JPH09320135A - 光磁気記録媒体の製法 - Google Patents

光磁気記録媒体の製法

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JPH09320135A
JPH09320135A JP13372696A JP13372696A JPH09320135A JP H09320135 A JPH09320135 A JP H09320135A JP 13372696 A JP13372696 A JP 13372696A JP 13372696 A JP13372696 A JP 13372696A JP H09320135 A JPH09320135 A JP H09320135A
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JP
Japan
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gas
target
layer
optical recording
recording medium
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Application number
JP13372696A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Minato
満生 湊
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造時間の短縮と製造コストの低減。また、耐
食性に優れ、しかも、個々の製品間でバラツキがなく、
さらにその製品内でも膜面にわたって均一の性能が得ら
れる。 【構成】枚葉式マグネトロンスパッタリング装置2を用
いて、希土類金属およびFeとCoの遷移金属とからな
る合金ターゲット11をArガスとKrガスとの混合ガ
スによりスパッタリングして基板3上に非晶質磁性層5
を成膜形成する光磁気記録媒体1の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は希土類金属と遷移金属と
からなる非晶質磁性層をスパッタリングにより成膜形成
する光磁気記録媒体の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】希土類金属と遷移金属との非晶質磁性層
は、アルゴンガスを用いたスパッタリングにより成膜形
成しているが、そのターゲットとして希土類金属と遷移
金属との合金を用いる場合には、その合金の組成比を変
えたり、あるいはターゲットの面積を変えたりすること
で、成膜形成した非晶質磁性層の組成比率を所要の値に
設定しようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、かか
るスパッタリングにおいて、ターゲット合金組成を所要
の比率にしても、成膜時間が長くなると、その成膜した
層の組成比率が変化したり、バラツキが生じるという問
題点があり、そのため一旦成膜を中止し、新しいターゲ
ットと交換することがおこなわれている。したがって、
その交換に時間を要し、さらにターゲットのコストが増
大していた。
【0004】他方、ターゲットのスパッタ面積を変える
ことで、所要の成膜組成比率を得ようとしても、成膜に
バラツキが生じており、膜厚や組成比率が変動するとい
う問題点がある。
【0005】また、上記のような非晶質磁性層はきわめ
て腐食し易い傾向にあり、そのために、いままで材料の
改良・開発がおこなわれてきたが、近年、さらに一段と
耐食性に優れた磁性層が望まれている。
【0006】したがって、本発明は上記事情に鑑みて完
成されたものであり、その目的は成膜の途中で新しいタ
ーゲットと交換しないようにして、製造時間を短縮し、
さらに製造コストを低減させることにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、耐食性に優
れ、しかも、個々の製品間でバラツキがなく、さらにそ
の製品内でも膜面にわたって均一の性能が得られる高品
質かつ高信頼性の光磁気記録媒体を提供することにあ
る。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明の光磁気記録媒
体の製法は、希土類金属およびFeとCoの遷移金属と
からなる合金ターゲットをArガスとKrガスとの混合
ガスもしくはArガスとXeガスとの混合ガスによりス
パッタリングして基板上に非晶質磁性層を成膜形成した
ことを特徴とする。
【0009】本発明の他の光磁気記録媒体の製法は、上
記スパッタリングによる成膜形成を枚葉式マグネトロン
スパッタリング装置を用いておこなったことを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳述す
る。図1は本発明の製法に係る光磁気記録媒体1の層構
成を示し、図2は光磁気記録媒体1を成膜形成するため
の枚葉式マグネトロンスパッタリング装置2の概略構成
を示す。
【0011】図1において、3はポリカーボネート等の
樹脂から成る基板であって、この基板3の片面側に、例
えばサイアロンから成る誘電体層4と、非晶質のGdD
yFeCo合金、TbFeCo合金等から成る光磁気記
録層5と、サイアロン等から成る誘電体層6と、反射層
7とをスパッタリング法により順次積層し、さらに反射
層7の上にアクリル系樹脂から成る保護樹脂層(図示せ
ず)を塗布形成する。
【0012】誘電体層4、6はサイアロン以外に酸化シ
リコン、窒化アルミ、酸化チタン、酸化タンタルなどに
よって形成してもよい。また、反射層7は、Al、T
i、Au、Ag、Cu、Pt、Cr、Niの少なくとも
1種の金属もしくは合金によって形成する。
【0013】次に枚葉式マグネトロンスパッタリング装
置2の基本構成を図2でもって述べる。8は真空チャン
バであって、この真空チャンバ8の内部中央に回転可能
な基板支持体9が配置され、この基板支持体9の一面に
基板3が固定される。また、真空チャンバ8の四方壁面
には誘電体層4用のターゲット10、非晶質磁性層5用
のターゲット11、誘電体層6用のターゲット12、反
射層7用のターゲット13とが設けられ、そして、各タ
ーゲット10、11、12、13と基板支持体9との間
でそれぞれ電力が印加される電力印加システムが設けら
れている。さらに四隅にはArガスとKrガスとの混合
ガスもしくはArガスとXeガスとの混合ガスの導入口
14が形成されている。そして、成膜後の残余ガスを排
出する排気口(図示せず)も設けられている。
【0014】上述した構成の枚葉式マグネトロンスパッ
タリング装置2により各層を成膜形成するには、基板支
持体9に基板3を固定して、真空チャンバ8の内部を排
気する。次いで4個の導入口14より混合ガスを導入し
て、基板支持体9と誘電体層4用ターゲット10との間
で電力印加して基板3上に誘電体層4を成膜形成し、次
に基板支持体9を90度回転させて基板支持体9と非晶
質磁性層5用ターゲット11との間で電力印加して非晶
質磁性層5を成膜形成し、同様に順次、誘電体層6と反
射層7とを形成して光磁気記録媒体1を作製する。しか
る後に真空チャンバ8の内部を大気圧に戻して、その光
磁気記録媒体1を取り出す。
【0015】そして、光磁気記録媒体1の非晶質磁性層
5を成膜形成するに当たって、ArガスとKrガスとの
混合ガスもしくはArガスとXeガスとの混合ガスをス
パッタ用ガスとして使用し、そして、ArガスおよびK
rガス(もしくはXeガス)とのFe/Coのスパッタ
レート差を利用して、それらのガス比率を変えること
で、各原子比率を所要通りに設定することができる。
【0016】かくして本発明の製法によれば、単にAr
/Krガス比率、もしくはAr/Xeガス比率を変える
ことで、層の組成比率を調整することができるので、成
膜時間が長くなって、その比率が変動するようになって
も、容易に制御できる。したがって、成膜を中止するこ
ともなく、ターゲットを相当の程度にまで十分に使用す
ることができる。
【0017】また、枚葉式マグネトロンスパッタリング
装置2を使用すると、その小さな真空チャンバ8でもっ
て連続的に各層を成膜形成することができるが、その反
面、真空チャンバ8の形状や大きさによりターゲットサ
イズが限定されることになる。しかし、本発明において
は、そのようなサイズ限定に制約されることもなく、ス
パッタガスの比率を調整することで、所要通りに層の組
成比率を調整できる。その上、本発明の製法によって、
耐食性に優れた非晶質磁性層5が得られるという利点も
ある。
【0018】
【実施例】
(例1)枚葉式マグネトロンスパッタリング装置2を用
いて、誘電体層4用のターゲット10としてサイアロン
焼結体、非晶質磁性層5用のターゲット11としてTb
0.30Fe0.65Co0.05の合金、誘電体層6用のターゲッ
ト12としてサイアロン焼結体、反射層7用のターゲッ
ト13としてAl金属を使用した。そして、4個の導入
口14より総量でArガスを100〜50sccmの流
量で、Krガスを0〜50sccmの流量で、さらにガ
ス圧を0.6Paに設定して、それぞれのターゲットを
スパッタし、これにより、ポリカーボネートの基板3上
に順次膜厚800Åの誘電体層4と、膜厚200Åの非
晶質磁性層5と、膜厚200Åの誘電体層6と、膜厚6
00Åの反射層7とを積層した光磁気記録媒体1を得
た。
【0019】次に、かかる光磁気記録媒体1を作製する
に当たって、ArガスとKrガスとの流量を変えること
でFeとCoとの各含有率およびArとKrとの各含有
率ならびに保磁力Hcを測定したところ、表1に示す通
りの結果が得られた。
【0020】これらの測定については、ICP発光分析
で含有率を、カー効果測定機で保磁力を測定した。
【0021】
【表1】
【0022】そして、表1の結果のうち、Ar含有率を
横軸に、保磁力HcとFeCo含有率を縦軸にして、グ
ラフ化すると、図3に示す通りの結果が得られた。
【0023】表1および図3に示す結果から明らかな通
り、Ar流量を減少させることで(Kr流量を増大させ
ることで、FeCo含有率を下げられることがわかる。
【0024】また、ArガスとKrガスとの流量を変え
るとともに、ターゲット積算時間も変えた場合には、表
2に示すようなArとCoとの各含有率ならびに保磁力
Hcが得られた。また、表2を図でもって表すと図5に
示すような結果が得られた。ちなみに、参考例としてA
rガスの流量を100sccmにした場合のターゲット積算
時間と保磁力Hcとの関係を図4に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2および図5に示す結果から明らかな通
り、ターゲット積算の時間経過とともに、Ar流量とK
r流量とを適当に変えることにより、保磁力Hcを一定
に維持制御することができる(したがって、膜中に含ま
れるArとKrの各含有率を時間経過とともに、変える
ことによって一定の保磁力Hcを得られる)。
【0027】また、Arガスだけを用いた場合と、Ar
ガスとKrガスを用いた場合とで、外部磁界によるC/
N値の立ち上がりの絶対値(外部磁界値)を測定したと
ころ、図6に示すような結果が得られた。同図によれ
ば、ArガスにKrガスを添加することで、外部磁界値
を小さくすることができることがわかる。
【0028】次に本実施例の光磁気記録媒体1に対し
て、耐食性テストをおこなったところ、表3に示す通り
の結果が得られた。この耐食性テストによれば、Arガ
スのみを使用した場合、Arガス(流量60sccm)とK
rガス(流量60sccm)とを用いた場合、Arガス(流
量50sccm)とKrガス(流量50sccm)とを用いた場
合の3通りについて、それぞれ作製した各光磁気記録媒
体に対して、恒温恒湿槽にて80℃、湿度90%という
条件下で試験した。
【0029】同表中、○印は耐食性テストで良好な結果
が得られた場合であり、×印は不良と判定された場合で
ある。
【0030】
【表3】
【0031】表3の結果から明らかな通り、本発明の2
種類の光磁気記録媒体1では、4000時間経過しても
何ら腐食しなかった。これに対する比較例では、400
0時間経過すると腐食が顕著となり、光磁気記録媒体1
内にAr原子とともに、Kr原子も含有されると耐食性
が向上するという利点もある。
【0032】上述した実験では、ArガスとKrガスと
の混合ガスを使用したが、これに代わってArガスとX
eガスとの混合ガスを使用した場合の実施例を表4に示
す。
【0033】
【表4】
【0034】同表の結果から明らかな通り、Xeガスを
使用すると、Krガスを使用した場合と同様にFeの含
有比率を減らし、これによって保磁力Hcを調整するこ
とができる。
【0035】
【発明の効果】以上の通り、本発明の製法によれば、A
r/Krガス比率もしくはAr/Xeガス比率を変える
だけで、層の組成比率を調整することができるので、従
来のようなターゲット交換を不要とし、これによって製
造時間が短縮され、製造コストが低減し、その結果、低
コストな光磁気記録媒体が提供できる。
【0036】また、本発明の製法において、枚葉式マグ
ネトロンスパッタリング装置を使用しても、単にスパッ
タガス比率を調整するだけで、所要通りに組成比率調整
された層を成膜形成することができる。
【0037】さらにまた、本発明の製法によって、優れ
た耐食性が達成でき、しかも、所要通りに組成比率調整
された層を容易に成膜できるので、個々の製品間でバラ
ツキがなく、さらにその製品内でも膜面にわたって均一
の性能が得られる長寿命かつ高信頼性の光磁気記録媒体
が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の光磁気記録素子の層構成を示す断面図
である。
【図2】枚葉式マグネトロンスパッタリング装置の概略
構成図である。
【図3】Ar含有率とFeCo含有率もしくは保磁力と
の関係を示す線図である。
【図4】ターゲット積算時間と保磁力との関係を示す線
図である。
【図5】ターゲット積算時間と保磁力もしくはAr/K
r含有率との関係を示す線図である。
【図6】外部磁界とC/Nとの関係を示す線図である。
【符号の説明】 1 光磁気記録媒体 2 枚葉式マグネトロンスパッタリング装置 3 基板 4、6 誘電体層 5 非晶質磁性層 7 反射層 8 真空チャンバ 9 基板支持体 10、11、12、13ターゲット 14 導入口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類金属およびFeとCoの遷移金属
    とからなる合金ターゲットをArガスとKrガスとの混
    合ガスもしくはArガスとXeガスとの混合ガスにより
    スパッタリングして基板上に非晶質磁性層を成膜形成し
    たことを特徴とする光磁気記録媒体の製法。
  2. 【請求項2】 枚葉式マグネトロンスパッタリング装置
    を用いて前記非晶質磁性層を成膜形成したことを特徴と
    する請求項1記載の光磁気記録媒体の製法。
JP13372696A 1996-05-28 1996-05-28 光磁気記録媒体の製法 Pending JPH09320135A (ja)

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JP13372696A JPH09320135A (ja) 1996-05-28 1996-05-28 光磁気記録媒体の製法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6554972B1 (en) * 1998-06-26 2003-04-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Information recording medium and its manufacturing method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6554972B1 (en) * 1998-06-26 2003-04-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Information recording medium and its manufacturing method
US7455951B2 (en) 1998-06-26 2008-11-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Information recording medium and its manufacturing method

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