JPH0952922A - メタクリル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

メタクリル樹脂組成物の製造方法

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JPH0952922A
JPH0952922A JP20871195A JP20871195A JPH0952922A JP H0952922 A JPH0952922 A JP H0952922A JP 20871195 A JP20871195 A JP 20871195A JP 20871195 A JP20871195 A JP 20871195A JP H0952922 A JPH0952922 A JP H0952922A
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JP
Japan
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methacrylic resin
weight
monomer
resin composition
meth
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JP20871195A
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English (en)
Inventor
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
Hiroshi Agari
博史 上里
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張強度や耐衝撃性等の機械的特性及び透明
性等の光学的特性に優れ、各種成形品用として好適に用
いられるメタクリル樹脂組成物の簡便な製造方法を提供
することを課題とする。 【解決手段】 重量平均分子量が10000以上である
メチルメタクリレート系ポリマー100重量部、エチル
アクリレート系モノマー30〜100重量部及び熱重合
開始剤が含有されて成る重合性組成物をスクリュー押出
機を用いてラジカル塊状重合させることを特徴とするメ
タクリル樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタクリル樹脂組
成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は、透明性等の光学的特
性や耐候性等に極めて優れると共に、機械的強度や耐熱
性等の物性バランスも良好であるため、光学製品、光学
繊維等の光関連の用途を始め、建材グレージング、エク
ステリア、看板、間仕切り等の広範囲の用途に好適に用
いられている。
【0003】一方、成形材料として見る場合、メタクリ
ル樹脂は一般的に脆いため耐衝撃性が乏しいという欠点
があり、これに対応するため、例えば、ブタジエン系や
アクリル系等のゴム状弾性を有する成分(以下、単に
「ゴム成分」と記す)をメタクリル樹脂中に溶融混練し
て均一分散させ、メタクリル樹脂の耐衝撃性を改良する
ことが行われている。
【0004】しかし、上記ゴム成分をメタクリル樹脂中
に導入する方法の場合、メタクリル樹脂とゴム成分との
屈折率が異なるため、メタクリル樹脂が本来有している
透明性等の優れた光学的特性が損なわれるという問題点
がある。
【0005】又、一般に、乳化重合で製造される上記ブ
タジエン系やアクリル系等のゴム成分粒子はメタクリル
樹脂との相溶性が乏しいため、得られる成形品の例えば
表面光沢等の外観性能を低下させる欠点もあり、これに
対応するため、通常はゴム成分粒子を化学的に変性して
多層構造とするポリマー設計が行われている。
【0006】上記ポリマー設計の具体例として、例え
ば、ブタジエンやアクリル酸エステル等を主成分とする
混合モノマーを乳化重合して得た粒子径0.1〜0.3
μm程度のゴムラテックスに、メチルメタクリレートモ
ノマーをグラフト重合して作製したグラフトゴムラテッ
クスを凝固、乾燥させた後、メタクリル樹脂と混合して
メタクリル樹脂中にゴム成分粒子を均一に分散させる方
法等が行われている。
【0007】さらに、上記ゴムラテックス関連技術にお
いて、メタクリル樹脂の成形加工性や成形品の物性等を
改良するために、特定の還元粘度を有するメチルメタク
リレート系重合体、特定の乳化剤を用いて重合されたゴ
ム含有重合体及び特定の還元粘度を有するメタクリル樹
脂を特定量含有して成る熱可塑性樹脂組成物(特開平5
−287162号公報)が提案されている。
【0008】しかし、上記前者の方法及び後者の提案に
よる方法のいずれにおいても、ゴムラテックスの乳化重
合時に用いられる乳化剤が最終的にメタクリル樹脂中に
残存するため、得られる成形品の引張強度や圧縮強度等
の機械的特性が低下するという問題点がある。又、上記
いずれの方法によってもメタクリル樹脂の製造工程が煩
雑となり、生産コストが高くなるという問題点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、引張強度や耐衝撃性等の機械的
特性及び透明性等の光学的特性に優れ、各種成形品用と
して好適に用いられるメタクリル樹脂組成物の簡便な製
造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるメタクリル
樹脂組成物の製造方法は、重量平均分子量が10000
以上であるメチルメタクリレート系ポリマー100重量
部、エチルアクリレート系モノマー30〜100重量部
及び熱重合開始剤が含有されて成る重合性組成物をスク
リュー押出機を用いてラジカル塊状重合させることを特
徴とし、そのことにより上記課題が達成される。
【0011】本発明によるメタクリル樹脂組成物の製造
方法に用いられるメチルメタクリレート系ポリマーと
は、メチルメタクリレートモノマーの単独重合体、又
は、メチルメタクリレートモノマーと該メチルメタクリ
レートモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体で
ある。
【0012】上記メチルメタクリレートモノマー(以
下、「MMA」と記す)と共重合可能なモノマーとして
は、特に限定されるものではないが、例えば、メチルア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト等のアルキル(メタ)アクリレート系モノマー、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、ヒ
ドロキシ(メタ)アクリレート、アクリル酸グリシジ
ル、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエ
チル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系モ
ノマー、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エ
チルスチレン、ジメチルスチレン、ブチルスチレン、ク
ロルスチレン等のスチレン系モノマー、酢酸ビニル、無
水マレイン酸、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、こ
れらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。尚、
ここで言う「(メタ)アクリル」とは「アクリル」又は
「メタクリル」を意味する。
【0013】MMAと上記MMAと共重合可能なモノマ
ーとの共重合割合は、特に限定されるものではないが、
MMA100重量部に対し、共重合可能なモノマー15
重量部以下であることが好ましい。MMA100重量部
に対する共重合可能なモノマーの量が15重量部を超え
ると、得られるメタクリル樹脂組成物の機械的特性や光
学的特性が低下する。
【0014】本発明によるメタクリル樹脂組成物の製造
方法に用いられる上記メチルメタクリレート系ポリマー
は、重量平均分子量が10000以上であることが必要
である。上記メチルメタクリレート系ポリマーの重量平
均分子量が10000未満であると、得られるメタクリ
ル樹脂組成物の引張強度や耐衝撃性等の機械的特性が不
十分となる。
【0015】本発明によるメタクリル樹脂組成物の製造
方法に用いられるエチルアクリレート系モノマーとは、
エチルアクリレートモノマー、又は、エチルアクリレー
トモノマーと該エチルアクリレートモノマーと共重合可
能なモノマーとの混合モノマーである。
【0016】上記エチルアクリレートモノマー(以下、
「EA」と記す)と共重合可能なモノマーとしては、特
に限定されるものではないが、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチルメタクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、
N−置換(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシ(メタ)
アクリレート、アクリル酸グリシジル、N−メチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリ
ルアミド等の(メタ)アクリル系モノマー、スチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、ジメ
チルスチレン、ブチルスチレン、クロルスチレン等のス
チレン系モノマー、酢酸ビニル、無水マレイン酸、N−
ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。
【0017】EAと上記EAと共重合可能なモノマーと
の混合割合は、特に限定されるものではないが、EA1
00重量部に対し、共重合可能なモノマー15重量部以
下であることが好ましい。EA100重量部に対する共
重合可能なモノマーの量が15重量部を超えると、得ら
れるメタクリル樹脂組成物の機械的特性や光学的特性が
低下する。
【0018】本発明によるメタクリル樹脂組成物の製造
方法においては、前記重量平均分子量が10000以上
であるメチルメタクリレート系ポリマー100重量部に
対し、上記エチルアクリレート系モノマーが30〜10
0重量部、好ましくは40〜70重量部、含有されてい
ることが必要である。
【0019】重量平均分子量が10000以上であるメ
チルメタクリレート系ポリマー100重量部に対するエ
チルアクリレート系モノマーの含有量が30重量部未満
であると、得られるメタクリル樹脂組成物の耐衝撃性が
十分に向上せず、逆に100重量部を超えると、得られ
るメタクリル樹脂組成物の機械的特性や耐熱性等が低下
し、成形材料としての機能を十分発揮しなくなる。
【0020】本発明によるメタクリル樹脂組成物の製造
方法に用いられる熱重合開始剤としては、前記エチルア
クリレート系モノマーに可溶性のものであれば良く、特
に限定されるものではないが、例えば、有機過酸化物や
アゾ化合物等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以
上が好適に用いられる。
【0021】本発明においては、上記熱重合開始剤は、
特に限定されるものではないが、1時間の半減期温度が
60〜150℃であるものが好ましい。
【0022】熱重合開始剤の上記1時間の半減期温度が
60℃未満であると、ラジカル重合反応速度が速くなり
過ぎて、暴走反応を起こす危険性がある。一旦暴走反応
が起こると、反応系の温度が異常上昇して反応の制御が
困難となり、そのような条件下で得られた重合体は、分
子量分布が低分子量側に偏るので、機械的特性や熱的特
性等が低下する。逆に熱重合開始剤の1時間の半減期温
度が150℃を超えると、ラジカル重合反応速度が遅く
なり過ぎて、メタクリル樹脂組成物の重合が十分に進行
しない。尚、ここで言う「1時間の半減期温度」とは、
「ベンゼンもしくはトルエンに溶解した物質の半減期が
1時間を示す温度」を意味し、熱重合開始剤の半減期
は、例えば、重合禁止剤の一つであるジフェニル−1−
ピクリルヒドラジルを用いて、その消失速度を紫外線吸
収スペクトルで測定することにより求めることが出来
る。
【0023】上記条件を満足する熱重合開始剤として
は、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオ
キサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、o−
メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−
トリメチルヘキサノールパーオキサイド等のジアシルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサ
ン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)−ベンゼン等のジアルキルパーオキサ
イド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン等のパーオキシケタール、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート等のアルキルパーエステル、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート等のパーカーボネート等の有機
過酸化物や、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビスシクロヘキシルニトリル等のア
ゾニトリル化合物等が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。
【0024】上記熱重合開始剤の使用量は、得られるメ
タクリル樹脂組成物に所望の特性を付与し得る分子量あ
るいは分子量分布となるように適宜設定されれば良く、
特に限定されるものではないが、一般的には、前記エチ
ルアクリレート系モノマー100重量部に対し、熱重合
開始剤0.01〜2重量部であることが好ましい。
【0025】エチルアクリレート系モノマー100重量
部に対する熱重合開始剤の量が0.01重量部未満であ
ると、ラジカル重合反応の初期に熱重合開始剤が消費さ
れ尽くしてしまうためラジカル重合反応が十分に進行せ
ず、未反応モノマーが残存し易くなり、逆に2重量部を
超えると、フリーラジカルの発生量が多くなり過ぎて、
得られる重合体の分子量が著しく低下するので機械的特
性や熱的特性等が低下する。
【0026】本発明によるメタクリル樹脂組成物の製造
方法に用いられる重合性組成物には、上述した各必須成
分以外に、本発明の課題の達成を阻害しない範囲で必要
に応じて、ガラス繊維、マイカ、タルク、クレー、炭酸
カルシウム等の無機充填材や連鎖移動剤、安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤、可塑剤、界面活性剤、
粘着付与剤、着色剤等の各種添加剤の1種もしくは2種
以上が含有されていても良い。
【0027】本発明によるメタクリル樹脂組成物の製造
方法においては、上述した各必須成分及び必要に応じて
含有される上記各種添加剤の1種もしくは2種以上が含
有されて成る重合性組成物をスクリュー押出機を用いて
ラジカル塊状重合させることが必要である。
【0028】上記スクリュー押出機によるラジカル塊状
重合の方法を具体的に述べると、先ず、混合機中に重量
平均分子量が10000以上であるメチルメタクリレー
ト系ポリマー100重量部、所定量(30〜100重量
部)のエチルアクリレート系モノマー、必要量の熱重合
開始剤、及び、必要に応じて含有される各種添加剤の1
種もしくは2種以上の必要量を投入し、常温もしくは加
温下で攪拌混合して、重量平均分子量が10000以上
であるメチルメタクリレート系ポリマーをエチルアクリ
レート系モノマーに溶解すると共に、均一な重合性組成
物溶液を作製する。
【0029】上記混合機としては、温度調節可能な加温
機能、攪拌混合機能、温度測定機能等を備えたものであ
れば良く、特に限定されるものではないが、回分式溶解
槽、攪拌用リボン羽根付き溶解槽、万能ミキサー、バン
バリーミキサー、ニーダー、ボールミル等の各種混合機
が挙げられ、いずれも好適に用いられる。
【0030】又、上記熱重合開始剤は、そのまま投入さ
れても良いし、酢酸エチル等の少量の有機溶媒に溶解し
た状態で投入されても良く、又、予め、エチルアクリレ
ート系モノマーに溶解した状態で投入されても良い。
【0031】さらに、上記で得られた重合性組成物溶液
は、ラジカル塊状重合工程に先立ち、溶液中の溶存酸素
が窒素ガス等の不活性ガスにより置換されていることが
好ましい。重合性組成物溶液中に溶存酸素が残存してい
ると、ラジカル塊状重合反応の進行が阻害されたり、オ
リゴマー等の副生成物の発生が起こる等の支障を来すこ
とがある。
【0032】次に、上記で得られた重合性組成物をスク
リュー押出機内部で適切な温度に加温して、重合性組成
物中に内在する熱重合開始剤を分解させフリーラジカル
を発生させることにより、ラジカル塊状重合反応を進行
させれば良い。
【0033】本発明によるメタクリル樹脂組成物の製造
方法に用いられる上記スクリュー押出機としては、通常
一般的に用いられるスクリュー押出機で良く、特に限定
されるものではないが、1軸スクリュー押出機、2軸ス
クリュー押出機及び3本以上のスクリューを備えた多軸
スクリュー押出機等が挙げられ、いずれも好適に用いら
れる。
【0034】上記1軸スクリュー押出機としては、特に
限定されるものではないが、一般的なフルフライト型ス
クリューを有する押出機のみならず、不連続フライト型
スクリュー、ピンバレル、ミキシングヘッド等を有する
スクリュー押出機等も挙げられ、いずれも好適に用いら
れる。
【0035】又、上記2軸スクリュー押出機としては、
特に限定されるものではないが、噛み合い同方向回転型
スクリュー押出機、噛み合い異方向回転型スクリュー押
出機、非噛み合い異方向回転型スクリュー押出機等が挙
げられ、いずれも好適に用いられる。
【0036】上記スクリューの形状は、特に限定される
ものではないが、同方向回転型なら2〜3条タイプ、異
方向回転型なら2〜8条タイプであることが好ましく、
フルフライト型を中心として、部分的にニーディングデ
ィスク、シールリング、逆ネジ、ローター等のスクリュ
ーエレメントを有しているものであっても良く、又、平
行スクリュー型もしくはコニカルスクリュー型のいずれ
であっても良い。
【0037】上記各種スクリュー型押出機のなかでも、
混練性能等を考慮すると、噛み合い(セルフワイピン
グ)同方向回転型2軸スクリュー押出機がより好適に用
いられる。
【0038】上記スクリュー押出機のバレル温度は、使
用される重合性組成物の配合組成や熱重合開始剤の種類
及び平均滞留時間等の諸条件に応じて、適宜設定調節さ
れることが好ましく、又、スクリューの軸方向に沿って
温度分布が設けられていることが好ましい。
【0039】即ち、例えば、スクリュー押出機の前段部
の温度は、エチルアクリレート系モノマーが沸騰・気化
しないと共に、熱重合開始剤が分解してフリーラジカル
を発生し得るような温度範囲に設定し、又、スクリュー
押出機の中央部の温度は、重合性組成物の重合反応が暴
走反応を起こすことなく安定的に進行し、エチルアクリ
レート系モノマーがより粘稠な重合体となり得るような
温度範囲に設定し、さらに、スクリュー押出機の後段部
の温度は、スクリュー・ポンピングが安定する完全充填
状態になり得るような温度範囲に設定する等、スクリュ
ー押出機の各区間ごとに適切な温度設定を行うことが好
ましい。
【0040】又、得られるメタクリル樹脂組成物の分子
量分布の制御等を適切に行うために、複数のスクリュー
押出機を連結して重合工程を2段もしくは多段に分割
し、例えば、エチルアクリレート系モノマーの重合転化
率が70重量%未満の初期重合工程、重合転化率が70
〜95重量%未満の後期重合工程、及び、残存エチルア
クリレート系モノマーのベントによる脱気工程等の如
く、重合工程を機能別に分割することも好ましい。
【0041】(作用)本発明によるメタクリル樹脂組成
物の製造方法は、重量平均分子量が10000以上であ
るメチルメタクリレート系ポリマーを良溶媒であるエチ
ルアクリレート系モノマーに予め均一に溶解し、熱重合
開始剤の共存下、ラジカル塊状重合させるので、得られ
るメタクリル樹脂組成物中において、メチルメタクリレ
ート系ポリマーとエチルアクリレート系ポリマーとは相
溶性良く均一に混合していると共に、エチルアクリレー
ト系ポリマーの一部はメチルメタクリレート系ポリマー
にグラフト結合している。従って、得られるメタクリル
樹脂組成物は、引張強度や耐衝撃性等の機械的特性と透
明性等の光学的特性に優れたものとなる。
【0042】又、上記ラジカル塊状重合はスクリュー押
出機を用いて行うので、有機溶媒等を使用しない高粘度
の塊状重合であるにもかかわらず、重合性組成物に対す
る熱量の分配が適切となり、均一で安定的な重合を達成
することが出来る。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め、以下に実施例を挙げる。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0044】(実施例1)
【0045】(1)重合性組成物の作製 予め、エチルアクリレートモノマーに窒素ガス(純度9
9.9重量%)を吹き込み、溶存酸素計(型式「UC−
12−SOL型」、セントラル化学社製)で測定した上
記エチルアクリレートモノマー中の溶存酸素濃度が0.
1ppmとなるまで窒素置換を行った。次いで、窒素ガ
ス雰囲気下にある攪拌用リボン羽根付き溶解槽に、表1
に示すように、重量平均分子量が70000のメチルメ
タクリレートポリマー100部及びエチルアクリレート
モノマー60部を投入し、80℃に加温した状態で攪拌
混合して、メチルメタクリレートポリマーをエチルアク
リレートモノマー中に溶解した後、25℃まで冷却し、
熱重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)0.03部(3ccの酢酸エチル
に溶解)を投入し、攪拌混合して溶解し重合性組成物を
得た。
【0046】(2)メタクリル樹脂組成物の重合 セルフワイピング型の3条スクリューエレメントとニー
ディングディスクエレメントから成るスクリュー(直径
29mm、L/D=30)を備えた噛み合い型同方向回
転2軸スクリュー押出機(型式「PCM30−30−2
V型」、池貝社製)に8mmφの円形ストランドダイを
設け、同スクリュー押出機の前段部温度を90℃、後段
部温度及びダイ温度を150℃、スクリュー回転数を6
0rpmにそれぞれ設定した。次いで、モーノポンプ
(型式「NUL型」、兵神装備社製)を用い、上記で得
られた重合性組成物を連続的にスクリュー押出機に供給
してラジカル塊状重合(押出重合)を行った後、吐出物
を110℃で2時間減圧乾燥して残存モノマーを除去
し、メタクリル樹脂組成物を得た。
【0047】(3)評価 上記で得られたメタクリル樹脂組成物を適切な形状に熱
プレス加工して試料を作製した後、その特性(引張強
度、アイゾット衝撃強度、全光線透過率)を以下の
方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであっ
た。
【0048】引張強度:ASTM D−638に準拠
して、試料の引張強度(kgf/cm2 )を測定した。
【0049】アイゾット衝撃強度:ASTM D−2
56に準拠して、試料のアイゾット衝撃強度(kg・c
m/cm)を測定した。
【0050】全光線透過率:ASTM D−1003
に準拠して、試料の全光線透過率(%)を測定した。
【0051】(実施例2)
【0052】表1に示すように、重合性組成物の作製に
おいて、エチルアクリレートモノマーの量を40部とし
たこと以外は実施例1と同様にして重合性組成物を得
た。
【0053】(比較例1)
【0054】表1に示すように、重合性組成物の作製に
おいて、エチルアクリレートモノマーの量を120部、
及び、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)の量を0.06部としたこと以外は実施例1と
同様にして重合性組成物を得た。
【0055】(比較例2)
【0056】表1に示すように、重合性組成物の作製に
おいて、エチルアクリレートモノマーの量を10部、及
び、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)の量を0.01部としたこと以外は実施例1と同
様にして重合性組成物を得た。
【0057】(比較例3)
【0058】表1に示すように、重合性組成物の作製に
おいて、重量平均分子量が70000のメチルメタクリ
レートポリマーの代わりに、重量平均分子量が8000
のメチルメタクリレートポリマーを用いたこと以外は実
施例1と同様にして重合性組成物を得た。
【0059】(比較例4)
【0060】表1に示すように、重合性組成物の作製に
おいて、エチルアクリレートモノマーの代わりに、2−
エチルヘキシルアクリレートモノマーを用いたこと以外
は実施例1と同様にして重合性組成物を得た。
【0061】(比較例5)
【0062】表1に示すように、重合性組成物の作製に
おいて、エチルアクリレートモノマーの代わりに、n−
ブチルアクリレートモノマーを用いたこと以外は実施例
1と同様にして重合性組成物を得た。
【0063】実施例2、及び、比較例1〜5で得られた
6種類の重合性組成物を用い、実施例1と同様にして、
スクリュー押出機によるラジカル塊状重合を行って6種
類のメタクリル樹脂組成物を得た。
【0064】実施例2、及び、比較例1〜5で得られた
6種類のメタクリル樹脂組成物の特性を実施例1と同様
にして評価した。その結果は表1に示すとおりであっ
た。
【0065】
【表1】
【0066】表1に示されるように、本発明の製造方法
による実施例1及び2のメタクリル樹脂組成物は、引張
強度及びアイゾット衝撃強度のいずれも高く優れた機械
的特性を有すると共に、全光線透過率も高く光学的特性
にも優れている。
【0067】これに対し、エチルアクリレートモノマー
の量が100重量部を超えている比較例1のメタクリル
樹脂組成物は、引張強度が低く、逆にエチルアクリレー
トモノマーの量が30重量部未満である比較例2のメタ
クリル樹脂組成物は、アイゾット衝撃強度が低い。
【0068】又、重量平均分子量が8000のメチルメ
タクリレートポリマーを用いた比較例3のメタクリル樹
脂組成物は、引張強度及びアイゾット衝撃強度のいずれ
も低く、さらに、エチルアクリレートモノマーの代わり
に、2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを用いた
比較例4のメタクリル樹脂組成物及びn−ブチルアクリ
レートモノマーを用いた比較例5のメタクリル樹脂組成
物は、いずれも引張強度、アイゾット衝撃強度及び全光
線透過率のすべてが悪い。
【0069】
【発明の効果】
【0070】以上述べたように、本発明の製造方法によ
れば、引張強度や耐衝撃性等の機械的特性及び透明性等
の光学的特性に優れ、各種成形品用として好適に用いら
れるメタクリル樹脂組成物を簡便に得ることが出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が10000以上である
    メチルメタクリレート系ポリマー100重量部、エチル
    アクリレート系モノマー30〜100重量部及び熱重合
    開始剤が含有されて成る重合性組成物をスクリュー押出
    機を用いてラジカル塊状重合させることを特徴とするメ
    タクリル樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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