JP5402736B2 - 車両用制御装置および車両用制御方法 - Google Patents

車両用制御装置および車両用制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、交流モータを搭載した車両の制御に関し、特に車両が走行状態である場合、センサによって検出されたモータ電流を精度高く補正する技術に関する。
従来、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両には、駆動源あるいは発電機として交流モータが搭載される。交流モータには、高電圧の電池から供給される直流電力がインバータによって3相交流電力に変換されて供給される。
このような技術は、2007−028702号(特許文献1)の二次電池を迅速かつ容易に昇温可能な二次電池の制御装置に開示される。この二次電池の制御装置は、二次電池から電力の供給を受けて負荷を駆動する駆動回路と、二次電池の電池温度を取得する電池温度取得手段と、取得された電池温度が所定のしきい値温度よりも低いとき、負荷の出力を、目標出力値を中心値とする所定出力範囲内で周期的に振動させるように駆動回路を制御する制御回路とを備える。
上述した公報に開示された二次電池の制御装置によると、負荷の出力を意図的に振動させて二次電池から負荷への電力の入出力を繰返すことにより、二次電池の充放電電流を強制的に発生させることによって、迅速かつ容易に二次電池を昇温させることができる。
特開2007−028702号
ところで、交流モータに供給される交流電流のセンサを用いた実測値には、センサの検出誤差が含まれる。そのため、交流モータに供給される交流電力を精度高く制御することができないという問題がある。特に、車両が停止状態である場合と比較して車両が走行状態である場合には、交流モータにおいて生じる熱等によってセンサの検出誤差が変化する場合がある。そのため、たとえば、予め定められた値を検出誤差として考慮した場合、交流モータに供給される交流電力を精度高く制御することができない場合がある。このような場合には、交流モータにおいて減磁が生じて、目標トルクを精度高く発生させることができない可能性がある。
上述した公報に開示された二次電池の制御装置においては、交流モータの交流電流の検出誤差を予め定められた値として考慮しており、やはり、交流モータに供給される交流電力を精度高く制御することができない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両が走行状態である場合にモータ電流を検出するセンサの検出誤差を精度高く学習する車両用制御装置および車両用制御方法を提供することである。
この発明のある局面に係る車両用制御装置は、交流モータが搭載された車両の車両用制御装置である。この車両用制御装置は、交流モータを駆動するための交流電流を検出するための電流検出部と、電流検出部の検出誤差を補正するための補正値を用いて電流検出部により検出された交流電流の実測値を補正するための補正部と、補正部によって補正された実測値を用いたフィードバック制御により、交流モータの出力トルクが目標トルクとなるように交流モータを制御するためのフィードバック制御部と、車両が走行状態であるという第1条件と、フィードバック制御の実行中の第1判定期間において目標トルクの変化量が第1しきい値以下であるという第2条件とを含む学習条件が成立した場合に、車両の走行中にフィードバック制御を停止して補正値を学習するための学習部とを含む。
好ましくは、フィードバック制御部は、目標トルクをd軸電流およびq軸電流のうちのいずれか一方の指令値に変換するための第1変換部と、補正部によって補正された実測値をd軸電流およびq軸電流のうちの指令値に対応するいずれか一方の電流値に変換するための第2変換部とを含む。学習部は、学習条件が成立した場合に、補正値の暫定値を決定するための暫定値決定部と、指令値と、暫定値を用いて補正された実測値を第2変換部によって変換された電流値との偏差の絶対値の極大値を算出するための算出部と、暫定値決定部によって複数の暫定値が補正値として決定されて算出部によって複数の極大値が算出された場合に、複数の極大値のうちの最小値に対応する暫定値を最終的な補正値として決定するための最終決定部とを含む。
さらに好ましくは、暫定値決定部は、前回決定された暫定値に予め定められた値を加算または減算することによって今回の暫定値を決定する。最終決定部は、算出部によって今回まで算出された複数の極大値のうち暫定値に変化に対して極小となる値に対応する暫定値を最終的な補正値として決定する。
さらに好ましくは、車両は、交流モータを用いて発電するための動力源として内燃機関を搭載する。学習部は、学習条件に加えて、第1判定期間においての内燃機関の回転数の変化量が第2しきい値以下であるという条件が成立した場合に、フィードバック制御を停止して補正値を学習する。
さらに好ましくは、学習部は、フィードバック制御中に第2判定期間が経過するまで第2条件が成立しない場合、および、車両が予め定められた距離以上の距離を走行するまで第2条件が成立しない場合のうちの少なくともいずれか一方の場合、フィードバック制御を停止して補正値を学習する。
この発明の他の局面に係る車両用制御方法は、交流モータが搭載された車両の車両用制御方法である。この車両用制御方法は、交流モータを駆動するための交流電流を検出するステップと、交流電流を検出する際の検出誤差を補正するための補正値を用いて交流電流の実測値を補正するステップと、実測値を補正するステップにて補正された実測値を用いたフィードバック制御により、交流モータの出力トルクが目標トルクとなるように交流モータを制御するステップと、車両が走行状態であるという第1条件と、フィードバック制御の実行中の第1判定期間において目標トルクの変化量が第1しきい値以下であるという第2条件とを含む学習条件が成立した場合に、車両の走行中にフィードバック制御を停止して補正値を学習するステップとを含む。
本実施の形態に係る車両用制御装置が搭載された車両の概略構成を示す図である。 本実施の形態に係る車両用制御装置であるECUを用いてインバータを制御するための機能ブロック図である。 検出誤差を含まない場合のモータの相電流の変化を示すタイミングチャートである。 検出誤差を含まない場合の電流指令値Id_comと電流値Id1との変化を示すタイミングチャートである。 検出誤差を含む場合のモータの相電流の変化を示すタイミングチャートである。 検出誤差を含む場合の電流指令値Id_comと電流値Id1との変化を示すタイミングチャートである。 学習部の機能ブロック図である。 偏差Δiと補正値との関係を示す図(その1)である。 本実施の形態に係る車両用制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 偏差Δiと補正値との関係を示す図(その2)である。 トルク指令値が単調増加する場合の偏差Δiの変化を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に示すように、車両10は、昇圧コンバータ12と、バッテリ13と、インバータ14,16と、モータジェネレータ(以下、MGと記載する)18,20と、電圧センサ22,36と、電流センサ24,26と、駆動輪28と、エンジン30と、回転センサ32,34と、ECU(Electronic Control Unit)40とを含む。本実施の形態において車両10は、モータジェネレータ20とエンジン30とを駆動源とするハイブリッド自動車を一例として説明するが、モータジェネレータのみを駆動源とする電気自動車であってもよい。
MG18は、エンジン30に連結される。MG18は、エンジン30の動力によって交流電圧を発生する発電機としての機能を有するとともに、エンジン30を始動する電動機としての機能を有する。
MG20は、車両10の駆動輪28を駆動するための電動機としての機能を有するとともに、回生制動によって交流電圧を発生する発電機としての機能を有する。なお、回生制動とは、車両10を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴って制動する場合と、フットブレーキは操作されないものの、走行中にアクセルペダルがオフされることで回生発電をさせながら車速を減速(または加速を中止)させる場合とを含む。
MG18,20の各々は、3相の交流モータであり、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルを含む。MG18,20の各々のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルの一端は、中点に共通に接続される。
動力分割機構38は、エンジン30、モータジェネレータ18,20に結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車を動力分割機構38として用いることができ、この3つの回転軸がエンジン30、モータジェネレータ18,20にそれぞれ接続される。
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。
リアクトルL1の一方端はバッテリ13の電源ラインPL1に接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。
NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインPL2とアースラインSL1との間に直列に接続される。NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインPL2に接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインSL1に接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ配されている。
インバータ14,16の各々は、MG18,20のU相コイルの各々に接続されるU相上下アームと、MG18,20のV相コイルの各々に接続されるV相上下アームと、MG18,20のW相コイルの各々に接続されるW相上下アームとを含む。各相の上下アームの構成は、NPNトランジスタQ1,Q2の中間点に接続される接続先がリアクトルL1の一方端であることに代えて各相のコイルの一端であることを除いて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2と同様の構成であり、その詳細な説明は繰返さない。
インバータ14は、MG18のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルに交流電力を供給する。インバータ16は、MG20のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルに交流電力を供給する。インバータ14,16は、電源ラインPL2とアースラインSL1との間に並列に接続される。
なお、昇圧コンバータ12およびインバータ14,16にそれぞれ含まれるスイッチング素子は、NPNトランジスタに限定されず、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等の他のパワー素子で構成しても良い。
本実施の形態において、バッテリ13は、ニッケル水素またはリチウムイオンなどの二次電池であるとして説明するが、二次電池に代えて大容量キャパシタ等を用いてもよい。電圧センサ36は、バッテリ13から出力される直流の電圧Vbを検出し、検出した電圧Vbを示す信号をECU40に送信する。
回転センサ32は、MG18の回転角度θ1およびモータ回転数MRN1を検出し、検出した回転角度θ1およびモータ回転数MRN1を示す信号をECU40に送信する。回転センサ34は、MG20の回転角度θ2およびモータ回転数MRN2を検出し、検出した回転角度θ2およびモータ回転数MRN2を示す信号をECU40に送信する。回転センサ32,34として、たとえば、レゾルバが用いられる。
昇圧コンバータ12は、バッテリ13から供給された電圧を昇圧してコンデンサC1に供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、ECU40から信号PWCを受信した場合に、信号PWCによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて電圧を昇圧してコンデンサC1に供給する。
また、昇圧コンバータ12は、ECU40から信号PWCを受信した場合に、コンデンサC1を介してインバータ14から供給された電圧を降圧してバッテリ13へ供給する。
コンデンサC1は、昇圧コンバータ12から出力された直流電圧を平滑化し、平滑化した直流電圧をインバータ14,16へ供給する。
電圧センサ22は、コンデンサC1の両端の電圧VH(すなわち、インバータ14,16の入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した電圧VHを示す信号をECU40に送信する。
インバータ14は、コンデンサC1から直流電圧が供給される場合、ECU40から受信した信号PWMI1に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してMG18を駆動する。ECU40は、目標トルクであるトルク指令値TR1に基づいて信号PWMI1を生成する。
また、インバータ14は、エンジン30の動力を用いて発電を行なう場合に、MG18が発電した交流電圧をECU40から受信した信号PWMI1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC1および電源ラインPL2およびアースラインSL1を介して昇圧コンバータ12に供給する。
同様に、インバータ16は、コンデンサC1から直流電圧が供給される場合、ECU40から受信した信号PWMI2に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してMG20を駆動する。ECU40は、トルク指令値TR2に基づいて信号PWMI2を生成する。
また、インバータ16は、車両10の回生制動時に、MG20が発電した交流電圧をECU40から受信した信号PWMI2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC1および電源ラインPL2およびアースラインSL1を介して昇圧コンバータ12に供給する。
電流センサ24は、MG18のV相コイルおよびW相コイルに流れるモータ電流(以下、相電流ともいう)Iv1,Iw1を検出し、その検出したモータ電流Iv1,Iw1を示す信号をECU40に送信する。電流センサ26は、MG20のV相コイルおよびW相コイルに流れるモータ電流Iv2,Iw2を検出し、その検出したモータ電流Iv2,Iw2を示す信号をECU40に送信する。
なお、本実施の形態において、電流センサ24は、MG18のV相コイルおよびW相コイルに流れるモータ電流Iv1,Iw1を検出して、検出されたモータ電流Iv1,Iw1に基づいてMG18のU相コイルに流れるモータ電流Iu1を算出するとして説明するが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、電流センサ24は、MG18のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルに流れるモータ電流Iu1,Iv1,Iw1を検出するようにしてもよい。
また、同様に、本実施の形態において、電流センサ26は、MG20のV相コイルおよびW相コイルに流れるモータ電流Iv2,Iw2を検出して、検出されたモータ電流Iv2,Iw2に基づいてMG20のU相コイルに流れるモータ電流Iu2を算出するとして説明するが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、電流センサ26は、MG20のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルに流れるモータ電流Iu2,Iv2,Iw2を検出するようにしてもよい。
ECU40は、運転者のアクセルペダルの操作量に基づくトルク指令値TR1,TR2と、回転センサ32,34からのモータ回転数MRN1,MRN2と、電圧センサ22,36からの電圧VH,Vbと、電流センサ24,26からのモータ電流Iv1,Iw1,Iv2,Iw2とを受信する。
ECU40は、電圧VH、トルク指令値TR1およびモータ電流Iv1、Iw1に基づいて、インバータ14がMG18を駆動するときにインバータ14の複数のNPNトランジスタに対してスイッチング制御を実行するための信号PWMI1を生成し、生成した信号PWMI1をインバータ14に送信する。
ECU40は、電圧VH、トルク指令値TR2およびモータ電流Iv2,Iw2に基づいて、インバータ16がMG20を駆動するときにインバータ16の複数のNPNトランジスタに対してスイッチング制御を実行するための信号PWMI2を生成し、生成した信号PWMI2をインバータ16に送信する。
さらに、ECU40は、インバータ14(またはインバータ16)がMG18(またはMG20)を駆動するとき、バッテリ13の電圧Vb、電圧VH、トルク指令値TR1(またはトルク指令値TR2)およびモータ回転数MRN1(またはモータ回転数MRN2)に基づいて、昇圧コンバータ12の複数のNPNトランジスタQ1、Q2に対してスイッチング制御を実行するための信号PWCを生成し、生成した信号PWCを昇圧コンバータ12に送信する。
図2に、ECU40を用いてインバータ14を制御するための機能ブロック図を示す。なお、ECU40を用いたインバータ16の制御は、ECU40を用いたインバータ14の制御と実質的に同じであるため、その詳細な説明は繰返さない。
ECU40は、電流指令値変換部410と、減算器412,414と、PI制御部416,418と、2相/3相変換部420と、PWM生成部422と、センサ値補正部430と、3相/2相変換部432と、学習部434とを含む。
電流指令値変換部410には、目標トルクであるトルク指令値TR1と、MG18のモータ回転数MRN1と、電圧VHとが入力される。電流指令値変換部410は、トルク指令値TR1とモータ回転数MRN1と電圧VHとに基づいてトルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するための2相(d軸およびq軸)の電流指令値Id_com,Iq_comを生成し、その生成した電流指令値Id_comを減算器412へ出力し、生成した電流指令値Iq_comを減算器414へ出力する。
減算器412には、電流指令値変換部410から電流指令値Id_comが入力され、3相/2相変換部432から電流値Id1が入力される。減算器412は、電流指令値Id_comと電流値Id1との偏差(=Id_com−Id1)を算出し、その算出した偏差をPI制御部416に出力する。
減算器414には、電流指令値変換部410から電流指令値Iq_comが入力され、3相/2相変換部432から電流値Iq1が入力される。減算器414は、電流指令値Iq_comと電流値Iq1との偏差(=Iq_com−Iq1)を算出し、その算出した偏差をPI制御部418に出力する。
PI制御部416,418の各々は、減算器412,414の各々から入力された偏差Id_com−Id1,Iq_com−Iq1に対してPIゲインを用いてモータ電流調整用の電圧操作量Vd1,Vq1を算出し、その算出した電圧操作量Vd1,Vq1を2相/3相変換部420に出力する。
2相/3相変換部420は、PI制御部416,418から入力された電圧操作量Vd1,Vq1を回転センサ32から受信した回転角度θ1と変換式とを用いて2相/3相変換してMG18に印加する電圧操作量Vu1,Vv1,Vw1を算出する。2相/3相変換部420は、算出された電圧操作量Vu1,Vv1,Vw1をPWM生成部422に出力する。
PWM生成部422は、電圧操作量Vu1,Vv1,Vw1と、電圧VHとに基づいて信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14に出力する。
インバータ14においては、PWM生成部422から入力された信号PWMI1に応じて、スイッチング制御が実行される。これにより、MG18のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルには、モータ電流Iu1,Iv1,Iw1がそれぞれ流れる。
センサ値補正部430には、電流センサ24からモータ電流Iv1,Iw1を示す信号が入力される。センサ値補正部430は、電流センサ24のセンサ値であるモータ電流Iv1,Iw1に検出誤差を補正するための補正値(以下、オフセット補正値ともいう)ΔIv1,ΔIw1を加算する。
センサ値補正部430は、オフセット補正値ΔIv1,ΔIw1を加算したモータ電流Iv1+ΔIv1,Iw1+ΔIw1を3相/2相変換部432に出力する。
3相/2相変換部432には、センサ値補正部430からモータ電流Iv1+ΔIv1,Iw1+ΔIw1が入力される。3相/2相変換部432は、入力されたモータ電流Iv1+ΔIv1,Iw1+ΔIw1に基づいてモータ電流Iu1(=−(Iv1+ΔIv1)−(Iw1+ΔIw1))を算出する。
3相/2相変換部432は、MG18のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルの各相に流れるモータ電流Iu1,Iv1+ΔIv1,Iw1+ΔIw1を回転センサ32から受信した回転角度θ1と変換式とを用いて3相/2相変換して、d軸およびq軸に流れる電流値Id1,Iq1を算出する。
3相/2相変換部432は、算出された電流値Id1を減算器412に出力し、算出された電流値Iq1を減算器414に出力する。なお、変換式を用いた3相/2相変換および2相/3相変換については周知であるため、その詳細な説明は行なわない。
学習部434は、電流センサ24のセンサ値の検出誤差を補正するための補正値を学習してセンサ値補正部430に出力する。
このようにして、電流値Id1,Iq1と電流指令値Id_com,Iq_comとがそれぞれ一致するようにフィードバック制御が行なわれる。
このような構成を有する車両10において、電流センサ24,26を用いたMG18,20に流れる交流電流の実測値Iv1,Iw1には、電流センサ24,26の検出誤差が含まれる。そのため、MG18,20に供給される交流電力を精度高く制御することができない場合がある。
特に、車両10が停止状態である場合と比較して車両10が走行状態である場合には、MG18,20において生じる熱等によってセンサの検出誤差が変化する場合がある。そのため、車両10が停止状態である場合のセンサの検出誤差と、車両10が走行状態である場合のセンサの検出誤差とは、異なる場合がある。したがって、たとえば、車両10が停止状態である場合のセンサの検出誤差を考慮してセンサの実測値を補正した場合、MG18,20に供給される交流電力を精度高く制御することができない可能性がある。その結果、MG18,20のトルク変動によって減磁が発生する場合がある。
たとえば、図3に、検出誤差を含まない場合の電流センサ24の実測値の時間変化を示す。なお、図3の縦軸は、V相コイルの相電流を示し、図3の横軸は、時間を示す。図3の実線に示すように、検出誤差を含まない場合、電流センサ24は、振動中心がオフセットすることなく、V相コイルの相電流を検出する。
そのため、図4の実線と破線とに示すように、電流指令値Id_com(図4の破線)が一定である場合には、電流指令値Id_comと電流センサ24の実測値を3相/2相変換した電流値Id1(図4の実線)とは実質的に一致する。なお、図4の縦軸は、d軸に流れる電流値を示し、図4の横軸は、時間を示す。
一方、図5に、検出誤差を含む場合の電流センサ24の実測値の時間変化を示す。図5の縦軸は、V相コイルの相電流を示し、図5の横軸は、時間を示す。図5の実線に示すように、検出誤差を含む場合、電流センサ24は、振動中心が正方向にオフセットした状態でV相コイルの相電流を検出する。
そのため、図6の実線と破線とに示すように、電流指令値Id_com(図6の破線)が一定である場合でも、電流指令値Id_comと電流センサ24の実測値を3相/2相変換した電流値Id1(図6の実線)とは一致せず、電流値Id1は、ゼロを振動中心として振動することとなる。その結果、MG18,20に供給される交流電力を精度高く制御することができない場合がある。
そこで、本実施の形態においては、ECU40が、車両10が走行状態であるという第1条件と、フィードバック制御の実行中の第1判定期間において目標トルクの変化量が第1しきい値以下である第2条件とを含む学習条件が成立した場合に、車両10の走行中にフィードバック制御を停止して検出誤差を学習する点に特徴を有する。
具体的には、ECU40は、学習条件が成立した場合、車両10の走行中にフィードバック制御を停止して、検出誤差を補正するための補正値の暫定値(以下、暫定補正値という)を決定して、電流指令値と、暫定補正値を用いて補正された電流値との偏差の絶対値の極大値を算出する。ECU40は、複数の暫定補正値が決定されて複数の極大値が算出された場合に、複数の極大値のうちの最小値に対応する暫定補正値を最終的な補正値(以下、最終補正値という)Cf1として決定する。ECU40は、決定された最終補正値Cf1を用いて電流センサ24によって検出された実測値Iv1,Iw1を補正する。
なお、ECU40は、同様に、電流センサ26の検出誤差に対する最終補正値Cf2を決定し、検定された最終補正値Cf2を用いて電流センサ26によって検出された実測値Iv2,Iw2を補正する。そのため、その詳細な説明は繰返さない。
さらに、本実施の形態においては、ECU40は、前回決定された暫定補正値C(n−1)に予め定められた値を加算または減算することによって今回の暫定補正値C(n)を決定する。ECU40は、今回までに算出された複数の極大値のうち暫定補正値の変化に対して極小となる値に対応する暫定補正値を最終補正値Cf1として決定する。
図7に、学習部434の機能ブロック図を示す。学習部434は、トルク指令判定部102と、フィードバック制御停止部104と、暫定補正値決定部106と、偏差算出部108と、最終補正値決定部110とを含む。
なお、本実施の形態においては、インバータ14の制御に対して本発明を適用した場合について説明するがインバータ16の制御に対して本発明を適用した場合も同様である。そのため、その詳細な説明は繰返さない。さらに、本実施の形態においては、d軸の電流指令値Id_comと、d軸の電流値Id1とを用いて検出誤差を学習して最終補正値Cf1を決定してもよいし、q軸の電流指令値Iq_comと、q軸の電流値Iq1とを用いて検出誤差を学習して最終補正値Cf1を決定するようにしてもよい。以下の説明においては、d軸の電流指令値Id_comと、d軸の電流値Id1とを用いた場合を一例として説明する。
トルク指令判定部102は、トルク指令値(TR1)が実質的に一定の状態であるか否かを判定する。具体的には、トルク指令判定部102は、車両10が走行状態であるという第1条件と、フィードバック制御中の第1判定期間のおいてトルク指令値(TR1)の変化量がしきい値以下であるという第2条件とを含む学習条件が成立するか否かを判定する。なお、しきい値は、予め定められた値であってもよいし、車両10の走行状態に応じて決定される値であってもよい。トルク指令判定部102は、学習条件が成立すると判定した場合に、実質的にトルク指令値が一定の状態であると判定する。
なお、トルク指令判定部102は、トルク指令値が実質的に一定の状態であると判定された場合に、トルク指令判定フラグをオンするようにしてもよい。また、トルク指令判定部102は、Id_comが実質的に一定の状態である場合(Id_comがしきい値以下である場合)に第2条件が成立したと判定するようにしてもよい。さらに、トルク指令判定部102は、たとえば、駆動輪28の回転速度あるいはMG20の回転速度等がゼロより大きい場合、あるいは、予め定められた速度よりも大きい場合に、第1条件が成立したと判定すればよい。
フィードバック制御停止部104は、トルク指令判定部102によってトルク指令値が実質的に一定の状態であると判定された場合に、フィードバック制御を停止する。フィードバック制御停止部104は、図2に示した減算器412において算出されるId_comとId1との偏差を強制的にゼロとするようにしてもよいし、あるいは、PI制御部416の入力値を強制的にゼロとしてもよい。
フィードバック制御停止部104は、たとえば、電流指令値変換部410から減算器412に入力される電流指令値Id_comをId1と同一の値とすることによって、Id_comとId1との偏差を強制的にゼロとするようにしてもよい。
本実施の形態においては、フィードバック制御停止部104は、トルク指令判定部102によってトルク指令値が一定の状態であると判定された時点から後述する最終補正値Cf1が決定されるまでフィードバック制御を停止するとして説明するが、特にフィードバック制御を停止する期間の終わりとしては最終補正値Cf1が決定されるまでに限定されるものではない。たとえば、フィードバック制御停止部104は、トルク指令判定部102によってトルク指令値が一定の状態であると判定された時点から予め定められた時間が経過するまでフィードバック制御を停止するようにしてもよいし、トルク指令判定部102によってトルク指令値が一定の状態であると判定された時点からトルク指令判定部102によってトルク指令値が一定の状態でないと判定されるまでフィードバック制御を停止するようにしてもよい。
なお、フィードバック制御停止部104は、たとえば、トルク指令判定フラグがオンである場合に、フィードバック制御を停止するようにしてもよい。
暫定補正値決定部106は、フィードバック制御停止部104によってフィードバック制御が停止された場合に暫定補正値を決定する。暫定補正値決定部106は、暫定補正値の決定がフィードバック制御停止後の初回である場合には、予め定められた初期値C(0)を暫定補正値として決定する。暫定補正値決定部106は、後述する最終補正値決定部110において最終補正値Cf1が決定されない場合に、再度、暫定補正値を決定する。暫定補正値決定部106は、たとえば、暫定補正値の決定がフィードバック制御停止後の初回でない場合には、前回決定された暫定補正値C(n−1)に予め定められた値aを加算または前回決定された暫定補正値C(n−1)から予め定められた値aを減算した値を今回の暫定補正値C(n)として決定する。
本実施の形態において、暫定補正値決定部106は、フィードバック制御停止後の初回に、たとえば、暫定補正値C(0)(=0)を決定する。暫定補正値決定部106は、後述する最終補正値決定部110において最終補正値Cf1が決定されない場合に、前回の暫定補正値C(0)に予め定められた値aを加算して今回の暫定補正値C(1)(=a)を決定する。以降、暫定補正値決定部106は、前回の暫定補正値C(n−1)に対応する偏差Δi(n−1)を算出された場合であって、最終補正値Cf1が決定されない場合に、前回の暫定補正値C(n−1)に予め定められた値aを加算して今回の暫定補正値C(n)(=C(n−1)+a)を決定する。
偏差算出部108は、電流指令値Id_comと、決定された暫定補正値を用いて補正された実測値を3相2相変換部432によって変換された電流値Id1との偏差の絶対値の極大値(以下、偏差Δi(n)という)を算出する。偏差算出部108は、少なくとも半周期の電流指令値Id_comと電流値Id1との偏差Δi(n)を算出する。
なお、偏差算出部108は、たとえば、予め定められた周期に亘って電流指令値Id_comと電流値Id1との偏差の絶対値の極大値を複数算出し、算出された複数の極大値の平均値を偏差Δi(n)としてもよい。
最終補正値決定部110は、偏差算出部108において算出された複数の偏差Δi(0)〜偏差Δi(n)に基づいて最終補正値Cf1を決定する。最終補正値決定部110は、偏差算出部108によって算出された複数の偏差Δi(0)〜偏差Δi(n)のうちの最小偏差Δi_minに対応する暫定補正値Cminを最終補正値Cf1として決定する。最終補正値決定部は、決定した最終補正値Cf1を図2に示したセンサ値補正部430に出力する。
図8に、補正値と偏差Δiとの関係を示す。図8に示すように、補正値の増加に対して偏差Δiは、Cminにおいて極小となる値Δi_minを有するように変化する。したがって、最終補正値決定部110は、最小偏差Δi_minに対応する暫定補正値Cminを最終補正値Cf1として決定する。
本実施の形態において、暫定補正値決定部106によって、ゼロを初期値として、予め定められた値aを加算して暫定補正値が決定され、偏差算出部108によって偏差Δiが算出される計算が最終補正値が決定されるまで繰返される。このとき、図8に示すように、偏差Δiは、暫定補正値の増加に減少していき、極小となる暫定補正値C(n−1)(Cmin)よりも大きい暫定補正値C(n)が設定された場合に、増加に転じる。
したがって、最終補正値決定部110は、今回の暫定補正値C(n)に対応する偏差Δi(n)が前回の暫定補正値C(n−1)に対応する偏差Δi(n−1)に対して増加した場合に、前回の暫定補正値に対応する偏差Δi(n−1)が最小偏差Δi_minとして算出される。暫定補正値決定部106は、算出された最小偏差Δi_minに対応する暫定補正値Cminを最終補正値Cf1として決定する。
最終補正値決定部110は、今回の暫定補正値C(n)に対応する偏差Δi(n)が前回の暫定補正値C(n−1)に対して減少した場合に、最終補正値を決定しない。
本実施の形態において、トルク指令判定部102と、フィードバック制御停止部104と、暫定補正値決定部106と、偏差算出部108と、最終補正値決定部110とは、いずれもECU40のCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図9を参照して、本実施の形態に係る車両用制御装置であるECU40で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU40は、トルク指令値TR1が一定の状態であるか否かを判定する。トルク指令値TR1が一定の状態である場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、この処理はS100に戻され、トルク指令値TR1が一定の状態になるまで待機する。
S102にて、ECU40は、フィードバック制御を停止する。S104にて、ECU40は、前回の暫定補正値C(n−1)に予め定められた値aを加算して、今回の暫定補正値C(n)を決定する。
S106にて、ECU40は、決定された今回の暫定補正値C(n)に基づいて偏差Δi(n)を算出する。なお、偏差Δi(n)の算出方法については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰返さない。
S108にて、ECU40は、今回の偏差Δi(n)が前回の偏差Δi(n−1)よりも大きいか否かを判定する。今回の偏差Δi(n)が前回の偏差Δi(n−1)よりも大きい場合に、処理はS110に移される。もしそうでない場合(S108にてNO)、処理はS104に移される。
S110にて、ECU40は、前回の偏差Δi(n−1)に対応する暫定補正値C(n−1)を最終補正値Cf1として決定する。S112にて、ECU40は、フィードバック制御を開始する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両用制御装置であるECU40の動作について説明する。
たとえば、車両10が走行状態である場合であって、かつ、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を一定としている場合を想定する。この場合、トルク指令値TR1が一定の状態であるため(S100にてYES)、車両10の走行中にフィードバック制御が停止されて(S102)、検出誤差の学習が開始される。
すなわち、今回の暫定補正値C(n)が決定されて(S104)、決定された今回の暫定補正値C(n)に基づいて偏差Δi(n)が算出される(S106)。算出された今回の偏差Δi(n)が前回の偏差Δi(n−1)以下である場合には(S108にてNO)、今回の暫定補正値C(n)に予め定められた値aが加算されて、次回の暫定補正値C(n+1)が決定される(S104)。
一方、算出された今回の偏差Δi(n)が前回の偏差Δi(n−1)よりも大きい場合には(S108にてYES)、前回の暫定補正値C(n−1)が最終補正値Cf1として決定される(S110)。ECU40は、決定された最終補正値Cf1を用いたフィードバック制御を開始する(S112)。
ECU40は、このような上述の検出誤差の学習によってV相コイルのモータ電流およびW相コイルのモータ電流の各々についての最終補正値Cvf1およびCwf1を決定する。ECU40は、図3に示したセンサ値補正部430において、電流センサ24から受信したモータ電流Iv1,Iw1から最終補正値Cvf1,Cwf1をそれぞれ減算して、減算された値Iv1−Cvf1,Iw1−Cwf1を用いてフィードバック制御を実行する。図3に示したΔIv1は、−Cvf1であって、ΔIw1は、−Cwf1である。
モータ電流Iv1,Iw1から最終補正値Cvf1,Cwf1をそれぞれ減算することによって、電流センサ24の実測値は、図5に示すような実測値の振動中心がオフセットした波形から図3に示すように、ゼロを振動中心とした波形に補正される。
また、ECU40は、次にトルク指令値が一定の状態になるまで、決定した最終補正値Cvf1およびCwf1を用いてフィードバック制御を実行し、トルク指令値が一定の状態になった場合に(S100にてYES)、最終補正値Cvf1およびCwf1を更新する(S110)。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両用制御装置によると、学習条件が成立した場合に、車両の走行中に最終補正値を決定する際に、フィードバック制御を停止することによって、フィードバック制御による影響を排除して最終補正値を精度高く算出することができる。そのため、たとえば、長時間車両が走行することによって、電流センサの検出誤差に変化が生じた場合でも、適切に電流センサの検出誤差を補正することができる。また、トルク指令値が一定の状態である場合に学習を実行するため、車両の走行中における電流制御の制御精度の悪化を抑制することができる。したがって、車両の走行中である場合に検出誤差を学習することによって交流モータに供給される交流電力を精度高く制御する車両用制御装置および車両用制御方法を提供することができる。
また、本実施の形態に係る車両用制御装置によると、車両の走行中においても電流センサの検出誤差の学習が可能となるため、モータの停止時に実行されていた検出誤差の学習領域を拡大させることができる。
本実施の形態において、暫定補正値決定部106は、暫定補正値の初期値C(0)としてゼロを決定するものとして説明したが、特に、初期値はゼロに限定されるものではない。初期値は、たとえば、補正値として取り得る値よりも大きな値であってもよい。
この場合、暫定補正値決定部106は、最終補正値決定部110において最終補正値Cf1が決定されない場合に、前回の暫定補正値C(n−1)から予め定められた値aを減算して今回の暫定補正値C(n)(C(n)−a)を決定すればよい。
なお、偏差算出部108および最終補正値決定部110の最小偏差Δi_minに対応する暫定補正値Cminを最終補正値Cf1として決定する動作については、初期値をゼロとした場合と同様であるため、その詳細な説明は繰返さない。
あるいは、図10に示すように、暫定補正値決定部106は、まず、暫定補正値Caを決定し、偏差算出部108は、決定された暫定補正値Caに基づいて偏差Δiaを算出し、次に、暫定補正値決定部106は、暫定補正値Caに予め定められた値aを加算した値を暫定補正値Cbとして決定し、偏差算出部108は、決定された暫定補正値Cbに基づいて偏差Δibを算出するようにしてもよい。
この場合、次回の計算において、暫定補正値決定部106は、2つの偏差ΔiaおよびΔibを比較し、ΔiaがΔibよりも小さい場合に、暫定補正値Caから予め定められた値aを減算した値を暫定補正値Ccとして決定し、偏差算出部108は、決定された暫定補正値Ccに基づいて偏差Δicを算出する。
最終補正値決定部110は、算出された偏差Δicが偏差Δiaよりも大きい場合には、偏差Δiaが最小偏差Δi_minとして算出され、図10に示すように、算出されたΔicが偏差Δiaよりも小さい場合には、最終補正値Cf1が決定されるまで、前回の暫定補正値から予め定められた値aを減算して今回の暫定補正値を算出し、算出された今回の暫定補正値に対応する偏差Δiを算出するという計算を繰返すようにしてもよい。
また、暫定補正値決定部106は、2つの偏差ΔiaおよびΔibを比較して、ΔibがΔiaよりも小さい場合に、暫定補正値Cbに予め定められた値aを加算した値を暫定補正値Cc’として決定し、偏差算出部108は、決定された暫定補正値Cc’に基づいて偏差Δic’を算出する。
最終補正値決定部110は、算出された偏差Δic’が偏差Δibよりも大きい場合には、偏差Δibが最小偏差Δi_minとして算出され、算出されたΔic’が偏差Δibよりも小さい場合には、最終補正値Cf1が決定されるまで、前回の暫定補正値に予め定められた値aを加算して今回の暫定補正値を算出し、算出された今回の暫定補正値に対応する偏差Δiを算出するという計算を繰返すようにしてもよい。
さらに、ECU40は、トルク指令値が一定の状態であるという学習条件に加えて、第1判定期間においてエンジン30の回転数の変化量がしきい値以下であるという条件が成立した場合に、車両10の走行中にフィードバック制御を停止して検出誤差を学習するようにしてもよい。このようにすると、より精度高く最終補正値を決定することができる。
また、ECU40は、第2判定期間が経過するまで学習条件が成立しない場合、または、車両が予め定められた距離以上走行するまで学習条件が成立しない場合、車両10の走行中にフィードバック制御を停止して検出誤差を学習するようにしてもよい。このようにすると、速やかに検出誤差を補正することができる。
さらに、本実施の形態においては、トルク指令値が一定の状態である場合に、フィードバック制御を停止して、最終補正値を決定することとしたが、たとえば、トルク指令値が単調増加あるいは単調減少している場合に、車両の走行中にフィードバック制御を停止して、最終補正値Cf1を決定するようにしてもよい。
この場合、ECU40は、たとえば、図11に示すように、1周期におけるId_comと電流値Id1との偏差の絶対値の極大値を偏差Δiとして算出する。なお、具体的な最終補正値Cf1の決定方法については、トルク指令値が一定の状態である場合の最終補正値Cf1の決定方法と同様であるため、その詳細な説明は繰返さない。
また、ECU40は、最終補正値Cf1を決定する際のフィードバック制御の停止中には、フィードフォワード項のみを変更することによって電流制御を実行する。
たとえば、この場合の図3に示した電圧操作量Vd1は、Vd1=Σvdi+vd_ffの式により算出される。Σvdiは、フィードバック制御を停止する直前までのvdi(ゲインKiと偏差Δidとの積)の積算値である。vd_ffは、フィードフォワード項である。vd_ffは、vd_ff=−1×回転速度ω×インダクタンスLq×電流指令値Iq_comの式より算出される。
また、この場合の図3に示した電圧操作量Vq1は、Vq1=ΣVqi+vq_ffの式により算出される。ΣVqiは、フィードバック制御を停止する直前までのvqi(ゲインKiと偏差Δiqとの積)の積算値である。vq_ffは、フィードフォワード項である。vq_ffは、vq_ff=回転速度ω×インダクタンスLd×電流指令値Id_com+回転速度ω×永久磁石によるモータ鎖交磁束φの式より算出される。
このようにしても、フィードバック制御による影響を排除して最終補正値を精度高く算出することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、12 昇圧コンバータ、13 バッテリ、14,16 インバータ、18,20 MG、22,36 電圧センサ、24,26 電流センサ、28 駆動輪、30 エンジン、32,34 回転センサ、38 動力分割機構、40 ECU、102 トルク指令判定部、104 フィードバック制御停止部、106 暫定補正値決定部、108 偏差算出部、110 最終補正値決定部、410 電流指令値変換部、412,414 減算器、416,418 PI制御部、420 2相/3相変換部、422 PWM生成部、430 センサ値補正部、432 3相/2相変換部、434 学習部。

Claims (5)

  1. 交流モータが搭載された車両の車両用制御装置であって、
    前記交流モータを駆動するための交流電流を検出するための電流検出部と、
    前記電流検出部の検出誤差を補正するための補正値を用いて前記電流検出部により検出された前記交流電流の実測値を補正するための補正部と、
    前記補正部によって補正された実測値を用いたフィードバック制御により、前記交流モータの出力トルクが目標トルクとなるように前記交流モータを制御するためのフィードバック制御部と、
    前記車両が走行状態であるという第1条件と、前記フィードバック制御の実行中の第1判定期間において前記目標トルクの変化量が第1しきい値以下であるという第2条件とを含む学習条件が成立した場合に、前記車両の走行中に前記フィードバック制御を停止して前記補正値を学習するための学習部とを含み、
    前記フィードバック制御部は、
    前記目標トルクをd軸電流およびq軸電流のうちのいずれか一方の指令値に変換するための第1変換部と、
    前記補正部によって補正された実測値を前記d軸電流および前記q軸電流のうちの前記指令値に対応するいずれか一方の電流値に変換するための第2変換部とを含み、
    前記学習部は、
    前記学習条件が成立した場合に、前記補正値の暫定値を決定するための暫定値決定部と、
    前記指令値と、前記暫定値を用いて補正された実測値を前記第2変換部によって変換された電流値との偏差の絶対値の極大値を算出するための算出部と、
    前記暫定値決定部によって複数の暫定値が前記補正値として決定されて前記算出部によって複数の極大値が算出された場合に、前記複数の極大値のうちの最小値に対応する暫定値を最終的な補正値として決定するための最終決定部とを含む、車両用制御装置。
  2. 前記暫定値決定部は、前回決定された暫定値に予め定められた値を加算または減算することによって今回の暫定値を決定し、
    前記最終決定部は、前記算出部によって今回まで算出された前記複数の極大値のうち前記暫定値に変化に対して極小となる値に対応する暫定値を前記最終的な補正値として決定する、請求項に記載の車両用制御装置。
  3. 前記車両は、前記交流モータを用いて発電するための動力源として内燃機関を搭載し、
    前記学習部は、前記学習条件に加えて、前記第1判定期間においての前記内燃機関の回転数の変化量が第2しきい値以下であるという条件が成立した場合に、前記フィードバック制御を停止して前記補正値を学習する、請求項1または2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記学習部は、前記フィードバック制御中に第2判定期間が経過するまで前記第2条件が成立しない場合、および、前記車両が予め定められた距離以上の距離を走行するまで前記第2条件が成立しない場合のうちの少なくともいずれか一方の場合、前記フィードバック制御を停止して前記補正値を学習する、請求項1〜のいずれかに記載の車両用制御装置。
  5. 交流モータが搭載された車両の車両用制御方法であって、
    前記交流モータを駆動するための交流電流を検出するステップと、
    前記交流電流を検出する際の検出誤差を補正するための補正値を用いて前記交流電流の実測値を補正するステップと、
    前記実測値を補正するステップにて補正された実測値を用いたフィードバック制御により、前記交流モータの出力トルクが目標トルクとなるように前記交流モータを制御するステップと、
    前記車両が走行状態であるという第1条件と、前記フィードバック制御の実行中の第1判定期間において前記目標トルクの変化量が第1しきい値以下であるという第2条件とを含む学習条件が成立した場合に、前記車両の走行中に前記フィードバック制御を停止して前記補正値を学習するステップとを含み、
    前記交流モータを制御するステップは、
    前記目標トルクをd軸電流およびq軸電流のうちのいずれか一方の指令値に変換するステップと、
    前記実測値を補正するステップにて補正された実測値を前記d軸電流および前記q軸電流のうちの前記指令値に対応するいずれか一方の電流値に変換するステップとを含み、
    前記補正値を学習するステップは、
    前記学習条件が成立した場合に、前記補正値の暫定値を決定するステップと、
    前記指令値と、前記暫定値を用いて補正された実測値から変換された電流値との偏差の絶対値の極大値を算出するステップと、
    前記暫定値を決定するステップにて複数の暫定値が前記補正値として決定されて、前記極大値を算出するステップにて複数の極大値が算出された場合に、前記複数の極大値のうちの最小値に対応する暫定値を最終的な補正値として決定するステップとを含む、車両用制御方法。
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