JPH0925345A - ポリ乳酸系成形体 - Google Patents
ポリ乳酸系成形体Info
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- JPH0925345A JPH0925345A JP17324695A JP17324695A JPH0925345A JP H0925345 A JPH0925345 A JP H0925345A JP 17324695 A JP17324695 A JP 17324695A JP 17324695 A JP17324695 A JP 17324695A JP H0925345 A JPH0925345 A JP H0925345A
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- polylactic acid
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Abstract
形体を提供することにある。 【解決手段】 ポリ乳酸系重合体からなり、面配向度Δ
Pが3.0×10−3〜30×10−3であり、シート
を昇温したときの結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化
により発生する結晶化熱量ΔHcとの差(ΔHm−ΔH
c)が20J/g以上かつ{(ΔHm−ΔHc)/ΔH
m}が0.75以上である配向ポリ乳酸系シートを熱成
形したことを特徴とするポリ乳酸系成形体。 【効果】 ポリ乳酸からなる成形体が広い分野で使用可
能となる。
Description
および耐湿熱性に優れかつ自然環境下で分解する、ポリ
乳酸からなる成形体に関する。
ブリスター加工品は、樹脂製シートを得た後、当該シー
トを熱成形法である真空成形、圧空成形等により成形し
て作られるのが一般的である。ブリスター加工品は包装
体を通して中の商品を透視できる、透明性に優れている
ものが好まれる。そこで、ブリスター加工品用の素材シ
ートとしてはポリ塩化ビニル系、ポリエチレンテレフタ
レート系、ポリスチレン系などのシートが使用されてい
る。
生物的に安定なため自然環境下に放置されてもほとんど
分解されることなく残留、蓄積される。これらは自然環
境中に散乱して動植物の生活環境を汚染するだけでな
く、ゴミとして埋められた場合にもほとんど分解せずに
残り、埋立地の寿命を短くするという問題がある。
合体からなる材料が要求されており、多くの研究、開発
が行われている。その一つにポリ乳酸が知られている。
方法としては、特開平6−122148号に、L−乳酸
系ポリマーが75%以上で厚みが0.2〜2mmである
透明なL−乳酸系ポリマーシートから真空吸引、圧空圧
力又は真空圧空によってL−乳酸系ポリマー成形品を得
る方法が示され、得られた成形体の透明性および成形性
が優れていることが開示されている。
いるポリ乳酸からなる成形体はその強度、耐衝撃性能が
不十分であり、取扱いの際に穴があく等の問題が生じ
る。また、耐湿熱性能が不十分であり、製品の輸送、保
管、使用中に高温高湿環境下にさらされると、成形体が
変形したり、透明な成形体が白色化する、いわゆる、白
化が生じる。
解するポリ乳酸からなる成形体の使用が期待されている
ものの、上述した事柄等から、実用化に至っていない。
性が優れたポリ乳酸系成形体を提供することにある。
酸系重合体からなり、面配向度ΔPが3.0×10− 3
〜30×10−3であり、シートを昇温したときの結晶
融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化
熱量ΔHcとの差(ΔHm−ΔHc)が20J/g以上
かつ{(ΔHm−ΔHc)/ΔHm}が0.75以上で
ある配向ポリ乳酸系シートを熱成形したことを特徴とす
るポリ乳酸系成形体である。
合体とは、ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボ
ン酸との共重合体、もしくはこれらの混合物であり、本
発明の効果を阻害しない範囲で他の高分子材料が混入さ
れても構わない。また、成形加工性、シートや成形体の
物性を調整する目的で可塑剤、滑剤、無機フィラー、紫
外線吸収剤などの添加剤、改質剤を添加することも可能
である。
れ、他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコ−ル
酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキ
シカプロン酸などが代表的に挙げられる。
環重合法など公知のいずれの方法を採用することも可能
であり、さらには、分子量増大を目的として少量の鎖延
長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合
物、酸無水物などを使用しても構わない。
は、50,000から1000,000の範囲が好まし
く、かかる範囲を下まわると実用物性がほとんど発現さ
れず、また熱成形時にシートが強度を保持できないなど
の問題を生じる。また上まわる場合には、溶融粘度が高
くなりすぎ成形加工性に劣る。
上述した重合体を十分に乾燥して水分を除去した後、押
出法、カレンダー法、プレス法などの一般的な溶融成形
法によりシート状に成形し、次いで、急冷することによ
り得られる。
た重合体を、回転するキヤステイングドラム(冷却ドラ
ム)に接触させて急冷するのが好ましい。キヤステイン
グドラムの温度は60℃以下が適当であり、これより高
いと重合体がキヤステイングドラムに粘着して引取りが
困難になり、また結晶化が促進されて球晶が発達し透明
性が低下するとともに熱成形加工も困難になる。従っ
て、60℃以下でシートを急冷して、実質上非晶質のシ
ートとするのが好ましい。
有する脆性を大幅に改良し、成形品の耐衝撃性を向上さ
せるためには、ポリ乳酸系シートの面配向度△Pを3.
0×10−3〜30×10−3に調整する。
る面方向の配向度を表わし、通常直交3軸方向の屈折率
を測定し以下の式で算出される。 ΔP={(γ+β)/2}−α (α<β
<γ) ここで、γ、βがシート面に平行な直交2軸の屈折率、
αはシート厚さ方向の屈折率である。
存するが、大きくはシート面内の分子配向に依存する。
つまりシート面内、特にシートの流れ方向および/また
はそれと直交する方向の1または2方向に対し、分子配
向を増大させることにより、無配向シートでは1.0×
10−3以下であるΔPを、本発明で規定する3.0×
10−3以上に増大させることができる。
既知のあらゆる延伸法に加え、電場や磁場を利用した分
子配向法を採用することもできる。
押し出しを行ったシート状物または円筒状物を冷却キャ
ストロールや水、圧空等により急冷し非晶質に近い状態
で固化させた後、ロール法、テンター法、チューブラー
法等により一軸または二軸に延伸する方法が、工業的に
望ましく採用される。
は、延伸温度50〜100℃、延伸倍率1.5倍〜5
倍、延伸速度100%/分〜10,000%/分が一般
的ではあるが、この適正範囲は重合体の組成や、未延伸
シートの熱履歴によって異なってくるので、面配向度Δ
Pの値を見ながら適宜決められる。
ることにより、耐衝撃性が顕著に改良されるとともに、
無配向シートが高温高湿雰囲気下にさらされた時に生じ
る、主に球晶成長に起因する脆化や白化を防止すること
ができる。なお、面配向度ΔPの上限は実際上30×1
0−3程度であり、これより面配向度ΔPを高めようと
すると、延伸が不安定ないし不可能になる。例え、延伸
できたとしても、シートの熱成形が困難となる。
10−3の範囲にすることより、上述した効果が得られ
るが、その一方、熱寸法安定性が不良となり、変形を起
こしやすい。例えば、夏の暑い時期や、高温高湿の倉
庫、車両、船舶等の中でシートおよび成形体は自然収縮
を起こし、たるみ、波打ち等の変形を生じてしまう。変
形したシートを使用して熱成形を行っても、所望する形
状の成形品が得られない。 従って、常温よりもやや高
い温度すなわち約50℃以上の温度雰囲気下で、ポリ乳
酸系シートが収縮しないこと、すなわち、熱寸法安定性
を有していることが重要である。
−3〜30×10−3のポリ乳酸系シートにおいては、
実用的な熱寸法性を得るために、シートを昇温したとき
の結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する
結晶化熱量ΔHcとの差(ΔHm−ΔHc)を20J/
g以上かつ{(ΔHm−ΔHc)/ΔHm}を0.75
以上に制御することが重要である。
は、シートサンプルの示差走査熱量測定(DSC)によ
り求められるもので、結晶融解熱量ΔHmは昇温速度1
0℃/分で昇温したときの全結晶を融解させるのに必要
な熱量であって、重合体の結晶融点付近に現れる結晶融
解による吸熱ピークの面積から求められる。また結晶化
熱量ΔHcは、昇温過程で生じる結晶化の際に発生する
発熱ピークの面積から求められる。
のの結晶性に依存し、結晶性が大きい重合体では大きな
値を取る。ちなみに共重合成分のないL−乳酸またはD
−乳酸の完全ホモポリマーでは、60J/g以上であ
り、これら2種の乳酸の共重合体ではその組成比により
結晶融解熱量ΔHmは変化する。
するその時のシートの結晶化度に関係する指標であり、
結晶化熱量ΔHcが大きいときには、昇温過程でシート
の結晶化が進行する。すなわち重合体が有する結晶性を
基準にシートの結晶化度が相対的に低かったことを表
す。逆に、結晶化熱量ΔHcが小さい時は、重合体が有
する結晶性を基準にシートの結晶化度が相対的に高かっ
たことを表す。
つの方向は、結晶性が高い重合体を原料に、結晶化度の
比較的高いシートをつくることであり、シートの結晶化
度は、重合体の組成に少なからず依存する。
0J/g以上にするには、L−乳酸とD−乳酸の組成比
が100:0〜94:6の範囲内または0:100〜
6:94の範囲内にするとよい。
には、すなわちシートの結晶化度を高めるためにはシー
トの成形加工条件を選定する必要がある。成形加工工
程、特にテンター法2軸延伸においてシートの結晶化度
を上げるためには、延伸倍率を上げ配向結晶化を促進す
る、あるいは、延伸後に結晶化温度以上の雰囲気で熱処
理するなどが有用である。なお、面配向度ΔPが大きい
ほど結晶化温度が低下する傾向があるので、本発明の場
合には、熱処理を70℃以上、好ましくは90℃〜17
0℃の範囲で3秒以上行うとよい。熱処理温度が高いほ
ど、また熱処理時間が長いほど熱寸法安定性は向上す
る。
れたポリ乳酸系シートを熱成形して、成形体を得る。熱
成形に適したシートの厚みは、特に限定されるものでは
ないが、用途上からは0.05mm〜2mmが好ましく
使用される。
るあらゆる既知の方法、例えば、真空成形、圧空成形、
真空圧空成形、雄雌型成形、プラグアシスト真空成形、
CD(Cuspation Dilation:先端拡
張)成形等から任意に採用することができる。
なる傾向にあるので、細部やコーナー部が複雑な形状な
成形品を得るには、シートに大きな力をかけることがで
きる圧空成形、真空圧空成形、プラグアシスト真空成形
等が好ましく採用される。
1.5〜20Kg/cm2の範囲が適当である。かかる範囲
を下回る場合には、型の形状にもよるが、細部やコーナ
ー部まで十分成形できないことがあり、逆に上回る場合
には、シートが成形され金型表面に到達する前に、空気
圧によってシートが破断することが多くなる。
ートの温度を60〜175℃、より好ましくは145〜
170℃の温度範囲とする。金型温度はポリ乳酸のガラ
ス転移温度である60℃以下が好ましい。
されるものではない。実施例中に示す測定値は次に示す
ような条件で測定を行い、算出した。
γ)を測定し、次式で算出した。
(α<β<γ) γ:フィルム面内の最大屈折率 β:それに直交するフィルム面内方向の屈折率 α:フィルム厚さ方向の屈折率 (2)ΔHm−ΔHcおよび(ΔHm−ΔHc)/ΔH
m パ−キンエルマ−製DSC−7を用い、フィルムサンプ
ル10mgをJIS−K7122に基づいて、昇温速度
10℃/分で昇温したときのサ−モグラムから結晶融解
熱量ΔHmと結晶化熱量ΔHcを求め、算出した。
島津製作所製)を用いて耐衝撃性を測定した。100m
m×100mmに切り出したサンプルの中央に錘を落し
て衝撃を与え、試料が破壊する時の破壊エネルギーを読
みとった。測定温度は23℃、落垂の落下速度は3m/
秒である。破断時の最大荷重およびエネルギーが低いほ
ど耐衝撃性に劣り脆い。
恒温恒湿槽に放置した後、成形体の白化と変形の度合い
とを目視で判定した。×は使用に耐えないレベルであ
り、△は×より良いが実用レベルを満たしていない、○
は実用レベル以上である。
比がおよそ98:2で、ガラス転移点58℃、融点17
5℃、重量平均分子量18万のポリ乳酸を90mmφ単
軸エクストルーダーを用い、200℃で押し出し、幅3
00mm、厚み1.875mmのシートを作製した。
2.5倍にロール延伸し、次いで、テンター内で幅方向
に70℃で2.5倍に延伸した。引き続きテンター内で
160℃、25秒間熱処理して、厚み300μmのポリ
乳酸系シートを作成した。各製造条件を表1にまとめ
た。
つ、表1に示した条件でポリ乳酸系シートを作成した。
で、かつ、表1に示した条件でポリ乳酸系シートを作成
した。
HmおよびΔHcを上述の方法で測定して、ΔP、(H
m−ΔHc)および{(ΔHm−ΔHc)/ΔHm}を
得た。また、上記ポリ乳酸系シートからアルミニウム製
のカップ状金型を用いて、圧空成形機より、カップ形状
の成形体を製造した。得られた成形体を用いて、耐衝撃
性および耐湿熱性の測定を行った。それらの結果を表1
に示す。尚、耐衝撃性および耐湿熱性の結果を合わせて
総合評価を行った。評価は×は使用に耐えないレベル、
○は実用レベル以上とした。
1,2は耐衝撃性および耐湿熱性に優れている。一方、
比較例1は延伸が不十分であり面配向度ΔPが小さく、
耐衝撃性および耐湿熱性が改良されていない。比較例2
は熱処理を行っていないので結晶化度が不足しており、
耐衝撃性は改良されているがいまだ不十分であり、耐衝
撃性および耐湿熱性が改良されていない。
面配向度ΔPが大きくなり過ぎ、成形が不可能であっ
た。比較例4は面配向度ΔPおよび結晶化度が不足して
おり、耐衝撃性および耐湿熱性が改良されていない。比
較例5はD体の含有量が多いので、結晶性が劣ってお
り、耐湿熱性で成形体が変形を生じてしまった。
成形体は耐衝撃性、耐湿熱性に優れているので、ポリ乳
酸からなる成形体が広い分野で使用可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリ乳酸系重合体からなり、面配向度Δ
Pが3.0×10− 3〜30×10−3であり、シート
を昇温したときの結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化
により発生する結晶化熱量ΔHcとの差(ΔHm−ΔH
c)が20J/g以上かつ{(ΔHm−ΔHc)/ΔH
m}が0.75以上である配向ポリ乳酸系シートを熱成
形したことを特徴とするポリ乳酸系成形体。
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---|---|---|---|
JP17324695A JP3217240B2 (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | ポリ乳酸系成形体 |
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ID=15956879
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