JPH1049923A - 光磁気記録媒体の製法 - Google Patents

光磁気記録媒体の製法

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JPH1049923A
JPH1049923A JP20048196A JP20048196A JPH1049923A JP H1049923 A JPH1049923 A JP H1049923A JP 20048196 A JP20048196 A JP 20048196A JP 20048196 A JP20048196 A JP 20048196A JP H1049923 A JPH1049923 A JP H1049923A
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JP
Japan
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target
gas
layer
optical recording
recording medium
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Application number
JP20048196A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kawamura
聡 川村
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造時間の短縮と製造コストの低減。また、個
々の製品間でバラツキがなく、さらにその製品内でも膜
面にわたって均一の性能が得られる。その上、C/Nな
どの光磁気特性を向上させる。 【構成】枚葉式マグネトロンスパッタリング装置2を用
いて、TbDyFeCoの合金ターゲット11をArガ
スとKrガスとの混合ガスによりスパッタリングして基
板3上に非晶質磁性層5を成膜形成する光磁気記録媒体
1の製法であって、この成膜形成中に混合ガスの各ガス
比率を変えることで層厚方向にわたってTbとDyの原
子比率を変えるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はTbDyFeCo合金か
ら成る非晶質磁性層をスパッタリングにより成膜形成す
る光磁気記録媒体の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TbDyFeCo合金から成る非晶質磁
性層は、Arガスを用いたスパッタリングにより成膜形
成しているが、そのターゲットにTbDyFeCo合金
を用いた場合には、合金の組成比を変えたり、あるいは
ターゲットの面積を変えたりすることで、成膜形成した
非晶質磁性層の組成比率を所要の値に設定しようとして
いる。
【0003】また、かかるTbDyFeCo合金の非晶
質磁性層については、TbとDyとの原子比率を層厚方
向にわたって変えることで、ジッター特性が改善され、
エラーレートのない高性能な特性が得られることが提案
されている(特願平8−39723号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、かか
るスパッタリングにおいて、ターゲット合金組成を所要
の比率にしても、成膜時間が長くなると、その成膜した
層の組成比率が変化したり、バラツキが生じるという問
題点があり、そのため一旦成膜を中止し、新しいターゲ
ットと交換することがおこなわれている。したがって、
その交換に時間を要し、さらにターゲットのコストが増
大していた。
【0005】また、ターゲットのスパッタ面積を変える
ことで、所要の成膜組成比率を得ようとしても、成膜に
バラツキが生じており、膜厚や組成比率が変動するとい
う問題点がある。
【0006】近年、枚葉式マグネトロンスパッタリング
装置を用いて非晶質磁性層を成膜形成することが提案さ
れているが、その成膜形成によれば、ターゲットにTb
DyFeCo合金を用いなければならず、そのため、非
晶質磁性層の層厚方向にわたって原子比率を変えて、さ
らに光磁気特性を向上させようとした場合、電力量を変
えた程度であれば、その原子比率を変えることができな
かった。
【0007】したがって本発明は上記事情に鑑みて完成
されたものであり、その目的は成膜の途中で新しいター
ゲットと交換しないようにして、製造時間を短縮し、さ
らに製造コストを低減させることにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、個々の製品間
でバラツキがなく、さらにその製品内でも膜面にわたっ
て均一の性能が得られる高品質かつ高信頼性の光磁気記
録媒体を提供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、TbDyFe
Co合金から成る非晶質磁性層の層厚方向にわたって所
要通りに原子比率を変えることで、さらにC/Nなどの
光磁気特性を向上させることにある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明は、TbDyF
eCoの合金ターゲットをArガスとKrガスとの混合
ガスによりスパッタリングして基板上に非晶質磁性層を
成膜形成する製法であって、上記成膜形成中に混合ガス
の各ガス比率を変えることで層厚方向にわたってTbと
Dyの原子比率を変えたことを特徴とする。
【0011】本発明の他の光磁気記録媒体の製法は、上
記スパッタリングによる成膜形成を枚葉式マグネトロン
スパッタリング装置を用いておこなったことを特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳述す
る。図1は本発明の製法に係る光磁気記録媒体1の層構
成を示し、図2は光磁気記録媒体1を成膜形成するため
の枚葉式マグネトロンスパッタリング装置2の概略構成
を示す。
【0013】図1において、3はポリカーボネート等の
樹脂から成る基板であって、この基板3の片面側に、た
とえばサイアロンから成る誘電体層4と、非晶質のTb
DyFeCo合金から成る光磁気記録層5と、サイアロ
ン等から成る誘電体層6と、反射層7とをスパッタリン
グ法により順次積層し、さらに反射層7の上にアクリル
系樹脂から成る保護樹脂層(図示せず)を塗布形成す
る。
【0014】誘電体層4、6はサイアロン以外に酸化シ
リコン、窒化アルミ、酸化チタン、酸化タンタルなどに
よって形成してもよい。また、反射層7は、Al、T
i、Au、Ag、Cu、Pt、Cr、Niの少なくとも
1種の金属もしくは合金によって形成する。
【0015】次に枚葉式マグネトロンスパッタリング装
置2の基本構成を図2でもって述べる。8は真空チャン
バであって、この真空チャンバ8の内部中央に回転可能
な基板支持体9が配置され、この基板支持体9の一面に
基板3が固定される。また、真空チャンバ8の四方壁面
には誘電体層4用のターゲット10、非晶質磁性層5用
のターゲット11、誘電体層6用のターゲット12、反
射層7用のターゲット13とが設けられ、そして、各タ
ーゲット10、11、12、13と基板支持体9との間
でそれぞれ電力が印加される電力印加システムが設けら
れている。さらに四隅にはArガスとKrガスとの混合
ガスの導入口14が形成されている。そして、成膜後の
残余ガスを排出する排気口(図示せず)も設けられてい
る。
【0016】上述した構成の枚葉式マグネトロンスパッ
タリング装置2により各層を成膜形成するには、基板支
持体9に基板3を固定して、真空チャンバ8の内部を排
気する。次いで4個の導入口14より混合ガスを導入し
て、基板支持体9と誘電体層4用ターゲット10との間
で電力印加して基板3上に誘電体層4を成膜形成し、次
に基板支持体9を90度回転させて基板支持体9と非晶
質磁性層5用ターゲット11との間で電力印加して非晶
質磁性層5を成膜形成し、同様に順次、誘電体層6と反
射層7とを形成して光磁気記録媒体1を作製する。しか
る後に真空チャンバ8の内部を大気圧に戻して、その光
磁気記録媒体1を取り出す。
【0017】そして、光磁気記録媒体1の非晶質磁性層
5を成膜形成するに当たって、ArガスとKrガスとの
混合ガスをスパッタ用ガスとして使用し、そして、Ar
ガスおよびKrガスとのTb/Dyのスパッタレート差
を利用して、それらのガス比率を変えることで、各原子
比率を所要通りに設定することができる。
【0018】かくして本発明の製法によれば、Ar/K
rガス比率を変えるだけで、層の組成比率を調整するこ
とができるので、成膜時間が長くなって、その比率が変
動するようになっても、容易に制御できる。したがっ
て、成膜を中止することもなく、ターゲットを相当の程
度にまで十分に使用することができる。
【0019】また、枚葉式マグネトロンスパッタリング
装置2を使用すると、その小さな真空チャンバ8でもっ
て連続的に各層を成膜形成することができるが、その反
面、真空チャンバ8の形状や大きさによりターゲットサ
イズが限定されることになる。しかし、本発明において
は、そのようなサイズ限定に制約されることもなく、ス
パッタガスの比率を調整することで、所要通りに層厚方
向にわたってTb/Dy原子比率を調整できる。
【0020】その上、本発明の製法によれば、非晶質磁
性層5を成膜形成するに当たって、ArガスとKrガス
との混合ガス比率を変えて、層厚方向にわたってTbと
Dyの原子比率を変えることで、C/Nなどの光磁気特
性を向上させることができる。
【0021】
【実施例】前述した枚葉式マグネトロンスパッタリング
装置2を用いて、誘電体層4用のターゲット10として
サイアロン焼結体、非晶質磁性層5用のターゲット11
としてTb0.20Dy0.10Fe0.60Co0.10の合金、誘電
体層6用のターゲット12としてサイアロン焼結体、反
射層7用のターゲット13としてAl金属を使用した。
そして、4個の導入口14より総量でArガスを100
〜50sccmの流量で、Krガスを0〜50sccm
の流量で、さらにガス圧を0.8Paに設定して、それ
ぞれのターゲットをスパッタし、これにより、ポリカー
ボネートの基板3上に順次膜厚800Åの誘電体層4
と、膜厚200Åの非晶質磁性層5と、膜厚200Åの
誘電体層6と、膜厚600Åの反射層7とを積層した光
磁気記録媒体1を得た。
【0022】次に、かかる光磁気記録媒体1を作製する
に当たって、ArガスとKrガスとの流量を変えること
でTbとDyの各含有率およびArとKrの各含有率を
測定したところ、表1に示す通りの結果が得られた。な
お、これらの測定については、ICP発光分析で含有率
を測定した。
【0023】
【表1】
【0024】同表から明らかな通り、Ar含有率が漸次
小さくなるとともに、Kr含有率が漸次大きくなること
で、Tb含有率が小さく、Dy含有率が多くなる。
【0025】そこで、Dyの含有率に対するキュリー温
度を測定したところ、図3に示す通りの結果が得られ、
ArガスとKrガスとの流量を変えることで所要通りの
キュリー温度Tcが得られたことがわかる。
【0026】次に、ArガスとKrガスとの流量変化に
対するC/Nを測定したところ、図4に示す通りの結果
が得らた。すなわち、Arガスの流量(横軸)につい
て、図中の「50」、「70」、「80」は、それぞれ
当初の流量が100sccmであるのに対して、成膜中
に漸次減少させて、それぞれの値でもって終点となるよ
うに設定した場合を示し、さらにKrガスの流量につい
ては、図中の「50」、「30」、「20」は、それぞ
れ当初の流量が零であるのに対して、成膜中に漸次増大
させて、それぞれの値でもって終点となるように設定し
た場合を示しているが、かくして得られた各種光磁気記
録媒体に対して、そのC/Nを測定してプロットし、各
プロットを結んだ線を表す。
【0027】この結果から明らかな通り、層厚方向にわ
たってArガス/Krガスとの流量比率を変えること
で、所要通りのC/Nが得られる。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明の製法によれば、A
r/Krガス比率を変えるだけで、層の組成比率を調整
することができるので、従来のようなターゲット交換を
不要とし、これによって製造時間が短縮され、製造コス
トが低減し、その結果、低コストな光磁気記録媒体が提
供できる。
【0029】また、本発明の製法において、枚葉式マグ
ネトロンスパッタリング装置を使用しても、スパッタガ
ス比率を調整するだけで、所要通りにTb/Dy原子比
率が調整された層を成膜形成することができる。
【0030】さらにまた、本発明の製法によって、所要
通りに組成比率調整された層を容易に成膜できるので、
個々の製品間でバラツキがなく、さらにその製品内でも
膜面にわたって均一の性能が得られ、その結果、高性能
かつ高信頼性の光磁気記録媒体が提供できる。
【0031】しかも、本発明によれば、TbDyFeC
o合金から成る非晶質磁性層の厚み方向にわたって所要
通りに原子比率を変えることで、さらにC/Nなどの光
磁気特性を向上させた光磁気記録媒体が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録素子の層構成を示す断面図
である。
【図2】枚葉式マグネトロンスパッタリング装置の概略
構成図である。
【図3】Dy含有量とキュリー温度との関係を示す線図
である。
【図4】Ar/Krガス量比率とC/Nとの関係を示す
線図である。
【符号の説明】
1 光磁気記録媒体 2 枚葉式マグネトロンスパッタリング装置 3 基板 4、6 誘電体層 5 非晶質磁性層 7 反射層 8 真空チャンバ 9 基板支持体 10、11、12、13ターゲット 14 導入口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TbDyFeCoの合金ターゲットをA
    rガスとKrガスとの混合ガスによりスパッタリングし
    て基板上に非晶質磁性層を成膜形成する製法であって、
    上記成膜形成中に混合ガスの各ガス比率を変えることで
    層厚方向にわたってTbとDyの原子比率を変えたこと
    を特徴とする光磁気記録媒体の製法。
  2. 【請求項2】 枚葉式マグネトロンスパッタリング装置
    を用いて前記非晶質磁性層を成膜形成したことを特徴と
    する請求項1記載の光磁気記録媒体の製法。
JP20048196A 1996-07-30 1996-07-30 光磁気記録媒体の製法 Pending JPH1049923A (ja)

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