JPH09227417A - アルケニルトラン誘導体とその製造方法 - Google Patents

アルケニルトラン誘導体とその製造方法

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JPH09227417A
JPH09227417A JP8037920A JP3792096A JPH09227417A JP H09227417 A JPH09227417 A JP H09227417A JP 8037920 A JP8037920 A JP 8037920A JP 3792096 A JP3792096 A JP 3792096A JP H09227417 A JPH09227417 A JP H09227417A
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JP
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compound
substituted
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formula
liquid crystal
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JP8037920A
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English (en)
Inventor
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Shinji Ogawa
真治 小川
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (R:C1〜10の化合物、m:2〜6、R’:Hある
いはC1〜5のアルキル基、二重結合はシス(Z)又は
トランス(E))の化合物及びその製造方法。 【効果】 一般式(I)の化合物は屈折率異方性が大き
く、さらに対応する両側鎖が直鎖状アルキル基であるト
ラン誘導体と比較して低粘性であり、組成物に添加した
場合の応答性の改善効果が大きく、ネマチック相上限温
度の低下度合いも少ない。また、工業的にも容易に製造
でき、化学的にも極めて安定である。従って、高速応答
性を必要とする実用的液晶表示用材料として極めて有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規液晶性化合物で
ある、アルケニルトラン誘導体とそれを含有する液晶組
成物及びその製造方法に関する。これらは電気光学的液
晶表示用、特にネマチック液晶表示用材料として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。
【0003】これらの表示方式や駆動方式に応じて、液
晶材料としても種々の特性が要求されている。中でも高
速応答性はほとんどの場合に共通して非常に重要であ
る。応答を高速化するために液晶材料に求められる物性
は直接的には(i)粘性を小さくするか、あるいは(i
i)弾性定数を大きくすることである。しかしながら、
弾性定数を大きくした場合には閾値電圧が上昇すること
が多い。従って、低電圧駆動が要求される場合には、弾
性定数はあまり大きくせずにその粘性を小さくすること
が必要である。
【0004】さらに、液晶素子の応答を高速化するため
の手段としてはセル厚を薄くすることも非常に有効であ
る。しかしながら、液晶素子においては干渉縞の発生に
よる着色やむらを防止するために、セル厚(d)と屈折
率異方性(Δn)の積(Δn・d)をある一定の値
(0.5、1.0、1.6、2.2、通常前二者が用い
られることが多い。)に設定する必要がある。従って、
セル厚を薄くするためには屈折率異方性(Δn)の大き
い液晶材料が必要である。
【0005】また、一般に粘性が小さい化合物は液晶性
が低いことが多い。そのため、組成物中に充分量添加で
きない、あるいはその温度補償のため粘性の大きい高温
液晶を同時に用いる必要があるなど、その効果が十分発
揮できない場合も多い。従って、必ずしも液晶性を示す
必要がないにしても、その添加によるネマチック相上限
温度(TN-I)の低下度合いの小さいことが望まれる。
【0006】以上のことから、粘性が小さく、屈折率異
方性(Δn)の大きい、かつその添加によるネマチック
相上限温度(TN-I)の低下度合いのできるだけ小さい
液晶化合物が望まれている。
【0007】現在、こうした条件を比較的よく満足させ
ている低粘性液晶としては例えば、一般式(IV)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Ra及びRbは直鎖状アルキル基を
表わす。)で表わされるジアルキルトラン誘導体を挙げ
ることができる。しかしながら、これを用いても、表示
品質の向上に伴う液晶材料の粘性低下の要求には応え難
くなってきているのが実情であり、さらに優れた減粘剤
が望まれている。
【0010】液晶化合物において、その側鎖アルキル基
に換えて、二重結合を導入したアルケニル基を用いるこ
とにより、上記の効果(粘性の低下、屈折率異方性の増
大、TN-Iの上昇)が得られる場合があることが知られ
ている。しかしながら、トラン誘導体においてその側鎖
にアルケニルを導入することは決して容易ではなく、そ
のため具体的化合物はこれまで全く知られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じるため、粘性の低下、屈
折率異方性の増大及びTN-Iの上昇等の効果に優れた液
晶性化合物としてアルケニルトラン誘導体及びその製造
方法を提供し、さらにこれを用いて低粘性で屈折率異方
性(Δn)が大きく、さらに液晶温度範囲が広い液晶組
成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキ
ル基を表わし、mは2〜6の整数を表わし、R’は水素
原子あるいは炭素原子数1〜5のアルキル基を表わす。
また、R’がアルキル基である場合、二重結合はシス
(Z)あるいはトランス(E)である。)で表わされるアルケ
ニルトラン誘導体を提供する。
【0015】上記一般式(I)で表わされる化合物におい
て、Rは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基が好まし
く、低粘性を得るためには特にメチル基が好ましい。m
は2、4又は6の偶数が好ましく、特に2又は4である
ことが更に好ましい。R’の側鎖はあまり長くなると粘
性が上昇するのでmが4以上の場合には水素原子である
ことが好ましい。また、R’がアルキル基の場合、直鎖
状であることが好ましく、二重結合の立体配置はトラン
ス(E)であることが好ましい。
【0016】更に、一般式(I)において、Rがメチル
基であり、且つR’が水素原子である一般式(Ia)
【0017】
【化6】
【0018】(式中、mは2〜6の整数を表わす。)の
化合物が、粘性が低く特に好ましいものであり、更に
は、このときm=2であることが好ましい。また、一般
式(I)の化合物は以下のようにして製造することがで
き、本発明はこの製造方法をも提供するものである。
【0019】即ち、上記課題を解決するために、一般式
(II)
【0020】
【化7】
【0021】(式中、Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素
原子、p−トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基
あるいはトリフルオロメタンスルホニル基等の脱離基を
表わし、mは2〜6の整数を表わし、R’は水素原子あ
るいは炭素原子数1〜5のアルキル基を表わす。また、
R’がアルキル基である場合、二重結合はシス(Z)ある
いはトランス(E)である。)で表わされるアルケニルベ
ンゼン誘導体及び一般式(III)
【0022】
【化8】
【0023】(式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキ
ル基を表わす。)で表わされるフェニルアセチレン誘導
体を遷移金属触媒存在下に反応させることにより、一般
式(I)で表わされるアルケニルトラン誘導体を容易に
製造することができる。
【0024】上記一般式(II)において、一般式(I
I)の化合物の製造の容易さから、Xは臭素原子あるい
はヨウ素原子が好ましい。また、遷移金属触媒として
は、パラジウム系触媒であることが好ましく、更に、銅
(I)系化合物特にヨウ化銅(I)を併用することが効果的で
あり好ましい。
【0025】反応は溶媒中で行われ、溶媒としてジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(D
MA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のいわゆ
る極性溶媒が好ましく、通常トリエチルアミン等のアミ
ン系溶媒を併用する。
【0026】斯くして製造された本発明の化合物を液晶
組成物中に添加することにより得られる優れた効果は以
下の通りである。 汎用のホスト液晶(H)
【0027】
【化9】
【0028】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わし、「%」は「重量%」を表わす。)の物性値は
以下の通りであった。 ネマチック相上限温度(TN-I):116.7℃ 閾値電圧(Vth): 1.88V 粘度(20℃): 19.8cp 応答時間(τr=τd): 21.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、閾値電圧(Vth)は厚さ4.5μmのTNセル
に封入して測定した値であり、粘度は20℃における測
定値、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり
時間(τd)が等しくなる電圧印加時の測定値である。
【0029】このホスト液晶(H)70重量%及び一般
式(I)で表わされる化合物の中で、m=2である代表
的な式(I−1)
【0030】
【化10】
【0031】の化合物30重量%からなる液晶組成物
(M−1)を調製した。(M−1)の物性値は以下の通
りであった。 ネマチック相上限温度(TN-I):86.0℃ 閾値電圧(Vth): 2.42V 粘度(20℃): 15.0cp 応答時間(τr=τd): 9.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.146 このようにその粘度は約3/4まで低減され、応答時間
も半分以下と大幅に改善されていることがわかる。ま
た、屈折率異方性も約1.5倍に増大した。式(I−
1)の化合物そのものは単独では結晶であり液晶性を示
さないが、その添加によるTN-Iの低下は後で示すジア
ルキルトラン誘導体の場合と比較すると小さい。
【0032】これに対して、一般式(I)と同様にトラ
ン骨格を有するが、両側鎖がともに直鎖状アルキル基で
ある式(IV−1)
【0033】
【化11】
【0034】の化合物30重量%及びホスト液晶(H)
70重量%からなる組成物(MR−1)の物性値は以下
の通りであった。 ネマチック相上限温度(TN-I):81.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.41V 粘度(20℃): 16.3cp 応答時間(τr=τd): 10.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.143 これを(M−1)の物性値と比較すると特にその粘性と
応答時間及びネマチック相上限温度において(M−1)
の方が大幅に改善されていることがわかる。閾値電圧及
び屈折率異方性は大差がないが、ネマチック相上限温度
は(M−1)の方がかなり高い。
【0035】従って、本発明の式(I−1)の化合物
は、低粘性で応答性に優れ屈折率異方性が大きくかつネ
マチック相温度範囲の広い液晶組成物を得る上におい
て、式(IV−1)の化合物より優れた効果を示すこと
が明らかである。
【0036】従って、一般式(I)で表わされる化合物
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、T
N型あるいはSTN型等の電界効果型表示セル用とし
て、特に低粘性高速応答性の材料として好適に使用する
ことができる。また一般式(I)で表わされる化合物
は、分子内に強い極性基を持たないので、大きい比抵抗
と高い電圧保持率を得ることが容易であり、アクティブ
マトリックス駆動用液晶材料の構成成分として使用する
ことも可能である。
【0037】本発明はこのように一般式(I)で表わさ
れる化合物の少なくとも1種類をその構成成分として含
有する液晶組成物をも提供するものである。この組成物
中において、一般式(I)の化合物と混合して使用する
ことのできるネマチック液晶化合物の好ましい代表例と
しては、例えば、4−置換安息香酸4−置換フェニル、
4−置換シクロヘキサンカルボン酸4−置換フェニル、
4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニ
リル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキ
シ)安息香酸4−置換フェニル、4−(4−置換シクロ
ヘキシル)安息香酸4−置換フェニル、4−(4−置換
シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロヘキシル、
4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シクロヘキ
シル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシクロヘ
キサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチ
ル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘキシ
ル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、4,
4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘキシ
ル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−
(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサン、
4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’
−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼン、4
−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−置換ビ
シクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニル)−
4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチニル)
−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン、2−(4
−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、2−(4’−
置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン及び上記各化
合物においてベンゼン環が側方置換基を有する化合物等
を挙げることができる。
【0038】このうちアクティブマトリックス駆動用と
しては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシ
クロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)
エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘ
キシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置
換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、
4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサ
ン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘ
キシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼ
ン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−
置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニ
ル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチ
ニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び
上記においてベンゼン環がフッ素置換されている化合物
が適している。
【0039】本発明の一般式(I)の化合物はこれまで
具体的な報告例はなく、本発明者等がはじめて報告する
新規な化合物であるが、これらをすべて包含するような
一般式を示している文献は存在する。
【0040】特開平2−121936号公報(及びその
元出願であるドイツ公開特許3831336号)におい
て、側鎖がアルケニル基、アルケニルオキシ基、分岐ア
ルキル基及び分岐アルコキシル基であるトラン誘導体を
すべて包含する一般式が開示されいる。その範囲は非常
に広く、本発明の化合物もこの一般式には包含されてし
まう。しかしながら、以下に述べるように本発明は新規
であると考えられるべきである。
【0041】まず、特開平2−121936号公報(以
下、本公報という)にはそれに属する化合物の具体的な
物性値が全く記載されていない。一般的な特性において
も屈折率異方性が大きいことと粘性が小さいことがあげ
られているが、これらは既に公知であったトラン誘導体
一般的性質であり、その具体的な程度を示さないのであ
れば当業者には当然類推できることである。その製造方
法としては本公報には2種類の製造方法が示されてい
る。その一つはFritsch-Butterberg-Wiechell(FB
W)転位反応を用いるものであり、他の一つはブロモト
ラン誘導体とアルケニルグリニヤール反応剤をパラジウ
ム触媒存在下に反応させるものである。しかしながら、
前者は側鎖に二重結合が存在する場合には用いることが
できず、後者の方法も本発明者らの経験によると目的物
を得ることは通常困難である。もしも本公報において一
般式(I)のアルケニルトラン誘導体が実際に製造され
ていたとするならば、当然本発明において明らかにした
ように公知のアルキルトラン誘導体と比較しての優位性
が示されていて然るべきである。従って、本公報では一
般式(I)のアルケニルトラン誘導体は実際には製造さ
れていなかったと見るべきである。
【0042】以上のように本発明の化合物は、その構造
は本公報に記載された一般式に含まれるものであって
も、実際にはこれまで容易に製造することができず、本
発明者が開発した合成方法により初めて製造され、その
優れた特性が明らかにされた新規化合物であると考えら
れるべきであることが理解できる。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0044】化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認した。また、組成物の「%」
は『重量%』を表わす。 (実施例1) 1−[4−(3−ブテニル)フェニ
ル]−2−(4−メチルフェニル)エチン(式(I−
1)の化合物)の合成
【0045】
【化12】
【0046】1−エチニル−4−メチルベンゼン14g
及び1−(3−ブテニル)−4−ヨードベンゼン20g
をDMF80ml及びトリエチルアミン15mlに溶解
し、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(I
I)540mg及びヨウ化銅(I)150mgを加え、室温
で1.5時間攪拌させた。水及び10%塩酸を加え、水
層を分離後、トルエンで抽出し、有機層をあわせ、10
%塩酸、水次いで飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸ナト
リウムで脱水乾燥させた後、溶媒を溜去して1−[4−
(3−ブテニル)フェニル]−2−(4−メチルフェニ
ル)エチンの粗結晶28gを得た。これをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン)を用いて精製し、
さらにエタノールから再結晶させて精製物15gを得
た。この化合物は室温では結晶でその融点は40℃であ
った。
【0047】1−(3−ブテニル)−4−ブロモベンゼ
ンに換えて、他の1−アルケニル−4−ハロゲノベンゼ
ンを用いることにより、同様にして以下の化合物を得
た。 1−[4−(4−ペンテニル)フェニル]−2−(4−
メチルフェニル)エチン 1−[4−(3−ペンテニル)フェニル]−2−(4−
メチルフェニル)エチン 1−[4−(5−ヘキセニル)フェニル]−2−(4−
メチルフェニル)エチン 1−[4−(4−ヘキセニル)フェニル]−2−(4−
メチルフェニル)エチン 1−[4−(3−ヘキセニル)フェニル]−2−(4−
メチルフェニル)エチン 1−[4−(6−ヘプテニル)フェニル]−2−(4−
メチルフェニル)エチン 1−[4−(7−オクテニルニル)フェニル]−2−
(4−メチルフェニル)エチン さらに、1−エチニル−4−メチルベンゼンに換えて、
他の1−エチニル−4−アルキルベンゼンを用いことに
より以下の化合物を得た。
【0048】1−[4−(3−ブテニル)フェニル]−
2−(4−エチルフェニル)エチン 1−[4−(4−ペンテニル)フェニル]−2−(4−
エチルフェニル)エチン 1−[4−(3−ペンテニル)フェニル]−2−(4−
エチルフェニル)エチン 1−[4−(5−ヘキセニル)フェニル]−2−(4−
エチルフェニル)エチン 1−[4−(4−ヘキセニル)フェニル]−2−(4−
エチルフェニル)エチン 1−[4−(3−ヘキセニル)フェニル]−2−(4−
エチルフェニル)エチン 1−[4−(6−ヘプテニル)フェニル]−2−(4−
エチルフェニル)エチン 1−[4−(7−オクテニルニル)フェニル]−2−
(4−エチルフェニル)エチン 1−[4−(3−ブテニル)フェニル]−2−(4−プ
ロピルフェニル)エチン 1−[4−(4−ペンテニル)フェニル]−2−(4−
プロピルフェニル)エチン 1−[4−(3−ペンテニル)フェニル]−2−(4−
プロピルフェニル)エチン 1−[4−(5−ヘキセニル)フェニル]−2−(4−
プロピルフェニル)エチン 1−[4−(4−ヘキセニル)フェニル]−2−(4−
プロピルフェニル)エチン 1−[4−(3−ヘキセニル)フェニル]−2−(4−
プロピルフェニル)エチン 1−[4−(6−ヘプテニル)フェニル]−2−(4−
プロピルフェニル)エチン 1−[4−(7−オクテニルニル)フェニル]−2−
(プロピル4−フェニル)エチン (実施例2) 液晶組成物の調製 汎用のホスト液晶(H)
【0049】
【化13】
【0050】を調製した。このホスト液晶(H)は11
6.7℃以下でネマチック相を示し、その融点は11℃
であった。この組成物の20℃における粘度、これを用
いて作成したセル厚4.5μmのTNセルの閾値電圧
(Vth)、そのときの応答時間及び屈折率異方性(Δ
n)は以下の通りであった。
【0051】 閾値電圧(Vth): 1.88V 粘度(20℃): 19.8cp 応答時間(τr=τd): 21.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090V ここで、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下が
り時間(τd)が等しくなる電圧印加時の測定値であ
る。
【0052】次にこのホスト液晶(H)70%及び本発
明の式(I−1)
【0053】
【化14】
【0054】の化合物30重量%からなる液晶組成物
(M−1)を調製した。この組成物の物性値及び電気光
学的特性は以下の通りであった。 ネマチック相上限温度(TN-I):86.0℃ 閾値電圧(Vth): 2.42V 粘度(20℃): 15.0cp 応答時間(τr=τd): 9.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.146 このようにその粘度は約3/4まで低減され、応答時間
も半分以下と大幅に改善されていることがわかる。また
屈折率異方性も約1.5倍に増大した。実施例1に示し
たように式(I−1)の化合物そのものは単独では結晶
であり液晶性を示さないが、その添加によるTN-Iの低
下は後で示すジアルキルトラン誘導体の場合と比較する
と小さい。 (比較例1)これに対して、一般式(I)と同様にトラ
ン骨格を有するが、両側鎖がともに直鎖状アルキル基で
ある式(IV−1)
【0055】
【化15】
【0056】の化合物30%及びホスト液晶(H)70
%からなる組成物(MR−1)を調製した。同様にして
測定したこの組成物の物性値は以下の通りであった。 ネマチック相上限温度(TN-I):81.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.41V 粘度(20℃): 16.3cp 応答時間(τr=τd): 10.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.143 このように(MR−1)のネマチック相上限温度は(M
−1)より約4゜も低く、粘性はやや大きく、応答時間
も1m秒遅いことがわかる。従って、本発明に関わる式
(I−1)の化合物はネマチック相上限温度が高く、そ
の粘性が低く、屈折率異方性が大きく、高速応答性に優
れた液晶組成物を調製する上において、前期の一般式
(IV)で表わされるような化合物よりかなり優れてい
ることが明らかである。
【0057】
【発明の効果】本発明により提供される、アルケニルト
ラン誘導体は、実施例にも示したように工業的にも容易
に製造することができる。得られたアルケニルトラン誘
導体は、従来用いられている同様あるいは類似骨格を有
する減粘性液晶性化合物と比較して、ネマチック相上限
温度の低下度合いが少なく、その減粘効果及び応答性の
改善効果に優れるため、それ含有する液晶組成物は実用
的液晶として特に高速応答を必要とする液晶表示用とし
て極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 9:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基を表わ
    し、mは2〜6の整数を表わし、R’は水素原子あるい
    は炭素原子数1〜5のアルキル基を表わす。また、R’
    がアルキル基である場合、二重結合はシス(Z)あるいは
    トランス(E)である。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 Rがメチル基であり、R’が水素原子で
    あることを特徴とする請求項1記載の一般式(I)で表
    わされる化合物。
  3. 【請求項3】 m=2であることを特徴とする請求項2
    記載の一般式(I)で表わされる化合物。
  4. 【請求項4】 一般式(II) 【化2】 (式中、Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子、p−ト
    ルエンスルホニル基、メタンスルホニル基あるいはトリ
    フルオロメタンスルホニル基等の脱離基を表わし、mは
    2〜6の整数を表わし、R’は水素原子あるいは炭素原
    子数1〜5のアルキル基を表わす。また、R’がアルキ
    ル基である場合、二重結合はシス(Z)あるいはトランス
    (E)である。)で表わされる化合物及び一般式(II
    I) 【化3】 (式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基を表わ
    す。)で表わされる化合物を遷移金属触媒存在下に反応
    させることを特徴とする請求項1記載の一般式(I)で
    表わされる化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(II)において、Xが臭素原子
    あるいはヨウ素原子であることを特徴とする請求項4記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 遷移金属触媒がパラジウム系触媒である
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3記載の一般式(I)で表
    わされる化合物を含有することを特徴とする液晶組成
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012510523A (ja) * 2008-12-03 2012-05-10 プレシディオ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド Hcvns5aの阻害剤
JP2013014538A (ja) * 2011-07-04 2013-01-24 Dic Corp 重合性液晶化合物
CN107868665A (zh) * 2016-09-27 2018-04-03 捷恩智株式会社 液晶性化合物、液晶组合物及液晶显示元件

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