JPH09304938A - 平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版

Info

Publication number
JPH09304938A
JPH09304938A JP14493596A JP14493596A JPH09304938A JP H09304938 A JPH09304938 A JP H09304938A JP 14493596 A JP14493596 A JP 14493596A JP 14493596 A JP14493596 A JP 14493596A JP H09304938 A JPH09304938 A JP H09304938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pit
support
pits
diameter
aluminum support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14493596A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Nishio
和之 西尾
Takahiro Mori
孝博 森
Noriyoshi Kojima
紀美 小島
Nobuyuki Ishii
信行 石井
Yasuhisa Sugi
泰久 杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Konica Minolta Inc filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP14493596A priority Critical patent/JPH09304938A/ja
Publication of JPH09304938A publication Critical patent/JPH09304938A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 現像性が良好で、ブランケットの汚れが生じ
難くい平板印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版
印刷版を提供する。 【解決手段】 粗面化及び陽極酸化処理を施されたアル
ミニウム支持体において、(a)粗面の凹状ピットのピ
ット構造が二次以上の構造を有し、かつ、見かけの面積
に対する最大次数のピットの上部投影面積比を0.7以上
とする、(b)粗面の凹状ピットのピット開口部の平均
直径を1.0μm以下とする、(c)粗面が凹状ピットを有
し、一次ピット全体に対する、二次以上のピットに含ま
れずに単独で存在する一次ピットの比率を80%以上とす
る、(d)粗面が凹状ピットを有し、見かけの面積に対
する、二次以上のピットに含まれずに単独で存在する一
次ピットの上部投影面積比を0.5以上とする、(e)ア
ルカリエッチング後の開口径0.5μm以上の凹状ピットに
挟まれた部分の70%以上の曲率半径を式1の通りとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷版に用いるア
ルミニウム支持体及び該支持体を用いた感光性平版印刷
版に関する。
【0002】
【発明の背景】感光性平版印刷版は、支持体上に感光層
を設けたもので、支持体上にポジ型感光性組成物の層を
設けてなるポジ型感光性平版印刷版、支持体上にネガ型
感光性組成物の層を設けてなるネガ型感光性平版印刷版
がある。
【0003】従来、これら感光性平版印刷版の支持体に
は、印刷適性の面から、優れた親水性、保水性を有し、
かつ、感光層との接着性に優れたものが要求され、通
常、アルミニウム板が用いられており、砂目立てといわ
れる粗面化処理が施される。
【0004】粗面化処理には、ボール研磨、ブラシ研
磨、ブラスト研磨、バフ研磨、ホーニング研磨等の機械
的粗面化法、塩酸、硝酸等の酸性電解液中で交流あるい
は直流によって支持体表面を電解処理する電気化学的粗
面化方法、あるいは化学的粗面化方法、さらにこれらの
粗面化方法を組み合わせた方法等が用いられている。
【0005】これらの方法で砂目立て処理したアルミニ
ウム板は、そのままでは表面が柔らかく、摩耗し易いの
で、次いで、陽極酸化処理し、表面に硬い酸化皮膜を形
成させて耐摩耗性を得ている。
【0006】上記砂目立て処理において、砂目立て処理
された支持体表面を更に処理したり、あるいは、支持体
表面の粗面形状を特定のものとしたりして感光性平版印
刷版の性能を更に改善することが試みられている。
【0007】例えば、陽極酸化処理の後に親水化処理を
施すことにより感光性平版印刷版の性能を向上させるこ
とが提案されており、例えば、特開昭56-21126号公報に
は、親水性樹脂と水溶性塩からなる下塗層を設ける方法
が、特開昭64-14090号公報には、カルボン酸塩からなる
下塗層を設ける方法が、特開昭63-130391号公報には、
少なくとも1つのアミノ基とカルボキシル基及びスルホ
基から選ばれた少なくとも1つの基とを有する化合物の
無機酸塩及び有機酸塩から選ばれた少なくとも1つから
なる親水層を設ける方法が、特開昭63-165183号公報に
は少なくとも1つのアミノ基と、ホスホン基またはホス
ホン基の塩を含む親水層を設ける方法が提案されてい
る。また、電気化学的粗面化処理をしたアルミニウム板
表面に生成するアルミニウム中の不純物の残渣(スマッ
ト)、処理ムラを除く方法が提案されており、例えば、
特開昭53-12739号公報には、粗面化処理をしたアルミニ
ウム板表面を50〜90℃の硫酸溶液に接触させてスマット
を溶解除去することが、特公昭48-28135号公報には、塩
酸中で電気化学的粗面化したアルミニウム板をアルカリ
水溶液中で軽くエッチングを行うことが提案されてい
る。また、特公平2-12752号公報には、硝酸系電解液中
で電解粗面化した後アルカリエッチングすることが提案
されている。
【0008】また、支持体表面の粗面形状を特定のもの
とすることにより感光性平版印刷版の性能を向上させる
ことも提案されており、例えば、米国特許第4,301,229
号明細書には、支持体表面に形成されたピット径の累積
度数分布と中心線平均粗さを特定のものとすることが、
米国特許第3,861,917号明細書には、支持体表面の粗面
の深さを特定のものとすることが、カナダ特許第955,44
9号明細書には、支持体表面の粗面の山の高さと直径を
特定のものとすることが、ドイツ特許第1,813,443号明
細書には、支持体表面の粗面の高低差を特定のものとす
ることが、特開昭55-132294号公報には、支持体表面に
形成されたピットの平均深さを特定のものとすること
が、特開平5-24376号公報には、支持体表面に形成され
たピットのピット径とピット径に垂直な方向の最大深さ
を特定のものとすることが提案されている。
【0009】しかしながら、上記砂目立て処理された支
持体表面を更に処理したり、支持体表面の粗面形状を特
定のものとしたりしても、従来の技術では、感光性平版
印刷版の性能の改善は不十分であった。
【0010】そこで更に、本発明者等は、支持体表面の
粗面のピット構造と耐刷性、汚れ難さとの関係を検討し
たところ、支持体の粗面の凹状ピットのピット構造を、
二次以上のピット構造が有り、かつ、見かけの面積に対
する最大次数のピットの上部投影面積比が0.7以上であ
る粗面を有する支持体を用いることにより、感光性平版
印刷版の耐刷性、汚れ難さが改善されることが判明し
た。また、支持体表面の粗面の凹状ピットの形状と小点
再現性、K値、汚れ難さとの関係を検討したところ、
(a)支持体の粗面の凹状ピットの開口部の平均直径を
1.0μm以下とした支持体、(b)支持体の粗面の一次ピ
ット全体に対する、単独で存在する一次ピットの比率を
80%以上とした支持体、(c)見かけの面積に対する、
二次以上のピットに含まれずに単独で存在する一次ピッ
トの上部投影面積比を0.5以上とした支持体、(d)一
次ピットの「ピット径」と「径に垂直な方向の最大深
さ」の一次回帰分析による直線の勾配を0.3以上とした
支持体を用いることにより、小点再現性、K値、汚れ難
さが改善されることが判明した。また、電気化学的粗面
化処理され、アルカリエッチング処理され、陽極酸化処
理されているアルミニウム支持体の粗面形状と現像性、
非画像部の汚れ、ブランケットの汚れ、耐刷性及び汚れ
難さとの関係を検討したところ、電気化学的粗面化によ
り形成された開口径が0.5μm以上のピットに挟まれて形
成される鋭利部分をアルカリエッチングにより溶解し、
70%以上の鋭利部分の形状を、ピット径に垂直な方向の
平均深さ及びピット開口部の平均直径から算出される特
定の曲率半径の範囲に入る曲率半径を有するようにした
支持体、上記支持体において、更に、測定長0.5mmの2
次元の表面粗さ曲線の3番目に高い山の頂点から1μm
下に粗さの中心線と平行に引いた基準直線と該基準直線
よりも上の粗さ曲線とで形成される図形の面積の合計を
50μm2以上150μm2以下とした支持体を用いることによ
り、現像性が良好となり、ブランケットの汚れが生じ難
く、かつ、優れた耐刷性及び汚れ難さが得られることが
判明した。
【0011】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、耐刷性と汚れ難
さを両立した平板印刷版用アルミニウム支持体の提供に
ある。
【0012】本発明の第2の目的は、小点再現性及びK
値に優れ、かつ、汚れ難い平板印刷版用アルミニウム支
持体の提供にある。
【0013】本発明の第3の目的は、耐刷性と汚れ難さ
を両立し、かつ現像性が良好で、ブランケットの汚れが
生じ難くい平板印刷版用アルミニウム支持体の提供にあ
る。
【0014】本発明の第4の目的は、耐刷性と汚れ難さ
を両立した感光性平板印刷版、小点再現性及びK値に優
れ、かつ、汚れ難い感光性平板印刷版、耐刷性と汚れ難
さを両立し、かつ現像性が良好で、ブランケットの汚れ
が生じ難くい感光性平板印刷版を提供することにある。
【0015】
【発明の構成】本発明の上記第1の目的は、 (1)粗面化及び陽極酸化処理を施されたアルミニウム
支持体において、粗面の凹状ピットのピット構造が、二
次以上のピット構造を有しており、かつ、見かけの面積
に対する最大次数のピットの上部投影面積比が0.7以上
あることを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
体。
【0016】本発明の上記第2の目的は、 (2)粗面化及び陽極酸化処理を施されたアルミニウム
支持体において、粗面が凹状ピットを有しており、か
つ、凹状ピットのピット開口部の平均直径が1.0μm以下
であることを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
体。 (3)粗面化及び陽極酸化処理を施されたアルミニウム
支持体において、粗面が凹状ピットを有しており、か
つ、一次ピットの「ピット径」と「径に垂直な方向の最
大深さ」の一次回帰分析による直線の勾配が0.3以上で
あることを特徴とする上記(2)記載の平版印刷版用ア
ルミニウム支持体。 (4)粗面化及び陽極酸化処理を施されたアルミニウム
支持体において、粗面が凹状ピットを有しており、一次
ピット全体に対する、二次以上のピットに含まれずに単
独で存在する一次ピットの比率が80%以上であることを
特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体。 (5)粗面化及び陽極酸化処理を施されたアルミニウム
支持体において、粗面が凹状ピットを有しており、見か
けの面積に対する、二次以上のピットに含まれずに単独
で存在する一次ピットの上部投影面積比が0.5以上ある
ことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体。
【0017】本発明の上記第3の目的は、 (6)粗面化及び陽極酸化処理を施されたアルミニウム
支持体において、電気化学的粗面化により形成される凹
状ピットの中で、開口径が0.5μm以上のピットによって
挟まれて形成された部分を断面より観察した場合確認で
きる鋭利部分がアルカリエッチングにより溶解されてお
り、アルカリエッチング後、開口径0.5μm以上の凹状ピ
ットに挟まれた部分を観察し、その70%以上が、電気化
学的粗面化により形成される凹状ピットのピット径に垂
直な方向の平均深さ及びピット開口部の平均直径から下
記の式1で算出される曲率半径を有するものであること
を特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体。
【0018】
【数2】 (7)粗面化及び陽極酸化処理を施されたアルミニウム
支持体において、支持体表面の測定長0.5mmの2次元の
表面粗さ曲線の3番目に高い山の頂点から1μm下に粗さ
の中心線と平行に引いた基準直線と該基準直線よりも上
の粗さ曲線とで形成される図形の面積の合計が50μm2
上150μm2以下であることを特徴とする上記(6)記載
の平版印刷版用アルミニウム支持体。 (8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の平版印刷
版用アルミニウム支持体に、感光性組成物の層を設けて
なることを特徴とする感光性平版印刷版。によって達成
される。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明に使用されるアルミニウム支持体に
は、純アルミニウムおよびアルミニウム合金よりなる支
持体が含まれる。アルミニウム合金としては種々のもの
が使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウ
ム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、
ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いら
れる。
【0021】アルミニウム支持体は粗面化に先立ってア
ルミニウム表面の圧延油等を除去するために脱脂処理を
施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、
シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケロシン、トリエ
タノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処
理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソーダ等
のアルカリ水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛
性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処
理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去すること
ができる。
【0022】脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液
を用いた場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の
酸、あるいは、それらの混酸に浸漬し中和処理を施すこ
とが好ましい。
【0023】支持体の粗面化としては機械的粗面化、電
気化学的粗面化、もしくは、機械的粗面化及び電気化学
的粗面化を適宜組み合わせた粗面化を行うことができ
る。
【0024】機械的粗面化法は特に限定されないがブラ
シ研磨、ホーニング研磨が好ましい。
【0025】ブラシ研磨では、例えば、毛径0.2〜1mmの
ブラシ毛を植毛した円筒状ブラシを回転し、接触面に例
えば研磨材を水に分散させたスラリーを供給しながら、
支持体表面に押しつけて粗面化を行う。ホーニング研磨
では、例えば、研磨材を水に分散させたスラリーをノズ
ルより圧力をかけ射出し、支持体表面に斜めから衝突さ
せて粗面化を行う。
【0026】研磨材としては、花こう岩、アランダム、
シリカ、珪そう、土、砂、金剛砂、ガーネット、タル
ク、パミス、ドロマイト、酸化マグネシウム、アルミ
ナ、ジルコニア、SUS、鉄粉、タングステンカーバイ
ト等が用いられ、粒度は#20〜#4000が好ましく、#10
0〜#1000が更に好ましい。
【0027】機械的に粗面化された支持体は、支持体の
表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑等を取り除い
たり、ピット形状をコントロールする等のために、酸ま
たはアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングする
ことが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、
弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が含まれ
る。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ま
しい。
【0028】上記エッチング処理をアルカリの水溶液で
の浸漬処理で行った場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロ
ム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を
施すことが好ましい。
【0029】電気化学的粗面化は、一般に、酸性電解液
中で交流電流を用いて粗面化を行う。酸性電解液は通常
電気化学的粗面化法に用いられるものが使用できるが、
特に、塩酸系または硝酸系電解液を用いることが好まし
い。電気化学的粗面化方法については、例えば、特公昭
48-28123号公報、英国特許第896563号明細書、特開昭53
-67507号公報に記載されている方法を用いることができ
る。
【0030】電気化学的粗面化において印加される電圧
は、1〜50ボルトが好ましく、5〜30ボルトが更に好まし
い。電流密度は、10〜200A/dm2が好ましく、20〜150A/d
m2が更に好ましい。また、初期の短時間、高い電流密度
(100〜200A/dm2)で行うのも好ましい。電気量は、100
〜2000c/dm2、好ましくは200〜1500c/dm2、より好まし
くは200〜1000c/dm2である。温度は、10〜50℃が好まし
く、15〜45℃が更に好ましい。酸性電解液の硝酸及び塩
酸の濃度としては、0.05〜5重量%が好ましく、0.05〜
3重量%が更に好ましい。
【0031】電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化
物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ
酸、酢酸、修酸等を加えることができる。
【0032】電解液には、必要に応じて硝酸塩、塩化
物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ
酸、酢酸、修酸等を加えることができる。
【0033】電気化学的に粗面化された支持体は、表面
のスマット等を取り除いたり、ピット形状をコントロー
ルする等のために、酸またはアルカリの水溶液に浸漬し
て表面をエッチングすることが好ましい。酸としては、
例えば硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含ま
れ、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、第三燐酸カリウム、アルミン酸ナトリウ
ム、メタ珪酸ナトリウム等が含まれる。これらの中でも
アルカリの水溶液を用いるのが好ましい。
【0034】また、本発明(請求項6及び7)のアルカ
リエッチングは、上記アルカリの5〜40重量%の水溶液
を用いて、20〜90℃の液温において1〜60秒処理するこ
とによって行うことができる。
【0035】上記をアルカリの水溶液で浸漬処理を行っ
た場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、ある
いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好まし
い。
【0036】粗面化処理の次に、陽極酸化処理を行い、
続いて、封孔処理、親水化処理を行ってもよい。
【0037】本発明で用いられる陽極酸化処理の方法に
は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
陽極酸化処理により支持体上には酸化皮膜が形成され
る。本発明において、陽極酸化処理には、硫酸および/
または燐酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解液と
して、電流密度1〜10A/dm2で電解する方法が好ましく用
いられるが、他に米国特許第1,412,768号明細書に記載
されている硫酸中で高電流密度で電解する方法や、米国
特許第3,511,661号明細書に記載されている燐酸を用い
て電解する方法等を用いることができる。
【0038】陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ
封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処
理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロ
ム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処
理等公知の方法を用いて行うことができる。
【0039】支持体にはさらに、親水性層を設けること
が好ましい。親水性層の形成には、米国特許第3,181,46
1号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国特許第1,8
60,426号明細書に記載の親水性セルロース、特開昭60-1
49491号公報、特開昭63-165183号公報に記載のアミノ酸
およびその塩、特開昭60-232998号公報に記載の水酸基
を有するアミン類およびその塩、特開昭62-19494号公報
に記載の燐酸塩、特開昭59-101651号公報に記載のスル
ホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等を用い
ることができる。
【0040】更に、感光性平版印刷版を重ねたときに感
光層への擦り傷を防ぐために、また、現像時、現像液中
へのアルミニウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50-1
51136号公報、特開昭57-63293号公報、特開昭60-73538
号公報、特開昭61-67863号公報、特開平6-35174号公報
等に記載されている、支持体裏面に保護層を設ける処理
を行うことができる。
【0041】本発明において、凹状ピットのピット構造
のピット次数は、アルミニウム支持体に形成された粗面
を、200倍〜50,000倍の倍率が得られる高分解能走査型
電子顕微鏡を用い観察することにより判断することがで
きる。
【0042】先ず、10,000倍〜50,000倍の観察像から観
察される最小単位のピットが一次ピットである。一次ピ
ットをその壁面に有するピットが二次ピットである。1
0,000〜50,000倍では二次ピットが確認できない時は、
観察倍率を下げる。観察範囲の一次ピットの総数の10%
以上が二次ピットの壁面に存在する時、粗面を二次ピッ
ト構造であると判断する。二次ピットをその壁面に有す
るピットが三次ピットである。三次ピットが確認できな
い時は、観察倍率を下げる。観察範囲の二次ピットの総
数の10%以上が三次ピットの壁面に存在する時、粗面を
三次ピット構造であると判断する。以下同様にして、粗
面のピット構造の次数が判定される。
【0043】図1は、ピット構造の次数を説明するもの
であって、アルミニウム支持体の断面を表す。図1にお
いて、1はアルミニウム支持体、2は一次ピット、3は
二次ピットである。二次ピット3はその壁面に、一次ピ
ット2の総数の10%以上を有している。
【0044】アルミニウム板の電気化学的粗面化により
形成されるピットにおいて、ピットとピットに挟まれた
部分は、図2に示されるように鋭利部分11が形成され
ている。
【0045】アルカリエッチングにより、該鋭利部分1
1は滑らかな形状の先端部分12に変化し、この先端部
分12は球面13を有する形状となる。本件の一の発明
の平版印刷版用アルミニウム支持体においては、電気化
学的粗面化により形成される凹状ピットの中で、開口径
が0.5μm以上のピットによって挟まれて形成された部分
を断面より観察した場合確認できる鋭利部分11がアル
カリエッチングにより溶解されて、比較的滑らかな形状
に変化し、アルカリエッチング後の開口径が0.5μm以上
のピットに挟まれた部分を断面より観察した結果、その
70%以上が球面13となっており、電気化学的粗面化に
より形成される凹状ピットのピット径に垂直な方向の平
均深さ及びピット開口部の平均直径から下記の式1で算
出される曲率半径を有する球面13となっている先端部
分12である。
【0046】
【数3】
【0047】上記曲率半径の範囲を算出するのに用いる
ピット径に垂直な方向の平均深さ、ピット開口部の平均
直径は、アルミニウム支持体を切断し、断面を高分解能
走査型電子顕微鏡を用い観察し、個々のピットについ
て、ピット開口部の直径と該径に垂直な方向の最大深さ
を計測し、平均値を算出することにより求めることがで
きる。
【0048】本発明において、『見かけの面積に対する
最大次数のピットの上部投影面積比』、『凹状ピットの
開口部の平均直径』、『一次ピット全体に対する、二次
以上のピットに含まれずに単独で存在する一次ピットの
比率』、『見かけの面積に対する、二次以上のピットに
含まれずに単独で存在する一次ピットの上部投影面積
比』、『一次ピットの「ピット径」と「径に垂直な方向
の最大深さ」の一次回帰分析による直線の勾配』、『支
持体表面の測定長0.5mmの2次元の表面粗さ曲線の3番
目に高い山の頂点から1μm下に粗さの中心線と平行に
引いた基準直線と該基準直線よりも上の粗さ曲線とで形
成される図形の面積の合計』は、下記のようにして求め
たものである。
【0049】〈見かけの面積に対する最大次数ピットの
上部投影面積比〉アルミニウム支持体表面の観測面を無
作為に選定し、高分解能走査型電子顕微鏡を用いて最大
次数ピットの平均直径が写真上で5mm以上となり、か
つ、100個以上確認できる倍率及び視野数で観察し、観
測面における最大次数のピットの開口部の形状を支持体
と平行な面に投影した時に得られる投影面の面積の総計
を求め、下記により見かけの面積に対する最大次数のピ
ットの上部投影面積比を算出する。
【0050】
【数4】
【0051】〈凹状ピットの開口部の平均直径〉アルミ
ニウム支持体表面の凹状ピットを、高分解能走査型電子
顕微鏡を用いて平均直径が写真上で5mm以上となり、か
つ、100個以上確認できる倍率及び視野数で観察し、図
3に示すように、凹状ピットの開口部の最大の長さcを
求め、該最大長さが示す直線と直交する面で該凹状ピッ
トを切断したときに得られた凹状ピットの開口部の幅の
最大の長さdを求め、下記により凹状ピットの開口部の
個々の直径を算出し、これを無作為に選んだ観測面にお
いて平均し、凹状ピットの開口部の平均直径とする。
【0052】
【数5】
【0053】〈一次ピット全体に対する、二次以上のピ
ットに含まれずに単独で存在する一次ピットの比率〉ア
ルミニウム支持体表面の観測面を無作為に選定し、高分
解能走査型電子顕微鏡を用いて一次ピット総数が200個
以上となる倍率及び視野数で凹状ピットを観察し、一次
ピットの総数を求める。また、二次以上のピット構造を
有するピット中に存在する一次ピットの総数を求め、下
記により凹状ピットに占める単独で存在する一次ピット
の比率(%)を算出する。
【0054】
【数6】
【0055】〈見かけの面積に対する、二次以上のピッ
トに含まれずに単独で存在する一次ピット上部投影面積
比〉アルミニウム支持体表面の観測面を無作為に選定
し、高分解能走査型電子顕微鏡で二次以上のピットに含
まれずに単独で存在する一次ピット総数が200個以上と
なる倍率及び視野数で観察し、観測面における上記一次
ピットの開口部の形状を支持体と平行な面に投影した時
に得られる投影面の面積の総計を求め、下記により見か
けの面積に対する、二次以上のピットに含まれずに単独
で存在する一次ピットの上部投影面積比を算出する。
【0056】
【数7】
【0057】〈一次ピットの「ピット径」と「径に垂直
な方向の最大深さ」の一次回帰分析による直線の勾配〉
「ピット径」及び「径に垂直な方向の最大深さ」は、粗
面化、陽極酸化処理を施されたアルミニウム或いはその
合金よりなる支持体の断面を観察することにより求める
ことができる。
【0058】支持体の断面形状の観察は、例えば次のよ
うにして行うことができる。まず、支持体片を樹脂に包
埋し、それを支持体表面に垂直な方向に切断し、得られ
た支持体断面の鏡面研磨を行う。ピットの観察は、通常
の電子顕微鏡で断面の真正面方向から写真を撮影して行
う。この際の撮影倍率は約3000〜50000倍程度であり、
ピット径1μm程のピット形状の観察が容易なように選
択する。
【0059】本発明において、「ピット径」と「径に垂
直な方向の最大深さ」は、上記断面の真正面方向から撮
影した電子顕微鏡写真から求めれれたものである。「ピ
ット径」は、断面写真で観察されるピットのくぼみの一
方の縁から、もう一方の縁までの直線距離であり、ピッ
トがアルミニウムの生地の面に対して垂直方向に開いて
いない場合には、この直線はアルミニウム生地の面と平
行にはならない。また、「径に垂直な方向の最大深さ」
は、上記「ピット径」の直線に垂直な方向の深さが最大
となる位置までの深さであり、ピットが左右対称でない
場合には、「ピット径」直線の垂直二等分の位置とはな
らない。
【0060】本発明でいう「ピット径」と「径に垂直な
方向の最大深さ」は、上記断面の真正面方向から撮影し
た電子顕微鏡写真から求められたものであるため、現実
の「ピットの最大径」と「径に垂直な方向の最大深さ」
とは異なるものである。本発明において、「ピット径」
と「径に垂直な方向の最大深さ」の一次回帰分析による
直線の勾配を求めるためには、少なくとも20個以上のピ
ットをランダムに選び、「ピット径」と「径に垂直な方
向の最大深さ」を求める必要がある。
【0061】この際、断面上で観察されたピットを偏り
なく測定するが、二次以上のピットについて測定しては
ならない。
【0062】上記測定法に従い、少なくとも20個以上の
ピットを測定した後、X軸データに「ピット径」の実長
を、Y軸データに「径に垂直な方向の最大深さ」の実長
をとり、その一次回帰分析を行い、以下の一次式を得
る。
【0063】 (径に垂直な方向の最大深さ)=g×(ピット径)+h 一次回帰式のgが、一次ピットの「ピット径」と「径に
垂直な方向の最大深さ」の一次回帰分析による直線の勾
配である。
【0064】〈支持体表面の測定長0.5mmの2次元の表
面粗さ曲線の3番目に高い山の頂点から1μm下に粗さ
の中心線と平行に引いた基準直線と該基準直線よりも上
の粗さ曲線とで形成される図形の面積の合計(以下、本
発明の粗さ曲線面積の合計という。)〉 粗さ曲線を表面粗さ計(ランクテーラーホプソン社製タ
リステップ)を使用して測定する。測定には、0.1×2.5
μmの角錐型のスタイラスを使用し、縦倍率10000倍、測
定長0.5mm、測定速度0.0025mm/s、サンプリング周波
数10ms、フィルタカットオフ8Hzとし8Hzよりも高周波
成分を除去した。
【0065】上記の粗さ曲線から、3番目に高い突起を
選び、その突起頂点より1μm下に粗さの中心線と平行
に基準線Aを引き、基準線Aと基準線Aよりも上の粗さ
曲線とで形成される図形の面積の合計を求めた。実際に
は、タリステップよりデジタルで取り込んだデータより
計算を行う。
【0066】本発明の感光性平版印刷版は、上記本発明
のアルミニウム支持体に、感光性組成物の層を設けるこ
とにより得ることができる。
【0067】本発明の感光性平版印刷版の感光層を形成
する感光性組成物は特に限定されるものではなく、通
常、感光性平版印刷版に用いられている感光性組成物を
用いることができる。本発明において用いることができ
る感光性組成物としては、例えば、下記のものを挙げる
ことができる。 1)光架橋系感光性樹脂組成物 光架橋系感光性樹脂組成物における感光成分は、分子中
に不飽和二重結合を有する感光性樹脂からなるもので、
例えば、米国特許第3,030,208号明細書、同第3,435,237
号明細書及び同第3,622,320号明細書等に記載されてい
る如き、重合体主鎖中に感光基として
【0068】
【化1】 を含む感光性樹脂及び重合体の側鎖に感光基を有するポ
リビニルシンナメート等が挙げられる。 2)光重合系感光性樹脂組成物 付加重合性不飽和化合物を含む光重合成性組成物であっ
て、二重結合を有する単量体または二重結合を有する単
量体と高分子バインダーとからなり、このような組成物
の代表的なものは、例えば、米国特許第2,760,863号明
細書及び同第2,791,504号明細書等に記載されている。
【0069】光重合成性組成物としては、例えば、メタ
クリル酸メチルを含む組成物、メタクリル酸メチル及び
ポリメチルメタクリレートを含む組成物、メタクリル酸
メチル、ポリメチルメタクリレート及びポリエチレング
リコールメタクリレートモノマーを含む組成物、メタク
リル酸メチル、アルキッド樹脂とポリエチレングリコー
ルジメタクリレートモノマーを含む組成物等の光重合性
組成物が挙げられる。
【0070】これら光重合系感光性樹脂組成物には、こ
の技術分野で通常知られている光重合開始剤(例えば、
べンゾインメチルエーテル等のべンゾイン誘導体、ベン
ゾフェノン等のべンゾフェノン誘導体、チオキサントン
誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体等)
が添加される。 3)ジアゾ化合物を含む感光性組成物 感光性組成物に用いられるジアゾ化合物の好ましい例と
しては、芳香族ジアゾニウム塩とホルムアルデヒドまた
はアセトアルデヒドとの縮合物で代表されるジアゾ樹脂
が挙げられる。特に好ましくは、p−ジアゾフェニルア
ミンとホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとの縮
合物の塩、例えば、へキサフルオロ燐酸塩、テトラフル
オロホウ酸塩、過塩素酸塩または過ヨウ素酸塩と前記縮
合物との反応生成物であるジアゾ樹脂無機塩や、米国特
許第3,300,309号明細書中に記載されている、前記縮合
物とスルホン酸類との反応生成物であるジアゾ樹脂有機
塩等が挙げられる。
【0071】ジアゾ樹脂は、好ましくは結合剤と共に使
用される。かかる結合剤としては種々の高分子化合物を
使用することができるが、好ましくは、特開昭54-98613
号公報に記載されている芳香族性水酸基を有する単量
体、例えば、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリル
アミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルア
ミド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチレン、o
−、m−またはp−ヒドロキシフェニルメタクリレート
等と他の単量体との共重合体、米国特許第4,123,276号
明細書に記載されているヒドロキシエチルアクリレート
単位またはヒドロキシエチルメタクリレート単位を主な
繰り返し単位として含むポリマー、シェラック、ロジン
等の天然樹脂、ポリビニルアルコール、米国特許第3,75
1,257号明細書に記載されている線状ポリウレタン樹
脂、ポリビニルアルコールのフタレート化樹脂、ビスフ
ェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合物であるエポ
キシ樹脂、酢酸セルロース、セルロースアセテートフタ
レート等のセルロール誘導体が挙げられる。 4)o−キノンジアジド化合物を含む感光性組成物 o−キノンジアジド化合物とは、分子中にo−キノンジ
アジド基を有する化合物であって、本発明で使用するこ
とができるo−キノンジアジド化合物としては、例え
ば、o−ナフトキノンジアジド化合物、例えば、o−ナ
フトキノンジアジドスルホン酸とフェノール類及びアル
デヒド又はケトンとの重縮合樹脂とのエステル化合物等
が挙げられる。
【0072】上記フェノール類及びアルデヒドまたはケ
トンとの重縮合樹脂におけるフェノール類としては、例
えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、
p−クレゾール、3,5−キシレノール、カルバクロー
ル、チモール等の一価フェノール、カテコール、レゾル
シン、ヒドロキノン等の二価フェノール、ピロガロー
ル、フロログルシン等の三価フェノール等が挙げられ
る。アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、
ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデ
ヒド、フルフラール等が挙げられる。これらのうちで好
ましいものはホルムアルデヒド及びベンズアルデヒドで
ある。ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトン等が挙げられる。
【0073】フェノール類及びアルデヒドまたはケトン
との重縮合樹脂の具体的な例としては、フェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホルムアルデヒ
ド樹脂、m−,p−混合クレゾール・ホルムアルデヒド
樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹脂、ピロガロー
ル・アセトン樹脂等が挙げられる。
【0074】前記o−ナフトキノンジアジド化合物にお
いて、フェノール類のOH基に対するo−ナフトキノン
ジアジドスルホン酸の縮合率(OH基1個に対する反応
率)は、15%〜80%が好ましく、より好ましくは20%〜
45%である。
【0075】更に本発明に用いられるo−キノンジアジ
ド化合物としては、特開昭58-43451号公報に記載の以下
の化合物も挙げることができる。即ち、例えば、1,2
−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−
ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ベ
ンゾキノンジアジドスルホン酸アミド、1,2−ナフト
キノンジアジドスルホン酸アミドなどの公知の1,2−
キノンジアジド化合物、更に具体的には、ジェイ・コサ
ール(J.Kosar)著「ライト−センシティブ・システム
ズ」(Light-Sensitive Systems)第339〜352頁(1965
年)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wille
y & Sons)社(ニューヨーク)やダブリュー・エス・デ
ィ・フォレスト(W.S.De Forest)著「フォトレジス
ト」(Photoresist)第50巻(1975年)、マックローヒ
ル(McGraw Hill)社(ニューヨーク)に記載されてい
る1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸フェ
ニルエステル、1,2,1′,2′−ジ−(ベンゾキノ
ンジアジド−4−スルホニル)−ジヒドロキシビフェニ
ル、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−(N−エチル
−N−β−ナフチル)−スルホンアミド、1,2−ナフ
トキノンジアジド−5−スルホン酸シクロヘキシルエス
テル、1−(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スル
ホニル)−3,5−ジメチルピラゾール、1,2−ナフ
トキノンジアジド−5−スルホン酸−4′−ヒドロキシ
ジフェニル−4′−アゾ−β−ナフトールエステル、
N,N−ジ−(1,2−ナフトキノンジアジド−5−ス
ルホニル)−アニリン、2′−(1,2−ナフトキノン
ジアジド−5−スルホニルオキシ)−1−ヒドロキシ−
アントラキノン、1,2−ナフトキノンジアジド−5−
スルホン酸−2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンエス
テル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸
−2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステ
ル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸ク
ロリド2モルと4,4′−ジアミノベンゾフェノン1モ
ルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−5−ス
ルホン酸クロリド2モルと4,4′−ジヒドロキシ−
1,1′−ジフェニルスルホン酸1モルとの縮合物、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリ
ド1モルとプルプロガリン1モルとの縮合物、1,2−
ナフトキノンジアジド−5−(N−ジヒドロアビエチ
ル)−スルホンアミドなどの1,2−キノンジアジド化
合物を例示することができる。また、特公昭37-1953
号、同37-3627号、同37-13109号、同40-26126号、同40-
3801号、同45-5604号、同45-27345号、同51-13013号、
特開昭48-96575号、同48-63802号、同48-63803号各公報
に記載された1,2−キノンジアジド化合物も挙げるこ
とができる。
【0076】上記o−キノンジアジド化合物のうち、
1,2−ベンゾキノンジアジドスルホニルクロリド又は
1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドをピ
ロガロール・アセトン縮合樹脂又は2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノンと反応させて得られるo−キノ
ンジアジドエステル化合物が特に好ましい。
【0077】本発明において、o−キノンジアジド化合
物は、上記化合物を各々単独で用いてもよいし、2種以
上を組合せて用いてもよい。
【0078】o−キノンジアジド化合物の感光性組成物
中に占める割合は、5〜60重量%が好ましく、特に好ま
しいのは、10〜50重量%である。
【0079】o−キノンジアジド化合物を含む感光性組
成物には、さらにアルカリ可溶性樹脂を添加することが
好ましい。
【0080】本発明において、o−キノンジアジド化合
物と併用することが好ましいアルカリ可溶性樹脂として
は、例えば、ノボラック樹脂、フェノール性水酸基を有
するビニル系重合体、特開昭55-57841号公報に記載され
ている多価フェノールとアルデヒド又はケトンとの縮合
樹脂等が挙げられる。
【0081】上記ノボラック樹脂としては、例えば、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルム
アルデヒド樹脂、特開昭55-57841号公報に記載されてい
るようなフェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共
重合体樹脂、特開昭55-127553号公報に記載されている
ようなp−置換フェノールとフェノールもしくはクレゾ
ールとホルムアルデヒドとの共重合体樹脂等が挙げられ
る。
【0082】ノボラック樹脂の分子量(ポリスチレン標
準)は、好ましくは数平均分子量Mnが3.00×102〜7.5
0×103、重量平均分子量Mwが1.00×103〜3.00×104
より好ましくはMnが5.00×102〜4.00×103、Mwが3.
00×103〜2.00×104である。
【0083】上記ノボラック樹脂は単独で用いてもよい
し、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0084】ノボラック樹脂を併用する場合、ノボラッ
ク樹脂は感光性組成物中に5〜95重量%含有させるのが
好ましい。
【0085】また、フェノール性水酸基を有するビニル
系重合体とは、該フェノール性水酸基を有する単位を分
子構造中に有する重合体であり、下記一般式[I]〜
[V]で表される構造単位を少なくとも1つの含む重合
体が好ましい。
【0086】
【化2】
【0087】一般式[I]〜一般式[V]において、R
1およびR2は、それぞれ水素原子、アルキル基又はカル
ボキシル基を表し、好ましくは水素原子である。R
3は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、
好ましくは水素原子又はメチル基、エチル基等のアルキ
ル基である。R4、R5は、水素原子、アルキル基、アリ
ール基又はアラルキル基を表し、好ましくは水素原子で
ある。Aは、窒素原子又は酸素原子と芳香族炭素原子と
を連結する、置換基を有していてもよいアルキレン基を
表し、mは、0〜10の整数を表し、Bは、置換基を有
していてもよいフェニレン基又は置換基を有してもよい
ナフチレン基を表す。
【0088】本発明に用いる上記フェノール性水酸基を
有するビニル系重合体は、前記一般式[I]〜一般式
[V]でそれぞれ表される構造単位を有する共重合体型
の構造を有するものが好ましく、共重合させる単量体と
しては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、ブタジエン、イソプレン等のエチレン系不飽和オレ
フィン類、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン
類、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸
類、例えば、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸
等の不飽和脂肪族ジカルボン酸類、例えば、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸−2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロ
ロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、エタクリル酸エチル等のα−メチレン脂肪族
モノカルボン酸のエステル類、例えば、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、例えば、ア
クリルアミド等のアミド類、例えば、アクリルアニリ
ド、p−クロロアクリルアニリド、m−ニトロアクリル
アニリド、m−メトキシアクリルアニリド等のアニリド
類、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾ
エ酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、例え
ば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル、β−クロロエチルビニルエー
テル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、ビニリデンク
ロライド、ビニリデンシアナイド、例えば、1−メチル
−1−メトキシエチレン、1,1−ジメトキシエチレ
ン、1,2−ジメトキシエチレン、1,1−ジメトキシ
カルボニルエチレン、1−メチル−1−ニトロエチレン
等のエチレン誘導体類、例えば、N−ビニルピロール、
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−
ビニルピロリデン、N−ビニルピロリドン等のN−ビニ
ル系単量体がある。これらの単量体は、不飽和二重結合
が開裂した構造で高分子化合物中に存在する。
【0089】上記の単量体のうち脂肪族モノカルボン酸
のエステル類、ニトリル類が本発明の目的に対して優れ
た性能を示し、好ましい。
【0090】これらの単量体は、本発明に用いられる重
合体中にブロックまたはランダムのいずれかの状態で結
合していてもよい。
【0091】フェノール性水酸基を有するビニル系重合
体を併用する場合、フェノール性水酸基を有するビニル
系重合体は感光性組成物中に0.5〜70重量%含有させる
のが好ましい。
【0092】フェノール性水酸基を有するビニル系重合
体は、上記重合体を単独で用いてもよいし、又2種以上
を組合せて用いてもよい。又、他の高分子化合物等と組
合せて用いることもできる。
【0093】アルカリ可溶性樹脂を併用する場合、o−
キノンジアジド化合物の感光性組成物中に占める割合
は、5〜60重量%が好ましく、特に好ましいのは、10〜
50重量%である。
【0094】更に本発明の感光性組成物には包接化合物
を添加することができる。
【0095】本発明で使用することができる包接化合物
とは、例えば、ナトリウムイオンやカリウムイオンのよ
うな化学種をゲスト分子としてその包接化合物内に取り
込む(包接する)ことができるいわばホスト化合物であ
れば特に限定されないが、感光性組成物の調製に用いる
溶剤に可溶な有機系化合物が好ましい。そのような有機
系化合物の例としては、例えば、「ホストゲストケミス
トリー」(平岡道夫ら著、講談社1984年、東京)などの
成書や「テトラヘドロンレポート」(No.226(1987)P5
725A. Colletら)、「化学工業4月号」((1991)P278
新海ら)、「化学工業4月号」((1991)P288平岡ら)
などに示されているものが挙げられる。
【0096】本発明において好ましく使用することがで
きる包接化合物としては、例えば、環状D−グルカン
類、シクロファン類、中性ポリリガンド、環状ポリアニ
オン、環状ポリカチオン、環状ペプチド、スフェランド
(SPHERANDS)、キャビタンド(CAVITANDS)およびそれ
らの非環状類縁体が挙げられる。これらの中でも、環状
D−グルカン類及びその非環状類縁体、シクロファン
類、中性ポリリガンドが更に好ましい。
【0097】環状D−グルカン類およびその非環状類縁
体としては、例えば、α−D−グルコピラノースがグリ
コキシド結合によって連なった化合物が挙げられる。
【0098】該化合物としては、デンプン、アミロー
ス、アミロペクチンなどのD−グルコピラノース基によ
り構成される糖質類、α−シクロデキストリン、β−シ
クロデキストリン、γ−シクロデキストリン、D−グル
コピラノース基の重合度が9以上のシクロデキストリン
などのシクロデキストリン及びSO364CH264
SO3基、NHCH2CH2NH基、NHCH2CH2NH
CH2CH2NH基、SC65基、N3基、NH2基、NE
2基、SC(NH + 2)NH2基、SH基、SCH2CH
2NH2基、イミダゾール基、エチレンジアミン基などの
置換基を導入した下記式
【0099】
【化3】 で表されるD−グルカン類の修飾物が挙げられる。ま
た、下記一般式[IX]及び一般式[X]で表されるシク
ロデキストリン誘導体及び分岐シクロデキストリン、シ
クロデキストリンポリマー等も挙げられる。
【0100】
【化4】 一般式[IX]において、R1〜R3は、それぞれ同じでも
異なっていてもよく、水素原子、アルキル基または置換
アルキル基を表す。特に、R1〜R3が水素原子あるいは
ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基であるもの
が好ましく、1分子中の置換アルキル基の含有率が15%
〜50%であるものが更に好ましい。n2は4〜10の正
の整数を表す。
【0101】
【化5】 一般式[X]において、Rは、水素原子、−R2−CO2
H、−R2−SO3H、−R2−NH2または−N−
(R32(R2は、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の
アルキレン基を表し、R3は、炭素数1〜5の直鎖また
は分岐鎖のアルキル基を表す。
【0102】なお、シクロデキストリンの製造例は「Jo
unal of the American Chemical Society」第71巻 第3
54頁 1949年、「Cheimish Berichte」第90巻 第2561頁
1957年,第90巻 第2572頁 1957年に記載されている
が、勿論これらに限定されるものではない。
【0103】本発明に用いられる分岐シクロデキストリ
ンとは、公知のシクロデキストリンにグルコース、マル
トース、セロビオーズ、ラクトース、ショ糖、ガラクト
ース、グルコサミン等の単糖類や2糖類等の水溶性物質
を分岐付加ないし結合させたものであり、好ましくは、
シクロデキストリンにマルトースを結合させたマルトシ
ルシクロデキストリン(マルトースの結合分子数は1分
子、2分子、3分子等いずれでもよい)やシクロデキス
トリンにグルコースを結合させたグルコシルシクロデキ
ストリン(グルコースの結合分子数は1分子、2分子、
3分子等いずれでもよい)が挙げられる。
【0104】これら分岐シクロデキストリンの具体的な
合成方法は、例えば、澱粉化学、第33巻、第2号、119
〜126頁(1986)、同127〜132頁(1986)、澱粉化学、
第30巻、第2号、231〜239頁(1983)等に記載されてお
り、これら公知の方法を参照して合成可能であり、例え
ば、マルトシルシクロデキストリンは、シクロデキスト
リンとマルトースを原料とし、イソアミラーゼやプルラ
ナーゼ等の酵素を利用してシクロデキストリンにマルト
ースを結合させる方法で製造できる。グルコシルシクロ
デキストリンも同様の方法で製造できる。
【0105】本発明において、好ましく用いられる分岐
シクロデキストリンとしては、以下に示す具体的例示化
合物を挙げることができる。
【0106】 〔例示化合物〕 D−1 マルトースが1分子結合したα−シクロデキストリン D−2 マルトースが1分子結合したβ−シクロデキストリン D−3 マルトースが1分子結合したγ−シクロデキストリン D−4 マルト一スが2分子結合したα−シクロデキストリン D−5 マルトースが2分子結合したβ−シクロデキストリン D−6 マルトースが2分子結合したγ−シクロデキストリン D−7 マルトースが3分子結合したα−シクロデキストリン D−8 マルトースが3分子結合したβ−シクロデキストリン D−9 マルトースが3分子結合したγ−シクロデキストリン D−10 グルコースが1分子結合したα−シクロデキストリン D−11 グルコースが1分子結合したβ−シクロデキストリン D−12 グルコースが1分子結合したγ−シクロデキストリン D−13 グルコースが2分子結合したα−シクロデキストリン D−14 グルコースが2分子結合したβ−シクロデキストリン D−15 グルコースが2分子結合したγ−シクロデキストリン D−16 グルコースが3分子結合したα−シクロデキストリン D−17 グルコースが3分子結合したβ−シクロデキストリン D−18 グルコースが3分子結合したγ−シクロデキストリン
【0107】これら分岐シクロデキストリンの構造につ
いては、HPLC,NMR,TLC(薄層クロマトグラフィー)、IN
EPT法(Insensitive nuclei enhanced by polarization
transfer)等の測定法で種々検討されてきているが、
現在の科学技術をもってしてもいまだ確定されておらず
推定構造の段階にある。しかしながら、各単糖類又は2
糖類等がシクロデキストリンに結合していることは上記
測定法で誤りのないことである。この故に、本発明にお
いては、単糖類や2糖類の多分子がシクロデキストリン
に結合している際には、例えば、以下に示すようにシク
ロデキストリンの各ぶどう糖に個々に結合している場合
や、1つのぶどう糖に直鎖状に結合しているものの両方
を包含するものである。
【0108】
【化6】
【0109】これら分岐シクロデキストリンにおいて、
既存のシクロデキストリンの環構造はそのまま保持され
ているので、既存のシクロデキストリンと同様な包接作
用を示し、かつ、水溶性の高いマルトースないしグルコ
ースが付加し、水ヘの溶解性が飛躍的に向上しているの
が特徴である。
【0110】本発明に用いられる分岐シクロデキストリ
ンは市販品としての入手も可能であり、例えば、マルト
シルシクロデキストリンは塩水港精糖社製イソエリート
(登録商標)として市販されている。
【0111】次に、本発明に用いられるシクロデキスト
リンポリマーについて説明する。
【0112】本発明に用いられるシクロデキストリンポ
リマーとしては、下記一般式[XI]で表されるものが好
ましい。
【0113】
【化7】 [式中、n2は重合度であり、3〜4を表す。]
【0114】本発明に用いられるシクロデキストリンポ
リマーは、シクロデキストリンを、例えば、エピクロル
ヒドリンにより架橋高分子化して製造できる。
【0115】前記シクロデキストリンポリマーは、その
水溶性すなわち水に対する溶解度が、25℃で水100ミリ
リットルに対し20g以上あることが好ましく、そのため
には上記一般式[XI]における重合度n2を3〜4とす
ればよく、この値が小さい程シクロデキストリンポリマ
ー自身の水溶性および前記物質の可溶化効果が高い。
【0116】これらシクロデキストリンポリマーは、例
えば、特開昭61-97025号公報やドイツ特許第3,544,842
号明細書等に記載された一般的な方法で合成できる。
【0117】該シクロデキストリンポリマーについて
も、前記の如くシクロデキストリンポリマーの包接化合
物として使用してもよい。
【0118】シクロファン類とは、芳香環が種々の結合
によりつながった構造を有する環状化合物であって、多
くの化合物が知られてり、シクロファン類としては、こ
れら公知の化合物を挙げることができる。
【0119】芳香環を結ぶ結合としては、例えば、単結
合、−(CR12m−結合、−O(CR12mO−結
合、−NH(CR12mNH−結合、−(CR12p
NR3(CR45q−結合、−(CR12p+34
(CR56q−結合、−(CR12p+3(CR4
5q−結合、−CO2−結合、−CONR−結合(こ
こで、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一でも
異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜3のア
ルキル基を示し、m、pおよびqは、同一でも異なって
いてもよく、1〜4の整数を示す。)などが挙げられ
る。
【0120】該化合物としては、例えば、下記式
【0121】
【化8】 で表されるパラシクロファン類、トリ−o−テイモタイ
ド、シクロトリヴェラトリレンに代表される下記式
【0122】
【化9】 で表されるオルトシクロファン類、メタシクロフファ
ン、カリックスアレン、レゾルシノール−アルデヒド環
状オリゴマーなどに代表される下記式
【0123】
【化10】 で表されるメタシクロファン類、あるいは下記式
【0124】
【化11】 で表されるパラ置換フェノール類非環状オリゴマーが挙
げられる。
【0125】中性ポリリガンドとしては、クラウン化合
物、クリプタンド、環状ポリアミンおよびそれらの非環
状類縁体が挙げられる。該化合物は、金属イオンを有効
に取り込むことが知られているが、カチオン性有機分子
も有効に取り込むことができる。
【0126】その他の包接化合物として、尿素、チオ尿
素、デオキシコール酸、ジニトロジフェニル、ヒドロキ
ノン、o−トリチモチド、オキシフラバン、ジシアノア
ンミンニッケル、ジオキシトリフェニルメタン、トリフ
ェニルメタン、メチルナフタリン、スピロクロマン、ぺ
ルヒドロトリフェニレン、粘度鉱物、グラファイト、ゼ
オライト(ホージャサイト、チャバザイト、モルデナイ
ト、レビーナイト、モンモリロナイト、ハロサイト
等)、セルロース、アミロース、タンパク質等が挙げら
れる。
【0127】これらの包接化合物は、単体として添加し
てもよいが、包接化合物自身あるいは分子を取り込んだ
包接化合物の溶剤への溶解性、その他の添加剤との相溶
性を良好にするために包接能を有する置換基をポリマー
にペンダント置換基として懸垂させたポリマーを一緒に
添加してもよい。
【0128】該ポリマーは、例えば、特開平3-221501号
公報、特開平3-221502号公報、特開平3-221503号公報、
特開平3-221504号公報、特開平3-221505号公報に開示さ
れているような方法を用いて容易に得ることができる。
【0129】上記包接化合物のうち、環状および非環状
D−グルカン類、シクロファン類、および非環状シクロ
ファン類縁体が好ましい。更に具体的には、シクロデキ
ストリン、カリックスアレン、レゾルシノール−アルデ
ヒド環状オリゴマー、パラ置換フェノール類非環状オリ
ゴマーが好ましい。
【0130】また、最も好ましいものとして、シクロデ
キストリン及びその誘導体が挙げられ、このうちβ−シ
クロデキストリン及びその誘導体が更に好ましい。
【0131】更に、本発明の感光性組成物には、露光に
より可視画像を形成させるプリントアウト材料を添加す
ることができる。プリントアウト材料は、露光により酸
もしくは遊離基を生成する化合物と該生成された酸もし
くは遊離基と相互作用することによってその色調を変え
る有機染料より成るもので、露光により酸もしくは遊離
基を生成する化合物としては、例えば、特開昭50-36209
号公報に記載のo−ナフトキノンジアジド−4−スルホ
ン酸ハロゲニド、特開昭53-36223号公報に記載のトリハ
ロメチル−2−ピロンやトリハロメチル−トリアジン、
特開昭55-6244号公報に記載のo−ナフトキノンジアジ
ド−4−スルホン酸クロライドと電子吸引性置換基を有
するフェノール類またはアニリンとのエステル化合物ま
たはアミド化合物、特開昭55-77742号公報、特開昭57-1
48784号公報等に記載のハロメチルビニルオキサジアゾ
ール化合物及びジアゾニウム塩等を挙げることができ、
また、有機染料としては、例えば、ビクトリアピュアー
ブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製)、パテントピュ
アーブルー(住友三国化学(株)製)、オイルブルー#
603(オリエント化学工業(株)製)、スーダンブルーI
I(BASF製)、クリスタルバイオレット、マラカイ
トグリーン、フクシン、メチルバイオレット、エチルバ
イオレット、メチルオレンジ、ブリリアントグリーン、
コンゴーレッド、エオシン、ローダミン66等を挙げるこ
とができる。
【0132】また、本発明の感光性組成物には、上記の
素材の他、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、有機酸、
酸無水物などを添加することができる。
【0133】さらに、本発明の感光性組成物には、該感
光性組成物の感脂性を向上させるために、例えば、p−
tert−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、p−n
−オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはこ
れらの樹脂がo−キノンジアジド化合物で部分的にエス
テル化されている樹脂などを添加することもできる。
【0134】本発明の感光性組成物の層は、これらの各
成分よりなる感光性組成物を溶媒に溶解又は分散した塗
布液を、支持体上に塗布し、乾燥することにより形成す
ることができる。
【0135】感光性組成物を溶解する際に使用し得る溶
媒としては、例えば、メチルセロソルブ、メチルセロソ
ルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブ
アセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコール
モノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ギ
酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プ
ロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、
酪酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトン
アルコール、アセチルアセトン、γ−ブチロラクトン等
が挙げられる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以
上を混合して使用することができる。
【0136】感光性組成物を支持体表面に塗布する際に
用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回
転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイ
フ塗布、スプレー塗布、エアースプレー塗布、静電エア
ースプレー塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテ
ン塗布等の方法が用いられる。この際塗布量は用途によ
り異なるが、例えば,固形分として0.05〜5.0g/m2
塗布量が好ましい。
【0137】本発明の感光性平版印刷版は、通常の方法
で露光、現像処理することにより製版することができ
る。例えば、線画像、網点画像などを有する透明原画を
感光面に密着して露光し、次いでこれを適当な現像液を
用いて感光性層を除去することによりレリーフ像が得ら
れる。
【0138】露光に好適な光源としては、水銀灯、メタ
ルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、
カーボンアーク灯などが挙げられる。また、現像に使用
される現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸
カリウム等のアルカリ金属珪酸塩、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液の
ようなアルカリ水溶液を用いることができる。このとき
のアルカリ水溶液の濃度は、感光性組成物及びアルカリ
の種類により異なるが、概して0.1〜10重量%の範囲が
適当である。また、アルカリ水溶液には必要に応じ界面
活性剤やアルコール等のような有機溶媒を加えることも
できる。
【0139】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0140】実施例1 [支持体1−1の作成]厚さ0.3mmのアルミニウム板
(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85℃に保たれ
た10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、1分間
脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理をしたアル
ミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸水溶液中に
1分間浸漬し、デスマット処理をした後水洗した。
【0141】次いで、このアルミニウム板に、平均粒径
10μmのAl23粒子を水に容積比で10倍になるように
混合し、撹拌機にて均一に分散させた分散液を、60個
の、直径2mmの口径を有するノズルより圧力6kg/cm2
で射出し、アルミニウム板表面に対して30度の角度で10
0mmの距離から衝突させた。
【0142】その後、70℃に保たれた10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液中に10秒間浸漬し、次いで、25℃に保た
れた10重量%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、デスマット
処理した後水洗した。
【0143】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して1.5重量%の硝酸水溶液を用い、交流電流により、
温度40℃、電流密度200A/dm2の条件で1秒間電解粗面
化処理を行い、さらに、電流密度100A/dm2、電気量40
0C/dm2の条件で電解粗面化処理を行った。その後、70
℃に保たれた10重量%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒
間浸漬し、次いで、25℃に保たれた10重量%硫酸水溶液
中に10秒間浸漬し、デスマット処理をした後水洗した。
【0144】次いで、20重量%硫酸水溶液中で、温度35
℃、電流密度3A/dm2の条件で酸化皮膜量が2.0〜3.0
g/dm2となるように陽極酸化処理を行った。その後、8
0℃に保たれた0.1重量%の酢酸アンモニウム水溶液中に
30秒間浸漬し封孔処理を行い、80℃で5分間乾燥して支
持体1−1を得た。
【0145】このようにして得られた粗面化された支持
体について、ピット次数を調べたところ、二次ピット構
造であることが判明した。また、最大ピット(この粗面
では二次ピット)について、無作為に選定した場所で倍
率1000倍、測定面積60000μm2で高分解能走査型電子顕
微鏡観察を行い、測定面積に対するピット開口面積の比
(上部投影面積比)を調べたところ、0.83であった。
【0146】[支持体1−2の作成]支持体1−1の作
成において、電解粗面化処理を、電解液として1.5重量
%の塩酸を用い、交流電流により、温度40℃、電流密度
200A/dm2の条件で1秒間電解粗面化処理を行い、さら
に、電流密度80A/dm2、電気量800C/dm2の条件で行
った以外は支持体1−1と同様にして支持体1−2を得
た。
【0147】このようにして得られた粗面化された支持
体について、ピット次数を調べたところ、三次ピット構
造であることが判明した。また、最大ピット(この粗面
では三次ピット)について、見かけの面積に対するピッ
ト開口面積の比(上部投影面積比)を調べたところ、0.
76であった。
【0148】[支持体1−3の作成]支持体1−1の作
成において、電解粗面化において、電解粗面化処理を、
電解液として1.5重量%の塩酸を用い、交流電流によ
り、温度40℃、電流密度200A/dm2の条件で1秒間電解
粗面化処理を行い、さらに、電流密度80A/dm2、電気
量400C/dm2の条件で行った以外は支持体1−1と同様
にして支持体1−3を得た。
【0149】このようにして得られた粗面化された支持
体について、ピット次数を調べたところ、二次ピット構
造であることが判明した。また、最大ピット(この粗面
では二次ピット)について、見かけの面積に対するピッ
ト開口面積の比(上部投影面積比)を調べたところ、0.
52であった。
【0150】[支持体1−4の作成]支持体1−1の作
成において、電解粗面化において、電解粗面化処理を、
電解液として1.5重量%の硝酸水溶液を用い、交流電流
により、温度40℃、電流密度40A/dm2、電気量400C/
dm2の条件で行った以外は支持体1−1と同様にして支
持体1−4を得た。
【0151】このようにして得られた粗面化された支持
体について、ピット次数を調べたところ、一次ピット構
造であることが判明した。また、最大ピット(この粗面
では一次ピット)について、見かけの面積に対するピッ
ト開口面積の比(上部投影面積比)を調べたところ、0.
78であった。
【0152】[支持体1−5の作成]支持体1−1の作
成において、電解粗面化において、電解粗面化処理を、
電解液として1.5重量%の硝酸を用い、交流電流によ
り、温度40℃、電流密度20A/dm2、電気量200C/dm2
の条件で行った以外は支持体1−1と同様にして支持体
1−5を得た。
【0153】このようにして得られた粗面化された支持
体について、ピット次数を調べたところ、一次ピット構
造であることが判明した。また、最大ピット(この粗面
では一次ピット)について、見かけの面積に対するピッ
ト開口面積の比(上部投影面積比)を調べたところ、0.
66であった。
【0154】得られた支持体1−1〜1−5のピット次
数及び最大ピットの上部投影面積比を一覧として表1に
示した。
【0155】
【表1】
【0156】[感光性平版印刷版試料1−1〜1−5の
作成]支持体1−1〜1−5上に、下記組成のポジ型感
光性組成物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃
で2分間乾燥し、感光性平版印刷版試料1−1〜1−5
を作成した。ポジ型感光性組成物塗布液の塗布量は、乾
燥重量として2.0g/m2となるようにした。
【0157】 〈ポジ型感光性組成物塗布液〉 ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が10/ 54/36、重量平均分子量4000) 6.70g ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量3000)とo−ナフトキノンジアジド −5−スルホニルクロリドの縮合物(エステル化率30%) 1.50g ポリエチレングリコール♯2000 0.20g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.080g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−トリ アジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 0.20g メチルセロソルブ 100ミリリットル
【0158】[感光性平版印刷版試料1−6の作成]支
持体1−1上に、下記組成のネガ型感光性組成物塗布液
をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥し、
感光性平版印刷版試料1−6を作成した。ネガ型感光性
組成物塗布液の塗布量は、乾燥重量として2.0g/m2
なるようにした。
【0159】 〈ネガ型感光性組成物塗布液〉 共重合体(p−ヒドロキシフェニルメタクリアミド/アクリルニトリル/ エチルアクリレート/メタクリル酸=10/25/57/8 重量平均分子量60000) 5.0g ジアゾ樹脂 0.5g ジュリマーAC−10L(日本純薬(株)製) 0.05g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製) 0.1g メチルセロソルブ 100ミリリットル
【0160】得られた感光性平版印刷版試料1−1〜1
−6に、光源として4kWメタルハライドランプを使用
し、8mW/cm2で60秒間照射することにより画像露光し
た。この露光済みの感光性平版印刷版試料1−1〜1−
6を、市販されている現像液〔SDR−1(コニカ
(株)製)を6倍に希釈〕を用い、現像時間20秒、現像
温度27℃で現像した。
【0161】このようにして得られた平版印刷版につい
て、下記の評価方法により、汚れ難さ及び耐刷性を評価
した。
【0162】[評価方法] 〈汚れ難さの評価〉得られた平版印刷版を、バーニング
装置を用いて250℃、60秒間の加熱を行った。室温に冷
却した後、十分に水洗し、ガム引きを行った。得られた
ガム引き平版印刷版を用い、同様の条件で印刷し、汚れ
難さの程度を目視により観察し、下記の評価基準で汚れ
難さを評価した。 (評価基準) ◎:汚れが生じなかった ○:わずかに汚れた △:部分的に汚れた ×:全体がひどく汚れた
【0163】〈耐刷性の評価〉上記汚れ難さの評価で用
いたガム引き平版印刷版を用い、同様の条件で印刷し、
印刷物の画線部にインキ着肉不良が現れるかまたは非画
線部にインキが着肉するまで印刷を行い、その時の印刷
枚数をもって耐刷性を評価した。
【0164】得られた評価結果を表2に示す。
【0165】
【表2】
【0166】実施例2 [支持体2−1の作成]厚さ0.3mmのアルミニウム板
(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85℃に保たれ
た10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、1分間
脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理をしたアル
ミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸水溶液中に
1分間浸漬し、デスマット処理した後水洗した。
【0167】次いで、このアルミニウム板に、平均粒径
10μmのAl23粒子を水に容積比で10倍になるように
混合し、撹拌機にて均一に分散させた分散液を、60個
の、直径2mmの口径を有するノズルより圧力6kg/cm2
で射出し、アルミニウム板表面に対して100mmの距離か
ら30度の角度で衝突させた。
【0168】その後、70℃に保たれた10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液中で10秒間浸漬し、次いで、25℃に保た
れた10重量%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、デスマット
処理した後水洗した。
【0169】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して2.0重量%の塩酸水溶液を用い、交流電流により、
温度30℃、電流密度200A/dm2の条件で1秒間電解粗面
化処理を行い、さらに、電流密度25A/dm2、電気量300
C/dm2の条件で電解粗面化処理を行った。その後、70
℃に保たれた10重量%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒
間浸漬し、次いで、25℃に保たれた10重量%硫酸水溶液
中に10秒間浸漬し、デスマット処理した後水洗した。
【0170】次いで、20重量%硫酸水溶液中で、温度35
℃、電流密度3A/dm2の条件で酸化皮膜量が2.0〜3.0
g/dm2となるように陽極酸化処理を行った。その後、8
0℃に保たれた0.1重量%の酢酸アンモニウム水溶液中に
30秒間浸漬し封孔処理を行い、80℃で5分間乾燥して支
持体2−1を得た。
【0171】このようにして得られた粗面化された支持
体について、1,000〜50,000倍の倍率が得られる高解能
走査型電子顕微鏡を用い、無作為に選定した場所でピッ
ト構造を観察した。100点のピットの直径換算径の平均
値(ピット平均径)を求めたところ、0.84μmであっ
た。
【0172】また、10,000倍〜50,000倍の観察像から最
小単位のピット(一次ピット)を確認し、続いて、最小
単位のピットをその壁面に有する二次ピットの確認を行
う。10,000〜50,000倍では確認できない時は、観察倍率
を下げて二次ピットを確認する。一次ピットを倍率1000
0倍で200点以上観察し、一次ピットの総数に対する、二
次ピットの壁面に含まれずに単独で存在する一次ピット
の比率(一次ピットの単独比)を求めた。一次ピットの
総数に対する、二次ピットの壁面に含まれずに単独で存
在する一次ピットの数は、88%であった。
【0173】また、一次ピットについて、見かけの面積
に対する一次ピットの開口面積の比(上部投影面積比)
を求めたところ0.78であった。
【0174】次に、粗面化された支持体を切断し、切断
面を倍率15000倍で観察し、50点の一次ピットの断面写
真を得た。これらのピットについて、「ピット径」と
「径に垂直な方向の最大深さ」を測定し、X軸データに
「ピット径」を、Y軸データに「径に垂直な方向の最大
深さ」をとって、その一次回帰分析を行い、一次回帰分
析による直線の勾配(ピット径とピット深さの傾き)を
求めたところ、0.52であった。
【0175】[支持体2−2の作成]支持体2−1の作
成において、電解粗面化処理を、電解液として2.0重量
%の塩酸水溶液を用い、交流電流により、温度30℃、電
流密度200A/dm2の条件で1秒間電解粗面化処理を行
い、さらに、電流密度10A/dm2、電気量300C/dm2
条件で行った以外は支持体2−1と同様にして支持体2
−2を得た。
【0176】このようにして得られた粗面化された支持
体について、先と同様にして、ピット平均径、一次ピッ
トの単独比、上部投影面積比、ピット径とピット深さの
傾きを求めたところ、ピット平均径は、0.88μm、一次
ピットの単独比は83%、上部投影面積比は0.73、ピット
径とピット深さの傾きは0.28であった。
【0177】[支持体2−3の作成]支持体2−1の作
成において、電解粗面化処理を、電解液として2.0重量
%の塩酸水溶液を用い、交流電流により、温度30℃、電
流密度200A/dm2の条件で1秒間電解粗面化処理を行
い、さらに、電流密度3A/dm2、電気量200C/dm2
条件で行った以外は支持体2−1と同様にして支持体2
−3を得た。
【0178】このようにして得られた粗面化された支持
体について、先と同様にして、ピット平均径、一次ピッ
トの単独比、上部投影面積比、ピット径とピット深さの
傾きを求めたところ、ピット平均径は、0.63μm、一次
ピットの単独比は91%、上部投影面積比は0.48、ピット
径とピット深さの傾きは0.17であった。
【0179】[支持体2−4の作成]支持体2−1の作
成において、電解粗面化処理を、電解液として2.0重量
%の硝酸水溶液を用い、交流電流により、温度30℃、電
流密度20A/dm2、電気量500C/dm2の条件で行った以
外は支持体2−1と同様にして支持体2−4を得た。
【0180】このようにして得られた粗面化された支持
体について、先と同様にして、ピット平均径、一次ピッ
トの単独比、上部投影面積比、ピット径とピット深さの
傾きを求めたところ、ピット平均径は、1.30μm、一次
ピットの単独比は96%、上部投影面積比は0.64、ピット
径とピット深さの傾きは0.24であった。
【0181】[支持体2−5の作成]支持体2−1の作
成において、電解粗面化処理を、電解液として2.0重量
%の硝酸水溶液を用い、交流電流により、温度30℃、電
流密度50A/dm2、電気量400C/dm2の条件で行った以
外は支持体2−1と同様にして支持体2−5を得た。
【0182】このようにして得られた粗面化された支持
体について、先と同様にして、ピット平均径、一次ピッ
トの単独比、上部投影面積比、ピット径とピット深さの
傾きを求めたところ、ピット平均径は、1.70μm、一次
ピットの単独比は85%、上部投影面積比は0.67、ピット
径とピット深さの傾きは0.35であった。
【0183】[支持体2−6の作成]支持体2−1の作
成において、電解粗面化処理を、電解液として2.0重量
%の硝酸水溶液を用い、交流電流により、温度30℃、電
流密度50A/dm2、電気量300C/dm2の条件で行った以
外は支持体2−1と同様にして支持体2−6を得た。
【0184】このようにして得られた粗面化された支持
体について、先と同様にして、ピット平均径、一次ピッ
トの単独比、上部投影面積比、ピット径とピット深さの
傾きを求めたところ、ピット平均径は、1.60μm、一次
ピットの単独比は72%、上部投影面積比は0.42、ピット
径とピット深さの傾きは0.31であった。
【0185】[支持体2−7の作成]支持体1の作成に
おいて、電解粗面化処理を、電解液として2.0重量%の
硝酸水溶液を用い、交流電流により、温度30℃、電流密
度100A/dm2、電気量400C/dm2の条件で行った以外は
支持体2−1と同様にして支持体2−7を得た。
【0186】このようにして得られた粗面化された支持
体について、先と同様にして、ピット平均径、一次ピッ
トの単独比、上部投影面積比、ピット径とピット深さの
傾きを求めたところ、ピット平均径は、2.30μm、一次
ピットの単独比は48%、上部投影面積比は0.37、ピット
径とピット深さの傾きは0.11であった。
【0187】得られた支持体2−1〜2−7のピット平
均径、一次ピットの単独比、上部投影面積比、ピット径
とピット深さの傾きを一覧として表3に示した。
【0188】
【表3】
【0189】[感光性平版印刷版試料2−1〜2−7の
作成]支持体2−1〜2−7上に、下記組成のポジ型感
光性組成物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃
で2分間乾燥し、感光性平版印刷版試料2−1〜2−7
を作成した。ポジ型感光性組成物塗布液の塗布量は、乾
燥重量として2.0g/m2となるようにした。
【0190】 〈ポジ型感光性組成物塗布液〉 ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が10/ 54/36、重量平均分子量4000) 6.70g ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量3000)とo−ナフトキノンジアジド −5−スルホニルクロリドの縮合物(エステル化率30%) 1.50g ポリエチレングリコール♯2000 0.20g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.080g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−トリ アジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 0.20g メチルセロソルブ 100ミリリットル
【0191】[感光性平版印刷版試料2−8の作成]支
持体2−1上に、下記組成のネガ型感光性組成物塗布液
をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥し、
感光性平版印刷版試料2−8を作成した。ネガ型感光性
組成物塗布液の塗布量は、乾燥重量として2.0g/m2
なるようにした。
【0192】 〈ネガ型感光性組成物塗布液〉 共重合体(p−ヒドロキシフェニルメタクリアミド/アクリルニトリル/ エチルアクリレート/メタクリル酸=10/25/57/8 重量平均分子量60000 5.0g ジアゾ樹脂 0.5g ジュリマーAC−10L(日本純薬(株)製) 0.05g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製) 0.1g メチルセロソルブ 100ミリリットル
【0193】得られた感光性平版印刷版2−1〜2−8
について、実施例1と同様にして汚れ難さを評価し、ま
た、下記の評価方法により、小点再現性及びK値を評価
した。 〈小点再現性の評価〉下記条件で露光及び現像を行い、
版上におけるFOGRA細線の再現性(A)を求め、ま
た、50%網点の原稿を用いた網点面積率再現性(B)を
マクベス反射濃度計RD−918により測定した。
【0194】露光量:コダックステップタブレット、ク
リア4段相当 露光機:4kwメタルハライドランプ、距離60cm 現像:コニカ社製自動現像機PSU−820、コニカ社製
現像液SD−32
【0195】〈K値の評価〉上記条件で露光及び現像を
行って得られた平版印刷版を、印刷機(三菱重工業
(株)製DAIYA1F−1)にかけ、コート紙、湿し
水(東京インキ(株)製エッチ液SG−51 濃度1.5
%)、インキ(東洋インキ製造(株)製ハイプラスM
紅)を使用し、画線部の濃度が1.6になるようにして印
刷を行った。得られた印刷物上のスクリーン線数150lin
e/inchの80%網点の濃度を測定し、以下の式によりK
値を算出した。なお、濃度の測定はマクベス濃度計で行
った。
【0196】 K値=(画像部濃度−80%網点濃度)/画像部濃度 K値は大きいほど高濃度網点部の再現性がよい。
【0197】得られた評価結果を表4に示す。
【0198】
【表4】
【0199】実施例3 [支持体3−1の作成]厚さ0.3mmのアルミニウム板
(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85℃に保たれ
た6重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、12秒間
脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理をしたアル
ミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸水溶液中に
5秒間浸漬し、デスマット処理した 後水洗した。
【0200】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して2重量%の硝酸水溶液中を用い、60Hzの正弦波交流
電流により、温度25℃、電流密度30A/dm2、電気800C
/dm2の条件で電解粗面化処理を行った後、60℃に保た
れた30重量%硫酸水溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面
化処理で生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマ
ット成分の除去を行った。
【0201】このようにして得られた粗面化されたアル
ミニウム板を切断し、無作為に選定した切断面20ヶ所を
撮影した10000倍高分解能走査型電子顕微鏡写真により5
0ヶ所のピットを無作為に選定して観察した結果、ピッ
ト開口部の平均直径は1.7μm、ピット径に垂直な方向の
平均深さは0.95μmであった。また、0.5μm以上のピッ
トにはさまれて形成された鋭利部分(ピットエッジ)も
観察された。
【0202】このアルミニウム板を、40℃に保たれた6
重量%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間アルカリエッ
チングを行った。次いで、20重量%硫酸水溶液中で、温
度35℃、電流密度3A/dm2の条件で1分間陽極酸化処
理を行った。その後、80℃に保たれた0.1重量%の酢酸
アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し封孔処理を行い、
80℃で5分間乾燥して支持体3−1を得た。
【0203】このようにして得られた粗面化された支持
体を切断し、無作為に選定した切断面40ヶ所を撮影した
10000倍高分解能走査型電子顕微鏡写真により、0.5μm
以上のピットに挟まれている部分を無作為に50ヶ所選定
して観察した結果、85%の部分が、下記式1に、前記粗
面化されたアルミニウム板の凹状ピットのピット開口部
の平均直径1.7μm及びピット径に垂直な方向の平均深さ
0.95μmを代入して算出された曲率半径の範囲(0.012〜
0.173μm)に入る曲率半径を有するものであった。
【0204】
【数8】 また、支持体の表面粗さは、Raが0.71μm、Rzが4.0
2μmであり、面積Aは、104.1μm2であった。
【0205】なお、支持体粗面の表面粗さRa及びRz
は、JIS B0601により求めたものである。
【0206】[支持体3−2の作成]厚さ0.3mmのアル
ミニウム板(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85
℃に保たれた6重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬
し、12秒間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理
をしたアルミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸
水溶液中に5秒間浸漬し、デスマット処理した 後水洗
した。
【0207】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して1重量%の塩酸水溶液中を用い、60Hzの正弦波交流
電流により、温度25℃、電流密度50A/dm2、電気800C
/dm2の条件で電解粗面化処理を行った後、60℃に保た
れた30重量%硫酸水溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面
化処理で生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマ
ット成分の除去を行った。
【0208】このようにして得られた粗面化されたアル
ミニウム板について、[支持体3−1の作成]において
記載したと同様にして、ピット開口部の平均直径及びピ
ット径に垂直な方向の平均深さを求めたところ、ピット
開口部の平均直径は6.4μm、ピット径に垂直な方向の平
均深さは1.60μmであった。また、0.5μm以上のピット
にはさまれて形成された鋭利部分(ピットエッジ)も観
察された。
【0209】このアルミニウム板を、40℃に保たれた6
重量%水酸化ナトリウム水溶液中で7秒間アルカリエッ
チングを行った。次いで、20重量%硫酸水溶液中で、温
度35℃、電流密度3A/dm2の条件で1分間陽極酸化処
理を行った。その後、80℃に保たれた0.1重量%の酢酸
アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し封孔処理を行い、
80℃で5分間乾燥して支持体3−2を得た。
【0210】このようにして得られた粗面化された支持
体について、[支持体3−1の作成]において記載した
と同様にして、0.5μm以上のピットに挟まれている部分
を無作為に50ヶ所選定して観察した結果、95%の部分
が、前記式1に、前記粗面化されたアルミニウム板の凹
状ピットのピット開口部の平均直径6.4μm及びピット径
に垂直な方向の平均深さ1.60μmを代入して算出された
曲率半径の範囲(0.001〜0.253μm)に入る曲率半径を
有するものであった。
【0211】また、支持体の表面粗さは、Raが0.81μ
m、Rzが4.79μmであり、面積Aは、145.3μm2であっ
た。
【0212】[支持体3−3の作成]厚さ0.3mmのアル
ミニウム板(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85
℃に保たれた6重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬
し、12秒間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理
をしたアルミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸
水溶液中に5秒間浸漬し、デスマット処理した 後水洗
した。
【0213】次いで、このアルミニウム板に、研磨剤
(アルミナ#800)を水に20重量%の濃度で分散させた
分散液を20リットル/minの供給速度で供給しながら、
ブラシ回転速度240rpm、搬送速度2.0m/minでブラシ研
磨し、機械的粗面化を行った。
【0214】その後、70℃に保たれた10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液中に10秒間浸漬し、次いで、25℃に保た
れた10重量%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、デスマット
処理した後水洗した。
【0215】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して2重量%の硝酸水溶液中を用い、60Hzの正弦波交流
電流により、温度25℃、電流密度30A/dm2、電気200C
/dm2の条件で電解粗面化処理を行った後、60℃に保た
れた30重量%硫酸水溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面
化処理で生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマ
ット成分の除去を行った。
【0216】このようにして得られた粗面化されたアル
ミニウム板について、[支持体3−1の作成]において
記載したと同様にして、ピット開口部の平均直径及びピ
ット径に垂直な方向の平均深さを求めたところ、ピット
開口部の平均直径は1.2μm、ピット径に垂直な方向の平
均深さは0.57μmであった。また、0.5μm以上のピット
にはさまれて形成された鋭利部分(ピットエッジ)も観
察された。
【0217】このアルミニウム板を、40℃に保たれた6
重量%水酸化ナトリウム水溶液中で7秒間アルカリエッ
チングを行った。次いで、20重量%硫酸水溶液中で、温
度35℃、電流密度3A/dm2の条件で1分間陽極酸化処
理を行った。その後、80℃に保たれた0.1重量%の酢酸
アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し封孔処理を行い、
80℃で5分間乾燥して支持体3−3を得た。
【0218】このようにして得られた粗面化された支持
体について、[支持体3−1の作成]において記載した
と同様にして、0.5μm以上のピットに挟まれている部分
を無作為に50ヶ所選定して観察した結果、76%の部分
が、前記式1に、前記粗面化されたアルミニウム板の凹
状ピットのピット開口部の平均直径1.2μm及びピット径
に垂直な方向の平均深さ0.57μmを代入して算出された
曲率半径の範囲(0.010〜0.074μm)に入る曲率半径を
有するものであった。
【0219】また、支持体の表面粗さは、Raが0.66μ
m、Rzが3.91μmであり、面積Aは、114.2μm2であっ
た。
【0220】[支持体3−4の作成]厚さ0.3mmのアル
ミニウム板(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85
℃に保たれた6重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬
し、12秒間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理
をしたアルミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸
水溶液中に5秒間浸漬し、デスマット処理した 後水洗
した。
【0221】次いで、このアルミニウム板に、研磨剤
(アルミナ#800)を水に20重量%の濃度で分散させた
分散液を20リットル/minの供給速度で供給しながら、
ブラシ回転速度240rpm、搬送速度2.0m/minでブラシ研
磨し、機械的粗面化を行った。
【0222】その後、70℃に保たれた10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液中に10秒間浸漬し、次いで、25℃に保た
れた10重量%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、デスマット
処理した後水洗した。
【0223】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して1重量%の塩酸水溶液中を用い、60Hzの正弦波交流
電流により、温度25℃、電流密度50A/dm2、電気300C
/dm2の条件で電解粗面化処理を行った後、60℃に保た
れた30重量%硫酸水溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面
化処理で生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマ
ット成分の除去を行った。
【0224】このようにして得られた粗面化されたアル
ミニウム板について、[支持体3−1の作成]において
記載したと同様にして、ピット開口部の平均直径及びピ
ット径に垂直な方向の平均深さを求めたところ、ピット
開口部の平均直径は3.3μm、ピット径に垂直な方向の平
均深さは0.91μmであった。また、0.5μm以上のピット
にはさまれて形成された鋭利部分(ピットエッジ)も観
察された。
【0225】このアルミニウム板を、40℃に保たれた6
重量%水酸化ナトリウム水溶液中で5秒間アルカリエッ
チングを行った。次いで、20重量%硫酸水溶液中で、温
度35℃、電流密度3A/dm2の条件で1分間陽極酸化処
理を行った。その後、80℃に保たれた0.1重量%の酢酸
アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し封孔処理を行い、
80℃で5分間乾燥して支持体3−4を得た。
【0226】このようにして得られた粗面化された支持
体について、[支持体3−1の作成]において記載した
と同様にして、0.5μm以上のピットに挟まれている部分
を無作為に50ヶ所選定して観察した結果、92%の部分
が、前記式1に、前記粗面化されたアルミニウム板の凹
状ピットのピット開口部の平均直径3.3μm及びピット径
に垂直な方向の平均深さ0.91μmを代入して算出された
曲率半径の範囲(0.002〜0.114μm)に入る曲率半径を
有するものであった。
【0227】また、支持体の表面粗さは、Raが0.62μ
m、Rzが3.76μmであり、面積Aは、124.3μm2であっ
た。
【0228】[支持体3−5の作成]厚さ0.3mmのアル
ミニウム板(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85
℃に保たれた6重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬
し、12秒間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理
をしたアルミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸
水溶液中に5秒間浸漬し、デスマット処理した 後水洗
した。
【0229】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して2重量%の硝酸水溶液中を用い、60Hzの正弦波交流
電流により、温度25℃、電流密度30A/dm2、電気800C
/dm2の条件で電解粗面化処理を行った後、60℃に保た
れた30重量%硫酸水溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面
化処理で生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマ
ット成分の除去を行った。
【0230】このようにして得られた粗面化されたアル
ミニウム板について、[支持体3−1の作成]において
記載したと同様にして、ピット開口部の平均直径及びピ
ット径に垂直な方向の平均深さを求めたところ、ピット
開口部の平均直径は1.7μm、ピット径に垂直な方向の平
均深さは0.95μmであった。また、0.5μm以上のピット
にはさまれて形成された鋭利部分(ピットエッジ)も観
察された。
【0231】このアルミニウム板を、25℃に保たれた6
重量%水酸化ナトリウム水溶液中で5秒間アルカリエッ
チングを行った。次いで、20重量%硫酸水溶液中で、温
度35℃、電流密度3A/dm2の条件で1分間陽極酸化処
理を行った。その後、80℃に保たれた0.1重量%の酢酸
アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し封孔処理を行い、
80℃で5分間乾燥して支持体3−5を得た。
【0232】このようにして得られた粗面化された支持
体について、[支持体3−1の作成]において記載した
と同様にして、0.5μm以上のピットに挟まれている部分
を無作為に50ヶ所選定して観察した結果、9%の部分
が、前記式1に、前記粗面化されたアルミニウム板の凹
状ピットのピット開口部の平均直径1.7μm及びピット径
に垂直な方向の平均深さ0.95μmを代入して算出された
曲率半径の範囲(0.012〜0.173μm)に入る曲率半径を
有するものであった。
【0233】また、支持体の表面粗さは、Raが0.65μ
m、Rzが3.38μmであり、面積Aは、128.4μm2であっ
た。
【0234】[支持体3−6の作成]厚さ0.3mmのアル
ミニウム板(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85
℃に保たれた6重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬
し、12秒間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理
をしたアルミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸
水溶液中に5秒間浸漬し、デスマット処理した 後水洗
した。
【0235】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して1重量%の塩酸水溶液中を用い、60Hzの正弦波交流
電流により、温度25℃、電流密度50A/dm2、電気400C
/dm2の条件で電解粗面化処理を行った後、60℃に保た
れた30重量%硫酸水溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面
化処理で生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマ
ット成分の除去を行った。
【0236】このようにして得られた粗面化されたアル
ミニウム板について、[支持体3−1の作成]において
記載したと同様にして、ピット開口部の平均直径及びピ
ット径に垂直な方向の平均深さを求めたところ、ピット
開口部の平均直径は5.3μm、ピット径に垂直な方向の平
均深さは1.30μmであった。また、0.5μm以上のピット
にはさまれて形成された鋭利部分(ピットエッジ)も観
察された。
【0237】このアルミニウム板を、40℃に保たれた6
重量%水酸化ナトリウム水溶液中で7秒間アルカリエッ
チングを行った。次いで、20重量%硫酸水溶液中で、温
度35℃、電流密度3A/dm2の条件で1分間陽極酸化処
理を行った。その後、80℃に保たれた0.1重量%の酢酸
アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し封孔処理を行い、
80℃で5分間乾燥して支持体3−6を得た。
【0238】このようにして得られた粗面化された支持
体について、[支持体3−1の作成]において記載した
と同様にして、0.5μm以上のピットに挟まれている部分
を無作為に50ヶ所選定して観察した結果、97%の部分
が、前記式1に、前記粗面化されたアルミニウム板の凹
状ピットのピット開口部の平均直径5.3μm及びピット径
に垂直な方向の平均深さ1.30μmを代入して算出された
曲率半径の範囲(0.001〜0.184μm)に入る曲率半径を
有するものであった。
【0239】また、支持体の表面粗さは、Raが0.65μ
m、Rzが3.95μmであり、面積Aは、300.3μm2であっ
た。
【0240】[支持体3−7の作成]厚さ0.3mmのアル
ミニウム板(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85
℃に保たれた6重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬
し、12秒間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理
をしたアルミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸
水溶液中に5秒間浸漬し、デスマット処理した 後水洗
した。
【0241】次いで、このアルミニウム板に、研磨剤
(アルミナ#800)を水に20重量%の濃度で分散させた
分散液を20リットル/minの供給速度で供給しながら、
ブラシ回転速度240rpm、搬送速度2.0m/minでブラシ研
磨し、機械的粗面化を行った。
【0242】その後、70℃に保たれた10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液中に10秒間浸漬し、次いで、25℃に保た
れた10重量%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、デスマット
処理した後水洗した。
【0243】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して2重量%の硝酸水溶液中を用い、60Hzの正弦波交流
電流により、温度25℃、電流密度30A/dm2、電気200C
/dm2の条件で電解粗面化処理を行った後、60℃に保た
れた30重量%硫酸水溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面
化処理で生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマ
ット成分の除去を行った。
【0244】このようにして得られた粗面化されたアル
ミニウム板について、[支持体3−1の作成]において
記載したと同様にして、ピット開口部の平均直径及びピ
ット径に垂直な方向の平均深さを求めたところ、ピット
開口部の平均直径は1.2μm、ピット径に垂直な方向
の平均深さは0.57μmであった。また、0.5μm以上のピ
ットにはさまれて形成された鋭利部分(ピットエッジ)
も観察された。
【0245】このアルミニウム板を、85℃に保たれた6
重量%水酸化ナトリウム水溶液中で30秒間アルカリエッ
チングを行った。次いで、20重量%硫酸水溶液中で、温
度35℃、電流密度3A/dm2の条件で1分間陽極酸化処
理を行った。その後、80℃に保たれた0.1重量%の酢酸
アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し封孔処理を行い、
80℃で5分間乾燥して支持体3−7を得た。
【0246】このようにして得られた粗面化された支持
体について、[支持体3−1の作成]において記載した
と同様にして、0.5μm以上のピットに挟まれている部分
を無作為に50ヶ所選定して観察した結果、60%の部分
が、前記式1に、前記粗面化されたアルミニウム板の凹
状ピットのピット開口部の平均直径1.2μm及びピット径
に垂直な方向の平均深さ0.57μmを代入して算出された
曲率半径の範囲(0.010〜0.074μm)に入る曲率半径を
有するものであった。
【0247】また、支持体の表面粗さは、Raが0.78μ
m、Rzが4.25μmであり、面積Aは、159.6μm2であっ
た。
【0248】[支持体3−8の作成]厚さ0.3mmのアル
ミニウム板(材質JIS規格A1050、調質H16)を、85
℃に保たれた6重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬
し、12秒間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂処理
をしたアルミニウム板を、25℃に保たれた10重量%硫酸
水溶液中に5秒間浸漬し、デスマット処理した 後水洗
した。
【0249】次いで、このアルミニウム板に、研磨剤
(アルミナ#800)を水に20重量%の濃度で分散させた
分散液を20リットル/minの供給速度で供給しながら、
ブラシ回転速度240rpm、搬送速度2.0m/minでブラシ研
磨し、機械的粗面化を行った。
【0250】その後、70℃に保たれた10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液中に10秒間浸漬し、次いで、25℃に保た
れた10重量%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、デスマット
処理した後水洗した。
【0251】次いで、このアルミニウム板を、電解液と
して1重量%の塩酸水溶液中を用い、60Hzの正弦波交流
電流により、温度25℃、電流密度50A/dm2、電気300C
/dm2の条件で電解粗面化処理を行った後、60℃に保た
れた30重量%硫酸水溶液中に30秒間浸漬して、電解粗面
化処理で生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマ
ット成分の除去を行った。
【0252】このようにして得られた粗面化されたアル
ミニウム板について、[支持体3−1の作成]において
記載したと同様にして、ピット開口部の平均直径及びピ
ット径に垂直な方向の平均深さを求めたところ、ピット
開口部の平均直径は3.3μm、ピット径に垂直な方向の平
均深さは0.91μmであった。また、0.5μm以上のピット
にはさまれて形成された鋭利部分(ピットエッジ)も観
察された。
【0253】このアルミニウム板を、20重量%硫酸水溶
液中で、温度35℃、電流密度3A/dm2の条件で1分間
陽極酸化処理を行った。その後、80℃に保たれた0.1重
量%の酢酸アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し封孔処
理を行い、80℃で5分間乾燥して支持体3−8を得た。
【0254】このようにして得られた粗面化された支持
体について、[支持体3−1の作成]において記載した
と同様にして、0.5μm以上のピットに挟まれている部分
を無作為に50ヶ所選定して観察したところ、前記式1
に、前記粗面化されたアルミニウム板の凹状ピットのピ
ット開口部の平均直径3.3μm及びピット径に垂直な方向
の平均深さ0.91μmを代入して算出された曲率半径の範
囲(0.002〜0.114μm)に入る曲率半径を有する鋭利部
分(ピットエッジ)はなかった。
【0255】また、支持体の表面粗さは、Raが0.65μ
m、Rzが3.82μmであり、面積Aは、104.2μm2であっ
た。
【0256】表5に、支持体3−1〜3−8の主な作成
条件、及び、電解粗面化処理後のピット開口部の平均直
径、ピット径に垂直な方向の平均深さ、0.5μm以上のピ
ットにはさまれて形成された鋭利部分(ピットエッジ)
の有無、曲率半径の範囲、アルカリエッチング後の上記
曲率半径の範囲に含まれる曲率半径を有する鋭利部分
(ピットエッジ)の割合、Ra、Rz、面積Aを示し
た。
【0257】
【表5】
【0258】[感光性平版印刷版試料3−1〜3−8の
作成]支持体3−1〜3−8上に、下記組成のポジ型感
光性組成物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃
で2分間乾燥し、感光性平版印刷版試料3−1〜3−8
を作成した。ポジ型感光性組成物塗布液の塗布量は、乾
燥重量として2.0g/m2となるようにした。
【0259】 〈ポジ型感光性組成物塗布液〉 (感光液) ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が10/ 54/36、重量平均分子量4000) 6.70g ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量3000)とo−ナフトキノンジアジド −5−スルホニルクロリドの縮合物(エステル化率30%) 1.50g ポリエチレングリコール♯2000 0.20g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.080g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−s−トリ アジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 0.20g メチルセロソルブ 100ミリリットル
【0260】得られた感光性平版印刷版試料3−1〜3
−8にについて、下記の評価方法により、耐刷性、全面
汚し回復性、ブランケット汚れ及び現像性を評価した。
【0261】[評価方法] 〈耐刷性の評価〉光源として4kWメタルハライドランプ
を使用し、8mW/cm2で60秒間照射することにより画像
露光した。この露光済みの感光性平版印刷版を、市販さ
れている現像液〔SDR−1(コニカ(株)製)を6倍
に希釈〕を用い、現像時間20秒、現像温度27℃で現像し
た。
【0262】得られた平版印刷版を、印刷機(三菱重工
業(株)製DAIYAlF−1)にかけ、コート紙、湿
し水(東京インキ(株)製エッチ液SG−51 濃度1.
5%)、インキ(東洋インキ製造(株)製ハイプラスM
紅)を使用して印刷を行い、印刷物の画像部にインキ着
肉不良が現れるか非画像部にインキが付着するまで印刷
を行いその時の印刷枚数を数え、この枚数をもって耐刷
性を評価した。 〈全面汚し回復性の評価〉上記耐刷性の評価におけると
同様にして得た平版印刷版を用い、同様の印刷条件で、
平版印刷版全面にインキをつけて汚した後印刷を開始
し、きれいで完全な画像が得られたときの枚数を数え、
この枚数をもって全面汚し回復性を評価した。
【0263】〈ブランケットの汚れの評価〉記耐刷性の
評価におけると同様にして得た平版印刷版を用い、同様
の印刷条件印刷をし、10,000枚刷った時点で印刷機を停
止し、ブランケット上の非画線部のインキによる汚れの
程度を目視で観察し、下記の評価基準でブランケットの
汚れを評価した。
【0264】○…ほとんど汚れていない。
【0265】×…著しく汚れている。
【0266】〈現像性の評価〉光源として4kWメタルハ
ライドランプを使用し、8mW/cm2で60秒間照射するこ
とにより画像露光した。この露光済みの感光性平版印刷
版を、市販されている現像液〔SDR−1(コニカ
(株)製)を12倍に希釈〕を用い、現像時間20秒、現像
温度27℃で現像した。
【0267】得られた平版印刷版を用い、上記耐刷性の
評価におけると同様の印刷条件で、平版印刷版全面にイ
ンキをつけて汚した後印刷を開始し、きれいで完全な画
像が得られる枚数を数え、この枚数をもってを評価し
た。
【0268】得られた評価結果を表6に示す。
【0269】
【表6】
【0270】
【発明の効果】粗面の凹状ピットのピット構造が、二次
以上のピット構造を有しており、かつ、粗面の凹状ピッ
ト全体の上部投影面積に占める最大次数のピットの上部
投影面積が0.7以上である本発明の支持体は、耐刷性が
優れ、かつ、汚れにくい感光性平板印刷版を得ることが
でき、粗面の凹状ピットの開口部の平均直径が1.0μm以
下である凹状ピットを有する本発明の支持体、粗面の凹
状ピットに占める単独で存在する一次ピットの比率が80
%以上である本発明の支持体、凹状ピット全体の上部投
影面積に占める一次ピットの上部投影面積が0.5以上で
ある本発明の支持体及び粗面の凹状ピットおける一次ピ
ットが、一次ピットの「ピット径」と「径に垂直な方向
の最大深さ」の一次回帰分析による直線の勾配が0.3以
上である本発明の支持体は、小点再現性、K値に優れ、
かつ、汚れにくい感光性平板印刷版を得ることができ、
粗面の表面粗さが、Raで0.6μm以上0.9μm以下、Rz
で3.5μm以上6.0μm以下であり、かつ、電気化学的粗面
化により形成される開口径が0.5μm以上のピットに挟ま
れて形成されるピットエッジをアルカリエッチングによ
り溶解し、鋭利部分の形状の70%以上が、式Aで算出さ
れる曲率半径の範囲に入る曲率半径を有する本発明の陽
極酸化処理された支持体は、非画像部の現像性が良好
で、印刷時に非画像部の汚れ及びブランケットの汚れが
生じ難く、かつ、耐刷力が優れた感光性平板印刷版を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピット構造の次数を説明するための説明図であ
る。
【図2】アルカリエッチングによりピットの形状の変化
を説明するための説明図である。
【図3】凹状ピットの開口部の平均直径を求めるために
用いる凹状ピットの開口部の直径を説明するための説明
図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム支持体 2 一次ピット 3 二次ピット 11 鋭利部分 12 球面13を有する先端部分 c 凹状ピットの開口部の最大の長さ d 凹状ピットの開口部の幅の最大の長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/00 503 G03F 7/00 503 (72)発明者 小島 紀美 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 石井 信行 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 杉 泰久 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化及び陽極酸化処理を施されたアル
    ミニウム支持体において、粗面の凹状ピットのピット構
    造が、二次以上のピット構造を有しており、かつ、見か
    けの面積に対する最大次数のピットの上部投影面積比が
    0.7以上あることを特徴とする平版印刷版用アルミニウ
    ム支持体。
  2. 【請求項2】 粗面化及び陽極酸化処理を施されたアル
    ミニウム支持体において、粗面が凹状ピットを有してお
    り、かつ、凹状ピットのピット開口部の平均直径が1.0
    μm以下であることを特徴とする平版印刷版用アルミニ
    ウム支持体。
  3. 【請求項3】 粗面化及び陽極酸化処理を施されたアル
    ミニウム支持体において、粗面が凹状ピットを有してお
    り、かつ、一次ピットの「ピット径」と「径に垂直な方
    向の最大深さ」の一次回帰分析による直線の勾配が0.3
    以上であることを特徴とする請求項2記載の平版印刷版
    用アルミニウム支持体。
  4. 【請求項4】 粗面化及び陽極酸化処理を施されたアル
    ミニウム支持体において、粗面が凹状ピットを有してお
    り、一次ピット全体に対する、二次以上のピットに含ま
    れずに単独で存在する一次ピットの比率が80%以上であ
    ることを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体。
  5. 【請求項5】 粗面化及び陽極酸化処理を施されたアル
    ミニウム支持体において、粗面が凹状ピットを有してお
    り、見かけの面積に対する、二次以上のピットに含まれ
    ずに単独で存在する一次ピットの上部投影面積比が0.5
    以上あることを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支
    持体。
  6. 【請求項6】 粗面化及び陽極酸化処理を施されたアル
    ミニウム支持体において、電気化学的粗面化により形成
    される凹状ピットの中で、開口径が0.5μm以上のピット
    によって挟まれて形成された部分を断面より観察した場
    合確認できる鋭利部分がアルカリエッチングにより溶解
    されており、アルカリエッチング後、開口径0.5μm以上
    の凹状ピットに挟まれた部分を観察し、その70%以上
    が、電気化学的粗面化により形成される凹状ピットのピ
    ット径に垂直な方向の平均深さ及びピット開口部の平均
    直径から下記の式1で算出される曲率半径を有するもの
    であることを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
    体。 【数1】
  7. 【請求項7】 粗面化及び陽極酸化処理を施されたアル
    ミニウム支持体において、支持体表面の測定長0.5mmの
    2次元の表面粗さ曲線の3番目に高い山の頂点から1μm
    下に粗さの中心線と平行に引いた基準直線と該基準直線
    よりも上の粗さ曲線とで形成される図形の面積の合計が
    50μm2以上150μm2以下であることを特徴とする請求項
    6記載の平版印刷版用アルミニウム支持体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の平版印
    刷版用アルミニウム支持体に、感光性組成物の層を設け
    てなることを特徴とする感光性平版印刷版。
JP14493596A 1996-05-15 1996-05-15 平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版 Pending JPH09304938A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14493596A JPH09304938A (ja) 1996-05-15 1996-05-15 平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14493596A JPH09304938A (ja) 1996-05-15 1996-05-15 平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09304938A true JPH09304938A (ja) 1997-11-28

Family

ID=15373623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14493596A Pending JPH09304938A (ja) 1996-05-15 1996-05-15 平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09304938A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011046114A1 (ja) * 2009-10-14 2011-04-21 シャープ株式会社 型および型の製造方法ならびに反射防止膜
WO2013005717A1 (ja) * 2011-07-04 2013-01-10 富士フイルム株式会社 絶縁反射基板およびその製造方法
JP2019508585A (ja) * 2016-01-27 2019-03-28 ハイドロ アルミニウム ロールド プロダクツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングHydro Aluminium Rolled Products GmbH 成形のために最適化されたアルミニウム合金シート
JP2019510133A (ja) * 2016-01-27 2019-04-11 ハイドロ アルミニウム ロールド プロダクツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングHydro Aluminium Rolled Products GmbH 接着剤接続用アルミニウム合金ストリップ

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011046114A1 (ja) * 2009-10-14 2011-04-21 シャープ株式会社 型および型の製造方法ならびに反射防止膜
JP4796216B2 (ja) * 2009-10-14 2011-10-19 シャープ株式会社 型および型の製造方法ならびに反射防止膜
JPWO2011046114A1 (ja) * 2009-10-14 2013-03-07 シャープ株式会社 型および型の製造方法ならびに反射防止膜
US9416461B2 (en) 2009-10-14 2016-08-16 Sharp Kabushiki Kaisha Die and method for manufacturing die, and anti-reflection coating
EP2489764A4 (en) * 2009-10-14 2017-08-30 Sharp Kabushiki Kaisha Die and method for manufacturing die, and anti-reflection coating
WO2013005717A1 (ja) * 2011-07-04 2013-01-10 富士フイルム株式会社 絶縁反射基板およびその製造方法
JP2019508585A (ja) * 2016-01-27 2019-03-28 ハイドロ アルミニウム ロールド プロダクツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングHydro Aluminium Rolled Products GmbH 成形のために最適化されたアルミニウム合金シート
JP2019510133A (ja) * 2016-01-27 2019-04-11 ハイドロ アルミニウム ロールド プロダクツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングHydro Aluminium Rolled Products GmbH 接着剤接続用アルミニウム合金ストリップ
US10889912B2 (en) 2016-01-27 2021-01-12 Hydro Aluminium Rolled Products Gmbh Aluminium alloy strip for adhesive connection
US11131037B2 (en) 2016-01-27 2021-09-28 Hydro Aluminium Rolled Products Gmbh Aluminium alloy sheet optimised for forming

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3567402B2 (ja) 平版印刷版用支持体の製造方法、その製造方法で得られる平版印刷版用支持体及びその支持体を用いた感光性平版印刷版
JPH09304938A (ja) 平版印刷版用アルミニウム支持体及び感光性平版印刷版
JP3532297B2 (ja) 平版印刷版用支持体及びその製造方法並びに感光性平版印刷版
JPH08258440A (ja) 平版印刷版用支持体及びその製造方法並びに感光性平版印刷版
JPH09226262A (ja) 平版印刷版用支持体及びその製造方法
JPH0971060A (ja) 感光性平版印刷版
JPH0624166A (ja) 平版印刷版用支持体、その製造方法及び支持体を用いた感光性平版印刷版の製造方法
JP3497005B2 (ja) 平版印刷版用支持体の製造方法
JP3494749B2 (ja) ポジ型感光性平版印刷版及びその処理方法
JPH0968798A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JP3644771B2 (ja) 感光性平版印刷版
JPH09146268A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH08320559A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JP3909878B2 (ja) 感光性平版印刷版およびその処理方法
JPH09300838A (ja) 感光性平版印刷版用支持体並びにその製造方法、感光性平版印刷版及びその処理方法
JPH1111036A (ja) 感光性平版印刷版
JPH07209858A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH09319076A (ja) 感光性平版印刷版
JPH0627646A (ja) 感光性平版印刷版
JPH07333831A (ja) 感光性平版印刷版
JPH08324144A (ja) 平版印刷版用支持体及びその製造方法並びに感光性平版印刷版
JPH09267574A (ja) 感光性平版印刷版
JPH09114087A (ja) 感光性平版印刷版及び感光性平版印刷版の製造方法
JPH07175221A (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版
JPH07114178A (ja) 感光性平版印刷版及び製版方法