JP2003025480A - 強密着性を有するガスバリア性透明積層体 - Google Patents
強密着性を有するガスバリア性透明積層体Info
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Abstract
することが可能で、且つ金属箔並みの高度なガスバリア
性及び殺菌処理耐性をもつ実用性の高い包装用の強密着
性を有するガスバリア性透明積層体の提供を目的とす
る。 【解決手段】プラスチック材料からなる基材の少なくと
も片面に、ポリ尿素、ポリアミド、ポリイミド、ポリア
ゾメチンの単体或いはそれらの混合物から選ばれる有機
化合物からなる蒸着薄膜層と、無機酸化物からなる蒸着
薄膜層を少なくとも順次積層させる。
Description
医薬品等の包装分野に用いられる包装用の積層体に関す
るもので、特にボイル殺菌やレトルト殺菌等が必要とさ
れる内容物の包装に適した強密着性を有するガスバリア
性透明積層体に関するものである。
に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制しそれら
の機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸
素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響
を防止する必要があり、これらを遮断するガスバリア性
等を備えることが求められている。そのため従来から、
温度・湿度などの影響が少ないアルミ等の金属箔をガス
バリア層として用いた包装材料が一般的に用いられてい
る。
層として用いた包装材料は、温度・湿度の影響を受けず
に高度なガスバリア性を維持するが、包装材料を透視し
て内容物を確認することができない、使用後の廃棄の際
は不燃物として処理しなければならない、検査の際金属
探知器が使用できないなどの欠点を有し問題があった。
べく、例えば米国特許第3442686号明細書、特公
昭63−28017号公報等に記載されているような、
高分子フィルム上に真空蒸着法やスパッタリング法等の
薄膜形成手段により酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成したフィル
ムが開発されている。これらの蒸着フィルムは、透明性
及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知
られ、金属箔等をガスバリア層として用いた包装材料で
は得ることのできない透明性、ガスバリア性の両者を有
する包装材料として好適とされている。
た包装材料に適する蒸着フィルムであっても、包装容器
または包装体として、蒸着フィルム単体で用いられるこ
とはほとんどない。すなわち、この蒸着フィルムの蒸着
薄膜形成後の後加工として蒸着フィルム表面への文字・
絵柄等の印刷加工、またはフィルム等との貼り合わせ、
あるいは容器等の包装体への形状加工などさまざまな工
程を経て包装体を完成させている。特にボイル殺菌やレ
トルト殺菌等を必要とする包装材料は、種々の工程を経
て殺菌されるために、包装材料の設計には十分注意しな
ければならない。
ム等を用いてシーラントフィルムと貼り合わせて製袋
後、内容物を充填してボイル殺菌やレトルト殺菌を試み
たところ、貼り合わせ部の一部に蒸着層の剥離が発生し
て外観不良になったり、その部分のガスバリア性が低下
し、内容物が変質する等の問題が生じた。
材料としては、内容物を直接透視することが可能なだけ
の透明性、内容物に対して影響を与える気体等を遮断す
る高いガスバリア性及びボイル殺菌やレトルト殺菌後も
ガスバリア性の劣化がなくまた剥離等が発生しない等の
各種殺菌処理耐性等を有することが求められているが、
上述様な蒸着フィルムはこれらの要求を全ては満たすこ
とができないし、また現在のところこれらを満足する包
装材料は見いだされていない。
もので、内容物を直接透視することが可能で、且つ金属
箔並みの高度なガスバリア性及び殺菌処理耐性をもつ実
用性の高い包装用の積層体を提供することを目的とす
る。
するためのもので、請求項1に記載の発明は、プラスチ
ック材料からなる基材の少なくとも片面に、ポリ尿素、
ポリアミド、ポリイミド、ポリアゾメチンの単体或いは
それらの混合物から選ばれる有機化合物からなる蒸着薄
膜層と、無機酸化物からなる蒸着薄膜層が少なくとも順
次積層されていることを特徴とする強密着性を有するガ
スバリア性透明積層体である。
に記載の強密着性を有するガスバリア性透明積層体にお
いて、有機化合物からなる蒸着薄膜層が蒸着重合法によ
り積層されたものであることを特徴とする。
求項1または請求項2に記載の強密着性を有するガスバ
リア性透明積層体において、無機酸化物からなる蒸着薄
膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素或いはそれらの混
合物からなることを特徴とする。
求項1または請求項3に記載の強密着性を有するガスバ
リア性透明積層体において、有機化合物からなる蒸着薄
膜層及び無機酸化物からなる蒸着薄膜層が同じ巻取り蒸
着機内にてインラインで積層されたものであることを特
徴とする。
求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の強密着性を
有するガスバリア性透明積層体において、無機酸化物か
らなる蒸着薄膜層上にオーバーコーティング層が積層さ
れ、この層が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属
アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の
少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合
溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥し
てなる層であることを特徴とする。
求項5に記載の強密着性を有するガスバリア性透明積層
体において、金属アルコキシドが、テトラエトキシシラ
ンまたはトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれ
らの混合物からなる群から選ばれる一つであることを特
徴とする。
求項5または請求項6に記載の強密着性を有するガスバ
リア性透明積層体において、水溶性高分子が、ポリビニ
ルアルコールであることを特徴とする。
に説明する。図1は本発明の強密着性を有するガスバリ
ア性透明積層体の一実施形態を示す断面構成説明図であ
る。
材料からなるフィルム基材であり、その基材(1)上
に、有機化合物からなる蒸着薄膜層(2)、無機酸化物
からなる蒸着薄膜層(3)、オーバーコーティング層
(4)が順次積層されている。オーバーコーティング層
(4)は、要求品質によっては設けない場合もある。
性を生かすために可能であれば透明なフィルム基材であ
ることが好ましい。基材(1)の例としては、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフ
タレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ
カーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィル
ム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。これらのフィ
ルムは、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強
度や寸法安定性を有するものが良い。この中で、二軸方
向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィ
ルムが好ましく用いられる。またこの基材の蒸着層が設
けられる面と反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安
定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤
などで薄膜を設けても良い。また、基材(1)上に設け
る薄膜層との密着性を良くするために、基材(1)の薄
膜層を積層する面にコロナ処理、低温プラズマ処理、イ
オンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などの前処理
を施してもおいても良い。
ではないが、後述する有機化合物からなる蒸着薄層
(2)、無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)、さらに
オーバーコーティング層(4)を形成する場合の加工性
を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ま
しく、特に6〜30μmとすることが好ましい。また、
包装材料としての適性を考慮して、その構成は前記各フ
ィルムの単体でも、異なる性質のフィルムを積層した積
層フィルムであってもよい。
各層を形成できるように長尺の連続フィルムとすること
が望ましい。
は、プラスチック材料からなる基材(1)上に設けら
れ、基材(1)と無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)
との間の密着性を高め、ボイル殺菌やレトルト殺菌後の
蒸着層の剥離発生を防止するために設けられる層であ
る。
いて上記目的が達成可能な有機化合物からなる蒸着薄膜
層(2)としては、寸法安定性及び基材との密着性等の
特性を有する必要があり、それらを満足させるための有
機化合物として用いることができるのは、ポリ尿素及び
ポリアミド、ポリイミド、ポリアゾメチンの単体或いは
それらの混合物であることを見出した。これらの中で
は、ポリ尿素とポリアミドがより好ましい。これらの有
機化合物は、結晶性の高い高分子なので通常のコーティ
ング方法においては積層することは不可能であり、これ
らを積層するには、真空蒸着法の中の一種である蒸着重
合法を用いる必要がある。
応性の高い2種以上のモノマー(重合させるためには、
ジイソシアネート化合物とジアミン化合物が必要であ
る)を加熱蒸発させ、基材上に衝突させるとモノマーの
表面移動により基材上で重合反応が起こり、そこに蒸着
薄膜層が得られるようにした方法で、官能基の組み合わ
せ及び用いるモノマーの構造を変化させることにより、
多種多様の高分子膜の作製が可能となる。この蒸着重合
法を用いることにより、これまで成膜が不可であった結
晶性の高い高分子膜、例えば本発明の有機化合物からな
る蒸着薄膜層(2)を構成するポリ尿素、ポリアミド、
ポリイミド、ポリアジメチンやこれらの混合物等の樹脂
による成膜が可能になる。これらの高分子膜は、寸法安
定性に優れると共に密着性に優れるので、基材(1)と
無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)との間に設けるこ
とにより蒸着薄膜層(3)の剥離を押さえることができ
る。蒸着重合の際に用いられる重合原料のジイソシアネ
ート化合物及びジアミン化合物は、要求品質、積層する
蒸着薄膜(3)を構成する無機酸化物の種類によって適
宜選択することが可能である。
さは、用いられる有機化合物の種類・構成により最適条
件が異なるが、一般的には5〜100nmの範囲内であ
ることが望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜
厚が50nmより薄いと均一な膜が得られにくく密着性
が低下する場合がある。また膜厚が100nmを越える
場合は厚すぎるために生産性やコスト的に難がある。よ
り好ましいのは、蒸着薄層の厚さが10〜75nmの範
囲内にあることである。
ロム線やハロゲンランプなどを加熱源とする蒸発源がモ
ノマーごとにあり(2種であれば2個)、そのモノマー
を所定の温度に加熱した後、膜厚モニターによって所望
の組成になるようにコントロールしながら基材上に成膜
させる簡単なもので構わない。
(3)を説明する。無機酸化物からなる蒸着薄膜層
(3)は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化
マグネシウム、或いはそれらの混合物などの無機酸化物
の蒸着薄膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等
のガスバリア性を有する層であればよい。各種殺菌処理
耐性を配慮するとこれらの中では、特に酸化アルミニウ
ム及び酸化珪素を用いることがより好ましい。ただし本
発明の蒸着薄膜層(3)は、上述した無機酸化物に限定
されず、上記条件に適合する材料であれば種々のものを
用いることができる。
さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条
件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望
ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm
未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分で
はないことがあり、ガスバリア層としての機能を十分に
果たすことができない場合がある。また膜厚が300n
mを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させる
ことができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的
要因により、薄膜に亀裂を生じる恐れがある。好ましく
は、10〜150nmの範囲内である。
機化合物からなる蒸着薄膜層(2)上に形成する方法と
しては種々在り、通常の真空蒸着法により形成すること
ができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタ
リング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長
法(CVD)などを用いることも可能である。但し生産
性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れてい
る。また、真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方
式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用
いることが好ましい。また蒸着薄膜層と基材の密着性及
び蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマア
シスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着するこ
とも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために
蒸着の際、酸素ガスなど吹き込む反応蒸着を行っても一
向に構わない。
蒸着薄膜(2)と無機酸化物からなる蒸着薄膜(3)の
積層方法としては、蒸着薄膜(2)を蒸着重合法にて成
膜後、別機にて蒸着薄膜(3)を真空蒸着法により積層
する方法、2キャン方式の巻き取り蒸着装置を用いて1
キャン目で蒸着薄膜(2)を2キャン目で蒸着薄膜
(3)をインラインにて積層する方法、1キャンの巻き
取り蒸着装置を用いて巻き出し側にて蒸着薄膜(2)を
巻き取り側にて蒸着薄膜(3)をインラインにて積層す
る方法等、種々の方法も用いることが可能であり、生産
性や経済性を考慮すると両方の膜をインラインにて積層
することがより好ましい。
要求品質により更なる高度なガスバリア性を付与するた
めに、無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)上に必要に
応じて設けられるものである。
水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及
び加水分解物又は、(b)塩化錫、の少なくとも一方を
含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とする
コーティング剤を用いて形成される。具体的には、水溶
性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混
合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキ
シドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行っ
たものを混合した溶液を使用する。この溶液を無機酸化
物からなる蒸着薄膜層(3)上にコーティング後、加熱
乾燥しオーバーコーティング層(4)とする。
ついて更に詳細に説明する。コーティング剤に用いられ
る水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙
げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと
略す)をコーティング剤を構成する水溶性高分子として
用いた場合、ガスバリア性が最も優れる。ここでいうP
VAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるも
のである。PVAとして例えば、酢酸基が数十%残存し
ている、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%し
か残存していない完全PVA等を含み、特に限定されな
い。
ては、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnC
l4)、或いはそれらの混合物であってもよい。またこ
れらの塩化錫は、無水物でも水和物でもあってもよい。
R)n(M:Si、Ti、Al、Zr等の金属、R:C
H3、C2H6等のアルキル基)で表せる化合物である。
具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC
2H6)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al
(O−2’−C3H7)3〕などがあげられ、中でもテト
ラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが
加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるの
で好ましい。
い範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング
剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤など
の公知の添加剤を必要に応じて加えることができる。
アネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソ
シアネート基を有するものが好ましい。例えばトリレン
ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネ
ート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモ
ノマー類と、これらの重合体、誘導体が挙げられる。
られるディッピング法、ロールコーティング法、スクリ
ーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公
知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーテ
ィング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾
燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な被膜
が得られなく十分なガスバリア性を得られない場合があ
るので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合
は被膜にクラックが生じ易くなるため問題がある。好ま
しくは0.01〜50μmの範囲にあることが好まし
く、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあること
である。
る蒸着薄膜層やオーバーコーティング層上に他の層を積
層することも可能である。例えば印刷層、介在フィル
ム、ヒートシール層等である。
バリア性透明積層体を包装袋などとして実用的に用いる
ために形成されるものである。例えば、ウレタン系、ア
クリル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から用
いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔
料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加さ
れてなるインキにより構成される層である。この印刷に
より、文字、絵柄等を形成する。形成方法としては、例
えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリ
ーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイ
フエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式
を用いることができる。印刷層の乾燥膜厚(固形分)は
0.1〜2.0μm程度で良い。
蒸着薄膜層またはオーバーコーティング層とヒートシー
ル層の間に介在させ、袋状包装材料時の破袋強度や突き
刺し強度を高めるために設けるもので、一般的に機械強
度及び熱安定性の面から二軸延伸ナイロンフィルム、二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸
ポリプロピレンフィルム等を用いる。厚さは、材質や要
求品質に応じて決められるが、一般的には10〜30μ
mの範囲である。これらは、例えば2液硬化型ウレタン
系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネー
ト法等の公知の方法により積層できる。
成する際に接着層として作用するように設けるものであ
る。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられ
る。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15
〜200μmの範囲である。形成方法としては、上記樹
脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂
などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法
等を用いることが一般的であるが、それ以外の公知の方
法により積層することも可能である。
性透明積層体を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
液と液を配合比(wt%)で6/4に混合したもの
を、ガスバリア性オーバーコーティング剤として用い
た。 液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.
1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させ
た固形分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液
液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピ
ルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比
で90:10)
mの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムを用い、この片面に、蒸着重合装置により厚さ1
5nmのポリ尿素からなる蒸着薄膜層を(2)を形成し
た。次いで別機にて電子線加熱方式による真空蒸着装置
により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを
導入し、厚さ15nmの酸化アルミニウムを蒸着して蒸
着薄膜層(3)を形成し、実施例1に係る強密着性を有
するガスバリア性透明積層体を得た。
層(3)上に、上述した組成のオーバーコーティング剤
をグラビアコート法により塗布し、厚さ0.5μmのオ
ーバーコーティング層(4)を更に積層した以外は実施
例1と同様の条件にて実施例2に係る強密着性を有する
ガスバリア性透明積層体を得た。
層(2)と無機酸化物からなる蒸着薄膜層(3)を、同
じ蒸着機内にてインラインで積層した以外は実施例2と
同様の条件にて実施例3に係る強密着性を有するガスバ
リア性透明積層体を得た。
層(2)を設けなかった以外は実施例2と同様の条件に
て比較例1に係る透明積層体を得た。
強密着性を有するガスバリア性透明積層体及び比較例1
の透明積層体の最上層の蒸着薄膜層或いはオーバーコー
ティング層側に介在フィルムとして、厚さ15μmの二
軸延伸ナイロンフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤
を介してドライラミネート法により積層し、更にヒート
シール層として、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレン
フィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライ
ラミネート法により積層し包装材料を作製した。
装材料を用いて4辺をシール部とするパウチを作製し、
内容物として水150gを充填した。その後、121℃
−30分間のレトルト殺菌を行った。評価として、レト
ルト殺菌前後の酸素透過率(単位:cm3/m2/da
y、測定条件:30℃−70%RH)及びラミネート強
度(300mm/minの剥離速度で測定、単位:N/
15mm)を評価した。その結果を表1に示す。
は、上述した包装材料として用いられる条件とした、内
容物を直接透視することが可能なだけの透明性、内容物
に対して影響を与える気体等を遮断する金属箔並の高度
なガスバリア性及び各種殺菌耐性等を全て満たすもので
はないが、実施例1〜3に係る強密着性を有するガスバ
リア性透明積層体より作成した包装材料はそれらを全て
満たしていると言える。
明性に優れ、且つその下に位置する内容物の確認が可能
で、しかもボイル殺菌やレトルト殺菌後に剥離を生じた
り金属箔並の高度なガスバリア性が劣化することのな
い、汎用性の高い包装材料であり、包装分野において巾
広く使用することが可能である。
層体の断面構成説明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】プラスチック材料からなる基材の少なくと
も片面に、ポリ尿素、ポリアミド、ポリイミド、ポリア
ゾメチンの単体或いはそれらの混合物から選ばれる有機
化合物からなる蒸着薄膜層と、無機酸化物からなる蒸着
薄膜層が少なくとも順次積層されていることを特徴とす
る強密着性を有するガスバリア性透明積層体。 - 【請求項2】有機化合物からなる蒸着薄膜層が蒸着重合
法により積層されたものであることを特徴とする請求項
1に記載の強密着性を有するガスバリア性透明積層体。 - 【請求項3】無機酸化物からなる蒸着薄膜層が、酸化ア
ルミニウム、酸化珪素或いはそれらの混合物からなるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の強密着
性を有するガスバリア性透明積層体。 - 【請求項4】有機化合物からなる蒸着薄膜層及び無機酸
化物からなる蒸着薄膜層が同じ巻取り蒸着機内にてイン
ラインで積層されたものであることを特徴とする請求項
1乃至請求項3のいずれか1項に記載の強密着性を有す
るガスバリア性透明積層体。 - 【請求項5】無機酸化物からなる蒸着薄膜層上にオーバ
ーコーティング層が積層され、該層が、水溶性高分子
と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分
解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液
或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティン
グ剤を塗布し、加熱乾燥してなる層であることを特徴と
する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の強密
着性を有するガスバリア性透明積層体。 - 【請求項6】金属アルコキシドが、テトラエトキシシラ
ンまたはトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれ
らの混合物からなる群から選ばれる一つであることを特
徴とする請求項5に記載の強密着性を有するガスバリア
性透明積層体。 - 【請求項7】水溶性高分子が、ポリビニルアルコールで
あることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の
強密着性を有するガスバリア性透明積層体。
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JP (1) | JP4720037B2 (ja) |
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