JPH09250889A - ヒートパイプ用コネクタおよびそのコネクタを用いたノートブック型パソコンの冷却構造 - Google Patents

ヒートパイプ用コネクタおよびそのコネクタを用いたノートブック型パソコンの冷却構造

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JPH09250889A
JPH09250889A JP15908896A JP15908896A JPH09250889A JP H09250889 A JPH09250889 A JP H09250889A JP 15908896 A JP15908896 A JP 15908896A JP 15908896 A JP15908896 A JP 15908896A JP H09250889 A JPH09250889 A JP H09250889A
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heat
heat pipe
personal computer
pipes
connector
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Application number
JP15908896A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Goto
和彦 後藤
Koichi Masuko
耕一 益子
Yuji Saito
祐士 斎藤
Niyuuen Tan
ニューエン タン
Masataka Mochizuki
正孝 望月
Hitoshi Hasegawa
仁 長谷川
Katsuo Eguchi
勝夫 江口
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートパイプ同士における熱伝達性のよいヒ
ートパイプ用コネクタを提供する。 【解決手段】 少なくとも2本のヒートパイプ23,2
4の端部同士を密着させて保持するよう、これらのヒー
トパイプ23,24の外周部を覆う熱伝導率の高い部材
からなる保持体22と、その保持体22の外周部を断熱
被覆する断熱部材35とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数本のヒート
パイプを熱授受可能に連結・保持するヒートパイプ用コ
ネクタと、そのヒートパイプ用コネクタを利用して演算
処理装置を冷却するノートブック型パソコンの冷却構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、ノートブックタイプやサブノート
ブックタイプのいわゆる携帯型パソコンの普及が著し
い。また一方で、多機能化や処理速度の向上に伴って演
算処理装置など素子の出力増加が年々進められている。
そのため、これらの発熱素子に対する冷却装置の能力の
向上が要望されている。そこで従来では、一例として熱
輸送力に優れるヒートパイプが採用されている。より具
体的には、発熱源となる演算処理装置などの素子にヒー
トパイプの一端部を配設させ、その他端部をディスプレ
イに内設されたノイズ遮蔽用のアルミ薄板に熱伝達可能
に配設する。
【0003】したがって、パソコンの使用に伴って演算
処理装置などの素子から熱が生じると、ヒートパイプの
コンテナ内部に封入された液相の作動流体が加熱されて
蒸発する。その作動流体蒸気は、内部圧力の低い他端
部、すなわちアルミ薄板に配設した端部に向けて流動す
るとともに、そこで熱を奪われて凝縮する。この熱は、
アルミ薄板からディスプレイに伝達され、そこから外部
に放散される。なお、液相に戻った作動流体は、重力や
ウィックによってコンテナのうちの演算処理装置などの
素子に配設された端部に向けて還流し、再度、加熱され
て蒸気となる。その結果、演算処理装置などの素子が冷
却され、その過熱が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ノートブッ
ク型パソコンでは、携帯性を主要目的とするものである
から、小型化・軽量化が強く望まれている。したがっ
て、パソコンケースの内部空間においてヒートパイプが
占有し得るスペースも極めて限定されており、また、ヒ
ートパイプの凝縮部の配設箇所に関しても前述したアル
ミ薄板などの数箇所に制約されている。また、通常で
は、そのアルミ薄板を備えたディスプレイは、自在に開
閉(起立・傾倒)するようにヒンジ等を介してパソコン
ケースに取り付けられているなどの理由から、上記従来
の冷却装置では、1本の長尺なヒートパイプによって演
算処理装置とアルミ薄板とを連結することは困難であ
り、すなわち、複数本のヒートパイプを接続させた構成
とする必要がある。
【0005】その場合、高度の冷却能力を得るために
は、当然、ヒートパイプ同士の接続箇所における熱抵抗
が可及的に小さくなるよう構成する必要がある。しかし
ながら、これらの条件を満足し得るヒートパイプ用のコ
ネクタが開発されていないのが実情である。
【0006】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、ヒートパイプ同士の熱交換効率に優れるヒートパ
イプ用コネクタおよび冷却能力に優れたノートブック型
パソコンの冷却構造を提供することを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、少なくとも2
本のヒートパイプの端部同士を密着させて保持するよ
う、これらのヒートパイプの外周部を覆う熱伝導率の高
い部材からなる保持体と、その保持体の外周部を覆う断
熱部材とを備えていることを特徴とするものである。
【0008】したがって、請求項1に記載された発明に
よれば、保持体によって複数本のヒートパイプ同士が良
好に接触した状態に保持されているから、ヒートパイプ
同士の熱交換面積が大きく確保される。また、保持体の
表面からの放熱が断熱部材によって阻止されているた
め、ヒートパイプから他のヒートパイプへの熱伝達が効
率よく行われる。
【0009】また、請求項2に記載した発明は、前記少
なくとも2本のヒートパイプのうちのいずれかのヒート
パイプを、その中心軸線に沿って回動可能に保持するこ
とを特徴とするものである。
【0010】したがって、請求項2の発明によれば、回
動可能に保持したヒートパイプを可動部材に配設させる
ことができる。
【0011】さらに、請求項3に記載した発明は、パソ
コン本体の内部に発熱源となる演算処理装置が設置され
るとともに、前記パソコン本体に回動機構を介して開閉
自在な開閉部材が備えられた構成のノートブック型パソ
コンの冷却構造において、少なくとも2本のヒートパイ
プの端部同士を密着・保持し、これらのヒートパイプの
外周部を覆う熱伝導率の高い部材からなる保持体と、そ
の保持体の外周部を断熱被覆する断熱部材とを備え、か
つ少なくとも1本のヒートパイプをその中心軸線に沿っ
て回動可能に保持する構成のヒートパイプ用コネクタを
前記パソコン本体に設けるとともに、回動可能に保持さ
れたヒートパイプの他端部を、前記回動機構の中心軸線
と同一軸線上に配設し、かつ他のヒートパイプの他端部
を、前記演算処理装置に熱授受可能に配設することを特
徴とするものである。
【0012】請求項3の発明においても、パソコン本体
の使用に伴って演算処理装置から発熱する。その熱は、
演算処理装置に配設されたヒートパイプの一端部に伝達
され、コンテナの内部に封入された液相作動流体が加熱
されて蒸発する。その作動流体蒸気は、温度と内部圧力
が共に低い他端部、すなわちヒートパイプ用コネクタに
保持された端部に向けて流動し、そこで熱を奪われて凝
縮する。その端部は、上記の通り、回動可能に保持され
た他のヒートパイプの一端部と密着しているから、演算
処理装置に配設されたヒートパイプから回動可能に保持
されたヒートパイプに演算処理装置の熱が伝達される。
【0013】なお、その場合、各ヒートパイプの端部同
士の外周部が保持体によって一体にカバーされて熱交換
面積が大きく、しかも保持体の表面からの放熱が断熱部
材によって阻止されているから、ヒートパイプ同士の熱
授受が効率よく行われる。なお、演算処理装置に配設さ
れたヒートパイプのヒートパイプ用コネクタに保持され
た端部内において、放熱して液相に戻った作動流体は、
重力あるいはウィックによって演算処理装置側の端部に
還流する。
【0014】他方、演算処理装置に配設されたヒートパ
イプおよび保持体から伝達される演算処理装置の熱によ
って、ヒートパイプ用コネクタに回動可能に保持された
ヒートパイプの液相作動流体が蒸発する。その作動流体
蒸気は、コンテナのうち回動機構の中心軸線と同一軸線
上に配設された端部に向けて流動し、そこで熱を奪われ
て凝縮する。すなわち、演算処理装置の熱がヒートパイ
プ用コネクタを介して演算処理装置に配設されたヒート
パイプから回動可能に保持された他のヒートパイプまで
輸送される。その結果、演算処理装置が冷却される。
【0015】また、この発明では、一端部が回動機構の
中心軸線と同一軸線上に配設されたヒートパイプは、そ
の中心軸線に沿って回動可能とされているから、例えば
ディスプレイあるいはキーボード等の開閉部材を何等支
障なく回動(開閉)させることができる。
【0016】請求項4に記載した発明は、少なくとも2
本のヒートパイプの端部同士を密着させて保持するよ
う、これらのヒートパイプの外周部を覆う熱伝導率の高
い部材からなる保持体と、その保持体の外周部を覆って
締め付ける断熱部材とを備えていることを特徴とするも
のである。
【0017】したがって、請求項4の発明によれば、保
持体が断熱部材によって締め付けられているので、複数
本のヒートパイプ同士のみならず保持体と各ヒートパイ
プとが良好に接触する。そのため、ヒートパイプ同士の
熱交換面積が大きく確保され、また、保持体の表面から
の放熱が断熱部材によって阻止されているため、ヒート
パイプから他のヒートパイプへの熱伝達が効率よく行わ
れる。
【0018】また、請求項5に記載の発明は、少なくと
も2本のヒートパイプのうちのいずれかのヒートパイプ
を、その中心軸線に沿って回動可能に保持することを特
徴とするものである。
【0019】したがって、請求項5の発明によれば、回
動可能に保持したヒートパイプを可動部材に配設させる
ことができる。
【0020】請求項6に記載した発明は、パソコン本体
の内部に発熱源となる演算処理装置が設置されるととも
に、前記パソコン本体に回動機構を介して開閉自在な開
閉部材が備えられた構成のノートブック型パソコンの冷
却構造において、少なくとも2本のヒートパイプの端部
同士を密着・保持し、これらのヒートパイプの外周部を
覆う熱伝導率の高い部材からなる保持体と、その保持体
の外周部を覆って締め付ける断熱部材とを備え、かつ少
なくとも1本のヒートパイプをその中心軸線に沿って回
動可能に保持する構成のヒートパイプ用コネクタを前記
パソコン本体に設けるとともに、回動可能に保持された
ヒートパイプの他端部を、前記回動機構の中心軸線と同
一軸線上に配設し、かつ他のヒートパイプの他端部を、
前記演算処理装置に熱授受可能に配設することを特徴と
するものである。
【0021】請求項6に記載の発明においても、パソコ
ン本体の使用に伴って演算処理装置から発熱する。その
熱は、演算処理装置に配設されたヒートパイプの一端部
に伝達され、コンテナの内部に封入された液相作動流体
が加熱されて蒸発する。その作動流体蒸気は、温度と内
部圧力が共に低い他端部、すなわちヒートパイプ用コネ
クタに保持された端部に向けて流動し、そこで熱を奪わ
れて凝縮する。その端部は、上記の通り、回動可能に保
持された他のヒートパイプの一端部と密着しているか
ら、演算処理装置に配設されたヒートパイプから回動可
能に保持されたヒートパイプに演算処理装置の熱が伝達
される。
【0022】なお、その場合、各ヒートパイプの端部同
士の外周部が保持体によって一体にカバーされて熱交換
面積が大きく、しかも保持体の表面からの放熱が断熱部
材によって阻止されているから、ヒートパイプ同士の熱
授受が効率よく行われる。なお、演算処理装置に配設さ
れたヒートパイプのヒートパイプ用コネクタに保持され
た端部内において、放熱して液相に戻った作動流体は、
重力あるいはウィックによって演算処理装置側の端部に
還流する。
【0023】他方、演算処理装置に配設されたヒートパ
イプおよび保持体から伝達される演算処理装置の熱によ
って、ヒートパイプ用コネクタに回動可能に保持された
ヒートパイプの液相作動流体が蒸発する。その作動流体
蒸気は、コンテナのうち回動機構の中心軸線と同一軸線
上に配設された端部に向けて流動し、そこで熱を奪われ
て凝縮する。すなわち、演算処理装置の熱がヒートパイ
プ用コネクタを介して演算処理装置に配設されたヒート
パイプから回動可能に保持された他のヒートパイプまで
輸送される。その結果、演算処理装置が冷却される。
【0024】また、この発明では、一端部が回動機構の
中心軸線と同一軸線上に配設されたヒートパイプは、そ
の中心軸線に沿って回動可能とされているから、例えば
ディスプレイあるいはキーボード等の開閉部材を何等支
障なく回動(開閉)させることができる。なお、断熱部
材による保持体に対する締め付け力を調整すれば、回動
可能なヒートパイプに対する保持体による締め付け具合
が加減されるため、ヒートパイプの回動動作に伴う摺動
抵抗が微調整される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体例を参照し
て説明する。図1および図2は、この発明にかかるコネ
クタを示す概略図であり、図3はそのコネクタを用いた
ノートブック型パソコンの冷却構造を示す概略図であ
る。図1および図2に示すように、断熱部材に相当する
クランプ部21は、後述のスリーブに倣ったほぼ円柱状
の挟持部21aと、その下側に繋がるスリット部21b
とを備えた断面変形U字状をなすものであり、一例とし
て熱絶縁性の高いプラスチックからなっている。
【0026】前記挟持部21aには、例えば銅などの熱
伝導性に優れる金属からなる変形円筒状のスリーブ22
が嵌合している。このスリーブ22には、その両端面に
まで貫通するように、図1および図2での上下方向に並
列し、かつ内径のほぼ等しい2個の円孔22aが形成さ
れている。なお、これらの円孔22aは、それぞれ直線
状を成している。またスリーブ22には、その外周面の
一部から各円孔22a同士の間に繋がる直線状のスリッ
ト22bが形成されている。
【0027】そして、図1での下側に位置する円孔22
aには、第一ヒートパイプ23が同図での左側から挿入
されている。これに対して、上側に位置する円孔22a
には、第二ヒートパイプ24の一端部が右側から挿入さ
れている。なお、各ヒートパイプ23,24の先端部
は、クランプ部21から突出しないようにその縁部より
も内側に配設されている。ここで、前記スリーブ22
は、両ヒートパイプ23,24の保持体に相当する。
【0028】したがって、第一ヒートパイプ23と第二
ヒートパイプ24は、コンテナの側面同士を互いに密着
させた状態で、それぞれが中心軸線に沿って回動し得る
ようにスリーブ22に保持されている。なお、ヒートパ
イプとしては、例えば円形断面で、かつ硬質クロムメッ
キされた銅製のコンテナに純水を作動流体として封入し
たものを採用できる。
【0029】またクランプ部21には、前記スリット部
21bを貫通し、かつ長さ方向での径寸法が異なる孔2
1cが3箇所に亘り形成されている。これらの孔21c
には、ボルト26が図2での左側から圧縮ワッシャ25
を介してそれぞれ挿入されており、各ボルト26はナッ
ト27に対して圧縮ワッシャ28を介して締結されてい
る。したがって、ボルト26を締め付ければ、スリット
21bの間隔が狭められるとともに、挟持部21aの内
径寸法が小さくなる。すると、スリット22bの間隔が
狭くなり、スリーブ22が半径方向に圧縮される。その
結果、両ヒートパイプ23,24の外周部が各円孔22
aの内周面によって締め付けられる。
【0030】これに対して、ボルト26を緩めれば、撓
んだスリーブ22が復元するため、両ヒートパイプ2
3,24に対する締め付け力が軽減される。すなわち、
スリーブ22による両ヒートパイプ23,24の締め付
け具合、換言すれば、両ヒートパイプ23,24の回動
動作に伴う摺動抵抗をボルト26によって微調整するこ
とができる。
【0031】そして、上記構成のコネクタ20は、図3
に示すように、パソコン本体29の内部に配置されてい
る。ここで、パソコン本体29は従来知られたものと同
様であり、回動軸(図示せず)を中心として所定の範囲
内で自在に回動するキーボード部(図示せず)およびデ
ィスプレイ部30を備えた構成である。また、ディスプ
レイ部30には、アルミ薄板製の電磁シールド板31が
内蔵されている。また、パソコン本体29の底部側には
CPU32が設置されており、さらにCPU32の上面
には、伝熱部材としてのアルミ板33が設けられてい
る。
【0032】前記コネクタ20は、スリーブ22を上側
に向けた状態で、ディスプレイ部30が備えられる側の
パソコン本体29の壁板に沿って設置され、適宜の手段
によってパソコン本体29に固着されている。また、第
二ヒートパイプ24のうちスリーブ22に保持された箇
所が回動軸の同一軸線上となるように配設されている。
【0033】他方、第二ヒートパイプ24のコネクタ2
0に保持されていない側の端部は、ほぼ直角に折り曲げ
れるとともに、電磁シールド板31に沿わされて熱授受
可能に取り付けられている。したがって、ディスプレイ
部30が起立・傾倒動作に伴って、スリーブ22の円孔
22a内で第二ヒートパイプ24が中心軸線に沿って回
動する構成となっている。
【0034】これに対して、第一ヒートパイプ23のコ
ネクタ20に保持されていない側の端部は、数箇所が適
宜折り曲げられた状態でアルミ板33の上面に熱伝達可
能に沿わされており、図示しない適宜の手段によって固
着されている。したがって、CPU32と第一ヒートパ
イプ23とは、熱伝達可能に連結されている。
【0035】つぎに、上記のように構成されたノートブ
ック型パソコン冷却構造の作用について説明する。上記
したノートブック型パソコンにおいても使用に伴ってC
PU32から熱が生じる。なお、その際にはディスプレ
イ部30は、通常、パソコン本体29から起立した状態
になっている。CPU32から放出された熱は、アルミ
板33を介して第一ヒートパイプ23の一端部に伝達さ
れる。
【0036】この時点で第一ヒートパイプ23の両端部
において温度差が生じるため、自動的に動作が開始され
る。すなわち、コンテナ内部に封入された液相作動流体
が加熱されて蒸発し、その蒸気はコンテナのうちの内部
圧力の低い他端部、すなわちコネクタ20に保持された
端部に向けて流動し、そこでスリーブ22および第二ヒ
ートパイプ24のコンテナに熱を奪われて凝縮する。
【0037】換言すれば、第一ヒートパイプ23から放
出された熱は、スリーブ22および第二ヒートパイプ2
4に伝達される。その場合、コンテナの側面同士が直接
接触し、またスリーブ22によって覆われていることか
ら、両ヒートパイプ23,24の熱交換面積が大きく、
また、スリーブ22がクランプ部21によって断熱被覆
されているため、第一ヒートパイプ23から第二ヒート
パイプ24に良好に熱が伝達される。なお、放熱して液
化した第一ヒートパイプ23の作動流体は、重力などに
よってCPU32側に配設された端部に向けて還流し、
アルミ板33を介して伝達されるCPU32の熱によっ
て再度加熱される。
【0038】他方、第一ヒートパイプ23から熱が伝達
されると、第二ヒートパイプ24が動作を開始する。そ
の場合、上記の通り、電磁シールド板31が起立状態に
あるから、第二ヒートパイプ24としては凝縮部に対し
て蒸発部が下方に位置したボトムヒートモードで動作す
る。より具体的には、コンテナのうちコネクタ20に保
持された端部の内面において作動流体蒸気が発生し、そ
の蒸気は内部圧力が低くしかも高い位置にある他端部、
すなわちディスプレイ部30の電磁シールド板31側に
配設された端部に向けて流動する。
【0039】そして、電磁シールド板31に熱を奪われ
て凝縮する。その熱は、電磁シールド板31からディス
プレイ部30に伝達され、そこから外部に放散される。
なお、放熱して液相に戻った作動流体は、コンテナの内
壁面を伝わって速やかに流下し、コンテナのうちコネク
タ20に保持されている箇所の内面においてスリーブ2
2および第一ヒートパイプ23を介して伝達されるCP
U32の熱によって再度蒸発する。以降同様のサイクル
が継続され、その結果、CPU32が適度に冷却され
る。
【0040】このように、第一ヒートパイプ23の凝縮
部と第二ヒートパイプ24の蒸発部との熱交換面積が大
きく、しかも、スリーブ22がクランプ部21によって
断熱被覆されているために、第一ヒートパイプ23と第
二ヒートパイプ24との熱交換が効率よく行われ、その
結果、CPU32に対する冷却能力を従来よりも大幅に
向上させることができる。また、コネクタ20によって
回動自在に保持された第二ヒートパイプ24を回動軸の
中心軸線と同一軸線上に設けたので、ディスプレイ部3
0の起立・傾倒動作を何等支障なく行うことができる。
【0041】なお、上記の具体例では、第二ヒートパイ
プ24をディスプレイ部30側の電磁シールド板31に
配設する構成を例示したが、この発明は上記実施例に限
定されるものではなく、キーボード部に備えられる電磁
シールド板に第二ヒートパイプを配設した構成としても
よい。また、ヒートパイプの本数は2本に限定されず、
適当な本数を用いることができる。
【0042】つぎに、図4および図5にコネクタの他の
例を図示する。ここに示すコネクタ20は、図4での上
側に位置する円孔22aがスリーブ22の図での左側の
端面まで貫通していない。また同様に、下方に位置する
円孔22aは、スリーブ22の図での右側の端面まで貫
通していない。すなわち、スリーブ22が、各ヒートパ
イプ23,24の各先端側の端面が閉じた構成となって
いる。
【0043】他方、スリーブ22の各端面と各円孔22
aの内端面との間で、各円孔22aの内周面と両ヒート
パイプ23,24の外周面との間には、ゴム製のOリン
グ34がそれぞれ設けられている。したがって、Oリン
グ34はスリーブ22の端部ごとに1個づづ設けられて
いる。なお、Oリング34は、各円孔22aと各ヒート
パイプ23,24との隙間に、空気が侵入することを防
止するために備えられるものである。また、このスリー
ブ22には、スリット22bが設けられていないが、上
下に並列される円孔22a同士は、内周面の底部と内周
面の上部において互いに連通している。それ以外の構成
は上記具体例のコネクタとほぼ同じとされている。
【0044】したがって、上記のように構成されたコネ
クタ20においても、両ヒートパイプ23,24の端部
同士の熱交換面積が大きく確保され、しかも、スリーブ
22がクランプ部21によって断熱被覆されているた
め、第一ヒートパイプ23から第二ヒートパイプ24へ
の熱伝達が良好に行われる。
【0045】また、上記具体例と同様にボルト26を締
め付ければ、スリット21bの間隔が狭くなる一方、挟
持部21aの内径が小さくなり、スリーブ22が半径方
向に圧縮するとともに、各Oリング34が半径方向に変
形する。これにより、各ヒートパイプ23,24の外周
面と円孔22aの内周面との隙間が狭くなる。換言すれ
ば、各ヒートパイプ23,24が円孔22aによって締
め付けられ、その結果、回動動作に伴う摺動抵抗が大き
くなる。なお、その場合、各Oリング34が弾性変形す
るために、各ヒートパイプ23,24のコンテナが半径
方向に変形することがない。
【0046】これに対して、ボルト26を緩めれば、撓
んだスリーブ22が半径方向に復元して、両ヒートパイ
プ23,24に対する締め付け力が軽減される。その場
合、撓んだ各Oリング34が復元するため、各円孔22
aと各ヒートパイプ23,24との隙間への熱抵抗とな
る空気の侵入が防止される。
【0047】つぎに、図6および図7を参照してコネク
タの更に他の例を説明する。ここに示す例は、断熱部材
がスリーブ22に対して締め付ける機能を持たない例で
ある。ある程度の肉厚を有する矩形筒状体を成すカバー
35には、角柱状のスリーブ22が嵌合している。すな
わち、この具体例では上記クランプ部21に替えてカバ
ー35が用いられている。スリーブ22には、図6およ
び図7での上下方向に連通して並列し、かつ内径のほぼ
等しい2個の円孔22aが形成されている。これらの円
孔22aは共にスリーブ22の両端面にまで貫通してい
る。
【0048】そして、図6での下側の円孔22aには、
第一ヒートパイプ23が左側から挿入されている。これ
に対して、上側の円孔22aには、第二ヒートパイプ2
4の一端部が右側から挿入されている。なお、この具体
例ではこれらのヒートパイプ23,24は、円孔22a
内でそれぞれ中心軸線に沿って回動するように保持され
ている。
【0049】したがって、上記構成のコネクタ20にお
いても、両ヒートパイプ23,24の端部同士の熱交換
面積が大きく確保される上に、スリーブ22がカバー3
5によって断熱被覆されているため、第一ヒートパイプ
23と第二ヒートパイプ24との熱伝達が良好に行われ
る。また、上記のコネクタ20では、ボルト26を導通
させるための孔21cやスリット21b等がカバー35
に設けられておらず、つまりカバー35の成形加工が容
易になる上に、ナット27や圧縮ワッシャ28等のパー
ツが不要とされるため、図1および図4に示した構成の
コネクタと比べてコストが安価になる利点を有する。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載された発明によれば、保持体によって複数本の
ヒートパイプ同士が良好に接触した状態に保持されてい
るから、ヒートパイプ同士の熱交換面積が大きく確保さ
れるとともに、保持体の表面からの放熱が断熱部材によ
って阻止されているため、ヒートパイプから他のヒート
パイプへの熱伝達が効率よく行われる。つまり、ヒート
パイプ同士における熱伝達性のよいヒートパイプ用コネ
クタを得ることができる。
【0051】また、請求項2に記載したように、いずれ
かのヒートパイプをその中心軸線に沿って回動可能に保
持すれば、そのヒートパイプを可動部材に配設すること
ができるなど、全体としてのレイアウトの自由度が向上
する。
【0052】請求項3に記載した発明によれば、ヒート
パイプから他のヒートパイプへの熱伝導が良好に行われ
るため、演算処理装置に対する冷却能力の向上を図るこ
とができる。
【0053】請求項4に記載した発明によれば、保持体
が断熱部材によって締め付けられているので、複数本の
ヒートパイプ同士のみならず保持体と各ヒートパイプと
が良好に接触し、そのためヒートパイプ同士の熱交換面
積が大きく確保され、また、保持体の表面からの放熱が
断熱部材によって阻止されているので、ヒートパイプか
ら他のヒートパイプへの熱伝達が効率よく行われる。
【0054】また、請求項5に記載したように、いずれ
かのヒートパイプをその中心軸線に沿って回動可能に保
持すれば、そのヒートパイプを可動部材に配設すること
ができるなど、全体としてのレイアウト性が向上する。
【0055】請求項6に記載した発明によれば、ヒート
パイプ同士における熱伝達性が高いから、演算処理装置
に対する冷却能力の向上を図ることができる。また、ヒ
ートパイプを回動可能に保持する保持体の外周部を断熱
部が締め付ける構成だから、ヒートパイプの回動動作に
伴う摺動抵抗を断熱部の締め付け力の加減によって微調
整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一ヒートパイプおよび第二ヒートパイプをコ
ネクタに装着した状態を示す概略図である。
【図2】図2は図1のII−II線に沿う断面図であ
る。
【図3】コネクタをパソコン本体に設置した状態を示す
概略図である。
【図4】コネクタの他の例を示す概略図である。
【図5】図5は図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】コネクタの更に他の例を示す概略図である。
【図7】図7は図6のVII−VII線に沿う断面図で
ある。
【符号の説明】
21…クランプ部、 22…スリーブ、 23…第一ヒ
ートパイプ、 24…第二ヒートパイプ、 32…CP
U、 35…カバー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 タン ニューエン 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 望月 正孝 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 長谷川 仁 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 江口 勝夫 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2本のヒートパイプの端部同
    士を密着させて保持するよう、これらのヒートパイプの
    外周部を覆う熱伝導率の高い部材からなる保持体と、そ
    の保持体の外周部を覆う断熱部材とを備えていることを
    特徴とするヒートパイプ用コネクタ。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも2本のヒートパイプのう
    ちのいずれかのヒートパイプを、その中心軸線に沿って
    回動可能に保持することを特徴とする請求項1に記載の
    ヒートパイプ用コネクタ。
  3. 【請求項3】 パソコン本体の内部に発熱源となる演算
    処理装置が設置されるとともに、前記パソコン本体に回
    動機構を介して開閉自在な開閉部材が備えられた構成の
    ノートブック型パソコンの冷却構造において、 少なくとも2本のヒートパイプの端部同士を密着・保持
    し、これらのヒートパイプの外周部を覆う熱伝導率の高
    い部材からなる保持体と、その保持体の外周部を断熱被
    覆する断熱部材とを備え、かつ少なくとも1本のヒート
    パイプをその中心軸線に沿って回動可能に保持する構成
    のヒートパイプ用コネクタを前記パソコン本体に設ける
    とともに、回動可能に保持されたヒートパイプの他端部
    を、前記回動機構の中心軸線と同一軸線上に配設し、か
    つ他のヒートパイプの他端部を、前記演算処理装置に熱
    授受可能に配設することを特徴とするノートブック型パ
    ソコンの冷却構造。
  4. 【請求項4】 少なくとも2本のヒートパイプの端部同
    士を密着させて保持するよう、これらのヒートパイプの
    外周部を覆う熱伝導率の高い部材からなる保持体と、そ
    の保持体の外周部を覆って締め付ける断熱部材とを備え
    ていることを特徴とするヒートパイプ用コネクタ。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも2本のヒートパイプのう
    ちのいずれかのヒートパイプを、その中心軸線に沿って
    回動可能に保持することを特徴とする請求項4に記載の
    ヒートパイプ用コネクタ。
  6. 【請求項6】 パソコン本体の内部に発熱源となる演算
    処理装置が設置されるとともに、前記パソコン本体に回
    動機構を介して開閉自在な開閉部材が備えられた構成の
    ノートブック型パソコンの冷却構造において、 少なくとも2本のヒートパイプの端部同士を密着・保持
    し、これらのヒートパイプの外周部を覆う熱伝導率の高
    い部材からなる保持体と、その保持体の外周部を覆って
    締め付ける断熱部材とを備え、かつ少なくとも1本のヒ
    ートパイプをその中心軸線に沿って回動可能に保持する
    構成のヒートパイプ用コネクタを前記パソコン本体に設
    けるとともに、回動可能に保持されたヒートパイプの他
    端部を、前記回動機構の中心軸線と同一軸線上に配設
    し、かつ他のヒートパイプの他端部を、前記演算処理装
    置に熱授受可能に配設することを特徴とするノートブッ
    ク型パソコンの冷却構造。
JP15908896A 1996-01-11 1996-05-30 ヒートパイプ用コネクタおよびそのコネクタを用いたノートブック型パソコンの冷却構造 Pending JPH09250889A (ja)

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JP2054496 1996-01-11
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008014529A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Furukawa Electric Co Ltd:The ヒートシンク用部品
JP2010028055A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Fuchigami Micro:Kk ヒートパイプ、電子機器
JP2015158196A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 ツインバード工業株式会社 熱交換器

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