JPH09294336A - 充電装置 - Google Patents

充電装置

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JPH09294336A
JPH09294336A JP8106531A JP10653196A JPH09294336A JP H09294336 A JPH09294336 A JP H09294336A JP 8106531 A JP8106531 A JP 8106531A JP 10653196 A JP10653196 A JP 10653196A JP H09294336 A JPH09294336 A JP H09294336A
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JP
Japan
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current
external
gain
charging
voltage
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JP8106531A
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English (en)
Inventor
Norihiko Akao
憲彦 赤尾
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

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  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)
  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部交流電流を検出する電流センサのドリフ
トや外部交流電圧の位相検出の遅れによる充電電流の偏
差及びそのアンバランスを低減乃至防止する。 【解決手段】 外部電源電圧の位相が正であるA区間又
は負であるB区間それぞれに関し、電流指令iu* に対
する実電流iuの偏差Δiuの平均値Sを求め(11
0)、求めたSの符号に応じA区間ゲインGa又はB区
間ゲインGbを増加(120)又は減少(122)補正
する。電流iuの制御に際してA区間についてはA区間
ゲインGaをまたB区間に関してはGbをそれぞれゲイ
ンとして用いる。外部交流電流iuに代え充電電流を用
いても構わない。A区間における充電電流の偏差とB区
間における充電電流の偏差との差を利用し外部交流電圧
の位相検出値をオフセット補正したときには外部交流電
圧の位相検出の遅れによる充電電流の偏差及びそのアン
バランスを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車等に搭
載される蓄電装置を充電する充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】交流負荷を直流電源にて駆動する際に
は、直流電源(例えばバッテリ)の出力を直流から交流
に変換して交流負荷(例えば交流モータ)に供給すべ
く、電力変換器が用いられる。かかる機能を有する電力
変換器を実現するに際しては、一般に、電力用のスイッ
チング素子(例えばIGBT:Insulated Gate Bipolar
Transistor)をスイッチングすることにより交流を発生
させる、という原理が使用される。電力用のスイッチン
グ素子は一般に広い電極面積を有しており、また放熱用
部材、絶縁部材等を伴うから、上掲の電力変換器は大形
・重量になるのが普通である。そのため、この種のシス
テム(例えば電気自動車や加工機の駆動系統)に関して
は、小形化・軽量化の工夫がいくつか提案されている。
その一つとしては、主たる交流負荷を駆動するための電
力変換器の回路構成の一部を他の用途、例えば上記直流
電源たる蓄電装置の充電に利用し、充電器を省略する、
という提案がある。
【0003】例えば、特開平6−133564号や特開
平6−292304号に開示されている電気自動車は、
車載のバッテリから三相交流の走行用モータへと供給す
る駆動電力を、電力変換器にて直流から三相交流へと変
換するシステム構成を有している。更に、これらの公報
では、車両電源設計の個別性や交流送配電との整合を保
つべく、車外に交流電源を準備し電気自動車に搭載され
たバッテリを適宜この交流電源を利用して充電する、と
いう利用環境(インフラストラクチャ)が想定されてい
る。かかる環境下では、常識的には、車外に準備されて
いる交流電源(以下、「外部交流電源」)の出力を交流
から直流に変換する充電器を車両に搭載し、充電器から
得られる直流電力にて車載のバッテリを充電すればよ
い。しかし、充電器は一般にコアを多数含む構成となら
ざるを得ず、従って大形かつ重量の装置となる。上記各
公報においては、電力変換器内のスイッチング素子及び
ダイオードを、その本来の用途たるモータへの電力供給
に加え、外部交流電源によるバッテリの充電、具体的に
は交流から直流への変換(整流、昇降圧等)に利用する
ことにより、上掲の充電器を廃止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】交流負荷の駆動電流を
目標制御する際には、当該駆動電流を検出して制御装置
にフィードバックするのが一般的である。直流電源たる
蓄電装置(バッテリの他、大容量コンデンサを含む)の
充電電流を目標制御する際には、当該充電電流に代えあ
るいは共に、外部交流電源からの電流(以下、「外部交
流電流」)を検出して制御装置にフィードバックするの
が好ましい。これにより、蓄電装置を充電する際の電力
変換器の動作を好適に制御できる。また、外部交流電流
の検出は、駆動電流の検出に用いる電流センサにて、原
理上は、実行できる。更に、特開平6−133564号
の如く交流負荷たるモータの巻線を昇圧又は降圧チョッ
ピングのためのリアクトルとして利用している構成にお
いては、このリアクトルにて力率(外部交流電源から電
力変換器側を見た力率)の低下が生じる。これを補い電
力効率の改善や高調波の低減を実現するには、外部交流
電源からの電圧(以下、「外部交流電圧」)の位相と外
部交流電流の位相とが一致するよう、外部交流電流を制
御すればよい(いわゆる力率1制御)。力率1制御は、
特開平6−133564号には明示がないものの、上述
の電力変換器による電力変換動作(具体的には各スイッ
チング素子のオン/オフデューティ等)を制御すること
により、実現できる。
【0005】上記従来技術、特に駆動電流検出用の電流
センサを外部交流電流の検出に用いる技術を実施するに
際しては、駆動電流及び外部交流電流をいずれも検出で
きるような定格の電流センサを、使用する必要がある。
例えば、駆動電流のほうが外部交流電流よりも大きな用
途では、電流センサとして、駆動電流をも検出できるよ
うな最大検出電流定格を有するものを使用する。しかし
ながら、電気自動車の駆動系では、交流負荷たる走行用
モータの駆動電流(例えば最大で数百A程度)と蓄電装
置充電時の外部交流電流(例えば最大で数A程度)との
間に大きな差がある。かかる用途では、駆動電流にあわ
せて電流センサを選択乃至設計すると、外部交流電流検
出時に、駆動電流検出時には小さくて問題とならなかっ
た誤差要因(例えば電流センサの分解能や温度ドリフ
ト)が顕在化する。
【0006】即ち、分解能や温度ドリフトにより生じた
無視し得ない誤差を含む電流センサ出力に基づき外部交
流電流を目標制御したとすると、当該誤差の影響で、図
12(b)に“指令値”として示す外部交流電流の制御
目標が正確に実現されなくなる。具体的には、同図
(b)に“実電流”として示す外部交流電流の真の値即
ち制御結果が、リプル成分即ち高周波のノイズや、“指
令値”に対する偏差を持ち始める。そのうちリプル成分
に関しては、直流から交流への変換の際コンデンサ等に
より除去・平滑できるため、同図(c)に示す如く、実
際の充電電流(“実電流”)に現れることを防止でき
る。しかしながら、“指令値”に対する“実電流”の偏
差は、外部交流電流の値に依存しているため、その現れ
方は一般に一定でない。同図(b)では、A区間(外部
交流電圧及び電流の位相が0〜πの区間)における現れ
方とB区間(同π〜2πの区間)における現れ方とがバ
ランスしていない例を示している。かかるアンバランス
が生じているときには、単純な処理例えば電流センサ出
力に一定のオフセットを加える等の手段では、“指令
値”に対する“実電流”の偏差を補償できない。従っ
て、前掲各公報の技術にて外部交流電流のフィードバッ
ク制御を適用したときには、同図(c)に示す如く、充
電電流に関しても“指令値”に対する“実電流”の偏差
が現れることや、この偏差がA区間・B区間で相違する
といったアンバランスが現れることを、余儀なくされ
る。
【0007】また、図12では、電流センサ出力の誤差
による問題の発生を説明すべく、理想的な力率1制御が
行われていること、即ち同図(a)に示す外部交流電圧
と同相・同波形になるよう外部交流電流の“指令値”が
設定されていることが仮定されている。しかし、実際に
は、理想的な力率1制御は厳密には実現し得ない。即
ち、外部交流電圧の位相を検出する処理やその結果を制
御装置(例えばCPU)に取り込む処理にて通常はある
程度の遅れが生じまたこの遅れは一定でないため、単純
な処理によっては、外部交流電圧に対する外部交流電流
の位相差を精密には0とし得ない。かかる位相差及びそ
の変動が生じている状態では、外部交流電流の“指令
値”に対する“実電流”の偏差やそのアンバランスが生
じ、従って図12(c)と同様、外部交流電流ひいては
充電電流の“指令値”に対する“実電流”の偏差やその
アンバランスという問題が発生する。
【0008】本発明の目的の一つは、電力変換器を用い
た蓄電装置の充電の際、電流制御ゲインを適応的に変更
することにより、処理手順の追加乃至変更のみで、顕著
な制御誤差の発生を防止することにある。本発明の目的
の一つは、外部交流電流の検出値がその目標に対し有し
ている偏差を利用することにより、電流制御ゲインの調
整乃至補正を大きな遅れなしで実行可能にすることにあ
る。本発明の目的の一つは、蓄電装置の充電電流がその
目標に対し有している偏差を利用することにより、電流
制御ゲインの調整乃至補正を正確に実行可能にすること
にある。本発明の目的の一つは、外部交流電源から見た
力率を1等を目標として制御する際、外部交流電圧の位
相検出遅れを適応的に補償することにより、処理手順の
追加乃至変更のみで、力率を改善すると共に顕著な制御
誤差の発生を防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の第1の構成は、蓄電装置から出力さ
れる駆動電流を電力変換器にて交流に変換し交流負荷に
供給する電源システムにて使用され、当該電源システム
外部の外部交流電源から印加乃至供給される外部交流電
圧及び電流を上記電力変換器にて直流に変換し上記蓄電
装置にその充電電圧及び電流として印加乃至供給する充
電装置において、上記外部交流電流及び充電電流を目標
制御する電流制御手段と、上記外部交流電流を検出し上
記電流制御手段に帰還させる電流検出手段と、上記外部
交流電圧又は電流の1周期を区分して得られる複数の区
間各々について個別に、上記外部交流電流の制御ゲイン
を設定する区間別ゲイン設定手段と、を備えることを特
徴とする。本構成においては、外部交流電流の制御ゲイ
ンが区間別に設定される結果、外部交流電流ひいては充
電電流に関しその制御目標に対する実際の電流値の偏差
及びそのアンバランスが抑制される。即ち、電流制御ゲ
インが外部交流電圧又は電流の位相変化に適応するた
め、外部交流電流及び充電電流に関しその制御目標に対
する顕著な偏差が生じにくくなる。更に、かかる区間別
ゲイン設定は、各区間毎にゲインを設定する手順の追加
のみで実現され得るため、実施が容易である。
【0010】本発明の第2の構成は、第1の構成におい
て、更に、上記外部交流電流に関しかつ上記複数の区間
各々について個別に、その制御目標に対するその検出値
の偏差を評価する偏差評価手段と、上記評価の結果に基
づきかつ上記複数の区間各々について個別に上記制御ゲ
インを調整するゲイン調整手段と、を備えることを特徴
とする。また、本発明の第3の構成は、第1の構成にお
いて、更に、上記充電電流を検出する第2電流検出手段
と、上記充電電流に関しかつ上記複数の区間各々につい
て個別に、その制御目標に対するその検出値の偏差を評
価する偏差評価手段と、上記評価の結果に基づきかつ上
記複数の区間各々について個別に上記制御ゲインを調整
するゲイン調整手段と、を備えることを特徴とする。こ
れらの構成においては、外部交流電流又は充電電流の偏
差に関する評価値に基づき各区間のゲインが個別に調整
される結果、外部交流電流の制御ゲインが、更に外部交
流電流又は充電電流の制御目標の変化にも適応する。従
って、外部交流電流及び充電電流に関しその制御目標に
対する顕著な偏差が更に生じにくくなる。加えて、第2
の構成においては外部交流電流(即ち一般に充電電流よ
りも早く制御ゲインの変更を反映する電流)の偏差が評
価の対象とされているため、制御ゲインの調整が大きな
遅れなしで実行可能である。また、第3の構成において
は充電電流(即ち一般に外部交流電流よりもリプル成分
が少ない電流)の偏差が評価の対象とされているため、
制御ゲインの調整をより正確に実行可能である。
【0011】本発明の第4の構成は、蓄電装置から出力
される駆動電流を電力変換器にて交流に変換し交流負荷
に供給する電源システムにて使用され、当該電源システ
ム外部の外部交流電源から上記交流負荷を介して印加乃
至供給される外部交流電圧及び電流を上記電力変換器に
て直流に変換し上記蓄電装置にその充電電圧及び電流と
して印加乃至供給する充電装置において、上記外部交流
電流及び上記充電電流並びに上記外部交流電源から見た
上記充電装置の力率を目標制御する電流/力率制御手段
と、上記外部交流電圧の位相を検出し上記電流/力率制
御手段に帰還させる位相検出手段と、上記外部交流電圧
の位相の検出値の遅れが補償されるよう、上記目標制御
に当たって当該位相の検出値にオフセット量を加算する
遅れ補償手段と、上記充電電流を検出する電流検出手段
と、上記充電電流に関しかつ上記外部交流電圧又は電流
の1周期を区分して得られる複数の区間各々について個
別に、その制御目標に対するその検出値の偏差を評価す
る偏差評価手段と、上記評価の結果を上記複数の区間同
士の間で比較した結果に基づき上記オフセット量を調整
するオフセット量調整手段と、を備えることを特徴とす
る。本構成においては、外部交流電圧の位相検出遅れが
オフセット量の加算にて補償される。その際、当該オフ
セット量が充電電流の偏差の評価値の区間間比較結果に
基づき調整される結果、オフセット量が外部交流電圧又
は電流の位相変化に適応するため、外部交流電流の位相
に顕著な制御誤差が発生しにくくなる。更に、かかるオ
フセット量調整は、各区間毎に充電電流の偏差を評価し
またそれを区間間で比較する手順等の追加のみで実現さ
れ得るため、実施が容易である。
【0012】本発明の第5の構成は、第2乃至第4の構
成において、更に、上記調整の範囲を制限する手段を備
えることを特徴とする。本構成においては、外部交流電
流の制御ゲイン又は外部交流電圧の位相検出値に加算す
るオフセット量の調整範囲が制限される結果、当該制御
ゲイン又はオフセット量の調整に伴う制御不安定性の発
生が確実に防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。なお、各実施形態間で共通
する又は対応する部材には同一の符号を付し説明を省略
する。
【0014】図1に、本発明の第1実施形態に係る充電
装置を利用した電気自動車の構成を示す。この図の電気
自動車においては、三相交流モータ10が車両走行用の
モータとして利用されており、このモータ10に駆動電
力を供給する蓄電装置としては鉛電池その他のバッテリ
12が利用されている。パラレルハイブリッド車等のよ
うに蓄電装置の容量がさほど必要とされない場合には、
バッテリ12に代えて大容量コンデンサ等を使用しても
よい。更に、バッテリ12の放電出力を直流から三相交
流に変換する電力変換器としてはIPM(Intelligent
Power Module)14が用いられている。IPM14は、
例えば、図2に示されるようにIGBT等の電力トラン
ジスタTr1〜Tr6及びダイオードD1〜D6から構
成されるインバータ回路と、インバータ回路を制御乃至
駆動しかつ図1のコントローラ18をインバータ回路か
ら絶縁分離する等の機能を有する駆動部16とを、有し
ている。コントローラ18は、モータ10に付設した回
転センサ(例えばレゾルバ)20によりモータ10のロ
ータの回転角度位置θを、電流センサ22u,22v,
22wによりモータ10のU,V,W各相電流iu,i
v,iwを、電流センサ24によりバッテリ12の充放
電電流Ibを、電圧センサ26によりバッテリ12の正
負端子間電圧Vdcを、電圧センサ28によりコネクタ
30の端子間電圧(コネクタ30が接続されているとき
には外部交流電圧に相当)Vextを、それぞれ検出す
る。
【0015】コネクタ30は、車両の外部例えば充電ス
タンドに配設されている外部交流電源32との接続のた
めの部材である。コネクタ30は、一方ではダイオード
D7・D8の接続点に、他方ではモータ10の中性点
に、それぞれ接続されている。ダイオードD7及びD8
は互いに直列接続されており、かつバッテリ12に逆並
列接続されているから、外部交流電圧は正の半サイクル
(A区間)ではバッテリ12の正側端子、負の半サイク
ル(B区間)ではバッテリ12の負側端子と、モータ1
0の中性点との間に印加される。このような電圧印加状
態においては、図2に示されるトランジスタTr1〜T
r6(一般にはスイッチング素子)を適宜オン/オフさ
せることにより、モータ10の巻線をリアクトルとして
利用した昇圧チョッピング等を実行でき、外部交流電源
32からの外部交流電流を直流の充電電流に変換してバ
ッテリ12に供給することができる。チョッピング制御
に関しては、前掲の公報の他、各種の先行技術文献に記
載があるため、ここでは省略するが、この省略にも拘ら
ず当業者には一義的な理解が可能であろう。
【0016】図3に、本実施形態におけるコントローラ
18の内部構成を示す。図3はコントローラ18特にそ
の中でも電流制御に関する部分をそのハードウエア構成
に則して描いた図であり、ROM34上に格納されてい
るプログラムに従いかつRAM36を作業量域として使
用しながらCPU38が各種制御手順を実行する構成を
示している。I/O40は、ディジタル情報の入出力、
例えば図示しないプロセッサにて決定されたトルク指令
や回転センサ20の出力を計数して得られる回転角度位
置θの入力や、IPM14に対する指令(制御信号)の
出力に使用される。A/Dコンバータ42は、各種電流
又は電圧センサの出力のようにアナログの情報を入力す
るために使用される。
【0017】図4に、CPU38にて実現される機能を
機能ブロック形式で示す。CPU38の内部に図4の如
きハードロジックが存在する旨を限定する趣旨ではな
い。通常の走行時等にアクセルペダル又はブレーキペダ
ルが踏まれると、コントローラ18はペダルの踏込量に
応じてかつ回転角度位置θ(厳密にはこれに基づき求め
たモータ10の回転数)を参照して、モータ10の出力
トルクの制御目標たるトルク指令を決定する。図3に示
されるCPU38は、I/O40を介しこのトルク指令
を入力する。CPU38特に図4中の各相電流指令決定
部44は、このトルク指令を実現するのに必要な各相電
流即ち各相電流指令iu* ,iv* ,iw* を、回転セ
ンサ20からI/O40を介して得られる回転角度位置
θを参照して、決定する。各相電流指令決定部44の後
段にある減算器46u,46v,46wは、電流センサ
22u,22v,22wからA/Dコンバータ42を介
して得られる各相電流(検出値)iu,iv,iwを、
対応する相の電流指令iu*,iv* ,iw* から減ず
ることにより、偏差
【数1】Δiu=iu* −iu Δiv=iv* −iv Δiw=iw* −iw を求める。制御信号出力部48は、これらの偏差Δi
u,Δiv,Δiwを各トランジスタTr1〜Tr6の
デューティを示す信号に変換し、この信号を、I/O4
0を介しIPM14特にその駆動部16に指令として供
給する。駆動部16にてこの指令に基づく制御が実行さ
れると、モータ10からは、原則として、ペダル操作に
応じた出力が得られる。なお、トランジスタTr1〜T
r6の具体的な制御方法即ちそのオン/オフによる電力
変換動作に関しては、本技術分野の技術者には周知であ
るため省略する。
【0018】また、例えばバッテリ12の充電電流Ib
の積算値や正負端子間電圧Vdcから見てバッテリ12
のSOC(充電状態)が低下していると見なせるときに
は、外部交流電源32はコネクタ30を介し図1の電気
自動車の車載コンポーネントに接続される。コネクタ3
0が接続されると、これに応じコネクタ30からあるい
は操縦者等にて操作されるパネルから、コントローラ1
8に対し充電要求信号が与えられ、コントローラ18は
これに応じ多段階定電流充電等所定のシーケンスに則っ
た充電制御を開始する。外部交流電源32によるバッテ
リ12の充電を実行する際には、図4中の充電電流指令
決定部50は、電圧センサ26にて検出される電圧Vd
c等を参照しながら、かつ所定の充電原理乃至シーケン
スに従って、充電電流指令Ib* を決定する。充電電流
指令決定部50の後段にある減算器52は、電流センサ
24からA/Dコンバータ42を介して得られた充電電
流Ibを充電電流指令Ib* から減ずることにより、充
電電流Ibが充電電流指令Ib* に対し有している偏差
を求め、これを後段の各相電流指令決定部44に供給す
る。各相電流指令決定部44は、リアクトルとして使用
される巻線の相例えばU相の電流指令iu* を、外部交
流電圧Vextのゼロクロス到来毎に、所定の充電シー
ケンスに従い決定する。
【0019】電源位相検出部54は、電圧センサ28か
らA/Dコンバータ42を介して得られる外部交流電圧
Vextから、その0クロスタイミングを検出し、外部
交流電圧Vextの位相(電源位相)を示す情報として
各相電流指令決定部44及びゲイン調整部56に供給す
る。各相電流指令決定部44は、電源位相に同期してU
相電流指令iu* を発生させることにより、外部交流電
圧Vextとの位相差が0になるよう外部交流電流を制
御する。この制御が正確に行われれば、外部交流電源3
2にとって負荷力率は1になり、高調波は生じにくくな
る。ゲイン調整部56は、外部交流電圧Vextの0ク
ロスタイミングの検出結果に同期し、図12に示される
A区間及びB区間それぞれに関する区間制御ゲインGa
及びGbを決定し、これをゲイン設定部58に供給す
る。ゲイン設定部58は供給される区間制御ゲインGa
及びGbに基づき、外部交流電流に関する制御ゲイン、
ここでは制御信号出力部48のゲインを設定する。この
ようなゲイン設定及び調整により、本実施形態において
は、電流センサ22uの分解能やドリフトによって生じ
る充電電流Ibの偏差及びそのアンバランス(図12
(c)参照)を低減乃至除去している。次に、この点を
より明瞭にするため、ゲイン調整部56の動作を説明す
る。
【0020】図5に、ゲイン調整部56の動作の流れを
示す。この図に示される動作は、所定頻度にて繰り返し
実行される。
【0021】ゲイン調整部56は、まず、電源位相検出
部54から得られる0クロスタイミングに基づき、外部
交流電圧Vextの位相が現在A区間に属しているのか
それともB区間に属しているのかを判定する(10
0)。A区間に属していると判定したとき、ゲイン調整
部56は、U相電流指令iu* から電流センサ22uに
よって得られるU相電流iuを減じることにより偏差Δ
iuを求め(102)、これを変数Sに積算する(10
4)。ゲイン調整部56は、併せて、変数nに1を加算
する(106)。なお、偏差Δiuを求めるステップ1
02は、図4に破線にて示すように、減算器46uの出
力をゲイン調整部56に供給することによって、省略す
ることも可能である。ゲイン調整部56は、ステップ1
02〜106の動作を、A区間が終了するまで繰り返し
実行し(108)、A区間が終了した時点で変数Sをn
で除し(110)、これにより、図5の手順を開始した
後A区間が終了するまでの期間における偏差Δiuの平
均値を求める。
【0022】ゲイン調整部56は、この後、偏差の平均
値Sの絶対値が補正実行しきい値Sth(Sth>0)
を上回っているか否かを判定する(112)。上回って
いなければ、偏差Δiu又はその平均値Sはさほど大き
くないと見なせるため、ゲイン調整部56はA区間ゲイ
ンGaに何ら修正を施さずに、図5の動作を終了する。
ただし、終了にあたっては、使用した変数S及びnをい
ずれも0に初期化する(124)。
【0023】偏差の平均値Sの絶対値が補正実行しきい
値Sthを上回っているときには(112)、ゲイン調
整部56は、偏差の平均値Sが正か負かを判定する(1
14)。正であるときには、ゲイン調整部56は、A区
間ゲインGaをその上限値Ghと比較し(116)、負
であると判定した時にはA区間ゲインGaをその下限値
Glと比較する(118)。これら上限値Gh及び下限
値GlはGh>Gl>0を満たすよう設定されている。
ステップ116においてGa>Ghが成立していないと
判定された時にはゲイン調整部56はA区間ゲインGa
に所定の増分値ΔGを加算し(120)、ステップ11
8においてGa<Glが成立していないと判定された時
にはA区間ゲインGaから増分ΔGを減ずる(12
2)。ただし、ΔGに関してはΔG>0でありかつGh
−Glよりも十分小さな値となるよう設定されているも
のとする。ステップ120又は122を実行した後や、
ステップ116にてGa>Ghが成立したときあるいは
ステップ118にてGa<Glが成立したときには、ス
テップ124に移行する。
【0024】これらステップ114〜122のうち、ス
テップ114、120及び122にて実現されているの
は、偏差の平均値Sの符号に応じたA区間ゲインGaの
増減補正である。すなわち、Sが正であるときにはU相
電流(検出値)iuがU相電流指令iu* に比べ小さい
ためA区間ゲインGaが増加補正され、逆に、Sが負で
あるときにはU相電流(検出値)iuがU相電流指令i
* に比べ大きいためA区間ゲインGaが低減補正され
る。これによって、図12に示すような外部交流電流の
指令値に対する実電流の偏差、ひいては充電電流Ibに
おけるそれが抑制され、かつそのアンバランスが低減さ
れることになる。また、ステップ116及び118にて
実現されているのは、A区間ゲインGaの調整範囲の制
限である。すなわち、A区間ゲインGaに関し増分ΔG
の加減算による補正乃至調整を無制限に実行可能とする
と、場合によっては制御系が不安定になるため、これを
防ぐべく、ステップ116及び118にてA区間ゲイン
Gaの上下限を制限している。かかる制限により、本実
施形態においては、制御系の安定化を実現している。
【0025】また、ステップ100においてB区間と判
定されたときにも、A区間と判定されたときと同様の処
理が実行される。ただし、偏差Δiuを積算する対象た
る区間がB区間であるため、ステップ108に係るA区
間終了判定に代え、B区間終了判定に係るステップ10
8Bが実行される。また、A区間ゲインGaに関するス
テップ116〜122に代え、B区間ゲインGbに係る
ステップ116B〜122Bが実行される。加えて、A
区間とB区間ではU相電流の符号が異なるため、ステッ
プ104の如くΔiuをそのまま変数Sに積算するので
はなく、ステップ104Bに示されるように偏差Δiu
の符号を反転した上で変数Sに積算する。図中、補正実
行しきい値Sth、ゲインの上下限Gh及びGl並びに
増分ΔGに関してはA区間とB区間で共通する値を使用
しているが、場合によっては、両者を異なる値としても
構わない。
【0026】このように、本実施形態によれば、外部交
流電源32にてバッテリ12を充電する際、外部交流電
流たるU相電流Iuに関し、その偏差の平均値をA区間
又はB区間について求め、求めた平均値Sの絶対値が補
正実行しきい値Sthよりも大きいときに当該平均値S
の符号に応じてA区間ゲインGa又はB区間ゲインGb
を増減補正するようにしたため、モータ10を駆動する
ときにU相巻線に流れる電流が外部交流電源32にてバ
ッテリ12を充電する際にU相巻線に流れる電流に比べ
桁違いに大きいにもかかわらず、図12に示される偏差
ひいてはその区間間アンバランスが発生しにくくなる。
これにより、外部交流電源32、通常は100V又は2
00Vの商用電源に悪影響を与えるおそれが少なくな
る。加えて、電流センサ22uにて検出されるU相電流
Iuを利用してA区間ゲインGa又はB区間ゲインGb
を調整するようにしているため、ゲインGを迅速にすな
わち遅れなしに調整することが可能になる。加えて、本
実施形態は、コントローラ18特にCPU38の動作手
順に改変を加えるのみで実施することができ、従って容
易かつ安価な実施が可能である。
【0027】図6に、本発明の第2実施形態におけるコ
ントローラ18、特にそのCPU38の機能構成を示
す。本実施形態は図1〜図3に示される装置構成下で実
施することができるため、これらに関しては再度の説明
は省略している。図6に示される構成においては、図4
に示される構成と異なり、充電電流指令Ib* 及び充電
電流Ibがゲイン調整部56に供給されている。ゲイン
調整部56は、図7に示されるように、充電電流Ibを
A区間又はB区間について変数Sに積算し(126)、
積算終了後ステップ110にて得られた値SすなわちA
区間又はB区間における平均充電電流Sを充電電流指令
Ib* から減ずることにより偏差ΔIbを求める(12
8)。ゲイン調整部56は、偏差ΔIbの絶対値を補正
実行しきい値Ith(Ith>0)と比較し、|ΔIb
|>Ithが成立している時のみ、A区間ゲインGa又
はB区間ゲインGbの増減補正に関するステップに移行
し、それ以外の場合にはステップ124に移行する。A
区間ゲインGa又はB区間ゲインGbの増減補正を実行
するに際しては、まず、偏差ΔIbの正負判定が実行さ
れる(132)。正であると判定された場合にはステッ
プ116が、負であると判定された場合にはステップ1
18が、それぞれ実行される。
【0028】このように、第1実施形態を変形し本実施
形態のように充電電流Ib及びその指令Ib* に基づき
ゲインGを調整するようにしても、第1実施形態と同様
の作用効果が得られる。ただし、第1実施形態のように
U相電流iuの偏差に基づきA区間ゲインGa及びB区
間ゲインGbを設定した場合には、図12(b)から明
らかなようにリプル成分の影響が生じるため、若干精度
が低くなる。これに対し、本実施形態のように充電電流
Ib及びその指令Ib* を利用した場合には、IPM1
4の正負端子間に平滑用のコンデンサCが設けられてい
るため、リプル成分の影響が生じることがなく(図12
(c)参照)、従って第1実施形態に比べ精度のよい調
整が可能になる。
【0029】図8に、本発明の第3実施形態におけるコ
ントローラ18、特にCPU38の機能構成を示す。本
実施形態も、図1〜図3の環境を前提としている。この
実施形態においては、第1及び第2実施形態におけるゲ
イン調整部56及びゲイン設定部58は廃止されてお
り、これに代え、補正部60及びオフセット量調整部6
2が設けられている。補正部60は、電源位相検出部5
4によって検出される0クロスタイミングすなわち電源
位相を示す情報をオフセット量φoffsetに基づき
補正した上で各相電流指令決定部44に供給する。オフ
セット量調整部62は、充電電流Ibに基づきオフセッ
ト量φoffsetを決定し補正部60に供給する。
【0030】前述のように、各相電流指令決定部44
は、電源位相検出部54から与えられる0クロスタイミ
ングすなわち電源位相を示す情報に基づき、外部交流電
圧Vextに対する外部交流電流すなわちU相電流iu
の位相差が0になるよう、すなわち、力率=1が実現さ
れるように、外部交流電流たるU相電流iuを目標制御
している。この制御、すなわち力率1制御が正確に、す
なわち遅れなしに実行されている場合には、図9に示さ
れるような制御状態となる。すなわち、図9(a)に示
される外部交流電圧Vextに対しまったく遅れを持た
ずに0クロスが検出されていれば(図9(b)参照)、
図9(c)に示されるように電源位相も正確に検出する
ことができる。しかしながら、実際には、外部交流電圧
Vextの検出や、これをCPU38に入力し処理する
のにある程度の時間が必要であり、その結果、図10
(b)に示されるように、0クロス検出信号は図10
(a)の外部交流電圧Vextに対しある程度遅れてし
まう。このような遅れが生じると、図10(c)に示さ
れるように、電源位相の検出値も真の値たる図10
(d)からずれてしまう。本実施形態においては、この
ずれを、充電電流Ibに基づき求めたオフセット量φo
ffsetを利用して補正部60により補正し、図10
(d)に示されるものと一致したあるいは実質的に一致
した電源位相を求めるようにしている。従って、本実施
形態によれば、力率1制御を精密に実現することがで
き、上述の検出遅れによって生じる充電電流Ibの偏差
及びそのアンバランスを防止乃至低減することができ
る。
【0031】そのため、オフセット量調整部62は、図
11に示されるような手順を実行している。この図の手
順は所定の頻度で繰り返し実行される。
【0032】オフセット量調整部62は、図11に示さ
れる手順を実行するに際してまず現在外部交流電圧Ve
xtの位相がA区間に属しているのかそれともB区間に
属しているのかを判定し(200)、A区間に属してい
ると判定したときのみ引き続く動作を実行する。この区
間判定は、電源位相検出部54によって得られる0クロ
スタイミングに基づき実行することができる。ステップ
200にてA区間と判定された場合、オフセット量調整
部62は、引き続いて、A区間が終了するまでの間(2
02)、充電電流Ibを変数Saに積算し(204)、
かつ変数naを1ずつインクリメントさせる(20
6)。A区間が終了すると、すなわちB区間が始まる
と、オフセット量調整部62は、B区間が終了するまで
(208)、充電電流Ibを変数Sbに積算し(21
0)かつ変数nbを1ずつインクリメントさせる(21
2)。
【0033】B区間が終了した後、オフセット量調整部
62は、変数Saを変数naで除し変数Saに代入する
ことにより、A区間における充電電流Ibの平均値を求
め、同様に、変数Sbを変数nbにて除しその結果を変
数変数Sbに代入することによりB区間における充電電
流Ibの平均値を求める(214)。オフセット量調整
部62は、ステップ214にて求めた充電電流Ibの平
均値Sa及びSbをそれぞれ充電電流指令Ib* から減
ずることによりA区間における充電電流Ibの偏差ΔI
ba及びB区間における充電電流Ibの偏差ΔIbbを
求める(216)。オフセット量調整部62は、更に、
A区間における偏差ΔIbaからB区間における偏差Δ
Ibbを減ずることにより、AB両区間間の偏差の差Δ
abを求める(218)。なお、A区間とB区間とで充
電電流指令Ib* の値が同一であるときにはΔab=S
b−Saの式を用いることにより、ステップ216及び
ステップ218を統一することができる。オフセット量
調整部62は、偏差の差Δabの絶対値を補正実行しき
い値ΔIth(ΔIth>0)と比較し(220)、|
Δab|>ΔIthが成立していないときには変数S
a、Sb、na及びnbをいずれも0にリセットし、図
11の処理を終了する(222)。逆に、|Δab|>
ΔIthが成立しているときには、オフセット量調整部
62は偏差の差Δabが正か負かを判定し(224)、
正である場合にはオフセット量φoffsetを所定の
増分Δφだけ増加させ(226)、逆に負であるときに
は増分Δφだけ低減する(228)。ただし、Δφは後
述のφhやφlより十分小さい正値を有するものとす
る。
【0034】オフセット量調整部62は、ステップ22
6又はステップ228実行後はステップ222に移行す
る。ただし、ステップ226又は228に先立ちそれぞ
れステップ230又は232が実行される。ステップ2
30においては現在のオフセット量φoffsetがそ
の上限値φhと比較され、ステップ232においては下
限値φlと比較される。ただし、φh>φl>0と設定
されているものとする。ステップ230においてφof
fest>φhと判定されたとき及びステップ232に
てφoffset<φlと判定されたときには、ステッ
プ226又は228は省略され、ただちにステップ22
2が実行される。
【0035】このように、本実施形態においては、図1
0(b)に示されている検出遅れが結果として充電電流
Ibの偏差及びそのアンバランスとなって現れることを
利用し、オフセット量φoffsetを適宜調整するよ
うにしているため、当該検出遅れに起因して生じる偏差
及びそのアンバランスを抑制乃至低減することが可能に
なる。また、本実施形態においても上述のオフセット量
調整はソフトウエア的な改変にて実現することができる
ため、その実施は容易かつ安価である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の構
成によれば、外部交流電圧又は電流の1周期を区分して
得られる複数の区間各々について個別に外部交流電流の
制御ゲインを設定するようにしたため、外部交流電流ひ
いては充電電流に関しその制御目標に対する実際の電流
値の偏差及びそのアンバランスを低減乃至防止できる。
その結果、外部交流電源、例えば商用電源に負荷変動や
ノイズ重畳等の影響を与えることを、防ぐことが可能に
なる。また、ソフトウエア的な改変のみで実施できるた
め、実施に必要な手間及びコストが少なくて済む。
【0037】本発明の第2及び第3の構成によれば、第
1の構成と同様の効果が得られる。更に、外部交流電流
(第2の構成)の偏差又は充電電流(第3の構成)の偏
差を評価しその結果に基づき各区間のゲインを個別調整
するようにしたため、外部交流電流及び充電電流に関し
その制御目標に対する顕著な偏差が更に生じにくくな
り、第1の構成の効果をより拡大することができる。加
えて、外部交流電流の偏差を評価する第2の構成によれ
ば、制御ゲインの調整における遅れを抑制でき、充電電
流の偏差を評価する第3の構成によれば、制御ゲインの
調整をより正確に実行できる。
【0038】本発明の第4の構成によれば、外部交流電
流に関し力率の目標制御(例えば力率1制御)を実行す
る際、外部交流電圧の位相の検出値の遅れが補償される
よう当該位相の検出値にオフセット量を加算し、外部交
流電圧又は電流の1周期を区分して得られる複数の区間
各々について個別に充電電流の偏差を評価しさらにそれ
を区間間で比較した結果に基づきオフセット量を調整す
るようにしたため、外部交流電圧の位相検出遅れを当該
電圧又は電流の位相変化に適応したかたちで補償でき、
外部交流電流の位相に顕著な制御誤差が発生することを
防止可能になる。また、ソフトウエア的な改変のみで実
施できるため、実施に必要な手間及びコストが少なくて
済む。
【0039】本発明の第5の構成によれば、第2乃至第
4の構成と同様の効果が得られる。これに加え、制御ゲ
イン又はオフセット量の調整の範囲を制限するようにし
たため、当該制御ゲイン又はオフセット量の調整に伴う
制御不安定性の発生を確実に防止できる。
【0040】
【補遺】なお、本発明は、充電装置としてのみ把握可能
なものではない。例えば、電力変換器を用いて蓄電装置
を充電する際の電流制御方法、電流制御ゲイン設定乃至
調整方法、又は力率制御方法等としても、把握できる。
かかる表現乃至カテゴリの変更に関しては、当業者であ
れば、本願明細書の記載から一義的に読み取ることがで
きる。更に、本発明の適用対象たるシステムの構成は、
本願にて図示した構成に限定されるものではなく、蓄電
装置及び電力変換器を備え蓄電装置出力を電力変換器を
介し交流負荷に供給しかつ外部交流電源出力を電力変換
器を介し蓄電装置に供給することが可能なシステムであ
ればよい。従って、各種の電気自動車、ハイブリッド車
の他に、生産加工機械その他にも、本発明を適用でき
る。更に、モータ以外の交流負荷を駆動する電源システ
ムにおいても、本発明を実施できる。
【0041】また、いずれの実施形態においても、外部
交流電圧の1周期をA区間とB区間に区分していたが、
外部交流電流又は充電電流の偏差評価及びその結果に基
づく制御ゲイン設定・調整又はオフセット量調整を実行
可能である限り、これとは異なる個数乃至位相範囲に係
る区分を採用してもよい。また、いずれの実施形態にお
いても、外部交流電圧の位相を基準としたA及びB区間
を用いていたが、これは力率1制御を前提としたことに
よるものであり、外部交流電流のあるいは充電電流の偏
差を評価するという視点からは、厳密には外部交流電流
の位相を基準としたほうがよい。更に、第1及び第2実
施形態に関しては、各相電流指令に対する各相電流検出
値の偏差に乗じるゲインを、区間別設定乃至適応調整の
対象としていたが、これに代え、各相電流指令又は各相
電流検出値のいずれか又は双方に乗ずるゲインを、区間
別設定乃至適応調整の対象としても構わない。
【0042】加えて、各実施形態を適宜組み合わせるこ
とも可能であるが、その際には、各実施形態における特
徴的な処理同士が競合乃至抵触し制御系が不安定化する
ことを防ぐために、ある処理が他の処理による調整範囲
を規制乃至制限する、ある処理が実行されているときに
は他の処理の実行を禁止する、あるいはある処理が起動
される場合と他の処理が起動される場合とを場合分けす
るといった、相互制約機能を付加するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の各実施形態に係る充電装置を実施す
るのに適する電気自動車のシステム構成を示すブロック
図である。
【図2】 IPMの一例構成を示す回路図である。
【図3】 コントローラの内部構成の一部を示すブロッ
ク図である。
【図4】 本発明の第1実施形態におけるCPU38の
内部機能構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の第1実施形態におけるゲイン調整部
の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】 本発明の第2実施形態におけるCPU38の
内部機能構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明の第2実施形態におけるゲイン調整部
の動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】 本発明の第3実施形態におけるCPU38の
内部機能構成を示すブロック図である。
【図9】 力率1制御が理想的に実行されている場合の
外部交流電圧に対する0クロス検出信号及び電源位相の
関係を示すタイミングチャートである。
【図10】 0クロス検出に遅れが生じている場合の外
部交流電圧に対する0クロス検出信号、電源位相検出値
及び電源位相の真値の関係を示すタイミングチャートで
ある。
【図11】 本発明の第3実施形態におけるオフセット
量調整部の動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】 従来の問題点を説明するためのタイミング
チャートである。
【符号の説明】
10 モータ、12 バッテリ、14 IPM、18
コントローラ、22u,24 電流センサ、28 電圧
センサ、30 コネクタ、32 外部交流電源、38
CPU、44 各相電流指令決定部、46u,52 減
算器、48 制御信号出力部、50 充電電流指令決定
部、54 電源位相検出部、56 ゲイン調整部、58
ゲイン設定部、60 補正部、62 オフセット量調
整部、Ib* 充電電流指令、Ib 充電電流、iu*
U相電流指令、iu U相電流、Δiu U相電流の
偏差、Vext 外部交流電圧、G ゲイン、Ga A
区間ゲイン、Gb B区間ゲイン、Gh,Gl A又は
B区間ゲインの上下限値、φoffset オフセット
量、φh,φl オフセット量の上下限値。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄電装置から出力される駆動電流を電力
    変換器にて交流に変換し交流負荷に供給する電源システ
    ムにて使用され、当該電源システム外部の外部交流電源
    から印加乃至供給される外部交流電圧及び電流を上記電
    力変換器にて直流に変換し上記蓄電装置にその充電電圧
    及び電流として印加乃至供給する充電装置において、 上記外部交流電流及び充電電流を目標制御する電流制御
    手段と、 上記外部交流電流を検出し上記電流制御手段に帰還させ
    る電流検出手段と、 上記外部交流電圧又は電流の1周期を区分して得られる
    複数の区間各々について個別に、外部交流電流の制御ゲ
    インを設定する区間別ゲイン設定手段と、 を備えることを特徴とする充電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の充電装置において、更
    に、 上記外部交流電流に関しかつ上記複数の区間各々につい
    て個別に、その制御目標に対するその検出値の偏差を評
    価する偏差評価手段と、 上記評価の結果に基づきかつ上記複数の区間各々につい
    て個別に上記制御ゲインを調整するゲイン調整手段と、 を備えることを特徴とする充電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の充電装置において、更
    に、 上記充電電流を検出する第2電流検出手段と、 上記充電電流に関しかつ上記複数の区間各々について個
    別に、その制御目標に対するその検出値の偏差を評価す
    る偏差評価手段と、 上記評価の結果に基づきかつ上記複数の区間各々につい
    て個別に上記制御ゲインを調整するゲイン調整手段と、 を備えることを特徴とする充電装置。
  4. 【請求項4】 蓄電装置から出力される駆動電流を電力
    変換器にて交流に変換し交流負荷に供給する電源システ
    ムにて使用され、当該電源システム外部の外部交流電源
    から上記交流負荷を介して印加乃至供給される外部交流
    電圧及び電流を上記電力変換器にて直流に変換し上記蓄
    電装置にその充電電圧及び電流として印加乃至供給する
    充電装置において、 上記外部交流電流及び上記充電電流並びに上記外部交流
    電源から見た上記充電装置の力率を目標制御する電流/
    力率制御手段と、 上記外部交流電圧の位相を検出し上記電流/力率制御手
    段に帰還させる位相検出手段と、 上記外部交流電圧の位相の検出値の遅れが補償されるよ
    う、上記目標制御に当たって当該位相の検出値にオフセ
    ット量を加算する遅れ補償手段と、 上記充電電流を検出する電流検出手段と、 上記充電電流に関しかつ上記外部交流電圧又は電流の1
    周期を区分して得られる複数の区間各々について個別
    に、その制御目標に対するその検出値の偏差を評価する
    偏差評価手段と、 上記評価の結果を上記複数の区間同士の間で比較した結
    果に基づき上記オフセット量を調整するオフセット量調
    整手段と、 を備えることを特徴とする充電装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4記載の充電装置におい
    て、更に、 上記調整の範囲を制限する手段を備えることを特徴とす
    る充電装置。
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