えば、解析終了後個々の解析モ−
ドの解析結果を総合して解析サンプル全体の粒子解析結
果としてまとめて解析精度の改善を図ることができる。
【0037】測定条件が異なる場合や解析対象粒子の範
囲が異なる場合のように、異なる複数の測定モ−ドを有
する場合には、それぞれ異なった粒子検出条件、すなわ
ち、粒子検出レベルやパルス幅の所定の幅の値を変更で
きるようにしてもよく、さらに、異なる粒子条件に対応
して、粒子解析における、対応させる所定粒子サイズの
値を有し、かつ変更するようにしてもよい。このように
すれば、測定条件の多様性が増し、粒子解析精度の改善
を図ることができる。
【0038】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を行
うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合の処理が
定められてもよい。
【0039】さらに、静止画像数が少なく前記別枠粒子
解析を行うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合
のその評価手順を予め入力設定してもよい。
【0040】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を行
うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合は、前記
別枠粒子解析を行わないようにしてもよいし、あるいは
別枠粒子解析を行い、その解析に問題があることを出力
するようにしてもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】図面を参照しての詳細説明に先立
って、実施の概念をまず説明する。
【0042】フローセル中の粒子検出領域を通過した粒
子を検出し、一定時間後に、検出粒子が静止画像撮像領
域の所定の位置に到着したとき、フラッシュランプを点
灯させ、粒子の静止画像を撮影する。
【0043】一般に、撮像された一枚の静止粒子画像中
には、粒子検出系で検出した粒子以外の小さな粒子も撮
像されていることが度々発生する。粒子検出信号レベル
を高くすればするほど、この傾向は大きくなる。このた
め、撮像した粒子画像のなかのどれとどれが検出対象粒
子であるかを区別することが必要である。
【0044】ここで、粒子検出系の検出原理として、粒
子検出信号の信号レベルを越えた粒子に対し、さらに、
信号のパルス幅が所定の値を越えたものを、粒子検出信
号と見なす。このパルス幅は、測定粒子が粒子検出系を
通過する時間に相当し、通過粒子のサイズに比例する。
【0045】撮像した個々の粒子画像のサンプル流れ方
向の粒子の大きさと粒子通過によるパルス幅とは対応す
るから、画像解析対象粒子かどうかの対応をパルス幅で
決まる粒子サイズを基準にして区別することができる。
通常は、流れ方向の粒子サイズを粒子画像の分類識別に
必要な特徴パラメータの1つとする場合が多いから、容
易に検出粒子かどうかの対応をとることができる。
【0046】粒子画像識別特徴量として、測定粒子の形
態情報または色彩情報、または蛍光強度情報、またはこ
れらの情報の複数個組み合わせた特徴量を使用すること
ができるし、それに応じて、粒子検出系の粒子検出条件
を変更する必要がある。具体的には、粒子画像から、粒
子の大きさ、面積、直径、周囲長、射影像などの形態情
報、粒子濃度、色彩情報、粒子内構造、蛍光強度等の特
徴量が用いられる。
【0047】生物細胞のように核、細胞質、細胞内顆粒
などの存在などの情報を使うこともできる。すなわち、
画像中に存在する粒子のどれとどれが粒子検出系で検出
された検出粒子であるか調べ、分類識別処理を実行す
る。これを正規識別処理と名付ける。
【0048】検出粒子と画像中の粒子との対応をとるこ
とができなかった残りの粒子は、対応のとれた粒子とは
別の識別処理を行う。この処理を別枠識別処理と名付け
る。
【0049】さらに、粒子検出による静止画像撮像と関
係なく、粒子検出系を通過し検出レベル以上あり、か
つ、所定のパルス幅以上有る全検出粒子計数値を測定す
る。
【0050】なお、この場合、フラッシュランプ光によ
る粒子検出信号の誤計数を防止することが必要である。
この防止のためには、フラッシュランプ光が粒子検出器
に到達しないようにするか、または電気的にフラッシュ
ランプ信号を計数しないようにする。
【0051】また、フラッシュランプ光も検出し、測定
終了時にランプ発光回数分差し引く方法により誤計数を
防ぐようにしても差し支えない。
【0052】濃度の濃い粒子サンプルを処理する場合、
画像読みだしに伴うデットタイムのために粒子検出系に
おいて粒子の数え落としが生じるため、必ずしも一定測
定時間中の一画像粒子計数値の粒子数総和は、前記一定
測定時間中に粒子検出系を通過した全検出粒子計数値と
必ずしも一致はしない。
【0053】また、別枠識別処理対象粒子は、粒子検出
系の検出レベル以下の粒子であるから、前記全粒子検出
計数値には含まれていない。
【0054】検出粒子と静止粒子画像中の粒子との対応
が付けられると、対応付けられた粒子画像についてパタ
ーン認識識別処理を行い粒子の種類を確定する。この作
業が全画像に対し処理されることにより、サンプル中の
各種類の粒子存在比率を確定する。この粒子存在比率を
決めるためには、粒子検出系で検出された粒子、すなわ
ち対応のとれた粒子に対してのみ処理が実施される。撮
像された静止粒子画像中に存在する粒子検出レベル以下
の粒子については、粒子検出系の検出全粒子数には含ま
れていないため処理を実施することができない。
【0055】粒子存在比率が確定すると、粒子検出全粒
子数を粒子検出計数器により別に測定し、粒子検出全粒
子数に粒子存在比率を乗ずることにより、サンプル中の
種類ごとの粒子個数を計算する。各種類の粒子個数よ
り、単位体積当たりの粒子濃度を計算する。
【0056】次に、粒子検出系で検出した一画像粒子数
と静止粒子画像内に存在する粒子との対応の付け方を説
明する。
【0057】粒子検出手段として、レーザ光束をサンプ
ル流れに照射し、サンプル内の粒子からの光散乱を検出
する場合について説明する。
【0058】幅広で細く集光したレーザ光束をサンプル
中の粒子がよぎると、光は散乱され光検出器で受光され
る。電気信号に変換された粒子検出パルス信号の大きさ
は、粒子のサイズ情報を含むものである。特に、粒子検
出系を通過する時間は、粒子検出パルス信号に対応す
る。この粒子検出パルス信号は、実際には粒子サイズに
レーザ光束の粒子検出位置でのスポットサイズを加えた
ものに対応する。よって、粒子画像上で検出粒子として
の対応をとる場合には、レーザ光束のスポットサイズ分
を考慮して考える必要がある。
【0059】検出粒子の大きさを特定のサイズ範囲のも
のを対象とする場合には、それに応じて、粒子検出系で
のパルス幅の範囲指定と、粒子画像の対応粒子のサイズ
指定範囲を対応させる。
【0060】次に、別枠識別処理について述べる。粒子
検出系の一画像粒子数と正規識別処理対象粒子の対応を
付けた後、撮像された静止粒子画像に残存している未処
理粒子について分類識別処理を実行する。これらの未処
理粒子は、粒子検出系で検出されていない粒子が、撮像
された静止粒子画像に存在する粒子である。しかし、こ
れらの未処理粒子の中には重要な粒子が含まれているこ
とがあり、その情報を捨ててしまうことはできない。未
処理粒子のサンプル中での濃度、数量を確定するには、
単位体積当たりの個数、実際には、全画像を処理した後
の全画像に相当するサンプル体積当たりの粒子数を計算
し、さらに、全測定サンプル当たりに換算し直すこと
で、サンプルに占める粒子数、粒子数比率等が決められ
る。このように、画像処理したサンプルに相当するサン
プル体積を計算することが必要である。
【0061】測定終了時に、正規識別処理と上記別枠処
理との結果を組み合わせて、最終結果とする。
【0062】別枠識別結果の中には、本来正規識別結果
に含まれるべき粒子が存在し、正規識別結果に加える必
要がある。正規識別処理に入らないが例外的に重要な粒
子が含まれる場合にも、結果として報告する。
【0063】粒子サイズが小さくて粒子検出で検出する
にはノイズ信号と同一信号レベルであったり、粒子個数
が非常に多く解析画像が膨大になる場合には、粒子検出
レベルを高くし、解析する静止粒子画像数を減らす方式
がよい。
【0064】上述の一連の画像処理を測定サンプルにつ
いて行うことにより、サンプル中の各粒子種類ごとの存
在比率、粒子数を決定することができる。これらの値か
ら、測定サンプル中の単位体積当たりの粒子濃度、また
は顕微鏡視野換算の粒子数を知る。顕微鏡視野換算の粒
子数とは、適当な倍率の顕微鏡視野に存在する平均粒子
数で、予め顕微鏡視野に相当するサンプル体積を設定す
ることが必要である。
【0065】粒子検出系の一画像粒子計数値と正規識別
処理対象粒子の対応を付けたのち、静止粒子画像に残っ
ている粒子について別枠識別処理を実行する場合、測定
精度を保持するのに必要な画像処理されるサンプル体積
が必要である。しかし、粒子検出系で検出された粒子数
が少ない場合には、十分な静止粒子画像数を確保するこ
とができず、結果として画像処理されるサンプルの体積
が十分とれないことがある。
【0066】別枠識別処理は、撮像された静止粒子画像
にもとずいて解析処理を行うため、もとの正規識別処理
対象粒子がサンプル中に存在する割合が少ない場合に
は、画像処理したサンプル体積をもとに別枠識別処理の
粒子濃度を算定することから、誤差が多くなる危険性が
ある。このことは、サンプル中に粒子が余り存在しない
ためであり、解析精度に問題があるわけではない。
【0067】このように画像処理されるサンプルの体積
が十分取れない場合に別枠識別を行うには、測定精度が
十分取れないがことから、別枠識別処理を中止するか、
または別枠識別処理を行っても測定精度が悪いこと、デ
ータが信頼できないことをオペレータに知らせることが
必要である。ただし、別枠識別処理される粒子の中で、
特に重要な粒子が存在する場合については測定精度に関
係なく報告しなければならない。
【0068】別枠識別処理した全粒子数を計数し、予め
設定した粒子数以上に達しておれば、別枠識別処理結果
を有効と判断する。その粒子数に達していなければ、無
効と判断するか、またはどの程度の測定精度かを表示す
ることにより測定結果の有効性を決定する。この場合、
個々の種類別の粒子数再現性を判断基準にしても良い
し、単に処理画像数を基準にとっても良いし、別枠識別
処理のサンプル体積を基準に考えても良い。これらの判
断基準は、予め測定する前に設定することが必要であ
る。
【0069】さらに、別枠識別処理における測定結果
が、上述した判断基準に満たない場合には、オペレータ
に知らせる手段が必要である。測定結果の後に、コメン
トを付けたり、記号を付けて表示するのがよい。
【0070】また、別枠識別処理における危険性より
も、一個でも特定粒子が存在することにより重要な情報
をオペレータに提供する粒子に対しては、分類結果をそ
のまま出力する。このようにして、例外粒子に対して測
定結果が得られないという問題を生じさせない。
【0071】また、別枠識別処理で処理した粒子の中に
正規識別処理対象粒子が存在する場合、単位体積当たり
の粒子濃度に計算した後、正規識別処理粒子に組み入れ
ることにより、粒子の分類精度を改善する。この場合に
も、別枠識別処理における測定精度の危険性を考慮して
正規識別結果に組み入れるため、組入れによって測定精
度の低下はない。
【0072】全ての粒子検出により撮像された画像につ
いて、対応づけされた正規識別処理対象粒子を選別し、
別枠識別処理を実行することにより、粒子検出された全
粒子による分類個数、分類比率を知ることができる。
【0073】これまでの説明では、同一解析サンプルに
対して解析条件は一定として考えてきたが、実際のサン
プル解析においては、解析モードを変えて実施すること
がある。
【0074】このような解析モードが複数個の場合に
も、それぞれの解析モードについて上述した正規識別処
理、別枠識別処理を行わせる。例えば、ある種類の粒子
について、第1の解析モードでは別枠識別対象粒子を、
第2の解析モードでは正規識別対象粒子にするように解
析を行えば、解析終了後、個々の解析モードの分類識別
結果を総合して、1解析サンプル全体の粒子解析結果と
して整理することにより解析精度の改善をする。
【0075】また、測定条件が異なる場合や解析対象粒
子の範囲が異なる場合のように、異なる複数の測定モー
ドを有する場合には、それぞれに異なった粒子検出条
件、すなわち、粒子検出信号のパルスレベルやパルス幅
の所定の値を変更するでき、結果として、粒子検出条件
を最適にする事ができる。
【0076】さらに、異なる複数の測定モードにおい
て、異なる粒子検出条件に対応して、粒子解析部の対応
させる複数の所定粒子サイズの値を有し、かつ変更する
手段を有する事ができるため、測定条件の多様性が増
し、粒子解析精度の改善を図ることができる。
【0077】粒子検出には、粒子からの形態情報、色彩
情報、蛍光情報又はこれらの組み合わせを情報を用いて
もよい。
【0078】本発明の実施例を図1、2および3を参照
しながら説明する。
【0079】図1は本発明の一実施例に係るフロー式粒
子画像解析装置の概念図、図2は図1の実施例における
粒子数解析部の構成を示すブロック図、図3は図2の粒
子解析部の処理内容を説明するフローチャト図である。
【0080】図1において、100はフローセル、10
1は画像撮像手段、102は粒子検出手段、103は粒
子解析手段、1はフラッシュランプ、1aはフラッシュ
ランプ駆動回路、2はフィールドレンズ、3は顕微鏡コ
ンデンサレンズ、5は顕微鏡対物レンズ、6は結像位
置、7は投影レンズ、8はTVカメラ、11は視野絞
り、12は開口絞り、14は微小反射鏡、15は半導体
レーザ、17はコリメータレンズ、18はシリンドリカ
ルレンズ、19は反射鏡、20はビームスプリッタ、2
1は絞り、22は光検出回路、23はフラッシュランプ
点灯制御回路、24はAD変換器、25は画像メモリ、
26は画像処理制御回路、27は特徴抽出回路、28は
識別回路、29は中央制御部、40は粒子数解析部、5
0は表示部である。
【0081】図1において、本実施例に係るフロー式粒
子画像解析装置は粒子を懸濁させた液体サンプルが供給
されるフローセル100と、フローセル100中を流れ
るサンプル中の粒子を撮像する画像撮像手段101と、
撮像された画像から粒子を検出する粒子検出手段102
と、検出された粒子を分析する粒子解析手段103とを
備えている。
【0082】フローセル100にはサンプル110と共
にシース液111が供給され、サンプル110がシース
液111に包まれる流れを形成する。そしてサンプル流
れ110は画像撮像手段101(後述)の顕微鏡光軸9
(後述)に対して垂直方向に偏平な断面形状を有する安
定した定常流、いわゆるシースフローとなり、フローセ
ル100の中心を紙面の上方から下方へ向かって流下す
る。このサンプル流れ110の流速は中央制御部29
(後述)により制御される。
【0083】画像撮像手段101は顕微鏡としての機能
を有し、パルス光源であるフラッシュランプ1と、フラ
ッシュランプ1を発光させるフラッシュランプ駆動回路
1aと、フラッシュランプ1からのパルス光束を平行に
するフィールドレンズ2と、フィールドレンズ2からの
平行なパルス光束10をフローセル100内のサンプル
液流れ110に集束させる顕微鏡コンデンサレンズ3
と、フローセル100内のサンプル流れ110に照射さ
れたパルス光束を集光し結像位置6に結像させる顕微鏡
対物レンズ5と、投影レンズ7を介して投影した結像位
置6の粒子像を、いわゆるインターレース方式により取
り込み電気信号である画像データ信号に変換するTVカ
メラ8と、パルス光束10の幅を制限する視野絞り11
および開口絞り12とを具備している。TVカメラ8と
しては、残像の少ないCCDカメラ等が一般に用いられ
る。
【0084】粒子検出手段102は検出光としてのレー
ザ光を発する検出光源である半導体レーザ15と、半導
体レーザ15からのレーザ光を平行なレーザ光束14に
するコリメータレンズ16と、コリメータレンズ16か
らのレーザ光束14の一方向のみを集束させるシリンド
リカルレンズ17と、シリンドリカルレンズ17からの
レーザ光束14を反射させる反射鏡18と、顕微鏡コン
デンサレンズ3とフローセル100との間に位置し、前
記反射鏡18からのレーザ光束14をサンプル液流れ1
10上の画像取り込み領域の上流側近傍に導く微小反射
鏡19とから構成されている。さらに、粒子によるレー
ザ光束14の散乱光を集光する顕微鏡対物レンズ5(こ
の顕微鏡対物レンズ5は、画像撮像手段101の結像用
の顕微鏡対物レンズ5と共用される)と、顕微鏡対物レ
ンズ5で集光された散乱光を反射させるビームスプリッ
タ20と、ビームスプリッタ20からの散乱光を絞り2
1を介して受光し、その強度に基づく電気信号を出力す
る光検出回路22と、光検出回路22からの電気信号に
基づいて前記フラッシュランプ駆動回路1aを作動させ
るフラッシュランプ発光制御回路23とを具備してい
る。
【0085】粒子解析手段103はTVカメラ8から転
送された画像データ信号をデジタル信号に変換するAD
変換器24と、AD変換器24からの信号に基づくデー
タを所定のアドレスに記憶する画像メモリ25と、画像
メモリにおけるデータの書き込みおよび読み出しの制御
を行う画像処理制御回路26と、画像メモリ25からの
信号に基づき画像処理を行い粒子数や分類を行う特徴抽
出回路27と、識別回路28と、中央制御部29と、サ
ンプル110中の粒子数を決定する粒子数解析部40
と、画像処理の結果である粒子数や分類を表示する表示
部50とからなっている。
【0086】中央制御部29はTVカメラ8の撮影条件
や前記フローセル100のサンプル流れの条件、画像処
理制御回路26の制御、識別回路28からの画像処理結
果の記憶、粒子数解析部40とのデータの授受、表示部
50への表示等を行うように構成されている。
【0087】次に、図2を参照して、粒子数解析部40
の構成について説明する。図中、図1と同一符号は、同
等部分であるので、詳細な説明を省略する。
【0088】図2において、41はパルスレベル検出
部、42はパルス幅検出部、43は全粒子計数回路、5
0は表示部、61は1粒子画像サイズデータ格納部、6
2は粒子分類結果格納部、63は全画像数計数部、64
は解析条件設定部、65はサイズ比較部、66は所定サ
イズデータ格納部、67は粒子分類結果対応部、68は
正規分類結果処理部、69は別枠分類結果処理部、70
は分類結果集計部である。
【0089】粒子数解析部40を構成するパルスレベル
検出回路41は光検出回路22からの所定の信号レベル
以上の粒子検出信号を検出する。
【0090】また、パルス幅検出部42は、パルスレベ
ル検出部41の出力信号のうち所定のパルス幅以上の粒
子検出信号を検出する。全粒子計数回路43は所定の信
号レベル以上あって、かつ、パルス幅が所定の値以上の
全解析時間中の全検出粒子数を計数する。
【0091】さらに、解析条件設定部64にはサンプル
解析条件を、全画像計数部63には全画像計数量、すな
わち、1画像処理するごとに1増加する計数量を、粒子
分類結果格納部62には1粒子画像処理した粒子画像の
粒子分類結果を、1粒子画像サイズデータ格納部61に
は分類された各粒子の粒子サイズ特徴量であるパラメー
タ・データをそれぞれ中央制御部29よりセットされる
ようになっている。
【0092】さらに、検出粒子の検出サイズに対応する
所定サイズ値を所定サイズデータ部格納部66に格納し
ており、1粒子画像サイズデータ格納部61の値と比較
するのがサイズ比較部65である。サイズ比較部65の
比較結果をもとにして、粒子分類結果対応部67でサイ
ズが大きければ正規検出粒子、小さいものが別枠分類粒
子と判断される。
【0093】このデータ対応部67の結果をもとにし
て、粒子分類結果部62にセットされている粒子分類結
果を、粒子分類結果対応部67により正規識別処理の対
象粒子と別枠識別処理の対象粒子とに選別し、各々正規
分類結果処理部68又は別枠分類結果処理部69にセッ
トする。
【0094】最後に、全粒子数を計数する全粒子係数回
路43、全処理画像数を計数する全画像数計数部63、
解析条件設定部64、正規分類結果部68および別枠分
類結果部69の粒子識別処理結果をもとにして、分類結
果集計部70において最終処理結果がまとめられるよう
になっている。その結果は、前記中央制御部29に伝送
され、必要に応じて前記表示部50に出力表示される。
【0095】上記構成のフロー式粒子画像解析装置の働
きを説明する。まず、画像撮像手段101と、粒子検出
手段102との動作を説明する。半導体レーザ15は常
時連続的に発振しており、つねにサンプル110中の粒
子が検出領域を通過するのを観測している。半導体レー
ザ15からのレーザ光束14はコリメータレンズ16に
おいて平行なレーザ光束に変換され、シリンドリカルレ
ンズ17において光束14の1方向のみ集束される。
【0096】レーザ光束14は反射鏡18および微小反
射鏡19で反射されフローセル100内のサンプル流れ
110上に照射される。この照射位置はシリンドリカル
レンズ17によってレーザ光束14が集束する粒子検出
位置であり、サンプル流れ110上の画像取り込み領域
の上流側近傍の位置である。
【0097】解析対象である粒子が上記レーザ光束14
を横切ると、このレーザ光束14は散乱される。そのレ
ーザ光束の散乱光はビームスプリッタ20で反射され、
光検出回路22において受光され、その強度にもとづく
電気信号に変換される。
【0098】さらに、光検出回路22出力は粒子数分析
部40に送られ、信号のうち所定のレベル、所定のパル
ス幅以上のものを、検出粒子とみなし、結果をフラッシ
ュランプ点灯制御回路23に伝える。
【0099】粒子検出がなされると、画像処理対象粒子
が通過したものとし、検出信号はフラッシュランプ発光
制御回路23に伝送される。所定の遅延時間は粒子検出
位置と画像取り込み領域との距離およびサンプル110
の流速等により決定される。
【0100】フラッシュ発光信号が前記フラッシュラン
プ駆動回路1aに伝送されると、フラッシュランプ駆動
回路1aは前記フラッシュランプ1を発光させる。フラ
ッシュランプ1より発せられたパルス光は顕微鏡光軸9
上を進み、フィールドレンズ2により平行光となり、顕
微鏡コンデンサレンズ3により集束されてフローセル1
00内のサンプル流れ110上に照射される。
【0101】なお、視野絞り11および開口絞り12に
よりパルス光束10の幅が制限される。
【0102】フローセル100内のサンプル流れ110
に照射されたパルス光束は顕微鏡対物レンズ5で集光さ
れ、結像位置6に像を結像する。この結像位置6の像は
投影レンズ7によりTVカメラ8の撮像面上に投影さ
れ、インターレース方式により画像データ信号に変換さ
れる。このようにして、サンプル110内の粒子の静止
粒子画像が撮像されたことになる。TVカメラ8におけ
る撮像条件は、中央制御部29に予め設定されており、
この撮像条件によって前記TVカメラ8の撮像動作が制
御される。
【0103】粒子解析手段103について説明する。T
Vカメラ8により撮像され、インターレース方式により
変換される画像データ信号はAD変換器24でデジタル
信号に変換され、これにもとづくデータが、画像処理制
御回路26に制御され、画像メモリ25の所定のアドレ
スに記憶される。画像メモリ25に記憶されたデータ
は、画像処理制御回路26の制御により読み出され、特
徴抽出回路27および識別回路28に入力されて画像処
理が行われ、中央制御部29にその結果が記憶される。
中央制御部29に記憶される内容は粒子分類に用いられ
た粒子識別特徴パラメータと粒子分類結果データとであ
る。
【0104】粒子の分類識別処理は通常行われているパ
ターン認識処理により自動的に行われる。この画像処理
結果と測定条件および画像処理された画像数情報が中央
制御部29から粒子数解析部40に送られる。粒子数解
析部40においては、中央制御部29、光検出回路22
からの粒子検出信号および画像処理制御回路26からの
制御信号をもとに、検出粒子と粒子分類結果との対応関
係を調べ、最終的な粒子画像の分類識別結果のまとめが
行われる。
【0105】次に、図2を参照して粒子数解析部40を
説明する。全粒子計数回路43は光検出回路22からの
粒子検出信号をもとに、パルスレベル検出部41および
パルス幅検出部42を経て、検出粒子信号から所定のサ
イズ以上の粒子を計数し、測定終了時には全検出粒子数
を得る。
【0106】フロー式粒子画像解析を説明する。解析条
件設定部64に設定されるサンプル解析条件のデータは
分類結果集計部70における処理内容によって決められ
る。基本的には、解析サンプル体積、解析時間、一静止
粒子画像相当のサンプル体積、顕微鏡一視野相当のサン
プル体積、解析モード等のデータが必要であるが、分類
処理内容によっては上述したデータの中で省略してもよ
い事項もある。
【0107】全画像計数部63では1画像処理するごと
に計数量が1増加され、解析終了時には解析時間内に画
像処理した全画像数が記憶されている。1粒子分を画像
処理した静止粒子画像の粒子分類結果は識別回路28お
よび中央制御部29を経て粒子分類結果部62にセット
される。同時に、その分類された各粒子の分類識別に使
用した特徴量の中で、粒子検出系の検出原理に一番近い
特徴量を1粒子画像サイズデータ61にセットする。こ
れは検出系による粒子検出条件と対応づけるために必要
である。
【0108】次に、1粒子画像サイズデータ61にセッ
トされた粒子サイズ情報と、予め粒子検出系で設定した
粒子検出条件に対応する所定粒子サイズ部66に設定さ
れた値とサイズ比較部68で、サイズ比較する。サイズ
比較部68の比較結果は粒子分類結果対応部67にて、
所定サイズより大きければ正規分類粒子、小さければ別
枠分類粒子の対応づけを行う。その結果はそれぞれ正規
分類結果処理部68および別枠分類結果処理部69で集
計される。正規分類結果部68および別枠分類結果部6
9では、それまでに識別分類されている結果に加算する
操作が行われる。
【0109】一つのサンプルの解析が終了すると、解析
サンプルに関する粒子検出レベル以上の全粒子数が全粒
子計数回路41、画像処理された全画像数が全画像数計
数部63、正規識別処理対象粒子の分類累計数が正規分
類結果部68に、さらに別枠識別処理対象粒子の分類累
計数が別枠分類結果部69に格納されていることにな
る。
【0110】最終的に、この正規分類結果処理部68お
よび別枠分類結果処理部69で集計結果をもとにして、
解析条件設定部64の解析条件、全画像数計数部63の
全画像枚数データに関する情報を使って、分類結果集計
部70にて、粒子分類数、粒子濃度、顕微鏡視野換算粒
子数などの計算を行う。分類結果集計部70にて最終結
果として整理され、その結果は中央制御部29に返さ
れ、必要に応じて表示部50に出力表示される。
【0111】図4に示したフローチャートにより粒子解
析の順序を説明する。
【0112】ステップ1において、粒子サンプルの解析
が開始されると、始めに解析条件が解析条件設定部64
にセットされる。セットされる解析条件は、正規分類と
別枠分類との区分、解析時間、解析量、分類種類、解析
モード等である。
【0113】ステップ2において、粒子検出・画像処理
の一連の処理がサンプル全体について終了しているか、
どうか判断され、終了していなければステップ3に進
む。
【0114】ステップ3において、1粒子画像について
粒子検出、粒子画像撮像、粒子特徴抽出および粒子分類
識別を実行されステップ4に進む。
【0115】ステップ4において、1粒子画像について
のうち粒子検出条件に相当する粒子サイズに関する特徴
パラメータデータを設定取り出しを行う。ステップ5に
進む。
【0116】ステップ5において、ステップ4で求めた
画像上での粒子細事データと予め設定されている所定粒
子サイズと比較を行う。所定サイズより大きければ、ス
テップ6の正規分類結果処理へ、所定サイズより小さけ
れば、ステップ7の別枠分類結果処理へ進む。
【0117】ステップ6において、正規識別処理対象粒
子の解析結果を粒子種類ごとに加算・集計処理が正規分
類結果処理部68にて行われ、ステップ2に戻る。
【0118】ステップ7においては、別枠識別処理対象
粒子の解析結果を粒子種類ごとに別枠分類結果処理部6
9にて加算・集計処理が実行されステップ2にもどる。
ステップ2においては、上記粒子検出・画像処理の一
連の処理が全て終了するまで繰り返される。サンプルの
解析が全て終了すると、ステップ8に進む。
【0119】ステップ8においては、分類結果集計部7
0においては、全粒子計数回路41により解析サンプル
に関する粒子検出レベル以上の全粒子数、全画像数計数
部63により画像処理された全画像数が設定され、ステ
ップ9に進む。
【0120】ステップ9においては、正規識別処理対象
粒子の分類累計数が正規分類結果処理部68、別枠識別
処理対象粒子の分類累計数が別枠分類結果処理部69に
それぞれ格納されているデータを読みだし、分類結果集
計部70にて正規識別処理・別枠識別処理の集計処理を
行い、解析サンプル中の粒子数を決定し、ステップ10
に進む。
【0121】ステップ10においては、別枠識別処理を
した粒子数と画像処理したサンプル体積によって解析誤
差が大きくなること予想される場合があるので、別枠識
別処理結果のチェックを行い粒子数を決定し、ステップ
11に進む。
【0122】ステップ11においては、正規識別処理結
果および別枠識別処理結果の各粒子数から各粒子の存在
比率を計算する。次に、正規識別処理対象粒子に関して
は、全検出粒子数を前記存在比率に掛けることによりサ
ンプル中の検出粒子に関する存在個数を決定する。
【0123】次に、別枠識別処理結果については、まず
全処理画像数と一静止粒子画像相当サンプル体積より、
画像処理したサンプルの総体積を計算し、この中に各別
枠識別処理対象粒子の存在比率にもとずき、解析サンプ
ルの全体積の粒子数を決定する。
【0124】前記正規識別処理および別枠識別処理によ
るそれぞれの結果をもとに、両者に重複して存在する粒
子については一つの粒子種類に整理し、また解析対象外
粒子は捨てられる。これらの解析結果を基にして、サン
プル中の粒子濃度計算、視野換算粒子数計算を行われ、
ステップ12に進む。
【0125】ステップ12においては、分析結果を出力
して終了する。
【0126】データの有効・無効の判断は別枠識別処理
した粒子数と画像処理したサンプル体積粒子数をもとに
決められる。これらの判断基準は、予め解析する前に設
定することが必要であるが、例えば解析開始時の解析条
件設定で実施しても差し支えない。
【0127】粒子分類結果69において、粒子検出系の
画像粒子と正規識別処理対象粒子の対応を付けた後、撮
像された静止粒子画像に残存している未処理粒子につい
て分類識別処理を実行する。これらの未処理粒子は粒子
検出系で検出されていないが、撮像された静止粒子画像
に存在する粒子である。しかし、これらの未処理粒子の
中には重要な粒子が含まれていることがあり、その情報
を捨ててしまうことはできない。
【0128】未処理粒子のサンプル中での濃度、数量を
確定するには、単位体積当たりの個数、実際には、全画
像を処理した後の全画像に相当するサンプル体積当たり
の粒子数計算し、さらに、全測定サンプル当たりに換算
し直すことで、サンプルに占める粒子数、粒子数比率等
が決められる。このように、画像処理したサンプルに相
当するサンプル体積を計算するが必要である。
【0129】測定終了時に、分類結果集計部70にて正
規識別処理と別枠処理との結果を組み合わせて、最終結
果とする。
【0130】別枠識別結果の中には、本来正規識別結果
に含まれるべき粒子が存在し、正規識別結果に加える必
要がある。正規識別処理に入らないが例外的に重要な粒
子が含まれる場合にも、結果として報告する。
【0131】粒子検出系の画像粒子と正規識別対象粒子
の対応を付けた後、静止粒子画像に残っている粒子につ
いて別枠識別処理を実行する場合、測定精度を保持する
のに必要な画像処理されるサンプル体積が必要である。
しかし、粒子検出系で検出された粒子数が少ない場合に
は、十分な静止粒子画像数を確保することができず、結
果として画像処理されるサンプルの体積が十分とれない
ことがある。
【0132】別枠識別処理は撮像された静止粒子画像に
もとづいて解析処理を行うため、もとの正規識別処理対
象粒子がサンプル中に存在する割合が少ない場合には、
画像処理したサンプル体積をもとに別枠識別処理の粒子
濃度を算定することから、誤差が多くなる危険性があ
る。このことは、サンプル中に粒子があまり存在しない
ためであり、解析精度に問題があるわけではない。
【0133】このように、画像処理されるサンプルの体
積が十分とれない場合に別枠識別を行うには、測定精度
が十分にとれないことから、別枠処理を中止するか、又
は、別枠識別処理を行っても測定精度が悪いこと、デ−
タが信頼できないことをオペレ−タに知らせる必要があ
る。ただし、別枠識別処理される粒子に中で、特に重要
な粒子が存在する場合については測定精度に関係なく報
告しなければならない。
【0134】別枠識別処理した全粒子数を計数し、予め
設定した粒子数以上に達しておれば、別枠識別処理結果
を有効と判断する。その粒子数に達していなければ、無
効と判断するか、又は、どの程度の測定精度かを表示す
ることにより測定結果の有効性を決定する。この場合、
個々の種類別の粒子数再現性を判断基準にしてもよい
し、単に処理画像数を基準にとってもよいし、別枠識別
処理のサンプル体積を基準に考えてもよい。これらの判
断基準は、予め測定する前に設定することが必要であ
る。
【0135】さらに、別枠識別処理における測定結果
が、上述した判断基準に満たない場合には、オペレ−タ
に知らせる手段が必要である。測定結果の後に、コメン
トを付けたり、記号を付けて表示するのがよい。
【0136】また、上述した別枠識別処理における危険
性よりも、1個でも特定粒子が存在することにより重要
な情報をオペレ−タに提供する粒子に対しては、分類結
果をそのまま出力する。このようにして、例外粒子に対
して測定結果が得られないという問題を生じさせない。
【0137】また、上述した別枠識別処理で処理した粒
子の中に正規識別処理対象粒子が存在する場合、単位体
積当たりの粒子濃度に計算した後、正規識別処理粒子に
組み入れることにより、粒子の分類精度を改善すること
ができる。この場合にも、上述した別枠識別処理におけ
る測定精度の危険性を考慮して正規識別結果に組み入れ
るため、組入れによって測定精度の低下はない。
【0138】すべての粒子検出により撮像された画像に
ついて、対応付けされた正規識別処理対象粒子を選別
し、別枠識別処理を実行することにより、粒子検出され
た全粒子による分類個数、分類比率を知ることができ
る。
【0139】複数測定モ−ドが存在する場合について次
に述べる。これまでの記述では、粒子解析の測定モ−ド
は1つとした場合について説明した。実際の粒子測定に
おいては、同一の測定サンプルに対して複数の測定モ−
ドでの測定が実施される場合がある。このときは、各測
定モ−ドについて解析を行い、全測定モ−ドの解析終了
後、全デ−タを総合することができる。
【0140】例えば次のような測定モ−ドを設定するこ
とができる。
【0141】測定モ−ド1:測定対象粒子をサンプル中
の全粒子とする。
【0142】測定モ−ド2:測定対象粒子をサンプル中
の一定サイズより大きい粒子とする。
【0143】次のような測定モ−ドであってもよい。
【0144】測定モ−ド1:粒子サイズの小さなものを
対象とする。
【0145】測定モ−ド2:粒子サイズの大きなものを
対象とする。
【0146】さらに、測定対象粒子を限定したり、サイ
ズを限定したり、染色条件や蛍光発光強度おの違いを強
調した複数の測定モ−ドも考えられる。
【0147】このような複数の測定モ−ドでは、各測定
モ−ドごとに粒子検出条件、粒子画像からの対応させる
粒子特徴量、サンプル流量条件、測定時間、光学系の像
倍率を初めとする構成条件を切換える必要が生じる。
【0148】解析条件設定部64には測定体積、サンプ
ル中を流れる流速条件、1画像相当の体積、測定時間等
の測定条件が設定される。また、測定モ−ドごとに、パ
ルスレベル検出部41およびパルス幅検出部42のレベ
ルとパルス幅の条件を設定し直す必要がある。また、所
定粒子サイズデ−タ格納部66には粒子検出条件に対応
する特徴抽出された粒子画像のパラメ−タの大きさが、
測定モ−ドごとに設定し直される。
【0149】また、サンプルの流速が変化するモ−ドの
場合は、フラッシュランプ点灯制御回路23において、
粒子検出からランプ点灯までの時間を変更させる必要も
ある。 以上のように、異なる複数の測定モ−ドにおい
て、異なる粒子検出条件に対応して、粒子解析部の対応
させる複数の所定サイズの値を有し、かつ変更する手段
を有することができるため、測定条件の多様性が増し、
粒子解析精度の改善を図ることができる。
【0150】複数の解析モードで、サンプルを解析する
場合には、各解析モードにおいて操作を実行し、最終段
階で各モードの解析データを総合し最終結果とする。
【0151】この場合、測定条件が異なる場合や解析対
象粒子の範囲が異なる場合のように、異なる複数の測定
モードを有する場合には、それぞれに異なった粒子検出
条件、すなわち、粒子検出信号のパルスレベルやパルス
幅の所定の値を変更する。
【0152】さらに、異なる複数の測定モードにおい
て、異なる粒子検出条件に対応して、粒子解析部の対応
させる複数の所定粒子サイズの値を有し、かつ変更する
手段を持たせる事により、測定条件の多様性が増し、粒
子解析精度の改善を図ることができる。
【0153】静止粒子画像を撮影するためのフラッシュ
ランプ光による粒子検出信号の誤計数を防ぐ手段が必要
である。このためには、フラッシュランプ発光による影
響を取り除く手段がいる。方法としては、フラッシュラ
ンプ光が粒子検出器に到達しないように光学系を考える
か、電気的にフラッシュランプ信号を計数しないように
する。逆に、フラッシュランプ光も検出し、解析終了時
にランプ発光回数分差し引く方法で誤計数分を補正して
も差し支えない。これは、一画像粒子数および全粒子数
の計数結果に対して実施される。
【0154】本発明の一実施例に係るフロー式粒子画像
解析方法およびフロー式粒子画像解析装置は、液体中に
懸濁した生物サンプルや細胞、血液中の赤血球や白血球
などの血球成分、または尿中に存在する尿沈渣成分の分
類および分析に有効である。特に、尿中の尿沈渣成分の
粒子数の計数や粒子の分類においては、サンプルごとに
存在する粒子数は数桁以上違う場合があるため、粒子検
出手段による検出した粒子に対し画像処理することは、
サンプル液中の粒子数情報を知る上で効果的である。
【0155】しかし、尿沈渣成分では粒子の種類と大き
さが非常にバラエティに富み、粒子検出系の検出粒子と
静止粒子画像中の粒子との対応を正確にとることができ
ないが、本実施例により、正確な粒子計数、粒子分類、
粒子濃度を解析できる。
【0156】なお、上記実施例では、フローセル中を連
続して流れているサンプルに含まれている粒子の静止画
像を撮像し、その画像解析を行う場合について述べた
が、顕微鏡下で連続して移動しているスライド標本の粒
子画像解析にも応用することができる。
【0157】また、粒子検出系の粒子検出として、半導
体レーザからのレーザ光束を検出光として用い、粒子で
散乱されたレーザ光束を利用する場合について述べた
が、これに限らず粒子からの蛍光や透過光を利用するこ
ともできるし、一次元イメージセンサにより粒子を検出
する方法や、粒子通過による電気抵抗変化により粒子を
検出する方法を利用することもできる。
【0158】さらに、粒子検出として、サンプル粒子が
粒子検出系を通過する時間、すなわち電気信号に変換さ
れた検出パルス信号のパルス幅を用いる場合には、粒子
の流れ方向のサイズ情報を反映させることができる。
【0159】レーザ光束をよぎる粒子通過時間を粒子検
出の基準と考える場合には、レーザ光束の広がりを考慮
して、粒子検出サイズを決めなければならない。レーザ
光束の広がりを差し引いた値を粒子検出パルス幅と定め
るか、又は、画像処理した粒子サイズの値を再し引いて
サイズ比較を実施する必要がある。しかし、粒子検出系
の粒子検出と撮像された静止粒子画像とを対応させる場
合は、粒子直径情報または射影情報が適切である。
【0160】粒子検出手段としては光散乱情報を使うの
が普通である。この場合は、レ−ザ集束光による粒子か
らの光散乱信号を使い、粒子検出信号のパルス幅がある
所定の値以上のものを、粒子検出信号とする。
【0161】所定のパルス幅の値としては、粒子画像処
理で対応させる粒子サイズにレ−ザ集束サイズの大きさ
分を加えたパルス幅が用いられる。検出粒子に対応す
る、粒子画像の大きさとしては、その粒子画像のサンプ
ル流れ方向の最大サイズが用いられる。
【0162】粒子検出のためには、光散乱情報以外に、
粒子からの形態情報、色彩情報、蛍光情報又はそれらの
組み合わせ情報を用いてもよい。
【0163】また、粒子画像から粒子パラメ−タを抽出
段階において抽出使用する粒子画像特徴量としても、粒
子の形態情報、色彩情報、蛍光情報又はそれらの組み合
わせ情報を用いてもよい。
【0164】測定条件が異なる場合や解析対象粒子の範
囲が異なる場合のように、異なる複数の測定モ−ドを有
する場合には、それぞれ異なった粒子条件、すなわち、
粒子検出信号のパルスレベルやパルス幅の所定の値を変
更することができるようにしてもよい。
【0165】さらに、異なる複数の測定モ−ドにおい
て、異なる粒子検出条件に対応して、粒子解析段階のサ
イズを対応させる所定粒子サイズの値を複数有し、かつ
変更する手段を設けてもよい。
【0166】粒子画像識別特徴量として、測定粒子の形
態情報、色彩情報、蛍光情報又はこれらの組み合わせ情
報を使用することができるし、それに応じて、粒子検出
系の粒子検出条件を変更してもよい。具体的には、粒子
画像から、粒子の大きさ、面積、直径、周囲長、射影像
等の形態情報、粒子濃度、色彩情報、粒子内構造、蛍光
強度等の特徴量が用いられてよい。
【0167】生物細胞のように、細胞核、細胞内顆粒等
の存在等のの情報を使うこともできる。
【0168】なお、これまでは画像取り込みにおいてT
Vカメラ撮像方式としてインターレース走査について説
明したが、ノンインターレース走査方式でも発明の作
用、効果は変わらない。
【0169】以上の説明から、粒子検出系と画像撮像系
とをそれぞれ具備し、粒子検出系の原理と画像撮像系の
粒子画像識別の原理とが異なるフロー式粒子画像解析方
法およびフロー式粒子画像解析装置において、検出粒子
と静止粒子画像中の粒子との対応をさせ、粒子検出系の
検出粒子以外の粒子が画像撮像系の静止粒子画像中に存
在しても、サンプル中の各種類の粒子個数、粒子存在比
率、粒子密度、濃度の情報を正しく知ることができ、解
析精度の良好なフロー式粒子画像解析方法およびフロー
式粒子画像解析装置が提供され得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るフロー式粒子画像解析
装置の概念図。
【図2】図1の実施例における粒子数解析部の構成を示
すブロック図。
【図3】図2の粒子数解析部の処理内容を説明するフロ
チャート図である。
【符号の説明】
1:フラッシュランプ、1a:フラッシュランプ駆動回
路、2:フィールドレンズ、3:顕微鏡コンデンサレン
ズ、5:顕微鏡対物レンズ、6:結像位置、7:投影レ
ンズ、8:TVカメラ、11:視野絞り、12:開口絞
り、14:微小反射鏡、15:半導体レーザ、17:コ
リメータレンズ、18:シリンドリカルレンズ、19:
反射鏡、20:ビームスプリッタ、21:絞り、22:
光検出回路、23:フラッシュランプ点灯制御回路、2
4:AD変換器、25:画像メモリ、26:画像処理制
御回路、27:特徴抽出回路、28:識別回路、29:
中央制御部、40:粒子数解析部、41:パルスレベル
検出部、42:パルス幅検出部、43:全粒子計数部、
50:表示部、 61:1粒子画像サイズデータ格納
部、62:粒子分類結果格納部、63:全画像数計数
部、64:解析条件設定部、65:サイズ比較部、6
6:所定サイズデータ、67:粒子分類結果対応部、6
8:正規分類結果処理部、69:別枠分類結果処理部、
70:分類結果集計部、100:フローセル、101:
画像撮像手段、102:粒子解析手段、103:粒子検
出手段、110:サンプル流れ、111:シース液。

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプルをフロ−セルに流し、そのフロ−
    セルの予め定められた位置を通る、予め定められた値以
    上の大きさをもつ前記サンプル中の粒子を粒子検出系に
    より検出粒子として検出するステップと、前記フロ−セ
    ルの撮像領域を通る粒子を粒子撮像系により撮像して、
    その静止画像を得るステップと、その静止画像中の、前
    記検出粒子に対応する粒子を抽出し、その抽出された粒
    子について粒子解析を行うステップとを含むフロ−式粒
    子画像解析方法。
  2. 【請求項2】前記予め定められた値は、前記粒子が前記
    予め定められた位置を通るときのその粒子の通過時間に
    もとづいて定められることを特徴とする請求項1に記載
    されたフロ−式粒子画像解析方法。
  3. 【請求項3】前記粒子検出ステップは前記予め定められ
    た位置に光を照射し、この光を前記粒子がよぎるときに
    該粒子によって散乱される散乱光信号を検出するステッ
    プを含み、前記通過時間は前記散乱光信号の予め定めら
    れたレベルにおける幅にもとづいて定められることを特
    徴とする請求項2に記載されたフロ−式粒子画像解析方
    法。
  4. 【請求項4】前記粒子検出ステップは前記散乱光信号の
    予め定められたレベルにおける幅に対応する時間幅をも
    つパルスを発生させるステップを含み、前記通過時間は
    前記パルスの時間幅によって決定されることを特徴とす
    る請求項3に記載されたフロ−式粒子画像解析方法。
  5. 【請求項5】前記静止画像中の、前記検出粒子に対応す
    る粒子の抽出を、その粒子の、前記サンプルの流れ方向
    の最大サイズにもとづいて行うことを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載されたフロ−式粒子画像解析方
    法。
  6. 【請求項6】前記粒子解析を予め定められた複数の測定
    モ−ドにおいて行い、その解析結果を総合することを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載されたフロ−式
    粒子画像解析方法。
  7. 【請求項7】前記粒子解析ステップは前記抽出された粒
    子の画像特徴量を抽出するステップを含み、その画像特
    徴抽出量は前記抽出された粒子の形態情報、色彩情報、
    蛍光情報又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載されたフロ−式粒子画
    像解析方法。
  8. 【請求項8】前記粒子検出をそれぞれ粒子検出条件が変
    更可能な複数の測定モ−ドにおいて行うことを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載されたフロ−式粒子画
    像解析方法。
  9. 【請求項9】前記粒子解析を予め定められた複数の測定
    モ−ドにおいて行い、前記予め定められた値は前記複数
    のモ−ドに対応して変更し得ることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載されたフロ−式粒子画像解析方
    法。
  10. 【請求項10】前記粒子解析ステップはサンプル体積当
    たりの粒子数又は比率のいずれかを計算し、それにもと
    づき全サンプル体積当たりの粒子数を求めるステップを
    含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載さ
    れたフロ−式粒子画像解析方法。
  11. 【請求項11】前記粒子解析ステップは測定されるサン
    プルの粒子数又は測定されるサンプル中の単位体積当た
    りの粒子濃度又は顕微鏡視野換算の粒子数のいずれかを
    求めるステップを含むことを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載されたフロ−式粒子画像解析方法。
  12. 【請求項12】前記粒子解析ステップは、前記静止画像
    中の、前記検出粒子以外の粒子を別枠として粒子解析す
    るステップを含むことを特徴とする請求項1〜12に記
    載されたフロ−式粒子画像解析方法。
  13. 【請求項13】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を
    行うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合の処理
    が定められてあることを特徴とする請求項12に記載さ
    れたフロ−式粒子画像解析方法。
  14. 【請求項14】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を
    行うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合のその
    評価手順が予め入力設定されていることを特徴とする請
    求項12に記載されたフロ−式粒子画像解析方法。
  15. 【請求項15】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を
    行うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合、前記
    別枠粒子解析を行わないことを特徴とする請求項12に
    記載されたフロ−式粒子画像解析方法。
  16. 【請求項16】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を
    行うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合、前記
    別枠粒子解析を行い、その解析に問題があることを出力
    することを特徴とする請求項12に記載されたフロ−式
    粒子画像解析方法。
  17. 【請求項17】サンプルをフロ−セルに流す手段と、そ
    のフロ−セルの予め定められた位置を通る、予め定めら
    れた値以上の大きさをもつ前記サンプル中の粒子を検出
    粒子として検出する粒子検出系と、前記フロ−セルの撮
    像領域を通る粒子を撮像して、その静止画像を得る粒子
    撮像系と、その静止画像中の、前記検出粒子に対応する
    粒子を抽出し、その抽出された粒子について粒子解析を
    行う粒子解析部とを含むフロ−式粒子画像解析装置。
  18. 【請求項18】前記予め定められた値は、前記粒子が前
    記予め定められた位置を通るときのその粒子の通過時間
    にもとづいて定められることを特徴とする請求項17に
    記載されたフロ−式粒子画像解析装置。
  19. 【請求項19】前記粒子検出系は前記予め定められた位
    置に光を照射し、この光を前記粒子がよぎるときに該粒
    子によって散乱される散乱光信号を検出する手段を含
    み、前記通過時間は前記散乱光信号の予め定められたレ
    ベルにおける幅にもとづいて定められることを特徴とす
    る請求項18に記載されたフロ−式粒子画像解析装置。
  20. 【請求項20】前記粒子検出系は前記散乱光信号の予め
    定められたレベルにおける幅に対応する時間幅をもつパ
    ルスを発生させる手段を含み、前記通過時間は前記パル
    スの時間幅によって決定されることを特徴とする請求項
    19に記載されたフロ−式粒子画像解析装置。
  21. 【請求項21】前記静止画像中の、前記検出粒子に対応
    する粒子の抽出を、その粒子の、前記サンプルの流れ方
    向の最大サイズにもとづいて行うことを特徴とする請求
    項17〜20のいずれかに記載されたフロ−式粒子画像
    解析方法。
  22. 【請求項22】前記粒子解析を予め定められた複数の測
    定モ−ドにおいて行い、その解析結果を総合することを
    特徴とする請求項17〜21のいずれかに記載されたフ
    ロ−式粒子画像解析方法。
  23. 【請求項23】前記粒子解析部は前記抽出された粒子の
    画像特徴量を抽出し、その画像特徴量は前記抽出された
    粒子の形態情報、色彩情報、蛍光情報又はそれらの組み
    合わせを含むことを特徴とする請求項17〜22のいず
    れかに記載されたフロ−式粒子画像解析装置。
  24. 【請求項24】前記粒子検出をそれぞれ粒子検出条件が
    変更可能な複数の測定モ−ドにおいて行うことを特徴と
    する請求項17〜23のいずれかに記載されたフロ−式
    粒子画像解析装置。
  25. 【請求項25】前記粒子解析を予め定められた複数の測
    定モ−ドにおいて行い、前記予め定められた値は前記複
    数のモ−ドに対応して変更し得ることを特徴とする請求
    項17〜21のいずれかに記載されたフロ−式粒子画像
    解析方法。
  26. 【請求項26】前記粒子解析部はサンプル体積当たりの
    粒子数又は比率のいずれかを計算し、それにもとづき全
    サンプル体積当たりの粒子数を求めることを特徴とする
    請求項17〜25のいずれかに記載されたフロ−式粒子
    画像解析装置。
  27. 【請求項27】前記粒子解析部は測定されるサンプルの
    粒子数又は測定されるサンプル中の単位体積当たりの粒
    子濃度又は顕微鏡視野換算の粒子数のいずれかを求める
    ことを特徴とする請求項17〜25のいずれかに記載さ
    れたフロ−式粒子画像解析装置。
  28. 【請求項28】前記粒子解析部は、前記静止画像中の、
    前記検出粒子以外の粒子を別枠として粒子解析すること
    を特徴とする請求項17〜28に記載されたフロ−式粒
    子画像解析装置。
  29. 【請求項29】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を
    行うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合の処理
    が定められてあることを特徴とする請求項28に記載さ
    れたフロ−式粒子画像解析装置。
  30. 【請求項30】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を
    行うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合のその
    評価手順が予め入力設定されていることを特徴とする請
    求項28に記載されたフロ−式粒子画像解析装置。
  31. 【請求項31】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を
    行うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合、前記
    別枠粒子解析を行わないことを特徴とする請求項28に
    記載されたフロ−式粒子画像解析装置。
  32. 【請求項32】静止画像数が少なく前記別枠粒子解析を
    行うのに十分な処理対象サンプル体積がない場合、前記
    別枠粒子解析を行い、その解析に問題があることを出力
    することを特徴とする請求項28に記載されたフロ−式
    粒子画像解析装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009008602A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Hokuto Denshi Kogyo Kk 液体中の粒子のサイズの検出方法および装置
JP2012194050A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Toyota Motor Corp 粒度測定方法及び粒度測定装置
JP2020071037A (ja) * 2018-10-29 2020-05-07 アークレイ株式会社 情報処理装置、測定システム、及びプログラム

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