JPH09326389A - 耐湿性絶縁膜の形成方法及び層間絶縁膜の形成方法 - Google Patents

耐湿性絶縁膜の形成方法及び層間絶縁膜の形成方法

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JPH09326389A
JPH09326389A JP8165310A JP16531096A JPH09326389A JP H09326389 A JPH09326389 A JP H09326389A JP 8165310 A JP8165310 A JP 8165310A JP 16531096 A JP16531096 A JP 16531096A JP H09326389 A JPH09326389 A JP H09326389A
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insulating film
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比誘電率が低く、かつ、簡易な工程で耐湿性に
優れた絶縁膜が得られる耐湿性絶縁膜の形成方法及び層
間絶縁膜の形成方法を提供する。 【解決手段】真空中で原料モノマーA、Bを蒸発させ、
基板4上で蒸着重合させてポリ尿素膜を形成した後、こ
のポリ尿素膜の表面に、比誘電率が大きくならない程度
の膜厚、例えば100nm以下の無機絶縁性薄膜を真空
蒸着により形成する。ポリ尿素膜を形成するための原料
モノマーA、Bとしては、4,4′−ジアミノジフェニルメ
タン(MDA)等のジアミンと、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアナート(MDI)等のジイソシアナートと
を用いる。無機絶縁性薄膜を形成するための無機絶縁物
としては、SiO2 、SiN又はSiONを含むものを
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体装
置の層間絶縁膜に用いられる低比誘電率の絶縁膜に関
し、特に、蒸着重合を利用した高分子膜の耐湿性の改善
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の層間絶縁膜として
は、回転塗布法によるSOG(Spin onGlass)膜やCV
D法(化学蒸着法:Chemical Vapor Deposition)による
SiO2膜が主に用いられている。これらの方法によっ
て形成された層間絶縁膜の比誘電率は約4となるが、最
近はLSIの高集積化の進展により層間絶縁膜の低比誘
電率化が大きな課題とされており、比誘電率が4以下の
層間絶縁膜が要求されるようになっている。
【0003】このような要求に対しては、近年、プラズ
マCVD法によって形成されたSiO2 膜にフッ素を添
加したSiOF膜が提案されており、この膜によれば層
間絶縁膜の比誘電率を3.7〜3.2程度に抑えること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来技術においては、次のような問題があった。すなわ
ち、回転塗布法によるSOG膜は、有機溶媒を除去する
ために400℃近傍の温度でベークし脱水重合反応させ
て形成することから、有機溶媒や水が発生するなどの課
題がある。
【0005】また、上述のプラズマCVD法によるSi
OF膜は、このSOG膜のような問題はなく低比誘電率
化を達成しうるが、膜の形成方法や成膜条件によって膜
特性が大きく異なったり、膜中のフッ素の脱離や吸湿性
が大きいといった膜の不安定性により誘電率を悪化させ
てしまう問題が指摘されており、将来の低比誘電率材料
としての応用は難しい状況にある。
【0006】その一方、近年、真空中で原料モノマーを
蒸発させ、基体上で蒸着重合させることにより低比誘電
率の高分子膜を形成する方法が提案されているが、かか
る方法により形成した高分子膜においては、耐湿性の点
で問題点が指摘されている。
【0007】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、比誘電率が低く、か
つ、簡易な工程で耐湿性に優れた絶縁膜が得られる耐湿
性絶縁膜の形成方法及び層間絶縁膜の形成方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、原料モノマーの蒸
着重合により形成した高分子膜に密着する無機絶縁性の
薄膜を形成することにより、高分子膜の耐湿性を向上し
うることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】請求項1記載の発明は、かかる知見に基づ
いてなされたもので、真空中で原料モノマーを蒸発さ
せ、基体上で蒸着重合させて高分子膜を形成する工程
と、この高分子膜に密着する無機絶縁性薄膜を形成する
工程とを有することを特徴とする。
【0010】無機絶縁性薄膜は、高分子膜の上層又は下
層のどちらに形成してもよく、また、高分子膜の上層と
下層の両方に形成することもできる。
【0011】この場合、請求項2記載の発明のように、
請求項1記載の発明において、無機絶縁性薄膜を形成す
るための無機絶縁物としてSiO2、SiN又はSiON
を用いることも効果的である。
【0012】無機絶縁性薄膜を形成する方法としては、
真空蒸着やプラズマCVD等を用いることができる。
【0013】また、本発明の場合、請求項3に記載され
るように、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明に
おいて、蒸着重合させる高分子重合体が芳香族ポリ尿素
である場合に効果的である。
【0014】この場合、原料モノマーとしては、4,4′-
ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノ3,3′-
ジメチルジフェニルメタン、4,4′-ジアミノジフェニル
メタン(MDA)、4,4′-ジアミノジフェニルサルファ
イド等のジアミンと、4,4′-ジフェニルメタンジイソシ
アナート(MDI)、4,4′-ジイソシアン酸メチレンジ
フェニル、4,4′-ジイソシアン酸3,3′-ジメチルジフェ
ニル等のジイソシアナートを用いることができる。
【0015】特に、請求項4記載の発明のように、原料
モノマーとして、4,4′-ジアミノジフェニルメタン(M
DA)と、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアナート(M
DI)を用いるとより効果的である。
【0016】また、本発明は、請求項5に記載されるよ
うに、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明におい
て、蒸着重合させる高分子重合体が芳香族ポリイミドで
ある場合にも効果的である。
【0017】この場合、原料モノマーとしては、2,2′-
ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BA
PP)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、4,4′-ジ
アミノ3,3′-ジメチルジフェニルメタン、4,4′-ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4′-ジアミノジフェニルサルフ
ァイド等のジアミンと、二無水ピロメリト酸、3,3′4,
4′-ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の酸無水物を用
いると効果的である。
【0018】特に、請求項6記載の発明のように、原料
モノマーとして、2,2′-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)
フェニル]プロパン(BAPP)と、二無水ピロメリト酸
を用いるとより効果的である。
【0019】また、本発明においては、蒸着重合によっ
て形成された膜に対し、半導体装置を作製する際の最高
温度より高い温度で熱処理を行うこともできる。これ
は、その後の半導体装置の製造プロセスにおける高分子
成分の分解を防ぐために有効である。
【0020】例えば、400℃程度の温度で、30分程
度の熱処理を行うとよい。この場合、処理雰囲気は、大
気又は真空中のどちらでもよい。
【0021】一方、請求項7記載の発明は、金属配線が
形成された半導体基体上に、請求項1乃至6のいずれか
1項記載の方法によって耐湿性絶縁膜を形成する工程を
有することを特徴とする層間絶縁膜の形成方法である。
【0022】真空中でジアミンとジイソシアナート等の
原料モノマーを蒸発させ、基体上で蒸着重合させて熱処
理を行うと、低比誘電率の高分子膜が得られる。その一
方、SiO2 等の無機絶縁物は、耐湿性の点で優れた特
性を有している。
【0023】そこで、請求項1記載の発明のように、真
空中で原料モノマーを蒸発させ、基体上で蒸着重合させ
て形成した高分子膜に密着する無機絶縁性薄膜を、比誘
電率が大きくならない程度の膜厚、例えば100nm以
下の膜厚で形成すれば、低比誘電率の絶縁膜において耐
湿性を向上させることができる。
【0024】この場合、請求項2記載の発明のように、
請求項1記載の発明において、無機絶縁性薄膜を形成す
るための無機絶縁物としてSiO2、SiN又はSiON
を用いる場合には、より一層耐湿性が向上する。
【0025】また、請求項3記載の発明のように、請求
項1又は2のいずれか1項記載の発明において、蒸着重
合させる高分子重合体が芳香族ポリ尿素である場合、特
に、請求項4記載の発明のように、原料モノマーとし
て、4,4′-ジアミノジフェニルメタン(MDA)と、4,
4′-ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)を用い
る場合には、低比誘電率で耐湿性に優れた絶縁膜が容易
に形成される。
【0026】さらに、請求項5記載の発明のように、請
求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、蒸着
重合させる高分子重合体が芳香族ポリイミドである場
合、特に、請求項6記載の発明のように、原料モノマー
として、2,2′-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]
プロパン(BAPP)と、二無水ピロメリト酸を用いる場
合にも、低比誘電率で耐湿性に優れた絶縁膜が容易に形
成される。
【0027】一方、請求項7記載の発明のように、金属
配線が形成された半導体基体上に、請求項1乃至6のい
ずれか1項記載の方法によって耐湿性絶縁膜を形成すれ
ば、比誘電率が低く、かつ、耐湿性に優れた層間絶縁膜
が得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照して詳細に説明する。
【0029】図1は、本発明を実施するための成膜装置
の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、こ
の装置においては、第1及び第2の処理室1、2が設け
られ、これら第1及び第2の処理室1、2は、ゲートバ
ルブ3を介して連結されている。なお、第1及び第2の
処理室1、2は、図示しない真空ポンプ等の真空排気系
に連結されている。
【0030】第1の処理室1内には、処理すべき基板4
が基板ホルダー5によって保持される。この基板ホルダ
ー5は、第1の処理室1の外部に貫通して配置される搬
送アーム6の先端部6aに取り付けられている。この搬
送アーム6は、搬送モータ7の回転に伴って水平方向に
移動自在となるように構成されている。すなわち、搬送
モータ7のシャフト8にネジ部が形成される一方、搬送
アーム6の先端部6aにもネジ部が形成され、これらの
噛み合いによって搬送アーム6が矢印方向に移動して基
板4が第2の処理室2に入り込むように構成される。
【0031】また、第1の処理室1の下方には、エレク
トロンビーム加熱源9が配置される。このエレクトロン
ビーム加熱源9は、マルチタイプの蒸発源で、概略、エ
レクトロンビーム源9aと、基部9bと、蒸発部9cと
から構成される。蒸発部9cは基部9bに対して回転可
能に取り付けられ、その凹部に複数の蒸発材料10a、
10b(例えば、アルミニウム、SiO2 等)が載置さ
れる。そして、エレクトロンビーム源9aから射出され
たエレクトロンビームEBが偏向磁場によって偏向さ
れ、蒸発部9cの回転により蒸発材料10a、10bの
のいずれかに到達するように構成される。
【0032】さらに、基板4とエレクトロンビーム加熱
源9との間には、シャッター11が設けられ、このシャ
ッター11の近傍には、基板4上に形成される薄膜の膜
厚を検出するための膜厚モニター12が設けられてい
る。
【0033】一方、第2の処理室2の下方には、ポリ尿
素膜、ポリイミド膜等を形成するため、2種類の原料モ
ノマーの蒸発源13A、13Bが配置される。各蒸発源
13A、13Bのハウジング14A、14B内には、そ
れぞれ蒸発用容器15A、15Bが設けられる。そし
て、各蒸発用容器15A、15Bの内部には、原料モノ
マーA、Bがそれぞれ注入され、さらに、各蒸発用容器
15A、15Bの近傍には、各原料モノマーA、Bを加
熱するためのヒータ16A、16Bが設けられる。ま
た、各蒸発源13A、13Bの間には、原料モノマー
A、B同士の蒸気の混合を防止するとともに、互いの熱
の影響を防止するための仕切板17が配置される。
【0034】また、蒸発源13A、13Bの上方には、
シャッター18が設けられ、このシャッター18の近傍
には、膜厚モニター12がそれぞれ設けられている。
【0035】この装置を用いて基板4上に耐湿性絶縁膜
を形成する場合には、ゲートバルブ3を開け、モーター
7を回転させて基板4を処理室2に搬送する。そして、
シャッター18を閉じた状態で第2の処理室2内の圧力
を所定の値に設定し、膜圧モニター12で各原料モノマ
ーA、Bの蒸発量を測定しながらヒーター16A、16
Bによって各原料モノマーA、Bを所定の温度に加熱す
る。
【0036】次いで、各原料モノマーA、Bが所定の温
度に達して所要の蒸発量が得られた後に、シャッター1
8を開き、所定の析出速度で基板4上に膜を蒸着し、堆
積させた後にシャッター18を閉じる。
【0037】その後、第2の処理室2から基板4を取り
出して熱処理を行い、上記蒸着膜の架橋反応と高分子量
化を行う。この場合、熱処理の条件は、温度が400℃
程度、時間は30分程度で行う。また、処理雰囲気は、
大気又は真空中のどちらでもよい。
【0038】さらに、再び基板4を第1の処理室1内に
搬送し、エレクトロンビーム加熱源9によって無機絶縁
物であるSiO2 を加熱して蒸発させ、膜厚モニター1
2で蒸発速度を制御しながら基板4上に厚みが50nm
程度のSiO2 膜を蒸着する。
【0039】このような本実施の形態によれば、比誘電
率が低く、かつ、耐湿性に優れた絶縁膜を得ることがで
きる。
【0040】図2(a)〜(e)は、本発明に係る耐湿性絶
縁膜を用いて半導体装置の層間絶縁膜を形成する工程の
一例を示すものである。まず、図2(a)に示すように、
半導体基板20と、この半導体基板20表面に形成さ
れ、所定の位置に窓開けがされたシリコン熱酸化膜21
と、その上に成膜され、パターニングが施された第1層
目の配線22とを有する例えばSiからなる基板31を
用意する。
【0041】この基板31の表面に、上述したように蒸
着重合により所望の厚みに全面成膜して蒸着膜を形成す
る。そして、熱処理を行って蒸着膜の架橋反応と高分子
量化を行い、高分子膜23aを形成する。その後、高分
子膜23aの表面に、上述の方法によって例えばSiO
2 による無機絶縁性薄膜23bを全面成膜し、層間絶縁
膜23とする(図2(b))。
【0042】次いで、その層間絶縁膜23の表面に所定
のパターニングが施されたレジスト膜25を形成し(図
2(c))、ドライエッチングを行ってレジスト膜25の
窓開け部分に露出した層間絶縁膜23を除去する(図2
(d))。そして、上述のレジスト膜25を除去した後、
配線薄膜を全面成膜し、パターニングを施して第2層目
の配線26を形成する。すると、層間絶縁膜23が除去
された窓開け部分27で、第1層目の配線22と第2層
目の配線26とが電気的に接続され、その結果、多層配
線を有する半導体装置35を得ることができる(図2
(e))。
【0043】本実施の形態によれば、低比誘電率化した
絶縁膜によって層間絶縁膜23を構成しているので、第
1層目の配線22と第2層目の配線26との間で形成さ
れるコンデンサーの容量が小さくなり、半導体装置35
の動作速度を向上させることが可能になる。しかも、本
実施の形態によれば、層間絶縁膜23の耐熱性を向上さ
せることができるので、安定した特性を有する半導体装
置35を得ることができる。
【0044】なお、本発明は上述の実施の形態に限られ
ることなく、種々の変更を行うことができる。
【0045】例えば、上述の実施の形態においては、高
分子膜を形成した後、その表面に無機絶縁性薄膜を形成
するようにしたが、本発明はこれに限られず、無機絶縁
性薄膜を形成した後、その表面に高分子膜を形成するこ
ともできる。また、高分子膜の上層と下層の両方に無機
絶縁性薄膜を形成することもできる。
【0046】さらに、蒸着重合による高分子膜上に形成
する無機絶縁性薄膜としては、SiO2の他、SiNや
SiON等を用いることもできる。
【0047】さらにまた、本発明は層間絶縁膜のみなら
ず、種々の絶縁膜に適用しうるものである。
【0048】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を比較例とと
もに説明する。
【0049】図1に示す成膜装置を用いて基板4上に耐
湿性絶縁膜を形成した。まず、基板ホルダー5に、長さ
76mm×幅26mm×厚み1.0mmの例えばコーニ
ング#7059からなる基板4を取り付け、第1の処理
室1において、蒸発材料10であるアルミニウムを7の
エレクトロンビーム(E/B)加熱により蒸発させ、膜
厚モニター12で蒸発速度を制御しながら基板4上に1
000nmとなるように蒸着して下部電極を形成する。
この場合、ゲートバルブ3は閉じておき、基板4の温度
は20℃に保ち、蒸着中の第1の処理室1内の圧力を3
×10-3 Pa とした。
【0050】次に、ゲートバルブ3を開け、モーター7
を回転させて基板4を第2の処理室2に搬送し、基板4
上において蒸着重合を行う。この場合、原料モノマー
A、Bとしては、ポリ尿素膜を形成するための原料モノ
マーである、4,4′-ジアミノジフェニルメタン(MD
A)と、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアナート(M
DI)を用い、高真空中(3×10-3Pa)においてM
DAは100.0±0.1℃で、MDIについては7
0.5±0.1℃の温度で蒸発させ、膜厚モニター12
A、12Bにより各原料モノマーの蒸発速度を制御し
た。
【0051】なお、本実施例の場合、MDAとMDIの
組成比が化学量論比で1:1となるように制御した。
【0052】その後、基板4を装置から取り出して熱処
理を行い、蒸着膜の架橋反応と高分子量化を行った。こ
の場合、熱処理の温度は400℃とした。この時点にお
けるポリ尿素膜の膜厚は500nmであった。
【0053】かかる熱処理後、再び基板4を第1の処理
室1内に搬送し、エレクトロンビーム加熱源9によって
無機絶縁物であるSiO2を加熱して蒸発させ、膜厚モ
ニター12で蒸発速度を制御しながら基板4上のポリ尿
素膜上に厚み50nmのSiO2膜を蒸着し、さらに、
このSiO2膜に対して上述の下部電極の場合と同様の
条件でアルミニウムを蒸着し、上部電極を形成して比誘
電率測定用の素子を作成した。
【0054】この実施例の素子の比誘電率を測定したと
ころ、2.95であった。この場合、比誘電率の値は、
横河ヒューレットパッカード社製のマルチ・フリケンシ
LCRメータ(モデル4275A)を使用して静電容量
Cを測定し、計算によって求めた。
【0055】一方、比較例として、実施例と同様の方法
によって下部電極上にポリ尿素膜のみを形成し、さらに
その上に上部電極を形成して、比誘電率測定用の素子を
作成した。この素子について実施例と同様の方法により
ポリ尿素膜の比誘電率を測定したところ、2.8であっ
た。
【0056】さらに、実施例の素子と比較例の素子を大
気中に1週間放置したところ、比較例の素子は吸湿によ
り1〜1.5%の容量変化が観測されたが、実施例の素
子は0.1%しか容量変化が観測されなかった。この結
果、本発明によれば、蒸着重合による高分子膜の耐湿性
を向上しうることが実証された。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、真空中で原料モノマーを蒸発させ、基体上で
蒸着重合させて高分子膜を形成する工程と、この高分子
膜に密着する無機絶縁性薄膜を形成する工程を有するこ
とにより、比誘電率が低く、かつ、耐湿性に優れた絶縁
膜を得ることができる。
【0058】この場合、請求項2記載の発明のように、
請求項1記載の発明において、無機絶縁薄膜を形成する
ための無機絶縁物としてSiO2、SiN又はSiONを
用いることにより、より一層耐湿性の高い絶縁膜を形成
することができる。
【0059】また、請求項3記載の発明のように、請求
項1又は2のいずれか1項記載の発明において、蒸着重
合させる高分子重合体が芳香族ポリ尿素である場合、特
に、請求項4記載の発明のように、原料モノマーとし
て、4,4′-ジアミノジフェニルメタン(MDA)と、4,
4′-ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)を用い
ることにより、低比誘電率で耐湿性に優れた絶縁膜を容
易に形成することができる。
【0060】さらに、請求項5記載の発明のように、請
求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、蒸着
重合させる高分子重合体が芳香族ポリイミドである場
合、特に、請求項6記載の発明のように、原料モノマー
として、2,2′-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]
プロパン(BAPP)と、二無水ピロメリト酸を用いるこ
とによっても、低比誘電率で耐湿性に優れた絶縁膜を容
易に形成することができる。
【0061】一方、請求項7記載の発明のように、金属
配線が形成された半導体基体上に、請求項1乃至6のい
ずれか1項記載の方法によって耐湿性絶縁膜を形成する
ことにより、比誘電率が低く、かつ、耐湿性に優れた層
間絶縁膜を容易に形成することができる。したがって、
本発明を用いて多層配線の層間絶縁膜を形成すれば、動
作速度が大きく、かつ、安定した特性を有する半導体装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための成膜装置の一例の概略
構成図
【図2】本発明に係る耐湿性絶縁膜を用いて半導体装置
の層間絶縁膜を形成する工程の一例を示す工程図
【符号の説明】
1…第1の処理室1、2…第2の処理室2、ゲートバル
ブ、4…基板、5…基板ホルダー、9…エレクトロンビ
ーム加熱源、9a…エレクトロンビーム源、9b…基
部、9c…蒸発部、10a、10b…蒸発材料(アルミ
ニウム又はSiO2)、12…膜厚モニター、13A、
13B…蒸発源、15A、15B…蒸発用容器、16
A、16B…ヒーター、18…シャッター、20…半導
体基板、21…シリコン熱酸化膜、22…配線、23…
層間絶縁膜、23a…高分子膜、23b…無機絶縁性薄
膜、25…レジスト膜、26…配線、31…基板、35
…半導体装置、A、B…原料モノマー、EB…エレクト
ロンビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 16/30 H01L 21/95

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空中で原料モノマーを蒸発させ、基体上
    で蒸着重合させて高分子膜を形成する工程と、該高分子
    膜に密着する無機絶縁性薄膜を形成する工程とを有する
    ことを特徴とする耐湿性絶縁膜の形成方法。
  2. 【請求項2】無機絶縁性薄膜を形成するための無機絶縁
    物がSiO2、SiN又はSiONであることを特徴とす
    る請求項1記載の耐湿性絶縁膜の形成方法。
  3. 【請求項3】蒸着重合させる高分子重合体が芳香族ポリ
    尿素であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか
    1項記載の耐湿性絶縁膜の形成方法。
  4. 【請求項4】原料モノマーとして、4,4′-ジアミノジフ
    ェニルメタン(MDA)と、4,4′-ジフェニルメタンジイ
    ソシアナート(MDI)を用いることを特徴とする請求項
    3記載の耐湿性絶縁膜の形成方法。
  5. 【請求項5】蒸着重合させる高分子重合体が芳香族ポリ
    イミドであることを特徴とする請求項1又は2のいずれ
    か1項記載の耐湿性絶縁膜の形成方法。
  6. 【請求項6】原料モノマーとして、2,2′-ビス[4-(4-ア
    ミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)と、二
    無水ピロメリト酸を用いることを特徴とする請求項6記
    載の耐湿性絶縁膜の形成方法。
  7. 【請求項7】金属配線が形成された半導体基体上に、請
    求項1乃至6のいずれか1項記載の方法によって耐湿性
    絶縁膜を形成する工程を有することを特徴とする層間絶
    縁膜の形成方法。
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