JP3426310B2 - 粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物

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JP3426310B2 JP32792993A JP32792993A JP3426310B2 JP 3426310 B2 JP3426310 B2 JP 3426310B2 JP 32792993 A JP32792993 A JP 32792993A JP 32792993 A JP32792993 A JP 32792993A JP 3426310 B2 JP3426310 B2 JP 3426310B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、粉体成型用塩化ビニル
系樹脂組成物、詳しくは、自動車内装材料に適する粉体
回転成型または粉体スラッシュ成型用塩化ビニル系樹脂
組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
自動車内装材料としてのクラッシュパッド、アームレス
ト、ヘッドレスト、コンソール、メーターカバーあるい
はドアトリムなどのカバーリング材料においては、軽量
でかつソフト感に優れ、しかも高級感のある皮しぼ模様
やステイッチ模様などを施したものが一段と求められて
いる。 【0003】従来、これらのカバーリング材料として
は、塩化ビニル樹脂とABS樹脂とを主体とした軟質シ
ートの真空成型品やペースト用塩化ビニル樹脂と可塑剤
とを主体としたゾルの回転成型またはスラッシュ成型品
(以下、「ゾル成型品」という。)が用いられてきた。
しかしながら、真空成型品は、軽量化という点ではその
目的を達しているものの、ソフト感に乏しく、かたい感
触のものしか得られず、さらには高級感のある皮しぼ模
様あるいはスティッチ模様などを施した複雑な形状性の
あるものを賦形さすことは困難であった。また、真空成
型品は成型時の残留歪みが大きく、長時間使用している
と、成型品に亀裂が生じ易いという欠点もかかえてい
る。 【0004】他方、ゾル成型品は、ソフト感はあるもの
の、ゲル化温度が低いために金属内での溶融が速く、フ
ローマークやリップあるいはゾルの糸引きなどの現象が
起こるために、表面平滑性に欠けるとか、金型からのゾ
ルの排出に時間がかかり過ぎるとか、カバーリング材料
が肉厚化するなどの欠点をかかえている。また、ゾル成
型の場合は、色替え時のタンクや配管などの掃除が大変
であるとか、経日による粘度変化を伴なうために、長時
間の保存には耐えられないなどの問題もある。 【0005】これらの欠点や問題点を解決する方法とし
て、最近、粉末成型法が脚光を浴びてきている。この粉
末成型法には、一般に、流動浸漬法、静電塗装法、粉末
溶射法、粉末回転成型法または粉末スラッシュ成型法な
どがあるが、特に自動車内装材のカバーリング材料には
粉末回転成型法または粉末スラッシュ成型法が適してい
る。 【0006】かかる粉末回転成型法または粉末スラッシ
ュ成型法は、180℃以上の温度にある金型と粉末供給
ボックスとを一体化させて回転または揺動、あるいは噴
射させて金型内面に粉末を溶着させ、未溶着粉末は自動
的あるいは強制的に粉末供給ボックスに回収する方法で
ある。 【0007】かかる粉末成型品に使用される金型の加熱
方法には、ガス加熱炉方式、熱媒体油循環方式、熱媒体
油または熱流動砂内への浸漬方式あるいは高周波誘導加
熱方式などがある。 【0008】上記粉末成型法に使用される粉末組成物
は、その加工法が高温により短時間で加工を完了させる
という特徴を有することから、熱安定性に優れているこ
とはもちろん、速やかに金型でゲル化し、尚かつ、脱型
性に優れ、金型汚染の少ないものであることが要求され
る。 【0009】例えば、特開昭62−270645号公
報、特開平1−65157号公報には、粉末成型用の塩
素含有樹脂にBa−Zn安定剤と過塩素酸の金属塩また
は過塩素酸イオン型のハイドロタルサイトを併用添加す
ることが提案されており、特開昭63−125553号
公報には、塩基性ケイ酸鉛と過塩素酸塩とを併用添加す
ることが提案されており、特開平4−359949号公
報にはハイドロタルサイト化合物またはゼオライト化合
物、酸化カルシウムおよびハロゲン酸素酸塩またはその
金属塩を併用添加することが提案されているが、上記欠
点を十分に改善することができるものではなかった。 【0010】また、特開昭53−13659号公報に
は、含ハロゲン樹脂に金属のカルボキシレートまたはフ
ェノレート、塩基性無機酸塩およびハロゲン酸素酸塩を
併用添加することが提案されており、特開昭58−12
2951号公報には、含ハロゲン樹脂に有機酸金属塩、
ハイドロタルサイト類等とハロゲン酸素酸塩類を併用添
加することが提案されており、特開昭61−78874
号公報には、含ハロゲン樹脂に過塩素酸処理珪酸金属塩
を添加することが提案されており、特開昭61−113
636号公報には、塩素含有重合体にケイ酸またはケイ
酸塩に過ハロゲン酸素酸を含有せしめてなる粉粒体を配
合することが提案されており、特開平1−252649
号公報には、ポリ塩化ビニル系樹脂にデヒドロ酢酸およ
び過塩素酸とカルシウム、マグネシウム、バリウム、亜
鉛から選ばれる金属との複合塩を添加することが提案さ
れており、特開平4−15260号公報には、第四級ア
ンモニウム塩−過塩素酸錯体を珪酸塩に保持せしめた複
合体を極性樹脂重合体に配合することが提案されている
が、これらを単純に粉体成型用塩素含有樹脂に適用して
も上記欠点を改善することができなかった。 【0011】かかる状況から、熱安定性、熱老化性およ
び着色性に優れ、且つゲル化性、脱型性および金型汚染
性などの成型性に優れた粉末組成物の提供が要望されて
いた。 【0012】従って、本発明の目的は、熱安定性、熱老
化性および着色性に優れ、且つゲル化性、脱型性および
金型汚染性などの成型性に優れた粉末組成物を提供する
ことにある。 【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂に、特定の珪酸塩化合
物、過塩素酸塩類およびβ−ジケトン化合物を併用添加
してなる塩化ビニル系樹脂組成物が、上記目的を達成し
得ることを見出し、本発明を完成した。 【0013】即ち、本発明は、塩化ビニル系樹脂100
重量部に、(a)下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)
の一般式(I)で表される珪酸塩化合物の少なくとも一
種0.001〜10重量部、(b)過塩素酸の金属塩、
過塩素酸のアンモニウム塩、過塩素酸処理ハイドロタル
サイトまたは過塩素酸処理珪酸塩0.001〜10重量
部および(c)β−ジケトン化合物の少なくとも一種
0.001〜10重量部を添加してなる、粉体成型用塩
化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。 【0014】 【化2】 M(O)a ・nSiO2 ・mH2 O (I) (式中、Mはアルカリ土類金属またはアルミニウムを
し、aはMがアルカリ土類金属のときには1、Mがアル
ミニウムのときには3/2を表し、nは1〜5を表し、
mは任意の正の整数を表す。) 【0015】以下、本発明の粉体成型用塩化ビニル系樹
脂組成物について詳細に説明する。 【0016】本発明に使用される塩化ビニル系樹脂と
は、懸濁重合法、塊状重合法若しくは乳化重合法でつく
られる塩化ビニル重合体又は塩化ビニルと共重合し得る
エチレン、プロピレン、ビニルアセテートなどとの共重
合体或いはエチレンとビニルアセテート共重合体と塩化
ビニルとのグラフト共重合体またはこれらの二種以上の
重合体の混合物であるが、必ずしもこれに限定されるも
のではない。 【0017】本発明の組成物には、(a)成分である上
記一般式(I)で表される珪酸塩化合物の少なくとも一
種が使用される。 【0018】上記一般式(I)において、Mはアルカリ
土類金属またはアルミニウムを表し、該アルカリ土類金
属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ス
トロンチウムなどが挙げられ、特にマグネシウム、カル
シウム、アルミニウムが好ましい。また、上記一般式
(I)中、nは1〜5の数を示す。nが、1未満の場合
には、着色性を低下させ、nが5を超える場合は、熱安
定性および成型性への他成分との相乗効果が乏しい。 【0019】上記珪酸塩化合物は、天然物であっても合
成品であってもよい。 【0020】上記珪酸塩化合物の添加量は、塩化ビニル
系樹脂100重量部に対し、0.001〜10重量部、
好ましくは0.01〜5重量部である。上記添加量が
0.001重量部未満では充分な効果が得られず、ま
た、10重量部を超えて用いてもその効果の向上は観ら
れない。 【0021】本発明に使用される(b)成分の一つであ
る過塩素酸の金属塩を構成する金属成分としては、リチ
ウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、バリウ
ム、亜鉛、カドミニウム、鉛、アルミニウムなどが例示
でき、これらの金属で構成される過塩素酸の金属塩は、
無水物でも含水塩でもよく、また、ブチルジグリコー
ル、ブチルジグリコールアジペート等のアルコール系お
よびエステル系の溶剤に溶かしたものおよびその脱水物
でもよい。 【0022】本発明に使用される(b)成分の一つであ
る過塩素酸のアンモニウム塩は、無水物でも含水物でも
よい。 【0023】本発明に使用される(b)成分の一つであ
る過塩素酸処理ハイドロタルサイトは、ハイドロタルサ
イト化合物の炭酸の一部またはすべてを過塩素酸で置き
換えた過塩素酸変性品である。 【0024】ここで、ハイドロタルサイト化合物とは、
マグネシウムおよび/または亜鉛とアルミニウムとの炭
酸複塩化合物であり、通常、下記〔化3〕の一般式(I
I)で表される化合物が用いられる。 【0025】 【化3】 【0026】上記ハイドロタルサイト化合物は、天然物
であってもよく、また合成品であってもよい。該合成品
の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特
公昭50−30039号公報、特公昭51−29129
号公報、特開昭61−174270号公報などに記載の
公知の方法が例示することができる。また、本発明にお
いては、上記ハイドロタルサイト化合物の結晶構造、結
晶粒子径あるいは結晶水の有無およびその量などに制限
されることなく使用することできる。 【0027】また、上記過塩素酸処理ハイドロタルサイ
トは、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オ
レイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ド
デシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機
スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エス
テルまたはワックスなどで被覆したものも使用すること
ができる。 【0028】本発明に使用される(b)成分の一つであ
る過塩素酸処理珪酸塩としては、珪酸カルシウム、珪酸
マグネシウム、珪酸バリウム、珪酸亜鉛等の珪酸金属塩
や各種珪酸質粘土鉱物あるいはその処理物、例えば、カ
オリン、ベントナイト、マイカ粉、タルク、珪藻土、酸
性白土、活性白土やゼオライト等の天然あるいは合成珪
酸塩を過塩素酸水溶液で処理したものが挙げられ、これ
らの過塩素酸処理珪酸塩のうちでも、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、珪酸バリウム、カオリン、ベントナ
イト、タルク、酸性白土、活性白土やゼオライトの処理
物が特に好ましい。 【0029】上記過塩素酸処理ハイドロタルサイトまた
は過塩素酸処理珪酸塩は、例えば、ハイドロタルサイト
または珪酸塩を過塩素酸の希薄水溶液中に加えて場合に
より加熱しながら撹拌し、その後必要に応じて、ろ過、
脱水または乾燥することによって容易に製造することが
できる。該ハイドロタルサイトまたは珪酸塩との過塩素
酸とのモル比は任意に設定することができるが、一般に
は、ハイドロタルサイトまたは珪酸塩1モルに対し、過
塩素酸0.1〜2モルとなるような比率で用いることが
好ましい。 【0030】上述した(b)成分である過塩素酸類の中
でも、過塩素酸アンモニウムは特に粉体成型性に優れて
おり、本発明における(b)成分の全部あるいは他の過
塩素酸塩類と併用して使用することが好ましい。 【0031】上記過塩素酸の金属塩、過塩素酸のアンモ
ニウム塩、過塩素酸処理ハイドロタルサイトまたは過塩
素酸処理珪酸塩の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重
量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.
01〜5重量部である。上記添加量が0.001重量部
未満では充分な効果が得られず、また、10重量部を超
えて用いてもその効果の向上は観られない。 【0032】本発明に使用される(c)成分であるβ−
ジケトン化合物としては、例えば、デヒドロ酢酸、アセ
チルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−ベンゾイ
ルシクロヘキサノン、ジベンゾイルメタン、ベンゾイル
−4−クロロベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベン
ゾイル)メタン、4−第三ブチルベンゾイル−4−メト
キシベンゾイルメタン、ベンゾイル−4−イソプロピル
ベンゾイルメタン、ビス(4−メトキシベンゾイル)メ
タン、アセチルベンゾイルメタン、アセチルベンゾイル
アリルメタン、プロピオニル−3−メトキシカルボニル
ベンゾイルメタン、イソバレロイルベンゾイルメタン、
オクタノイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイ
ルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ジピバロイ
ルメタン、ジステアロイルメタン等が挙げられる。ま
た、これらのβ−ジケトン化合物の金属(リチウム、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリ
ウム、亜鉛等)塩も同様に用いることができる。 【0033】上記β−ジケトン化合物の添加量は、塩化
ビニル系樹脂100重量部に対し、0.001〜10重
量部、好ましくは0.005〜5重量部である。上記添
加量が0.001重量部未満では充分な効果が得られ
ず、また、10重量部を超えて用いてもその効果の向上
は観られない。 【0034】また、本発明において、安定剤として使用
される上記(a)成分の珪酸塩化合物、上記(b)成分
の過塩素酸アンモニウム塩、および過塩素酸金属塩、過
塩素酸処理ハイドロタルサイトまたは過塩素酸処理珪酸
塩および上記(c)成分のβ−ジケトン化合物は、それ
ぞれ別個に塩化ビニル系樹脂に配合することもできる
が、これらを混合して用いることもでき、この場合に
は、必要に応じて、他の安定剤成分等も含むいわゆる複
合系安定剤として用いることもできる。 【0035】また、本発明の組成物には、通常粉体成型
用塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる他の安定剤、可
塑剤および他の添加剤を併用することもできる。 【0036】本発明に併用できる他の安定剤としては、
有機カルボン酸、フェノール類および有機リン酸類の金
属塩、エポキシ化合物、有機ホスファイト化合物、フェ
ノール系あるいは硫黄系の酸化防止剤、紫外線吸収剤、
ヒンダードアミン系光安定剤、純有機系安定化助剤、ハ
イドロタルサイト化合物、ゼオライト化合物およびその
他の無機化合物などが挙げられる。 【0037】上記有機カルボン酸、フェノール類および
有機リン酸類の金属塩を構成する金属としては、リチウ
ム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マ
グネシウム、ストロンチウム、亜鉛、錫、セシウム、ア
ルミニウムあるいは有機錫などが挙げられる。 【0038】また、上記有機カルボン酸としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナン
ト酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル
酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリ
ン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イ
ソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステ
アリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、安息香酸、モノク
ロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安
息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アミノ安息
香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、アセトキシ安
息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸、エ
ライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、
チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチル
メルカプトプロピオン酸などの一価カルボン酸;シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フ
タール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、ヒドロキ
シフタール酸、クロルフタール酸、アミノフタール酸、
マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン酸、
イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸などの
二価カルボン酸あるいはこれらのモノエステルまたはモ
ノアマイド化合物;ブタントリカルボン酸、ブタンテト
ラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロ
ファン酸、ピロメリット酸などの三価または四価カルボ
ン酸のジまたはトリエステル化合物などが挙げられる。 【0039】また、上記フェノール類としては、第三ブ
チルフェノール、ノニルフエノール、ジノニルフエノー
ル、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、
オクチルフェノール、フェノール、クレゾール、キシレ
ノール、n−ブチルフェノール、イソアミルフェノー
ル、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、イソ
オクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、
第三ノニルフェノール、デシルフェノール、第三オクチ
ルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクタデシル
フェノール、ジイソブチルフェノール、メチルプロピル
フェノール、ジアミルフェノール、メチルイソフキシル
フェノール、メチル第三オクチルフェノールなどが挙げ
られる。 【0040】また、上記有機リン酸類としては、モノま
たはジ−オクチル、−デシル、−ドデシル、−トリデシ
ル、−テトラデシル、−ヘキサデシル、−オクタデシ
ル、−フェニル、−トリル、−キシリル、−オクチルフ
ェニル、−ノニルフェニルリン酸、ピロリン酸あるいは
亜リン酸などが挙げられる。 【0041】また、上記カルボン酸、フェノール類およ
び有機リン酸類の金属塩は、酸性塩、中性塩、塩基性塩
あるいは塩基性塩の塩基の一部または全部を炭酸で中和
した過塩基性錯体であってもよい。 【0042】上記有機カルボン酸、フェノール類および
有機リン酸類の金属塩の添加量は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量
部、更に好ましくは0.05〜5重量部である。 【0043】また、上記エポキシ化合物としては、ビス
フェノール型およびノボラック型のエポキシ樹脂、エポ
キシ化大豆油およびエポキシ化アマニ油などの天然油脂
のエポキシ化物、エポキシ化トール油脂肪酸オクチルな
どのエポキシ化不飽和脂肪酸のアルキルエステル、ビニ
ルシクロヘキセンジエポキシなどの脂環式エポキシ化合
物などが挙げられる。 【0044】上記エポキシ化合物の添加量は、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜
20重量部、更に好ましくは0.05〜10重量部であ
る。 【0045】上記有機ホスファイト化合物としては、例
えば、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニルホ
スファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシ
ル)ホスファイト、トリブチルホスファイト、ジラウリ
ルアシッドホスファイト、ジブチルアシッドホスファイ
ト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリラ
ウリルトリチオホスファイト、トリラウリルホスファイ
ト、ビス(ネオペンチルグリコール)−1,4−シクロ
ヘキサンジメチルホスファイト、ジステアリルペンタエ
リスリトールジホスファイト、ジフェニルアシッドホス
ファイト、テトラデシル−1,1,3−トリス(2’−
メチル−5’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル) ブタンジホスファイト、テトラ(C12 〜15混合アル
キル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホス
ファイト、トリス(4−ヒドロキシ−2,5−ジ第三ブ
チルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノ
ニルフェニル)ホスファイト、水素化−4,4’−イソ
プロピリデンジフェノールポリホスファイト、ジフェニ
ル・ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブ
チル−5−メチルフェノール)〕チオジエタノールジホ
スファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス〔4,
4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチ
ルフェノール)〕−1,6−ヘキサンジオールジホスフ
ァイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェ
ノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニ
ルジイソデシルホスファイト、テトラトリデシル(2−
第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、
トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト
などが挙げられる。 【0046】上記有機ホスファイト化合物の添加量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは
0.01〜10重量部、更に好ましくは0.05〜5重
量部である。 【0047】上記フェノール系酸化防止剤としては、例
えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6
−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステ
アリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジ
エチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘ
キサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメ
チレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス
(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチ
レンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチル
フェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−
3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコ
ールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブ
チル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチ
リデンビス(4−第二ブチル−4−第三ブチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三
ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三
ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレー
ト、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒド
ロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリ
ス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリ
ス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テ
トラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−
第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキ
シ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノー
ル、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−((3−第
三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ)エチル)−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリ
コールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。 【0048】上記フェノール系酸化防止剤の添加量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは
0.01〜10重量部、更に好ましくは0.05〜5重
量部である。 【0049】上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、
チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチリル、ジス
テアリル等のジアルキルチオジプロピオエート類及びペ
ンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプ
ロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプ
トプロピオン酸エステル類などが挙げられる。 【0050】上記硫黄系酸化防止剤の添加量は、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01
〜10重量部、更に好ましくは0.05〜5重量部であ
る。 【0051】上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オク
トキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒ
ドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オク
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−
6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニル
サリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,
4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル
−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベ
ンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリ
ド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置
換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフ
ェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル
−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシア
ノアクリレート類が挙げられる。 【0052】上記紫外線吸収剤の添加量は、塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜1
0重量部、更に好ましくは0.05〜5重量部である。 【0053】上記ヒンダードアミン系光安定剤として
は、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシル
コハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘ
キサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレ
ート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・
ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレー
ト、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−(トリス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキ
シカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ)エチ
ル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.
5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2
−(トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニル
オキシ)エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラ
キス〔4,6−ビス(N−(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)ブチルアミノ)−1,3,5−
トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラア
ザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸
ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジ
クロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレ
ンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミ
ン/ジブロモエタン縮合物などが挙げられる。 【0054】上記ヒンダードアミン系光安定剤の添加量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましく
は0.01〜10重量部、更に好ましくは0.05〜5
重量部である。 【0055】上記純有機系安定化助剤としては、ビスフ
ェノールA、水添ビスフェノールAなどのフェノール
類;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトールアジペート、マンニトール、ソ
ルビトールのごとき多価アルコール類およびこれらのエ
ステル化合物または部分エステル化合物類;2,6−ジ
メチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボ
ン酸ジドデシルエステル、2−フェニルインドール、メ
ラミンなどの有機含窒素化合物などが挙げられる。 【0056】上記純有機系安定化助剤の添加量は、塩化
ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.0
01〜5重量部、更に好ましくは0.005〜3重量部
である。 【0057】上記ハイドロタルサイト化合物は、上記一
般式(II)で表されるマグネシウム(と亜鉛)およびア
ルミニウムからなる複塩化合物であり、上記過塩素酸処
理ハイドロタルサイトと同様表面処理されたものでもよ
い。 【0058】上記ハイドロタルサイト化合物の添加量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましく
は0.01〜10重量部、更に好ましくは0.05〜5
重量部である。 【0059】上記ゼオライト化合物は、独特の三次元の
ゼオライト結晶構造を有するアルカリまたはアルカリ土
類金属のアルミノケイ酸塩であり、その代表例として
は、A型、X型、Y型およびP型ゼオライト、モノデナ
イト、アナルサイト、ソーダライト族アルミノケイ酸
塩、クリノブチロライト、エリオナイトおよびチャバサ
イトなどを挙げることができ、これらのゼオライト化合
物の結晶水(いわゆるゼオライト水)を有する含水物ま
たは結晶水を除去した無水物のいずれでもよく、またそ
の粒径は0.1〜50μのものを用いることができ、特
に、0.5〜10μのものが好ましい。 【0060】上記ゼオライト化合物の添加量は、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01
〜10重量部、更に好ましくは0.05〜5重量部であ
る。 【0061】本発明に使用できるその他の無機化合物と
しては、リン酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムな
どが挙げられる。 【0062】本発明に使用できる可塑剤としては、通常
塩化ビニル系樹脂に用いられている可塑剤が任意に使用
することができる。該可塑剤としては、例えば、ジブチ
ルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチル
フタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタ
レート、ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレー
ト、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタ
レートなどのフタレート系可塑剤;ジオクチルアビペー
ト、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペー
ト、ジ(ブチルジグリコール)アジペートなどのアジペ
ート系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ
(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホ
スフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホ
スフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェートオク
チルジフェニルホスフェートなどのホスフェート可塑剤
系;多価アルコールとして、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなどと二塩基酸としてシ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン
酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸など
を用い、必要により一価アルコール、モノカルボン酸を
ストッパーに使用したポリエステル系可塑剤、エポキシ
化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化桐油、エポ
キシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化サフラワー
油、エポキシ化ステアリン酸メチル、−ブチル、−2−
エチルヘキシル、−ステアリルエステル、エポキシ化ポ
リブタジエン、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エ
ポキシ化アマニ油脂肪酸エステルなどのエポキシ系可塑
剤;その他、テトラヒドロフタール酸系可塑剤、アゼラ
イン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系
可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤な
どが挙げられる。 【0063】その他、必要に応じて、本発明の組成物に
は、例えば、架橋剤、充填剤、顔料、発泡剤、帯電防止
剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃
剤、蛍光剤、光劣化剤、防黴剤、殺菌剤、非金属安定
剤、加工助剤、離型剤などを包含させることができる。 【0064】本発明の粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成
物は、例えば以下のように製造される。懸濁重合または
塊状重合法で製造された塩化ビニル系樹脂に、必須成分
である上記(a)、(b)および(c)成分、並びにそ
の他必要に応じて、可塑剤、有機カルボン酸、有機リン
酸類またはフェノール類の金属塩、ヒドロキシ脂肪酸オ
リゴエステルまたはその塩などの滑剤、その他の添加剤
などをスーパーミキサーなどの混合機で均一に分散させ
るか、流動性改良剤を添加する場合は、ドライブレンド
した後、クーリングミキサーなどで冷却してから流動性
改良剤を添加し、ドライブレンドした塩化ビニル系樹脂
の表面に均一に被覆して組成物とする。 【0065】 【実施例】以下、実施例によって本発明の組成物および
その安定化効果を具体的に示す。しかしながら、本発明
はこれらの実施例によって限定されるものではない。 【0066】実施例1 下記の〔配合〕による塩化ビニル系樹脂組成物を、ギヤ
ーオーブンで110℃×1時間ドライアップした後、ら
いかい器を用いて15分間撹拌してコンパウンドを作成
した。クロム製鏡面板を300℃のギヤーオーブンに約
15分間入れて取り出した後、鏡面板が240℃になっ
た時点で該コンパウンドを速やかに均一の厚さに広げて
成型シートを10秒間放置する。金型をさかさにし、そ
のまま30秒間放置した後、水槽に浸漬して冷却する。
そのときのシートのゲル化状態を下記の評価基準で評価
した。 【0067】〔評価基準〕 ◎ 完全にゲル化 ○ ゲル化しているが内部に粒状物が残存 △ ゲル化しているが表面に凹凸がある × 未ゲル化部分がある 【0068】また、ここで作成したゲル化シートを24
0℃のギヤーオーブン中に入れ、分解時間(熱安定性)
を測定した。更に、このゲル化シートの初期の着色性お
よび130℃のオーブンで500時間劣化促進後の着色
性(熱老化性)を10段階に分け評価した〔評価基準:
良1←─→10悪(それぞれ相対的比較)〕。 【0069】それらの結果を下記〔表1〕に示す。 【0070】 〔配 合〕 重量部 懸濁重合PVC 90 ペーストPVC 10 ジ(C9 〜11混合アルキル)フタレート 65 エポキシ化大豆油 5 ステアリン酸亜鉛 0.3 アルカマイザー1*1 1.0 ケイ酸カルシウム 0.5 (組成式:CaO・SiO2・2H2O) 試験化合物(下記〔表1〕に示す) 〔表1〕 テトラ(C12 〜15混合アルキル)ビスフェノールA 1.0 ジホスファイト ジベンゾイルメタン 0.05 *1:協和化学工業製合成ハイドロタルサイト 【0071】 【表1】【0072】実施例2 下記の〔配合〕により実施例1と同様にゲル化シートを
作成し、ゲル化状態を評価した。冷却段階で60℃とな
った時、ゲル化シートを剥離して、クロム製鏡面板の曇
り度合とシートの剥離度合を調べて脱型性および金型汚
染性をそれぞれ10段階に分け評価した〔評価基準:良
1←─→10悪〕。 【0073】また、クロム製鏡面板上の成型シートに発
泡ウレタンを一定の厚さで注入し、ウレタン裏打ちシー
トを作成した。このシートを120℃のオーブンに入
れ、300時間および450時間経過後のシートの着色
度をハンター比色計を用いて測定し、オリジナルとの色
差(ΔE)を求めて、比較的低温で暴露した時の着色性
とした。 【0074】それらの結果を下記〔表2〕に示す。 【0075】 (配 合) 重量部 懸濁重合PVC 100 トリ(C7〜9混合アルキル)トリメリテート 65 エポキシ化アマニ油 5 ビスフェノールAジグリシジルエーテル 3 ステアリン酸カルシウム 1.5 塩基性オクチル酸亜鉛 1.0 試験化合物(下記〔表2〕に示す) 1.0 Na−A型ゼオライト 2.0 ジ(トリデシル)フェニルホスファイト 1.0 テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4− 0.2 ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート 過塩素酸アンモニウム 0.2 過塩素酸バリウム 0.2 ジベンソイルメタン 0.05 【0076】 【表2】 【0077】実施例3 下記の〔配合〕により、実施例1と同様にゲル化シート
を作成し、このゲル化シートの熱安定性および熱老化性
の試験を行なった。 【0078】それらの結果を下記〔表3〕に示す。 【0079】 〔配 合〕 重量部 懸濁重合PVC 90 ペーストPVC 10 ジ(C9 〜11混合アルキル)フタレート 65 エポキシ化大豆油 5 ステアリン酸亜鉛 0.3 過塩素酸アンモニウム 0.3 アルカマイザー5 0.3 アルカマイザー1 1.0 ケイ酸カルシウム 0.5 (組成式:CaO・2SiO2・2H2O) テトラ(C12 〜15混合アルキル)ビスフェノールA 1.0 ジホスファイト 試験化合物 0.05 【0080】 【表3】【0081】上記〔表1〕〜〔表3〕から明らかなよう
に、塩化ビニル系樹脂に、珪酸塩化合物、過塩素酸塩お
よびβ−ジケトン化合物を併用して添加した場合(実施
例1-1 〜3-5 )には、それぞれ単独あるいはそれらの中
から二種のみを使用した場合(比較例1-1 〜3-1 )には
予想もつかないほど加工時の熱安定性、ゲル化性、金型
汚染性、脱型性および加工後の加工性、熱安定性、熱老
化性等の性能が著しく優れている。 【0082】 【発明の効果】本発明の粉体成型用塩化ビニル系樹脂組
成物は、熱安定性、熱老化性および着色性に優れ、且つ
ゲル化性、金型汚染性および脱型性などの成型性に優れ
たものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−279640(JP,A) 特開 平4−359949(JP,A) 特開 平4−15237(JP,A) 特開 平4−50250(JP,A) 特開 平6−200103(JP,A) 特開 平7−173354(JP,A) 特開 平7−166017(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に、
    (a)下記〔化1〕の一般式(I)で表される珪酸塩化
    合物の少なくとも一種0.001〜10重量部、(b)
    過塩素酸の金属塩、過塩素酸のアンモニウム塩、過塩素
    酸処理ハイドロタルサイトまたは過塩素酸処理珪酸塩
    0.001〜10重量部および(c)β−ジケトン化合
    物の少なくとも一種0.001〜10重量部を添加して
    なる、粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物。 【化1】 M(O)a ・nSiO2 ・mH2 O (I) (式中、Mはアルカリ土類金属またはアルミニウムを
    し、aはMがアルカリ土類金属のときには1、Mがアル
    ミニウムのときには3/2を表し、nは1〜5を表し、
    mは任意の正の整数を表す。)
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