JPH09261974A - インバータの制御装置 - Google Patents

インバータの制御装置

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JPH09261974A
JPH09261974A JP8062979A JP6297996A JPH09261974A JP H09261974 A JPH09261974 A JP H09261974A JP 8062979 A JP8062979 A JP 8062979A JP 6297996 A JP6297996 A JP 6297996A JP H09261974 A JPH09261974 A JP H09261974A
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voltage
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JP8062979A
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Tomohisa Kameyama
智寿 亀山
Motosumi Yura
元澄 由良
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Okuma Corp
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Okuma Machinery Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導電動機等を駆動するインバータの制御装
置において、出力電圧を精度良く補正することによって
高精度に出力電流を制御する。 【解決手段】 電流位相演算器10及び電圧位相演算器
19は、各々電流指令及び電圧指令の位相を演算する。
選択器20は、これら電流指令及び電圧指令の位相の組
合わせに従って選択条件信号を生成し出力する。電圧補
正演算器21は、複数の補正演算式を保持しており、選
択条件信号に従ってそれらの中から適切な補正演算式を
選択し、この式に従って電圧指令を補正する。ここで電
圧補正演算器21では、電流極性が変化する相の電圧指
令は電流の極性にかかわらず所定値となるように補正
し、この他の電流が十分流れている相の電圧指令は電流
極性に応じたデッドタイム補償を行う。そして、このよ
うにして求められた補正電圧指令値に基づきインバータ
の動作が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電動機の駆動
装置などに利用されるインバータの制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図7にインバータおよび従来のインバー
タの制御装置のシステム構成の一例を示す。図中のモー
タ1を駆動するインバータは直流電源3に接続されたト
ランジスタ2a、2b、2c、2d、2e、2fによっ
て構成されている。これらのトランジスタはそれぞれコ
ンパレータ4a、4b、4c、4d、4e、4fの出力
信号によってON/OFFされており、そのデューティ
は指令された各相の出力電圧指令値eu*、ev*、ew*に
応じてコンパレータ5a、5b、5cの働きによって以
下のように制御される。すなわちコンパレータ5a、5
b、5cにおいて入力された出力電圧指令値eu*、ev
*、ew*は三角波発振回路9の出力した三角波信号と比
較され、パルス化される。このパルス信号のデューティ
は出力電圧指令値eu*、ev*、ew*に比例するので、前
記三角波信号の周波数を十分に高くするとモータ1に印
加される電圧の平均値は前記出力電圧指令値eu*、ev
*、ew*に比例する。
【0003】この従来のインバータの制御装置におい
て、例えばインバータを構成するトランジスタ2a、2
bが同時にONすると、直流電源3を2つのトランジス
タで短絡し、このとき大電流が流れて回路が破壊される
可能性がある。このようなことを防止するため、図7の
例では抵抗器6a、6b、6cとコンデンサ7a、7
b、7cおよび抵抗器8a、8b、8cからなる回路に
よって、上下のトランジスタ2a、2bのON信号にあ
る一定の時間間隔があくよう制御している。この時間間
隔は一般的にデッドタイムと呼ばれる。
【0004】このデッドタイムの存在によって、一般的
にインバータの出力電圧は入力された出力電圧指令値e
u*、ev*、ew*に対して非線形となる。例えばu相を例
にとれば、出力電圧指令値eu*と実際の出力電圧eu と
の関係は、式(1)のように近似できる。
【数1】eu =eu*−ed(iu)・・・(1) ただし、iu はインバータの出力電流値である。また、
ed(iu)は式(2)で表されるiu の関数である。
(2)式で表される関数を図8に示す。
【数2】 ed(iu)=edu(iu >0のとき) =−edu(iu <0のとき) =0(iu =0のとき)・・・(2) ただし、eduは前記デッドタイムによって決まる定数で
ある。
【0005】図9に、このようなデッドタイムによる指
令値−出力値間の非線形性の補正を目的とした従来のイ
ンバータの制御装置のシステム構成の一例を示す。この
インバータの制御装置は、式(1)の関係を利用して、
電圧指令値に対して式(2)で表されるデットタイム補
償量を加算した補正指令値を用いてインバータを制御す
ることにより、デッドタイム補正を行なうものである。
この装置では、2相の電流指令値id*、iq*より相電流
指令演算器24で3相の相電流指令値iu*、iv*、iw*
を算出し、算出した相電流指令値と式(2)に基づいて
デッドタイム補償演算器11でデッドタイム補償量ed
(iu*) 、ed(iv*) 、ed(iw*) を算出する。すなわ
ち、この従来装置は、インバータの実際の出力電流の検
出値の代わりに電流指令値を用いてデッドタイム補償量
を算出している。一方、減算器18a 、18b によって
電流指令値と実際の出力電流値との電流誤差が算出さ
れ、電流制御演算器17a 、17b がその電流誤差に応
じた電圧指令値ed*、eq*を出力する。そして、座標変
換器15が電圧指令値ed*、eq*を3相の相電圧指令値
eu*、ev*、ew*に変換し出力する。加算器12a、1
2b、12cは、この電圧指令値eu*、ev*、ew*にそ
れぞれデッドタイム補償量ed(iu*) 、ed(iv*) 、e
d(iw*) を加算し、補正電圧指令値euc* 、evc* 、e
wc* として出力する。u相を例にとれば、相電圧指令値
と補正電圧指令値とは次の式(3)で示す関係となる。
【数3】euc* =eu*+ed(iu)・・・(3) ただし、上述したように、図9の従来装置では、式
(3)のデッドタイム補償量ed(iu)を求める際に実際
の出力電流値iu の代わりに指令値iu*が用いられる。
この補正電圧指令値はPWM(パルス幅変調)回路13
に入力され、トランジスタ2a、2b、2c、2d、2
e、2fはこの補正電圧指令値に基づいてON/OFF
される。このPWM回路13としては、例えば図7に示
したインバータ制御回路と同じものを用いることができ
る。図9中の電流検出器14a、14b、14cは、式
(2)および式(3)で使用される出力電流iu を検出
する検出器であり、また座標変換器15、16は、それ
ぞれ電圧指令を2相3相変換、電流検出値を3相2相変
換するものである。また、図9に示すインバータの制御
装置における電流指令、電圧指令、デッドタイム補償
量、補正電圧指令のタイムチャートを図10に示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図7の従来のインバー
タの制御装置においては、デッドタイムの存在によって
インバータの出力電圧は入力された出力電圧指令値に対
して非線形であり、正確な出力電圧が得られない。図1
1は、図7中のu相の電圧指令及び三角波、トランジス
タ2a、2bとu相端子の電圧の波形を示す。図11の
Td はデッドタイム期間を示し、V及びーVは図7の直
流電源3の正負の電圧を示す。図11に示すように、こ
の装置では、インバータの出力電流の極性が正のときに
は、トランジスタ2aがONしている期間u相の端子電
圧がVとなり、出力電流の極性が負のときには、トラン
ジスタ2bがOFFしている期間u相の端子電圧がVと
なる。また、インバータ出力電流がゼロのときは、u相
の端子電圧は、トランジスタ2aがONしている期間V
となり、トタンジスタ2bがONしている期間−Vとな
るが、トランジスタ2a、2bともOFFしているデッ
ドタイム期間はu相の端子電圧はフローティングしてい
る。そのため電流の極性が変化する点即ち出力電流がゼ
ロとなる付近ではインバータの出力電圧は入力された電
圧指令値に対して非線形になり、正確な出力電圧を得る
ことができない。また図9の従来のインバータの制御装
置においては、式(2)で表されるデッドタイム補償量
を実際の出力電流の検出値の代わりに電流指令値に基づ
いて求めるため、実際の出力電流値と指令値との誤差に
より正確なデッドタイム補償が行えないという問題があ
った。正確な補償のためには、デッドタイム補償量は、
式(2)に示したようにインバータの出力電流値に基づ
き算出されるべきである。これに対して、図9の従来装
置では電流指令値に基づきデッドタイム補償量を算出す
るが、フィードバック制御では制御の遅れにより実際の
出力電流の極性の変化は電流指令値の極性の変化よりも
遅れがちとなる。従って、電流極性が変化する時点の付
近では電流指令の極性が実際の出力電流の極性と異なる
場合があり、このような場合、実際にはプラスの補償を
すべきところをマイナスの補償をしてしまう(あるいは
その逆)など、補償演算の結果電流の歪みを逆に増大さ
せることになり、正確な補償が行なえない。また、誘導
電動機等に適用するインバータの制御装置においては、
例えばu相に電圧を印加するトランジスタ2a、2bが
同時にオフになったときオフする直前に電流が流れてい
れば、モータにインダクタンス成分があるために電流は
流れ続ける。そのため、デッドタイム期間中でもu相の
電位が直流電源の正負どちらかの電圧になる期間があ
り、この期間では電流の向きにより式(2)に基づきデ
ッドタイム補償量を確定することが可能である。しか
し、電流値がゼロとなっている期間は、電流が流れてい
ないので本来u相電圧はフローティングしておりその値
を確定することはできず、従って正確なデッドタイム補
償量を確定することは困難である。従って、電流ゼロの
期間は、デッドタイム補償量を式(2)で近似すると誤
差が大きくなる。また、検出器14a,14b,14c
の電流検出値から直接的に式(2)に基づいてデッドタ
イム補償量を求める方法も考えられるが、この方法で
は、検出遅れのために、実際の検出値の極性の変わる時
点と、その検出値に基づき求められた指令値が実際に作
用する時点とがずれるため、やはり補正結果に誤差が生
じる。例えば、電流の極性が代わる付近では、検出電流
の符号が正でも、その正の検出電流値に基づき求められ
たデッドタイム補正量を含む指令値が作用する時点では
インバータの出力電流が負になっている場合があり、こ
のような場合に誤差が生じる。本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、本発明はインバータの
出力電流を精度良く制御できるインバータ制御装置の提
供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインバータ
の制御装置は、複数のスイッチング素子により構成され
たインバータを制御するインバータの制御装置であっ
て、与えられた電流指令値と前記インバータの出力電流
検出値との誤差に基づき前記インバータに対する電圧指
令値を生成し、この電圧指令値に基づき前記インバータ
を制御するインバータの制御装置において、各相の前記
電流指令値に基づき、各相の前記電圧指令値に対するデ
ッドタイム補償量を求めるデッドタイム補償量演算手段
と、いずれかの相の前記電流指令値がゼロ近傍の所定範
囲内にある場合に、その相の種類とその相の前記電圧指
令値の極性とを示す信号を出力する電流指令判別手段
と、前記電流指令判別手段の出力信号に基づき、前記電
流指令値が前記所定範囲内にある相については、前記電
圧指令値を、前記インバータのスイッチング素子のデュ
ーティが100%となる電圧値であって前記出力信号に
示された極性と同一極性の電圧値に補正し、他の相につ
いては、前記電圧指令値を、前記デッドタイム補償量、
前記電流指令値が所定範囲内にある相に対する前記電圧
指令値及び前記所定電圧値とに基づいて補正し、この補
正によって得られた各相についての補正電圧指令値を出
力する電圧指令補正手段とを有し、補正電圧指令値を用
いてインバータを制御することを特徴とする。
【0008】本発明に係るインバータの制御装置では、
与えられた電流指令値がゼロ近傍の微小な値となった相
については、インバータに与える電圧指令値を、インバ
ータのスイッチング素子のデューティが100%となる
値に補正する。ここで、この補正電流指令値の極性は、
補正前の電圧指令値の極性と同一とする。そして、その
他の相の電圧指令値は、次の3つの値、すなわち(1)
この相の電流指令値から求められるデッドタイム補償
量、(2)電流指令値が微小な相に対する電圧指令値、
(3)電流指令値が微小な相の補正電圧指令値(すなわ
ちスイッチング素子のデューティが100%となる
値)、を用いてデッドタイム補正を行う。本発明によれ
ば、補正が電流が微小な相の電流指令値に左右されず正
確なデッドタイム補正を行うことができ、インバータの
出力電流を精度良く制御できる。本発明では、前記電流
指令判別手段を、例えば、電流指令値の位相を求める電
流位相演算手段と、電圧指令値の位相を求める電圧位相
演算手段と、電流指令値の位相と電圧指令値の位相との
組合わせに基づき出力信号を生成する信号生成手段とを
含むように構成することもできる。この構成によれば、
電流指令値位相と電圧指令値位相との組合わせに基づ
き、電流指令値がゼロ近傍の所定範囲内にある相の種類
及びその相の電流指令値の極性を求めることができる。
また、前記電流指令判別手段を、各相の電流指令値の大
小関係を求める電流比較手段と、各相の電圧指令値の大
小関係を求める電圧比較手段と、電流指令値の大小関係
と電圧指令値の大小関係との組合わせに基づき出力信号
を生成する信号生成手段とを含むように構成することも
できる。この構成によれば、電流指令値の大小関係と電
圧指令値の大小関係との組合わせに基づき、電流指令値
がゼロ近傍の所定範囲内にある相の種類及びその相の電
流指令値の極性を求めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るインバータの
制御装置の一実施例のシステム構成を示す。図7および
図9に示す従来のインバータの制御装置と同じ構成要素
は同一符号で示してあり、その説明は重複するので省略
する。図中の電流位相演算器10は、2相の電流指令i
d*、iq*より電流指令の位相を演算する。u相を例にと
れば、この演算は、以下の式(4)、(5)で示され
る。
【数4】 iu*=(id*^2 +iq*^2 )^(1/2) ・sin (ωt+θi )・・・(4) θi = tan-1(iq*/id*) θiu* =ωt+ tan-1(iq*/id*)・・・(5) 但し、 tan-1はtan の逆関数を表し、演算子「^」はべ
き乗を示す。またθiu*は電流指令iu*の位相である。
なお、電流位相演算器10は、v相及びw相についても
同様にして電流指令位相を算出する。デッドタイム補償
演算器11は、上式(4)で求められる3相電流指令値
に基づき、従来装置と同様前記式(2)を用いてデッド
タイム補償量を求める。電圧位相演算器19は、電流誤
差に応じて電流制御演算器17a 、17b から出力され
る電圧指令ed*、eq*に基づき、電圧指令の位相を演算
する。u相を例にとれば、この演算は、以下の式
(6)、(7)で示される。
【数5】 eu*=(ed*^2 +eq*^2 )^(1/2) ・sin (ωt+θe )・・・(6) θe = tan-1(eq*/ed*) θeu* =ωt+ tan-1(eq*/ed*)・・・(7) 但し、θeu* は電圧指令eu*の位相である。なお、電圧
位相演算器19は、v相及びw相についても同様にして
電圧指令位相を算出する。選択器20は、前記電流位相
演算器10及び電圧位相演算器19で演算した各位相に
基づいて選択条件信号を生成する。選択条件信号は、図
3に示す電流の位相の条件及び、電圧指令の位相の条件
の組み合わせを示す信号である。すなわち、選択器20
は、電流位相及び電圧位相の組合わせを図3に示す条件
においてaかつA、bかつB、cかつC、dかつD、e
かつE、fかつF、及び上記6つの組合わせ以外の合計
7つの場合に場合分けし、電流位相演算器10及び電圧
位相演算器19からの入力の組合わせが上記7つのうち
のいずれに該当するかを判定し、その判定結果を示す選
択条件信号を生成する。この選択条件信号は電圧補正演
算器21に与えられる。本実施形態では、この選択条件
信号に応じてそれぞれ適切な補正演算式を用いて電圧指
令の補正をより精密に行う。すなわち、電圧補正演算器
21は、電圧指令補正用の補正演算式を複数組保持して
おり、これらの中から選択条件信号に対応する補正演算
式を選択し、この補正演算式に基づいて電圧指令eu*,
ev*,ew*を補正することにより、補正電圧指令値euc
* ,evc* ,ewc* を算出する。図4は、選択条件信号
とこれによって選択される補正演算式の組との関係を示
す。図4中の記号e(iu*) ,e(iv*) ,e(iw*) は各相
のデッドタイムに起因する電圧補償量であり前述の式
(2)に定義されるものである。また、emax*はトラン
ジスタのスイッチングがONデューティー100%(す
なわち、トランジスタが常にON)となる電圧指令値で
ある。電圧補正演算器21は図3、図4に示す条件で選
択された補正演算式に従って電圧指令を補正し補正電圧
指令値euc* 、evc* 、ewc* として出力する。図2に
電流指令、電圧指令、デッドタイム補償量、及び補正電
圧指令の波形を示すタイムチャートの一例を示す。図4
に示すように、本実施形態では、電流指令値がゼロに近
い相(例えば選択条件aかつAの範囲では、u相)の電
圧指令値は、emax*あるいは−emax*という所定の値、
すなわちデューティー100%となる電圧値に補正す
る。従って、従来技術と異なり本実施形態では、電流極
性が変化するタイミング自体はデッドタイム補償演算に
おいて大きな影響を及ぼさない。すなわち、従来は、電
流指令と実際の出力電流とで電流極性が変化するタイミ
ングがずれた場合、その変化点近傍で正しい補償とは逆
向きの補償をしてしまうこととなるため正確なデッドタ
イム補償ができなかったが、本実施形態では、その変化
点の前後で補正電圧指令値に変化がないので、前記タイ
ミングのずれが生じた場合でも、変化点近傍で逆向きの
補償をしてしまうおそれはない。また、本実施形態で
は、ある相の電流指令値がゼロに近い期間、その相の電
圧指令値を電流指令の極性にかかわらず所定値に補正す
るが、同じ期間の他相の電圧指令値はデッドタイム補償
値を用いて補正している。これは、この期間において
は、電流が十分流れている他相ではデッドタイム補償値
を前記式(2)で近似しても誤差は少ないからである。
そして、本実施形態では、電流指令値がゼロに近い相の
補正電圧指令値を所定値とする代わりに、その補正演算
の影響を取り除く項を他相の補正電圧指令値に付加す
る。例えば、図4の選択条件aかつAの場合のevc* の
補正電圧指令値ev*+e(iv*) +(emax*−eu*)の
(emax*−eu*)などが、この付加項である。本実施形
態では、このような項を付け加えることにより、線間電
圧を本実施形態のデッドタイム補償を行わない場合の線
間電圧と等しくすることができ、インバータ出力電流を
正確に制御することができる。このように、本実施形態
によれば、デッドタイム補償演算が、電流値がゼロとな
る近傍の電流の極性に左右されないので、正確なデッド
タイム補正を行うことができ、従ってインバータの出力
電流を精度よく制御することが可能となる。
【0010】次に、図5を用いて、本発明に係るインバ
ータの制御装置の他の実施形態について説明する。図5
において、図1、図7、図8に示すインバータの制御装
置と同一の構成要素は同一符号で示してあり、その説明
は重複するので省略する。図に示すように、本実施形態
では、相電流指令演算器24で演算した相電圧指令iu
*、iv*、iw*の大小比較を比較器22で行なう。ま
た、相電圧指令eu*、ev*、ew*の大小比較を比較器2
3で行なう。そして、選択器20は、比較器22及び2
3の比較結果に基づき、選択条件信号を生成する。本実
施形態では、選択条件信号は、図6に示す電流値の大小
条件及び電圧値の大小条件の組合わせを示す信号であ
り、その組合わせの場合分けは前述の実施形態の場合と
同様である。そして、電圧補正演算器21は、前述の実
施形態と同様、電圧指令補正用の補正演算式を複数組保
持しており、これらの中から図4の関係にしたがって選
択条件信号に対応する補正演算式を選択し、この補正演
算式に基づいて電圧指令を補正して補正電圧指令値を算
出する。このような構成によっても、前述の実施形態と
同様、デッドタイム補償演算が電流値がゼロとなる近傍
の電流の極性に左右されないので、正確な補償を行うこ
とができ、従ってインバータの出力電流を精度よく制御
することが可能となる。
【0011】よく知られているように、工作機械の主軸
等に使用する誘導電動機の動作では、デッドタイムに起
因する電流の歪等は、トルクの歪又は速度誤差となって
現われ、これらは比較的軽負荷において問題となりフル
トルクで動作する場合は問題と成らない。よって、デッ
ドタイム補正は、図4に示す「aかつA」〜「fかつ
F」の6つの範囲で行えば十分であり、比較的軽負荷な
ときに精度よく制御することが望ましい。すなわち、位
相あるいは大小関係の条件の組合わせが「aかつA」〜
「fかつF」の6つ以外となる場合は、電動機の力率は
1に近い場合であり、これは電動機がフルトルク状態に
近いこと、例えば工作機械が重切削中等であることを示
している。このような重負荷の場合は、比較的軽負荷の
場合ほど工作機械の位置や速度の精度を必要としないの
で、デッドタイム自体の影響も問題とならない。以上の
各実施形態によれば、電流の極性が変化する相の電圧指
令にデッドタイム補正を行わず、電流が十分流れている
相の電流指令値を用い式(2)でデッドタイム補償量を
近似できる部分のみ電圧指令を補正することにより、よ
り確かな電圧指令補正を行なうことができる。このよう
なデッドタイム補償演算により、インバータの出力電流
を精度よく制御できる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、電流の極性が変化する相の電圧指令を所定の電圧指
令値に補正し、このほかの電流が十分流れている相につ
いて電流極性に応じたデッドタイム補正を行う。このよ
うな補正により、電流の極性が変化する部分での電流の
歪をなくし、インバータの出力電流を精度よく制御する
ことができる。従って、本発明によれば、誘導電動機を
駆動する場合などにおいては誘導電動機に流れる電流を
正確に制御できるため、精密な出力トルクまたは速度の
制御が実現できる。
【0013】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインバータの制御装置の実施形
態の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施形態の動作を説明するタイムチャートで
ある。
【図3】 実施形態の選択器における電流位相及び電圧
位相の期間の分割の方法を示す図である。
【図4】 選択条件信号とこれに基づき選択される補正
演算式との関係を示す図である。
【図5】 本発明に係るインバータの制御装置の他の実
施形態の構成を示すブロック図である。
【図6】 図5の実施形態の選択器における各相の電流
及び電圧大小関係による期間の分割の方法を示す図であ
る。
【図7】 従来のインバータの制御装置のシステム構成
を示すブロック図である。
【図8】 出力電流値とデッドタイム補償量との関係を
表すグラフである。
【図9】 従来のインバータの制御装置の他のシステム
構成を示すブロック図である。
【図10】 従来のインバータの制御装置の動作を示す
タイムチャートである。
【図11】 一般的なインバータ制御装置におけるイン
バータの出力電流の極性と出力電圧との関係を示すタイ
ムチャートである。
【符号の説明】
1 モータ、 2a,2b,2c,2d,2e,2f
トランジスタ、 3直流電源、 4,5 コンパレー
タ、 6a,6b,6c,8a,8b,8c抵抗器、
7a,7b,7c コンデンサ、 9 三角波発振回
路、 10 電流位相演算器、 11 デッドタイム補
償演算器、 12a,12b,12c加算器、 13
PWM回路、 14 電流検出器、 15,16 座標
変換器、 17 電流制御演算器、 18 減算器、
19 電圧位相演算器、 20選択器、 21 電圧補
正演算器、 22,23 比較器、 24 相電流指令
演算器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスイッチング素子により構成され
    たインバータを制御するインバータの制御装置であっ
    て、与えられた電流指令値と前記インバータの出力電流
    検出値との誤差に基づき前記インバータに対する電圧指
    令値を生成し、この電圧指令値に基づき前記インバータ
    を制御するインバータの制御装置において、 各相の前記電流指令値に基づき、各相の前記電圧指令値
    に対するデッドタイム補償量を求めるデッドタイム補償
    量演算手段と、 いずれかの相の前記電流指令値がゼロ近傍の所定範囲内
    にある場合に、その相の種類とその相の前記電圧指令値
    の極性とを示す信号を出力する電流指令判別手段と、 前記電流指令判別手段の出力信号に基づき、前記電流指
    令値が前記所定範囲内にある相については、前記電圧指
    令値を、前記インバータのスイッチング素子のデューテ
    ィが100%となる所定電圧値であって前記出力信号に
    示された極性と同一極性の所定電圧値に補正し、他の相
    については、前記電圧指令値を、前記デッドタイム補償
    量、前記電流指令値が所定範囲内にある相に対する前記
    電圧指令値及び前記所定電圧値に基づいて補正し、この
    補正によって得られた各相の補正電圧指令値を出力する
    電圧指令補正手段と、 を有し、補正電圧指令値を用いてインバータを制御する
    ことを特徴とするインバータの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインバータの制御装置で
    あって、 前記電流指令判別手段は、前記電流指令値の位相を求め
    る電流位相演算手段と、前記電圧指令値の位相を求める
    電圧位相演算手段と、前記電流指令値の位相と電圧指令
    値の位相との組合わせに基づき前記信号を生成する信号
    生成手段とを有し、 前記電圧指令補正手段は、前記電圧指令値に対する複数
    の補正演算式を、前記電流指令値位相と電圧指令値位相
    との組合わせに関連付けて保持し、前記電流指令判別手
    段の出力信号に応じて前記補正演算式を選択して前記電
    圧指令値の補正演算を行うことを特徴とするインバータ
    の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のインバータの制御装置で
    あって、 前記電流指令判別手段は、各相の前記電流指令値の大小
    関係を求める電流比較手段と、各相の前記電圧指令値の
    大小関係を求める電圧比較手段と、前記電流指令値の大
    小関係と電圧指令値の大小関係との組合わせに基づき前
    記信号を生成する信号生成手段とを有し、 前記電圧指令補正手段は、前記電圧指令値に対する複数
    の補正演算式を、前記電流指令値の大小関係と電圧指令
    値の大小関係との組合わせに関連付けて保持し、前記電
    流指令判別手段の出力信号に応じて前記補正演算式を選
    択して前記電圧指令値の補正演算を行うことを特徴とす
    るインバータの制御装置。
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