JPH09230127A - カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子

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JPH09230127A
JPH09230127A JP3692396A JP3692396A JPH09230127A JP H09230127 A JPH09230127 A JP H09230127A JP 3692396 A JP3692396 A JP 3692396A JP 3692396 A JP3692396 A JP 3692396A JP H09230127 A JPH09230127 A JP H09230127A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット法でカラーフィルタを形成する
場合に、画素部分で均一な厚みの着色層が得られ、画素
内でのインクの広がりを良くし、画素内での色抜けが生
じないようにする。 【解決手段】水系インクを用い、画素を区切る凸部2の
上面4の撥インク性を水の接触角で90°以上とし、凹
部の親インク性を水の接触角で20°以下とすることに
より、画素周辺での色抜けのないカラーフィルタを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に凸部を形
成し、その凸部に囲まれた凹部をインクジェット方式で
着色することによるカラーフィルタの製造方法及びそれ
を用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子用のカラーフィルタは各種
の製造方法が提案されている。特に、基板のセル内壁側
に着色層を形成してカラーフィルタを製造する方法には
いくつかの方法が知られている。
【0003】例えば、着色インクをオフセット印刷法等
によりパターン印刷し、着色層を形成する方法がある
が、印刷パターンの精細化には限界があり、生産歩留ま
りの低下等の問題がある。
【0004】また、着色された紫外線硬化性インクを基
板上に全面塗布し、フォトリソ法によりカラーフィルタ
パターンを作成する方法として顔料分散法がよく使用さ
れている。しかし、顔料分散法では、赤、緑、青の三原
色のカラーフィルタを作成するためには、塗布、紫外線
照射、現像工程を3回行うことを要し、製造工程上きわ
めて煩雑である。
【0005】その他、電着塗装法を利用したカラーフィ
ルタの製造方法では、電着塗装される部分にあらかじめ
パターン状の透明電極を作成しておき、3色のカラーフ
ィルタを製造する。このために、順次夫々に対応する電
極に通電し、透明電極上にカラーフィルタ膜を形成す
る。この方法では3回の電着操作を必要とするうえ、色
の重なりによる混色を防ぐ操作を要し、また、3色に対
応する透明電極を要するため、最終的な液晶表示セルが
電極の形状の制限をうけることもある。
【0006】これらの問題を解決した合理的なカラーフ
ィルタの製造方法として、インクジェット方式で着色イ
ンクを吹きつけして着色層を形成することが提案されて
いる(特開昭59−75205)。インクジェット方式
で着色を行う場合、その液滴径が数十μmであり、一
方、カラーフィルタの画素はおおむね短辺数十μm、長
辺数百μm程度である。このことから、ガラス基板にあ
らかじめ画素を規定する区画を設け、この中へインクジ
ェット方式でインクを吹き付け区画内にインクを広げる
ことで均一な画素が得られる。
【0007】前記提案には、ガラス基板に対し濡れ性の
良いインクを用いる場合には、インクに対して濡れ性の
悪い物質であらかじめ境界となる凸部を印刷しておく方
法が開示されている。また、ガラスに対して濡れ性の悪
いインクを使う場合には、インクとの濡れ性の良い材料
であらかじめガラスにパターンを形成しておきインクが
定着するのを助ける方法が提案されている。さらに、イ
ンクに対して画素部は濡れやすく、ブラックマスクは濡
れにくい組み合わせを用いることも提案されている(特
開平6−347637)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ブラックマス
クを形成する際の種々の汚染によって、画素部分の充分
な親水性が得られない場合が多い。通常、ブラックマス
クはレジスト保護膜を用いたエッチングで形成したり、
ブラックマスクを形成する材料に感光性を持たせてフォ
トリソによってパターニングする方法が用いられる。し
かし、エッチング液又は現像液によって、不要部分が完
全に剥離せず、ガラス面の親水性を損なうことがある。
【0009】特に、ブラックマスクに撥インク性を付与
する場合には、撥インク物質を用いるために、かすかな
汚染でもインクと基材の親和性を大きく損ないやすい。
このように画素部が充分に親インク性になっていない
と、インクが凹部で充分広がらず、画素周辺部で色抜け
しやすいという問題を生じる。このカラーフィルタを液
晶表示素子等に用いた場合、色ムラが生じたり、着色不
良による光の漏れによるコントラストの低下を生じたり
するという問題がおきやすかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題を
解決すべくなされたものであり、基材上に凸部を形成
し、その凸部により区切られた凹部にインクジェット方
式によってインクを吹きつけて凹部にインクを堆積させ
て着色層を形成するカラーフィルタの製造方法におい
て、凸部を形成後、エッチング処理により凹部を親イン
ク化し、その後インクジェット方式によってインクを吹
きつけることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を
提供する。
【0011】また、そのエッチング処理により、凹部の
水の接触角が20°以下となるようにされるカラーフィ
ルタの製造方法、及び、それらの凸部が、ブラックマス
クと兼用されているカラーフィルタの製造方法、及び、
それらの凸部が樹脂を主成分とした材料からなり、エッ
チング処理にフッ酸を含む処理液を用いるカラーフィル
タの製造方法を提供する。
【0012】さらに、それらの凸部の表面が、RSiX
YZ(Rはフッ素原子を含む炭化水素基を表し、X、
Y、Zはそれぞれ独立して水酸基、メチル基、炭素数1
〜3のアルコキシ基、塩素原子又はイソシアネート基を
表す)で表される化合物を含む処理剤によって撥インク
処理を施されているカラーフィルタの製造方法を提供す
る。
【0013】さらには、それらの製造方法により形成さ
れたカラーフィルタを用いた液晶表示素子を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルタの製造方
法では、まず基板上に凸部、好ましくはブラックマスク
による凸部をあらかじめ形成する。その凸部により区切
られた凹部をエッチング処理により親インク性にし、そ
の後、インクジェット方式にて着色インクを吹きつけし
て着色層を形成してカラーフィルタを形成する。
【0015】図1は、本発明のカラーフィルタを模式的
に示す断面図である。図1において、1は基板、2は凸
部、3は凸部と凸部により区切られた凹部、4は凸部の
上面、5は凸部の側面、6は凹部に吹きつけ堆積されて
形成された着色層を示す。一番右端の凹部3のみは説明
をわかりやすくするために、着色層が形成されていない
状態で示してある。
【0016】この図では、わかりやすくするために凸部
を4個、凹部を3個のみ示すが、これは必要な数設けら
れる。例えば、ストライプ状のカラーフィルタの場合で
あって、640画素分必要な場合には、1画素当りRG
Bの3個のカラーフィルタが必要なので、凸部は192
1個、凹部は1920個必要になる。液晶表示素子では
基板間隙の精密性から表示を行わない表示画素の周辺ま
でカラーフィルタパターンを形成することもあり、その
場合にはさらに増えることになる。
【0017】ストライプ状のパターンの場合には、長手
方向には凸部が形成されなくてもよいが、画素の周囲を
完全に凸部で囲むこともある。特に、モザイク状のカラ
ーフィルタの場合には、画素の周囲は凸部で囲まれる。
【0018】本発明で用いられる基板には、一般的には
耐熱性の面からガラス基板が用いられる。この基板には
通常は透明基板を用いるが、反射性の基板や白色に着色
したような基板でも本発明は適用できる。この基板は、
必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付与そ
の他の目的の表面処理を施したものも用いうる。
【0019】本発明で着色層を区切るための凸部は、基
板上に線状や格子状に形成される。この凸部の形状は、
それにより区切られた凹部が画素に対応するようにされ
ればよい。例えば、ストライプ状のカラーフィルタを形
成する場合には線状に形成され、四角の画素に対応させ
るためには格子状に形成される。これは、画素の形状に
より適宜定められるので、放射状、円周状等種々の形状
も考えられる。
【0020】この凸部は、液晶表示素子等ではブラック
マスクを兼用させることが有利である。このため、以下
の説明では、凸部がブラックマスクと兼用される例に基
づいて説明するが、ブラックマスクとしない場合には、
それから黒色の材料や金属遮光層を使用しないようにす
ればよい。
【0021】ブラックマスクによる凸部の形成方法とし
ては、例えば、金属クロム膜や、金属クロムと酸化クロ
ムを積層したもの、又はカーボンブラック等の黒色顔料
と樹脂からなる黒色層を形成し、これらにフォトレジス
トを塗布、画素部のレジストをフォトリソ法で取り除
き、エッチングによって金属クロム等の層を取り除く方
法がある。よりコスト的に有利な方法としてカーボンブ
ラックなどの黒色顔料と光硬化性樹脂を含む材料による
黒色膜を形成し、これをフォトリソ法によって所望のパ
ターンにパターン化する方法がある。
【0022】本発明では、ある程度の高さの凸部を所望
のパターンに形成でき、また凹部のエッチングに用いる
薬剤に耐性を持つ素材であれば公知の種々のブラックマ
スクの形成法が使用できる。薄膜のブラックマスクと厚
膜の樹脂層とを積層して凸部を形成してもよい。
【0023】本発明における凸部は、インクジェット法
によって着色する際に、吹きつけたインクが他の画素に
流れ込んだり滲んだりすることを防止する役割を果た
す。したがって、この凸部の高さはある程度高いことが
好ましいが、カラーフィルタとした場合の全体の平坦性
が高いことも要求されるので、着色層の厚さに近い高さ
が選択される。
【0024】具体的には、所望の着色を得るのに必要な
吹きつけするインクの堆積量によっても異なるが、通常
は0.1〜2μm程度とされる。この凸部の上面にイン
クが残存すると、平坦性や画素間の着色均一性が損なわ
れるので、凸部を撥インク性にし、凹部はインクの広が
りを良くするために親インク性にすることが好ましい。
すなわち、凸部はインクをはじき、凹部の基板は親イン
ク性を高めている。
【0025】その親インク性の程度は、水系インクを用
いた場合、凹部の基板の親インク性が水によって測定し
た接触角が20°以下であることが好ましい。20°よ
り大きいと、凹部でのインクの広がりが悪くなりやすく
なり、画素周辺部で色抜けが生じやすくなる。特に10
°以下にすることが好ましい。
【0026】また、凸部の撥インク性は、その水の接触
角が90°以上とすることが好ましく、隣接画素へのイ
ンクの流出や凸部上へのインクの残存を防止しやすくな
り、好ましい。通常は、90〜120°程度にすればよ
い。
【0027】凸部に撥インク性を付与する方法として
は、凸部形成材料に感光性材料を用いて、ガラス上にこ
れを塗布した上に、撥インク処理することが好ましい。
特に、撥インク処理剤として、一般式RSiXYZで表
される化合物を含む処理剤を用いることが好ましい。
【0028】ただし、Rはフッ素原子を含む炭化水素基
を、X、Y、Zは夫々独立して水酸基、メチル基、炭素
数1〜3のアルコキシ基、塩素原子、又はイソシアネー
ト基を表す。
【0029】これはケイ素の4本の結合手にR、X、
Y、Zの4種類の基が結合しているものである。より好
ましくは、R−がRf −R1 −であり、Rf −はパーフ
ルオロアルキル基、−R1 −はアルキレン基を表す。特
に、−R1 −が−CH2 CH2−の化合物が好ましい。
このような一般的に含フッ素シランカップリング剤又は
含フッ素イソシアネートシランと呼ばれる化合物が、充
分な撥インク性と披処理面への密着性を有することから
好ましい。
【0030】含フッ素イソシアネートシランについて
は、被処理面との密着性が高く特に好適である。また、
含フッ素シランカップリング剤においては、基材への反
応、定着性を高めるため、事前に加水分解を行い、末端
のアルコキシ基を水酸基に置換したり、さらに一部縮合
反応を起こさせて縮合体とした形でも用いうる。
【0031】上記のRf −は、水素原子が完全にフッ素
原子で置換されたパーフルオロアルキル基を示し、代表
的なものとしてCF3 −、C613−、C817−、C
1021−等があげられる。また、側鎖構造を有するもの
も使用できる。なかでも高い撥水性が得られるという観
点から、C817−が特に好ましい。
【0032】これらの化合物で撥インク処理を施す場
合、溶媒によって希釈してスピンコート、スプレーコー
ト、ロールコート、ダイコート、ディップコート等の方
法で塗布し、乾燥する方法がとられる。該溶媒には完全
フッ素化化合物を用いることが好ましい。
【0033】凸部を形成する樹脂が未硬化の状態で撥イ
ンク処理を施す場合、すなわち凸部のパターニング前に
撥インク処理を施す場合には、凸部を形成する樹脂に悪
影響を与えないようにする必要がある。このため、この
凸部を形成する樹脂に悪影響を与えないパーフルオロオ
クタン、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラ
ン)、パーフルオロ(トリブチルアミン)等の完全フッ
素化化合物の溶媒を用いることが好ましい。
【0034】また、この処理剤の処理層の厚さは処理剤
1分子から数分子にあたる厚みがあれば充分である。
【0035】これらの化合物を含む処理剤によって撥イ
ンク処理をした後、フォトリソ法等の方法で凸部をパタ
ーニングする方法が好ましい。これらの処理剤を用いた
場合、フッ酸等のガラス表面をエッチングするエッチン
グ処理剤に対し、適度な耐性と浸透性を有するので、凸
部の撥インク性を損なわずにガラス面の親水性を向上さ
せうる。
【0036】この凹部を親インク性にする方法として
は、凸部を侵さない処理剤を用い、凹部の表面をエッチ
ングすることにより、新鮮な基材面を露出させることに
よる。
【0037】本発明で凹部をエッチングして親水化する
処理剤としては、基板がガラス基板の場合には、フッ酸
等の強酸、水酸化ナトリウム等の強アルカリを含む処理
液が好ましい。特に、凸部を主に樹脂で形成し、フッ酸
を処理液として用いた場合、凸部の撥インク性は損なわ
ずに凹部の親インク性を高めうるので好ましい。このフ
ッ酸を含む処理液には、緩衝効果を持たせる目的でフッ
化アンモニウム等の緩衝成分を添加できる。
【0038】凸部を形成する高分子材料としては、アク
リル系、ポリイミド系の樹脂が好まい。また、これをブ
ラックマスクとするため黒色の樹脂を添加したり、樹脂
に感光性を持たせるために、種々の感光性ポリマーや硬
化剤を添加できる。
【0039】本発明では、インクジェット方式を着色方
法として用いる。インクジェット方式としては、帯電し
たインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、
圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、イン
クを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法
等、各種の方法を採用できる。
【0040】上記の説明では、親水性インクを用いる例
について説明したが、用いるインクは油性、水性ともに
使用できる。もっとも、表面張力の関係から水をベース
にした水系インクの使用がより好ましい。また、そのイ
ンクに含まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐
久性の面からは顔料の使用がより好ましい。
【0041】本発明のインクには、着色後の工程を考慮
し、加熱によって硬化する、又は紫外線等のエネルギー
線によって硬化する成分も添加できる。加熱によって硬
化する成分としては、各種の熱硬化性樹脂が広く用いら
れる。また、エネルギー線によって硬化する成分として
は、例えば、アクリレート誘導体又はメタクリレート誘
導体に光反応開始剤を添加したものを例示できる。
【0042】特に、耐熱性を考慮してアクリロイル基、
メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ま
しい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘
導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性の
ものでもエマルジョン化する等して使用できる。
【0043】本発明では、こうすることにより、図2に
示すようなインクのはじきによる不良を低減できる。図
2は、基板11上の2つの凸部12に囲まれた1つの凹
部に吹きつけられたインクが基板の親インク性不足によ
りはじかれたところを示す。すなわち、はじきを生じる
と、中央部に比して周辺部の着色層16の厚みが薄くな
りやすく、画素周辺部で着色層が無い部分を生じること
もある。
【0044】このような着色層のムラは、画素の色抜け
を生じ、表示素子にした際に、コントラストの良いカラ
ー表示が得にくくなる。これに対して、本発明によれ
ば、凹部に均一な厚みの着色層を得やすく、画素の色抜
けやコントラスト低下を生じにくい。
【0045】本発明では、インクジェット方式で通常は
RGB3色のインクを吹きつけて3色のカラーフィルタ
を形成する。このカラーフィルタは、液晶表示素子、電
気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、PL
ZT等と組合せて表示素子として用いられる。カラーカ
メラやその他のカラーフィルタを用いる用途にも使用で
きる。
【0046】図3は、液晶表示素子に使用した場合の例
を示す模式的な断面図である。図3において、21は基
板、22は凸部、23は着色層、24はその表面を覆う
樹脂等による平坦化層、25はIn23 −SnO2
(ITO)、SnO2 等の電極、26はポリイミド、ポ
リアミド、SiO等の配向膜、27は他方の基板、28
は他方の電極、29は配向膜、30はその電極間に挟ま
れる液晶層である。
【0047】本発明では、この他、必要に応じて、この
液晶セルの外側に偏光膜、反射板、位相差板、光源等を
配置して液晶表示素子として用いうる。
【0048】
【実施例】
実施例1 ガラス基板に、黒色に着色されたフォトレジスト(新日
鉄化学社製「V−259BK」)をスピンコート法によ
り目標膜厚1.5μmとなるように塗布し、80℃で5
分間加熱処理した。C817−C24 −Si(−OC
33 (東芝シリコーン社製「TSL−8233」)
をメタノールで希釈し、若干量の水分を加えた。
【0049】これを一晩放置した後、パーフルオロ(2
−ブチルテトラヒドロフラン)で有効成分を抽出し、
0.25重量%に希釈し、フォトレジスト膜上にスピン
コート法により塗布し、100℃で5分間加熱した。こ
の基板にフォトマスクを介して100mJ露光し、指定
現像液に30秒浸漬し、冷水で洗浄後、230℃で1時
間ポストキュアを行い、ブラックマスク兼用の、高さが
約1.5μm、幅が約30μmの凸部を有する基板を得
た。
【0050】この基板を、バッファードフッ酸(HFの
50%水溶液とNH4 Fの40%水溶液の1:6の混合
液)を1%に希釈した処理液で、60秒間エッチング処
理した後、水洗し風乾した。
【0051】この基板の凸部に囲まれた凹部に対し、イ
ンクジェット法で水系顔料インクを用いて吹きつけし、
ストライプ状のRGBのカラーフィルタを得た。この結
果を表1に示す。
【0052】比較例1 比較例として、エッチング処理をしない以外は、実施例
1と同様の方法でカラーフィルタを形成した。この結果
を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】なお、表1の結果において、「○」はいず
れもそれらの欠点のないもの(良品)を、「△」は一応
良品にはなりうるが、規格によっては問題になり得るも
のを、「×」はそのような欠点を生じたもの(不良品)
を表す。
【0055】実施例1では、隣接凹部へのインク流出、
画素周辺部での色抜け、画素内での色ムラという欠陥は
生じなかった。一方、比較例のものは、画素内でインク
が充分広がらないため画素周辺部に色抜けが生ずるとこ
ろがあり、画素内の色ムラも少し生じた。
【0056】実施例2、比較例2 実施例1の画素をドット状にして、RGB画素がモザイ
ク配置になるように凸部を設ける他は実施例1と同様に
して、この凸部に囲まれた凹部にインクジェット法で水
系顔料インクを用いて吹きつけし、モザイク配置のRG
Bのカラーフィルタを得た。同様に、比較例として、エ
ッチング処理をしない以外は、実施例2と同様の方法で
カラーフィルタを形成した。
【0057】この実施例2のカラーフィルタは、実施例
1のカラーフィルタと同様に、隣接凹部へのインク流
出、画素周辺部での色抜け、画素内での色ムラという欠
陥は生じなかった。一方、比較例2のものは、比較例1
よりもさらに性能が悪化し、画素内でインクが充分広が
らないため画素周辺部に色抜けが生ずるところがあり、
画素内の色ムラもかなり生じた。
【0058】実施例3 撥インク処理剤のC817−C24 −Si(−NC
O)3 をパーフルオロ(トリブチルアミン)で0.05
重量%に希釈して用いた他は実施例1と同様にしてカラ
ーフィルタを形成した。このカラーフィルタは、実施例
1と同様に、隣接凹部への流出、画素周辺部での色抜
け、画素内での色ムラという欠陥を生じなかった。
【0059】実施例1のカラーフィルタ上に樹脂の平坦
化層を形成し、ITOを形成し、それをパターニング
し、さらに樹脂の配向膜を形成し、ラビングして第1の
基板を形成した。次いで、ガラス基板上にITOを形成
し、それをパターニングし、さらに樹脂の配向膜を形成
し、ラビングして第2の基板を形成した。この第1の基
板と第2の基板とを電極面が相対向するように配置し
て、周辺をシールして空セルを形成した。
【0060】この空セル内にネマチック液晶を注入し、
注入口を封止して液晶セルを形成した。この液晶セルの
両側に位相差板と偏光板を配置してFSTN型の液晶表
示素子を製造した。この液晶表示素子は美しいカラー表
示が可能であった。
【0061】
【発明の効果】本発明は、生産性の良いインクジェット
方式でインクを吹きつけてカラーフィルタを製造する際
に、凸部の上にインクが付着しにくく、かつ凹部でのイ
ンクの広がりに優れるため画素内での色抜けを生じにく
いという効果を有する。これは、液晶表示素子としての
表示性能を向上させうる。
【0062】さらに、この親インク処理をエッチング処
理で行うことにより、凸部の撥インク性をあまり損なう
ことなく、凹部の親インク化が容易にできるので、生産
性が良い。本発明は、本発明の効果を損しない範囲内
で、種々の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの模式的な断面図。
【図2】従来例のインク吹きつけ時の状況を示す模式的
な断面図。
【図3】本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示素子
の模式的な断面図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に凸部を形成し、その凸部により区
    切られた凹部にインクジェット方式によってインクを吹
    きつけて凹部にインクを堆積させて着色層を形成するカ
    ラーフィルタの製造方法において、凸部を形成後、エッ
    チング処理により凹部を親インク化し、その後インクジ
    ェット方式によってインクを吹きつけることを特徴とす
    るカラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】エッチング処理により、凹部の水の接触角
    が20°以下となるようにされる請求項1記載のカラー
    フィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】凸部が、ブラックマスクと兼用されている
    請求項1又は2記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】凸部が樹脂を主成分とした材料からなり、
    エッチング処理にフッ酸を含む処理液を用いる請求項
    1、2又は3記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】凸部の表面が、RSiXYZ(Rはフッ素
    原子を含む炭化水素基を表し、X、Y、Zはそれぞれ独
    立して水酸基、メチル基、炭素数1〜3のアルコキシ
    基、塩素原子又はイソシアネート基を表す)で表される
    化合物を含む処理剤によって撥インク処理を施されてい
    る請求項1、2、3又は4記載のカラーフィルタの製造
    方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載の製造方法に
    より形成されたカラーフィルタを用いた液晶表示素子。
JP3692396A 1996-02-23 1996-02-23 カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子 Expired - Fee Related JP3644118B2 (ja)

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