JPH09328774A - 油圧建設機械の自動軌跡制御装置 - Google Patents

油圧建設機械の自動軌跡制御装置

Info

Publication number
JPH09328774A
JPH09328774A JP14617396A JP14617396A JPH09328774A JP H09328774 A JPH09328774 A JP H09328774A JP 14617396 A JP14617396 A JP 14617396A JP 14617396 A JP14617396 A JP 14617396A JP H09328774 A JPH09328774 A JP H09328774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boom
automatic
control
arm
work
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14617396A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Kajita
勇輔 梶田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP14617396A priority Critical patent/JPH09328774A/ja
Publication of JPH09328774A publication Critical patent/JPH09328774A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Operation Control Of Excavators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別の操作情報の入力操作を要しないため操
作の連続性が損われず、あるいは、滑らかに軌跡制御に
移行すると共に滑らかに離脱することにより、必要以上
の慎重な操作桿の操作を必要としない操作性の極めて優
れた油圧建設機械の自動軌跡制御装置を提供する。 【解決手段】 制御装置11は作業機の各回動角センサ
ー12〜14が検出したブーム16、アーム17および
バケット18の回動角の情報に基づいて、バケット18
の刃先Cの座標(x,y)を常に演算し、この刃先Cの
座標(x,y)が所定の均し作業開始位置領域R内にあ
り、圧力センサー6,7で検出したブーム上パイロット
圧pb とアーム引パイロット圧pa およびそれらの時間
変動が均し作業開始時の初動操作状態にあると判断した
時、水平引き均し作業自動軌跡制御(II)に滑らかに移
行させるための初動移行作業自動軌跡制御(I)を行
い、これらの制御の途中で、均し作業自動軌跡制御を中
止する条件が満たされたならば、通常の一般作業に滑ら
かに移るための水平引き均し作業解除自動軌跡制御(IV)
に移る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧ショベル等の油
圧建設機械の技術分野に属し、特にバケットのような作
業体の移動軌跡が所望の平面となるように自動制御する
自動軌跡制御の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】建設機械、例えば、油圧ショベルの作業
内容は多岐に亘るが、典型的な作業としては掘削作業、
積込・放土作業、均し作業等がある。これらの作業の
中、均し作業はかなり頻度の高い作業であり、しかも、
高い作業精度が要求される。図19は油圧ショベルによ
り均し作業を行う様子を示す説明図である。同図に示す
ように、均し作業はバケット18を破線で示すように十
分遠方位置まで到達させた後、アーム17を手前側に引
き込むように回動させると共に、ブーム16を始めは速
く、後にゆっくりと上昇させる複合操作を行うことによ
り、バケット18の刃先を基準面S0 または基準面S0
に平行な面に沿って移動させて、バケット18の刃先に
当接する土砂を掻き均し、平らな基準面S0 または基準
面S0に平行な面を作る作業を言う。
【0003】作業機の構成要素、例えば、ブーム16や
アーム17をそれぞれ単独で動作させた時は、矢印A,
Bで示すようにブーム16の油圧ショベル本体に対する
枢着部やアーム17のブーム16に対する枢着部の支点
を中心とする回動運動になり、バケット18の刃先は円
弧軌跡を描く。このように、本来、バケット18の刃先
に円弧軌跡を描かせるようなブーム16やアーム17等
の構成要素を複合動作させることにより、バケット18
の刃先に直線ないし平面軌跡を描かせる均し作業は、ブ
ーム16およびアーム17の動きを操作するための異な
る操作桿を独立して均衡の取れた操作量で操作して始め
て達成可能になる作業であるため、優れた出来映えの均
し作業を実現するにはかなりの熟練を要した。
【0004】操作者が未熟だと、平面を作るための均し
作業を行ったはずなのに却って大きな凹凸面を作ってし
まうこともある。図20および図21はそれぞれ未熟な
操作者が油圧ショベルを操作して均し作業を行った場合
の動作の一例を示す説明図およびその結果、形成された
作業面を示す説明図である。
【0005】図示の均し作業においては、ブーム16の
動きは自重に逆らって上昇する回動動作であるのに対
し、アーム17の動きは自重と協調して下降する回動動
作となるので、ややもすれば、図20に示すように、ア
ーム17の動きが速くなりすぎて、バケット18の刃先
が基準面S0 に食い込んでしまう。そこで、操作者は慌
ててブーム16を急上昇させるよう操作桿を操作する
が、今度はブーム16の上昇が速過ぎてバケット18の
刃先は基準面S0 から上に飛び出してしまう。このよう
な荒っぽい操作が繰り返された結果、図21に示す大き
な凹凸面SR が形成されてしまう。
【0006】このように、人手では高度な操作能力が要
求される均し作業をコンピューター制御により精密に行
わせようとする試みが従来より多数提案されている。例
えば、その中の幾つかを列挙すると、特開昭58−36
135号公報、特開昭55−30038号公報、特公平
3−13378号公報開示の発明がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、何れも平面に沿った掘削作業や均し作業を行う際に
は作業領域や作業面の設定のための操作盤の操作による
数値入力、作業機を所望の動作位置に保った状態での位
置設定入力、あるいは、自動作業開始に際しての作業開
始指令および自動作業終了に際しての作業終了指令の入
力操作を行わなければならず、これら作業は多くの場合
はそれまで行われていた重掘削作業、放土作業、吊荷作
業等の作業を中断して行われることになるため、操作者
の機械に対する操作感覚を著しく阻害すると共に、操作
桿の操作とは全く異なるこれらの入力操作は操作の連続
性を損ね、操作者に疎ましさや煩わしさを感ぜしめるこ
とになるため、折角、自動軌跡制御装置を組み込んでも
実際には使用されないことが多く、建設機械の自動制御
装置としてはあまり実用的とは言えなかった。
【0008】また、前述のように、均し作業開始時には
アームの引込み操作がアームの自重による回転モーメン
トと協調関係になるために、アーム用操作桿の操作を少
し速めただけでもアームの先端のバケット刃先は直ちに
下降し、自動軌跡制御装置がアーム操作桿の操作を検知
してアームの動きに追随してブームを上昇させ、バケッ
ト刃先を所定の平面に沿って移動させる均し作業を行わ
せるような制御をしても、油圧制御機構の動作遅れ等の
ためにブームの上昇動作がアームの動きに追随し切れず
に、図20に示したようなバケット18の刃先が基準面
0 に食い込んでしまうような軌跡になり、その後の自
動軌跡制御装置による軌跡制御の結果、未熟な操作者に
よる作業軌跡を補うためのものが、殆ど大差無い作業軌
跡しか得られないという不具合が生じる。
【0009】このような不具合の発生を防止するには、
慎重にアーム用操作桿を操作すれば、容易にブームの動
作をアームの動作に追随させることができるが、それに
より作業効率が低下するため、やはり自動軌跡制御の実
用的価値の低下を招いてしまう。本発明は従来技術にお
けるかかる不具合を解消して、そのための特別の操作情
報の入力操作や必要以上の慎重な操作桿の操作を要せ
ず、操作桿の操作による通常の軌跡形成操作を行うだけ
で所望の標準的軌跡の自動制御に滑らかに移行でき、あ
るいは、自動軌跡制御から滑らかに離脱できるため、操
作の連続性が損われず、手動操作から自動軌跡制御に移
行する、あるいは、自動軌跡制御から手動操作に移行す
る際に違和感が無く操作性の極めて優れた油圧建設機械
の自動軌跡制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、作業体の一部に設定された代表点が所定の
領域内にあるか否かを判定すると共に、操作者により操
作された操作桿の操作状態を監視して、操作桿の操作量
および操作桿の操作量の変化量が所定の範囲内にあるか
否かを判定し、その判断結果が共に然りであった時に、
該操作状態は所定の標準的な移動軌跡を描かせるための
初期操作と判断し、油圧駆動機構を制御して作業体に標
準的な移動軌跡を自動的に描かせる自動軌跡制御を開始
させ、該軌跡制御動作の途中で、代表点の標準的な移動
軌跡に対する垂直座標成分の変化量の絶対値が所定の値
より大きいと判定した時には、当初の標準的な移動軌跡
を自動的に修正する自動軌跡修正制御を行い、操作者に
より操作される操作桿がアーム用操作桿およびブーム用
操作桿であった場合に、アーム用操作桿またはブーム用
操作桿の操作量の変化量の絶対値が所定の値より大きい
か、ブーム用操作桿の上げ操作量の値が所定の値より大
きいか、アーム用操作桿またはブーム用操作桿の操作量
が極めて小さいと判定した時には、操作者は当初の標準
的な移動軌跡の自動軌跡制御の継続を意図しないものと
判断して、自動軌跡制御を終了するように制御したもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】自動軌跡制御は通常は建設機械が
搭載するマイクロコンピューター(マイコン)により行
われる。本発明において建設機械は典型的には油圧ショ
ベルであって、この場合は作業体はバケットである。油
圧ショベルにおける典型的な軌跡形成操作には地面の均
し作業がある。以下の説明では上述の典型例である油圧
ショベルによる地面の均し作業の自動軌跡制御を念頭に
置いた説明とするが、他の建設機械における他の自動軌
跡制御についても全く同様に適用できる。
【0012】操作桿の操作情報である、操作された操作
桿の操作方向および操作量の伝達手段としてはパイロッ
ト油を介在させるパイロット制御方式と電気信号を介し
て電気−機械変換を行う電気制御方式が知られている
が、何れの伝達手段によっても制御形態は本質的に変わ
らず、パイロット制御方式が一般的であることから、以
下の説明ではパイロット制御方式によるものとする。従
って、この場合は操作桿の操作量は操作桿に連結された
パイロット弁から流出するパイロット油の圧力、即ち、
パイロット圧が圧力センサーで検出した電気信号の圧力
値に変換され、自動軌跡制御はこの電気信号に変換され
たパイロット圧に基づいて、アクチュエーターに供給さ
れる作動油の方向と流量を切り替える方向切替弁のパイ
ロット受け部に伝達されるパイロット圧を減圧する、パ
イロットポンプに直結された電磁減圧弁、あるいは操作
桿に連結されたパイロット弁に直結された電磁減圧弁に
対する電流制御ということになる。
【0013】自動軌跡制御を行うには作業体の位置およ
び速度を検出しなければならないが、作業体の位置は作
業機の剛性構造体の関節部の回動角を検出する回動角セ
ンサーによりそれぞれの剛性構造体の相対角度を検出
し、検出した相対角度を基に周知の座標変換により、作
業体の立体座標をマイコンで容易に演算することができ
る。また、標準的な軌跡の自動制御を開始するための前
提条件となる作業体が存在すべき所定の領域情報と操作
桿の操作状態があるべき所定の状態情報、操作桿の操作
状態が標準的な軌跡制御からずれているか否かおよび操
作桿の操作状態が軌跡制御動作を中止すべきか否かの判
断の基になる基準情報はマイコンのメモリ内に予め格納
されている。
【0014】次に、本発明の基本動作の概要を説明す
る。図2は自動軌跡制御の動作概要を説明するための動
作概念図である。本発明における自動軌跡制御では、通
常の手動操作による一般作業と均し作業自動軌跡制御が
操作者により明確に区別されることなく実行可能な形態
で行われる。
【0015】同図に示すように、通常の手動操作による
一般作業が行われている中で(S1)、均し作業自動軌
跡制御を開始するか否かを判断する(S2)。その判断
結果が然りならば、均し作業自動軌跡制御を実行し(S
3)、手順S2の判断結果が否ならば、通常の一般作業
を継続する。均し作業自動軌跡制御を実行している間
に、常にこの均し作業自動軌跡制御を中止するか否かを
判断する(S4)。その判断結果が然りならば、均し作
業自動軌跡制御を中止して手順S1の通常の手動操作に
よる一般作業の制御に戻る。手順S4の判断結果が否な
らば、手順S3に戻って均し作業自動軌跡制御を継続す
る。手順S3の均し作業自動軌跡制御には、操作者が均
し作業の軌跡の修正を意図した操作をしたと判断した時
に、均し作業の軌跡を変更する均し作業修正制御が含ま
れる。
【0016】このように、本発明では手順S2で判断さ
れる均し作業開始条件あるいは手順S4で判断される均
し作業中止条件が満たされると、手順S1の通常の一般
手動操作作業制御から手順S3の均し作業自動軌跡制御
へ、逆に手順S3の均し作業自動軌跡制御から手順S1
の通常の一般手動操作作業制御へ随時転換できるように
なっており、従来、これらの作業制御が独立して処理さ
れていたのとは大きく異なっている。
【0017】即ち、一般作業の制御が行われている間に
操作者の操作の内容を調べて、それが一般作業を意図し
ているのか、それとも均し作業を意図しているのかを判
定して、均し作業を意図していると判断した時には直ち
に均し作業自動軌跡制御を開始して、操作者の手動操作
による均し作業の軌跡が操作者が意図した通りの軌跡と
なるようにアクチュエーターの動作を補正する制御を行
うようにしたものであり、また、均し作業自動軌跡制御
が行われている間に、均し作業を中止することを意図し
た操作が為されたと判断した時は、直ちに均し作業自動
軌跡制御を中止して、操作者の手動操作に忠実に従った
制御を行う一般作業の制御に戻るようにしたものであ
る。
【0018】次に、手順S2と手順S4で判断される均
し作業開始条件〔A〕と均し作業中止条件〔B〕につい
て説明する。まず、均し作業開始条件〔A〕について説
明する。前述のように、均し作業開始条件〔A〕は作業
体、具体的にはバケットの刃先が所定の領域、即ち、均
し作業開始位置領域に在ることの均し作業開始領域条件
〔A1〕と、操作者の操作桿の操作状態が均し作業開始
を意図したと判断できる範囲にあることの均し作業開始
操作範囲条件〔A2〕に分けられる。
【0019】始めに均し作業開始領域条件〔A1〕につ
いて説明する。図3は均し作業開始位置領域を示した説
明図である。同図において、斜線が施された領域が均し
作業開始位置領域Rである。この作業開始位置領域Rは
多数の操作者による均し作業開始時のバケットの刃先位
置を調べて統計処理し、均し作業開始頻度がかなり高い
領域として設定される。なお、この図では参考のため
に、バケットの刃先が均し作業開始位置領域R内にない
場合のバケットの初期位置が幾つか例示されている。バ
ケットの刃先位置は前述のように、回動角センサーによ
りそれぞれ検出された作業機の剛性構造体の関節部の相
対角度を基に演算される。そして、演算により得られた
バケットの刃先位置が予め設定された作業開始位置領域
R内に在るか否かの判断が均し作業開始領域条件〔A
1〕の判定内容になる。
【0020】次に、均し作業開始操作範囲条件〔A2〕
について説明する。図4は均し作業開始操作範囲条件
〔A2〕の具体的な内容を示した説明図である。均し作
業開始操作範囲条件〔A2〕は多数の操作者による均し
作業開始時の初動操作状態を調べて統計処理し、均し作
業開始頻度が大きな範囲を取ったものである。本発明者
等による上記調査の結果、均し作業開始操作範囲条件
〔A2〕はさらに3つの操作範囲条件〔A2α〕,〔A
2β〕,〔A2γ〕に分けられることが判った。即ち、
この3つの操作範囲条件〔A2α〕,〔A2β〕,〔A
2γ〕の操作内容は次の通りである。 〔A2α〕;操作者がアームおよびブームの操作桿を中
立位置またはブーム上げおよびアーム引き方向に少し操
作した状態から中程度の速さで操作量を増大させた時、 〔A2β〕;操作者がアームの操作桿をアーム引き方向
に中程度の操作量で操作した後、その操作量を維持する
か若干変化させると共に、ブームの操作桿を中立位置ま
たは中立位置から若干ブーム上げ方向に操作した状態か
ら中程度の速さで操作量を増大させた時、 〔A2γ〕;操作者がブームの操作桿をブーム上げ方向
に中程度の操作量で操作した後、その操作量を維持する
か若干変化させると共に、アームの操作桿を中立位置ま
たは中立位置から若干アーム引き方向に操作した状態か
ら中程度の速さで操作量を増大させた時、 なお、同図における図符号(a),(b),(c)はそ
れぞれ上述の操作範囲条件〔A2α〕,〔A2β〕,
〔A2γ〕に対応している。
【0021】(a)の操作範囲条件〔A2α〕では、初
動時のブーム上げおよびアーム引き方向の操作量が0ま
たは僅かなので、注目域(あ)で示したように、バケッ
トの刃先の初動位置と直線軌跡制御が行われる基準面S
0 との距離が短いため、均し作業自動軌跡制御後は速や
かに基準面S0 に沿った直線軌跡制御に移行する。
(b)の操作範囲条件〔A2β〕では、初動時のアーム
引き方向の操作量が中程度で、その操作量がほぼ維持さ
れ、初動時のブーム上げ方向の操作量が0または僅かな
ので、注目域(い)で示したように、バケットの刃先は
ある程度の距離ΔHβだけ下降した後、基準面S0 に沿
った直線軌跡制御に移行する。(c)の操作範囲条件
〔A2γ〕では、初動時のブーム上げ方向の操作量が中
程度で、その操作量がほぼ維持され、初動時のアーム引
き方向の操作量が0または僅かなので、注目域(う)で
示したように、バケットの刃先は一旦、上昇し、均し作
業自動軌跡制御によりある程度の距離ΔHγだけ下降し
た後、基準面S0 に沿った直線軌跡制御に移行する。
【0022】このように、初動時のブーム上げまたはア
ーム引き方向の操作量が中程度より大きい時は、均し作
業開始操作範囲条件〔A2〕を満足しないことになる
が、大きな慣性を有する作業機の剛性構造体を高速で動
かすような、例えば、掘削作業操作を行っている時に、
一般的にはバケットの移動方向が異なる基準面S0 に沿
った直線軌跡運動に切り替えて、正確なバケットの軌跡
形成操作を行うことは理論的にも極めて困難であり、実
際上もかかる操作が行われることは殆ど有り得ない。
【0023】一方、初動時のブーム上げおよびアーム引
き方向の操作量が共に0または僅かな値であった時も均
し作業開始操作範囲条件〔A2〕を満足しないが、この
ような場合には作業機のブームおよびアームはゆっくり
した速度で動かされるから、未熟な操作者であっても十
分正確な均し作業を行うことができ、敢えて均し作業自
動軌跡制御を行わせる必要性が乏しいため、均し作業開
始操作範囲条件〔A2〕から除かれている。従って、本
発明ではバケットの刃先が図3に示す作業開始位置領域
R内にあり、操作者の操作桿の操作状態が図4の
(a),(b),(c)に示す操作範囲条件〔A2
α〕,〔A2β〕,〔A2γ〕を満たす時、均し作業開
始条件〔A〕が満足され、図2の自動軌跡制御の概念手
順S2の判断結果が然りとなり、均し作業自動軌跡制御
が実行される。
【0024】次に、均し作業中止条件〔B〕について説
明する。この均し作業中止条件〔B〕の設定において
も、多数の操作者による均し作業実行時の操作桿の操作
状態を調べて、均し作業実行中は極めて操作頻度が少な
い3つの操作状態を均し作業中止操作条件〔Bα〕,
〔Bβ〕,〔Bγ〕としている。この均し作業中止操作
条件〔Bα〕,〔Bβ〕,〔Bγ〕の内容は次の通りで
ある。 〔Bα〕;操作者が操作桿をブーム上げ方向に大きな操
作量で操作した時、 〔Bβ〕;操作者が操作桿をブーム上げまたはアーム引
き方向の操作状態から中立位置まで戻し操作した時、 〔Bγ〕;操作者が操作桿を大きな速度で増減操作した
時、 これらの均し作業中止操作条件〔Bα〕,〔Bβ〕,
〔Bγ〕の中の何れかが満足されると、均し作業自動軌
跡制御は直ちに中止され、操作者の手動操作に忠実に従
った制御を行う一般作業の制御(S1)に戻る。
【0025】このように、均し作業自動軌跡制御の実行
中に常に図2の自動軌跡制御の概念手順S4の均し作業
中止可否判断を行うことにより、操作者が均し作業を終
了して、他の作業に移行すべく操作桿を操作した時、速
やかに均し作業自動軌跡制御を終了させることができる
ばかりでなく、操作者の意図に反して、操作桿の操作状
態を均し作業開始操作範囲条件〔A2〕を満足すると判
断して均し作業自動軌跡制御を実行した場合でも、その
後の操作者による操作桿の操作状態が均し作業中止条件
〔B〕を満たすことにより、速やかに均し作業自動軌跡
制御を終了させ、一般作業の制御(S1)に戻らせるこ
とができる。以下、図面を参照して本発明を油圧ショベ
ルの均し作業自動軌跡制御に適用した一実施例を詳細に
説明する。
【0026】
【実施例】図1は本発明の実施例に係る油圧制御回路図
である。同図において、1はブーム用方向切替弁および
アーム用方向切替弁を含む油圧制御弁、2は高圧選択
弁、3は後述するブーム上パイロット弁から流出するパ
イロット油の油圧を減圧するブーム上電磁(比例)減圧
弁、4は後述するパイロットポンプから吐出したパイロ
ット油の油圧を減圧して、ブーム上げ用パイロット圧を
補完する補完パイロット圧生成用の補完圧生成電磁(比
例)減圧弁、5は後述するアーム引パイロット弁から流
出するパイロット油の油圧を減圧するアーム引電磁(比
例)減圧弁である。
【0027】6はブーム上パイロット弁から流出するパ
イロット油の油圧を検出するブーム上圧力センサー、7
はアーム引パイロット弁から流出するパイロット油の油
圧を検出するアーム引圧力センサー、8はパイロット油
の供給源となるパイロットポンプ、9はブーム上げ操作
時、操作量に応じたパイロット油が流出するブーム上パ
イロット弁、9aはブーム用操作桿、10はアーム引込
み操作時、操作量に応じたパイロット油が流出するアー
ム引パイロット弁、10aはアーム用操作桿、11はマ
イクロコンピューターで構成され、均し作業自動軌跡制
御を実行する制御装置である。
【0028】油圧ショベル本体および作業機の各構成要
素では、12は後述する油圧ショベル本体におけるブー
ム16の回動支点に設けられ、ブーム16の回動角θb
を検出するブーム用回動角センサー、13はブーム16
の先端部におけるアーム17の回動支点に設けられ、ア
ーム17の回動角θa を検出するアーム用回動角センサ
ー、14はアーム17の先端部におけるバケット18の
回動支点に設けられ、バケット18の回動角θbuを検出
するバケット用回動角センサー、15は油圧ショベル本
体、19は作動油の供給源となる図示しない油圧ポンプ
の吐出流量Qma x を検出する油吐出流量検出器である。
なお、従来例と同一箇所には同一の符号を付し、その重
複する説明を省略する。
【0029】均し作業自動軌跡制御においてはバケット
18はその姿勢を基準面に対して一定に保つ周知の姿勢
制御手法を採用するだけなので、その制御回路は図示を
省略してある。また、油圧制御弁1に含まれるブーム用
方向切替弁およびアーム用方向切替弁の具体的な構成お
よびブーム16とブームシリンダー、アーム17とアー
ムシリンダーをそれぞれ接続する油圧回路には何ら新規
な特徴を有せず、図を煩雑にするだけなのでやはり図示
を省略した。
【0030】同図に示すように、制御装置11はブーム
用回動角センサー12、アーム用回動角センサー13、
バケット用回動角センサー14がそれぞれ検出したブー
ム16、アーム17およびバケット18の回動角θb
θa ,θbuの情報に基づいて、バケット18の刃先Cの
座標(x,y)を演算し、この刃先Cの座標(x,y)
と、ブーム上圧力センサー6およびアーム引圧力センサ
ー7がそれぞれ検出したブーム上パイロット圧pb およ
びアーム引パイロット圧pa と、油吐出流量検出器19
が検出した油圧ポンプの吐出流量Qmax に基づいて、ブ
ーム上電磁減圧弁3、補完圧生成電磁減圧弁4およびア
ーム引電磁減圧弁5にそれぞれ制御電流eb ,ec ,e
a を出力して、各電磁減圧弁3〜5から流出するパイロ
ット油の油圧が絞り圧力SVb ,SVc ,SVa を越え
ないようにパイロット圧を制御することにより、油圧制
御弁1に流入するパイロット油の油圧、即ち、ブーム上
実パイロット圧pbrとアーム引実パイロット圧parをそ
れぞれ制御する均し作業自動軌跡制御を実行する。
【0031】なお、均し作業自動軌跡制御のプログラム
は制御装置11が内蔵するROMに格納されている。ま
た、説明を簡単にするため、油圧ショベルは水平な地面
上にあって、均し作業自動軌跡制御を行う均し基準面S
0 は水平面に平行な面とするが、油圧ショベルが水平面
に対して傾斜した地面上にあって傾斜した姿勢にある場
合や、均し基準面S0 が地面に平行でない場合でも本実
施例で述べる手法を同様に適用でき、後述する演算式に
周知の座標変換を施すことによりその場合の演算式を容
易に求めることができる。
【0032】後述するように、制御装置11は作業機の
各回動角センサー12〜14が検出したブーム16、ア
ーム17およびバケット18の回動角θb ,θa ,θbu
の情報に基づいて、バケット18の刃先Cの座標(x,
y)を演算し、この刃先Cの座標(x,y)が所定の均
し作業開始位置領域R内にあるか否かを判断すると共
に、ブーム上圧力センサー6およびアーム引圧力センサ
ー7がそれぞれ検出したブーム上パイロット圧pb とア
ーム引パイロット圧pa の値およびそれらの変化率を監
視して、それぞれが予め設定した均し作業開始操作域内
にあるか否かを判断する。
【0033】そして、両者が共に然りと判断したなら
ば、操作者のブーム用操作桿9aおよびアーム用操作桿
10aの手動操作による均し作業、即ち、バケット18
の姿勢を一定に保ったまま油圧ショベル側に水平に引き
寄せる水平引き均し作業の操作指令を補正して、確実に
水平な軌跡を描かせる水平引き均し作業自動軌跡制御
(II)に滑らかに移行できるように、バケット18が均
し作業自動軌跡制御の開始位置から水平引き均し作業が
行われる水平な基準面S0 に滑らかに移動させる初動移
行作業自動軌跡制御(I)を実行する。
【0034】さらに、均し作業自動軌跡制御が開始され
た後でも制御装置11はブーム上パイロット圧pb とア
ーム引パイロット圧pa の値およびそれらの変化率を監
視していて、その何れかが均し作業継続操作域外に出た
か否かを判断して、均し作業継続操作域外に出たと判断
したならば、操作者の各操作桿9a,10aの手動操作
の内容が水平引きの軌跡を修正することを意図したもの
と判断して、バケット18の移動軌跡を元の軌跡に平行
な新たな水平引きの軌跡に滑らかに移行させる水平引き
位置修正制御(III) を行うと共に、ブーム上パイロット
圧pb とアーム引パイロット圧pa の値およびそれらの
変化率を監視して、均し作業自動軌跡制御の中止を意図
したものか否かを判断する。
【0035】そして、その判断結果が然りならば、水平
引き均し作業自動軌跡制御(II)を中止し、操作者のブ
ーム用操作桿9aおよびアーム用操作桿10aの手動操
作による一般作業の制御に滑らかに戻るための水平引き
均し作業解除自動軌跡制御(IV)を行う。なお、均し作業
自動軌跡制御中の水平引き均し作業自動軌跡制御(II)
は従来例により提案されている水平面の均し作業自動軌
跡制御と同等のものなので、この明細書では詳細な説明
を省略する。
【0036】次に、本実施例の動作を説明する。図5乃
至図8は本実施例に係る均し作業自動軌跡制御の流れ図
である。これらの図を参照しながら均し作業自動軌跡制
御の動作を説明する。均し作業自動軌跡制御モードが選
択されていると、この均し作業自動制御が開始される。
ただし、均し作業自動軌跡制御モードが選択されていて
も、操作者はブーム用操作桿9aおよびアーム用操作桿
10aの手動操作により、均し作業以外の一般作業を通
常の手動操作による作業と全く変わらない動作で行える
ようになっている。即ち、手順S11は操作者が均し作
業以外の通常の一般作業を通常のブーム用操作桿9aお
よびアーム用操作桿10aの手動操作による作業と全く
変わらない動作で行うことを許容する処理手順を示して
いる。
【0037】即ち、操作者が通常の一般作業を行う時
は、制御装置11はブーム上電磁減圧弁3、補完圧生成
電磁減圧弁4およびアーム引電磁減圧弁5にそれぞれ出
力される制御電流eb ,ec ,ea の値を各電磁減圧弁
3〜5の絞り圧力SVb ,SVc ,SVa がそれぞれブ
ーム上圧力センサー6が検出したブーム上パイロット圧
b に小さな値の付加圧Δpb を加えた値、0およびア
ーム引圧力センサー7が検出したアーム引パイロット圧
a に小さな値の付加圧Δpa を加えた値となるように
制御する(S11)。 SVa =pa +Δpa (Δpa >0) SVb =pb +Δpb (Δpb >0) SVc =0 ……(1) このように、手順S11における一般作業中はブーム上
電磁減圧弁3およびアーム引電磁減圧弁5の絞り圧力S
b ,SVa の値を常にブーム上パイロット圧pb 、ア
ーム引パイロット圧pa よりもそれぞれ付加圧Δpb
Δpa だけ大きな値としておくことにより、ブーム上パ
イロット弁9およびアーム引パイロット弁10からそれ
ぞれ流出したパイロット油のブーム上パイロット圧
b 、アーム引パイロット圧pa がブーム上電磁減圧弁
3およびアーム引電磁減圧弁5により減圧され、油圧制
御弁1に伝達されるパイロット圧がブーム上パイロット
圧pb、アーム引パイロット圧pa より小さな値に抑制
され、ブーム16およびアーム17の動きがブーム用操
作桿9aおよびアーム用操作桿10aを操作した操作者
が意図した動きと異なるものにならないよしている。
【0038】なお、補完圧生成電磁減圧弁4で生成され
る補完パイロット圧pc はこの場合は不要なので、絞り
圧力SVc の値は0とされている。また、付加圧Δ
b ,Δpa を小さな値としているのは、手順S11の
一般作業制御が終了して後述する初動移行作業自動軌跡
制御に移った時に、ブーム上電磁減圧弁3およびアーム
引電磁減圧弁5のスプールの移動距離を短くすることに
より、制御動作の立ち上がり時間を可及的に短縮して速
やかに初動移行作業自動軌跡制御の動作に移行できるよ
うにするためである。
【0039】図9はアーム引電磁減圧弁5の制御電流e
a と絞り圧力SVa の関係を示す特性図である。同図に
示すように、常に(1) 式が成立するように制御電流ea
の値を制御することにより、アーム引電磁減圧弁5の下
流には常にアーム引パイロット圧pa が伝達されるよう
にすることができる。絞り圧力SVb と制御電流eb
の関係においても全く同様である。また、付加圧Δ
b ,Δpa が小さな値となっているので、制御電流e
a が小さな制御電流ea ′になった時に速やかにアーム
引電磁減圧弁5のスプールを移動させて絞り圧力をSV
a ′に移行させることができる。
【0040】次に、手順S12に移って、バケット18
の刃先C(x,y)が前述の均し作業開始位置領域R内
に在るか否か、即ち、均し作業開始領域条件〔A1〕を
満たすか否かの判断を行う(C(x,y)∈R?)。制
御装置11は作業機の各回動角センサー12〜14が検
出したブーム16、アーム17およびバケット18の回
動角θb ,θa ,θbuの情報に基づいて、バケット18
の刃先Cの座標(x,y)を常に演算していて、この刃
先Cの座標(x,y)がROMから読み出した所定の均
し作業開始位置領域R内にあるか否かを判断する。
【0041】その判断結果が然りならば、手順S13に
移って、均し作業開始領域条件〔A1〕を満たすか否か
の判断を行う。即ち、図4の(a),(b),(c)に
示す操作範囲条件〔A2α〕,〔A2β〕,〔A2γ〕
を満たすか否かの判断を行う。具体的には、ブーム上パ
イロット圧pb 、アーム引パイロット圧pa の時間に対
する変化、即ち、これらのパイロット圧pb ,pa を時
間微分したものをブーム上パイロット圧変動vb 、アー
ム引パイロット圧変動va とすると、操作範囲条件〔A
2α〕は、 pa1≦pa ≦pa2,pb1≦pb ≦pb2 かつva3≦va ≦va4,vb3≦vb ≦vb4 ただし、pa1,pa2≪pamax(アーム引最大パイロット
圧), pb1,pb2≪pbmax(ブーム上最大パイロット圧), va3,va4≒vamax(アーム引最大パイロット圧変動)/2, vb3,vb4≒vbmax(ブーム上最大パイロット圧変動)/2 ……(2') となる。操作範囲条件〔A2α〕を満たす時、値が1と
なり、満たさない時、値が0となる仮想的関数Ψα(p
a ,pb ,va ,vb )を定義すれば、操作範囲条件
〔A2α〕は簡単に、Ψα=1
……(2) と表すことができる。
【0042】同様に、操作範囲条件〔A2β〕は、 pa3≦pa ≦pa4,pb1≦pb ≦pb2 かつva1≦va ≦va2,vb3≦vb ≦vb4ただし、 pa3,pa4≒pamax/2,va1,va2≪vamax ……(3') となる。操作範囲条件〔A2α〕を満たす時、値が1と
なり、満たさない時、値が0となる仮想的関数Ψβ(p
a ,pb ,va ,vb )を定義すれば、操作範囲条件
〔A2β〕は Ψβ=1 ……(3) と表すことができる。
【0043】同様に、操作範囲条件〔A2γ〕は、 pa1≦pa ≦pa2,pb3≦pb ≦pb4 かつva3≦va ≦va4,vb1≦vb ≦vb2 ただし、pb3,pb4≒pbmax/2,vb1,vb2≪vbmax ……(4') となる。操作範囲条件〔A2γ〕を満たす時、値が1と
なり、満たさない時、値が0となる仮想的関数Ψγ(p
a ,pb ,va ,vb )を定義すれば、操作範囲条件
〔A2γ〕は Ψγ=1 ……(4) と表すことができる。結局、均し作業開始操作範囲条件
〔A2〕は Ψα=1、Ψβ=1またはΨγ=1 ……(5) となる。
【0044】なお、pai,,pbi,,vai,vbi(i=1
〜4)の値は前述のように、多数の操作者による均し作業
開始時の操作桿の初動操作状態を調べて統計処理し、均
し作業開始頻度が大きなアーム引パイロット圧pa 、ブ
ーム上パイロット圧pb 、アーム引パイロット圧変動v
a 、ブーム上パイロット圧変動vb の範囲の境界値とし
て設定される。従って、均し作業開始時の初動操作状態
を統計処理した結果、上記操作範囲条件〔A2α〕,
〔A2β〕,〔A2γ〕は相互に明確に区別できない場
合もあり得る。
【0045】手順S12および手順S13の判断結果が
共に然りならば、即ち、均し作業開始領域条件〔A1〕
および均し作業開始操作範囲条件〔A2〕が共に満たさ
れたならば、図6の手順S14に移って、均し作業自動
軌跡制御の主制御を開始する。この手順では初動移行作
業自動軌跡制御(I)を行って、操作者の手動操作によ
る水平引き均し移行作業の操作を補正してバケット18
の刃先Cを水平な基準面S0 に滑らかに移動させ、水平
引き均し作業自動軌跡制御(II)に円滑に移行できるよ
うにする。これにより、急激な均し作業自動軌跡制御を
導入した場合の油圧制御系等の動作遅れによる水平引き
均し作業の自動制御の失敗や制御系の制御信号帰還遅れ
によるバケット18の上下振動の発生を防止できる。
【0046】図13はアーム引パイロット圧pa の値に
応じて水平引き均し作業開始時のバケット18の刃先C
の軌跡が変動する様子を示す説明図、図14はそれぞれ
の場合のアーム引パイロット圧pa の圧力波形図であ
る。図13に示すように、水平引き均し作業開始時には
アーム17の引き押し動作がバケット18の刃先Cの上
下動を左右する。特に、アーム17の引き動作の場合に
はアーム17の自重による回転モーメントが付加される
ので、前述のように、一旦、アーム17の速い引き動作
が指令されると、例えば、アーム引パイロット圧pa
応じた水平引き均し軌跡制御を可能にするブーム上パイ
ロット圧pb を制御装置で演算し、そのブーム上パイロ
ット圧pb をブーム用比例電磁弁から出力させて水平引
き均し自動軌跡制御を行わせようとしても、制御装置の
演算能力やブーム用比例電磁弁の応答能力の限界によ
り、図13の(ii)に示すように、アーム17の引き動作
に追随して素早くブーム16を上げ制御することは実際
上非常に難しく、無理に追随させようとするとアーム用
比例電磁弁に大きな衝撃力が発生する。
【0047】従って、大きな衝撃力が発生させることな
く、作業機の操作の途中で(i) に示すような適正な水平
均し面を形成させる水平引き均し軌跡制御をいきなり自
動制御で行わせようとすると、極めて遅い作業速度でし
か実現できない。作業効率を上げてある程度速い作業速
度で水平引き均し作業を行おうとすると、結局、手動操
作に頼るしかなく、この場合にはブーム上パイロット圧
b は(i) に示す過多状態か、(iii) に示す過少状態の
何れかになるのを避けることは極めて難しくなる。
【0048】図10は本実施例の初動移行作業自動軌跡
制御(I)におけるブーム上電磁減圧弁3およびアーム
引電磁減圧弁5にそれぞれ出力される制御電流eb ,e
a の生成過程を説明するための信号波形図、図11は初
動移行作業自動軌跡制御(I)によるバケット18の刃
先Cの初動軌跡を従来例と対比して示した説明図、図1
2は図11で示された制御電流eb ,ea によってブー
ム上電磁減圧弁3およびアーム引電磁減圧弁5にそれぞ
れ発生する絞り圧力SVb ,SVa および油圧制御弁1
に付与されるブーム上実パイロット圧pbrとアーム引実
パイロット圧parの圧力波形図である。この例では未熟
な操作者が油圧ショベルを操作して均し作業を行った場
合の初動時の状態をやや誇張して示している。説明の都
合上、ここでは、時刻t=0において均し作業開始領域
条件〔A1〕および操作範囲条件〔A2α〕を満たした
結果、初動移行作業自動軌跡制御(I)に移行したもの
とする。
【0049】この時のブーム上パイロット圧pb および
アーム引パイロット圧pa をそれぞれpb0,pa0、ブー
ム上パイロット圧変動vb およびアーム引パイロット圧
変動va をそれぞれvb0,va0とすると、(2) 式が成立
するから、 pa1≦pa0≦pa2,pb1≦pb0≦pb2 かつva3≦va0≦va4,vb3≦vb0≦vb4 ……(2'') が成り立つ。
【0050】操作開始時に操作者がブーム用操作桿9a
の上げ操作に対して相対的に強過ぎるアーム用操作桿1
0aの引き操作を行った場合には、初動移行作業自動軌
跡制御(I)を行わない従来例では、図11(b)に示
すように、その後の急なブーム用操作桿9aの上げ操作
等によりバケット18の刃先Cの初動軌跡は大きく上下
に波打ってしまう。そこで、本実施例では制御装置11
がブーム上電磁減圧弁3、補完圧生成電磁減圧弁4およ
びアーム引電磁減圧弁5にそれぞれ制御電流eb
c ,ea を出力して、各電磁減圧弁3〜5から流出す
るパイロット油の油圧が絞り圧力SVb ,SVc ,SV
a を越えないようにパイロット圧を制御することによ
り、図11(a)に示すように、バケット18の刃先C
を初動状態から滑らかに水平な基準面S0 に沿った水平
移動状態に移行させる。なお、初動移行作業自動軌跡制
御(I)が行われる期間はΔtI とする。
【0051】初動移行作業自動軌跡制御(I)を行うに
は、先ず、アーム引電磁減圧弁5の絞り圧力SVa の初
期値SVa0=pa0+Δpa と、初動移行作業自動軌跡制
御(I)の終了時のアーム引パイロット圧pa の目標値
aeの2点間を滑らかに結ぶ補助曲線の関数式を演算
する。本実施例では簡単のため、この関数を直線で近似
するが、バケット18の刃先Cの初動状態から期間Δt
I 後に最も滑らかに水平引き均し作業自動軌跡制御(I
I)に移行できる軌跡を実現できる補助曲線を実験的に
求めて、その補助曲線の関数式を用いればより優れた初
動移行作業自動軌跡制御(I)が可能になる。
【0052】ここでは、上記補助曲線の関数をλ(p
a0,pae,t)で表す。水平引き均し作業自動軌跡制御
(II)では、アーム用操作桿10aの最大引き操作が行
われる可能性があるので、その場合でも滑らかに水平引
き均し作業自動軌跡制御(II)に移行できるように制御
するため、アーム引パイロット圧pa の目標値paeの値
はアーム引パイロット圧pa の最大値近傍の値に設定さ
れる。
【0053】こうして、関数λ(pa0,pae,t)の関
数式が演算できたら、手順S11で通常の一般作業を行
う時にアーム引電磁減圧弁5に対して発生させた絞り圧
力SVa =pa +Δpa と同じ絞り圧力SVa の値と関
数λ(pa0,pae,t)の値を比較して小さい方の値を
選択し、これを初動移行作業自動軌跡制御(I)におけ
るアーム引電磁減圧弁5に対して発生させる絞り圧力S
aIとする。即ち、 SVaI= min〔pa +Δpa ,λ(pa0,pae,t)〕 ……(6) 図10に示す具体例では、圧力センサー7で検出された
アーム引電磁減圧弁5の出力であるアーム引パイロット
圧pa を示す曲線と、これに付加圧Δpa が加えられ
た(pa +Δpa )を示す曲線と、関数λ(pa0,p
ae,t)を示す補助曲線とから、図12に示す絞り圧
力SVaIを示す曲線が得られる。油圧制御弁1に実際
に付与されるアーム引実パイロット圧parはこの曲線
で示された絞り圧力SVaIではなく、曲線で示された
値になる。即ち、 par= min(pa ,SVaI) ……(7) 次に、初動移行作業自動軌跡制御(I)における油圧制
御弁1に付与されるブーム上パイロット圧の制御につい
て説明する。図1に示すように、油圧制御弁1に付与さ
れるブーム上実パイロット圧pbrはブーム上電磁減圧
弁3および補完圧生成電磁減圧弁4から流出したパイロ
ット油の圧力の中、高い方の圧力が高圧選択弁2で選択
されることにより生成される。初動移行作業自動軌跡制
御(I)におけるブーム上電磁減圧弁3での絞り圧力S
bIはアーム引電磁減圧弁5に対する絞り圧力SVaI
同様に、絞り圧力SVb の初期値SVb0=pb0+Δpb
と、初動移行作業自動軌跡制御(I)の終了時のブーム
上パイロット圧pb の目標値pbeの2点間を滑らかに結
ぶ補助曲線により規定される。
【0054】即ち、補助曲線の関数をκとすると、関
数κはブーム上パイロット圧pb の初期値pb0、目標値
beおよび時間tの関数であり、本実施例では直線で近
似される。なお、目標値pbeは比較的ゆっくりした水平
引き軌跡制御を行った時の期間ΔtI 後のブーム上パイ
ロット圧pb 、実際上は実験的に求めた期間ΔtI 後の
最小のブーム上パイロット圧pb として設定される。
【0055】一方、補完圧生成電磁減圧弁4に対する絞
り圧力、即ち、補完パイロット圧は油圧制御弁1に実際
に付与されるアーム引実パイロット圧parと相関して、
バケット18の刃先Cを水平に移動させる通常の水平引
き軌跡制御を行わせる水平引きブーム上パイロット圧p
bLとする。水平引きブーム上パイロット圧pbLは以下の
手順で求めることができる。本実施例ではブーム16と
アーム17の複合操作のみであり、均し作業は軽負荷の
場合を考慮しているから、バケット18の刃先C(x,
y)の速度V(Vx ,Vy )は一般作業時にはアーム引
電磁減圧弁5から流出したパイロット油のアーム引パイ
ロット油流量Qa 、ブーム上パイロット油流量Qb によ
り決定される。また、油圧ポンプの吐出流量Qmax は油
吐出流量検出器19により既知であるから、アーム引パ
イロット油流量Qa 、ブーム上パイロット油流量Qb
アーム引パイロット圧pa とブーム上パイロット圧pb
により決定される。
【0056】従って、バケット18の刃先Cの速度Vの
x,y成分、Vx ,Vy は Vx =f(x,y,Qa ,Qb )=F(x,y,pa ,pb ,Qmax ) Vy =g(x,y,Qa ,Qb )=G(x,y,pa ,pb ,Qmax )…(8) と表すことができる。従って、水平引き軌跡制御を表す
関数(曲線)は(8) 式において、バケット18の刃先
Cの垂直方向速度成分Vy =0とすることにより求める
ことができる。即ち、 G(x,y,pa ,pb ,Qmax )=0 この方程式をブーム上パイロット圧pb について解くこ
とにより、曲線の水平引き軌跡制御を表す関数H、即
ち、 pbL=H(x,y,pa ,Qmax ) ……(9) を得ることができる。このことは、バケット18の刃先
C(x,y)の水平引き軌跡制御では、ブーム上パイロ
ット圧pbLは当然のことながら、アーム引パイロット圧
a を与えると一義的に決定されることを示している。
実際には、水平引き軌跡制御を行った時のアーム引パイ
ロット圧pa とブーム上パイロット圧pbを予め実験的
に測定して関数H(x,y,pa ,Qmax )を求める。
【0057】そして、この関数H(x,y,pa ,Q
max )のデータをメモリに記憶させておき、水平引き均
し作業自動軌跡制御(II)を行う時は、制御装置11は
メモリから関数Hのデータを読み出して、所望の作業速
度でアーム用操作桿10aを操作して水平引き軌跡制御
を行う時のアーム引パイロット圧pa に対応するブーム
上パイロット圧pb のデータを演算して、そのブーム上
パイロット圧pb を与える制御電流eb をブーム上電磁
減圧弁3に出力する。上述の初動移行作業自動軌跡制御
(I)においては、関数Hのデータは油圧制御弁1に実
際に付与されるアーム引実パイロット圧parに対する水
平引きブーム上パイロット圧pbLを生成する補完圧生成
電磁減圧弁4の制御電流ec を作るのに用いられる。
【0058】従って、図10に示す具体例では、ブーム
上電磁減圧弁3に対する絞り圧力SVbIは関数κ
(pb0,pbe,t)により決定され、実際にブーム上電
磁減圧弁3から実際に高圧選択弁2に与えられるブーム
上パイロット圧pb ′はブーム上パイロット圧pb が関
数κ(pb0,pbe,t)により大きな値が制限された図
12に示す曲線のようになる。そして、高圧選択弁2
では制御開始直後の僅少時間Δt0 の間はブーム上パイ
ロット圧pb ′が選択され、その後は曲線で示された
水平引きブーム上パイロット圧pbLが選択されて、油圧
制御弁1に付与される曲線(X)で示されたブーム上実パ
イロット圧pbrとなる。即ち、 pbr= max(pb ′,pbL) ……(10) なお、上述の僅少時間Δt0 は図11(a)に示すよう
に、実質的な水平引き軌跡制御に移行するまでの過渡期
に相当している。このように、本実施例では、初動移行
作業自動軌跡制御(I)を開始した後、僅少時間Δt0
の過渡期の制御を経ることにより、初動時の動作状態か
ら徐々に水平引き軌跡制御に移行するようにしているの
で、水平引き均し作業自動軌跡制御(II)に移行する際
に衝撃や振動を生じることなく滑らかな自動制御を行う
ことができる。
【0059】即ち、図10に示す具体例では、初動移行
作業自動軌跡制御(I)を開始した後、僅かな期間は操
作者の手動操作によるアーム引パイロット圧pa とブー
ム上パイロット圧pb にその儘追随したアーム引実パイ
ロット圧parと水平引きブーム上パイロット圧pbLが出
力され、その後、関数λ(pa0,pae,t)および関数
κ(pb0,pbe,t)によりそれぞれ大きな値が制限さ
れ、やがてSVa =λ,(pa +Δpa )とSVb =p
bLによる実質的な水平引き軌跡制御に移行するようにな
る。この過程で、アーム引パイロット圧pa やブーム上
パイロット圧pb には不連続や急激な変化が無いから、
ブーム16やアーム17を駆動するシリンダーに衝撃が
起きることがない。
【0060】次に、図6に戻って、均し作業自動軌跡制
御の動作説明を継続する。手順S15では、手順S14
における初動移行作業自動軌跡制御(I)を継続しなが
らも、均し作業自動軌跡制御を中止する条件が満たされ
たか否かを判断する。即ち、この均し作業自動軌跡制御
の中止条件をΦI と表すと、ΦI =1か否かを判断す
る。中止条件ΦI の具体的な内容は、ブーム用操作桿9
aの上げ操作量がかなり大きい時、上げ下げ速度がかな
り大きい時、あるいはブーム用操作桿9aが中立位置に
戻された時、または、アーム用操作桿10aの上げ下げ
速度がかなり大きい時、あるいはアーム用操作桿10a
が中立位置に戻された時である。
【0061】均し作業の操作においてはブーム用、アー
ム用操作桿9a,10aがこのような操作が行われる場
合は殆ど無いので、上記操作が行われた時は操作者は均
し作業を中止しようとしている、あるいは、始めから均
し作業を行う意図が無かったものと判断して、初動移行
作業自動軌跡制御(I)または水平引き均し作業自動軌
跡制御(II)を中止し、通常の一般作業に移るための水
平引き均し作業解除自動軌跡制御(IV)に移る。水平引き
均し作業自動軌跡制御解除のブーム用、アーム用操作桿
9a,10aの操作内容を定式化すると、 pb ≧pb5(pb5≫0);pb =0; vb ≧vb5(vb5≫0);vb ≦vb6(vb6≪0); va ≧va5(va5≫0);va ≦va6(va6≪0);pa =0 ……(11) となる。
【0062】手順S15の判断結果が否ならば、即ち、
均し作業自動軌跡制御の中止条件ΦI が0であった場合
は、時間tがΔtI だけ経過したか否かを判断する(S
16)。時間tがΔtI だけ経過したら、初動移行作業
自動軌跡制御(I)の所要期間は終了するので、図7の
手順S17に移り、未だ時間tがΔtI だけ経過してい
なかった時は、手順S14に戻って初動移行作業自動軌
跡制御(I)を継続する。手順S17では水平引き均し
作業自動軌跡制御(II)が行われる。水平引き均し作業
自動軌跡制御(II)においては、アーム引電磁減圧弁5
の絞り圧力SVa としてはSVa =pa +Δpa 、ブー
ム上電磁減圧弁3の絞り圧力SVb および補完圧生成電
磁減圧弁4の絞り圧力SVc に対しては、手順S14に
おける初動移行作業自動軌跡制御(I)で、関数H
(x,y,pa ,Qmax )を用いて作られた水平引きブ
ーム上パイロット圧pbLをその儘転用して、各電磁減圧
弁3,4の絞り圧力SVb ,SVc とする。これによ
り、操作者のアーム用操作桿10aの引き操作量に応じ
た作業速度でバケット18の刃先C(x,y)を水平に
移動させる水平引き均し作業自動軌跡制御(II)を実現
できる。
【0063】ところで、各回動角センサー12〜14の
検出誤差や制御装置11の演算誤差等により、バケット
18の刃先C(x,y)の水平移動を十分な精度で制御
できないことがある。そのため、制御装置11は絶えず
バケット18の刃先Cの垂直方向速度成分Vy を監視し
ていて、|Vy |の値が所定値以上大きくなった時はブ
ーム上電磁減圧弁3の絞り圧力SVb および補完圧生成
電磁減圧弁4の絞り圧力SVc を規定する水平引きブー
ム上パイロット圧pbLの値を修正する。即ち、図15に
示すように、Vy の値がVy+以上になったら、(Vy
y+)に比例した修正値ΔPSSを水平引きブーム上パイ
ロット圧pbLに加え、Vy の値がVy-以下になったら、
(Vy-−Vy )に比例した修正値ΔPSSを水平引きブー
ム上パイロット圧pbLから減じる修正処理を行う。ただ
し、修正値ΔPSSの最大値および最小値はΔPSS+ ,Δ
SS- とする。
【0064】次の手順S18では初動移行作業自動軌跡
制御(I)の場合と同様に、均し作業自動軌跡制御を中
止する条件が満たされたか否かを判断する。即ち、この
均し作業自動軌跡制御の中止条件をΦIIと表すと、ΦII
=1か否かを判断する。中止条件ΦIIの具体的な内容
は、ブーム用操作桿9aの上げ操作量がかなり大きい
時、上げ下げ速度がかなり大きい時、あるいはブーム用
操作桿9aが中立位置に戻されたか、かなり小さい時、
または、アーム用操作桿10aの上げ下げ速度がかなり
大きい時、あるいはアーム用操作桿10aが中立位置に
戻されたか、かなり小さい時である。水平引き均し作業
自動軌跡制御解除のブーム用、アーム用操作桿9a,1
0aの操作内容を定式化すると、 pb ≧pb6(pb6≫0);0≦pb ≦pb7(pb7≒0); vb ≧vb8(vb8≫0);vb ≦vb10 (vb10 ≪0); va ≧va7(va7≫0);va ≦va8(va8≪0); 0≦pa ≦pa5(pa5≒0) ……(12) となる。
【0065】手順S18の判断結果が然りならば、即
ち、均し作業自動軌跡制御の中止条件ΦII=1ならば、
水平引き均し作業自動軌跡制御(II)を中止し、通常の
一般作業に移るための水平引き均し作業解除自動軌跡制
御(IV)に移る。手順S18の判断結果が否ならば、バケ
ット18の刃先Cが描く水平移動軌跡を補正するための
補正条件M(vb )が満たされたか、つまり、水平引き
位置変更制御(III) を行うための補正条件M(vb )=
1か否かを判断する(S19)。このように、バケット
18の刃先Cが描く水平移動軌跡の補正を考慮するの
は、実際に水平引き均し作業自動軌跡制御(II)を行っ
た結果、描かれたバケット18の刃先Cの水平移動軌跡
が操作者の意図した基準面S0 と一致しなかったり、装
置の誤差等により基準面S0 からずれた面となってしま
う場合があるからである。
【0066】補正条件M(vb )の具体的な操作内容
は、ブーム用操作桿9aの上げまたは下げ操作速度があ
る程度(中程度)大きな時である。水平引き均し作業自
動軌跡制御補正のブーム用、アーム用操作桿9a,10
aの操作内容を定式化すると、 vb7≦vb <vb8(0≪vb7<vb8); vb10 <vb ≦vb9(vb10 <vb9≪0) ……(13) となる。手順S19の判断結果が否ならば、手順S17
に戻って水平引き均し作業自動軌跡制御(II)を継続
し、手順S19の判断結果が然り、即ち、水平移動軌跡
の補正条件M(vb )=1ならば、以下に述べる水平引
き位置変更制御(III) を行う。
【0067】即ち、ブーム上パイロット圧変動vb が正
か否かを判断し(S20)、その判断結果が然りなら
ば、ブーム上パイロット圧変動vb に対応するブーム上
パイロット圧pb の増大量Δpbuを水平引きブーム上パ
イロット圧pbLに加算してブーム上電磁減圧弁3の絞り
圧力SVb および補完圧生成電磁減圧弁4の絞り圧力S
c とし(S21)、手順S19の判断結果が否なら
ば、ブーム上パイロット圧変動vb に対応するブーム上
パイロット圧pb の減少量Δpbdを水平引きブーム上パ
イロット圧pbLから減算してブーム上電磁減圧弁3の絞
り圧力SVb および補完圧生成電磁減圧弁4の絞り圧力
SVc とする(S22)。手順S21または手順S22
の処理が終了したら、手順S17に戻って水平引き均し
作業自動軌跡制御(II)を継続する。上述の説明から明
らかなように、vb9<vb <vb7ならば、つまり、ブー
ム用操作桿9aの上げまたは下げ操作速度が中程度より
小さければ、常に水平引き均し作業自動軌跡制御(II)
が維持される。
【0068】図16は水平引き均し作業自動軌跡制御
(II)を行っている途中で、操作者がブーム用操作桿9
aを中程度より大きな速度の上げ操作を行い、所定の操
作量を保持した後、ブーム用操作桿9aを中程度より大
きな速度の下げ操作を行った時の圧力センサー6が検出
したブーム上パイロット圧pb と、制御電流eb ,ec
により制御されたブーム上電磁減圧弁3の絞り圧力SV
b および補完圧生成電磁減圧弁4の絞り圧力SVc の経
過を示した波形図である。同図に示すように、操作者の
ブーム用操作桿9aの押込み操作によるブーム上パイロ
ット圧変動vb がある程度大きかったため、ブーム上電
磁減圧弁3の絞り圧力SVb および補完圧生成電磁減圧
弁4の絞り圧力SVc は一旦、増大量Δpbuだけ水平引
きブーム上パイロット圧pbLより増大した後、その後の
ブーム用操作桿9aのある程度大きな引込み操作によ
り、減少量Δpbdだけ水平引きブーム上パイロット圧p
bLから減少するような水平引き位置変更制御(III) が行
われる。
【0069】次に、手順S15または手順S18の判断
結果が然りであった時に移る図8の手順S23〜手順S
26で実行される水平引き均し作業解除自動軌跡制御(I
V)の内容を説明する。図17は初動移行作業自動軌跡制
御(I)を行っている時に、ブーム用操作桿9aの上げ
操作量が次第に増大して、圧力センサー6が検出したブ
ーム上パイロット圧pb がpb5以上になり、その結果、
ΦI =1となり、均し作業自動軌跡制御を中止する条件
が満たされた場合の具体例におけるブーム上パイロット
圧pb 、制御電流eb ,ec により制御されるブーム上
電磁減圧弁3の絞り圧力SVb および補完圧生成電磁減
圧弁4の絞り圧力SVc の変化を示した波形図、図18
はその時の油圧制御弁1に付与されるブーム上実パイロ
ット圧pbrと、水平引き均し作業解除自動軌跡制御(IV)
が行われなかった場合の仮想的なブーム上実パイロット
圧pbr′の変化を示した波形図である。
【0070】以下、この具体例に即して説明することと
する。図17に示すように、初動移行作業自動軌跡制御
(I)を行っている時にブーム上パイロット圧pb が増
大し、t=T0 でpb ≧pb5となったとする。この時は
操作者は均し作業を中止しようとしている、あるいは、
始めから均し作業を行う意図が無かったものと判断し
て、初動移行作業自動軌跡制御(I)は中止されるが、
t=T0 の時点で直ちに手順S11の一般作業制御に戻
すと、それまで例えば、図18に示す油圧制御弁1に付
与されるブーム上実パイロット圧pbrI が曲線(XV)で示
されたt=T0 で不連続になるブーム上実パイロット圧
brIV′になるため、油圧制御弁1に接続されたブーム
シリンダーに大きな衝撃力を与えてしまい、操作者が驚
いて不安感を懐いたり、装置が損傷を受けたりする。
【0071】そこで、水平引き均し作業解除自動軌跡制
御(IV)では、初動移行作業自動軌跡制御(I)におい
て、バケット18の刃先Cの軌跡がなるべく速やかに水
平面に沿ったものとなるように、制御装置11は操作者
のブーム用操作桿9aおよびアーム用操作桿10aの手
動操作による操作指令に制限を加えたり、逆に付勢する
ような制御電流eb ,ec ,ea をブーム上電磁減圧弁
3、補完圧生成電磁減圧弁4およびアーム引電磁減圧弁
5にそれぞれ出力していたのを中止すると共に、操作者
の手動操作による操作指令に忠実に従った制御に滑らか
に移行させるための制御を行う。
【0072】以下の説明ではブーム16の上げ操作の制
御について説明するが、後述するようにアーム17の引
き操作の制御も全く同様にして行われる。水平引き均し
作業解除自動軌跡制御(IV)が行われる期間は、それまで
行われていた自動軌跡制御を解除して、操作者の手動操
作による操作指令に忠実に従った制御に滑らかに移行さ
せる過渡期間Δt1 と、補完圧生成電磁減圧弁4の絞り
圧力SVc を0に減衰させる補完圧減衰期間Δt2 とか
ら成る。
【0073】まず、過渡期間Δt1 においては、制御装
置11は時刻t=T0 で初動移行作業自動軌跡制御
(I)を中止した時刻t=T0 でのブーム上電磁減圧弁
3の絞り圧力SVbI=SVbIV 0 の座標点を始点とし、
期間Δt1 後の時刻t=T1 でのブーム上パイロット圧
b =SVcIV 1 と付加圧Δpb との和(pb +Δ
b )=SVbIV 1 の座標点を終点とする直線(XI)およ
び時刻t=T0 での補完圧生成電磁減圧弁4の絞り圧力
SVcI=SVcIV 0 の座標点を始点とし、時刻t=T1
のブーム上パイロット圧pb =SVcIV 1 の座標点を終
点とする直線(XII)をそれぞれ演算する。そして、過渡
期間Δt1 における直線(XI),(XII)で表された圧力が
それぞれ絞り圧力SVbIV および絞り圧力SVcIV とな
るような制御電流eb ,ec をブーム上電磁減圧弁3お
よび補完圧生成電磁減圧弁4に出力する。即ち、 SVbIV =pb +〔t・(Δpb +Δs1 )/Δt1 〕−Δs1 =pb +(t/Δt1 )・Δpb +〔(t/Δt1 )−1〕・Δs1 (ただし、Δs1 =pb 0 −SVbIV 0 、 pb 0 はt=T0 におけるブーム上パイロット圧pb ) SVcIV =pb +t・Δs2 /Δt1 −Δs2 =pb +〔(t/Δt1 )−1〕・Δs2 (ただし、Δs2 =pb 0 −SVcIV 0 ) ……(14) 図17に示す具体例では、水平引き均し作業解除自動軌
跡制御(IV)の開始直後はSVbIV 0 <SVcIV 0 なの
で、油圧制御弁1に付与されるブーム上実パイロット圧
brは補完圧生成電磁減圧弁4の絞り圧力SVcIV に支
配され、その後、SVbIV とSVcIV の値が逆転すると
ブーム上電磁減圧弁3の絞り圧力SVbIVに支配され
る。そして、絞り圧力SVbIV がブーム上パイロット圧
b を上回るようになると、ブーム上実パイロット圧p
brはブーム上パイロット圧pb と一致する。従って、ブ
ーム上実パイロット圧pbrは図18に示す曲線(XIV)の
ようになる。
【0074】補完圧減衰期間Δt2 においては、制御装
置11は時刻t=T1 における絞り圧力SVcIV 1 の座
標点を始点とし、時刻t=T2 における絞り圧力SV
cIV =0の座標点を終点とする直線(XIII)を演算し、こ
の直線(XIII)で表された圧力が絞り圧力SVcIV とな
り、(pb +Δpb )が絞り圧力SVbIV となるような
制御電流eb ,ec をブーム上電磁減圧弁3および補完
圧生成電磁減圧弁4にそれぞれ出力する。即ち、 SVcIV =pb 1 −pb 1 ・(t−Δt1 )/Δt2 (ただし、pb 1 はt=T1 におけるブーム上パイロット圧pb )……(15) アーム17の引き操作の制御では、SVaIV を算出する
ための演算式はSVbIV を算出するための演算式(13)式
において、ブーム上パイロット圧pb をアーム引パイロ
ット圧pa に、付加圧Δpb を付加圧Δpa に、差圧Δ
1 を差圧Δs3 にそれぞれ置き換えたものに外ならな
い。即ち、 SVaIV =pa +t・(Δpa +Δs3 )/Δt1 −Δs3 =pa +(t/Δt1 )・Δpa +〔(t/Δt1 )−1〕・Δs3 (ただし、Δs3 =pa 0 −SVaIV 0 、 pa 0 はt=T0 におけるアーム引パイロット圧pa ) ……(16) 図8に示す流れ図に即して水平引き均し作業解除自動軌
跡制御(IV)の説明すると、制御装置11はブーム上電磁
減圧弁3、補完圧生成電磁減圧弁4およびアーム引電磁
減圧弁5にそれぞれ制御電流eb ,ec ,ea を出力し
て、各電磁減圧弁3〜5の絞り圧力SVb ,SVc ,S
a が(14)〜(16)式で演算された値となるようにパイロ
ット圧を制御する(S23)。次に、時刻がt=T1
なったか否かを判断する(S24)。その判断結果が否
ならば、手順S23の過渡期間Δt1 における、操作者
の手動操作による操作指令に忠実に従った制御に滑らか
に移行させるための制御を継続する。
【0075】そして、手順S24の判断結果が然りなら
ば、制御装置11はブーム上電磁減圧弁3およびアーム
引電磁減圧弁5の絞り圧力SVb ,SVa が(1) 式、絞
り圧力SVc が(15)式で演算された値となるようにパイ
ロット圧を制御する(S25)。その後、時刻がt=T
2 になったか否かを判断する(S26)。その判断結果
が否ならば、手順S25の補完圧減衰期間Δt2 におけ
る補完圧生成電磁減圧弁4の絞り圧力SVc を0に減衰
させるための制御を継続する。手順S26の判断結果が
然りならば、最初の手順S11の一般作業制御に戻る。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、作業体の一部に設定された代表点が所定の領
域内にあるか否かを判定すると共に、操作者により操作
された操作桿の操作状態を監視して、操作桿の操作量お
よび操作桿の操作量の変化量が所定の範囲内にあるか否
かを判定し、その判断結果が共に然りであった時に、該
操作状態は所定の標準的な移動軌跡を描かせるための初
期操作と判断し、油圧駆動機構を制御して作業体に標準
的な移動軌跡を自動的に描かせる自動軌跡制御を開始さ
せるように油圧駆動機構を制御したので、特別の操作情
報の入力操作や必要以上の慎重な操作桿の操作を要せ
ず、操作桿の操作による通常の軌跡形成操作を行うだけ
で所望の標準的軌跡の自動制御に滑らかに移行できるた
め、操作の連続性が損われず、手動操作から自動軌跡制
御に移行する際に違和感が無く、操作性を極めて優れた
ものとすることができる。請求項2記載の発明によれ
ば、作業体の一部に設定された代表点の標準的な移動軌
跡に対する垂直座標成分の変化量の絶対値が所定の値よ
り大きいと判定した時には、操作者が自動軌跡制御の軌
跡の修正を意図したものと判断し、当初の標準的な移動
軌跡を自動的に修正するようにしたので、作業体の移動
軌跡が適切でなかった時、あるいは操作者が異なる移動
軌跡に変更したい時には、容易にその移動軌跡を補正し
て所望の所定の移動軌跡を自動的に描かせることができ
る。
【0077】請求項3記載の発明によれば、アーム用操
作桿またはブーム用操作桿の操作量の変化量の絶対値が
所定の値より大きいか、ブーム用操作桿の上げ操作量の
値が所定の値より大きいか、アーム用操作桿またはブー
ム用操作桿の操作量が極めて小さいと判定した時には、
操作者は当初の標準的な移動軌跡の自動軌跡制御の継続
を意図しないものと判断して、自動軌跡制御を終了する
ようにしたので、操作者による特別の操作情報の入力操
作を要せず、操作桿の操作による通常の軌跡形成操作を
行うだけで自動軌跡制御から滑らかに離脱して手動操作
に移行することができる。請求項4記載の発明によれ
ば、アームに対する自動軌跡制御は制御を開始した時点
における操作桿の操作量を初期値とし、所定時間後に所
定の操作桿の操作量を目標値とし、その間は初期値から
徐々に目標値に移行する操作桿の操作量を経過値とする
操作量に対応する初動移行アーム抑制指令を上回らない
ようにアームの操作桿の操作量に対応する流量を抑制し
たので、操作者が自動軌跡制御を開始する際に不適切な
アーム操作を行った場合であっても、自動的に所望の移
動軌跡に滑らかに移行することができる。請求項5記載
の発明によれば、ブームに対する自動軌跡制御はアーム
に対する流量指令に対応した移動軌跡を与える操作桿の
操作量に対応する初動標準軌跡指令と、自動軌跡制御を
開始した時点における操作桿の操作量を初期値とし、所
定時間後に標準的な移動軌跡を可能にする最小量に近い
操作桿の操作量を目標値とし、その間は初期値から徐々
に目標値に移行する操作桿の操作量を経過値とする操作
量に対応する初動移行ブーム抑制指令を上回らないよう
に流量を抑制した流量指令との中の大きい方の流量指令
を選択して出力するようにしたので、操作者が自動軌跡
制御を開始する際に不適切なブーム操作を行った場合で
あっても、自動的に所望の移動軌跡に滑らかに移行する
ことができる。
【0078】請求項6記載の発明によれば、操作者によ
る操作桿の操作状態が当初の標準的な移動軌跡制御動作
の継続を意図しないものと判断した時は、その時点にお
ける操作桿の操作量を初期値とし、所定時間後の実際の
操作桿の操作量を目標値とし、その間は初期値から徐々
に目標値に移行する操作桿の操作量を経過値とする軌跡
制御漸次解除指令を操作桿の操作量に対応する流量指令
として出力するようにしたので、油圧駆動機構に衝撃を
生じさせることなく、当初の標準的な自動軌跡制御を滑
らかに終了させて、手動操作による一般作業に移行する
ことができる。請求項7記載の発明によれば、標準的な
移動軌跡自動制御を行わない時は、操作桿に連結された
パイロット弁の下流に設けられた比例減圧弁の絞り量を
パイロット圧より若干大きな絞り圧を与えるように制御
したので、標準的な自動軌跡制御動作を開始する時に速
やかに所望の移動軌跡制御動作に移行することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る油圧制御回路図
【図2】自動軌跡制御の動作概要を説明するための動作
概念図
【図3】均し作業開始位置領域を示した説明図
【図4】均し作業開始操作範囲条件の具体的な内容を示
した説明図
【図5】本実施例に係る均し作業自動軌跡制御の流れ図
【図6】図5に続く均し作業自動軌跡制御の流れ図
【図7】図6に続く均し作業自動軌跡制御の流れ図
【図8】図7に続く均し作業自動軌跡制御の流れ図
【図9】アーム引電磁減圧弁の制御電流ea と絞り圧力
SVa の関係を示す特性図
【図10】初動移行作業自動軌跡制御におけるブーム上
電磁減圧弁およびアーム引電磁減圧弁に出力される制御
電流の生成過程を示す信号波形図
【図11】初動移行作業自動軌跡制御によるバケットの
刃先Cの初動軌跡を従来例と対比して示した説明図
【図12】ブーム上電磁減圧弁、アーム引電磁減圧弁に
発生する絞り圧力および油圧制御弁に付与されるブーム
上実パイロット圧とアーム引実パイロット圧の圧力波形
【図13】アーム引パイロット圧の値に応じて水平引き
均し作業開始時のバケットの刃先Cの軌跡が変動する様
子を示す説明図
【図14】図13におけるそれぞれの場合のアーム引パ
イロット圧の圧力波形図
【図15】バケットの刃先Cの垂直方向速度成分Vy
水平引きブーム上パイロット圧pbLの修正値ΔPSSとの
関係を示す特性図
【図16】水平引き均し作業自動軌跡制御を行っている
途中で、中程度より大きな速度のブーム用操作桿の上げ
操作が行われた時のブーム上パイロット圧pb と絞り圧
力SVb の圧力波形図
【図17】水平引き均し作業解除自動軌跡制御の内容を
説明するためのパイロット圧力波形図
【図18】同じく、油圧制御弁に付与されるパイロット
圧の圧力波形図
【図19】従来例により均し作業を行う様子を示す説明
【図20】未熟な作業員が均し作業を行った場合の動作
の一例を示す模式図
【図21】同じく、その結果、形成された作業面を示す
模式図
【符号の説明】 1 油圧制御弁 2 高圧選択弁 3 ブーム上電磁減圧弁 4 補完圧生成電磁減圧弁 5 アーム引電磁減圧弁 6,7 圧力センサー 8 パイロットポンプ 9a ブーム用操作桿 10a アーム用操作桿 11 制御装置 12〜14 回動角センサー 15 油圧ショベル本体 16 ブーム 17 アーム 18 バケット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多関節屈折部で連結され、シリンダー等
    により駆動されるアーム、ブーム等の複数の長尺の剛性
    構造体と、その先端部に回動可能に連結され、シリンダ
    ー等により駆動されるバケット等の作業体で構成された
    作業機を油圧駆動機構により駆動して前記作業体の移動
    軌跡が所望のものとなるように自動制御する油圧建設機
    械の自動軌跡制御装置において、前記作業体の一部に設
    定された代表点が所定の領域内にあるか否かを判定する
    と共に、操作者により操作された操作桿の操作状態を監
    視して、前記操作桿の操作量および該操作桿の操作量の
    変化量が所定の範囲内にあるか否かを判定し、その判定
    結果が共に然りであった時に、前記操作状態は所定の標
    準的な移動軌跡を描かせるための初期操作と判断し、前
    記油圧駆動機構を制御して前記作業体に前記標準的な移
    動軌跡を自動的に描かせる自動軌跡制御を開始させるよ
    うにしたことを特徴とする油圧建設機械の自動軌跡制御
    装置。
  2. 【請求項2】 作業体の一部に設定された代表点の標準
    的な移動軌跡に対する垂直座標成分の変化量を監視し
    て、該垂直座標成分の変化量の絶対値が所定の値より大
    きいと判定した時には、操作者が自動軌跡制御の軌跡の
    修正を意図したものと判断し、前記垂直座標成分の変化
    量に応じて当初の標準的な移動軌跡を自動的に修正する
    自動軌跡修正制御を行うようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の油圧建設機械の自動軌跡制御装置。
  3. 【請求項3】 作業機を構成する長尺の剛性構造体はア
    ームおよびブームであって、操作された操作桿の操作状
    態を監視して、前記アーム用操作桿または前記ブーム用
    操作桿の操作量の変化量の絶対値が所定の値より大きい
    か、前記ブーム用操作桿の上げ操作量の値が所定の値よ
    り大きいか、前記アーム用操作桿または前記ブーム用操
    作桿の操作量が極めて小さいと判定した時には、操作者
    による前記操作桿の操作状態が当初の標準的な移動軌跡
    制御動作の継続を意図しないものと判断し、当初の標準
    的な移動軌跡自動制御を終了するように制御したことを
    特徴とする請求項1記載の油圧建設機械の自動軌跡制御
    装置。
  4. 【請求項4】 作業機を構成する長尺の剛性構造体はア
    ームおよびブームであって、アームに対する自動軌跡制
    御は該自動軌跡制御を開始した時点における操作桿の操
    作量を初期値とし、所定時間後に所定の標準的な移動軌
    跡を可能にする最大量に近い操作桿の操作量を目標値と
    し、その間は前記初期値から徐々に前記目標値に移行す
    る操作桿の操作量を経過値とする操作量に対応する初動
    移行アーム抑制指令を上回らないようにアームの操作桿
    の操作量に対応する流量を抑制した流量指令を出力する
    初動移行自動軌跡制御を行うようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の油圧建設機械の自動軌跡制御装置。
  5. 【請求項5】 初動移行自動軌跡制御においては、ブー
    ムに対する自動軌跡制御はアームに対する流量指令に対
    応して所定の標準的な移動軌跡を与える操作桿の操作量
    に対応する初動標準軌跡指令と、自動軌跡制御を開始し
    た時点における操作桿の操作量を初期値とし、所定時間
    後に所定の標準的な移動軌跡を可能にする最小量に近い
    操作桿の操作量を目標値とし、その間は前記初期値から
    徐々に前記目標値に移行する操作桿の操作量を経過値と
    する操作量に対応する初動移行ブーム抑制指令を上回ら
    ないようにブームの操作桿の操作量に対応する流量を抑
    制した流量指令との中の大きい方の流量指令を選択して
    出力する初動移行自動軌跡制御を行うようにしたことを
    特徴とする請求項5記載の油圧建設機械の自動軌跡制御
    装置。
  6. 【請求項6】 操作者による操作桿の操作状態が当初の
    標準的な移動軌跡制御動作の継続を意図しないものと判
    断した時は、その時点における操作桿の操作量を初期値
    とし、所定時間後の実際の操作桿の操作量を目標値と
    し、その間は前記初期値から徐々に前記目標値に移行す
    る前記操作桿の操作量を経過値とする軌跡制御漸次解除
    指令を前記操作桿の操作量に対応する流量指令として出
    力する軌跡制御漸次解除制御を行うようにしたことを特
    徴とする請求項3記載の油圧建設機械の自動軌跡制御装
    置。
  7. 【請求項7】 それぞれの操作桿により操作されるパイ
    ロット弁と各該パイロット弁から流出するパイロット油
    により流量が抑制される油圧制御弁との間のパイロット
    油管路中に設けられた比例減圧弁を有し、標準的な移動
    軌跡自動制御を行わない時は、前記比例減圧弁の絞り量
    を各前記パイロット油のパイロット圧より若干大きな絞
    り圧を与えるように制御したことを特徴とする請求項1
    記載の油圧建設機械の自動軌跡制御装置。
JP14617396A 1996-06-07 1996-06-07 油圧建設機械の自動軌跡制御装置 Pending JPH09328774A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14617396A JPH09328774A (ja) 1996-06-07 1996-06-07 油圧建設機械の自動軌跡制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14617396A JPH09328774A (ja) 1996-06-07 1996-06-07 油圧建設機械の自動軌跡制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09328774A true JPH09328774A (ja) 1997-12-22

Family

ID=15401794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14617396A Pending JPH09328774A (ja) 1996-06-07 1996-06-07 油圧建設機械の自動軌跡制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09328774A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008106440A (ja) * 2006-10-23 2008-05-08 Hitachi Constr Mach Co Ltd 油圧ショベルのフロント位置合わせ制御装置
CN104619922A (zh) * 2014-09-10 2015-05-13 株式会社小松制作所 作业车辆
JP5791827B2 (ja) * 2014-09-10 2015-10-07 株式会社小松製作所 作業車両
KR20160043924A (ko) 2014-09-10 2016-04-22 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 작업 차량 및 작업 차량의 제어 방법
KR20160045038A (ko) 2014-09-10 2016-04-26 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 작업 차량
US9617709B2 (en) 2015-02-02 2017-04-11 Komatsu Ltd. Work vehicle and method of controlling work vehicle
US9797111B2 (en) 2014-09-10 2017-10-24 Komatsu Ltd. Work vehicle
CN107558530A (zh) * 2017-08-09 2018-01-09 中国航空工业集团公司西安飞行自动控制研究所 一种电传挖掘机的辅助修坡作业功能实现方法
KR20180123000A (ko) 2017-04-10 2018-11-14 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 건설 기계 및 제어 방법
WO2019151335A1 (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 住友建機株式会社 ショベル及びショベルの管理システム
WO2019220872A1 (ja) 2018-05-14 2019-11-21 株式会社神戸製鋼所 作業機械の油圧駆動装置

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008106440A (ja) * 2006-10-23 2008-05-08 Hitachi Constr Mach Co Ltd 油圧ショベルのフロント位置合わせ制御装置
JP4734214B2 (ja) * 2006-10-23 2011-07-27 日立建機株式会社 油圧ショベルのフロント位置合わせ制御装置
US9797111B2 (en) 2014-09-10 2017-10-24 Komatsu Ltd. Work vehicle
DE112014000127B4 (de) 2014-09-10 2022-11-17 Komatsu Ltd. Baufahrzeug
CN104619922A (zh) * 2014-09-10 2015-05-13 株式会社小松制作所 作业车辆
KR20160043923A (ko) 2014-09-10 2016-04-22 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 작업 차량
KR20160043924A (ko) 2014-09-10 2016-04-22 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 작업 차량 및 작업 차량의 제어 방법
KR20160045038A (ko) 2014-09-10 2016-04-26 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 작업 차량
US9371626B2 (en) 2014-09-10 2016-06-21 Komatsu Ltd. Work vehicle
US9447562B2 (en) 2014-09-10 2016-09-20 Komatsu Ltd. Work vehicle and method of controlling work vehicle
US9481976B2 (en) 2014-09-10 2016-11-01 Komatsu Ltd. Work vehicle
US9556594B2 (en) 2014-09-10 2017-01-31 Komatsu Ltd. Work vehicle
DE112014000142B4 (de) 2014-09-10 2021-12-30 Komatsu Ltd. Baufahrzeug
DE112014000145B4 (de) * 2014-09-10 2017-08-24 Komatsu Ltd. Baufahrzeug
KR20160030869A (ko) 2014-09-10 2016-03-21 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 작업 차량
JP5791827B2 (ja) * 2014-09-10 2015-10-07 株式会社小松製作所 作業車両
DE112014000147B4 (de) 2014-09-10 2021-07-29 Komatsu Ltd. Baufahrzeug
DE112014000176B4 (de) * 2014-09-10 2021-06-17 Komatsu Ltd. Baufahrzeug sowie Verfahren zum Steuern des Baufahrzeugs
US9617709B2 (en) 2015-02-02 2017-04-11 Komatsu Ltd. Work vehicle and method of controlling work vehicle
US10822769B2 (en) 2017-04-10 2020-11-03 Komatsu Ltd. Earthmoving machine and control method
KR20180123000A (ko) 2017-04-10 2018-11-14 가부시키가이샤 고마쓰 세이사쿠쇼 건설 기계 및 제어 방법
DE112017000123T5 (de) 2017-04-10 2018-12-20 Komatsu Ltd. Erdbewegungsmaschine und Steuerungsverfahren
DE112017000123B4 (de) 2017-04-10 2022-06-02 Komatsu Ltd. Erdbewegungsmaschine und Steuerungsverfahren
CN107558530B (zh) * 2017-08-09 2020-02-14 中国航空工业集团公司西安飞行自动控制研究所 一种电传挖掘机的辅助修坡作业功能实现方法
CN107558530A (zh) * 2017-08-09 2018-01-09 中国航空工业集团公司西安飞行自动控制研究所 一种电传挖掘机的辅助修坡作业功能实现方法
WO2019151335A1 (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 住友建機株式会社 ショベル及びショベルの管理システム
CN111670286A (zh) * 2018-01-30 2020-09-15 住友建机株式会社 挖土机及挖土机的管理***
JPWO2019151335A1 (ja) * 2018-01-30 2021-01-14 住友建機株式会社 ショベル及びショベルの管理システム
WO2019220872A1 (ja) 2018-05-14 2019-11-21 株式会社神戸製鋼所 作業機械の油圧駆動装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6666209B2 (ja) 作業機械
JP3811190B2 (ja) 建設機械の領域制限掘削制御装置
JP3091667B2 (ja) 建設機械の領域制限掘削制御装置
US6230090B1 (en) Interference prevention system for two-piece boom type hydraulic excavator
JP6957081B2 (ja) 作業機械
JPH101968A (ja) 油圧建設機械の自動軌跡制御装置
JPH09328774A (ja) 油圧建設機械の自動軌跡制御装置
JP7253669B2 (ja) 作業車両
JP3641096B2 (ja) 建設機械の制御装置
JP3258891B2 (ja) 建設機械の作業機制御方法およびその装置
JP7401715B2 (ja) 作業機械
JPH1037230A (ja) 油圧掘削機械の軌跡自動制御装置
JP7274671B2 (ja) 油圧ショベル
JP7096425B2 (ja) 作業機械
JP5320003B2 (ja) 作業機械の油圧制御装置
JP3217981B2 (ja) 建設機械の制御装置
JP7036868B2 (ja) 作業機械の制御装置及び制御方法
WO2022071584A1 (ja) 作業機械
JPH10259618A (ja) 建設機械の制御装置
JPH10252095A (ja) 建設機械の制御装置
JP2687169B2 (ja) 建設機械の法面作業制御装置
JP7406042B2 (ja) 作業機械
JP2871890B2 (ja) 油圧ショベルの掘削制御装置
JP3580976B2 (ja) 建設機械の制御装置
JP2699097B2 (ja) 建設機械のバケット刃先深さ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040224

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02