JPH09314622A - 射出成形方法および射出成形装置 - Google Patents
射出成形方法および射出成形装置Info
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- JPH09314622A JPH09314622A JP13456396A JP13456396A JPH09314622A JP H09314622 A JPH09314622 A JP H09314622A JP 13456396 A JP13456396 A JP 13456396A JP 13456396 A JP13456396 A JP 13456396A JP H09314622 A JPH09314622 A JP H09314622A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 急激な圧力上昇を伴わず、緩やかに保圧
工程へと切り換えることが可能であって、成形品の高品
質化に大きな効果を発揮する射出成形技術を提供するこ
とである。 【解決手段】 樹脂を型内に射出充填して成形する射出
成形方法であって、保圧工程の前工程において、樹脂射
出手段を、その仕事率がほぼ一定となるよう制御する射
出成形方法。
工程へと切り換えることが可能であって、成形品の高品
質化に大きな効果を発揮する射出成形技術を提供するこ
とである。 【解決手段】 樹脂を型内に射出充填して成形する射出
成形方法であって、保圧工程の前工程において、樹脂射
出手段を、その仕事率がほぼ一定となるよう制御する射
出成形方法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばスクリュ型
の射出成形機を用いた射出成形技術に関する。
の射出成形機を用いた射出成形技術に関する。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】スクリュ型の射出成形
機では、溶融した樹脂を、射出ノズルからスプル、ラン
ナ、ゲートを経てキャビティに充填する。そして、キャ
ビティが樹脂で満たされて、樹脂の圧力が所定値に達し
たならば、スクリュの前進速度が急激に低下し、充填・
圧縮工程から保圧工程へと切り換わるようになってい
る。
機では、溶融した樹脂を、射出ノズルからスプル、ラン
ナ、ゲートを経てキャビティに充填する。そして、キャ
ビティが樹脂で満たされて、樹脂の圧力が所定値に達し
たならば、スクリュの前進速度が急激に低下し、充填・
圧縮工程から保圧工程へと切り換わるようになってい
る。
【０００３】ここで、従来の射出成形機の制御系を、図
５を用いて説明する。同図から判るように、射出成形機
１１には、射出速度検出器１２および圧力検出器１３を
接続しており、これらの検出器１２，１３から出力され
た信号は、フィードバックさせられて利用される。すな
わち、射出速度検出器１２から得た射出速度データは、
あらかじめ設定された射出速度と比較され、加算アンプ
１４を経て、サーボ駆動部１１ａに入力される。また、
圧力検出器１３から得た圧力データは、上限圧力（保圧
工程における保持圧力に等しい）と比較され、加算アン
プ１５およびリミッタ１６を経て、サーボ駆動部１１ａ
に入力される。
５を用いて説明する。同図から判るように、射出成形機
１１には、射出速度検出器１２および圧力検出器１３を
接続しており、これらの検出器１２，１３から出力され
た信号は、フィードバックさせられて利用される。すな
わち、射出速度検出器１２から得た射出速度データは、
あらかじめ設定された射出速度と比較され、加算アンプ
１４を経て、サーボ駆動部１１ａに入力される。また、
圧力検出器１３から得た圧力データは、上限圧力（保圧
工程における保持圧力に等しい）と比較され、加算アン
プ１５およびリミッタ１６を経て、サーボ駆動部１１ａ
に入力される。
【０００４】サーボ駆動部１１ａは、入力された射出速
度データおよび圧力データに基づいて制御され、射出速
度が充填工程において、ほぼ一定となるよう維持する
（図６に実線で示す）。したがって、樹脂の圧力は、図
６に一点鎖線で示すごとく上昇する。なお、図６中、
ａ’は樹脂の先頭がスプルに存在する区間、ｂ’は樹脂
の先頭がランナに存在する区間、ｃ’は樹脂の先頭がゲ
ートに存在する区間、ｄ’は樹脂の先頭がゲートを通過
した後、キャビティに樹脂が充満する時点までに対応し
た区間である。
度データおよび圧力データに基づいて制御され、射出速
度が充填工程において、ほぼ一定となるよう維持する
（図６に実線で示す）。したがって、樹脂の圧力は、図
６に一点鎖線で示すごとく上昇する。なお、図６中、
ａ’は樹脂の先頭がスプルに存在する区間、ｂ’は樹脂
の先頭がランナに存在する区間、ｃ’は樹脂の先頭がゲ
ートに存在する区間、ｄ’は樹脂の先頭がゲートを通過
した後、キャビティに樹脂が充満する時点までに対応し
た区間である。
【０００５】キャビティに樹脂が充満した時点で充填工
程は終わり、続いて短時間の圧縮工程へと移行する。こ
の圧縮工程では、圧力検出器１３から得た樹脂の圧力
と、上限圧力とを比較する。そして、両者が等しくなっ
た時点で、サーボ駆動部１１ａに指令信号を送り、圧縮
工程を終える。圧縮工程に続く保圧工程では、樹脂圧力
を一定に保持して、樹脂を固化させる。
程は終わり、続いて短時間の圧縮工程へと移行する。こ
の圧縮工程では、圧力検出器１３から得た樹脂の圧力
と、上限圧力とを比較する。そして、両者が等しくなっ
た時点で、サーボ駆動部１１ａに指令信号を送り、圧縮
工程を終える。圧縮工程に続く保圧工程では、樹脂圧力
を一定に保持して、樹脂を固化させる。
【０００６】従来は、上述したような工程を経て成形品
を得ていた。ところで、良好な成形品を得るためには、
樹脂の圧力が上限値を越えないよう緩やかに圧縮工程か
ら保圧工程へと切り換わることが望ましい。これは、た
とえ瞬間的なものであっても樹脂の圧力が異常に高まる
と、部分的に樹脂密度の不均一が生じ、成形品の強度バ
ランスが崩れるからである。
を得ていた。ところで、良好な成形品を得るためには、
樹脂の圧力が上限値を越えないよう緩やかに圧縮工程か
ら保圧工程へと切り換わることが望ましい。これは、た
とえ瞬間的なものであっても樹脂の圧力が異常に高まる
と、部分的に樹脂密度の不均一が生じ、成形品の強度バ
ランスが崩れるからである。
【０００７】しかし、従来の射出成形技術では、図６の
圧力曲線に観られるような、圧縮工程から保圧工程に切
り換わる直前の急激な圧力上昇、いわゆる圧力のオーバ
ーシュートが避けられなかった。これは次のようなこと
が原因となっている。すなわち、キャビティが樹脂で完
全に満たされ、樹脂の圧力が、あらかじめ設定された上
限圧力に達すると、リミッタ１６が作動して、サーボ駆
動部１１ａを停止させる指令信号を発する。ところが、
機械系は、その慣性が大きいことなどの理由から応答性
が悪く、停止指令を受けても、定速で前進するスクリュ
を瞬時に停止させることはできない。つまり、リミッタ
１６が作動してから、スクリュが完全に停止するまでに
は時間的なズレが生じる。このため、上限圧力に達して
いるにもかかわらず、更に樹脂がキャビティ内へ押し込
まれてしまう。これが、上記オーバーシュートを引き起
こす原因となっている。
圧力曲線に観られるような、圧縮工程から保圧工程に切
り換わる直前の急激な圧力上昇、いわゆる圧力のオーバ
ーシュートが避けられなかった。これは次のようなこと
が原因となっている。すなわち、キャビティが樹脂で完
全に満たされ、樹脂の圧力が、あらかじめ設定された上
限圧力に達すると、リミッタ１６が作動して、サーボ駆
動部１１ａを停止させる指令信号を発する。ところが、
機械系は、その慣性が大きいことなどの理由から応答性
が悪く、停止指令を受けても、定速で前進するスクリュ
を瞬時に停止させることはできない。つまり、リミッタ
１６が作動してから、スクリュが完全に停止するまでに
は時間的なズレが生じる。このため、上限圧力に達して
いるにもかかわらず、更に樹脂がキャビティ内へ押し込
まれてしまう。これが、上記オーバーシュートを引き起
こす原因となっている。
【０００８】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、急激な圧力上昇を伴わず、緩やかに保圧工程へ切
り換えることが可能であって、成形品の高品質化に大き
な効果を発揮する射出成形技術を提供することである。
題は、急激な圧力上昇を伴わず、緩やかに保圧工程へ切
り換えることが可能であって、成形品の高品質化に大き
な効果を発揮する射出成形技術を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、樹脂を型
内に射出充填して成形する射出成形方法であって、保圧
工程の前工程において、樹脂射出手段を、その仕事率が
ほぼ一定となるよう制御することを特徴とする射出成形
方法によって解決される。また、樹脂を型内に射出充填
して成形する射出成形方法であって、充填工程、この充
填工程に続く圧縮工程、この圧縮工程に続く保圧工程を
具備し、少なくとも前記圧縮工程の一部区間において、
樹脂射出手段を、その仕事率がほぼ一定となるよう制御
することを特徴とする射出成形方法によって解決され
る。
内に射出充填して成形する射出成形方法であって、保圧
工程の前工程において、樹脂射出手段を、その仕事率が
ほぼ一定となるよう制御することを特徴とする射出成形
方法によって解決される。また、樹脂を型内に射出充填
して成形する射出成形方法であって、充填工程、この充
填工程に続く圧縮工程、この圧縮工程に続く保圧工程を
具備し、少なくとも前記圧縮工程の一部区間において、
樹脂射出手段を、その仕事率がほぼ一定となるよう制御
することを特徴とする射出成形方法によって解決され
る。
【００１０】また、樹脂を型内に射出充填して成形する
射出成形方法であって、充填工程、この充填工程に続く
圧縮工程、この圧縮工程に続く保圧工程を具備し、前記
充填工程から前記圧縮工程に切り換わった後、１×１０
-3〜１０秒間は、樹脂射出手段を、その仕事率がほぼ一
定となるよう制御することを特徴とする射出成形方法に
よって解決される。
射出成形方法であって、充填工程、この充填工程に続く
圧縮工程、この圧縮工程に続く保圧工程を具備し、前記
充填工程から前記圧縮工程に切り換わった後、１×１０
-3〜１０秒間は、樹脂射出手段を、その仕事率がほぼ一
定となるよう制御することを特徴とする射出成形方法に
よって解決される。
【００１１】なお、樹脂射出手段の仕事率がほぼ一定と
なるよう制御する時間は、主として成形品のサイズによ
って決定される。具体的に言うと、小型の成形品（重量
が２００ｇ程度まで）では、１×１０-3〜１秒間、中型
の成形品（１ｋｇ程度まで）では、０．０５〜２秒間、
大型の成形品（４ｋｇ程度まで）では、０．１〜４秒
間、超大型の成形品（４ｋｇ以上）では、０．２〜１０
秒間に設定する。
なるよう制御する時間は、主として成形品のサイズによ
って決定される。具体的に言うと、小型の成形品（重量
が２００ｇ程度まで）では、１×１０-3〜１秒間、中型
の成形品（１ｋｇ程度まで）では、０．０５〜２秒間、
大型の成形品（４ｋｇ程度まで）では、０．１〜４秒
間、超大型の成形品（４ｋｇ以上）では、０．２〜１０
秒間に設定する。
【００１２】また、上記の課題は、樹脂を型内に射出充
填して成形する射出成形方法であって、樹脂射出手段に
おける樹脂を押し出す可動部（例えばスクリュ）が、少
なくとも全ストロークの６０％に相当する距離だけ変位
した時点から、前記樹脂射出手段を、その仕事率がほぼ
一定となるよう制御することを特徴とする射出成形方法
によって解決される。
填して成形する射出成形方法であって、樹脂射出手段に
おける樹脂を押し出す可動部（例えばスクリュ）が、少
なくとも全ストロークの６０％に相当する距離だけ変位
した時点から、前記樹脂射出手段を、その仕事率がほぼ
一定となるよう制御することを特徴とする射出成形方法
によって解決される。
【００１３】また、樹脂を型内に射出充填して成形する
射出成形方法であって、保圧工程の前工程においては、
あらかじめ設定された仕事率を、検出した樹脂の圧力で
除して樹脂の射出速度を算出し、実際の樹脂の射出速度
が、算出した樹脂の射出速度に対応したものとなるよう
樹脂射出手段を制御することを特徴とする射出成形方法
によって解決される。
射出成形方法であって、保圧工程の前工程においては、
あらかじめ設定された仕事率を、検出した樹脂の圧力で
除して樹脂の射出速度を算出し、実際の樹脂の射出速度
が、算出した樹脂の射出速度に対応したものとなるよう
樹脂射出手段を制御することを特徴とする射出成形方法
によって解決される。
【００１４】また、樹脂を型内に射出充填して成形する
射出成形装置であって、樹脂射出手段と、樹脂の圧力を
検出する圧力検出手段と、樹脂の射出速度を検出する射
出速度検出手段と、あらかじめ設定された仕事率を、前
記圧力検出手段から得られる樹脂圧力で除して樹脂の射
出速度を算出する除算手段と、前記射出速度検出手段か
ら得られる実際の樹脂の射出速度が、前記除算手段から
得られる樹脂の射出速度に対応したものとなるよう前記
樹脂射出手段を制御する樹脂射出制御手段とを具備して
なることを特徴とする射出成形装置によって解決され
る。
射出成形装置であって、樹脂射出手段と、樹脂の圧力を
検出する圧力検出手段と、樹脂の射出速度を検出する射
出速度検出手段と、あらかじめ設定された仕事率を、前
記圧力検出手段から得られる樹脂圧力で除して樹脂の射
出速度を算出する除算手段と、前記射出速度検出手段か
ら得られる実際の樹脂の射出速度が、前記除算手段から
得られる樹脂の射出速度に対応したものとなるよう前記
樹脂射出手段を制御する樹脂射出制御手段とを具備して
なることを特徴とする射出成形装置によって解決され
る。
【００１５】すなわち、本発明は、保圧工程の前工程、
特に充填工程から続く圧縮工程において、樹脂射出手段
を、その仕事率（樹脂の射出速度と圧力との積）が、ほ
ぼ一定となるよう制御するものである。これによって、
樹脂の射出速度と圧力とは、逆比例の関係を維持したま
ま変化していくようになる。つまり、射出速度は、圧力
の上昇に伴い、それに見合った分だけ低下していく。し
たがって、圧縮工程において樹脂の圧力が上限に到達す
る直前には、樹脂の射出速度、すなわちスクリュなどの
可動部の直線動速度は限りなく零に近くなる。このた
め、圧力のリミッタが作動してから、可動部がほぼ完全
に停止するまでの時間的なズレは極めて小さく、実際上
は無視できるほどのものとなる。よって、圧力が上限に
達した後、更に必要以上の樹脂がキャビティ内へ押し込
まれてしまうといった、圧力のオーバーシュート現象が
引き起こされず、高品質な成形品を得ることができる。
特に充填工程から続く圧縮工程において、樹脂射出手段
を、その仕事率（樹脂の射出速度と圧力との積）が、ほ
ぼ一定となるよう制御するものである。これによって、
樹脂の射出速度と圧力とは、逆比例の関係を維持したま
ま変化していくようになる。つまり、射出速度は、圧力
の上昇に伴い、それに見合った分だけ低下していく。し
たがって、圧縮工程において樹脂の圧力が上限に到達す
る直前には、樹脂の射出速度、すなわちスクリュなどの
可動部の直線動速度は限りなく零に近くなる。このた
め、圧力のリミッタが作動してから、可動部がほぼ完全
に停止するまでの時間的なズレは極めて小さく、実際上
は無視できるほどのものとなる。よって、圧力が上限に
達した後、更に必要以上の樹脂がキャビティ内へ押し込
まれてしまうといった、圧力のオーバーシュート現象が
引き起こされず、高品質な成形品を得ることができる。
【００１６】
【発明の実施の形態】本発明の射出成形方法は、樹脂を
型内に射出充填して成形するのに用いられ、保圧工程の
前工程において、樹脂射出手段を、その仕事率がほぼ一
定となるよう制御するものである。また、本発明の射出
成形装置は、樹脂を型内に射出充填して成形するのに用
いられ、樹脂射出手段と、樹脂の圧力を検出する圧力検
出手段と、樹脂の射出速度を検出する射出速度検出手段
と、あらかじめ設定された仕事率を、前記圧力検出手段
から得られる樹脂圧力で除して樹脂の射出速度を算出す
る除算手段と、前記射出速度検出手段から得られる実際
の樹脂の射出速度が、前記除算手段から得られる樹脂の
射出速度に対応したものとなるよう前記樹脂射出手段を
制御する樹脂射出制御手段とを具備してなるものであ
る。
型内に射出充填して成形するのに用いられ、保圧工程の
前工程において、樹脂射出手段を、その仕事率がほぼ一
定となるよう制御するものである。また、本発明の射出
成形装置は、樹脂を型内に射出充填して成形するのに用
いられ、樹脂射出手段と、樹脂の圧力を検出する圧力検
出手段と、樹脂の射出速度を検出する射出速度検出手段
と、あらかじめ設定された仕事率を、前記圧力検出手段
から得られる樹脂圧力で除して樹脂の射出速度を算出す
る除算手段と、前記射出速度検出手段から得られる実際
の樹脂の射出速度が、前記除算手段から得られる樹脂の
射出速度に対応したものとなるよう前記樹脂射出手段を
制御する樹脂射出制御手段とを具備してなるものであ
る。
【００１７】以下、図１〜図４を用いて、本発明の技術
を具体的に説明する。なお、図１は射出成形装置のブロ
ック図、図２は射出成形手段の仕事率と時間との関係を
示すグラフ、図３は仕事率をほぼ一定に保った際の射出
速度と圧力との関係を示すグラフ、図４は射出速度およ
び圧力の推移を示すグラフである。図１中、１は射出成
形機であり、サーボ駆動部１ａや、樹脂が射出充填され
る金型などを備えている。なお、この射出成形機１は、
公知なものであっても良いから、その各部の詳細な説明
は省略する。
を具体的に説明する。なお、図１は射出成形装置のブロ
ック図、図２は射出成形手段の仕事率と時間との関係を
示すグラフ、図３は仕事率をほぼ一定に保った際の射出
速度と圧力との関係を示すグラフ、図４は射出速度およ
び圧力の推移を示すグラフである。図１中、１は射出成
形機であり、サーボ駆動部１ａや、樹脂が射出充填され
る金型などを備えている。なお、この射出成形機１は、
公知なものであっても良いから、その各部の詳細な説明
は省略する。
【００１８】２，３は射出成形機１に接続された圧力検
出器および射出速度検出器である。４は除算器であり、
設定仕事率Ｅと、圧力検出器２で得た圧力Ｐとから射出
速度Ｖを算出するために組み込んでいる。５は射出速度
のリミッタであり、このリミッタ５によって、除算器４
で算出された射出速度が、予め設定された上限射出速度
を越えないよう規制される。
出器および射出速度検出器である。４は除算器であり、
設定仕事率Ｅと、圧力検出器２で得た圧力Ｐとから射出
速度Ｖを算出するために組み込んでいる。５は射出速度
のリミッタであり、このリミッタ５によって、除算器４
で算出された射出速度が、予め設定された上限射出速度
を越えないよう規制される。
【００１９】６，７は加算アンプ、８は圧力のリミッタ
である。このリミッタ８は、樹脂の圧力が予め設定され
た上限圧力を越えないよう規制するものである。本発明
の射出成形装置は、仕事率と時間との関係を示す図２か
ら判るように、サーボ駆動部１ａを、その仕事率が、保
圧工程の前工程である充填工程および圧縮工程の一部区
間にわたって、一定となるよう（常に設定仕事率Ｅに等
しくなるよう）制御する。
である。このリミッタ８は、樹脂の圧力が予め設定され
た上限圧力を越えないよう規制するものである。本発明
の射出成形装置は、仕事率と時間との関係を示す図２か
ら判るように、サーボ駆動部１ａを、その仕事率が、保
圧工程の前工程である充填工程および圧縮工程の一部区
間にわたって、一定となるよう（常に設定仕事率Ｅに等
しくなるよう）制御する。
【００２０】すなわち、射出成形を開始すると同時に、
圧力検出器２を作動させ、得られた樹脂の圧力データを
除算器４に送る。除算器４では、あらかじめ設定してお
いた設定仕事率Ｅを送られてきた圧力値で除して、射出
速度Ｖを算出する。算出された射出速度Ｖは、リミッタ
５を経て、射出速度検出器３から得た実際の射出速度と
比較され、更に加算アンプ６で増幅されて、サーボ駆動
部１ａに送られる。
圧力検出器２を作動させ、得られた樹脂の圧力データを
除算器４に送る。除算器４では、あらかじめ設定してお
いた設定仕事率Ｅを送られてきた圧力値で除して、射出
速度Ｖを算出する。算出された射出速度Ｖは、リミッタ
５を経て、射出速度検出器３から得た実際の射出速度と
比較され、更に加算アンプ６で増幅されて、サーボ駆動
部１ａに送られる。
【００２１】こうしてサーボ駆動部１ａは、射出速度と
圧力とが、図３に示すごとくの逆比例の関係を保つよ
う、保圧工程に切り換わる直前まで作動させられる。一
方、除算器４に至る前に分岐した圧力検出器２からの圧
力データは、あらかじめ設定した上限圧力と比較され、
加算アンプ７およびリミッタ８を経て、サーボ駆動部１
ａに送られる。この系によって、キャビティ内の樹脂圧
力が上限に到達したことが検出されると、サーボ駆動部
１ａに指令信号が送られ、圧縮工程から保圧工程へと切
り換わる。
圧力とが、図３に示すごとくの逆比例の関係を保つよ
う、保圧工程に切り換わる直前まで作動させられる。一
方、除算器４に至る前に分岐した圧力検出器２からの圧
力データは、あらかじめ設定した上限圧力と比較され、
加算アンプ７およびリミッタ８を経て、サーボ駆動部１
ａに送られる。この系によって、キャビティ内の樹脂圧
力が上限に到達したことが検出されると、サーボ駆動部
１ａに指令信号が送られ、圧縮工程から保圧工程へと切
り換わる。
【００２２】上記射出成形方法における射出速度および
圧力の変化は、図４に示すごとくのものとなる。すなわ
ち、充填工程から圧縮工程に切り換わった直後、樹脂の
圧力は急激に大きくなろうとする。しかし、サーボ駆動
部１ａを、その仕事率がほぼ一定となるよう制御してい
るので、リミッタ８が作動する直前におけるスクリュの
前進速度はほとんど零に等しい。このため、リミッタ８
が作動してからスクリュがほぼ完全に停止するまでの時
間的なズレは無視できるようになる。よって、圧力のオ
ーバーシュートが発生せず、高品質な成形品が得られ
る。
圧力の変化は、図４に示すごとくのものとなる。すなわ
ち、充填工程から圧縮工程に切り換わった直後、樹脂の
圧力は急激に大きくなろうとする。しかし、サーボ駆動
部１ａを、その仕事率がほぼ一定となるよう制御してい
るので、リミッタ８が作動する直前におけるスクリュの
前進速度はほとんど零に等しい。このため、リミッタ８
が作動してからスクリュがほぼ完全に停止するまでの時
間的なズレは無視できるようになる。よって、圧力のオ
ーバーシュートが発生せず、高品質な成形品が得られ
る。
【００２３】なお、充填工程では、必ずしも上記制御を
行う必要はない。例えば、充填工程から圧縮工程に切り
換わった後、１×１０-3〜１０秒間だけ、樹脂射出手段
を、その仕事率がほぼ一定となるよう制御してもよい。
具体的に言うと、小型の成形品を得る場合には数ミリ秒
程度、成形品が超大型のものである場合には数秒間にわ
たって上記制御を行う。
行う必要はない。例えば、充填工程から圧縮工程に切り
換わった後、１×１０-3〜１０秒間だけ、樹脂射出手段
を、その仕事率がほぼ一定となるよう制御してもよい。
具体的に言うと、小型の成形品を得る場合には数ミリ秒
程度、成形品が超大型のものである場合には数秒間にわ
たって上記制御を行う。
【００２４】あるいは、スクリュなどの可動部が、少な
くとも全ストロークの６０％に相当する距離だけ変位し
た時点から、上記制御を行うようにしてもよい。本発明
の技術は、上述したごとくの用途だけでなく、試験装置
としての利用も可能である。すなわち、樹脂射出手段の
仕事率を一定とする制御を行うことで、スクリュの変位
と、スプルからキャビティに至るまでの流路抵抗との関
係を見出すことができ、従来、非常に手間が掛かってい
た速度プロファイルの作成作業が容易なものとなる。
くとも全ストロークの６０％に相当する距離だけ変位し
た時点から、上記制御を行うようにしてもよい。本発明
の技術は、上述したごとくの用途だけでなく、試験装置
としての利用も可能である。すなわち、樹脂射出手段の
仕事率を一定とする制御を行うことで、スクリュの変位
と、スプルからキャビティに至るまでの流路抵抗との関
係を見出すことができ、従来、非常に手間が掛かってい
た速度プロファイルの作成作業が容易なものとなる。
【００２５】
【発明の効果】急激な圧力上昇を伴わず、緩やかに保圧
工程へ切り換えることが可能で、成形品の高品質化に大
きな効果を発揮する。
工程へ切り換えることが可能で、成形品の高品質化に大
きな効果を発揮する。
【図１】本発明に係る射出成形装置のブロック図
【図２】射出成形手段の仕事率と時間との関係を示すグ
ラフ
ラフ
【図３】仕事率をほぼ一定に保った際の射出速度と圧力
との関係を示すグラフ
との関係を示すグラフ
【図４】射出速度および圧力の推移を示すグラフ
【図５】従来の射出成形装置のブロック図
【図６】従来装置における射出速度および圧力の推移を
示すグラフ
示すグラフ
１ 射出成形機 １ａ サーボ駆動部 ２ 圧力検出器 ３ 射出速度検出器 ４ 除算器 ５，８ リミッタ ６，７ 加算アンプ
Claims (6)
- 【請求項１】 樹脂を型内に射出充填して成形する射出
成形方法であって、 保圧工程の前工程において、樹脂射出手段を、その仕事
率がほぼ一定となるよう制御することを特徴とする射出
成形方法。 - 【請求項２】 樹脂を型内に射出充填して成形する射出
成形方法であって、 充填工程、この充填工程に続く圧縮工程、この圧縮工程
に続く保圧工程を具備し、 少なくとも前記圧縮工程の一部区間において、樹脂射出
手段を、その仕事率がほぼ一定となるよう制御すること
を特徴とする射出成形方法。 - 【請求項３】 樹脂を型内に射出充填して成形する射出
成形方法であって、充填工程、この充填工程に続く圧縮
工程、この圧縮工程に続く保圧工程を具備し、 前記充填工程から前記圧縮工程に切り換わった後、１×
１０-3〜１０秒間は、樹脂射出手段を、その仕事率がほ
ぼ一定となるよう制御することを特徴とする射出成形方
法。 - 【請求項４】 樹脂を型内に射出充填して成形する射出
成形方法であって、 樹脂射出手段における樹脂を押し出す可動部が、少なく
とも全ストロークの６０％に相当する距離だけ変位した
時点から、前記樹脂射出手段を、その仕事率がほぼ一定
となるよう制御することを特徴とする射出成形方法。 - 【請求項５】 樹脂を型内に射出充填して成形する射出
成形方法であって、 保圧工程の前工程においては、あらかじめ設定された仕
事率を、検出した樹脂の圧力で除して樹脂の射出速度を
算出し、 実際の樹脂の射出速度が、算出した樹脂の射出速度に対
応したものとなるよう樹脂射出手段を制御することを特
徴とする射出成形方法。 - 【請求項６】 樹脂を型内に射出充填して成形する射出
成形装置であって、 樹脂射出手段と、 樹脂の圧力を検出する圧力検出手段と、 樹脂の射出速度を検出する射出速度検出手段と、 あらかじめ設定された仕事率を、前記圧力検出手段から
得られる樹脂圧力で除して樹脂の射出速度を算出する除
算手段と、 前記射出速度検出手段から得られる実際の樹脂の射出速
度が、前記除算手段から得られる樹脂の射出速度に対応
したものとなるよう前記樹脂射出手段を制御する樹脂射
出制御手段とを具備してなることを特徴とする射出成形
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13456396A JPH09314622A (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 射出成形方法および射出成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13456396A JPH09314622A (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 射出成形方法および射出成形装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09314622A true JPH09314622A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15131265
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13456396A Pending JPH09314622A (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 射出成形方法および射出成形装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09314622A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001287252A (ja) * | 2000-04-07 | 2001-10-16 | Nok Corp | 射出成形装置および射出成形装置の制御方法 |
| WO2011161899A1 (ja) * | 2010-06-25 | 2011-12-29 | 日精樹脂工業株式会社 | 射出成形機の成形方法 |
-
1996
- 1996-05-29 JP JP13456396A patent/JPH09314622A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001287252A (ja) * | 2000-04-07 | 2001-10-16 | Nok Corp | 射出成形装置および射出成形装置の制御方法 |
| WO2011161899A1 (ja) * | 2010-06-25 | 2011-12-29 | 日精樹脂工業株式会社 | 射出成形機の成形方法 |
| JP5645822B2 (ja) * | 2010-06-25 | 2014-12-24 | 日精樹脂工業株式会社 | 射出成形機の成形方法 |
| US9296144B2 (en) | 2010-06-25 | 2016-03-29 | Nissei Plastic Industrial Co., Ltd. | Molding method of injection molding machine |
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