JPH09235436A - 壁紙用塩素含有樹脂組成物 - Google Patents

壁紙用塩素含有樹脂組成物

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JPH09235436A
JPH09235436A JP8043154A JP4315496A JPH09235436A JP H09235436 A JPH09235436 A JP H09235436A JP 8043154 A JP8043154 A JP 8043154A JP 4315496 A JP4315496 A JP 4315496A JP H09235436 A JPH09235436 A JP H09235436A
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JP
Japan
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acid
pts
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chlorine
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Application number
JP8043154A
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English (en)
Inventor
Yoshio Iida
良男 飯田
Noriyuki Shimoyama
則之 下山
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低毒性で、セル荒れがなく、着色が小さく、
発泡性に優れ、しかもプレートアウト性の改良された壁
紙用塩素含有樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 本発明の壁紙用塩素含有樹脂組成物は、
塩素含有樹脂100重量部に、(イ)可塑剤30〜10
0重量部、(ロ)有機酸亜鉛0.01〜10重量部、
(ハ)カルシウムの過塩基性フェノレートまたはカルボ
キシレート/カーボネート錯体0.01〜10重量部、
(ニ)熱分解型有機発泡剤0.01〜10重量部を配合
してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁紙用塩素含有樹
脂組成物、詳しくは、塩素含有樹脂に、可塑剤、有機酸
亜鉛、カルシウムの過塩基性錯体および熱分解型有機発
泡剤を配合してなる、セル荒れがなく、着色が小さく、
プレートアウト性の改良された壁紙用塩素含有樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】住宅に
は、雨風・寒暖から身を守るに足るだけの機能面に加え
て、豊かな個人の生活の場を提供するための彩りが必要
である。住まいに彩りを添える意味での室内装飾におい
て、壁への装飾の比重は極めて高い。わが国において
は、古来より、しっくい壁、京壁等が主流を占めていた
が、戦後欧米風の量産型住宅が導入され、その建築方法
の変化に伴い、壁紙の利用が次第に増加してきた。壁紙
は施行が容易で、気分を代えたい時等には容易に張り替
えることも可能である。
【0003】壁紙としては、紙製、繊維製、プラスチッ
ク製等種々の素材があるが、これらの中でも、塩素含有
樹脂発泡体からなるビニル壁紙は、張りやすく、施行に
無理がきくこと、単価が安いこと、汚れても汚れを取り
やすい等の長所を有しており、そのシェアーは着実に伸
びている。
【0004】これらのビニル壁紙は、塩化ビニル樹脂に
発泡剤、可塑剤、安定剤等を添加してなるプラスチゾル
またはオルガノゾル等の液状物を紙や布等の裏打ち材上
にコーティングしてゲル化する方法、コンパウンドをカ
レンダー法等によって予めフィルム状に成型した後、裏
打ち材上に熱圧着する方法等によって原反を作成し、さ
らにこれにエンボス加工、プリント加工を施した後、加
熱発泡して得られるものである。しかし、その発泡工程
では、短時間に高温をかけて行なわれるため、着色した
り、セル荒れやプレートアウトが等の問題がある。
【0005】また、近年では環境あるいは人体への影響
を考えて、毒性のある重金属の使用が嫌われ、塩素含有
樹脂用の安定剤として知られる鉛系、カドミウム系の安
定剤を使用しない指向が強まり、さらにバリウム系安定
剤についてもその使用の回避がのぞまれている。
【0006】例えば、特開平1−311139号公報に
は、塩化ビニル系樹脂に、充填剤、可塑剤、バリウムの
過塩基性有機フェノレートまたはカルボキシレート錯体
および熱分解型有機発泡剤からなる塩化ビニル系発泡性
樹脂組成物が提案されているが、これは重金属であるバ
リウムを使用し、性能面でも未だ不十分である。
【0007】従って、本発明の目的は、低毒性で、セル
荒れがなく、着色が小さく、発泡性に優れ、しかもプレ
ートアウト性の改良された壁紙用塩素含有樹脂組成物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討
を重ねた結果、塩素含有樹脂に、可塑剤、有機酸亜鉛、
特定のカルシウムの過塩基性錯体および熱分解型有機発
泡剤を組み合わせて用いることにより、上記目的を達成
し得ることを知見した。
【0009】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、塩素含有樹脂100重量部に、(イ)可塑剤30〜
100重量部、(ロ)有機酸亜鉛0.01〜10重量
部、(ハ)カルシウムの過塩基性フェノレートまたはカ
ルボキシレート/カーボネート錯体0.01〜10重量
部、(ニ)熱分解型有機発泡剤0.01〜10重量部を
配合してなる壁紙用塩素含有樹脂組成物を提供するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の壁紙用塩素含有樹
脂組成物について詳述する。
【0011】本発明の組成物に使用される(イ)成分で
ある可塑剤としては、塩素含有樹脂に用いられる通常の
可塑剤ならば特に制限されるものではなく、例えば、フ
タル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フ
タル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチ
ル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、
フタル酸ジC7 〜C9 混合アルキル、フタル酸ブチルベ
ンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタ
ル酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘ
キシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル等の脂肪酸エステル系可塑剤、リン酸トリブ
チル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリク
レジル、リン酸トリキシリル等のリン酸エステル系可塑
剤、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル等の塩素
系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、
トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビ
フェニレンポリカルボン酸系可塑剤等があげられ、これ
らの一種又は二種以上を混合して使用することができ
る。
【0012】上記可塑剤の配合量は、塩素含有樹脂10
0重量部に対して、30〜100重量部、好ましくは5
0〜80重量部である。この範囲で用途に応じて適宜使
用することで良好な発泡体を得ることができる。
【0013】本発明の組成物に使用される(ロ)成分で
ある有機酸亜鉛を構成する有機酸としては、カルボン
酸、フェノール類、有機リン酸類があげられる。
【0014】上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバリン酸、カプロン
酸、2,2−ジメチルブタン酸、エナント酸、2,2−
ジメチルペンタン酸、2−エチル−2−メチルブタン
酸、カプリル酸、2−エチル−2−メチルヘプタン酸、
2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、
2,2−ジメチルオクタン酸、ウンデカン酸、2,2−
ジメチルノナン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタ
ン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オ
クチルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、モノクロル
安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキ
シ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安
息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香
酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アセトキシ安息
香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸等の一
価カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコ
ン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジ
プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、オキシフタル酸、クロルフタル酸等の二価のカルボ
ン酸あるいはこれらのモノエステル又はモノアマイド化
合物、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン
酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、
ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はト
リエステル化合物があげられる。
【0015】また、上記フェノール類としては、例え
ば、フェノール、クレゾール、キシレノール、メチルプ
ロピルフェノール、メチル第三オクチルフェノール、エ
チルフェノール、イソプロピルフェノール、第三ブチル
フェノール、n−ブチルフェノール、ジイソブチルフェ
ノール、イソアミルフェノール、ジアミルフェノール、
イソヘキシルフェノール、オクチルフェノール、イソオ
クチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第
三オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフ
ェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、
ドデシルフェノール、オクタデシルフェノール、シクロ
ヘキシルフェノール、フェニルフェノール等があげられ
る。
【0016】また、上記有機リン酸類としては、例え
ば、モノまたはジ−オクチル、−デシル、−ドデシル、
−トリデシル、−テトラデシル、−ヘキサデシル、−オ
クタデシル、−フェニル、−トリル、−キシリル、−オ
クチルフェニル、−ノニルフェニル、リン酸、ピロリン
酸、亜リン酸等があげられる。
【0017】上記有機酸亜鉛は、酸性塩、中性塩、塩基
性塩あるいは塩基性塩の塩基の一部または全部を炭酸で
中和した過塩基性錯体であってもよいが、特に、下記
〔化3〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表さ
れる塩基性カルボン酸亜鉛を使用することで、よりセル
状態の良好な発泡体が得られるため好ましい。
【0018】
【化3】
【0019】上記一般式(I)中、Rを与えることので
きるカルボン酸としては、前記で例示したカルボン酸
(有機酸亜鉛を構成する有機酸としてのカルボン酸とし
て例示したもの)等があげられる。
【0020】また、上記有機酸亜鉛の中でも、特に、下
記〔化4〕(前記〔化2〕と同じ)の一般式(II)で表
されるカルボン酸を酸根とする有機酸亜鉛、とりわけ塩
基性のカルボン酸亜鉛がプレートアウト性に優れるため
特に好ましい。
【0021】
【化4】
【0022】上記一般式(II)中、R1 、R2 およびR
3 で示される炭素原子数1〜10のアルキル基として
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等の基が
あげられ、特にアルキル基の炭素原子数の総和が18を
越えないものが好ましい。
【0023】上記一般式(II)で表されるカルボン酸を
さらに具体的に例示すると、例えば、ピバリン酸、2,
2−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、
2,2−ジメチルオクタン酸、2,2−ジメチルノナン
酸、2−エチル−2−メチルブタン酸、2−エチル−2
−メチルヘプタン酸等の分岐カルボン酸およびこれらを
主成分とする市販品のネオペンタン酸、ネオヘプタン
酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、ネオ酸910〔以
上、エクソン化学(株)製〕;バーサティック10、バ
ーサティック911H〔以上、シェル化学(株)製〕等
があげられる。
【0024】上記有機酸亜鉛の配合量は、塩素含有樹脂
100重量部に対して、0.01〜10重量部、好まし
くは0.05〜5重量部である。該有機酸亜鉛の配合量
が0.01重量部未満であると安定化効果が不十分であ
り、10重量部を超えると発泡セル荒れを生じるおそれ
がある。
【0025】本発明の組成物に使用される(ハ)成分で
あるカルシウムの過塩基性フェノレートまたはカルボキ
シレート/カーボネート錯体は、下記〔化5〕の一般式
(III)で表される化合物である。
【0026】
【化5】
【0027】ここで、yは0より大きい数であれば特に
制限を受けないが、一般には0.1〜60、特に0.5
〜30であることが好ましい。また、R’で示されるカ
ルボン酸の残基としては、例えば、カプロン酸、カプリ
ル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン
酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリ
ン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、クロロステアリ
ン酸、12−ケトステアリン酸、フェニルステアリン
酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイ
ン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸
および類似酸ならびに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油
脂肪酸、大豆油脂肪酸及び綿実油脂肪酸等の天然に産出
する上記の酸の混合物、安息香酸、p−t−ブチル安息
香酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイ
ル酸、キシリル酸、ナフテン酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸等の一価カルボン酸の残基があげられ、フェノール
類の残基としては、フェノール、クレゾール、キシレノ
ール、メチルプロピルフェノール、メチル第三オクチル
フェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノー
ル、第三ブチルフェノール、n−ブチルフェノール、ジ
イソブチルフェノール、イソアミルフェノール、ジアミ
ルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクチルフェ
ノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシル
フェノール、第三オクチルフェノール、ノニルフェノー
ル、ジノニルフェノール、第三ノニルフェノール、デシ
ルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデシルフェ
ノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノー
ル等のフェノール類の残基があげられる。
【0028】上記のカルシウムの過塩基性フェノレート
またはカルボキシレート/カーボネート錯体は、上述の
如く、模式的には上記一般式 (III)で表される化合物で
はあるが、フェノール類またはカルボン酸のカルシウム
正塩と炭酸カルシウムとの単純な混合物とは全く異な
り、これらが何らかのインタラクションにより錯体とな
っているものであり、高いカルシウム含有量を有しなが
ら、有機溶媒中で均一な液状を示すという特徴を有して
いる。
【0029】そして、上記のカルシウムの過塩基性フェ
ノレートまたはカルボキシレート/カーボネート錯体
は、このような錯体を形成しているが故に、単なる混合
物では到底達成できない優れた安定化効果を奏するもの
である。
【0030】上記のカルシウムの過塩基性フェノレート
またはカルボキシレート/カーボネート錯体は、例え
ば、上記フェノール類または上記カルボン酸と化学量論
的に過剰の炭酸カルシウムとを反応させる方法、上記フ
ェノール類または上記カルボン酸と化学量論的に過剰の
カルシウムの酸化物または水酸化物とを反応させた後炭
酸ガスで処理する方法、あるいは上記フェノール類また
は上記カルボン酸のカルシウム正塩と炭酸カルシウムと
を反応させる方法等の従来周知の方法で製造することが
できる。このようにして製造されたカルシウムの過塩基
性フェノレートまたはカルボキシレート/カーボネート
錯体は、酸の種類、金属の含量、金属比等によって特徴
づけられる。ここで「金属比」という言葉は、中性塩を
形成する量の金属の当量に対する塩中の金属の全化学当
量を示す言葉であり、上記式におけるy+1に相当する
ものである。
【0031】上記のカルシウムの過塩基性フェノレート
またはカルボキシレート/カーボネート錯体の簡単な合
成例を次に示す。
【0032】合成例1過塩基性カルシウムオレート/カーボネート錯体 メタノール300gに水酸化カルシウム30gを懸濁さ
せた中へ、15℃にて炭酸ガスを吹き込み反応させた
後、オレイン酸11gとノニルフエノール10gとアル
キルベンゼン系溶剤63gとの混合液を加え、メタノー
ル及び生成水を留去しながら150℃まで徐々に温度を
あげ反応させた後、さらに減圧下に脱水して淡褐色粘稠
の塩基性カルシウムオレート・カーボネート錯体(Ca
=13%、金属比=20)を得た。
【0033】また、上記のカルシウムの過塩基性フェノ
レートまたはカルボキシレート/カーボネート錯体は、
前述のごとき方法で容易に製造することができるが、さ
らに種々の市販されている錯体をそのまま使用すること
もできる。これらの市販されている錯体の代表的なもの
としては、例えば、米国ルブリゾール社製の「LZ−2
117」(過塩基性カルシウムオレート/カーボネート
錯体:比重1.07、Ca=14.2%)、「LZ−5
341」(過塩基性カルシウムオレート/カーボネート
錯体:比重1.16、Ca=14.3%)等があげられ
る。
【0034】上記のカルシウムの過塩基性フェノレート
またはカルボキシレート/カーボネート錯体の配合量
は、塩素含有樹脂100重量部に対して、0.01〜1
0重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。該カ
ルシウムの過塩基性フェノレートまたはカルボキシレー
ト/カーボネート錯体の配合量が0.01重量部未満で
あると安定化効果が不十分であり、10重量部を超える
と着色を生じたり、発泡性に悪影響を与えるおそれがあ
る。
【0035】本発明の組成物に使用される(ニ)成分で
ある熱分解型有機発泡剤としては、例えば、N,N’−
ジニトロペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンア
ミド、p,p’−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)エーテル、p−トルエンスルホニルヒドラジド等が
あげられるが、特にアゾジカルボンアミド、p,p’−
ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)エーテルが好ま
しい。
【0036】上記熱分解型有機発泡剤の配合量は、塩素
含有樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量
部、好ましくは0.05〜5重量部の範囲で要求される
発泡倍率に応じて適宜使用することができる。該熱分解
型有機発泡剤の配合量が0.01重量部未満であると有
効な発泡倍率が得られず、10重量部を超えるとセル荒
れを生じるおそれがある。
【0037】本発明の組成物に使用される塩素含有樹脂
としては、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビ
ニル−エチレン−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系
共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体又はエチレン
−プロピレン系共重合体等に塩化ビニルをグラフト重合
させた塩化ビニル系グラフト共重合体等があげられ、そ
の平均重合度(JISK−6721)が600〜180
0の範囲のものが好ましい。
【0038】本発明の組成物に、更に、(ホ)成分とし
て充填剤を配合することで、より優れた物性を有する発
泡体が得られるため好ましい。
【0039】上記充填剤としては、炭酸カルシウム、シ
リカ、クレー、ガラスビーズ、マイカ、セリサイト、ガ
ラスフレーク、アスベスト、ウオラストナイト、チタン
酸カリ、PMF、石膏繊維、ゾノトライト、MOS、ホ
スフェートファイバー、ガラス繊維、炭素繊維、アラミ
ド繊維等があげられる。
【0040】上記充填剤の配合量は、塩素含有樹脂10
0重量部に対して、0〜300重量部で用途に応じて適
宜決定されるものであるが、特に30〜200重量部の
範囲で使用することで良好な発泡体が得られるため好ま
しい。
【0041】本発明の組成物に、更に亜鉛の酸化物、水
酸化物、塩化物、臭化物等を併用することで、発泡の立
ち上がりを調整することができる。
【0042】本発明の組成物に、通常の塩素含有樹脂の
安定剤として使用される金属有機酸塩、例えば、カリウ
ム、ナトリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カル
シウム、バリウム等のアルカリ土類金属等の有機酸塩を
配合することができる。上記金属有機酸塩を構成する有
機酸としては、前記(ロ)成分である有機酸亜鉛を構成
する有機酸として例示したもの等があげられる。
【0043】上記金属有機酸塩の配合量は、塩素含有樹
脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ま
しく、特に0.1〜5重量物が好ましい。
【0044】本発明の組成物には、更に、ハイドロタル
サイト化合物、ゼオライト化合物、有機ホスファイト化
合物、β−ジケトン化合物、フェノール系または硫黄系
抗酸化剤、エポキシ化合物、ポリオール類、紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系光安定剤、過塩素酸塩類、その
他の無機金属化合物、その他の安定化助剤、セル調整剤
を併用することができる。
【0045】上記ハイドロタルサイト化合物は、下記
〔化6〕の一般式(IV)で表される様に、マグネシウム
とアルミニウム、または亜鉛、マグネシウム及びアルミ
ニウムからなる複塩化合物であり、結晶水を脱水したも
のであってもよい。
【0046】
【化6】
【0047】上記ハイドロタルサイト化合物は、天然物
であってもよく、また合成品であってもよい。該合成品
の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特
公昭50−30039号公報、特公昭51−29129
号公報、特公平3−36839号公報、特開昭61−1
74270号公報等に記載の公知の方法を例示すること
ができる。また、上記ハイドロタルサイト化合物は、そ
の結晶構造、結晶粒子径等に制限されることなく使用す
ることが可能である。
【0048】また、上記ハイドロタルサイト化合物とし
ては、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オ
レイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ド
デシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機
スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エス
テルまたはワックス等で被覆したものも使用できる。
【0049】また、上記ゼオライト化合物は、独特の三
次元のゼオライト結晶構造を有するアルカリ金属または
アルカリ土類金属のアルミノケイ酸塩であり、その代表
例としては、A型、X型、Y型およびP型ゼオライト、
モノデナイト、アナルサイト、ソーダライト族アルミノ
ケイ酸塩、クリノブチロライト、エリオナイトおよびチ
ャバサイト等をあげることができ、これらゼオライト化
合物の結晶水(いわゆるゼオライト水)を有する含水物
または結晶水を除去した無水物のいずれでもよい。
【0050】また、上記有機ホスファイト化合物として
は、例えば、トリフェニルホスフエイト、トリス(2,
4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノ
ニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニ
ル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、
2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニ
ル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファ
イト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチル
ホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイ
ト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイ
ト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッ
ドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、
ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキ
サンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フ
ェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜C
15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェ
ニルジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリ
デンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフ
ェニル)・ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−
第三ブチル−5−メチルフェノール)〕・1,6−ヘキ
サンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・
4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチ
ルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)
・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト等
があげられる。
【0051】また、上記β−ジケトン化合物としては、
例えば、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、ス
テアロイルベンゾイルメタン、カプロイルベンゾイルメ
タン、デヒドロ酢酸等およびこれらの金属(亜鉛、銅、
コバルト、ニッケル等)塩等があげられる。
【0052】また、上記フェノール系抗酸化剤として
は、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、
2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノー
ル、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネー
ト、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’−
チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オ
クチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−
メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノー
ル)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三
ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエス
テル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m
−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−
ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブ
タン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−
ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フ
ェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6
−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレ
ート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベン
ゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)ブロピオニルオキシエチル〕
イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−
(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチ
ルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメ
チル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン−ビス〔β−
(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−ブチルフェニ
ル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス
〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオネート〕等があげられる。
【0053】また、上記硫黄系抗酸化剤としては、例え
ば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、
ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジア
ルキルチオジプロピオネート類およびペンタエリスリト
ールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)
等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸
エステル類等があげられる。
【0054】また、上記エポキシ化合物としては、例え
ば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ
化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ
化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油等のエポキシ化動
植物油、エポキシ化ステアリン酸メチル、−ブチル、−
2−エチルヘキシル、−ステアリルエステル、エポキシ
化ポリブタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソシ
アヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポ
キシ化アマニ油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイ
ド、ジシクロヘキセンジエポキサイド、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボ
キシレート、ビスフェノール型あるいはノボラック型エ
ポキシ樹脂等があげられる。
【0055】また、上記ポリオール類としては、例え
ば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタリスリトール、ポ
リペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールまたは
ジペンタリスリトールのステアリン酸ハーフエステル、
ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、グリセリ
ン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、トレハロース等があげられる。
【0056】また、上記紫外線吸収剤としては、例え
ば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビ
ス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等
の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6
−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロ
キシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベン
ゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル等の
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾ
エート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第
三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル
−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキ
ザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド
等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β
−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−
メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等
のシアノアクリレート類;各種の金属塩又は金属キレー
ト、特にニッケル又はクロムの塩又はキレート類等があ
げられる。
【0057】また、上記ヒンダードアミン系光安定剤と
しては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラ
カルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキ
シレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4
−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル
−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハ
ク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6
−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジ
ブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/
2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重
縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ
−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、
1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブ
チル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,
5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12
−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
ノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12
−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4
−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6
−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス
〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−ト
リアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等のヒンダード
アミン化合物があげられる。
【0058】また、上記過塩素酸塩類としては、過塩素
酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウ
ム、バリウム、亜鉛、カドミニウム、鉛、アルミニウ
ム、アンモニウム塩等が例示でき、これらの過塩素酸の
金属塩は無水物でも含水塩でもよく、また、ブチルジグ
リコール、ブチルジグリコールアジペート等のアルコー
ル系およびエステル系の溶剤に溶かしたものおよびその
脱水物でもよい。
【0059】また、上記のその他の無機金属化合物とし
ては、例えば、珪酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸
化カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸マグネシウム、
リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネ
シウム等があげられる。
【0060】また、上記のその他の安定化助剤として
は、例えば、ジフェニルチオ尿素、アニリノジチオトリ
アジン、メラミン、安息香酸、ケイヒ酸、p−第三ブチ
ル安息香酸等があげられる。
【0061】また、上記セル調整剤としては、例えば、
アルキルアクリレート単独重合体あるいはこれとアリル
アクリレート、アルキルメタクリレート、アクリルニト
リル等の共重合体等があげられる。
【0062】その他必要に応じて、本発明の組成物に
は、例えば、架橋剤、顔料、帯電防止剤、プレートアウ
ト防止剤、表面処理剤、滑剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌
剤、光劣化剤、非金属安定剤、加工助剤、離型剤等を包
含させることができる。
【0063】本発明の塩素含有樹脂組成物は、従来の方
法で発泡して塩素含有樹脂発泡体とし、該発泡体からな
る壁紙として使用される。
【0064】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に示
す。しかしながら、本発明は次にあげられた実施例によ
って限定されるものではない。
【0065】〔実施例1〕次の配合物を石川式ライカイ
機で混練した後、真空脱泡処理を行ない、均一なペース
トゾルを作成した。このゾルを紙上に0.2mmの厚さ
で塗布し、150℃のギヤーオーブンで60秒間加熱
し、ゲル化シートを得た。このゲル化シートを用いて、
250℃のギヤーオーブンでそれぞれ20秒、40秒お
よび60秒の発泡シートを作成し、得られたシートの発
泡倍率を測定し、発泡性の評価とした。また、40秒発
泡のシートについては、比色計によりb値を測定した。
また、表面の平滑性を目視により評価した。それらの結
果を下記〔表1〕に示す。なお、平滑性の評価は10段
階で1は平滑性に極めて優れた状態を表し、数値の増大
に伴い表面が荒れていることを表す。
【0066】 〔配 合〕 重量部 塩化ビニル樹脂(PSL-280 鐘淵化学製) 100 炭酸カルシウム(H) 100 二酸化チタン(R) 15 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 ミネラルスピリット 10 塩基性バーサティック10−亜鉛(Z−1) 1.5 組成式: (C9H19-COO)1.6-Zn(=O)0.2 アゾジカルボンアミド 4.5 試験化合物(下記〔表1〕参照) 0.6
【0067】
【表1】
【0068】〔実施例2〕次の配合物を用いて、実施例
1と同様の試験を行なった。それらの結果を下記〔表
2〕に示す。
【0069】 〔配 合〕 重量部 塩化ビニル樹脂(PSL-280 鐘淵化学製) 100 炭酸カルシウム(H) 100 二酸化チタン(R) 15 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 60 ミネラルスピリット 8 塩基性バーサティック10−亜鉛(Z−1) 1.5 アゾジカーボンジアミド 2 p,p’−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド) 2 エーテル 試験化合物(下記〔表2〕参照) 1.0
【0070】
【表2】
【0071】〔実施例3〕次の配合物を用いて、実施例
1と同様の試験を行なった。また、140℃および22
0℃でのプレートアウト性試験(PO)を行なった。こ
れは、ゲル化シートをフェロ板上に置き、所定温度のギ
ヤーオーブン中で1分間予熱し、シートをロール上に圧
着させ、さらにギヤーオーブン中に5分間加熱する。同
じ操作を5回繰り返し、フェロ板上の曇りを目視によっ
て評価した。この評価は10段階で1は全く曇りのない
状態を表し、数値の増大に伴い大きくなることを表す。
それらの結果を下記〔表3〕に示す。
【0072】 〔配 合〕 重量部 塩化ビニル樹脂(PSL-280 鐘淵化学製) 100 炭酸カルシウム(H) 100 二酸化チタン(R) 15 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 ミネラルスピリット 10 LZ−2117 0.5 アゾジカルボンアミド 4.5 試験化合物(下記〔表3〕参照) 1.0
【0073】
【表3】
【0074】以上の結果より、塩素含有樹脂、可塑剤お
よび熱分解型発泡剤からなる発泡体を製造するに際し、
有機酸亜鉛を単独で使用した場合(比較例 1-1,2-1)に
は、耐熱性が不十分であるため、着色を生じ、また発泡
性、平滑性にも劣り、有機酸亜鉛との低毒性の金属であ
るカルシウムセッケンを併用した場合(比較例 1-2,2-
2)には、発泡性、平滑性に劣り、かつプレートアウト
を生じる。
【0075】また、バリウム系安定剤は安全性の面から
その使用が好ましくないものであるが、通常の塩素含有
樹脂の安定剤として使用した場合にはカルシウム系安定
剤より性能面で優れる傾向にある。ところが、本発明に
係る前記(ニ)成分である発泡剤を使用してなる壁紙用
塩素含有樹脂組成物にバリウムの過塩基性錯体を使用し
た場合(比較例 1-3,2-3)には、発泡時にセル荒れが生
じる欠点を有している。
【0076】これに対し、有機酸亜鉛とカルシウムの過
塩基性錯体とを併用して使用した場合(実施例 1-1〜1-
3, 2-1〜2-3, 3-1〜3-4 )には、発泡性、平滑性に優
れ、特に特定の分岐を有するカルボン酸を酸根とする塩
基性有機酸亜鉛を併用することでプレートアウトもほと
んど生じることがない。
【0077】
【発明の効果】本発明の壁紙用塩素含有樹脂組成物は、
低毒性で、セル荒れがなく、着色が小さく、発泡性に優
れ、しかもプレートアウトも抑制されたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/06 LLD C08L 51/06 LLD // D21H 27/20 D21H 5/00 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有樹脂100重量部に、(イ)可
    塑剤30〜100重量部、(ロ)有機酸亜鉛0.01〜
    10重量部、(ハ)カルシウムの過塩基性フェノレート
    またはカルボキシレート/カーボネート錯体0.01〜
    10重量部、(ニ)熱分解型有機発泡剤0.01〜10
    重量部を配合してなる壁紙用塩素含有樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記(ロ)成分である有機酸亜鉛が、下
    記〔化1〕の一般式(I)で表される塩基性カルボン酸
    亜鉛である請求項1記載の壁紙用塩素含有樹脂組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 上記(ロ)成分である有機酸亜鉛が、下
    記〔化2〕の一般式(II)で表されるカルボン酸を酸根
    とする有機酸亜鉛である請求項1または2記載の壁紙用
    塩素含有樹脂組成物。 【化2】
  4. 【請求項4】 更に、(ホ)充填剤30〜200重量部
    を配合してなる請求項1〜3の何れかに記載の壁紙用塩
    素含有樹脂組成物。
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