JP3675018B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動輪に係る駆動力を制御する車両の駆動力制御装置に関し、特に内燃機関(エンジン)への吸入空気量を調整すると共に燃料の供給を停止又は減少させることにより、当該エンジンの出力を制御することで当該各駆動輪への駆動力を制御可能とする車両の駆動力制御装置に適する。
【0002】
【従来の技術】
運転者がアクセルペダルを踏込んで車両を加速しようとするとき、当該路面の摩擦係数状態(以下,単にμとも記す)が運転者の想定しているμよりも小さい(低い)場合には、駆動輪が必要以上にスリップして十分な加速性や走行安定性が得られないことがある。このような状態を回避するために、駆動輪に伝達される駆動トルクを制御することによって、当該駆動輪のタイヤと路面との間に作用する駆動力を当該路面μに応じたものとして当該駆動輪のスリップを抑制し、車両の加速性や走行安定性を確保しようとする駆動力制御装置が種々に開発されている。
【0003】
このような駆動力制御装置の制御対象機構若しくはその制御量は様々であり、そのような駆動力制御手段の一つにはスリップの発生している駆動輪に制動力を付与して,より具体的にはホイールシリンダを強制的に作動させることにより駆動力を制御しようとするもの(以下、制動力制御式駆動力制御手段とも記す)がある。この駆動力制御手段では、駆動力制御の応答性に優れるという反面、駆動輪にスリップが発生する度にホイールシリンダが作動されるために、ブレーキパッドやブレーキシュー等の摩擦体が磨耗し易いという問題がある。
【0004】
また、直接的に内燃機関(エンジン)の出力を制御しようとする駆動力制御手段では、例えばエンジンの吸気系に設けられたスロットルバルブの開度をアクチュエータによって制御するもの(以下、スロットル開度制御式駆動力制御手段とも記す)もある。このような駆動力制御手段では、スロットルバルブの開度制御により滑らかな駆動力制御特性を得られるものの、例えばスロットルバルブを急速に閉方向に制御しても、エンジン(或いは駆動系全般)のもつ回転慣性によって当該エンジンの回転数は急速には低下しないから、当該エンジンから駆動輪に与えられるエンジンブレーキによる制動力,所謂バックトルクは駆動輪のスリップを急速に低減するものにならない可能性もあり、従って十分な駆動力制御の応答性を得られないという問題がある。
【0005】
そこで、所謂昨今の燃焼状態を電子制御するエンジンにおいて、燃料の供給を強制的に停止又は減少させることにより、前述したバックトルクを大きく且つ速やかに得ようとする駆動力制御手段が考えられている。このような駆動力制御手段としては、例えばエンジンが複数の気筒を有し、その夫々の気筒への燃料噴射を個別に電子制御できる場合には、目標とする駆動輪速度に対する駆動輪速度のスリップ量を求め、このスリップ量に応じて、つまり所望する駆動力(トルク)の低減量に応じて、燃料供給を停止する気筒数を設定し、その気筒には燃料供給を一時的に停止(以下、燃料カットとも称する)して大きく且つ速やかなバックトルクにより駆動輪のスリップを抑制或いは解消しようとするもの(以下、燃料カット式駆動力制御手段とも記す)が考えられている。
【0006】
ちなみに、このような駆動力制御手段では、夫々、車両が或る車速以上で定常的に走行しているときの目標駆動輪速度は非駆動輪速度(以下,単に従動輪速度とも記す)に設定され、車両が発進するような場合,つまり車速が或る所定値以下である場合には、当該目標駆動輪速度は予め設定された所定値に設定されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような駆動力制御装置のうち、互いの問題点をカバーすべく、例えば前記スロットル開度制御式駆動力制御手段と燃料カット式駆動力制御手段とを併設する場合について考察する。このうち、前述のようにスロットル開度制御式駆動力制御手段は、駆動力制御の応答性に劣るため、駆動力を低減すべき制御の開始時に燃料カット式駆動力制御手段が有効に作用するようにし、それ以後はスロットル開度制御式駆動力制御手段により滑らかな駆動力特性が得られるようにするのが好適であろう。そこで、例えば燃料カット式駆動力制御手段では、スリップ量に対する比例成分とそれより位相の進んだ微分成分とから、例えば燃料カット気筒数を設定し、一方のスロットル開度制御式駆動力制御手段では、スリップ量に対する比例成分とそれより位相の遅れた積分成分とから、例えばスロットル開度の閉量を設定することとしたとき、両者の特性を有効に作用させるためには、例えば前者の微分成分を大きくし,即ち微分ゲインを大きくし、後者の積分成分を大きくし,即ち積分ゲインを大きくすればよいと考えられる。ちなみに、通常の積雪路や圧接路のようにタイヤとの摩擦係数状態(以下、単にμとも記す)が低い低μ路面では、比較的スムーズな発進加速時でも駆動輪には定常的なスリップが発生するものであり、このような定常的なスリップ発生時にまでエンジンへの燃料カットを行ってしまうと駆動輪への駆動力が小さくなりすぎて十分な加速度を得ることができなくなってしまうので、前記比例・微分制御による燃料カット式駆動力制御手段では、例えばその比例ゲインを或る程度小さくして、駆動輪のスリップが或る程度まで収束したら燃料カットを行わない或いは僅かだけ行うようにし、それ以後のスリップ量の微調整はスロットル開度制御式駆動力制御手段に委ねるようにしている。
【0008】
一方、前記スロットル開度制御式駆動力制御手段において、アクセルペダルによって操作されるスロットルバルブと当該駆動力制御手段によって開度制御されるスロットルバルブとを兼用すると、例えば両者をスロットルバルブを介して連動するようにした場合には、駆動力制御手段によってスロットルバルブが開度制御されてしまうとアクセルペダルが運転者の意思に反して勝手に動いてしまうとか、両者が連動しないようにした場合には、駆動力制御手段によって開度制御されてしまったスロットルバルブをアクセルペダルの踏込み量に応じた開度に一致させるのが困難であるという問題が生じる。そこで、アクセルペダルによって操作される第1のスロットルバルブ(以下、メインスロットルバルブとも記す)とは個別に、電動機等のアクチュエータによって開度調整可能な第2のスロットルバルブ(以下、サブスロットルバルブとも記す)を、エンジンへの吸気系の前後にメインスロットルバルブと直列に併設し、このサブスロットルバルブの開度を当該スロットル開度制御式駆動力制御手段で制御する場合もある。
【0009】
ところで、所謂エンジンの冷機時(エンジン全体の温度が定常状態まで上昇しておらず、従って前記エンジン冷却液の温度も十分に上昇していない状態を示す)では、周知のようにエンジン内部の潤滑剤,所謂エンジンオイルの粘度が高く、従って粘性抵抗等によるエンジン回転力の摩擦損失(フリクションロス)が大きいために、アイドル回転数を大きく(高く)して機関が停止しないように,即ちエンジンがストールしないように(或いはエンストしないように)する必要がある。勿論、前述のようにエンジンの燃焼状態を電子制御する車両にあっては、前記エンジン冷却液の温度を検出し、この冷却液温度に応じて、例えばアイドルバルブの開度や燃料噴射装置による燃料噴射量を管理或いは調整するなどにより、所謂空燃比の燃料比率を大きくして、必要なアイドル回転数が確保されるようにしている。従って、前述のようにメインスロットルバルブとサブスロットルバルブとを直列に併設する場合には、少なくともサブスロットルバルブが全閉されても当該冷機時のアイドル回転数を維持するのに必要な吸入空気量が確保されるように、例えば当該サブスロットルバルブに機械的な全閉ストッパーを設けて吸気系に吸入空気の流れる隙間を設けておく必要がある。ここでは、この吸入空気量の通過する隙間に相当するものもサブスロットルバルブの実際の開度というように定義付けする。
【0010】
すると、前述のように燃料カット式駆動力制御手段が駆動力制御の開始時にのみ燃料カットを行い、且つ前記サブスロットルバルブの開度を制御するスロットル開度制御式駆動力制御手段がそれ以後のサブスロットルバルブの開度制御を行うように両者を分担させたとき、例えば氷結路のようにタイヤとのμが極端に低い極低μ路面での発進時に、直ぐに駆動輪に大幅なスリップが生じ、これに対して燃料カット式駆動力制御手段がエンジンへの燃料カットを行っても当該駆動輪のスリップが十分に小さくならなかった場合には、その後、前記スロットル開度制御式駆動力制御手段はスロットルバルブ(特にサブスロットルバルブ)に全閉指令を出力することとなろう。しかしながら、例えば前述のように微分ゲインを大きく設定してスリップの増加時にのみエンジンへの燃料カットを行う燃料カット式駆動力制御手段は、駆動輪のスリップはそれ以上増加していないものの未だ駆動輪のスリップそのものが所定の状態まで収束していなくてもエンジンの燃料カットを行わない或いは僅かにしか行わなくなり、しかも前述のようにサブスロットルバルブは全閉にされても(実際には全閉指令が出力されているだけで実際のサブスロットルバルブ開度は全閉とはならない)エンジンには空気が吸入されてしまうので、演算処理上で用いられる仮想のサブスロットルバルブ全閉状態のエンジン出力と実際のエンジン出力との間には定常的な偏差が発生している(勿論、実際のエンジン出力の方が大きい)。従って、このエンジン出力の定常偏差,即ちサブスロットルの目標開度と実際の開度との間に発生するエンジン出力の定常偏差に相当する駆動力が駆動輪に付与され続け、しかも発進しようとする路面が前述のような極低μ路面である場合には更にスリップが収束しにくくなってしまうという問題がある。
【0011】
この問題は、前記スロットル開度制御式駆動力制御手段と制動力制御式駆動力制御手段とを併用する駆動力制御装置にあって、制動力制御式駆動力制御手段が、車両発進時の初期にのみ制動力を付与するようにしたものでも同様に発生する可能性がある。
本発明は、これらの諸問題に鑑みて開発されたものであり、前述のような極低μ路面での燃料カットや制動力制御による駆動力低減制御を、例えばサブスロットルに対して全閉指令が出力されている間は、前記スロットルの目標開度と実際の開度との間に発生するエンジン(内燃機関)出力の定常偏差を補正する分だけ継続することにより駆動輪スリップの収束を早め得る車両の駆動力制御装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係る車両の駆動力制御装置は、所定の目標駆動輪速度に対する駆動輪のスリップ状態を検出する駆動輪スリップ状態検出手段と、前記駆動輪スリップ状態検出手段で検出された駆動輪のスリップ状態検出値の大きさに応じて、運転者によって操作される第1のスロットルバルブとは個別に設けられた第2のスロットルバルブの開度を閉方向に制御して、前記スリップ状態検出値の変化に対して大きなゲインで内燃機関の出力を低減制御する第1の内燃機関出力制御手段と、前記スリップ状態検出値の大きさに応じて、前記第1の内燃機関出力制御手段より速い応答性で、且つ前記スリップ状態検出値の変化に対して小さなゲインで前記内燃機関の出力を低減制御する第2の内燃機関出力制御手段とを備え、前記第2の内燃機関出力制御手段は、前記第2のスロットルバルブの実際の開度が全閉ストッパーにより制限されて当該第2のスロットルバルブの目標開度と一致しなくなることにより発生する内燃機関出力の定常偏差相当の駆動力分だけ前記内燃機関の出力を低減制御する内燃機関出力定常偏差補正手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明のうち請求項2に係る車両の駆動力制御装置は、前記第2の内燃機関出力制御手段は、前記内燃機関への燃料の供給を停止又は減少することにより当該内燃機関の出力を低減制御することを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
上記構成とした本発明の車両の駆動力制御装置では、例えば前述したようにメインスロットルバルブに直列に併設されたサブスロットルバルブのスロットル開度を調整することにより、内燃機関(エンジン)の出力を低減して駆動輪のスリップ状態を所定の状態に制御する前記スロットル開度制御式駆動力制御手段と、例えば前述のような燃料カット式駆動力制御手段や制動力制御式駆動力制御手段とを併設した場合を想定している。そして、前記サブスロットルバルブのスロットル開度の目標値と実際のスロットル開度との間に発生する内燃機関出力の定常偏差、つまり演算処理上のサブスロットルバルブの(エンジンに吸入される空気量が零であると考えられる)全閉時のエンジン出力と、実際には全閉状態とならず所定量の空気がエンジンに吸入されているエンジン出力との定常偏差に相当する駆動力を、他の駆動力低減手段,つまり前記燃料カット式駆動力制御手段や制動力制御式駆動力制御手段を用いて減少するように補償することにより、前述のような極低μ路面における駆動輪のスリップ収束を早めることができる。
【0016】
また、例えば前述のような複数の気筒を有する内燃機関(エンジン)の燃焼状態を電子制御可能な車両にあって、当該エンジンの各気筒への燃料噴射を停止又は減少可能として前記第2の内燃機関出力制御手段を構成する。また、例えばメインスロットルバルブ(第1のスロットルバルブ)とは個別のサブスロットルバルブ(第2のスロットルバルブ)のスロットル開度を閉方向に調整することにより、内燃機関(エンジン)の出力を低減する第1の内燃機関出力制御手段を構成する。そして、例えば少なくとも駆動輪速度センサ等で検出された駆動輪速度が、例えば所定の目標駆動輪速度に対してどれ位の速度差でスリップしているかという駆動輪のスリップ状態を前記駆動輪スリップ状態検出手段で検出し、このスリップ状態検出値の大きさに応じて、前記第1の内燃機関出力制御手段では、例えばこのスリップ状態検出値の比例・積分値から、前述のように第2のスロットルバルブの閉方向へのスロットル開度制御量を算出設定し、そのスロットル開度制御量分だけ第2のスロットルバルブを閉方向に制御すると共に、前記第2の内燃機関出力制御手段では、例えば前記スリップ状態検出値の比例・微分値から、前述のように燃料カットすべきエンジンの気筒数を算出設定し、当該気筒数分だけ燃料カットを実行することにより、駆動輪のスリップを抑制或いは解消して所望の状態にすることが可能となる。
【0017】
このとき、前記内燃機関出力定常偏差補正手段は、例えば前記機械的全閉ストッパーによる第2のスロットルバルブからの吸入空気量に相当する当該第2のスロットルバルブの実際の開度と、例えば演算処理上で全閉と考えられる第2のスロットルバルブの目標開度との間で発生する内燃機関出力の定常偏差、即ち第2のスロットルバルブからの漏れ空気がエンジンに吸入されているときのエンジン出力とエンジンには全く空気が吸入されていないと考えられるときのエンジン出力との定常的な偏差などに応じて、当該エンジン出力定常偏差に相当する駆動力分だけ当該内燃機関への燃料供給の停止量又は減少量を設定することにより、例えば当該第2の内燃機関出力制御手段が前記比例・微分制御などによりスリップ量の増加時にのみエンジンへの燃料カットを行うものであり、本来はスリップ量の増加が終了している極低μ路面での発進時にも適切な燃料カットを継続することで、駆動輪へのバックトルクを大きくして当該駆動輪のスリップを早期に収束することができる。
【0018】
なお、前記第2のスロットルバルブの目標開度や実際の開度に応じたエンジン出力は、単にスロットルバルブからの吸入空気量のみならず、そのときのエンジンのアイドル回転数やその直前のエンジン回転数、或いはスロットル開度の変化速度、或いは前記燃料噴射装置からの燃料噴射状態等によっても変化するはずであるから、例えばエンジンの燃焼状態を電子制御する車両にあっては当該エンジン燃焼状態制御装置からそれらの情報を読込み、更に正確にそれらのエンジン出力を算出するようにしてもよい。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る駆動力制御装置の一実施例が適用された車両を示す概略構成図であって、後輪駆動車である場合を示している。図中、10FL,10FRは、非駆動輪(従動輪)となる前左輪,前右輪を、10RL,10RRは、駆動輪となる後左輪,後右輪を示す。つまり、ここでは直列4気筒で構成されるエンジン(内燃機関)20の出力は、既存のトルクコンバータ18を介して自動変速機14に伝達され、この自動変速機14で自動的に選択されたギヤ比で減速されることにより駆動トルクが調整され、更にプロペラシャフト22、ディファレンシャルギヤ24を介して後左右車軸12L,12Rに分岐され、その回転駆動力が両後輪10RL,10RRから路面に伝達される。
【0020】
前記エンジン20の吸気管路36には、アクセルペダル37の踏込み量に応じて可動されるメインスロットルバルブ(第1のスロットルバルブ)39と、ステップモータ45をアクチュエータとし、そのステップ数に応じた回転角により開度が調整可能なサブスロットルバルブ35が直列に併設されると共に、前記4つの気筒の夫々に燃料を噴射する燃料噴射装置(以下,インジェクタとも記す)21a〜21dとが設けられている。このうち、インジェクタ21a〜21dは、後述するエンジンコントロールユニット31からの駆動信号に応じてエンジン20の各気筒への燃料噴射のタイミング及びその量を調整するものであり、当該エンジンコントロールユニット31からの要求駆動信号によっては各気筒への燃料噴射を停止(燃料カット)することも可能である。また、前記メインスロットルバルブ39は、アクセルペダル37の踏込み量に機械的に連動するか、或いは当該アクセルペダル37の踏込み量を検出する図示されないアクセルセンサの踏込み量検出値に応じて、エンジンコントロールユニット31が電気的に調整制御して、その開方向へのスロットル開度が調整される。また、前記サブスロットルバルブ35は、エンジンコントロールユニット31からの駆動信号によってステップモータ45のステップ数(回転角)が調整制御され、この回転角に応じて常時開のスロットル開度が閉方向に調整される。なお、本実施例では、例えばこのサブスロットルバルブ35を用いて、車速自動調節機構等としてステップモータ45の回転角をスロットルモータセンサ49で検出し、所望される車速が達成されるように当該ステップモータ45の回転角を前記エンジンコントロールユニット31からの駆動信号によりフィードバック制御することも可能としている。また、このエンジン20及びその周囲には、前記エンジンコントロールユニット31でエンジンの燃焼状態を電子制御するために必要な各種のセンサが設けられており、具体的には吸気管路36には燃焼用の空気流量を検出するエアフローメータ41が、排気管路38には排気中の酸素濃度を検出するO2 センサ40が、またシリンダブロックの外部にはエンジン20内での所謂ノッキングを検出するノックセンサ44が、また図示されないクランク軸回りにはエンジン20の回転数NE を検出するエンジン回転数センサ47が、またエンジン20を冷却する冷却液路の近傍には、当該冷却液温度を検出する冷却液温度センサ43等が設けられており、夫々の検出信号は、エンジンコントロールユニット31や後述するトランスミッションコントロールユニット34に向けて出力される。
【0021】
また、前記自動変速機14では、トランスミッションコントロールユニット34からの制御信号又は駆動信号によってアクチュエータユニット32が駆動される。このトランスミッションコントロールユニット34で制御される自動変速機14内のギヤ比は、周知のように、出力軸回転速度として代用され且つ車速センサ48で検出される車速と前記スロットルセンサ42で検出されたスロットル開度とを変数として、或いは前記エンジン回転数センサ47で検出されたエンジン回転数を参照としながら、運転状態に応じた最適な駆動トルクが得られる車両減速比となるように制御される。ちなみに、本実施例のトランスミッションコントロールユニット34は、前記エンジンコントロールユニット31と相互に情報の授受を行って前記エンジン20及び自動変速機14の通常走行時における最適化制御を実施している。
【0022】
また、前記各車輪10FL〜10RRには車輪速センサ28FL〜28RRが設けられており、各車輪速センサ28FL〜28RRからは、当該車輪10FL〜10RRの回転速度に応じたパルス信号が、その車輪速VwFL〜VwRRとして後述するトラクション(駆動力)コントロールユニット30に向けて出力される。
【0023】
また、前記エンジンコントロールユニット31は、図示されないマイクロコンピュータ等を内蔵して構成されており、例えば前記水温センサ43で検出された冷却液温度、エンジン回転数センサ47で検出されたエンジン回転数NE 、スロットルセンサ42で検出されたスロットル開度、スロットルモータセンサ49で検出されたスロットルモータ回転角、O2 センサ40で検出された排気中O2 濃度、ノックセンサ44で検出されたノッキング状態、エアフローメータ41で検出された燃焼用吸入空気流量等に基づいて、図示されない独自の演算処理に応じ、或いは前記トランスミッションコントロールユニット34や後述するトラクションコントロールユニット30からの要求信号や情報信号に応じて、インジェクタ21a〜21dのON/OFF及びそのタイミングと燃料噴射量や、サブスロットルバルブ35のスロットル開度等を調整して空燃比を調整することで、エンジン20の燃焼状態を制御することにより当該エンジン20の回転数や出力を制御して、これによりスムーズな加速感や必要にして十分な減速感を得たり、図示されない点火プラグの点火時期やアイドル回転数等を車両の状態に応じて最適制御したりする。
【0024】
ちなみに、このエンジンコントロールユニット31では、後述するトラクションコントロールユニット30からの燃料カット要求信号及びサブスロットル開度要求信号に応じて、要求される気筒のインジェクタ21a〜21dによる燃料噴射を停止すると共にサブスロットルバルブ35の開度を閉方向に制御するが、前述のように又は図2に示すように、このサブスロットルバルブ35には、機械式全閉ストッパー35aが設けられていて、当該エンジンコントロールユニット31が前記ステップモータ45に対して当該サブスロットルバルブ35の全閉に相当する全閉指令を出力しても、実際にはこの全閉ストッパー35aにバルブ35が当接して完全に全閉にはならないようになっている。これは、前述のようなエンジン冷機時のアイドル回転数を維持するに必要な,つまり冷機時の耐エンスト回転数を維持するに必要な吸入空気量を確保するためであり、その吸入空気量は、例えばアイドル回転数やエンジン回転数、或いはスロットル開度の時間変化率、或いは直前の燃料噴射状態等から得ることができる。
【0025】
そして、前記トラクションコントロールユニット30は、図3に示すように、マイクロコンピュータ84を内蔵して構成される。このマイクロコンピュータ84は、A/D変換機能等を有する入力インタフェース回路84a、マイクロプロセサユニット(MPU)等から構成される演算処理装置84b、ROM,RAM等からなる記憶装置84c、及びD/A変換機能等を有する出力インタフェース回路84dを備えており、前記演算処理装置84bは、前記各車輪速センサ28FL〜28RR及びエンジンコントロールユニット31からの各信号値に応じて、当該エンジンコントロールユニット31への燃料カット目標気筒数N* CUT 出力値やサブスロットルバルブ35への目標スロットル開度θ* S 出力値を算出するなどの演算処理を実行する。また、前記記憶装置84cは、演算処理装置84bの演算処理に必要な処理プログラムを予め記憶していると共に、当該演算処理装置84bの処理結果を逐次記憶する。
【0026】
次に、前記トラクションコントロールユニット30のマイクロコンピュータ84で実行される演算処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、この演算処理では、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理装置84bで算出された演算結果は随時記憶装置84cに記憶され、記憶装置84cに記憶されている情報は随時演算処理装置84bのバッファ等に伝達記憶されるようになっている。
【0027】
そして、この演算処理は、例えば前記マイクロコンピュータ84の演算処理装置84bにおいて、例えば5msec. 程度の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込み処理によって実行され、先ず、ステップS1で、各車輪速センサ28FL〜28RRからの車輪速Vwi (i=FL〜RR)を読込む。
次にステップS2に移行して、駆動輪である平均後輪速の比較対象となる車体速を、非駆動輪(従動輪)である前左右輪10FL,10FRの前左右輪速VwFL,VwFRの平均値と等価であるとして、その平均前輪速(従動輪速)VwF を下記6式に従って算出する。
【0028】
VwF =(VwFL+VwFR)/2 ……… (6)
次にステップS3に移行して、駆動輪である後左右輪10RL,10RRの後左右輪速VwRL,VwRRから、平均後輪速(駆動輪速)VwR を下記5式に従って算出する。
VwR =(VwRL+VwRR)/2 ……… (5)
次にステップS4に移行して、例えば図5に示す駆動力制御開始(駆動輪速度)閾値Vw0 −平均前輪速VwF 制御マップに従って、当該平均前輪速VwF に応じた駆動力制御開始閾値Vw0 を算出設定する。ちなみに、この制御マップでは、少なくとも平均前輪速VwF が所定値VwF0以上の領域で、駆動力制御開始閾値Vw0 は当該平均前輪速VwF より所定値S* だけ大きく且つ平均前輪速VwF と同じ傾きで,即ち平均前輪速VwF に対してリニアに増加するように設定されている。つまり、この領域では駆動輪速度である平均後輪速VwR が当該駆動力制御開始閾値Vw0 以上でないと駆動力制御が開始されないことは容易に想定されようから、逆に平均前輪速VwF に対して駆動力制御が開始されない駆動輪速,つまり平均後輪速VwR が駆動力制御開始閾値Vw0 以下である領域に相当する所定値S* が、本発明での駆動輪の所定のスリップ状態,或いは目標とするスリップ状態であることが分かる。
【0029】
一方、前記平均前輪速VwF が前記所定値VwF0以下の領域では、駆動力制御開始閾値Vw0 に相当する平均後輪速VwR は所定値Vw00一定に維持される。この駆動力制御開始閾値の所定値Vw00は、これ以下まで駆動輪速度である平均後輪速VwR を下げてしまうと、例えば直結状態にあるエンジンがアイドル回転数を維持できなくなってエンストしてしまうという境界値であり、換言すればエンスト防止最小エンジン回転数ということになろう。ちなみにここでは、当該エンスト防止最小エンジン回転数に対応する駆動力制御開始閾値の所定値Vw00を例えばエンジン冷機時に相当するアイドル回転数値等に応じて固定しているが、このエンスト防止最小エンジン回転数は、例えば前述のように冷却液温度に応じて可変制御されているから、前記エンジンコントロールユニットが可変制御しているエンスト防止最小エンジン回転数に応じて駆動力制御開始閾値の所定値Vw00を可変設定することも勿論可能である。そして、例えばエンジンの暖機時には、小さく変更設定されているエンスト防止最小エンジン回転数に応じて駆動力制御開始閾値の所定値Vw00を小さくすれば、平均前輪速VwF を車体速と見なし、これに所定スリップ量S* を和して制御される領域が広くなり、その結果、駆動輪のスリップは更に早期に収束されることとなろう。また、この駆動力制御開始閾値の所定値Vw00は、自動変速機で設定されているギヤ比にも応じて設定変更されるべきである。即ち、ここでは車両の発進時のみを考慮して前記自動変速機14のギヤ位置は、最も大きい減速比に相当する,所謂1速である場合を想定しているため、前記エンスト防止最小エンジン回転数に相当する駆動力制御開始閾値の所定値Vw00は、当該変速機の1速に相当する減速比で一意に決定されている。しかしながら、例えば氷雪路にあって、予め運転者が2速発進する場合や、自動変速機を搭載する車両が前記駆動力制御開始閾値の所定値Vw00より高い車速で走行していて2速以上に設定されており、しかしながら制動等により車速は駆動力制御開始閾値の所定値Vw00以下となったものの、自動変速機側の応答遅れによって未だ2速以上にあり、然る後、アクセルペダルを踏込んで急加速するような場合には、この一意性が失われる。この変速機のギヤ比,つまり減速比は、前記エンスト防止最小エンジン回転数から駆動力制御開始閾値の所定値Vw00を設定するための単なるパラメータにしか過ぎないから、このような状況を想定する場合には、例えば前記トランスミッションコントロールユニットから現在のギヤ比を読込み、このギヤ比をパラメータとして用いて駆動力制御開始閾値の所定値Vw00が設定されるようにすればよい。
【0030】
次にステップS5に移行して、前記駆動輪速度である平均後輪速VwR が前記駆動力制御開始閾値Vw0 以上であるか否かを判定し、当該平均後輪速VwR が駆動力制御開始閾値Vw0 以上である場合にはステップS6に移行し、そうでない場合にはステップS7に移行する。
前記ステップS6では、前記平均後輪速VwR と平均前輪速VwF との偏差から、当該後輪10RL,10RRの平均的なスリップ速度を、駆動輪スリップ量の今回値S(n) として,下記7式に従って算出してからステップS8に移行する。
【0031】
(n) =VwR −VwF ……… (7)
前記ステップS8では、前記スリップ量の今回値S(n) 及び記憶装置84cに更新記憶されているスリップ量の前回値S(n-1) 及び目標サブスロットル開度の前回値θ* S(n-1)を用いて、目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)を下記8式に従って算出してからステップS9に移行する。
【0032】
θ* S(n)=θ* S(n-1)−KI ・S(n) −KP1・(S(n) −S(n-1) )……… (8)
但し、KI は積分ゲイン、KP1は比例ゲインであり、ここでは、前述のように比較的応答性の遅いスロットル開度制御による駆動力制御の特性を生かすために、前記積分ゲインKI は比較的大きな値に、また比例ゲインKP1は比較的小さい値に設定する。これにより、前記8式から明らかなように、スリップ量が存在しているうち、つまりスリップ量の今回値S(n) が正値であるうちは、目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)を前回値θ* S(n-1)よりどんどん小さくしてスリップの収束を促進すると共に、スリップ量の今回値S(n) から前回値S(n-1) を減じた値が負値となる,即ちスリップ量そのものが小さくなっている場合に目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)を前回値θ* S(n-1)より少しずつ大きく設定して駆動輪速度である平均後輪速VwR をゆっくりと復帰(リカバリー)するようにフィードバック制御している。
【0033】
そして、前記ステップS9では、下記9式に従って、前記ステップS8で算出された目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)とサブスロットル開度の最大値θ* SMAXとの何れか小さい方を目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)に決定してからステップS10に移行する。
θ* S(n)=MIN(θ* S(n),θ* SMAX) ……… (9)
但し、式中のMINは最小値選出を示す。また、ここではサブスロットル開度の最大値θ* SMAXは開度100%を示す。また、本来なら前記算出された目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)とサブスロットル開度の最小値θ* SMIN(=0%)との大小判定を行うべきであろうが、本実施例では例え目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)が“0”以下,つまり全閉以下となっても、前記機械的全閉ストッパー25aによりサブスロットルバルブ25は全閉にはならないし、また後述する第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTとの関係から、目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)が“0”より大きくなったときに第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTが“0気筒”となり、それ以後は当該目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)による駆動力フィードバック制御が滑らかに展開されるようにするため、敢えて目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)を“0”の最小値に設定しないこととした。なお、その詳細については、ロジック全体の作用の項で説明する。
【0034】
また、前記ステップS10では、前記ステップS7又はステップS8で算出されたスリップ量の今回値S(n) 及びその微分値を用いて、下記10式に従って第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTを算出してからステップS11に移行する。
* 1CUT=INT(KP2・S(n) +KD ・(dS(n) /dt)) ………(10)
但し、式中のKP2は比例ゲインを、またKD は微分ゲインを夫々表し、INTは算出値の小数点以下を切り捨てて整数化することは表す。また、式中のスリップ量の微分値(dS(n) /dt)は、例えばスリップ量の今回値S(n) から前回値S(n-1) を減じた値を、前記所定サンプリング時間ΔTで除して求めてもよい。更に、前述のように比較的応答性の速い燃料カット制御による駆動力制御の特性を生かすために、前記微分ゲインKD は比較的大きな値に、また比例ゲインKP2は比較的小さい値に設定する。これにより、前記8式から明らかなように、スリップ量が増加しているうち、つまり(dS(n) /dt)が正値であるうちは、駆動輪スリップの初期であり同時に前記スロットル開度制御が十分に応答していない可能性があるから、第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTが大きく設定されるようにしてスリップの収束性を早め、例えば前述のような通常の低μ路面で駆動輪スリップは増加していない、つまり(dS(n) /dt)が“0”か負値である場合であって、スリップ量の今回値S(n) が定常的に発生している場合には、当該低μ路面での加速性を阻害しないように或いはエンジン出力が小さくなり過ぎてエンストが発生しないように第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTが小さく設定されるようにフィードバック制御している。また、この10式の意味するところは、スリップ量Sに対する比例・微分制御によって目標燃料カット気筒数N* CUT を設定することにより、駆動輪である後輪10RL,10RRへの駆動力を低減することであるから、この目標燃料カット気筒数N* CUT は、当該後輪10RL,10RRへの駆動力低減量,即ちトルクダウン量ΔTに応じたもの(=f1 (ΔT))となる。
【0035】
前記ステップS11では、前記ステップS8又はステップS9で設定された目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)が“0”以下であるか否かを判定し、当該目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)が“0”以下である場合にはステップS12に移行し、そうでない場合にはステップS13に移行する。
前記ステップS12では、下記11式に従って、前記サブスロットルバルブ25が全閉(実際には全閉ではない)となったときの吸入空気量(図では漏れ空気量とも記す)によるエンジントルク(出力)E1 と、サブスロットルバルブ25が本当に全閉になったと想定されるとき,つまり吸入空気量が“0”のときのエンジントルク(出力)E0 との偏差から、全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2を算出してからステップS14に移行する。なお、ここでは両エンジントルクE1 及びE0 を定数的に取扱っているが、これらは前述のような要因,即ちエンジン回転数や燃料噴射状態或いはスロットル開度の時間変化率等に応じて変化するから、厳密を要する場合には、これらの変数を認識しているエンジンコントロールユニットから情報を得て更に正確な演算を行うようにしてもよい。
【0036】
ΔET2=E1 −E0 ………(11)
また、前記ステップS14では、前記ステップS12で算出された全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2を用いて、下記12式に従って第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTを算出してからステップS15に移行する。
* 2CUT=f2 (ΔET2) ………(12)
但し、式中のf2 は、前記全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2を引数とするトルクダウン関数であり、これによって得られる第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTは、現在のエンジントルク(出力)を当該全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2分だけ小さく補正するための燃料カット気筒数であると言える。
【0037】
一方、前記ステップS13では、第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTを“0”に設定してから前記ステップS15に移行する。
そして、前記ステップS15では、下記13式に従って、前記第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTと第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTとの何れか大きい方を目標燃料カット気筒数N* CUT に設定してからステップS16に移行する。
【0038】
* CUT =MAX(N* 1CUT,N* 2CUT) ………(13)
但し、式中のMAXは最大値選出を示す。
前記ステップS16では、前記目標燃料カット気筒数N* CUT が“0”以上であるか否か,即ち正値であるか否かを判定し、当該目標燃料カット気筒数N* CUT が“0”以上である場合にはステップS17に移行し、そうでない場合にはステップS18に移行する。
【0039】
前記ステップS17では、前記算出された目標燃料カット気筒数N* CUT が正値である、即ち燃料カットを行う気筒の数として妥当であると判断し、当該目標燃料カット気筒数N* CUT をそのまま目標燃料カット気筒数N* CUT に設定してからステップS19に移行する。
一方、前記ステップS18では、前記算出された目標燃料カット気筒数N* CUT が負値である、即ち燃料カットを行う気筒の数としては妥当でないと判断し、当該目標燃料カット気筒数N* CUT を“0”に設定してから前記ステップS19に移行する。
【0040】
そして、前記ステップS19では、前記算出設定された目標燃料カット気筒数N* CUT 及び目標サブスロットル開度θ* S(n)を前記エンジンコントロールユニット31への要求信号として出力してからステップS20に移行する。
前記ステップS20では、前記目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)を前回値θ* S(n-1)として、またスリップ量の今回値S(n) を前回値S(n-1) として夫々記憶装置84cの所定記憶領域に更新記憶してからメインプログラムに復帰する。
【0041】
また、前記ステップS7では、前記サブスロットル開度の最大値θ* SMAXをサブスロットル開度の前回値θ* S(n-1)として、また“0”とスリップ量の前回値S(n-1) として夫々記憶装置84cの所定記憶領域に更新記憶してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理によれば、特にそのステップS4からステップS6にかけて、車両が或る車速以上,つまり車体速と等価な従動輪速度である平均前輪速VwF が前記所定値VwF0以上で走行しているのか、又はそれよりも低い車速で、例えば発進しようとしているのか、若しくは一旦十分に減速した後に再び加速しようとしているのかなどが判定され、夫々の状況に応じたスリップ量Sが算出設定される。即ち、例えば車体速と等価な平均前輪速VwF が前記所定値VwF0以上である場合の駆動力制御開始(駆動輪速度)閾値Vw0 は、当該平均前輪速VwF より所定スリップ量S* だけ大きな値であり、この駆動力制御開始閾値Vw0 より平均後輪速VwR が小さい場合にはステップS5からステップS7を経てメインプログラムにリターンしてしまい、平均後輪速VwR が当該駆動力制御開始閾値Vw0 以上である場合に限って、ステップS6で平均後輪速VwR から平均前輪速VwF を減じてスリップ量の今回値S(n) が算出される。従って、このスリップ量の今回値S(n) は必ず前記所定スリップ量S* 以上であり、少なくとも車両の加速時にはトラクションロスにより駆動輪に定常的なスリップが発生するものであるから、この所定スリップ量S* を、例えば通常の中・高μ路面で想定される定常的な駆動輪,即ち平均後輪速VwR のスリップ量に設定しておけば、スリップ量の収束目標値は最も好適な値となるし、またそれよりもスリップ量が小さい場合には不要な駆動力制御を実行しないですむと共に適度な不感帯となって制御のハンチングを抑制防止することができる。
【0042】
また、前記車体速と等価な平均前輪速VwF が前記所定値VwF0より小さい場合には、駆動力制御開始(駆動輪速度)閾値Vw0 は、前記エンスト防止最小エンジン回転数を満足する駆動輪速度,つまり所定値Vw00に設定維持されるから、当該駆動輪速度である平均後輪速VwR を当該駆動力制御開始閾値Vw0 (=Vw00)まで低下させてもエンジンがストールする恐れはない。またこれにより、前記電子制御されるエンジンにあって、当該エンスト防止最小エンジン回転数よりエンジン回転数が小さく(低く)なると、自動的にエンジンの回転数を復帰させる(リカバリーする)ものであった場合、例えば以下に説明する駆動力制御によって一旦エンジンがストールしかけ、次いで当該リカバリー機能によってエンジン回転数が増加されるということを繰返す恐れもなく、従って車両挙動が不安定になるということもない。勿論、前述のように、実際に可変制御されているエンスト防止最小エンジン回転数(主として冷却液温度に応じている)や変速機のギヤ比に応じて前記駆動力制御開始の所定値Vw00を可変設定することとすれば、平均前輪速VwF がそれに応じた所定値VwF0より小さい場合は勿論、それ以上である,前記定常的なスリップが発生している走行時にも最も好適な駆動力制御を行うことが可能となる。
【0043】
次に、前記図4の演算処理による駆動力制御の作用について、図6のタイミングチャートを用いて説明する。ここで、前述のように車両が或る車速(例えば前記平均前輪速の所定値VwF0)以上で定常的に走行している場合には、後輪10RL,10RRへの駆動力は、当該平均後輪速VwR が、車体速と等価と考えられる平均前輪速VwF と所定スリップ量S* との和,つまり駆動力制御開始(駆動輪速度)閾値Vw0 になるように、前記サブスロットル開度制御及び燃料カット制御の組合せにより適正に制御されるので、その詳細な説明は省略する。
【0044】
このタイミングチャートは、この実施例の車両が、氷結路のように路面μの極めて低い,所謂極低μ路面において、停車状態から時刻t00で急発進しようとする場合をシミュレートしたものである。そして、図6aには平均後輪速VwR 及び平均前輪速VwF の経時変化を、同図bには平均後輪速の微分値としての平均後輪加速度V'wR の経時変化を、同図cには目標サブスロットル開度θ* S 及び前記サブスロットルバルブ25で実際に達成された実サブスロットル開度θS の経時変化を、同図dには目標燃料カット気筒数N* CUT (前記第1目標燃料カット気筒数N* 1CUT及び第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTを含む)及び前記エンジンコントロールユニット31によって実際に燃料カットが実行された実燃料カット気筒数NCUT の経時変化を夫々示すものとし、以下は夫々の図面の詳細な引用を省略する。なお、ここでは理解を容易化するために、ここに示すタイミングチャート中では、車体速と等価な平均前輪速VwF が前記所定値VWF0以上となることはなく、従って前記図5の制御マップに従って、図4の演算処理のステップS4で設定される駆動力制御開始閾値Vw0 は前記所定値Vw00一定に維持されたものとする。
【0045】
先ず、前記時刻t00までの間は、前記エンジンコントロールユニットによってエンジン回転数は、前記エンスト防止最小エンジン回転数をアイドル回転数として維持制御されており、勿論、これまでの目標サブスロットル開度θ* s は最大値θ* SMAXに、また目標燃料カット気筒数N* CUT は“0”に設定維持され、実際値もそれに一致している。そして、この時刻t00で、運転者がアクセルペダルを大きく踏込んで急発進しようとしたため、これに遅れてエンジン回転数は大きく増加し始め、それに伴うエンジン出力の増加により平均後輪加速度V'wR も正の領域で大きく増加し、それより位相の遅れた平均後輪速VwR も次第に増加していった。しかしながら、この平均後輪加速度V'wR や平均後輪速VwR の増加は、車体の移動を伴うものではなく、単に極低μ路面でスリップしているだけのものであったために、車体速と等価な平均前輪速VwF は殆ど又は全く増加しない。従って、少なくとも平均後輪速VwR が前記駆動力制御開始閾値Vw0 以上となる時刻t01までの間は、図4の演算処理のステップS5からステップS7を経てメインプログラムに復帰するフローが繰返されるだけで、目標サブスロットル開度θ* s も目標燃料カット気筒数N* CUT もエンジンコントロールユニットに要求されないから実サブスロットル開度θS は前記最大値θSMAXに維持され、実燃料カット気筒数NCUT は例えば“0気筒”に相当する,つまり何れの気筒も燃料カットを行わない状態が継続される。
【0046】
次いで、前記時刻t01で平均後輪速VwR が前記駆動力制御開始閾値Vw0 以上となると、その直後に実行される図4の演算処理のステップS5からステップS6に移行してスリップ量(の今回値)S(n) が算出され、次のステップS7で目標サブスロットル開度(の今回値)θ* S(n)が算出され、次のステップS8で目標サブスロットル開度の最大値θ* SMAXとの比較により何れか小さい方の値が目標サブスロットル開度θ* S(n)に選出される。しかしながら、このときの目標サブスロットル開度θ* S(n)は、前述のようにその算出式である前記8式が積分ゲインKI の大きな或いは比例ゲインKP の小さなものであるために、未だスリップ量S(n) そのものが大きくない当該時刻t01の直後では、前記最大値θ* SMAXより僅かに小さい値に止まり、その後のスリップ量S(n) の増加に伴って急速に小さくなることが予想される。一方、この図4の演算処理では、次のステップS10で第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTが算出される。この第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、前述のようにその算出式である前記10式が微分ゲインKD の大きな或いは比例ゲインKP の小さなものであるために、図6bに示すように、既に平均後輪加速度V'wR が正値の領域で十分に大きくなっている当該時刻t01の直後で、例えば前記4気筒エンジンのうちの“4気筒”というように設定されたものとする。そして、この図4の演算処理では、前記目標サブスロットル開度θ* S(n)が未だ“0”より大きいためにステップS11からステップS13に移行して第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTは“0(気筒)”に設定されるため、同ステップS15では、それよりも大きい前記第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTが目標燃料カット気筒数N* CUT に選出される。この目標燃料カット気筒数N* CUT は正値であるため、同図4の演算処理ではステップS16からステップS17に移行して、その目標燃料カット気筒数N* CUT をそのまま、また前記最大値θ* SMAXより僅かに小さい目標サブスロットル開度θ* S(n)を、同ステップS19でエンジンコントロールユニットに要求出力した。その結果、エンジンコントロールユニットは当該“4気筒”に相当する目標燃料カット気筒数N* CUT に応じた気筒分の燃料カットを実行し、従って実燃料カット気筒数NCUT は当該目標燃料カット気筒数N* CUT に一致し、また実サブスロットル開度θS(n)は前記目標サブスロットル開度θ* S(n)に一致した。
【0047】
これにより、エンジン回転数はその増加率が小さくなり、これに合わせて平均後輪加速度V'wR の増加率も小さくなったが、それらより位相の遅れた平均後輪速VwR はその後も増加し続け、これにより図4の演算処理のステップS8で算出され且つ同ステップS9で選出される目標サブスロットル開度θ* S(n)は加速度的に小さくなり、時刻t02で“0”以下となった。また、このとき、図4の演算処理のステップS10で算出される第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、前述のように平均後輪加速度V'wR が未だ大きいままであるために、前記と同様に“4気筒”に相当する数値に設定され続けていた。そして、同図4の演算処理では、この時点で前記目標サブスロットル開度θ* S(n)が“0”以下となったためにステップS11からステップS12に移行して、前述のようにして全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2が算出され、次のステップS13では、その定常偏差ΔET2を補正するトルクダウン関数f2 に応じて第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTが算出設定される。しかしながら、本実施例では定数的に処理される当該第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTは、少なくとも前記第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTより小さく、例えば“2気筒”に相当する数値に設定されたものとすると、次のステップS15では当該第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTが目標燃料カット気筒数N* CUT に選出される。そして、この目標燃料カット気筒数N* CUT と前記目標サブスロットル開度θ* S(n)とが同ステップS19で出力され、エンジンコントロールユニットでは実燃料カット気筒数NCUT を目標燃料カット気筒数N* CUT に一致させたが、実サブスロットル開度θS は目標サブスロットル開度θ* S と一致せず、前記機械的全閉ストッパーにより制限される漏れ空気量に相当する所定開度θS0で規制されてしまった。
【0048】
この実サブスロットル開度の所定開度θS0による漏れ空気量によりエンジンには所定のトルクが残存していたが、しかしながら前記“4気筒”に相当する実燃料カット気筒数NCUT は継続されていたために、エンジン回転数はその後も増加率が小さくなり続け、やがて減少に転じ、これに合わせて平均後輪加速度V'wR の増加率も小さくなり、やがてピークを迎えて減少に転じ、更にその後の時刻t03で“0”となり、平均後輪速VwR もこの時刻t03でピークを迎えて減少に転じた。この間、主として平均後輪加速度V'wR に支配される第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、図4の演算処理のステップS10で前述と同様に“4気筒”に相当する値に設定され続け、同ステップS12及びステップS14で設定される他方の第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTは未だ“2気筒”に相当する値であり続けたために、同ステップS15では目標燃料カット気筒数N* CUT に前者の第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTが選出され続けた。一方、図4の演算処理のステップS8で算出され且つ主として平均後輪速VwR に支配される目標サブスロットル開度θ* S(n)は、スリップ量S(n) の増加率が次第に小さくなることもあって、当該平均後輪速VwR が減少する以前から次第にその減少率が小さくなり、前記時刻t03では負値の領域での増加に転じた。しかしながら実サブスロットル開度θS が前記所定開度θS0で規制されることに変わりはなく、一方、実燃料カット気筒数NCUT は前記第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTからなる目標燃料カット気筒数N* CUT に一致され続けたため、エンジンのバックトルクによって平均後輪速VwR は減少を続け、これに伴って平均後輪加速度V'wR は負値の領域での減少に転じた。
【0049】
これにより、前記図4の演算処理のステップS10で算出され且つ主として平均後輪加速度V'wR に支配される第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、当該平均後輪加速度V'wR が相応の負値となる時刻t04で、前記“4気筒”よりも小さい例えば“3気筒”に相当する数値となり、一方の第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTが未だ“2気筒”に相当する数値に設定され続けたため、この時刻t04で目標燃料カット気筒数N* CUT は当該第1燃料カット気筒数N* 1CUTである“3気筒”が選出され、これを入力したエンジンコントロールユニットは実燃料カット気筒数NCUT をこれに一致させた。一方、同図4の演算処理のステップS8で算出され且つ主として平均後輪速VwR に支配される目標サブスロットル開度θ* S(n)は、この間も当該平均後輪速VwR の減少に伴って、負値の領域で比較的大きく増加し続けていたが、実サブスロットル開度θS は前記所定開度θS0に規制されたままであった。なお、この間のエンジン出力は、未だ後輪10RL,10RRをスリップさせるためだけに消費されており、当該後輪10RL,10RRの平均後輪速VwR こそ、前記駆動力制御開始(駆動輪速度)閾値Vw0 に近づき始めているが、その回転慣性は、未だ車体を駆動させる程,安定収束しているわけではなく、結果的に車速速と等価な平均前輪速VwF は殆ど増加していない。
【0050】
これらによるエンジンのバックトルクにより、平均後輪加速度V'wR は負値の領域での減少率が次第に小さくなり、やがて負値の領域での増加に転じたが、その間も平均後輪速VwR は減少を継続していた。これにより、前記主として平均後輪加速度V'wR に支配される第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、時刻t05で遂に“0気筒”に相当する数値となり、一方で前記目標サブスロットル開度θ* S(n)は未だ“0”以下であったために、前述と同様に“2気筒”に相当する第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTが設定され続けており、その結果、図4の演算処理のステップS15では、当該第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTが目標燃料カット気筒数N* CUT に設定され、これを入力したエンジンコントロールユニットは実燃料カット気筒数NCUT をこれに一致させた。そして、この後も、平均後輪速VwR は、前記“2気筒”に相当する実燃料カット気筒数NCUT (=目標燃料カット気筒数N* CUT =第2目標燃料カット気筒数N* 2CUT)への燃料カットにより、緩やかではあるが減少を継続し、平均後輪加速度V'wR も負値の領域で緩やかに増加し続け、その結果、前記“2気筒”に相当する第1目標燃料カット気筒数N* 2CUTが目標燃料カット気筒数N* CUT に設定され続けることとなり、平均後輪速VwR のスリップ量は、極低μ路面としては比較的早期に収束に向かうことになる。
【0051】
この時刻t05の近傍から、前記駆動力制御開始閾値Vw0 にゆっくりと近づいている平均後輪速VwR は、その回転慣性が安定して小さくなるために、当該極低μ路面を或る程度グリップするに足る値となり、車体速は、緩やかではあるが次第に増加し、これに伴って平均前輪速VwF も緩やかに増加し始める。従って、前記時刻t05以前から負の領域で増加している平均後輪加速度V'wR は、車体質量を支えながら車体を駆動することになるため、エンジンの出力トルクは車体を駆動するために消費されるようになるから、車体速と等価な平均前輪速VwF は加速度的に大きくなることになる。これにより、未だ目標燃料カット気筒数N* CUT には“2気筒”に相当する前記第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTが選出され続け、実燃料カット気筒数NCUT もこれに一致され続けてエンジントルクの低減制御は継続されているものの、車体速と等価な平均前輪速VwF は増速を続け、具体的には当該平均前輪速VwF が前記駆動力制御開始閾値Vw0 に相当する速度に到達する時刻t06の以前から、平均後輪速VwR との偏差,即ちスリップ量S(n) は当該極低μ路面で発生する定常的なスリップ状態の範囲に収まるようになり、それが故にこの時刻t06に至って平均後輪速VwR の減少率が加速度的に小さくなり、当該平均後輪加速度V'wR が“0”となる時刻t06で平均後輪速VwR も減少側のピークを迎えて増加に転じた。
【0052】
これにより、前記時刻t06以前から平均後輪速VwR の平均前輪速VwF に対する偏差,即ちスリップ量S(n) は加速度的に小さくなることになり、主として当該スリップ量S(n) に支配される前記目標サブスロットル開度θ* S(n)は、時刻t07で遂に正値に転じた。従って、図4の演算処理のステップS11からステップS13に移行して前記第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTは“0(気筒)”に設定され、同ステップS10で算出される一方の前記第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、前記平均後輪加速度V'wR が未だ小さな値であり続けたために、“0気筒”に相当する数値に設定され続け、従って目標燃料カット気筒数N* CUT も“0気筒”となって実燃料カット気筒数NCUT もこれに一致されることになった。この時点で、エンジンからのバックトルクはなくなり、逆に前記所定開度θS0で規制される実サブスロットル開度θS からの漏れ空気量による小さなエンジントルクが作用して平均後輪加速度V'wR は小さいながらも正値の領域で増加することとなり、平均後輪速VwR も僅かに増加し始めた。
【0053】
この間及びこれ以後も、車体速に引張られる平均前輪速VwF は増加し続けていたために、平均後輪速VwR とのスリップ量S(n) はますます小さくなり、従って図4の演算処理のステップS8で算出設定される目標サブスロットル開度θ* S(n)は、時刻t08で実質的に前記実サブスロットル開度の所定開度θS0以上となり、また目標燃料カット気筒数N* CUT 及び実燃料カット気筒数NCUT は“0気筒”であり続けたため、エンジンの出力トルクは次第に増加して平均後輪加速度V'wR も増加し、その結果、平均後輪速VwR も次第に増加してゆく。但し、この時点での平均後輪速VwR と平均前輪速VwF とのスリップ量S(n) は、当該極低μ路面で定常的に発生するスリップ状態の範囲に十分収まっていたため、前記増加する平均後輪加速度V'wR によって車体速は滑らかに加速され、それに伴って平均前輪速VwF も滑らかに増加したため、これ以後は当該極低μ路面での安定した加速が継続されたものと想定される。
【0054】
以上より、後輪速センサ28RL,28RR及び図4の演算処理のステップS1乃至ステップS3及びステップS6が、本発明の車両の駆動力制御装置の駆動輪スリップ状態検出手段に相当し、以下同様に、図4の演算処理のステップS8及びステップS9及びステップS19及びエンジンコントロールユニット31が第1の内燃機関出力制御手段に相当し、図4の演算処理のステップS10乃至ステップS20及びエンジンコントロールユニット31が第2の内燃機関出力制御手段に相当し、図4の演算処理のステップS11乃至ステップS14が内燃機関出力定常偏差補正手段に相当する。
【0055】
次に、本実施例の駆動力制御装置の有効性を理解し易くするために、従来の駆動力制御装置の作用について、図7のタイミングチャートを用いながら説明する。この従来の駆動力制御装置は、前記図4の演算処理のステップS11乃至ステップS15がなく、結果的に前記第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTがそのまま目標燃料カット気筒数N* CUT として出力されたものであると考えればよい。また、このタイミングチャートのシミュレート条件は、前記図6のそれと同様であり、前述と同様に、車体速と等価な平均前輪速VwF が前記所定値VWF0以上となることはなく、従って駆動力制御開始閾値Vw0 は前記所定値Vw00一定に維持されたものとする。
【0056】
このタイミングチャートに示す時刻t11から時刻t15までの時間の平均後輪速VwR ,平均前輪速VwF ,平均後輪加速度V'wR ,目標サブスロットル開度θ* S(n),実サブスロットル開度θS ,目標燃料カット気筒数N* CUT ,及び実燃料カット気筒数NCUT の経時変化は、前記図6のタイミングチャートで目標サブスロットル開度θ* S(n)が時刻t02(図7では時刻t12に相当)で“0”以下となり、その結果、前記第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTが算出され始めることを除いて、当該図6のタイミングチャートの時刻t01から時刻t05と同等又はほぼ同等であるために、その詳細な説明を省略する。従って、この間のエンジン出力は、未だ後輪10RL,10RRをスリップさせるためだけに消費されており、当該後輪10RL,10RRの平均後輪速VwR こそ、前記駆動力制御開始(駆動輪速度)閾値Vw0 に近づき始めているが、その回転慣性は、未だ車体を駆動させる程,安定収束しているわけではなく、結果的に車速速と等価な平均前輪速VwF は殆ど増加していない。
【0057】
しかしながら、この時刻t15までのエンジンのバックトルクにより、前述と同様に、平均後輪加速度V'wR は負値の領域での減少率が次第に小さくなり、やがて負値の領域での増加に転じ、その間も平均後輪速VwR は減少を継続し、前記主として平均後輪加速度V'wR に支配される第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、時刻t05で遂に“0気筒”に相当する数値となり、ここでは前記第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTは設定されないので、この第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTが目標燃料カット気筒数N* CUT に設定され、実燃料カット気筒数NCUT は、実際に何れの気筒にも燃料カットを行わない“0気筒”となった。一方、前記目標サブスロットル開度θ* S(n)は、前述と同様に負値の領域で緩やかに増加しているものの、実際の実サブスロットル開度θS は前記所定開度θS0で規制されたままであり、前記所定の漏れ空気量がエンジンに吸入されている。そして、実際のエンジンコントロールユニットは、前記大きなアクセルペダルの踏込み量,即ちメインスロットル開度及びエアフローメータによる吸入空気量に応じた燃料噴射を継続することとなり、比較的小さな値ではあるがエンジントルクは出力され続ける。これにより、前記時刻t15以後、平均後輪加速度V'wR は負値の領域で加速度的に増加し、これに伴って平均後輪速VwR の減少率が小さくなる。すると、主としてこの平均後輪速VwR に支配される目標サブスロットル開度θ* S(n)の増加率が小さくなってしまうことになる。
【0058】
このようにエンジンの出力トルクは次第に大きくなってしまうから、平均後輪加速度V'wR は負値の領域から“0”を経て、緩やかではあるが正値の領域で増加し始め、これに伴って平均後輪速VwR もゆっくりと増加し始める。しかしながら、この平均後輪速VwR と車体速に等価な平均前輪速VwF との間のスリップ量S(n) は、当該極低μ路面で車体を駆動するほど小さなものではなく若しくは当該極低μ路面で定常的に発生するスリップ状態ではないため、当該車体速と等価な平均前輪速VwF は殆ど又は全く増加しない。そして、この平均後輪速VwR と平均前輪速VwF とのスリップ量S(n) が定常的に発生したまま、車両が十分に発進加速できない状態が継続される。勿論、主としてこのスリップ量S(n) に支配される目標サブスロットル開度θ* S(n)は、負値の領域で殆ど変化しなくなることになり、サブスロットルバルブへの要求信号は全閉指令であるにも係わらず、前記漏れ空気量によるエンジントルクが出力されたままの状態が維持されている。この定常的なスリップ量S(n) こそ、前記図4の演算処理のステップS12で算出される、サブスロットルバルブからの漏れ空気量によるエンジントルクE1 からサブスロットルバルブが全閉であると仮定したときのエンジントルクE0 を減じた全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2によるものであり、この全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2を低減するために必要な(第2)目標燃料カット気筒数N* 2CUTが前記トルクダウン関数f2 で求められ、この第2目標燃料カット気筒数N* 2CUT分に相当する気筒に燃料カットを実行することで、当該全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2に相当するスリップ量S(n) を収束させることができる。これを実行しない前記従来例では、こうした極低μ路面での十分な発進加速性能が得られなくなることもある。
【0059】
なお、上記実施例においては、車体速として非駆動輪、つまり従動輪の車輪速を用いたが、これに限定されるものではなく、例えばアンチスキッド制御装置に使用する擬似車速演算手段を適用して擬似車速を算出し、この擬似車速を車輪速に変換して従動輪の車輪速、即ち車体速として使用するようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施例においては、後輪駆動車に本発明の駆動力制御装置を適用した場合について説明したが、前輪駆動車や四輪駆動車にも本発明を適用することができる。但し、四輪駆動車の場合には、非駆動輪すなわち従動輪が原則的に存在しないので、前述したようにアンチスキッド制御装置に使用する擬似車速演算手段を適用するようにすればよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の車両の駆動力制御装置によれば、例えばスリップ状態検出値の比例・積分値から第2のスロットルバルブの閉方向へのスロットル開度制御量を算出設定し、同じくスリップ状態検出値の比例・微分値から燃料カットすべきエンジンの気筒数を算出設定するようなものであった場合に、例えば当該第2のスロットルバルブからの吸入空気量に相当する当該第2のスロットルバルブの実際の開度と、全閉と考えられる第2のスロットルバルブの目標開度との間で発生する内燃機関出力の定常偏差、即ち第2のスロットルバルブからの漏れ空気がエンジンに吸入されているときのエンジン出力とエンジンには全く空気が吸入されていないと考えられるときのエンジン出力との定常的な偏差などに応じて、そのエンジン出力定常偏差に相当する駆動力分だけ当該内燃機関への燃料供給の停止量又は減少量を設定することにより、本来はスリップ量の増加が終了している極低μ路面での発進時にも適切な燃料カットを継続することで、駆動輪へのバックトルクを大きくして当該駆動輪のスリップを早期に収束して、安定して発進や加速を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の駆動力制御装置を適用した車両の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す駆動力制御装置で第2のスロットルバルブが全閉指令に対して完全に全閉にならず、漏れ空気が発生する説明図である。
【図3】図1に示すトラクションコントロールユニットの一例を示すブロック図である。
【図4】図3のトラクションコントロールユニットで実行される駆動力制御の演算処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】車体速と等価な平均前輪速に応じて図4の演算処理で設定される駆動力制御開始閾値の一例を示す制御マップである。
【図6】図4の演算処理による駆動力制御の作用を説明するタイミングチャートである。
【図7】従来の駆動力制御の作用を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
10FL,10FRは前左右輪
10RL,10RRは後左右輪(駆動輪)
14は自動変速機
18はトルクコンバータ
20はエンジン(内燃機関)
21a〜21dは燃料噴射装置
28FL〜28RRは車輪速センサ
30はトラクションコントロールユニット
31はエンジンコントロールユニット
34はトランスミッションコントロールユニット
35はサブスロットルバルブ
36は吸気管路
38は排気管路
39はメインスロットルバルブ
41はエアフローメータ
42はスロットル開度センサ
45はステップモータ(アクチュエータ)
84はマイクロコンピュータ

Claims (2)

  1. 所定の目標駆動輪速度に対する駆動輪のスリップ状態を検出する駆動輪スリップ状態検出手段と、前記駆動輪スリップ状態検出手段で検出された駆動輪のスリップ状態検出値の大きさに応じて、運転者によって操作される第1のスロットルバルブとは個別に設けられた第2のスロットルバルブの開度を閉方向に制御して、前記スリップ状態検出値の変化に対して大きなゲインで内燃機関の出力を低減制御する第1の内燃機関出力制御手段と、前記スリップ状態検出値の大きさに応じて、前記第1の内燃機関出力制御手段より速い応答性で、且つ前記スリップ状態検出値の変化に対して小さなゲインで前記内燃機関の出力を低減制御する第2の内燃機関出力制御手段とを備え前記第2の内燃機関出力制御手段は、前記第2のスロットルバルブの実際の開度が全閉ストッパーにより制限されて当該第2のスロットルバルブの目標開度と一致しなくなることにより発生する内燃機関出力の定常偏差相当の駆動力分だけ前記内燃機関の出力を低減制御する内燃機関出力定常偏差補正手段を備えたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 前記第2の内燃機関出力制御手段は、前記内燃機関への燃料の供給を停止又は減少することにより当該内燃機関の出力を低減制御することを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
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