JPH09226034A - 自動車内装材用発泡積層シート - Google Patents

自動車内装材用発泡積層シート

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JPH09226034A
JPH09226034A JP8035016A JP3501696A JPH09226034A JP H09226034 A JPH09226034 A JP H09226034A JP 8035016 A JP8035016 A JP 8035016A JP 3501696 A JP3501696 A JP 3501696A JP H09226034 A JPH09226034 A JP H09226034A
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JP
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resin
foamed
automobile interior
laminated sheet
layer
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JP8035016A
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English (en)
Inventor
Fuminobu Hirose
文信 廣瀬
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法安定性に優れ、変形し難く、耐熱性が向
上した自動車内装材用発泡積層シートを得る。 【解決手段】 変性PPE系樹脂発泡層の少なくとも片
面に、無機フィラーを含有する熱可塑性樹脂からなる非
発泡層を積層した自動車内装材用発泡積層シートを提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変性ポリフェニレンエー
テル(以下、変性PPEと略す)系樹脂発泡層に非発泡
層を積層した耐熱性が改善された、軽量で成形性、遮音
性、断熱性、耐衝撃性に優れ、安価な自動車内装材用発
泡積層シートに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、自動車内装材として、熱可塑性樹脂
発泡体を主体とする基材にウレタンフォームを積層した
ものや、スチレン−無水マレイン酸共重合体の発泡層の
上下面にスチレン−無水マレイン酸共重合体の非発泡層
を積層した積層シートを所望の形状に成形したものが広
く用いられている。それらの自動車内装材は、軽量で断
熱性が高く、成形加工性がすぐれているという特徴があ
る。しかしながら、従来の自動車内装材、特に自動車天
井基材は、高温に長時間曝されるような用途に用いた場
合に、耐熱性が不十分であるため自重で垂れ下がる(ヒ
ートサグ)などの問題を発生することがあった。
【0003】そこで、耐熱性を向上させるために、耐熱
性の高い変性PPE系樹脂発泡層の上下面に変性PPE
系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートを用いた自動
車内装材用発泡積層シートが提案されている(実開平4
−11162号公報)。この変性PPE系樹脂を用いた
自動車内装材用発泡積層シートは、耐熱性に優れ軽量で
あるため高温下でのヒートサグが改善されるとされてい
るものである。一方、近年自動車車内空間の快適性が重
要視されるようになり、車内空間にゆとりを持たせるた
め室内を広くとるようになっている。このため自動車天
井基材一般においての軽薄化が実施されており、自動車
天井基材の耐熱性及び寸法安定性への品質要求がさらに
厳しくなっている。
【0004】そこで、これらの問題を解決するために、
従来は無機質のガラス繊維とプラスチックの複合材料を
ベースとした自動車内装材が使用されてきた。しかし、
この構造では、耐熱性という品質は維持できるものの、
軽量化が図れない上にコスト高になるといった問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は上記の如
き実情に鑑み、優れた耐熱性(非ヒートサグ性)を有す
るとともに優れた寸法安定性を有し、安価且つ容易に製
造可能な自動車内装材用発泡積層シートを提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは耐熱特性を
維持しつつ軽量化を図るため、変性PPE系樹脂発泡層
を使用し、自動車内装材用発泡積層シートの構成を種々
変化させ鋭意検討を行った結果、非発泡層の熱可塑性樹
脂に無機フィラーを混合することにより、耐熱性に優
れ、かつ線膨張係数の抑制にも効果があることから、優
れた寸法変化率を示すものが得られることを見いだし
た。本発明者らは、自動車内装材用発泡層の少なくとも
片面に無機フィラーを含む非発泡層を使用する事で、軽
量で従来にない耐熱性の高い良好な寸法安定性、成形
性、耐衝撃性、遮音性、断熱性、コスト競争力を有する
変性PPE系樹脂の自動車内装材用発泡積層シートを発
明するに至った。
【0007】上記課題を解決するために本発明は、自動
車内装材として変性PPE系樹脂発泡層の少なくとも片
面に無機フィラーを含む熱可塑性樹脂、好ましくは変性
PPE系樹脂からなる非発泡層を積層した自動車内装材
用発泡積層シートを提供する。また、上記課題を解決す
るために本発明は、非発泡層が熱可塑性樹脂100重量
部に対し、1〜50重量部の無機フィラーを含有せしめ
た自動車内装材用発泡積層シートを内容とする。
【0008】また、上記課題を解決するために本発明
は、無機フィラーを含む非発泡層を発泡層の上面(車内
天井面側)に使用された自動車内装材用発泡積層シート
を内容とする。また、上記課題を解決するために本発明
は、無機フィラーを含む非発泡層として、変性ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂を基材樹脂として使用した自動車
内装材用発泡積層シートを内容とする。
【0009】また、上記課題を解決するために本発明
は、発泡層がPPE成分25〜70重量部とポリスチレ
ン成分30〜75重量部であるPPE系樹脂とPS系樹
脂の混合樹脂、フェニルエーテルとスチレンとのグラフ
ト共重合樹脂、または該共重合樹脂とPS系樹脂との混
合樹脂からなる変性PPE系樹脂を基材樹脂として、該
基材樹脂に発泡剤を添加し押出発泡させて得られる一次
厚みが1〜5mm、一次発泡倍率が3〜20倍、セル径
が0.05〜0.3mm、独立気泡率が70%以上の発泡
層を構成要件とする自動車内装材用発泡積層シートを内
容とする。
【0010】本発明において使用される変性PPE系樹
脂発泡層の製造方法としては、変性PPE系樹脂に各種
の添加剤を加え、押出機により溶融・混練し、高温高圧
下で発泡剤を圧入し、発泡最適温度に調節して低圧帯
(通常大気中)に押出した後、マンドレル等によってシ
ート状に成形する方法が好適である。変性PPE系樹脂
発泡層の基材樹脂としてはPPEとPSの混合樹脂及び
フェニルエーテルとスチレンとのグラフト共重合体、該
共重合体とPS系樹脂の混合樹脂等が挙げられるが、製
造が容易である点でPPEとPSの混合樹脂が好まし
い。
【0011】本発明において使用されるPPE系樹脂重
合用単量体としては例えば、2,6−ジメチルフェニレ
ン−1,4−エーテル、2−メチル−6−エチルフェニ
レン−1,4−エーテル、2,6−ジエチルフェニレン
−1,4−エーテル、2−メチル−6−n−プロピルフ
ェニレン−1,4−エーテル、2−メチル−6−n−ブ
チルフェニレン−1,4−エーテル、2−メチル−6−
クロルフェニレン−1,4−エーテル、2−メチル−6
−ブロムフェニレン−1,4−エーテル、2−エチル−
6−クロルフェニレン−1,4−エーテル等が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0012】フェニルエーテルとグラフト共重合される
スチレン系モノマー、又はPPEとブレンドされるポリ
スチレン重合用スチレン系モノマーとしては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチ
ルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。上記ポリ
フェニレンエーテル、ポリスチレンのいずれにおいて
も、それぞれと重合可能な化合物、例えばアクリロニト
リル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、無水マレイン酸等を1種又は2種以上重合さ
せたものも含む。
【0013】上記したポリフェニレンエーテルとスチレ
ン系化合物のグラフト共重合体を製造する方法は、従来
周知の方法でよく、例えば特公昭52−30991、特
公昭52−38596、特公昭52−142799号等
に開示されているものである。変性PPE系樹脂発泡層
の製造において使用される発泡剤としてはブタン、プロ
パン、ペンタン、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロ
フロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロジフロロエタ
ン等の炭化水素、ハロゲン化炭化水素等が挙げられ、ま
たそれらを組み合わせて使用しても良い。
【0014】本発明において使用される変性PPE系樹
脂発泡層の基材樹脂は、必要に応じて気泡調整剤、耐衝
撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料等を
添加することができる。本発明において、変性PPE系
樹脂を基材樹脂とする発泡シートはPPE成分25〜7
0重量部とポリスチレン成分75〜30重量部であるP
PEとPSの混合樹脂及びフェニルエーテルとスチレン
とのグラフト共重合体、該共重合体とPS系樹脂の混合
樹脂等を基材樹脂として、該基材樹脂に発泡剤を添加し
押出発泡させて得られる一次厚みが1〜5mm、一次発
泡倍率が3〜20倍、セル径が0.05〜0.3mm、独
立気泡率が70%以上であることが好ましい。PPE3
0〜65重量部とポリスチレン成分35〜70重量部が
さらに好ましく、PPE35〜60重量部とポリスチレ
ン成分40〜65重量部がさらにいっそう好ましい。ま
た、発泡シート中の残存揮発成分の量は1〜5重量部、
好ましくは2〜4重量部である。
【0015】PPE系樹脂の混合重量部が小さいときは
耐熱性が劣る傾向があり、PPE系樹脂の混合重量部が
大きいときは加熱流動時の粘度が上昇し発泡成形が困難
になる場合がある。発泡シートの一次厚みが1mm未満
の場合、強度・断熱性に劣り自動車内装材用発泡積層シ
ートとして適当でない場合がある。また発泡シート一次
厚みが5mm以上の場合、成形加熱時に熱が変性発泡層
の厚み方向の中心部まで伝わり難く、そのため十分な加
熱が行えず成形性が悪くなる場合がある。また、十分な
加熱を行うべく加熱時間を長くすると、発泡層表面のセ
ルの破泡等が生じ、製品として許容できるものが得られ
難い。一次発泡倍率が3倍未満の場合、柔軟性に劣り曲
げ等による破損が生じ易く、また軽量なものが得られな
い。20倍以上の場合強度、成形性に劣る傾向がある。
セル径が0.05mm以下の場合強度が得られず、0.
3mm以上の場合、断熱性に劣る傾向がある。また、独
立気泡率が70%以下の場合、断熱性、剛性に劣るとと
もに成形加熱時の2次発泡倍率を得難くなり、成形性に
劣る傾向がある。
【0016】本発明における変性PPE系樹脂発泡層
に、非発泡層を積層する方法としては、あらかじめフィ
ルム状に成形した樹脂を発泡成形され供給される発泡層
の上面および/または下面に熱ロール等により接着する
方法、多層押出金型を用いて行う共押出積層方法等が挙
げられるが、あらかじめ発泡成形され、供給される発泡
層の上下面に押出機から供給される可塑化状態にある非
発泡層を冷却ローラーなどによって積層・固着する方法
が好ましい。中でも、発泡層の押出発泡シート成形と非
発泡層の押出をインライン中で行い積層する方法が特に
好ましい。
【0017】非発泡層の熱可塑性樹脂として使用される
ものとしては、ポリスチレン系樹脂(PS系樹脂)、耐
熱ポリスチレン系樹脂(耐熱PS系樹脂)、変成PPE
系樹脂、ポリプロピレン(PP)系樹脂、ポリエチレン
(PE)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)系樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂等が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上の組み合わせて用いられ
るが、変成PPE系樹脂発泡層との接着性からPS系、
耐熱PS系、変成PPE系樹脂が好適である。耐熱PS
系樹脂としてはスチレンとカルボキシル基含有モノマー
との共重合体が挙げられ、例えばスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重
合体やそれらの共重合体とポリスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリフェニレンオキサイドなどの重合体とのブレ
ンド物が挙げられる。耐熱、剛性、発泡シートとの接着
性の点において、変成PPE系樹脂が特に好適である。
【0018】非発泡層に好適に使用される変成PPE系
樹脂としては、発泡層に用いいられる変性PPE樹脂と
同じく、PPE成分25〜70重量部とポリスチレン成
分75〜30重量部であるPPEとPSの混合樹脂及び
フェニルエーテルとスチレンとのグラフト共重合体、該
共重合体とPS系樹脂の混合樹脂等が挙げられるが、製
造が容易である点でPPEとPSの混合樹脂が好まし
い。
【0019】前記PPE系樹脂の具体例、好ましいも
の、PS系樹脂の具体例、好ましいもの、スチレン系単
量体の具体例、好ましいもの、さらには、PS系樹脂に
含まれるまたはスチレン系単量体と重合可能な単量体の
具体例などは、発泡層と同じであるので、説明は省略す
る。ただし、PS系樹脂の好ましい具体例として、ハイ
インパクトポリスチレン(HIPS)で代表されるスチ
レン−ブタジエン共重合体が、非発泡層の耐衝撃改善効
果が大きいという点から追加される。
【0020】変性PPE系樹脂のPPE成分の割合が2
5重量部以下と少なくなる場合には、成形体の耐熱性が
劣る傾向があり、変性PPE系樹脂のPPE成分の割合
が70重量部以上になる場合には、成形が困難となる傾
向がある。本発明における発泡積層シートにおいて、非
発泡層は発泡層の両面もしくは片面に積層されるが、製
造コストが安価で軽量な後者の方が好ましい。
【0021】本発明で非発泡層に混合される無機フィラ
ーには特に制限はなく、タルク(ケイ酸マグネシウ
ム)、炭酸カルシウム(重質、軽質、膠質等)、マイ
カ、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、シリカ、クレ
ー、カオリン、ホワイトカーボン、水酸化マグネシウ
ム、カーボンブラック、ゼオライト、モリブデンが挙げ
られ、これらの中でも特にタルク、炭酸カルシウム、マ
イカが好ましい。無機フィラーの添加量は変性PPE樹
脂100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは5
〜40重量部である。この添加量が1重量部未満では耐
熱性改善等の無機物を充填した明確な効果が得られず、
50重量部を越えて添加すると樹脂の粘度が増加し押出
機に大きな負荷がかかるため好ましくなく、また非発泡
層の衝撃強度の低下が著しくなる。
【0022】本発明において使用される非発泡層の熱可
塑性樹脂には、必要に応じて耐衝撃性改良剤、滑剤、酸
化防止剤、静電防止剤、顔料等を単独または2種類以上
組み合わせて添加することができる。前記耐衝撃改良剤
は、非発泡層を変性PPE系樹脂発泡層に積層し、2次
発泡させて成形した自動車内装材を輸送する際や、自動
車内装材にさらにパンチング加工を行う際に、非発泡層
の割れなどを防止するために使用されるもので、非発泡
層を形成する熱可塑性樹脂に混合して使用される。具体
的には、耐衝撃改良剤として、天然ゴムおよび合成ゴム
が用いられる。好適に使用しうるゴムまたはゴム状ポリ
マーとしては、たとえば天然クレープゴム、SBRタイ
プゴム、GR−Nタイプゴム、ブタジエンゴム、ブタジ
エン−スチレンゴムまたはイソプレンから製造される合
成ゴム、エラストマー性の改質ジエンポリマー、ポリブ
タジエンとスチレンのゴム状ポリマー等が挙げられる。
耐衝撃改良材の配合量としては、通常、非発泡層を構成
する熱可塑性樹脂中にゴム成分量として1〜15部含有
されるように配合されるのが好ましい。
【0023】ゴム成分を含有する変性PPE系樹脂中の
ゴム成分量を特定する方法としては、ゴム成分が不溶で
変性PPE系樹脂が溶解する溶媒に混合樹脂を溶かし、
不溶分を分離し重量を測定する方法(分別法)、IR等
で測定、定量する方法等がある。例えば、ゴム成分がS
BRの場合、トルエン溶媒にゴム入り変性PPEを溶か
し、不溶分の重量を測定することでゴム成分の重量比率
を算出する。
【0024】本発明における発泡積層シートにおいて発
泡層に積層される非発泡層の厚みは50〜300μmが
好ましい。50μmより薄い場合には強度、剛性、耐熱
性等に劣り、300μmより厚い場合には成形性に劣
る。本発明において用いられる変性PPE系樹脂発泡積
層シートには、従来の自動車内装材として用いられる表
皮材、例えば織布、不織布、発泡層等を必要に応じて積
層することができる。表皮材の基材としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポ
リアクリロニトリル、ナイロン等の合成樹脂や羊毛、木
綿等の天然素材を使用することができ、それらを組み合
わせても良い。
【0025】本発明において用いられる変性PPE系樹
脂発泡積層シートに表皮材を接着する方法としては接着
剤を介して発泡積層シートに接着する方法等が挙げられ
る。接着剤としては、熱可塑性接着剤、ホットメルト接
着剤、ゴム系接着剤、熱硬化性接着剤、モノマー反応型
接着剤、無機系接着剤、天然物接着剤等が挙げられる
が、接着が容易な点でホットメルト接着剤が好適であ
る。ホットメルト接着剤としては、オレフィン系、変性
オレフィン系、ポリウレタン系、エチレン・酢酸ビニル
共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑
性ゴム系、スチレン−ブタン共重合体、スチレン−イソ
プレン共重合体系樹脂を成分としたものが挙げらる。
【0026】表皮材の接着方法としては、あらかじめ表
皮材に接着剤が接着してあるものを発泡積層シートに熱
ロール等を用いて接着する方法あるいは発泡積層シート
に仮止めし加熱成型時に成形と接着を同時に行う方法、
接着剤を発泡積層シートにバインダーラミネーション法
やあらかじめフィルム状に成形された接着剤を熱ラミネ
ーション法等により積層した発泡積層シートに表皮材を
熱ロール等を用いて接着する方法あるいは表皮材を仮止
めし加熱成型時に成形と接着を同時に行う方法、接着剤
を発泡積層シートに積層する際に表皮材を同時に接着す
る方法等が挙げられる。
【0027】本発明による自動車内装材用発泡積層シー
トの成形方法としては、上下にヒーターを持つ加熱炉の
中央に積層シートをクランプして導き、成形に適した温
度に加熱し二次発泡させた後、温度調節をした金型にて
真空成形・圧空成形等やフリードローイング成形、プラ
グ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モー
ルド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースド
ロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プ
ラグアシストリバースドロー成形等にて成形する方法が
挙げられる。また、成形の際の発泡層の二次発泡によ
り、二次厚み2.0〜10mmとなるようにすることが
望ましい。
【0028】本発明による自動車内装材用発泡積層シー
トを自動車に固定する場合の配置としては、無機フィラ
ーを含む非発泡層を、図1に示すように、発泡層の上面
(天井外板車内面側)に配置することが高温時の強度の
点から望ましい。
【0029】
【作用】本発明の、少なくとも片面に無機フィラーを充
填した非発泡層を設けることで耐熱性が改善された自動
車内装材用発泡積層シートは、高温下におけるヒートサ
グの改善だけでなく軽量かつ安価であり、従来にない品
質及びコスト競争力に優れたものである。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。な
お、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではな
い。実施例・比較例に用いた樹脂を表1に、充填剤を表
2に、その他の材料を表3に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】発泡積層シートの成形体の耐熱性試験に関
して、以下の方法でヒートサグ試験(片持ち耐熱試験)
を行った。成形体の一部分を試験片として225mm
(発泡積層シートの押出MD方向)×25mm(発泡積
層シートの幅TD方向)の寸法で切り出し、試験片の一
方の端部25mmを保持具にクランプし、片方は自由の
状態にして200mmオーバーハングさせた。自由端上
面に測定点を刻印し更に自由端から5mmの位置に5g
の分銅をのせ荷重をかけた。試験片自由端の垂れ下がり
を測定するために標線を設け、加熱前に標線と測定点の
距離を測定した。次に試験片保持具を85±1℃に設定
した恒温槽内に2時間投入した。その後、試験片保持具
を恒温槽から取り出し、加熱後の試験片の測定点と標線
の距離を測定し、試験片先端の垂れ下がり量を算出し
た。
【0035】評価基準は次の通りである。 ◎:試験片の垂れ下がりが5mm未満である。 ○:試験片の垂れ下がりが5mm以上、10mm未満で
ある。 ×:試験片の垂れ下がりが10mm以上である。 (一次発泡倍率、平均セル径、独立気泡率) 一次発泡倍率:発泡シートの密度dfをJIS K72
22に準じて測定し、変性PPE樹脂の密度dpをJI
S K7112に準じて測定した。 一次発泡倍率=df/dp 平均セル径:発泡シートの断面を光学顕微鏡、電子顕微
鏡で観察し、任意のn=20以上のセル径を測定し平均
して算出した。 独立気泡率:発泡シートをASTM D−2856に準
じて測定した(マルチビクノメーター(ベックマン社
製)を使用)。
【0036】
【実施例1】PPE樹脂成分40重量%、PS樹脂成分
60重量%となるように、PPE樹脂(A)とPS樹脂
(C)とを混合した混合樹脂100重量部に対して、i
so−ブタンを主成分とする発泡剤(iso/n=85
/15)3重量部、およびタルク0.32重量部を押出
機により加熱混練し、樹脂温度198℃まで冷却し、サ
ーキュラーダイスにより押出し、一次厚み2.6mm、
一次発泡倍率10倍、独立気泡率85%、平均セル径
0.19mm、目付け240g/m2の発泡層を得た。
得られたシートはロール状に巻き取られた。
【0037】得られたシートを繰り出し、PPE樹脂成
分30重量%,PS樹脂成分64重量%,ゴム成分6重
量%となるようにPPE樹脂(B)、PS樹脂(C)お
よび耐衝撃性改良剤(D)を混合した混合樹脂100重
量部に対してタルク(E)10重量部を加えたものを溶
融・混練しTダイを用いて樹脂温度278℃で押出し、
発泡層の片面に厚み150μmの非発泡層を積層した。
得られた積層シートはロール状に巻取られた。 次に、
非発泡層と異なる側の発泡層表面にホットメルトフィル
ム接着剤(H)を介して表皮材(I)と重ね合わせたも
のを仮止めした。表皮材とホットメルトフィルム接着剤
を仮止めした発泡積層シートの四方をクランプし加熱炉
にいれ表面温度155℃まで加熱し、60℃に温調した
金型にてプラグ成形を行った結果、強固に接着、積層さ
れた自動車内装材用発泡積層体が得られた。このもの
を、トリミング、パンチング加工を施し自動車内装材用
発泡積層成形体を得た。
【0038】得られた自動車内装材用発泡積層体より試
験片を切り出し、非発泡層を上面にしてヒートサグ試験
をおこなったところ、試験片の垂れ下がりは殆どなかっ
た。得られた自動車内装材用発泡積層体の非発泡層の含
有無機フィラー種、耐熱試験時の非発泡層の配置、ヒー
トサグ試験結果を表4に示す。
【0039】
【実施例2】無機フィラーとしてタルク(E)の代わり
に炭酸カルシウム(F)を20重量部使用した以外は、
実施例1記載の方法と同様の方法により自動車内装材用
発泡積層体を得た。得られた自動車内装材用発泡積層体
より試験片を切り出し、非発泡層を上面にしてヒートサ
グ試験をおこなったところ、試験片の垂れ下がりは殆ど
なかった。得られた自動車内装材用発泡積層体の非発泡
層の含有無機フィラー種、耐熱試験時の非発泡層の配
置、ヒートサグ試験結果を表4に示す。
【0040】
【実施例3】無機フィラーとしてタルク(E)の代わり
にマイカ(G)を10重量部使用した以外は、実施例1
記載の方法と同様の方法により自動車内装材用発泡積層
体を得た。得られた自動車内装材用発泡積層体より試験
片を切り出し、非発泡層を上面にしてヒートサグ試験を
おこなったところ、試験片の垂れ下がりは殆どなかっ
た。得られた自動車内装材用発泡積層体の非発泡層の含
有無機フィラー種、耐熱試験時の非発泡層の配置、ヒー
トサグ試験結果を表4に示す。
【0041】
【実施例4】非発泡層側にホットメルトフィルム接着剤
(H)を介して表皮材(I)と重ね合わせたものを仮止
めした以外は、実施例1記載の方法と同様の方法により
自動車内装材用発泡積層体を得た。得られた自動車内装
材用発泡積層体より試験片を切り出し、非発泡層を下面
(表皮材を下)にして、ヒートサグ試験をおこなったと
ころ、試験片に若干の垂れが観測された。得られた自動
車内装材用発泡積層体の非発泡層の含有無機フィラー
種、耐熱試験時の非発泡層の配置、片持ち耐熱試験結果
を表4に示す。
【0042】
【比較例1】無機フィラーを使用しなかった以外は、実
施例1記載の方法と同様の方法により自動車内装材用発
泡積層体を得た。得られた自動車内装材用発泡積層体よ
り試験片を切り出し、非発泡層を上面にしてヒートサグ
試験をおこなったところ、試験片の垂れ下がりが観察さ
れた。得られた自動車内装材用発泡積層体の非発泡層の
含有無機フィラー種、耐熱試験時の非発泡層の配置、片
持ち耐熱試験結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】上記のように実施例1〜4に示した無機フ
ィラーを含む非発泡層を有する発泡積層シートは、比較
例1の無機フィラーを含まない非発泡層を有する発泡積
層シートと比較し、耐熱性に非常に優れた効果を示すこ
とが分かる。また、実施例1、2、3と実施例4と比較
すると、発泡積層シートを固定する際には上面に非発泡
層を設けることで耐熱性に優れた効果を示すことが分か
る。
【0045】
【発明の効果】上述のとおり、本発明の少なくとも片面
非発泡層に無機フィラーを含む自動車内装材用発泡積層
シートを用いれば、従来の無機質のガラス繊維をベース
とした基材の軽量化、コスト高の問題の改善された、更
に品質の優れた自動車内装材用発泡積層シートが提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車内装材用発泡積層シートの自動
車天井部における配置の例を示す。
【符号の説明】
1 天井外板 2 自動車天井基材 3 発泡層 4 フィラー含有非発泡層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡
    層の少なくとも片面に無機フィラーを含む熱可塑性樹脂
    からなる非発泡層を積層した自動車内装材用発泡積層シ
    ート。
  2. 【請求項2】 非発泡層が熱可塑性樹脂100重量部に
    対し、1〜50重量部の無機フィラーを含有せしめた樹
    脂からなる請求項1記載の自動車内装材用発泡積層シー
    ト。
  3. 【請求項3】 無機フィラーがタルク、炭酸カルシュウ
    ムまたはマイカから選ばれる少なくとも1種である請求
    項1または2記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  4. 【請求項4】 非発泡層が耐熱ポリスチレン系樹脂また
    は変性ポリフェニレンエーテル系樹脂である請求項1、
    2または3記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  5. 【請求項5】 非発泡層が耐衝撃性改良剤をゴム成分量
    として1〜15重量%含有する請求項4記載の自動車内
    装材用発泡積層シート。
  6. 【請求項6】 発泡層がポリフェニレンエーテル成分2
    5〜70重量部とポリスチレン成分30〜75重量部で
    あるポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹
    脂の混合樹脂、フェニルエーテルとスチレンとのグラフ
    ト共重合樹脂、または該共重合樹脂とポリスチレン系樹
    脂との混合樹脂からなる変性ポリフェニレンエーテル系
    樹脂を基材樹脂とし、該基材樹脂に発泡剤を添加し押出
    発泡させて得られる一次厚みが1〜5mm、一次発泡倍
    率が3〜20倍、平均セル径が0.05〜0.3mm、
    独立気泡率が70%以上の発泡層である請求項1、2、
    3、4または5記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  7. 【請求項7】 無機フィラーを含む非発泡層を発泡層の
    上面に設置した請求項1、2、3、4、5または6記載
    の自動車内装材用発泡積層シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0988965A3 (en) * 1998-09-26 2000-11-22 Premark RWP Holdings, Inc. Polymeric foam compositions and method of making substrates made from such compositions and method of making products made from such substrates and method of making
SG83691A1 (en) * 1997-11-25 2001-10-16 Premark Rwp Holdings Inc Polymeric foam substrate and its use as in combination with decorative surfaces
JP2019097284A (ja) * 2017-11-21 2019-06-20 古河電気工業株式会社 電線用外装体及び外装体付きワイヤーハーネス

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