JPH1143450A - 新規アルケニルビフェニル誘導体 - Google Patents
新規アルケニルビフェニル誘導体Info
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- JPH1143450A JPH1143450A JP20302197A JP20302197A JPH1143450A JP H1143450 A JPH1143450 A JP H1143450A JP 20302197 A JP20302197 A JP 20302197A JP 20302197 A JP20302197 A JP 20302197A JP H1143450 A JPH1143450 A JP H1143450A
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Abstract
小さい液晶性化合物として新規アルケニルビフェニル誘
導体を提供し、さらにこれを用いてより低粘性で液晶温
度範囲が広い液晶組成物を提供することにある。 【解決手段】一般式(I) 【化1】 (R:C1〜12のアルキル、環A:F置換可能な1,
4−フェニレン、トランス−1,4−シクロヘキシレ
ン、環B:F置換可能な1,4−フェニレン、R’:
H、C1〜5のアルキル、R’がアルキルの場合、二重
結合はシスあるいはトランス)で表される化合物、これ
を含有する液晶組成物及びこれを用いた表示素子。
Description
ある、アルケニルビフェニル誘導体とそれを含有する液
晶組成物に関する。これらは電気光学的液晶表示、特に
ネマチック液晶表示用材料として有用である。
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。
晶材料としても種々の特性が要求されているが、中でも
高速応答性と広い温度範囲とはほとんどの場合に共通し
て非常に重要である。
れる物性は直接的には(i)粘性を小さくするか、ある
いは(ii)弾性定数を大きくすることである。しかし
ながら、弾性定数を大きくした場合には閾値電圧が上昇
することが多い。従って、低電圧駆動が要求される場合
には、弾性定数はあまり大きくせずにその粘性を小さく
することが必要である。
はネマチック相上限温度(TN-I)が高い化合物を添加
する必要がある。ところが、一般に粘性が小さい化合物
は液晶性が低く、逆に液晶性に優れた化合物は粘性が大
きいことが多いため、液晶相温度範囲が高温域まで広い
液晶組成物を得ようとするとその粘性も大きくなる傾向
にあった。
応答が可能な液晶組成物を調製するためには、ネマチッ
ク相上限温度(TN-I)が高く、かつその粘性があまり
大きくない液晶化合物が必要であることがわかる。
ている液晶性化合物としては例えば、一般式(IIa)
及び(IIb)
を表し、Rcは直鎖状アルケニル基を表す。)で表され
るシクロヘキシルビフェニル誘導体をあげることができ
る。しかし、これらを用いても表示品質の向上に伴う液
晶材料の特性向上の要求には応え難くなってきているの
が実情であり、さらに優れた特性を有する液晶化合物が
望まれている。
に換えて、二重結合を導入したアルケニル基を用いるこ
とにより、上記の効果(粘性の低下、TN-Iの上昇)が
得られる場合があることが知られている。しかしなが
ら、こうした場合のアルケニル基はそのほとんどが一般
式(IIb)の化合物のようにシクロヘキサン環に直接
結合しており、アルケニル基(特に3−アルケニル基)
がビフェニル基のベンゼン環に直接結合したような化合
物は、その骨格へのアルケニル基の導入が決して容易で
はないこともあって、具体的化合物はこれまでほとんど
知られていないのが実状である。
する課題は、以上の目的に応じるため、TN-Iが高く、
かつ粘性が3環化合物としては小さい液晶性化合物とし
て新規アルケニルビフェニル誘導体を提供し、さらにこ
れを用いてより低粘性で液晶温度範囲が広い液晶組成物
を提供することにある。
決するために、 1.一般式(I)
ル基を表し、環Aはフッ素置換されていてもよい1,4
−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロヘキシ
レン基を表し、環Bはフッ素置換されていてもよい1,
4−フェニレン基を表し、R’は水素あるいは炭素原子
数1〜5のアルキル基を表す。また、R’がアルキル基
である場合、二重結合はシス(Z)あるいはトランス(E)で
ある。)で表されるアルケニルビフェニル誘導体。 2.一般式(I)において、R’が水素原子を表すとこ
ろの上記1記載のアルケニルビフェニル誘導体。 3.一般式(I)において、環Aはトランス−1,4−
シクロヘキシレン基を表し、環Bは1,4−フェニレン
基を表すところの上記1または2記載のアルケニルビフ
ェニル誘導体。 4.上記1、2または3記載のアルケニルビフェニル誘
導体を含有する液晶組成物。 5.上記4記載の液晶組成物を用いた表示素子。 を前記課題の解決手段として見出した。
する。一般式(I)において、Rは炭素原子数1〜12
のアルキル基を表すが、炭素原子数1〜7の直鎖状アル
キル基が好ましい。環Aはフッ素置換されていてもよい
1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロ
ヘキシレン基を表すが、2−フルオロ−1,4−フェニ
レン基またはトランス−1,4−シクロヘキシレン基が
好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基が特
に好ましい。環Bはフッ素置換されていてもよい1,4
−フェニレン基を表すが、1,4−フェニレン基、3−
フルオロ−1,4−フェニレン基または2−フルオロ−
1,4−フェニレン基が好ましく1,4−フェニレン基
が特に好ましい。R’は水素あるいは炭素原子数1〜5
のアルキル基を表すが、側鎖があまり長くなると粘性が
上昇するので水素あるいはメチル基が好ましく、水素原
子が特に好ましい。また、R’がアルキル基である場
合、二重結合の立体配置はシス(Z)あるいはトランス(E)
であるが、トランス(E)が好ましい。
中で以下の一般式(Ia)〜(Id)が好ましい。
キル基を表す。)これら一般式(Ia)〜(Id)のな
かでは、一般式(Ia)で表される化合物が特に好まし
い。 本発明の一般式(I)の化合物は以下のようにして製造
することができる。
b)
せることにより製造することができる。上式において、
XはLi、MgBr、MgIまたはMgClを表すが、
MgBrまたはMgIが好ましい。Yは臭素原子、ヨウ
素原子、塩素原子、p−トルエンスルホニル基、メタン
スルホニル基あるいはトリフルオロメタンスルホニル基
等の脱離基を表すが、臭素原子あるいはヨウ素原子が好
ましい。また、R、環A、環B及びR’は一般式(I)
におけると同じ意味を表す。
ム(II)錯体またはニッケル(II)錯体が好ましく、特にパ
ラジウム(0)錯体が好ましい。 あるいは一般式(I)の化合物は、一般式(IIIb)
させることによっても製造することができる。ここで、
上式において、X、Y、R、環A、環B及びR’は前述
と同じ意味を表す。
式(I)で表される化合物のうち代表的なものの相転移
温度を第1表に掲げる。
ックB相を、Nはネマチック相を、Iは等方性液体相を
それぞれ表し、相転移温度は「℃」である。) 本発明の化合物を液晶組成物中に添加することにより得
られる優れた効果は以下の通りである。
表中に示され、環Aがトランス−1,4−シクロヘキシ
レン基、環Bが1,4−フェニレン基をあらわし、R’
=Hである代表的な式(I−1)
(M)
を調製した。ここで(M)の物性値は以下の通りであ
る。 TN-I: 116.7℃ 応答時間(τr=τd): 25.3m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、応答時間は20℃において立ち上がり時間(τ
r)と立ち下がり時間(τd)が等しくなる電圧印加時
の測定値である。
ようであった。 TN-I: 128.6℃ 応答時間(τr=τd): 21.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.108 このようにそのTN-Iは約12°も上昇したにもかかわ
らず、応答時間は約20%も短縮されていることがわか
る。
ロヘキシルビフェニル骨格を有するが、両側鎖がともに
直鎖状アルキル基である一般式(IIa)で表される式
(IIa−1)
量%からなる組成物(Ma−1)の物性値は以下のよう
であった。 TN-I: 125.5℃ 応答時間(τr=τd): 22.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.105 従って、ホスト液晶(M)に対しては応答時間及びネマ
チック相上限温度(T N-I)ともに、改善されているけ
れども、これを(M−1)の物性値と比較すると(T
N-I)が約3°低くなっているにもかかわらず、応答は
約7%遅くなってしまっていることがわかる。
シクロヘキサン環に直結した構造を有する一般式(II
b)で表される式(IIb−1)及び式(IIb−2)
1)の化合物20重量%及びホスト液晶(M)80重量
%からなる組成物(Mb−1)、式(IIb−2)の化
合物20重量%及びホスト液晶(M)80重量%からな
る組成物(Mb−2)の物性値は以下のようであった。 (Mb−1) TN-I: 122.5℃ 応答時間(τr=τd): 22.1m秒 屈折率異方性(Δn): 0.109 (Mb−2) TN-I: 128.5℃ 応答時間(τr=τd): 21.8m秒 屈折率異方性(Δn): 0.110 従って、ホスト液晶(M)や前述の(Ma−1)に対し
ては応答時間は改善されているけれども、これを本発明
の(M−1)の物性値と比較すると応答は遅くなってし
まっていることがわかる。
低粘性で応答性に優れかつネマチック相温度範囲の広い
液晶組成物を得る上において、(IIa−1)や(II
b−1)あるいは(IIb−2)の化合物より優れた効
果を示すことが明らかである。
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、T
N型あるいはSTN型等の電界効果型表示セル用とし
て、特に低粘性高速応答性の材料として好適に使用する
ことができる。また、一般式(I)の化合物は分子内に
強い極性基を持たないので、大きい比抵抗と高い電圧保
持率を得ることが容易であり、アクティブマトリックス
駆動用液晶材料の構成成分として使用することも可能で
ある。本発明はこのように一般式(I)で表される化合
物の少なくとも1種類をその構成成分として含有する液
晶組成物をも提供するものである。
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4’−置換ビフェニリル、4−(4−置換シクロヘ
キサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニル、
4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換フェ
ニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置
換シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,
4’−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4
−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エタン、4,4”−置換ターフェニル、4−(4−
置換シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニル、4−
[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置
換ビフェニル、4−(4−置換フェニル)−4’−置換
ビシクロヘキサン、4−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル−4’
−置換ベンゼン、4−[2−(4−置換フェニル)エチ
ル]−4’−置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フ
ェニルエチニル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換
フェニルエチニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)
ベンゼン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミ
ジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリ
ミジン及び上記各化合物においてベンゼン環が側方置換
基を有する化合物等を挙げることができる。
しては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシ
クロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)
エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘ
キシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置
換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、
4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサ
ン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘ
キシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼ
ン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−
置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニ
ル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチ
ニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び
上記においてベンゼン環がフッ素置換されている化合物
が適している。
ニルビフェニル誘導体は前述の通り新規な化合物である
が、論理上、一般式(I)を包含しうる一般式自体は例
がないわけではない。
鎖としてアルケニル基あるいはアルケニルオキシ基を含
有する非常に多くの化合物を包含するような一般式
(V)
範囲は非常に広大であり、そのR1、B、m、A及びR2
の選択によっては本発明の一般式(I)で表される化合
物が含まれてしまう。
的化合物はすべて、アルケニル基がシクロヘキサン環
(またはジオキサン環)に直結しており、本発明におけ
る一般式(I)の化合物のようにアルケニル基がベンゼ
ン環に直結した化合物、即ち一般式(V)において、環
Bが1,4−フェニレン基を表す場合の化合物は全く記
載されていない。
レン基を表す場合の化合物についてはその一般的な合成
方法すら記載されていない。また本公報に従えば、メト
キシメチルトリフェニルホスホニウム塩から調製したウ
ィッティヒ反応剤をアルデヒドに反応させて炭素鎖を伸
張したアルデヒドを合成し、これにアルキルウィッティ
ヒ反応剤を反応させることにより、1−アルケニル基以
外のアルケニル基を導入している。しかしながら、この
方法を本発明の一般式(I)の化合物のように3−ブテ
ニル基がベンゼン環に直結する化合物に適用しようとし
ても、中間体の加水分解が進行しにくいので、その合成
は困難である。
合物が、本公報により開示されていたとは到底言い難い
ものである。
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認した。また、組成物の「%」
は『重量%』を表す。 (実施例1) 4−(トランス−4−プロピルシクロヘ
キシル)−4'−(3−ブテニル)ビフェニル(第1表
中のNo.(I−1)の化合物)の合成
ン7.2gのテトラヒドロフラン(THF)30mL溶液を
マグネシウム0.83g中に溶媒の還流が穏やかに持続する
速度で滴下した。滴下終了後、さらに1時間加熱還流さ
せ、室温まで冷却した。得られたグリニヤール反応剤を
40℃以下で1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシ
ル)−4−ヨードベンゼン9.3g及びテトラキストリフ
ェニルホスフィンパラジウム(0)330mgのTHF40mL
溶液に1時間で滴下し、さらに室温で1時間攪拌した。
水及び10%塩酸を加え、水層を分離後、トルエンで抽
出し、有機層をあわせ、10%塩酸、水次いで飽和食塩
水で洗滌した。無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた
後、溶媒を溜去して4−(トランス−4−プロピルシク
ロヘキシル)−4'−(3−ブテニル)ビフェニルの粗
結晶12.6gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ヘキサン)を用いて精製し、さらにエタノー
ルから再結晶させて精製物8.0gを得た。この化合物は
室温では結晶相を示し、その融点は147℃であり、1
49.5℃までスメクチックB(SB)相を、214℃
までネマチック(N)相を示した。
(3−ブテニル)ビフェニル 4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)−4'−
(3−ブテニル)ビフェニル 4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)−4'−
(3−ブテニル)ビフェニル 4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4'
−(3−ブテニル)ビフェニル 4−(トランス−4−ヘプチルシクロヘキシル)−4'
−(3−ブテニル)ビフェニル 3−フルオロ−4−(トランス−4−メチルシクロヘキ
シル)−4'−(3−ブテニル)ビフェニル 3−フルオロ−4−(トランス−4−エチルシクロヘキ
シル)−4'−(3−ブテニル)ビフェニル 3−フルオロ−4−(トランス−4−プロピルシクロヘ
キシル)−4'−(3−ブテニル)ビフェニル 3−フルオロ−4−(トランス−4−ブチルシクロヘキ
シル)−4'−(3−ブテニル)ビフェニル 3−フルオロ−4−(トランス−4−ペンチルシクロヘ
キシル)−4'−(3−ブテニル)ビフェニル 3−フルオロ−4−(トランス−4−ヘプチルシクロヘ
キシル)−4'−(3−ブテニル)ビフェニル (実施例2) 2−フルオロ−4−プロピル−4"−
(3−ブテニル)テルフェニルの合成 実施例1において、1−(トランス−4−プロピルシク
ロヘキシル)−4−ヨードベンゼンに換えて、2−フル
オロ−4−プロピル−4'−ヨードビフェニルを用いた
他は同様にして、表記化合物を得た。
ルフェニル 2−フルオロ−4−エチル−4"−(3−ブテニル)テ
ルフェニル 2−フルオロ−4−ブチル−4"−(3−ブテニル)テ
ルフェニル 2−フルオロ−4−ペンチル−4"−(3−ブテニル)
テルフェニル 2−フルオロ−4−ヘプチル−4''−(3−ブテニル)
テルフェニル 2’−フルオロ−4−メチル−4''−(3−ブテニル)
テルフェニル 2’−フルオロ−4−エチル−4''−(3−ブテニル)
テルフェニル 2’−フルオロ−4−プロピル−4''−(3−ブテニ
ル)テルフェニル 2’−フルオロ−4−ブチル−4''−(3−ブテニル)
テルフェニル 2’−フルオロ−4−ペンチル−4''−(3−ブテニ
ル)テルフェニル 2’−フルオロ−4−ヘプチル−4''−(3−ブテニ
ル)テルフェニル (実施例3) 液晶組成物の調製(1) 汎用のホスト液晶(M)
6.7℃以下でネマチック相を示す。この組成物の応答
時間及び屈折率異方性(Δn)は以下の通りであった。 応答時間(τr=τd): 25.3m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、応答時間は20℃において立ち上がり時間(τ
r)と立ち下がり時間(τd)が等しくなる電圧印加時
の測定値である。
中で実施例1で得られた代表的な式(I−1)
80重量%からなる液晶組成物(M−1)を調製した。
この(M−1)の物性値は以下のようであった。 TN-I: 128.6℃ 応答時間(τr=τd): 21.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.108 このようにそのTN-Iは約12°も上昇したにもかかわ
らず、応答時間は約20%も短縮されていることがわか
る。 (比較例1)一般式(I)と同様にシクロヘキシルビフ
ェニル骨格を有するが、両側鎖がともに直鎖状アルキル
基である一般式(IIa)で表される式(IIa−1)
80重量%からなる組成物(Ma−1)の物性値は以下
のようであった。 (Ma−1) TN-I: 125.5℃ 応答時間(τr=τd): 22.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.105 従って、ホスト液晶(M)に対しては応答時間及びネマ
チック相上限温度(T N-I)ともに、改善されているけ
れども、これを(M−1)の物性値と比較すると(T
N-I)が約3°低くなっているにもかかわらず、応答は
約7%遅くなってしまっていることがわかる。 (比較例2)一般式(I)と同様にシクロヘキシルビフ
ェニル骨格を有するが、アルケニル基がシクロヘキサン
環に直結した構造を有する一般式(IIb)で表される
式(IIb−1)及び式(IIb−2)
1)の化合物20重量%及びホスト液晶(M)80重量
%からなる組成物(Mb−1)、式(IIb−2)の化
合物20重量%及びホスト液晶(M)80重量%からな
る組成物(Mb−2)の物性値は以下のようであった。 (Mb−1) TN-I: 122.5℃ 応答時間(τr=τd): 22.1m秒 屈折率異方性(Δn): 0.109 (Mb−2) TN-I: 128.5℃ 応答時間(τr=τd): 21.8m秒 屈折率異方性(Δn): 0.110 従って、ホスト液晶(M)や前述の(Ma−1)に対し
ては応答時間は改善されているけれども、これを(M−
1)の物性値と比較すると応答は遅くなってしまってい
ることがわかる。
低粘性で応答性に優れかつネマチック相温度範囲の広い
液晶組成物を得る上において、(IIa−1)や(II
b−1)あるいは(IIb−2)の化合物より優れた効
果を示すことが明らかである。 (実施例4) 液晶組成物の調製(2) STN表示用として汎用のホスト液晶(H)
4.5℃以下でネマチック相を示す。この組成物の応答
時間及び屈折率異方性(Δn)は以下の通りであった。 応答時間(τr=τd): 39.2m秒 屈折率異方性(Δn): 0.092 このホスト液晶(H)80%及び前述の式(I−1)の
化合物20%からなるネマチック液晶組成物(H−1)
を調製した。この(H−1)の特性値は以下のようであ
った。
かわらず、応答時間は約7%増加したにすぎない。従っ
て、(I−1)の化合物は温度範囲が高温域まで広く、
かつ粘性の小さいネマチック液晶組成物を得るために極
めて有効であることがわかる。
フェニル誘導体は、実施例にも示したように工業的にも
容易に製造することができる。得られたアルケニルビフ
ェニル誘導体は、従来用いられている同様あるいは類似
骨格を有する3環性のビフェニル誘導体化合物と比較す
ると、ネマチック相上限温度が高く、その応答性の改善
効果に優れるため、それ含有する液晶組成物は実用的液
晶として特に温度範囲が広く高速応答を必要とする液晶
表示用として極めて有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、
環Aはフッ素置換されていてもよい1,4−フェニレン
基またはトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表
し、環Bはフッ素置換されていてもよい1,4−フェニ
レン基を表し、R’は水素あるいは炭素原子数1〜5の
アルキル基を表す。また、R’がアルキル基である場
合、二重結合はシス(Z)あるいはトランス(E)である。)
で表されるアルケニルビフェニル誘導体。 - 【請求項2】 一般式(I)において、R’が水素原子
を表すところの請求項1記載のアルケニルビフェニル誘
導体。 - 【請求項3】 一般式(I)において、環Aはトランス
−1,4−シクロヘキシレン基を表し、環Bは1,4−
フェニレン基を表すところの請求項1または2記載のア
ルケニルビフェニル誘導体。 - 【請求項4】 請求項1、2または3記載のアルケニル
ビフェニル誘導体を含有する液晶組成物。 - 【請求項5】 請求項4記載の液晶組成物を用いた表示
素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20302197A JPH1143450A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 新規アルケニルビフェニル誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20302197A JPH1143450A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 新規アルケニルビフェニル誘導体 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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